ゲスト
(ka0000)
Pクレープとワインバッカー
マスター:深夜真世

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや易しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~7人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2016/04/26 15:00
- 完成日
- 2016/05/09 23:45
このシナリオは5日間納期が延長されています。
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
田舎村を相手に細々と商取引をするポルカ商会の一人息子、ポルテ・ポルカはぽっちゃりした青年である。
「はいはい、任せてくださいよ」
太っちょで柔らかい物腰、何よりユーモラスな雰囲気で取引先から好感を抱かれている。彼の父であり同商会の代表であるポルカ氏が「息子に商才はない」と言い切られたが、人懐こい笑顔だけは天賦の才があるかもしれん、と一目置かれたりするほどだ。
半面、便利に使われることも少なくない。
「ちょっと、ポルカさんとこの坊っちゃん」
「はいはい、マダム。なんでしょう」
取り引きするジェオルジの田舎町で、井戸端に集まったご婦人方に呼ばれにこにこと寄っていく。
「ポルカさんとこって、ヴァリオスの都会でも取り引きあるんでしょう?」
「なんでも、治安の悪いとこに敢えて出店して地域を守ってるとか」
「新規店の割り込む隙さえない大都会で出店できたのはひとえに『強くて甘い』からだとか」
おほほ、うふふ、としゃべりまくるご婦人たち。
「はあ、まあ……」
しどろもどろにこたえるポルテ。嫌な予感しかしない。
「強さの秘訣は、ハンターさんたちに店を任せているからでしたか?」
「一人にお願いするとハンターの立場がおかしくなって止められるからって、たくさんのハンターさんに店員をお願いしてぐるぐるローテーション」
「いけないわね~。忙しいハンターさんたちにそんなことさせて」
ぐいい、と寄せた顔が好意的なものから非難する様子に変わった。人差し指でポルテの肩の付け根をグリグリしたり、ぺしんと首元に巻いたスカーフを弾いてみたり。
「え、ええと……僕からハンター仕事を頼むこともあるから」
頼むから開放してほしいと願いつつ言うと、なんとご婦人方はあっさり彼から距離を置いた。
ほっとするポルテだが。
「まあ、お店からハンターオフィスに頼むこともあるの?」
「素敵、ちょうどいいじゃない」
たちまち喜色満面。
ただし、有無を言わさない勢いだ。
「最近、旦那たちが『ワインバッカーが出るからなんとかしないと』なんていってるけど……」
「ポルカさんのとこに頼めばお安くハンターさんを雇っていただけそうねー」
「さすがポルカ商会さんだわ~」
「素敵素敵。これで村の困りごとも解決ね」
たちまち巻き上がる、「きーまり」、「良かったわ~」などの大合唱。
「あの……『ワインバッカー』って、何でしょう」
ポルテ、ぽつねんと取り残された気分で問う。
「後は旦那たちに聞いてね♪」
ご婦人方、お安い買い物をするのが気持ちいいの、とばかりに後は知らんぷりである。
「後は到着を待って、ヴァリオスの街でやってるクレープを味わうだけね♪」
一方的に、Pクレープの出撃が決まってしまった。
このままではあまりにポルテが不憫なので追記すると、
・この田舎村近くの森深くで強いワインの香りが漂ってくる
・まれにこの地方で見られる「ワインバッカー」と呼ばれる歪虚である
・人の大きさ以上のウツボカズラで、捕食嚢の下にある繊毛を蠢かし移動する
・葡萄農園を襲い捕虫嚢に葡萄を溜め込み退治しに来た人を触手で攻撃する
・葡萄は因縁つけるためだけに襲うので捕食嚢に入れたまま。自家発酵して普通の赤ワインになる
・実は強くなく、覚醒者であれば楽勝。ただし、退治すると溜め込み背負うようにしていたワインをぶちまける
・ワインの雨に攻撃力はないが、強いアルコールを浴びる効果がある
・離れていても濃厚なワインの香りを吸い込むことに
・ワインバッカーの近くには、小鳥程度の大きな蚊の歪虚が必ずいる
という物件らしい。
「ええーっ! ワインくさい歪虚退治??!」
ヴァリオスのPクレープでポルテから両手を合わせ拝まれた南那初華(kz0135)、断れなかった。
こうしてハンターオフィスに正式依頼して仲間を募るのだった。
「はいはい、任せてくださいよ」
太っちょで柔らかい物腰、何よりユーモラスな雰囲気で取引先から好感を抱かれている。彼の父であり同商会の代表であるポルカ氏が「息子に商才はない」と言い切られたが、人懐こい笑顔だけは天賦の才があるかもしれん、と一目置かれたりするほどだ。
半面、便利に使われることも少なくない。
