ゲスト
(ka0000)
【春郷祭】ラブラブPクレープ
マスター:深夜真世

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~7人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 4日
- 締切
- 2016/05/17 07:30
- 完成日
- 2016/05/31 01:17
このシナリオは5日間納期が延長されています。
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
「ほへ? またジェオルジに行くの?」
極彩色の街「ヴァリオス」の街角屋台「Pクレープ」で、小麦粉の生地をならすトンボを手にした南那初華(kz0135)が目を丸めた。無理もない。先日歪虚退治で訪れてワインまみれになるなどひどい目に遭ったばかりだ。
「その後すぐに春郷祭が始まってさ。ほら、秋にも店を出して好評だったじゃない。あの時のクレープとかが好評でぜひ今回も出店してくれって頼まれたんだよ」
Pクレープのオーナーであるポルカ商会の太っちょ息子、ポルテが「はっかさんたちだからこそまた声が掛かったんだからさ。ほら、この通り」と手を合わせて拝み倒す。
「んもう、仕方ないなぁ。でも、こっちにだってたくさん常連客さん、いるんだからね」
初華、焼き上げた唐辛子ジャム「レッドコメットジャム」のクレープを根暗そうな男性客に手渡し「ありがとうございましたー」。ほらこの通り、と言わんばかりにポルテを見返す。
「それはほら、ここで毎日やってると屋台ではなく固定店舗だって見なされて許可が出ないんだよ。間を開けるにもちょうどいいし、向こうにも常連さんできるからさ」
ここで初華、ほわほわんと先日の依頼を思い出す。
「まあ、さすが極彩色の街で出店してるだけあること」
「程よく甘くて、何より香ばしさがいいですわねー」
「なんて言いますか、べったり甘いのは野暮ったくて田舎っぽいですが、さすが都会の味。軽やかに甘みを演出して下さいますわ〜」
ご婦人方は依頼後に販売したクレープにとても喜んでいた。もっとも、初華に都会の味だとか田舎の味だとかは分からない。都会の肩書だけで喜んでもらえたのかもしれないが、とても満足そうだったのは嬉しく思う。
もっともこの時初華、歪虚「ワインバッカー」戦で浴びたワインとその後に食べた特製ラム酒クリームチーズクレープを口にしてふらふらの腰砕けになって横たわっていたのだが。
それはともかく。
「うーん、ポルテさんの言うようなこともあるか……そんじゃ、頑張る。前と同じ場所でいっかな?」
大人しく頷いた初華だが、ポルテは更に申し訳なさそうに小さくなった。
「それが……会場のはしの方で……」
「な、なんですって?」
初華、ぽろりと「梅バナナジャム」の瓶を取りこぼしそうになりつつ振り返った。ポルテ、肩を小さくして申し訳なさそうにしている。
「で、でも。もう祭り後半で村長会議も終わって賑わい、増してくるし……増してくるからいい場所はもうダメだったんだけど、逆に言えば静かでいい雰囲気で……」
「分かった。カップルが集まりそうな場所なのね?」
初華、もうぐだぐだな会話はしたくないと超前向き。
「え、ええと……」
「もしそうでなかったら、場所は少々外れていても恋人たちが安心してゆっくりできるような、雰囲気のある場所に変えてもらって! 恋人の聖地店とか何とか適当に名乗って集客するわっ!」
開き直った初華に、ポルテはひいいと肩をすくめながら素直に従うのだった。
そんなこんなで、Pクレープ恋人の聖地店をそれっぽく演出したり集客したり、クレープを焼いて販売する人、求ム。
極彩色の街「ヴァリオス」の街角屋台「Pクレープ」で、小麦粉の生地をならすトンボを手にした南那初華(kz0135)が目を丸めた。無理もない。先日歪虚退治で訪れてワインまみれになるなどひどい目に遭ったばかりだ。
