ゲスト
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【春郷祭】バチャーレ村広報記
マスター:樹シロカ

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~8人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2016/05/10 15:00
- 完成日
- 2016/05/19 18:00
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
●春郷祭のご案内
同盟領内に存在する農耕推進地域ジェオルジ。
この地では初夏と晩秋の頃に、各地の村長が統治者一族の土地に集まって報告を行う寄り合いが行われる。その後、労をねぎらうべくささやかなお祭りが催され、郷祭と呼ばれていた。
この春と秋の郷祭は、二年ほど前から近隣の住人のみならず同盟内の商人達も商機を当て込んで集まる、大規模な祭りとなっている。
今年も、その春郷祭の季節が廻って来た。
ジェオルジ各地の村長達の会議は今にも始まりそうで、そこではいつもはない議題が取り上げられる。
サルヴァト―レ・ロッソからジェオルジ各地に移り住んだ新住人達からの幾つかの要望と、彼らに新たな地での商業を試みる機会を与えるといった内容だ。
しかし。
それらとはまた別に、春郷祭はすでに様々な意味で賑やかに始まっていた。
●バチャーレ村の問題
ジェオルジ領主の館から、馬車に揺られておよそ半日。
バチャーレ村では、サルヴァトーレ・ロッソの乗員の一団が新しい生活を始めつつあった。
数台の魔導アーマーと魔導トラック、住居や倉庫として持ち込んだコンテナ、そしてロッソから持ち出した物資が彼らの全財産である。
「やっぱり俺?」
書類の山に埋もれたサイモン・小川が眼鏡を持ち上げ、目頭を揉む。
黒い髪、黒い瞳の若い男は、名目上この村のリーダーということになっている。
「他にいないでしょ」
山を挟んだ向かい側ではマリナ・リヴェールが腕組みしていた。
「失敗しても元々ですよ」
浅黒い顔の中で白い歯を輝かせ、アルジュナ・シンがどこか達観したように笑う。
マリナとアルジュナはサイモンの助手である。この3人はロッソの元乗員で、本来は惑星調査などの専門家だ。
だがロッソは飛び立ってしまい、彼らはリゼリオに残された。
そこで他のリアルブルー民たちと共に生きていく方法を求めて、バチャーレ村にやって来たのである。
バチャーレ村は昔はとても豊かな村だったが、不運にも近くに温泉が噴き出し、それまでの農業が成り立たず廃村となっていた。
土地を改良すること自体は、彼らの知識や技術で何とかなるだろう。だが。
「当面の交易、なあ……」
うわごとのようにサイモンが唸る。
土地を改良し、作物を収穫するまでには、どんなに頑張っても半年から一年はかかるだろう。
持参した食糧はカツカツだったが、生産プラントはロッソと一緒に飛んで行ってしまったので、いくら技術があってももう頼ることはできない。
となれば、どこかから譲ってもらうしか方法はない。
「やっぱり買うしかないもんね」
「その為には資金が必要ですからね。主任、口は上手いじゃないですか」
「おい、どういう意味だ」
サイモンがアルジュナを睨んだ。
今回サイモンが考えた当面の方法は「加工貿易」である。
材料を近隣の村から調達し、バチャーレで缶詰や瓶詰などに加工し、各地に買ってもらう。
この間に農業の環境を整え、いずれはバチャーレ産の農作物も売り込もうという訳だ。
ちょうど村長祭が開かれる時期であるため、領主のセスト・ジェオルジ(kz0034)にはバチャーレ村からも代表を送るようにと言われている。交渉のチャンスという訳だ。
『でも、僕は場を提供することしかできません。後は皆さんでなんとかなさってください』
若き領主は、いつも通りの淡々とした表情でそう告げた。
「まあ、自由都市同盟としてもロッソ移民の受け入れについては真面目に考えてくれているようだからな。今回も手伝いを頼むまでは協力してくれるらしいから、俺達も自分たちのできることをやろう」
サイモンはそう言って、大きな溜息をついた。
同盟領内に存在する農耕推進地域ジェオルジ。
この地では初夏と晩秋の頃に、各地の村長が統治者一族の土地に集まって報告を行う寄り合いが行われる。その後、労をねぎらうべくささやかなお祭りが催され、郷祭と呼ばれていた。
この春と秋の郷祭は、二年ほど前から近隣の住人のみならず同盟内の商人達も商機を当て込んで集まる、大規模な祭りとなっている。
今年も、その春郷祭の季節が廻って来た。