「ちょっと、ポルカさんとこの坊っちゃん」
「はいはい、マダム。なんでしょう」
取り引きするジェオルジの田舎町で、井戸端に集まったご婦人方に呼ばれにこにこと寄っていく。
「ポルカさんとこって、ヴァリオスの都会でも取り引きあるんでしょう?」
「なんでも、治安の悪いとこに敢えて出店して地域を守ってるとか」
「新規店の割り込む隙さえない大都会で出店できたのはひとえに『強くて甘い』からだとか」
おほほ、うふふ、としゃべりまくるご婦人たち。
「はあ、まあ……」
しどろもどろにこたえるポルテ。嫌な予感しかしない。
「強さの秘訣は、ハンターさんたちに店を任せているからでしたか?」
「一人にお願いするとハンターの立場がおかしくなって止められるからって、たくさんのハンターさんに店員をお願いしてぐるぐるローテーション」
「いけないわね~。忙しいハンターさんたちにそんなことさせて」
ぐいい、と寄せた顔が好意的なものから非難する様子に変わった。人差し指でポルテの肩の付け根をグリグリしたり、ぺしんと首元に巻いたスカーフを弾いてみたり。
「え、ええと……僕からハンター仕事を頼むこともあるから」
頼むから開放してほしいと願いつつ言うと、なんとご婦人方はあっさり彼から距離を置いた。
ほっとするポルテだが。
「まあ、お店からハンターオフィスに頼むこともあるの?」
「素敵、ちょうどいいじゃない」
たちまち喜色満面。
ただし、有無を言わさない勢いだ。
「最近、旦那たちが『ワインバッカーが出るからなんとかしないと』なんていってるけど……」
「ポルカさんのとこに頼めばお安くハンターさんを雇っていただけそうねー」
「さすがポルカ商会さんだわ~」
「素敵素敵。これで村の困りごとも解決ね」
たちまち巻き上がる、「きーまり」、「良かったわ~」などの大合唱。
「あの……『ワインバッカー』って、何でしょう」
ポルテ、ぽつねんと取り残された気分で問う。
「後は旦那たちに聞いてね♪」
ご婦人方、お安い買い物をするのが気持ちいいの、とばかりに後は知らんぷりである。
「後は到着を待って、ヴァリオスの街でやってるクレープを味わうだけね♪」
一方的に、Pクレープの出撃が決まってしまった。
このままではあまりにポルテが不憫なので追記すると、
・この田舎村近くの森深くで強いワインの香りが漂ってくる
・まれにこの地方で見られる「ワインバッカー」と呼ばれる歪虚である
・人の大きさ以上のウツボカズラで、捕食嚢の下にある繊毛を蠢かし移動する
・葡萄農園を襲い捕虫嚢に葡萄を溜め込み退治しに来た人を触手で攻撃する
・葡萄は因縁つけるためだけに襲うので捕食嚢に入れたまま。自家発酵して普通の赤ワインになる
・実は強くなく、覚醒者であれば楽勝。ただし、退治すると溜め込み背負うようにしていたワインをぶちまける
・ワインの雨に攻撃力はないが、強いアルコールを浴びる効果がある
・離れていても濃厚なワインの香りを吸い込むことに
・ワインバッカーの近くには、小鳥程度の大きな蚊の歪虚が必ずいる
という物件らしい。
「ええーっ! ワインくさい歪虚退治??!」
ヴァリオスのPクレープでポルテから両手を合わせ拝まれた南那初華(kz0135)、断れなかった。
こうしてハンターオフィスに正式依頼して仲間を募るのだった。
リプレイ本文
●
「ワインですか……」
森の中で伊勢・明日奈(ka4060)が唇に指を添えて首を傾げる。
「うん。明日奈さんはワインに釣られて来たの?」
呟きを聞いた南那初華(kz0135)が明日奈に問い掛ける。
「もうちょっと聞き方はないものかの?」
どストレートにもほどがある初華の聞きようにレーヴェ・W・マルバス(ka0276)が初華のおでこに指先を添えぐりぐりぐり。
「ああん、ごめんなさい~。でもでも、ワインに釣られた人、いるもん」
「え? 何か言った?」
涙目の初華の向こうでメルクーア(ka4005)がにこぱ笑顔で明るく振り返っている。手に何かを持っているようだ。近くに立つイレーヌ(ka1372)が無言でその瓶を見詰めてため息。
「……」
その横で静かに雪継・紅葉(ka5188)も振り返り。
「んあっ! まさか紅葉さんまで……」
「しかし、変な歪虚もいたものだな」
愕然とする初華の傍でこぼしたのは、鞍馬 真(ka5819)。少し心配そうに初華を見ているのは、以前酒でくたばってるから。
「ワインバッカーでしたか……どうせなら美味しいお酒を醸造してくれていればいいのですけどね…」
サクラ・エルフリード(ka2598)、真の言葉に頷く。変な歪虚に対し変だどうだの改めて言わないのは状況に流され体質だから。むしろ歪虚のワインに期待するあたりはサクラ自身も変な……。
「お化け特産のワイン……。珍しいものだし、獲って帰りたい、ね」
ああっ!
紅葉が蓋つきの容器を手にこくこく同意して期待している!