「その後すぐに春郷祭が始まってさ。ほら、秋にも店を出して好評だったじゃない。あの時のクレープとかが好評でぜひ今回も出店してくれって頼まれたんだよ」
Pクレープのオーナーであるポルカ商会の太っちょ息子、ポルテが「はっかさんたちだからこそまた声が掛かったんだからさ。ほら、この通り」と手を合わせて拝み倒す。
「んもう、仕方ないなぁ。でも、こっちにだってたくさん常連客さん、いるんだからね」
初華、焼き上げた唐辛子ジャム「レッドコメットジャム」のクレープを根暗そうな男性客に手渡し「ありがとうございましたー」。ほらこの通り、と言わんばかりにポルテを見返す。
「それはほら、ここで毎日やってると屋台ではなく固定店舗だって見なされて許可が出ないんだよ。間を開けるにもちょうどいいし、向こうにも常連さんできるからさ」
ここで初華、ほわほわんと先日の依頼を思い出す。
「まあ、さすが極彩色の街で出店してるだけあること」
「程よく甘くて、何より香ばしさがいいですわねー」
「なんて言いますか、べったり甘いのは野暮ったくて田舎っぽいですが、さすが都会の味。軽やかに甘みを演出して下さいますわ〜」
ご婦人方は依頼後に販売したクレープにとても喜んでいた。もっとも、初華に都会の味だとか田舎の味だとかは分からない。都会の肩書だけで喜んでもらえたのかもしれないが、とても満足そうだったのは嬉しく思う。
もっともこの時初華、歪虚「ワインバッカー」戦で浴びたワインとその後に食べた特製ラム酒クリームチーズクレープを口にしてふらふらの腰砕けになって横たわっていたのだが。
それはともかく。
「うーん、ポルテさんの言うようなこともあるか……そんじゃ、頑張る。前と同じ場所でいっかな?」
大人しく頷いた初華だが、ポルテは更に申し訳なさそうに小さくなった。
「それが……会場のはしの方で……」
「な、なんですって?」
初華、ぽろりと「梅バナナジャム」の瓶を取りこぼしそうになりつつ振り返った。ポルテ、肩を小さくして申し訳なさそうにしている。
「で、でも。もう祭り後半で村長会議も終わって賑わい、増してくるし……増してくるからいい場所はもうダメだったんだけど、逆に言えば静かでいい雰囲気で……」
「分かった。カップルが集まりそうな場所なのね?」
初華、もうぐだぐだな会話はしたくないと超前向き。
「え、ええと……」
「もしそうでなかったら、場所は少々外れていても恋人たちが安心してゆっくりできるような、雰囲気のある場所に変えてもらって! 恋人の聖地店とか何とか適当に名乗って集客するわっ!」
開き直った初華に、ポルテはひいいと肩をすくめながら素直に従うのだった。
そんなこんなで、Pクレープ恋人の聖地店をそれっぽく演出したり集客したり、クレープを焼いて販売する人、求ム。
リプレイ本文
●
「さあ、これでうまくくつろいでもらえるかな?」
バラの咲く川土手で、鞍馬 真(ka5819)が腰を上げた。
屈んでいたのは広げたレジャーシートの四隅に小石を置いて固定していたから。シートは二人用で少し小さめだ。
ここは屋台「Pクレープ」の近く。
「恋人の聖地店」として開店に向けて周囲の雰囲気を作っている最中だ。
「クレープをここで食べたことをきっかけにカップル誕生も有り得る訳だな」
呟く真。
脳裏に浮かぶ、ここに座るかもしれないカップルの笑顔。
「そうだ。……告白にでも使ってもらえればいいな」
そっとシートの傍に真っ赤なバラの一輪ブーケを添える。
そんな中。
「あん。そんな……」
茂みの向こうから女性の秘めやかな呟きが聞こえていた。
まだ店は準備中で人はいないはず、と真が覗いてみると!
「待って待って、心の準備が……」
何と、南那初華(kz0135)が一人、二人掛けシートに孤独に座っていやんいやんと身をくねらせたり悶えていたり。たった一人で妄想タイム中。
その時!