ジェオルジ各地の村長達の会議は今にも始まりそうで、そこではいつもはない議題が取り上げられる。
サルヴァト―レ・ロッソからジェオルジ各地に移り住んだ新住人達からの幾つかの要望と、彼らに新たな地での商業を試みる機会を与えるといった内容だ。
しかし。
それらとはまた別に、春郷祭はすでに様々な意味で賑やかに始まっていた。
●バチャーレ村の問題
ジェオルジ領主の館から、馬車に揺られておよそ半日。
バチャーレ村では、サルヴァトーレ・ロッソの乗員の一団が新しい生活を始めつつあった。
数台の魔導アーマーと魔導トラック、住居や倉庫として持ち込んだコンテナ、そしてロッソから持ち出した物資が彼らの全財産である。
「やっぱり俺?」
書類の山に埋もれたサイモン・小川が眼鏡を持ち上げ、目頭を揉む。
黒い髪、黒い瞳の若い男は、名目上この村のリーダーということになっている。
「他にいないでしょ」
山を挟んだ向かい側ではマリナ・リヴェールが腕組みしていた。
「失敗しても元々ですよ」
浅黒い顔の中で白い歯を輝かせ、アルジュナ・シンがどこか達観したように笑う。
マリナとアルジュナはサイモンの助手である。この3人はロッソの元乗員で、本来は惑星調査などの専門家だ。
だがロッソは飛び立ってしまい、彼らはリゼリオに残された。
そこで他のリアルブルー民たちと共に生きていく方法を求めて、バチャーレ村にやって来たのである。
バチャーレ村は昔はとても豊かな村だったが、不運にも近くに温泉が噴き出し、それまでの農業が成り立たず廃村となっていた。
土地を改良すること自体は、彼らの知識や技術で何とかなるだろう。だが。
「当面の交易、なあ……」
うわごとのようにサイモンが唸る。
土地を改良し、作物を収穫するまでには、どんなに頑張っても半年から一年はかかるだろう。
持参した食糧はカツカツだったが、生産プラントはロッソと一緒に飛んで行ってしまったので、いくら技術があってももう頼ることはできない。
となれば、どこかから譲ってもらうしか方法はない。
「やっぱり買うしかないもんね」
「その為には資金が必要ですからね。主任、口は上手いじゃないですか」
「おい、どういう意味だ」
サイモンがアルジュナを睨んだ。
今回サイモンが考えた当面の方法は「加工貿易」である。
材料を近隣の村から調達し、バチャーレで缶詰や瓶詰などに加工し、各地に買ってもらう。
この間に農業の環境を整え、いずれはバチャーレ産の農作物も売り込もうという訳だ。
ちょうど村長祭が開かれる時期であるため、領主のセスト・ジェオルジ(kz0034)にはバチャーレ村からも代表を送るようにと言われている。交渉のチャンスという訳だ。
『でも、僕は場を提供することしかできません。後は皆さんでなんとかなさってください』
若き領主は、いつも通りの淡々とした表情でそう告げた。
「まあ、自由都市同盟としてもロッソ移民の受け入れについては真面目に考えてくれているようだからな。今回も手伝いを頼むまでは協力してくれるらしいから、俺達も自分たちのできることをやろう」
サイモンはそう言って、大きな溜息をついた。
リプレイ本文
●
うららかな日差しがふりそそぎ、爽やかな風が草の上を走りぬける。
バチャーレ村の光景はのどかで平和な農村そのものだった。
――硫黄の匂いが微かに漂っていることと、農地の見分けがつかない程に雑草が繁っていることを除けば。
パトリシア=K=ポラリス(ka5996)は小鼻をひくつかせた。
「ステンの言った通りダネ! 温泉の匂いがするんダヨ♪」
パトリシアはLH044での同級生でもあるトルステン=L=ユピテル(ka3946)を見た。
彼から移民の村の話を聞いて、一度来てみたいと思っていたのだ。
「温泉ねえ……いい観光資源になりそーなんだよな」
すぐには無理だろう。だが将来的にはなにか良い利用法があるのではないか、とトルステンは考えている。
「温泉ー! いつか入れると嬉しいね♪♪」
「間欠泉だけでもすごい迫力ですよ。そのままにしておくのは勿体ないと思うわ!」
やはりリアルブルー出身で、ふたりとは同年代の天王寺茜(ka4080)が目を輝かせる。
「バチャーレ村への移民、成功させたいわよね!」
「ククッ……村おこし、だと……」
全身黒に身を包んだ暗黒皇帝(自称)、デスドクロ・ザ・ブラックホール(ka0013)がごつい腕を組み、尊大に村を見渡す。
かつて、村おこし王の異名を持ち、これまで千を超す村をメトロポリスへと成長させてきた男。
「このデスドクロ様にかかれば、たやすいことよ」
そう、本気を出せば、サルヴァトーレ・ロッソを缶詰にして売り出すこともできる。
だがしかし。急激な文化レベルの成長は必ずしも良いこととは限らない。よって皇帝は決めた。