この時、イレーヌ。
「メル、それは何に使うんだ?」
ついにメルクーアの持っていた瓶――中身はブランデーだ――について聞いた。
「お姉ちゃんも飲みたい?」
「飲むのか?」
きゃー、お姉ちゃんと二人でお酒~、とか一人で盛り上がるメルクーアに呆れ視線のイレーヌ。
「な、なるほど。それは行き用のお酒で帰り用は現地調達、と……」
「それは勘違いだわよ、初華さん♪」
「の、飲めるのでしょうか? いろいろな歪虚がいるのですね」
初華とメルクーアのやり取りに、明日奈がぽそり。
「歪虚のワインが飲めるのかどうかというより、本人が酒を飲めるかどうかも問題かもしれない」
「お酒は、多分大丈夫・……だとい、かな?」
冷静な真の考察に、紅葉が首かく~り。
「ええい、とにかく探すぞ。ワインの匂いを探るのじゃ」
レーヴェ、まずはそれからだ、とばかりに指差しのっしと前進。
とにかく皆も続き探索に戻る。
●
「……しかし初華よ。おぬし、まるでクレープ屋という名の便利屋じゃのう」
「えーっ、もしもそうなら私だけじゃないもん。レーヴェさんもだもん」
そんな会話をしつつ探索中。
「手掛かりは強いワインの香りと……移動の痕跡?」
紅葉は遠見の眼鏡で索敵中。
「そういえば、『強いワインの香りがする』って、強いのは香りでしょうか、お酒でしょうか?」
明日奈の素朴な疑問。
「お酒も強くて香りも強いってこともあるかもよ~」
「メル……」
ルンルン気分で先行するメルクーアにふーやれやれ、なイレーヌ。
「あ……そういえば追い風ですね……」
「さっきから風向きは結構変わっているからあまり気にすることはないだろう」
状況に気付いたサクラ。真が少し考えて追い風なのは今だけだと判断した。
その時。
「……いた」
ゴーグルを掛けた紅葉が遠くを指差している。
皆が見ると、確かにがさがさと小枝などが揺らぎ大型の何かが動いているのが分かる。
「ワインの香りも届いてきたわよ~」
メルクーア、無風になって匂いが漂ってきたのを敏感に察知。
ワインバッカーに間違いない!
「いいだろう」
真、言葉少なにごてごてした柄の刀を抜いて、出る。
「それじゃ退治、だね」
こく、と頷き紅葉がゴーグルを外して軽やかに前に。
「とりあえずあれはさっさと倒してしまいましょうか…?」
サクラ、のんびりモードから一気に面差しが変わり、行く。胸が一回り小さくなるがそれは乙女の秘密。
「安っぽい香りをさせて。香りなら負けない!」
メルクーアもまっすぐ突っ込む。こちらは覚醒でフルーティーな果実酒の香りを振りまいている。
「歪虚のは確かに安っぽいな」
イレーヌも一歩目の反応、早い。
ここで突然向かい風に。
「ん、濃厚……」
ああっ。初華はメルクーアの酒の香りにくらっときたぞ。
「初華さん、大丈夫ですか?」
「斜めに射撃線を取るぞ」
初華を背中から支えた明日奈。その明日奈の手を引くレーヴェ。援護射撃をするのだ。
この時には敵の全容が判明する。
巨大なウツボカズラである。
そして蔦を触手のように操り攻撃してくる!
「そうくるか……」
真の瞳が一瞬、金色に光る。
鋭く踏み込んで大きく刃を一閃し前の触手を薙ぎ払う。
そして背後から膝をそろえて上品に跳躍し、和装姿の女性が前に出る。
「意外と厄介、だね」
紅葉だ。
薄い刃の刀を軽やかに振るい次の触手をばっさばっさし、着地。
続いて槍を手にした騎士が追い抜く。
「メルクーアさんが怒っていますからね……」
サクラである。
木々を縫うようにグングニルを振り回し触手をぺしりぺしりと右左。密度の上がった敵の攻撃の中、道を作る。
この時、後衛。
「わ、おっき……」
「緑色が保護色みたいですね。何かイボもありますが」
初華と明日奈、ワインバッカーの重厚な姿に目を奪われつつもそれぞれデリンジャー、和弓を構え撃った。
ワインバッカー、迫って来る前衛の対応に追われている。かわすことはできない。
しかし、明日奈の矢が当たり跳ね返った。傷付けることはできるが柔軟性があり刺さらない。
歪虚、遠くからの、しかも目の前の敵とは違う方からの攻撃に逃げようとする。
「逃がすわけにはいかんの」
ここでレーヴェのペネトレイトがうなりを上げた。ライフルから放たれた銃弾は跳ね返るが……冷気で敵を覆った。
一瞬、うろたえる敵。
触手もたじろぎ動きが止まった。
ここで響く怒りの声。
「こらあっ!」
前衛のメルクーアだっ!
真に、紅葉に、サクラに開けてもらったルートをすり抜け、ついに手前まで迫っていた。
固める拳。
覚醒の酒の香りが上品なワインに変わった!
ただし、ワインバッカーもすでに落ち着きを取り戻し迎え撃つ。
触手をすべて前に集めようとしているのだ。
「お前が葡萄を食べて、どれだけワインが減産するか、わかってるのかー!」
義憤、いや、おそらく私憤を高らかに口にして拳を振り上げる。そして一気に加速。ジェットブーツだッ!