「お楽しみ中だな」
がさっ、とイレーヌ(ka1372)が茂みから出てきた。
「きゃーーっ!」
悲鳴を上げ身を引く初華。
「準備は概ね終了で御座います」
さらに背後から真田 天斗(ka0014)も登場。
「ひぃい!」
またも引く初華。
「みんな、容赦ないな」
「どひーーっ!」
最後に真も仕方なく、がさっ。初華、涙目。
「初華さん、初華さん」
すっかり固まってしまった初華に手招きするのは、新たに顔を出したメルクーア(ka4005)。
「な、何。メルクーアさん……」
「お姉ちゃんが用意したここの方がムードあるよ」
うふふと得意そうなメルクーア。連れて行った先には。
「ぶっ!」
バラの花の模様に合わせて切った赤いシートが目の前に。思わず赤面する初華。
「雰囲気あるでしょ? ここには『野薔薇』のプレートをつけて、と」
うきうきと手を加えるメルクーアだが、その額をイレーヌが軽くこちん☆。
「衆目監視の下ここで独り続きをやれ、か?」
「ふぅ……。恋人の聖地店にしてもそうですが、そういうのは御自身が彼氏持ちに…いえ、何でも御座いません」
それは酷だろうと諭すイレーヌ。その横から天斗が初華に憐れみ混じりの視線を送る。
「う……どーせ彼氏いませんよぅ。もういい、屋台の準備するわっ!」
ぶちぶち言いつつ屋台に戻る初華。
「賑わいの外れを引き受けるなんて、初華さんは前向きだよねー」
その横に狐中・小鳥(ka5484)が並ぶ。歩きながら「でも、確かにいい話だし頑張らないとかな♪」とか意気に感じていたり。
「そうそう、前向き。静かなのは恋人向けよねっ」
「うんうん。恋人たちが愛を語り合うにはピッタリの所だよね。二人の仲が進むように私もこっそりサポートなんだよ♪」
「それ! こっそりってのがいいよね~」
腹を立てたり笑ったり。きゃいきゃい盛り上がる二人の背中を見つつ、真がぽそり。
「女の子だな」
「そういうお年頃でしょうか」
天斗も静かに呟き屋台へ。
そのころ、屋台。
「なんでイルミナがいるんだ?」
コウ(ka3233)が固まっていた。
「…なんでここにコウがいるわけ…?」
クレープ生地を広げるトンボを手にしたイルミナ(ka5759)も固まった。
「いや、ちょっと懐がアレなんで…」
「バイト? ふうん…そう…いいけど…」
不審そうにコウをじろじろ見るイルミナ。
「言っとくけど、噂に聞くクレープとかいうのを食べて……」
「へえ、クレープなんて食うの?」
「べ、別に、甘いものはそんなに好きじゃないわ」
イルミナ、視線を外して麺棒で小麦粉をこねこねしはじめたぞ。聞こえないように、「でも男の子と食べるものだと聞いたし……」とか、ぽそり。
「ま、いーや。しっかし、こんなところでバイトとは俺も焼きが回ったなぁ」
――どん!
「わっ!」
「今の駄洒落? クレープ焼くのに引っ掛けた駄洒落のつもりなの?」
機嫌を斜めにしたイルミナがこねこねしていた小麦粉に麺棒を叩きつけてコウをぎろり。
「ただいま~」
おっと。初華たちが帰ってきたのでそそくさと離れる。
●
とにかく、開店。
「わあっ。クレープ屋~」
「いらっしゃいませ、だよ。もし良かったらお知り合いとかにも教えてあげてだよー」
小鳥の言葉通り、この場所は人通り自体が少ない。
この様子を見てイレーヌが仕方ない、と立ち上がる。
「メル、ちょっと」
「何、お姉ちゃん?」
メルクーアの腕を取り自らの腕に絡ませるイレーヌ。
「一緒に歩き回ろう。分かっていると思うが、宣伝の為だからな?」
「え? でぇと?」
メルクーア、喜色満面。イレーヌは否定するが。
というわけでメルクーア、先ほど焼いたばかりのクレープをイレーヌに持たせた。
「ん? まるでバラの花束だな?」
「ほら、赤いバラって愛の代名詞でしょ? バラのジャムと、バラの花びらを飾ったクレープをどうぞって。うふふ」
男装風でバラの花束風クレープを持つイレーヌの腕にメルクーアが腕を絡めてカップルの完成。
で、人の多い屋台通りを歩く。
「わ、素敵」
「あれ、いいなぁ」
目敏いカップルから注目された。
「ふぅん……メル、ほら?」
イレーヌ、視線を感じてちょっと試してみる。
「いいの? あーん……」
差し出したクレープを食べてもらう様子に、周りのカップルの女性たちは色めき立った。
「どこで売ってるのかしら?」
「ね、ねえ。私たちも、あれ……」
そんな囁きを横目にメルクーアがしれっと言うのだ。
「あっちのPクレープ、素敵だったね~」
耳にしたカップル、ぞろぞろと移動し始める。
屋台は忙しくなり始めた。
「このバラのジャム、いい匂いがするんだよ。しかも今回限り、この『恋人の聖地店』限定メニューなんだ♪」
バラを飾ったカウンターで接客する小鳥。
「ごめん、時間掛かっちゃう!」
「じゃ、お二人は川辺にシートがあるからそっちで待っててほしいんだよ」
背後からの初華の悲鳴に、小鳥は開店前に用意したカップルシートをご案内。
ちなみに、クレープを焼いているのは初華だけではない。
隣でイルミナがエプロンを身に着け黙々と作業している。
店の横では、「わー、作ってる~」「僕たちのように甘いといいね」とか甘々なカップルの会話。