「3%……そう、3%の力だけ貸してやることにすんぜ。グーハハハ!」
その高笑いは誰もいない草原に響き渡った。……他のメンバーはもう、村の中心部へ移動しつつあったのだ。
●
長身の黒髪の男が、手を振っている。サイモンだ。
「お待ちしておりました、今回もお世話になります!」
「サイモンさん! また来たですお!」
「今日はしまーも一緒なの! しまーはなんでもできるなの!」
嬉しそうに駆け寄るルーキフェル・ハーツ(ka1064)とウェスペル・ハーツ(ka1065)の後ろから、アルヴィース・シマヅ(ka2830)が笑顔を見せる。
「新しい良い風が吹くように、微力を尽くすとしましょうぞ」
村の中心部の広場にはコンテナが幾つか並んでいた。
サイモンによると、当面の住居や倉庫として使っているそうだ。
「慣れれば船内よりずっといいと思うんですが」
ロッソの船内は当然ながら換気が行きとどき、無臭に近い状態であった。なので硫黄だけではなく、草や土の匂いにも慣れない者もいるという。
サイモンは元々植物を扱っているので、その辺りは柔軟なのだろう。
アスワド・ララ(ka4239)は頷きながら話を聞き、改めて村を見回した。
「村長祭を通して、皆が手を取り合って豊かになること。それは物心両面で満たされなければならないでしょう。成功させましょう」
紫の瞳が思案げに、並んだコンテナを見つめていた。
サイモンの助手のアルジュナとマリナ、それから他の移民数人が加わり、今回の予定について会議が始まる。
トルステンは説明を聞き、そっけない調子で言った。
「ふーん、加工貿易ね。当面を凌ぐ手はあんま多くねーしな、いーんじゃねーの」
と言いつつ、しっかりメモを取っている。
「そう言って頂けると助かります。自分たちでなるべく頑張るつもりではありますが、やはり身内以外のご意見は貴重ですし」
「あ? 何言ってんだ、今度も手伝うぜ。中途半端は落ちつかねーしな」
トルステンの隣で、パトリシアが元気よく手を上げる。
「パティもちょっとでもお手伝いするヨ! みんなの素敵なホームにするんダネ!」
その為に来たのだから。他のハンター達も頷く。
浅黒い肌の青年技師アルジュナが、傍に置いてあった布をはらう。大きなかごや麻袋のようなものが並んでいた。
「とりあえず、村で採れたものも多少はあるんです。安全なことは確認しています」
元農地で勝手に茂っていた麦や、誰も採らないままの山ブドウや柑橘類などの果物。採取は大変だが、自家用程度ならなんとかなる量だ。
「で、クワスなら作れるなって思ったワケ」
マリナが笑った。幸い、イースト菌はサイモンが持ち込んでいる。
「なるほどなるほど。それはよいお考えですな」
アルヴィースが普段以上に身を乗り出す。落ちついた温厚な古兵という印象だが、そこはドワーフ。酒と聞くと力の入り方が違うようだ。
「どっしりと昔ながらの味わいも捨てがたいが、すっきり飲みやすいというのも祭には良いでしょうな。両方を作るとしましょうぞ」
アスワドがかごの中身を確かめる。
「……これはレモンの代わりになりそうですね。パンを焼くことはできそうですか?」
「やってみたわ。試作品食べてみる?」
マリナが小さく切り分けたパンをすすめる。
「やはり黒パン、これが大事ですな!」
アルヴィースが一切れを口に含み、素朴な味わいに目を細めた。
「あとは缶詰か。プレゼン対象は仕入れ先の村長達と、売り込み先の同盟商人達ってコトでオッケー?」
トルステンがメモに何やら書き込んで行く。
「要は保存食なワケだ。中身決めるには、誰に売り込むか絞っておいた方がいーぜ」
船乗りが食べたいもの、街の住人が食べたいものは、それぞれ違うはずだ。
話し合いの結果、ザワークラウトやピクルス、淡水魚の塩漬けや油漬け、コンポートやジャム等の甘いものという案が出そろい、それぞれが材料集めと試作に取り掛かる。
●
なにはともあれ、必要なのは材料だ。
「近くの村をまわって、特産品やたくさん作ってる食物を聞くお!」
「おいしいお野菜や果物をつくってる、みんながニコニコ働いてる村を調べてきますなの!」
張り切って出て行ったルーキフェルとウェスペルだが。
資金なり食物なり、バチャーレ村から提供できるものが今はない。元々、それをどうするかというのが問題なのだ。
「むずかしいですお……」
「でもがんばるですなの!」
バチャーレ村の状況や、移民たちの頑張りを一生懸命説明して回る。アルヴィースもそっとついていく。
「おいしくって栄養たっぷりな保存食を作りたいですなの! どうか協力してくださいなの」
もちろんこういった話に同情してくれる村もあったが、いざ自分の村の作物を無償で提供するとなると、誰も同意はしてくれない。