――どごぉ……。
ナックルで固めた拳を突き出したまま手ごたえを噛みしめるメルクーア。背後で歪虚がパリ…と電撃で痺れている。
「お姉ちゃん見てるー?」
カッコいいでしょ、とメルクーアが振り返ると。
「一気に片付けるぞ」
「ワイン確保!」
真も銃剣を直刀モードにしつつ踏み込みこの隙を逃さない。雷撃剣とともに二刀流で食らわせさらに痺れさせる。加えて紅葉が片膝付いて心の奥の欲望を口にしつつ切り上げ。
が、まだワインの詰まったウツボの底は破れない。表面、結構柔らかい。
「これで終わりです…!」
「決してメルが減産分損したわけではないぞ?」
さらにサクラがグングニルで、イレーヌが機杖でフォースクラッシュ。
渾身の一撃がダブルで入った時だった!
●
――どっ・ぱ~ん!
世界が……破裂した。
いや、歪虚が破裂して姿を消し、体内に溜め込まれていたドス赤いワインが物凄い勢いで弾け、木々の生い茂る目の前の世界が赤く染まったのだ!
濃厚でむせ返るようなアルコール臭をぶちまけながら。
「けふっ……ひっど……あれ?」
その圧倒的な量と勢いは、後衛の初華もびしょびしょになりアルコール臭で内股の腰砕けになるほどだった。
「不味……」
レーヴェはちょっと味見して顔色変えずぼそり。よほどよろしくないようで。
前ではそれ以上の酷いことに。
「きゃっ!? む、やっぱりあまりいいお酒じゃないですね…」
サクラ、びしょびしょ。ぺろりと滴るワインを舐めてそんな感想も。
「……間に合わなかったけど、これがそうなのかな? ん。なら、ちゃんと持ち帰らないと、ね」
紅葉、用意してきた容器の蓋を開け、びっしょり被って前髪から滴るワインをしっかりと収集。
「うーん、丸呑みされても良かったかなぁ?」
「んー……香りから想像は付いていたが、やはり良いものではないな。それより皆は無事か?」
物足りなさそうなメルクーア。イレーヌはワイングラスで受けたものを試飲し眉をひそめると味方を確認する。
「ああ。……こいつ、『弱いん』だな。……『ワイン』なだけに」
「ん?」
真、被ったワインを……紅葉に提供しつつ顔色も変えていない。が、妙な言い回しにイレーヌは少し首を傾げるが。
「初華さんたちは?」
気にして視線を巡らせる真。
そして気付く。
「ワインの染みって落ちにくい……はっ」
「ん? 音がするの」
明日奈、衣装の染みを気にしていたところ、ぷ~ん、という嫌な響きの羽音に気付いた。レーヴェも一緒だ。
「巨大な蚊がわいて出たか……さては敵表面のイボに潜んでおって飛び散りおったか?」
振り向き確認したレーヴェ、長いライフルをコンパクトに構えて細かく狙い射撃。手堅く一匹撃ち落す。
「ああん。明日奈さん、私も撃つからちょっと肩貸して~」
「ちょっと、初華さんっ!」
明日奈、災難。酔ってふらふらの初華が背後から拳銃を手に抱き着いてきたのだ。そのままいやんいやんそこに手を掛けちゃだめとかグダグダな感じに。
――がしっ、どし~ん!
「きゃん! ひどいレーヴェさん~」
「下手に動くと危なっかしいからの」
これに眉をひそめたレーヴェ、足を掛けて初華を転がしておく。初華、尻餅しつつさらに酔いが回る。初華を下敷きに尻餅をついた明日奈は巻き込まれ災難としか言いようがなく。
異変は前衛でも起こっていた!
「こっちにも来るか……くるっと振り向いただけに!」
真、刀を左右に開き後衛のいる場所に急ぐ。……相変わらず妙な言い回しだが。
とにかく、くるっと向きを変えて襲ってきた巨大蚊を斬る・斬る。
もちろんイボは四散した。そこから生まれた巨大蚊は中央に戻って来る。
「蚊が飛んできた。……空は飛べないけど、的になる気はないよ」
まだ中央にいる紅葉、デリンジャーを抜いて応戦。ぺしぺしと一体ずつ撃退。
その後ろで。
「はふ、ちょっと暑くなって来ました…。余計なものは脱いでしまいましょう…」
何と、サクラが鎧を脱ぎ始めているではないか!