イルミナ、びくりと反応しつつもひたすら作業している。
新たに「ね。クレープ持った私、かわいい?」「ああ、とても可愛いさ」とか言う甘々な以下略。
イルミナ、黙々と作業。
いや、ぼそりと呟いたぞ。
「……なんでこう暇人が多いのかしら…死ねばいいのに…」
その時、カウンターで。
「いらっしゃい。バラのクレープ一つ? ありがとう。……おーい、イルミナ。注文が入っ……」
「んあっ! イルミナさんそれダメっ!」
接客していたコウが振り向いた時、初華がぱたぱたっとイルミナの作っていたクレープをたたんでしまった。
もちろんコウ、その直前を目撃している。
「どうせ中まで見えないだろう?」
「でもジャムであんな文字は……」
二人のやり取り。
コウは見た。
たたむ前のクレープにバラのジャムで「死」の一文字が書かれていたことを。
「イルミナ、一緒に接客をしよう」
「私が作って何か不都合でもあるの? まあ、コウがそこまで言うなら…」
コウ、クレープに味以外の何かが込められるのを未然に防いだ!
「初華、手伝おう」
代わりに真が調理に入る。
「ただいま~」
メルクーアとイレーヌも帰って来た。
量産体制、これで盤石。
実はこの時、イレーヌとメルクーアの客引きでかなりのカップルが一度にやって来ていた。
「何だよ、こんなのいちいち順番待てるかよ」
「人気みたいだなぁ。また今度にしとくか?」
あとから来たカップルの、特に男性の方がイライラしていた。女性の方は「でも…」と言いたげだが彼氏の機嫌を損ねたくないようで。
その時、すうっと清涼感のある上品な香りが漂った。
「込み合ってますのでこちらでゆっくりされてはどうでしょう?」
そちらにはポットを手にした天斗がいた。賑わいの横で別売り場を作っていたのだ。
「わあっ。この香り、ローズウォーターじゃない?」
「もう一つ、何か違った香りが……」
彼女たちが寄って行き、彼氏たちは「仕方ねぇなぁ」とついて行く。
「薔薇の香りには気分をリラックスさせ安眠に働きかける効能、薔薇に含まれる成分には皮膚や眼などの潤いと、健康を保ち老化防止やシミやシワの予防に効果があると言われております」
蘊蓄を語りつつ手際よく湯を沸かし茶葉を取り出す天斗。うんうんと周りの女性。背後で見守る男性はそういうもんかという顔付き。
「ローズウォーターは女性の為にある様なものですからね」
最後の一言に前列の乙女たちは胸の前で手を組んできゅーん。
「そしてこの白茶」
続いて天斗。白茶をガラス容器を使い淹れる。湯に立った茶葉が柳の葉のように揺れつつ上下する。わあっ、と見入るカップルたち。
そして湯呑みに注ぎローズウォーターで香り付けをして、最後に薔薇の花びらを1枚入れて完成。
「上品で淡白な香りの白茶に気品溢れる薔薇の香りと花びら。癒しの禁断ロイヤルブレンドの完成です」
これならローズジャムにも合うでしょう、と差し出す天斗。
精練された一連の動きも含め、商品だ。
「ねぇ…」
「いいよ。二つ……いや、一つ?」
「うん♪」
ねだる彼女に頷き、想いに気付く彼氏。
天斗の実演販売、好評だ。
「うわあ、いい香り」
「ふうん。紅茶と違ってそのままで甘味があるんだ」
「清涼感もあって上品。バラも合うし、せせらぎにもぴったり」
シートに移動し肩を寄せ合い、一つの白茶を飲むカップルたちの背中。
天斗、満足そうに次の実演に……いや、新たな事態に気付いた。
●
屋台には、賑わいに気付いた普通の客も来ていた。
「バラのクレープの他にもブランデー入りのクレープも可能よん」
おっさんの客にはそれなりの対応をするメルクーア。如才ない。というか、覚醒してお酒の香りを纏っている。
「じゃ、ブランデー入りな。心配せんでもカップル客のためにすぐにどっかいくよ」
気遣いある対応が気に入ったか、おっさん客たちも店に対し気遣いある対応を見せる。
その横ではちょうど、焼き上がったクレープをイルミナが運んで来ていた。
「はい、薔薇と生クリームの小麦粉巻き四〇〇キロカロリーひとつ」
「はわわっ。あ、あの……」
受け取った小鳥、聞かれたかも、と客を振り向く。
「う……」
案の定、ラブラブだったカップルの彼女の方が青くなっている。
「え、えーと。そ、そうだ」
小鳥、ごにょごにょ場を取り繕ってから彼氏の方にちょいちょいと耳を貸すよう指で合図。
「お兄さん、実は赤いバラには『あなたを愛してます』『熱烈な恋』とかの花言葉があるんだよ。相手にそういう思いを込めて渡してみたらどうかな?」
「お、おう」
とっさに彼氏の甲斐性に賭ける。
歩き去りながら小鳥に言われたように伝え……おっと、頭を掻いた。が、ちゃんと伝えてクレープを無事に手渡す。少し二人の距離が詰まった様子を見てホッとする小鳥。胸元に添えた手。ほっくりと幸せな気分に。
「と、とにかく何か足りないもの買い足してきなよ」
コウはこの様子を見て青ざめ、いったんイルミナを売り場から外そうとする。
「んあっ!」
ここで初華、ドジって小麦粉の入ったボウルを取りこぼした。
「あーあー、何やってんだよ」
――どんっ!