どの村も、無条件に豊かな訳ではないのだ。
結局、村長祭のご祝儀扱いということで、隣村がキャベツを提供してくれたのが精いっぱいだった。
「これだけあれば大丈夫よ! よく頑張ってくれたわね」
茜が双子の頭をなでた。
「何週間も航海してると、食べられるモノって限られてくるものね。栄養の偏りをなんとかしたいわ」
自由都市同盟は海運が盛んな土地柄だ。船乗りが多ければ、彼らの食生活の改善に缶詰や瓶詰が役立つはずである。
早速、キャベツを洗ってザワークラウトの仕込みにかかる。
アルヴィースはルーキフェルとウェスペルを連れて、川で魚を釣って来た。
「すおいお! 綺麗なお魚さんがいっぱいだお!」
「しまー、もうかごに入らないぐらいなの!」
「誰も獲る物が居らぬのか、大物がどんどんかかりますぞ!」
元々釣りの得意なアルヴィースだが、かなり満足できる釣果だったようである。
アスワドはトルステンと共に、その魚でハーブオイル漬けを作ることにした。
「保存のために味は濃くしなきゃだけどな。やっぱ多少は拘りてーやね」
トルステンが魚を手際よく捌きながら言う。
「基本は塩味ですが、くさみを消すためにハーブや香辛料を使います。そのまま食べてもいいですし、料理の素材として使えるとなれば、ヴァリオス辺りでは高級食材として喜ばれるのではないでしょうか」
家業からアスワドは香辛料に詳しい。香辛料をそのまま使えば高価になるが、山に行けば手に入るハーブを上手く使えば、風味は良くなるはずだ。
ふたりは試食を重ね、手順を記録して行く。今後実際に作るのは自分たちではなくバチャーレ村の移民なのだから、わかるようにしておかねばならない。
トルステンは魚とは別に、果物も仕込んでいる。というのは……。
「パティは、コンポートやジャムが好きダヨー♪」
パトリシアが柑橘類や木イチゴなどを抱えて、キラキラした目でそう訴えたのだ。
尚、訴えるだけで、作成は料理上手なトルステンにお任せである。
これにデスドクロが賛成した。
「美味いもんを食いてえってのは人間の根源的な欲求だ。できれば新鮮で、産地も限られるような高級な果物を、更にシロップで甘くした高級路線もちっとは用意しておきてぇ」
「……なるほどな」
「単なる普段の食い物の代用品じゃ、船上でも陸地と変わらねぇぜ。既存品を越える味っつー展望を見せておきゃ、喰いつく奴も出てくるぜ」
デスドクロはそう言って、茜を手伝いに行った。その背中は、さぞかし見事なキャベツの細切りができそうな気配を漂わせていた。
でき上がったコンポートの瓶には、パティが手書きの可愛いラベルを張り付けた。
「へえ、上手ですねえ」
サイモンは感心しつつ、別の紙束に目をやる。
「こちらは?」
「えへへー♪ あとでサイモンさん達の取材もしちゃうヨ☆」
パトリシアは楽しそうにペンを走らせ続ける。
こうして準備は整った。
●
村長祭当日。
瓶詰や缶詰を満載した馬車は、緊張気味のサイモンも乗せて、会場へやって来た。
アスワドは念のために周囲を警戒しながら、テーブルセッティングに気を配る。
『軍から家庭、山岳地帯まで、ほっとするいつもの味をお届け』
そんなキャッチフレーズも貼りだした。
缶や瓶は綺麗に積み上げて、内容や作り方、利用法などを書いたカードも添えてある。
テントを張った裏方では、缶詰の中身を開けて、試食の準備。
「ふふっ、ひゃくぶんはヒトクチにしかずダヨー♪」
綺麗に並んだ一口サイズの試食品は、可愛いピックでまとめたピンチョスだ。
旗のイラストはルーキフェルとウェスペルが頑張って描いたものだ。
何事かと足を止めた身なりのいい男に、茜はさりげなく近づいていく。
「バチャーレ村の缶詰や瓶詰で作った物です。おひとついかがですか」
「缶詰?」
「そうです。食糧を腐らせないまま、長く保存できれば便利だと思いますよ」
茜は続けて、野菜を食べる栄養学的、また心理的なメリットについても説明する。
すすめられたピンチョスは、黒パンにザワークラウト、ハーブ風味の魚のオイル漬けがちょうどいいバランスだ。
「保存食にしてはいい味だね」
茜はにっこり笑いながら、早速ザワークラウトの瓶詰を持って見せた。
「この瓶詰1コでキャベツ約1コ分が詰め込まれてます。ということは、同じ量の野菜を積むよりスペースが小さくなるんですよね。今までより沢山荷物が運べますよ♪」
男の身なりから商人ではないかと判断した茜は、さりげなく「儲かりそうな匂い」を振りまいたのだ。
「だが瓶詰めは割れるだろう」
そう言いながらも、男は『青のまほろば バチャーレ』と書かれたカラフルな資料を熱心に見つめている。
それは皆で作った、バチャーレ村の紹介パンフレットだ。