といってもビキニアーマー。ささやかなふくらみのある胸部装甲を取ると……ええと、何やら詐欺のようだが彼女の場合は覚醒すると胸が一回り以下略。
「ん、これで涼しく……と、新たなが来ましたね。さっさとアレを叩いてしまいましょうか…」
ともかく、薄い肌着を着ているのが不幸中の幸い。槍を投げて回り込み掴んでまた投げるなど酔ってはいるが身軽になって紅葉と戦う。
蚊の歪虚はとにかく動いてぐるぐるぐるぐる……。
「む~……ぐるぐるする……変な感じ。お酒ってこんななの~?」
「紅葉さんも余計なものを脱ぐといいかも……とにかくうっとおしいです」
戦ううちにふらふらこてん、とサクラにもたれかかった紅葉。サクラもおっとっと状態で、一気に終わらせるべくセイクリッドフラッシュぴか~、するのだった。
こちら、メルクーアとイレーヌ。
「でも……」
おっと。
メルクーア、丸呑みされてワイン風呂に漬かることはできなかったがシャワーのようにワインを浴びまくって満足したかと思いきや、肩を震わせているぞ?
「デキの悪いワインには我慢ができないー!」
感情、どかーん。
無駄に覚醒しなおして改めて上品な高級酒の匂いをさせる。
「ふふ、意外に役立つじゃないか」
歪虚ワインの香りにやや気分が悪くなっていたイレーヌはメルクーアの香りで持ち直した。
そして気付く。
「……意外に厄も呼ぶが」
周囲からわらわらと巨大蚊が寄ってくるのも確認。酒の匂いに反応してるのか?
「って、なんかあたしにいっぱい寄ってくるんですけどぉ!?」
メルクーア、炎を扇状に飛ばして応戦するが敵の数が数。ちくちくやられていやんと脱兎!
「ふふ、頑張るな。……あちらでもまあ、ふらふらのまま」
イレーヌがメルクーアを追い奮闘する姿を堪能。ついでにふらふらの初華が明日奈に腰を支えられつつぶんぶん銃を振り回している姿も堪能。
「『酒』での失敗は『避け』たいものだ。なんちゃって」
「おぬし、酔っておるのか?」
真が初華のフォローに到着。突っ込むレーヴェとともに二人を護るべく戦っている。……初華に巻き込まれた明日奈は災難としか言いようがないが。
この時イレーヌ、背後で光を感じた。サクラの攻撃だ。
「ここまでだな」
イレーヌ、指をぱちんと鳴らした。
すると同じく光の波動が広がる。
セイクリッドフラッシュで、メルクーアが囮なって集めに集めた巨大蚊を全滅させた。
蚊取り線香もかくやの光景だったという。
●
村に帰り、報告とクレープ販売。
「まあ美味しい。さすがに都会の味ね~」
ご婦人方、Pクレープの屋台に群がり堪能堪能。
「まだ酔ってますか?」
「ううう、これ食べてみて」
明日奈、まだくたっとしている初華からクレープを受け取り、ぱくっ。
「う……」
「クレープをくれ~……いや、なんでもない」
理解した明日奈。初華の隣でクレープを食べた真が一緒に座り「ぷぷぷ……」とか駄洒落を言ってるのも納得した。真、酔うとこうなるようで。
「はふ…余計なものは……」
ああっ。
クレープを食べたサクラがまたビキニアーマーを脱ぎ脱ぎしてるっ!
「メルクーアさん、これ……」
「あれ? ブランデー入れすぎた?」
おずおず聞く明日奈にてへ、と返すメルクーア。どうやら美味しい酒で口直しに、と思い大人向けクレープを焼いたらしい。
「……口直しにブランデーは飲み干したと思ったが」
「ちゃんと別にメニューにあるのよ、お姉ちゃん」
イレーヌもぱくっとかじってアルコール度を理解。ただ、持ち込んだブランデーを使ったのは誤解であることも判明。もっとも、そのメニューもメルクーアの考案だが。
一方、レーヴェ。
「ドワーフがいうのじゃから間違いないが、歪虚が作るワインより人間が作る安ワインがまだ美味いよ」
「まあ、そうですの?」
「素敵素敵、一つ賢くなりましたわ」
ご婦人方は好奇心も満たしたようで。
「ホントだ。不味いな」
「こりゃダメだ」
男性陣は紅葉の持ち帰ったワインを試飲。
「残しといて、ね」
あまりに人が集まるので不安になる紅葉だった。
そんなこんなで、村人はPクレープの仕事に大満足したという。
「ワインですか……」
森の中で伊勢・明日奈(ka4060)が唇に指を添えて首を傾げる。
「うん。明日奈さんはワインに釣られて来たの?」
呟きを聞いた南那初華(kz0135)が明日奈に問い掛ける。
「もうちょっと聞き方はないものかの?」
どストレートにもほどがある初華の聞きようにレーヴェ・W・マルバス(ka0276)が初華のおでこに指先を添えぐりぐりぐり。
「ああん、ごめんなさい~。でもでも、ワインに釣られた人、いるもん」
「え? 何か言った?」
涙目の初華の向こうでメルクーア(ka4005)がにこぱ笑顔で明るく振り返っている。手に何かを持っているようだ。近くに立つイレーヌ(ka1372)が無言でその瓶を見詰めてため息。
「……」
その横で静かに雪継・紅葉(ka5188)も振り返り。
「んあっ! まさか紅葉さんまで……」
「しかし、変な歪虚もいたものだな」
愕然とする初華の傍でこぼしたのは、鞍馬 真(ka5819)。少し心配そうに初華を見ているのは、以前酒でくたばってるから。
「ワインバッカーでしたか……どうせなら美味しいお酒を醸造してくれていればいいのですけどね…」
サクラ・エルフリード(ka2598)、真の言葉に頷く。変な歪虚に対し変だどうだの改めて言わないのは状況に流され体質だから。むしろ歪虚のワインに期待するあたりはサクラ自身も変な……。
「お化け特産のワイン……。珍しいものだし、獲って帰りたい、ね」
ああっ!