コウが慌てて世話を焼きに行ったところで背後から大きな音。
「コウ? それは私が買ってこないといけないものなのかしら…?」
銀盆を台に叩きつけたイルミナがごごごごご……。
ここで天斗が初華の元に。
「ここは私が。怪我は御座いませんか?」
さささ、と天斗が紳士的に対処。う、ありがと、と小さくなる初華。
コウはイルミナをなだめに戻る。
「……なあ、小休止してきたらどうだ?」
「え?」
見かねた真が二人にそういう。
「いえ、閉店まで我慢した方がいいでしょう」
振り返った天斗が小休止先での惨劇を想像して釘を刺す。周りにはまだカップルが多い。
「そうか。客がのんびりしてるなら演奏でもしてくるか」
横笛を出した真、バラの裏に隠れるようにして息を吸う。
――ぴゅるる……。
小鳥のさえずりのように短く吹いて気を引くと、本格的に緩やかで伸びやかな音を響かせ始めた。
それはまるでそよ風のようで、緩やかな小川のせせらぎのようで。
「はい、『せせらぎ』席のお客様、バラのクレープ、お待たせ……あれ?」
焼き上げたクレープをシートに運んでいたメルクーアも笛の旋律に気付いた。
あちこちの恋人たちも、もちろん。
――すすっ。
(ん?)
吹きながら真、恋人たちの気配に気付く。
ロマンチックなメロディに肩を寄せ合っている。
あるいは膝の上の手と手を重ねて。
あるいは伸びる影が向かい合い、唇と唇が――。
「ふぅ」
演奏後、あちこちから拍手が。
しかし、すぐ止んだ。
次の演奏を待っているのだ。
真、少し困っていると……。
「では皆様の幸せを願い、一曲歌わせて頂きます。お耳汚しかと思いますが、お許しください」
イレーヌがいつの間にか真の傍に立ち、挨拶を。
そして澄んだ歌声で、おおらかに緩やかに歌い出す。
真の旋律がそれに続く。
恋人達への曲は、もう少し続く。
●
そして屋台もお終い。
「お姉ちゃん、特別に焼いてきたよ」
メルクーアは最後に一枚焼き、「野薔薇」に座るイレーヌの元へ。
「最初に一枚食べただろう。それより乾杯しよう」
イレーヌは余った酒を持ってきている。
「これ、お姉ちゃんにしてなかったし」
メルクーア、クレープをイレーヌに差し出し「あーん」と促すのだった。
こちら、青いシートの「せせらぎ」。
「ほら、おつかれさん。一緒に食おうぜ」
ここであんなやこんながぐぎぎぎぎと座っていたイルミナに、コウがクレープを差し出した。これでほっと気が緩む。
「ひ、ひとつならコウが一人で食べれば……」
「甘いものはそんなに食わないし、一つ丸ごとはなぁ」
「あ……」
イルミナ、固まった。
カップルたちは食べさせ合ってたりしていたが、とかなんとか思ったが、半分こ。
「ん? 甘いものは嫌いか?」
「は、働いたし二〇〇キロカロリーくらいなら……」
ごにょごにょいいつつも並んで座って半分こ。
「はぁ……」
屋台では初華が赤くなって椅子にぐったり。
「どうしたの、初華さん」
心配してのぞき込む小鳥。
そこに、天斗。
「こちらをどうぞ」
白茶のティーカップを人数分。
「わ。いい香り」
「ローズウォーターは女性の為にある様なもの」
そんなこんなでリラックス。
真は一人、シートの傍にしゃがんでいた。
「……バラのブーケがない」
使ってくれたのなら幸い、と笑みを湛える。
Pクレープ恋人の聖地店、好評の一日だった。
「さあ、これでうまくくつろいでもらえるかな?」
バラの咲く川土手で、鞍馬 真(ka5819)が腰を上げた。
屈んでいたのは広げたレジャーシートの四隅に小石を置いて固定していたから。シートは二人用で少し小さめだ。