彼らがどのような経緯で移民してきたのか、何故『穢れた村』と言われてきたのか。
4コマ漫画風に解説し、ちゃんとキャベツを提供してくれた村のことも書いておいた。
漫画を描いたのはパティだ。
「知らないモノは怖いカラ、みんなが怖くないよーに、ネ♪」
噂をすぐに払しょくするのは難しいだろう。
だが、ひとりでもふたりでも、本当のことを知ってくれる人が増えてくれば。
バチャーレ村はいずれ、自分の足で立たねばならない。だがマイナスからのスタートなのだから、立つところまでは助けが必要だ。
各村の村長たちも姿を見せた。
近隣の村の村長たちも、やや遠巻き気味に眺めている。
その中に、キャベツを提供してくれた村の者を見つけ、ルーキフェルとウェスペルは駆け寄った。
「この前はたすかりましたお! こっちでちょっと食べてみるですお!」
袖をひっぱり、加工されたキャベツと、加工した食材の試食をすすめる。
「この缶詰はすおいのですお。今までよりずっと長く、おいしく食べられるのですお。でもそれだけじゃおいしいものは作れないのですお!」
海の上で働く人に。
遠く故郷を離れた人に。
「村で作った『おいしい』を、冬でも海の上でも遠い場所でも味わえるようにするんだお!」
力説するルーキフェルに対し、ウェスペルは視覚でアタック。
「ふおー、とってもおいしいの! 食べないのはもったいないの!」
みずからパクパク頬張り、改めてすすめる。
初めましてがこわかったら、いっぱいお話すればいい。そうすれば仲良くなれるはず。
そしてお話の切欠は、きっとこういうおいしいものや、楽しいこと。
「お口直しに、クワスはいかがですかー? こちらも村で作りました!」
茜がグラスに入れたクワスを運んできた。
アルヴィースは自分も少し(※ドワーフ比)頂きながら、村長たちにクワスをすすめる。
「今、迷子達はようやく居場所を見つけましてな。根を張ろうと頑張っております。まだ細い根ですな。だからこそ、先達の作り主の愛情と誇りを、新たな隣人へも伝えては頂けませんかな?」
どっしり強く、懐かしくも古い土地を思わせる味と。軽くさっぱりとして、若く明るい未来を思わせる味と。
どちらも同じジェオルジの作物から作ったクワスだ。
「これからの技術ですから、試作用の野菜や果物を投資してくださる方が見つかると良いんですけど」
もちろん、早い者勝ちですよ!
そんな茶目っ気をみせて、茜が微笑んだ。
「なあに、思うところは存分に話し合えば良いのです! クワスが力を貸してくれますぞ!」
そう言って、アルヴィースが新たなクワスの瓶を開ける。
「というところで、ちっとばかり協力を頼むぜ」
突然現れた黒づくめの男に、村長たちは一瞬ぎょっとした表情を見せる。
デスドクロは気にもせず、アンケート用紙を渡した。
「手間かけて悪ぃが、正直なところ聞かせてくれ」
今回のアピールをどう感じたのか。良かったのか、悪かったのか。
どんなアイテムに興味を持ったのか。
今後どんな缶詰があればいいと思うか。一緒に開発するつもりはあるか。
最後に思うところがあれば何か一言。
――このアンケートの結果をどう判断し、どう行動するかはサイモン達バチャーレ村の住民次第だ。
やがて時間になり、サイモンがテントに顔を出す。
「皆さん、今回は本当に有難うございました。では行ってきます」
軽く手をあげ、村長会議へと向かうサイモンの足取りは、自信に満ちているように見えた。
<了>
うららかな日差しがふりそそぎ、爽やかな風が草の上を走りぬける。
バチャーレ村の光景はのどかで平和な農村そのものだった。
――硫黄の匂いが微かに漂っていることと、農地の見分けがつかない程に雑草が繁っていることを除けば。
パトリシア=K=ポラリス(ka5996)は小鼻をひくつかせた。
「ステンの言った通りダネ! 温泉の匂いがするんダヨ♪」
パトリシアはLH044での同級生でもあるトルステン=L=ユピテル(ka3946)を見た。
彼から移民の村の話を聞いて、一度来てみたいと思っていたのだ。
「温泉ねえ……いい観光資源になりそーなんだよな」
すぐには無理だろう。だが将来的にはなにか良い利用法があるのではないか、とトルステンは考えている。
「温泉ー! いつか入れると嬉しいね♪♪」
「間欠泉だけでもすごい迫力ですよ。そのままにしておくのは勿体ないと思うわ!」
やはりリアルブルー出身で、ふたりとは同年代の天王寺茜(ka4080)が目を輝かせる。
「バチャーレ村への移民、成功させたいわよね!」
「ククッ……村おこし、だと……」
全身黒に身を包んだ暗黒皇帝(自称)、デスドクロ・ザ・ブラックホール(ka0013)がごつい腕を組み、尊大に村を見渡す。