紅葉が蓋つきの容器を手にこくこく同意して期待している!
この時、イレーヌ。
「メル、それは何に使うんだ?」
ついにメルクーアの持っていた瓶――中身はブランデーだ――について聞いた。
「お姉ちゃんも飲みたい?」
「飲むのか?」
きゃー、お姉ちゃんと二人でお酒~、とか一人で盛り上がるメルクーアに呆れ視線のイレーヌ。
「な、なるほど。それは行き用のお酒で帰り用は現地調達、と……」
「それは勘違いだわよ、初華さん♪」
「の、飲めるのでしょうか? いろいろな歪虚がいるのですね」
初華とメルクーアのやり取りに、明日奈がぽそり。
「歪虚のワインが飲めるのかどうかというより、本人が酒を飲めるかどうかも問題かもしれない」
「お酒は、多分大丈夫・……だとい、かな?」
冷静な真の考察に、紅葉が首かく~り。
「ええい、とにかく探すぞ。ワインの匂いを探るのじゃ」
レーヴェ、まずはそれからだ、とばかりに指差しのっしと前進。
とにかく皆も続き探索に戻る。
●
「……しかし初華よ。おぬし、まるでクレープ屋という名の便利屋じゃのう」
「えーっ、もしもそうなら私だけじゃないもん。レーヴェさんもだもん」
そんな会話をしつつ探索中。
「手掛かりは強いワインの香りと……移動の痕跡?」
紅葉は遠見の眼鏡で索敵中。
「そういえば、『強いワインの香りがする』って、強いのは香りでしょうか、お酒でしょうか?」
明日奈の素朴な疑問。
「お酒も強くて香りも強いってこともあるかもよ~」
「メル……」
ルンルン気分で先行するメルクーアにふーやれやれ、なイレーヌ。
「あ……そういえば追い風ですね……」
「さっきから風向きは結構変わっているからあまり気にすることはないだろう」
状況に気付いたサクラ。真が少し考えて追い風なのは今だけだと判断した。
その時。
「……いた」
ゴーグルを掛けた紅葉が遠くを指差している。
皆が見ると、確かにがさがさと小枝などが揺らぎ大型の何かが動いているのが分かる。
「ワインの香りも届いてきたわよ~」
メルクーア、無風になって匂いが漂ってきたのを敏感に察知。
ワインバッカーに間違いない!
「いいだろう」
真、言葉少なにごてごてした柄の刀を抜いて、出る。
「それじゃ退治、だね」
こく、と頷き紅葉がゴーグルを外して軽やかに前に。
「とりあえずあれはさっさと倒してしまいましょうか…?」
サクラ、のんびりモードから一気に面差しが変わり、行く。胸が一回り小さくなるがそれは乙女の秘密。
「安っぽい香りをさせて。香りなら負けない!」
メルクーアもまっすぐ突っ込む。こちらは覚醒でフルーティーな果実酒の香りを振りまいている。
「歪虚のは確かに安っぽいな」
イレーヌも一歩目の反応、早い。
ここで突然向かい風に。
「ん、濃厚……」
ああっ。初華はメルクーアの酒の香りにくらっときたぞ。
「初華さん、大丈夫ですか?」
「斜めに射撃線を取るぞ」
初華を背中から支えた明日奈。その明日奈の手を引くレーヴェ。援護射撃をするのだ。
この時には敵の全容が判明する。
巨大なウツボカズラである。
そして蔦を触手のように操り攻撃してくる!
「そうくるか……」
真の瞳が一瞬、金色に光る。
鋭く踏み込んで大きく刃を一閃し前の触手を薙ぎ払う。
そして背後から膝をそろえて上品に跳躍し、和装姿の女性が前に出る。
「意外と厄介、だね」
紅葉だ。
薄い刃の刀を軽やかに振るい次の触手をばっさばっさし、着地。
続いて槍を手にした騎士が追い抜く。
「メルクーアさんが怒っていますからね……」
サクラである。
木々を縫うようにグングニルを振り回し触手をぺしりぺしりと右左。密度の上がった敵の攻撃の中、道を作る。
この時、後衛。
「わ、おっき……」
「緑色が保護色みたいですね。何かイボもありますが」
初華と明日奈、ワインバッカーの重厚な姿に目を奪われつつもそれぞれデリンジャー、和弓を構え撃った。
ワインバッカー、迫って来る前衛の対応に追われている。かわすことはできない。
しかし、明日奈の矢が当たり跳ね返った。傷付けることはできるが柔軟性があり刺さらない。
歪虚、遠くからの、しかも目の前の敵とは違う方からの攻撃に逃げようとする。
「逃がすわけにはいかんの」
ここでレーヴェのペネトレイトがうなりを上げた。ライフルから放たれた銃弾は跳ね返るが……冷気で敵を覆った。
一瞬、うろたえる敵。
触手もたじろぎ動きが止まった。
ここで響く怒りの声。
「こらあっ!」
前衛のメルクーアだっ!