ここは屋台「Pクレープ」の近く。
「恋人の聖地店」として開店に向けて周囲の雰囲気を作っている最中だ。
「クレープをここで食べたことをきっかけにカップル誕生も有り得る訳だな」
呟く真。
脳裏に浮かぶ、ここに座るかもしれないカップルの笑顔。
「そうだ。……告白にでも使ってもらえればいいな」
そっとシートの傍に真っ赤なバラの一輪ブーケを添える。
そんな中。
「あん。そんな……」
茂みの向こうから女性の秘めやかな呟きが聞こえていた。
まだ店は準備中で人はいないはず、と真が覗いてみると!
「待って待って、心の準備が……」
何と、南那初華(kz0135)が一人、二人掛けシートに孤独に座っていやんいやんと身をくねらせたり悶えていたり。たった一人で妄想タイム中。
その時!
「お楽しみ中だな」
がさっ、とイレーヌ(ka1372)が茂みから出てきた。
「きゃーーっ!」
悲鳴を上げ身を引く初華。
「準備は概ね終了で御座います」
さらに背後から真田 天斗(ka0014)も登場。
「ひぃい!」
またも引く初華。
「みんな、容赦ないな」
「どひーーっ!」
最後に真も仕方なく、がさっ。初華、涙目。
「初華さん、初華さん」
すっかり固まってしまった初華に手招きするのは、新たに顔を出したメルクーア(ka4005)。
「な、何。メルクーアさん……」
「お姉ちゃんが用意したここの方がムードあるよ」
うふふと得意そうなメルクーア。連れて行った先には。
「ぶっ!」
バラの花の模様に合わせて切った赤いシートが目の前に。思わず赤面する初華。
「雰囲気あるでしょ? ここには『野薔薇』のプレートをつけて、と」
うきうきと手を加えるメルクーアだが、その額をイレーヌが軽くこちん☆。
「衆目監視の下ここで独り続きをやれ、か?」
「ふぅ……。恋人の聖地店にしてもそうですが、そういうのは御自身が彼氏持ちに…いえ、何でも御座いません」
それは酷だろうと諭すイレーヌ。その横から天斗が初華に憐れみ混じりの視線を送る。
「う……どーせ彼氏いませんよぅ。もういい、屋台の準備するわっ!」
ぶちぶち言いつつ屋台に戻る初華。
「賑わいの外れを引き受けるなんて、初華さんは前向きだよねー」
その横に狐中・小鳥(ka5484)が並ぶ。歩きながら「でも、確かにいい話だし頑張らないとかな♪」とか意気に感じていたり。
「そうそう、前向き。静かなのは恋人向けよねっ」
「うんうん。恋人たちが愛を語り合うにはピッタリの所だよね。二人の仲が進むように私もこっそりサポートなんだよ♪」
「それ! こっそりってのがいいよね~」
腹を立てたり笑ったり。きゃいきゃい盛り上がる二人の背中を見つつ、真がぽそり。
「女の子だな」
「そういうお年頃でしょうか」
天斗も静かに呟き屋台へ。
そのころ、屋台。
「なんでイルミナがいるんだ?」
コウ(ka3233)が固まっていた。
「…なんでここにコウがいるわけ…?」
クレープ生地を広げるトンボを手にしたイルミナ(ka5759)も固まった。
「いや、ちょっと懐がアレなんで…」
「バイト? ふうん…そう…いいけど…」
不審そうにコウをじろじろ見るイルミナ。
「言っとくけど、噂に聞くクレープとかいうのを食べて……」
「へえ、クレープなんて食うの?」
「べ、別に、甘いものはそんなに好きじゃないわ」
イルミナ、視線を外して麺棒で小麦粉をこねこねしはじめたぞ。聞こえないように、「でも男の子と食べるものだと聞いたし……」とか、ぽそり。
「ま、いーや。しっかし、こんなところでバイトとは俺も焼きが回ったなぁ」
――どん!