かつて、村おこし王の異名を持ち、これまで千を超す村をメトロポリスへと成長させてきた男。
「このデスドクロ様にかかれば、たやすいことよ」
そう、本気を出せば、サルヴァトーレ・ロッソを缶詰にして売り出すこともできる。
だがしかし。急激な文化レベルの成長は必ずしも良いこととは限らない。よって皇帝は決めた。
「3%……そう、3%の力だけ貸してやることにすんぜ。グーハハハ!」
その高笑いは誰もいない草原に響き渡った。……他のメンバーはもう、村の中心部へ移動しつつあったのだ。
●
長身の黒髪の男が、手を振っている。サイモンだ。
「お待ちしておりました、今回もお世話になります!」
「サイモンさん! また来たですお!」
「今日はしまーも一緒なの! しまーはなんでもできるなの!」
嬉しそうに駆け寄るルーキフェル・ハーツ(ka1064)とウェスペル・ハーツ(ka1065)の後ろから、アルヴィース・シマヅ(ka2830)が笑顔を見せる。
「新しい良い風が吹くように、微力を尽くすとしましょうぞ」
村の中心部の広場にはコンテナが幾つか並んでいた。
サイモンによると、当面の住居や倉庫として使っているそうだ。
「慣れれば船内よりずっといいと思うんですが」
ロッソの船内は当然ながら換気が行きとどき、無臭に近い状態であった。なので硫黄だけではなく、草や土の匂いにも慣れない者もいるという。
サイモンは元々植物を扱っているので、その辺りは柔軟なのだろう。
アスワド・ララ(ka4239)は頷きながら話を聞き、改めて村を見回した。
「村長祭を通して、皆が手を取り合って豊かになること。それは物心両面で満たされなければならないでしょう。成功させましょう」
紫の瞳が思案げに、並んだコンテナを見つめていた。
サイモンの助手のアルジュナとマリナ、それから他の移民数人が加わり、今回の予定について会議が始まる。
トルステンは説明を聞き、そっけない調子で言った。
「ふーん、加工貿易ね。当面を凌ぐ手はあんま多くねーしな、いーんじゃねーの」
と言いつつ、しっかりメモを取っている。
「そう言って頂けると助かります。自分たちでなるべく頑張るつもりではありますが、やはり身内以外のご意見は貴重ですし」
「あ? 何言ってんだ、今度も手伝うぜ。中途半端は落ちつかねーしな」
トルステンの隣で、パトリシアが元気よく手を上げる。
「パティもちょっとでもお手伝いするヨ! みんなの素敵なホームにするんダネ!」
その為に来たのだから。他のハンター達も頷く。
浅黒い肌の青年技師アルジュナが、傍に置いてあった布をはらう。大きなかごや麻袋のようなものが並んでいた。
「とりあえず、村で採れたものも多少はあるんです。安全なことは確認しています」
元農地で勝手に茂っていた麦や、誰も採らないままの山ブドウや柑橘類などの果物。採取は大変だが、自家用程度ならなんとかなる量だ。
「で、クワスなら作れるなって思ったワケ」
マリナが笑った。幸い、イースト菌はサイモンが持ち込んでいる。
「なるほどなるほど。それはよいお考えですな」
アルヴィースが普段以上に身を乗り出す。落ちついた温厚な古兵という印象だが、そこはドワーフ。酒と聞くと力の入り方が違うようだ。
「どっしりと昔ながらの味わいも捨てがたいが、すっきり飲みやすいというのも祭には良いでしょうな。両方を作るとしましょうぞ」
アスワドがかごの中身を確かめる。
「……これはレモンの代わりになりそうですね。パンを焼くことはできそうですか?」
「やってみたわ。試作品食べてみる?」
マリナが小さく切り分けたパンをすすめる。
「やはり黒パン、これが大事ですな!」
アルヴィースが一切れを口に含み、素朴な味わいに目を細めた。
「あとは缶詰か。プレゼン対象は仕入れ先の村長達と、売り込み先の同盟商人達ってコトでオッケー?」
トルステンがメモに何やら書き込んで行く。
「要は保存食なワケだ。中身決めるには、誰に売り込むか絞っておいた方がいーぜ」
船乗りが食べたいもの、街の住人が食べたいものは、それぞれ違うはずだ。
話し合いの結果、ザワークラウトやピクルス、淡水魚の塩漬けや油漬け、コンポートやジャム等の甘いものという案が出そろい、それぞれが材料集めと試作に取り掛かる。
●
なにはともあれ、必要なのは材料だ。
「近くの村をまわって、特産品やたくさん作ってる食物を聞くお!」
「おいしいお野菜や果物をつくってる、みんながニコニコ働いてる村を調べてきますなの!」
張り切って出て行ったルーキフェルとウェスペルだが。
資金なり食物なり、バチャーレ村から提供できるものが今はない。元々、それをどうするかというのが問題なのだ。
「むずかしいですお……」
「でもがんばるですなの!」