真に、紅葉に、サクラに開けてもらったルートをすり抜け、ついに手前まで迫っていた。
固める拳。
覚醒の酒の香りが上品なワインに変わった!
ただし、ワインバッカーもすでに落ち着きを取り戻し迎え撃つ。
触手をすべて前に集めようとしているのだ。
「お前が葡萄を食べて、どれだけワインが減産するか、わかってるのかー!」
義憤、いや、おそらく私憤を高らかに口にして拳を振り上げる。そして一気に加速。ジェットブーツだッ!
――どごぉ……。
ナックルで固めた拳を突き出したまま手ごたえを噛みしめるメルクーア。背後で歪虚がパリ…と電撃で痺れている。
「お姉ちゃん見てるー?」
カッコいいでしょ、とメルクーアが振り返ると。
「一気に片付けるぞ」
「ワイン確保!」
真も銃剣を直刀モードにしつつ踏み込みこの隙を逃さない。雷撃剣とともに二刀流で食らわせさらに痺れさせる。加えて紅葉が片膝付いて心の奥の欲望を口にしつつ切り上げ。
が、まだワインの詰まったウツボの底は破れない。表面、結構柔らかい。
「これで終わりです…!」
「決してメルが減産分損したわけではないぞ?」
さらにサクラがグングニルで、イレーヌが機杖でフォースクラッシュ。
渾身の一撃がダブルで入った時だった!
●
――どっ・ぱ~ん!
世界が……破裂した。
いや、歪虚が破裂して姿を消し、体内に溜め込まれていたドス赤いワインが物凄い勢いで弾け、木々の生い茂る目の前の世界が赤く染まったのだ!
濃厚でむせ返るようなアルコール臭をぶちまけながら。
「けふっ……ひっど……あれ?」
その圧倒的な量と勢いは、後衛の初華もびしょびしょになりアルコール臭で内股の腰砕けになるほどだった。
「不味……」
レーヴェはちょっと味見して顔色変えずぼそり。よほどよろしくないようで。
前ではそれ以上の酷いことに。
「きゃっ!? む、やっぱりあまりいいお酒じゃないですね…」
サクラ、びしょびしょ。ぺろりと滴るワインを舐めてそんな感想も。
「……間に合わなかったけど、これがそうなのかな? ん。なら、ちゃんと持ち帰らないと、ね」
紅葉、用意してきた容器の蓋を開け、びっしょり被って前髪から滴るワインをしっかりと収集。
「うーん、丸呑みされても良かったかなぁ?」
「んー……香りから想像は付いていたが、やはり良いものではないな。それより皆は無事か?」
物足りなさそうなメルクーア。イレーヌはワイングラスで受けたものを試飲し眉をひそめると味方を確認する。
「ああ。……こいつ、『弱いん』だな。……『ワイン』なだけに」
「ん?」
真、被ったワインを……紅葉に提供しつつ顔色も変えていない。が、妙な言い回しにイレーヌは少し首を傾げるが。
「初華さんたちは?」
気にして視線を巡らせる真。
そして気付く。
「ワインの染みって落ちにくい……はっ」
「ん? 音がするの」
明日奈、衣装の染みを気にしていたところ、ぷ~ん、という嫌な響きの羽音に気付いた。レーヴェも一緒だ。
「巨大な蚊がわいて出たか……さては敵表面のイボに潜んでおって飛び散りおったか?」
振り向き確認したレーヴェ、長いライフルをコンパクトに構えて細かく狙い射撃。手堅く一匹撃ち落す。
「ああん。明日奈さん、私も撃つからちょっと肩貸して~」
「ちょっと、初華さんっ!」
明日奈、災難。酔ってふらふらの初華が背後から拳銃を手に抱き着いてきたのだ。そのままいやんいやんそこに手を掛けちゃだめとかグダグダな感じに。
――がしっ、どし~ん!
「きゃん! ひどいレーヴェさん~」
「下手に動くと危なっかしいからの」
これに眉をひそめたレーヴェ、足を掛けて初華を転がしておく。初華、尻餅しつつさらに酔いが回る。初華を下敷きに尻餅をついた明日奈は巻き込まれ災難としか言いようがなく。
異変は前衛でも起こっていた!
「こっちにも来るか……くるっと振り向いただけに!」
真、刀を左右に開き後衛のいる場所に急ぐ。……相変わらず妙な言い回しだが。
とにかく、くるっと向きを変えて襲ってきた巨大蚊を斬る・斬る。
もちろんイボは四散した。そこから生まれた巨大蚊は中央に戻って来る。
「蚊が飛んできた。……空は飛べないけど、的になる気はないよ」
まだ中央にいる紅葉、デリンジャーを抜いて応戦。ぺしぺしと一体ずつ撃退。
その後ろで。
「はふ、ちょっと暑くなって来ました…。余計なものは脱いでしまいましょう…」
何と、サクラが鎧を脱ぎ始めているではないか!