「わっ!」
「今の駄洒落? クレープ焼くのに引っ掛けた駄洒落のつもりなの?」
機嫌を斜めにしたイルミナがこねこねしていた小麦粉に麺棒を叩きつけてコウをぎろり。
「ただいま~」
おっと。初華たちが帰ってきたのでそそくさと離れる。
●
とにかく、開店。
「わあっ。クレープ屋~」
「いらっしゃいませ、だよ。もし良かったらお知り合いとかにも教えてあげてだよー」
小鳥の言葉通り、この場所は人通り自体が少ない。
この様子を見てイレーヌが仕方ない、と立ち上がる。
「メル、ちょっと」
「何、お姉ちゃん?」
メルクーアの腕を取り自らの腕に絡ませるイレーヌ。
「一緒に歩き回ろう。分かっていると思うが、宣伝の為だからな?」
「え? でぇと?」
メルクーア、喜色満面。イレーヌは否定するが。
というわけでメルクーア、先ほど焼いたばかりのクレープをイレーヌに持たせた。
「ん? まるでバラの花束だな?」
「ほら、赤いバラって愛の代名詞でしょ? バラのジャムと、バラの花びらを飾ったクレープをどうぞって。うふふ」
男装風でバラの花束風クレープを持つイレーヌの腕にメルクーアが腕を絡めてカップルの完成。
で、人の多い屋台通りを歩く。
「わ、素敵」
「あれ、いいなぁ」
目敏いカップルから注目された。
「ふぅん……メル、ほら?」
イレーヌ、視線を感じてちょっと試してみる。
「いいの? あーん……」
差し出したクレープを食べてもらう様子に、周りのカップルの女性たちは色めき立った。
「どこで売ってるのかしら?」
「ね、ねえ。私たちも、あれ……」
そんな囁きを横目にメルクーアがしれっと言うのだ。
「あっちのPクレープ、素敵だったね~」
耳にしたカップル、ぞろぞろと移動し始める。
屋台は忙しくなり始めた。
「このバラのジャム、いい匂いがするんだよ。しかも今回限り、この『恋人の聖地店』限定メニューなんだ♪」
バラを飾ったカウンターで接客する小鳥。
「ごめん、時間掛かっちゃう!」
「じゃ、お二人は川辺にシートがあるからそっちで待っててほしいんだよ」
背後からの初華の悲鳴に、小鳥は開店前に用意したカップルシートをご案内。
ちなみに、クレープを焼いているのは初華だけではない。
隣でイルミナがエプロンを身に着け黙々と作業している。
店の横では、「わー、作ってる~」「僕たちのように甘いといいね」とか甘々なカップルの会話。
イルミナ、びくりと反応しつつもひたすら作業している。
新たに「ね。クレープ持った私、かわいい?」「ああ、とても可愛いさ」とか言う甘々な以下略。
イルミナ、黙々と作業。
いや、ぼそりと呟いたぞ。
「……なんでこう暇人が多いのかしら…死ねばいいのに…」
その時、カウンターで。
「いらっしゃい。バラのクレープ一つ? ありがとう。……おーい、イルミナ。注文が入っ……」
「んあっ! イルミナさんそれダメっ!」
接客していたコウが振り向いた時、初華がぱたぱたっとイルミナの作っていたクレープをたたんでしまった。
もちろんコウ、その直前を目撃している。
「どうせ中まで見えないだろう?」
「でもジャムであんな文字は……」
二人のやり取り。
コウは見た。
たたむ前のクレープにバラのジャムで「死」の一文字が書かれていたことを。
「イルミナ、一緒に接客をしよう」
「私が作って何か不都合でもあるの? まあ、コウがそこまで言うなら…」
コウ、クレープに味以外の何かが込められるのを未然に防いだ!