バチャーレ村の状況や、移民たちの頑張りを一生懸命説明して回る。アルヴィースもそっとついていく。
「おいしくって栄養たっぷりな保存食を作りたいですなの! どうか協力してくださいなの」
もちろんこういった話に同情してくれる村もあったが、いざ自分の村の作物を無償で提供するとなると、誰も同意はしてくれない。
どの村も、無条件に豊かな訳ではないのだ。
結局、村長祭のご祝儀扱いということで、隣村がキャベツを提供してくれたのが精いっぱいだった。
「これだけあれば大丈夫よ! よく頑張ってくれたわね」
茜が双子の頭をなでた。
「何週間も航海してると、食べられるモノって限られてくるものね。栄養の偏りをなんとかしたいわ」
自由都市同盟は海運が盛んな土地柄だ。船乗りが多ければ、彼らの食生活の改善に缶詰や瓶詰が役立つはずである。
早速、キャベツを洗ってザワークラウトの仕込みにかかる。
アルヴィースはルーキフェルとウェスペルを連れて、川で魚を釣って来た。
「すおいお! 綺麗なお魚さんがいっぱいだお!」
「しまー、もうかごに入らないぐらいなの!」
「誰も獲る物が居らぬのか、大物がどんどんかかりますぞ!」
元々釣りの得意なアルヴィースだが、かなり満足できる釣果だったようである。
アスワドはトルステンと共に、その魚でハーブオイル漬けを作ることにした。
「保存のために味は濃くしなきゃだけどな。やっぱ多少は拘りてーやね」
トルステンが魚を手際よく捌きながら言う。
「基本は塩味ですが、くさみを消すためにハーブや香辛料を使います。そのまま食べてもいいですし、料理の素材として使えるとなれば、ヴァリオス辺りでは高級食材として喜ばれるのではないでしょうか」
家業からアスワドは香辛料に詳しい。香辛料をそのまま使えば高価になるが、山に行けば手に入るハーブを上手く使えば、風味は良くなるはずだ。
ふたりは試食を重ね、手順を記録して行く。今後実際に作るのは自分たちではなくバチャーレ村の移民なのだから、わかるようにしておかねばならない。
トルステンは魚とは別に、果物も仕込んでいる。というのは……。
「パティは、コンポートやジャムが好きダヨー♪」
パトリシアが柑橘類や木イチゴなどを抱えて、キラキラした目でそう訴えたのだ。
尚、訴えるだけで、作成は料理上手なトルステンにお任せである。
これにデスドクロが賛成した。
「美味いもんを食いてえってのは人間の根源的な欲求だ。できれば新鮮で、産地も限られるような高級な果物を、更にシロップで甘くした高級路線もちっとは用意しておきてぇ」
「……なるほどな」
「単なる普段の食い物の代用品じゃ、船上でも陸地と変わらねぇぜ。既存品を越える味っつー展望を見せておきゃ、喰いつく奴も出てくるぜ」
デスドクロはそう言って、茜を手伝いに行った。その背中は、さぞかし見事なキャベツの細切りができそうな気配を漂わせていた。
でき上がったコンポートの瓶には、パティが手書きの可愛いラベルを張り付けた。
「へえ、上手ですねえ」
サイモンは感心しつつ、別の紙束に目をやる。
「こちらは?」
「えへへー♪ あとでサイモンさん達の取材もしちゃうヨ☆」
パトリシアは楽しそうにペンを走らせ続ける。
こうして準備は整った。
●
村長祭当日。
瓶詰や缶詰を満載した馬車は、緊張気味のサイモンも乗せて、会場へやって来た。
アスワドは念のために周囲を警戒しながら、テーブルセッティングに気を配る。
『軍から家庭、山岳地帯まで、ほっとするいつもの味をお届け』
そんなキャッチフレーズも貼りだした。
缶や瓶は綺麗に積み上げて、内容や作り方、利用法などを書いたカードも添えてある。
テントを張った裏方では、缶詰の中身を開けて、試食の準備。
「ふふっ、ひゃくぶんはヒトクチにしかずダヨー♪」
綺麗に並んだ一口サイズの試食品は、可愛いピックでまとめたピンチョスだ。
旗のイラストはルーキフェルとウェスペルが頑張って描いたものだ。
何事かと足を止めた身なりのいい男に、茜はさりげなく近づいていく。
「バチャーレ村の缶詰や瓶詰で作った物です。おひとついかがですか」
「缶詰?」
「そうです。食糧を腐らせないまま、長く保存できれば便利だと思いますよ」
茜は続けて、野菜を食べる栄養学的、また心理的なメリットについても説明する。
すすめられたピンチョスは、黒パンにザワークラウト、ハーブ風味の魚のオイル漬けがちょうどいいバランスだ。
「保存食にしてはいい味だね」
茜はにっこり笑いながら、早速ザワークラウトの瓶詰を持って見せた。
「この瓶詰1コでキャベツ約1コ分が詰め込まれてます。ということは、同じ量の野菜を積むよりスペースが小さくなるんですよね。今までより沢山荷物が運べますよ♪」