といってもビキニアーマー。ささやかなふくらみのある胸部装甲を取ると……ええと、何やら詐欺のようだが彼女の場合は覚醒すると胸が一回り以下略。
「ん、これで涼しく……と、新たなが来ましたね。さっさとアレを叩いてしまいましょうか…」
ともかく、薄い肌着を着ているのが不幸中の幸い。槍を投げて回り込み掴んでまた投げるなど酔ってはいるが身軽になって紅葉と戦う。
蚊の歪虚はとにかく動いてぐるぐるぐるぐる……。
「む~……ぐるぐるする……変な感じ。お酒ってこんななの~?」
「紅葉さんも余計なものを脱ぐといいかも……とにかくうっとおしいです」
戦ううちにふらふらこてん、とサクラにもたれかかった紅葉。サクラもおっとっと状態で、一気に終わらせるべくセイクリッドフラッシュぴか~、するのだった。
こちら、メルクーアとイレーヌ。
「でも……」
おっと。
メルクーア、丸呑みされてワイン風呂に漬かることはできなかったがシャワーのようにワインを浴びまくって満足したかと思いきや、肩を震わせているぞ?
「デキの悪いワインには我慢ができないー!」
感情、どかーん。
無駄に覚醒しなおして改めて上品な高級酒の匂いをさせる。
「ふふ、意外に役立つじゃないか」
歪虚ワインの香りにやや気分が悪くなっていたイレーヌはメルクーアの香りで持ち直した。
そして気付く。
「……意外に厄も呼ぶが」
周囲からわらわらと巨大蚊が寄ってくるのも確認。酒の匂いに反応してるのか?
「って、なんかあたしにいっぱい寄ってくるんですけどぉ!?」
メルクーア、炎を扇状に飛ばして応戦するが敵の数が数。ちくちくやられていやんと脱兎!
「ふふ、頑張るな。……あちらでもまあ、ふらふらのまま」
イレーヌがメルクーアを追い奮闘する姿を堪能。ついでにふらふらの初華が明日奈に腰を支えられつつぶんぶん銃を振り回している姿も堪能。
「『酒』での失敗は『避け』たいものだ。なんちゃって」
「おぬし、酔っておるのか?」
真が初華のフォローに到着。突っ込むレーヴェとともに二人を護るべく戦っている。……初華に巻き込まれた明日奈は災難としか言いようがないが。
この時イレーヌ、背後で光を感じた。サクラの攻撃だ。
「ここまでだな」
イレーヌ、指をぱちんと鳴らした。
すると同じく光の波動が広がる。
セイクリッドフラッシュで、メルクーアが囮なって集めに集めた巨大蚊を全滅させた。
蚊取り線香もかくやの光景だったという。
●
村に帰り、報告とクレープ販売。
「まあ美味しい。さすがに都会の味ね~」
ご婦人方、Pクレープの屋台に群がり堪能堪能。
「まだ酔ってますか?」
「ううう、これ食べてみて」
明日奈、まだくたっとしている初華からクレープを受け取り、ぱくっ。
「う……」
「クレープをくれ~……いや、なんでもない」
理解した明日奈。初華の隣でクレープを食べた真が一緒に座り「ぷぷぷ……」とか駄洒落を言ってるのも納得した。真、酔うとこうなるようで。
「はふ…余計なものは……」
ああっ。
クレープを食べたサクラがまたビキニアーマーを脱ぎ脱ぎしてるっ!
「メルクーアさん、これ……」
「あれ? ブランデー入れすぎた?」
おずおず聞く明日奈にてへ、と返すメルクーア。どうやら美味しい酒で口直しに、と思い大人向けクレープを焼いたらしい。
「……口直しにブランデーは飲み干したと思ったが」
「ちゃんと別にメニューにあるのよ、お姉ちゃん」
イレーヌもぱくっとかじってアルコール度を理解。ただ、持ち込んだブランデーを使ったのは誤解であることも判明。もっとも、そのメニューもメルクーアの考案だが。
一方、レーヴェ。
「ドワーフがいうのじゃから間違いないが、歪虚が作るワインより人間が作る安ワインがまだ美味いよ」
「まあ、そうですの?」
「素敵素敵、一つ賢くなりましたわ」
ご婦人方は好奇心も満たしたようで。
「ホントだ。不味いな」
「こりゃダメだ」
男性陣は紅葉の持ち帰ったワインを試飲。
「残しといて、ね」
あまりに人が集まるので不安になる紅葉だった。
そんなこんなで、村人はPクレープの仕事に大満足したという。
依頼結果
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依頼相談掲示板 | |||
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相談卓 メルクーア(ka4005) ドワーフ|10才|女性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2016/04/26 14:05:06 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/04/25 18:47:30 |