男の身なりから商人ではないかと判断した茜は、さりげなく「儲かりそうな匂い」を振りまいたのだ。
「だが瓶詰めは割れるだろう」
そう言いながらも、男は『青のまほろば バチャーレ』と書かれたカラフルな資料を熱心に見つめている。
それは皆で作った、バチャーレ村の紹介パンフレットだ。
彼らがどのような経緯で移民してきたのか、何故『穢れた村』と言われてきたのか。
4コマ漫画風に解説し、ちゃんとキャベツを提供してくれた村のことも書いておいた。
漫画を描いたのはパティだ。
「知らないモノは怖いカラ、みんなが怖くないよーに、ネ♪」
噂をすぐに払しょくするのは難しいだろう。
だが、ひとりでもふたりでも、本当のことを知ってくれる人が増えてくれば。
バチャーレ村はいずれ、自分の足で立たねばならない。だがマイナスからのスタートなのだから、立つところまでは助けが必要だ。
各村の村長たちも姿を見せた。
近隣の村の村長たちも、やや遠巻き気味に眺めている。
その中に、キャベツを提供してくれた村の者を見つけ、ルーキフェルとウェスペルは駆け寄った。
「この前はたすかりましたお! こっちでちょっと食べてみるですお!」
袖をひっぱり、加工されたキャベツと、加工した食材の試食をすすめる。
「この缶詰はすおいのですお。今までよりずっと長く、おいしく食べられるのですお。でもそれだけじゃおいしいものは作れないのですお!」
海の上で働く人に。
遠く故郷を離れた人に。
「村で作った『おいしい』を、冬でも海の上でも遠い場所でも味わえるようにするんだお!」
力説するルーキフェルに対し、ウェスペルは視覚でアタック。
「ふおー、とってもおいしいの! 食べないのはもったいないの!」
みずからパクパク頬張り、改めてすすめる。
初めましてがこわかったら、いっぱいお話すればいい。そうすれば仲良くなれるはず。
そしてお話の切欠は、きっとこういうおいしいものや、楽しいこと。
「お口直しに、クワスはいかがですかー? こちらも村で作りました!」
茜がグラスに入れたクワスを運んできた。
アルヴィースは自分も少し(※ドワーフ比)頂きながら、村長たちにクワスをすすめる。
「今、迷子達はようやく居場所を見つけましてな。根を張ろうと頑張っております。まだ細い根ですな。だからこそ、先達の作り主の愛情と誇りを、新たな隣人へも伝えては頂けませんかな?」
どっしり強く、懐かしくも古い土地を思わせる味と。軽くさっぱりとして、若く明るい未来を思わせる味と。
どちらも同じジェオルジの作物から作ったクワスだ。
「これからの技術ですから、試作用の野菜や果物を投資してくださる方が見つかると良いんですけど」
もちろん、早い者勝ちですよ!
そんな茶目っ気をみせて、茜が微笑んだ。
「なあに、思うところは存分に話し合えば良いのです! クワスが力を貸してくれますぞ!」
そう言って、アルヴィースが新たなクワスの瓶を開ける。
「というところで、ちっとばかり協力を頼むぜ」
突然現れた黒づくめの男に、村長たちは一瞬ぎょっとした表情を見せる。
デスドクロは気にもせず、アンケート用紙を渡した。
「手間かけて悪ぃが、正直なところ聞かせてくれ」
今回のアピールをどう感じたのか。良かったのか、悪かったのか。
どんなアイテムに興味を持ったのか。
今後どんな缶詰があればいいと思うか。一緒に開発するつもりはあるか。
最後に思うところがあれば何か一言。
――このアンケートの結果をどう判断し、どう行動するかはサイモン達バチャーレ村の住民次第だ。
やがて時間になり、サイモンがテントに顔を出す。
「皆さん、今回は本当に有難うございました。では行ってきます」
軽く手をあげ、村長会議へと向かうサイモンの足取りは、自信に満ちているように見えた。
<了>
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/05/06 21:38:36 |
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【セストさんに質問】 アスワド・ララ(ka4239) 人間(クリムゾンウェスト)|20才|男性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2016/05/06 17:00:26 |
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【相談卓】 アスワド・ララ(ka4239) 人間(クリムゾンウェスト)|20才|男性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2016/05/09 18:08:18 |