「初華、手伝おう」
代わりに真が調理に入る。
「ただいま~」
メルクーアとイレーヌも帰って来た。
量産体制、これで盤石。
実はこの時、イレーヌとメルクーアの客引きでかなりのカップルが一度にやって来ていた。
「何だよ、こんなのいちいち順番待てるかよ」
「人気みたいだなぁ。また今度にしとくか?」
あとから来たカップルの、特に男性の方がイライラしていた。女性の方は「でも…」と言いたげだが彼氏の機嫌を損ねたくないようで。
その時、すうっと清涼感のある上品な香りが漂った。
「込み合ってますのでこちらでゆっくりされてはどうでしょう?」
そちらにはポットを手にした天斗がいた。賑わいの横で別売り場を作っていたのだ。
「わあっ。この香り、ローズウォーターじゃない?」
「もう一つ、何か違った香りが……」
彼女たちが寄って行き、彼氏たちは「仕方ねぇなぁ」とついて行く。
「薔薇の香りには気分をリラックスさせ安眠に働きかける効能、薔薇に含まれる成分には皮膚や眼などの潤いと、健康を保ち老化防止やシミやシワの予防に効果があると言われております」
蘊蓄を語りつつ手際よく湯を沸かし茶葉を取り出す天斗。うんうんと周りの女性。背後で見守る男性はそういうもんかという顔付き。
「ローズウォーターは女性の為にある様なものですからね」
最後の一言に前列の乙女たちは胸の前で手を組んできゅーん。
「そしてこの白茶」
続いて天斗。白茶をガラス容器を使い淹れる。湯に立った茶葉が柳の葉のように揺れつつ上下する。わあっ、と見入るカップルたち。
そして湯呑みに注ぎローズウォーターで香り付けをして、最後に薔薇の花びらを1枚入れて完成。
「上品で淡白な香りの白茶に気品溢れる薔薇の香りと花びら。癒しの禁断ロイヤルブレンドの完成です」
これならローズジャムにも合うでしょう、と差し出す天斗。
精練された一連の動きも含め、商品だ。
「ねぇ…」
「いいよ。二つ……いや、一つ?」
「うん♪」
ねだる彼女に頷き、想いに気付く彼氏。
天斗の実演販売、好評だ。
「うわあ、いい香り」
「ふうん。紅茶と違ってそのままで甘味があるんだ」
「清涼感もあって上品。バラも合うし、せせらぎにもぴったり」
シートに移動し肩を寄せ合い、一つの白茶を飲むカップルたちの背中。
天斗、満足そうに次の実演に……いや、新たな事態に気付いた。
●
屋台には、賑わいに気付いた普通の客も来ていた。
「バラのクレープの他にもブランデー入りのクレープも可能よん」
おっさんの客にはそれなりの対応をするメルクーア。如才ない。というか、覚醒してお酒の香りを纏っている。
「じゃ、ブランデー入りな。心配せんでもカップル客のためにすぐにどっかいくよ」
気遣いある対応が気に入ったか、おっさん客たちも店に対し気遣いある対応を見せる。
その横ではちょうど、焼き上がったクレープをイルミナが運んで来ていた。
「はい、薔薇と生クリームの小麦粉巻き四〇〇キロカロリーひとつ」
「はわわっ。あ、あの……」
受け取った小鳥、聞かれたかも、と客を振り向く。
「う……」
案の定、ラブラブだったカップルの彼女の方が青くなっている。
「え、えーと。そ、そうだ」
小鳥、ごにょごにょ場を取り繕ってから彼氏の方にちょいちょいと耳を貸すよう指で合図。
「お兄さん、実は赤いバラには『あなたを愛してます』『熱烈な恋』とかの花言葉があるんだよ。相手にそういう思いを込めて渡してみたらどうかな?」
「お、おう」
とっさに彼氏の甲斐性に賭ける。
歩き去りながら小鳥に言われたように伝え……おっと、頭を掻いた。が、ちゃんと伝えてクレープを無事に手渡す。少し二人の距離が詰まった様子を見てホッとする小鳥。胸元に添えた手。ほっくりと幸せな気分に。
「と、とにかく何か足りないもの買い足してきなよ」
コウはこの様子を見て青ざめ、いったんイルミナを売り場から外そうとする。
「んあっ!」
ここで初華、ドジって小麦粉の入ったボウルを取りこぼした。
「あーあー、何やってんだよ」
――どんっ!
コウが慌てて世話を焼きに行ったところで背後から大きな音。
「コウ? それは私が買ってこないといけないものなのかしら…?」
銀盆を台に叩きつけたイルミナがごごごごご……。
ここで天斗が初華の元に。
「ここは私が。怪我は御座いませんか?」
さささ、と天斗が紳士的に対処。う、ありがと、と小さくなる初華。
コウはイルミナをなだめに戻る。
「……なあ、小休止してきたらどうだ?」
「え?」
見かねた真が二人にそういう。
「いえ、閉店まで我慢した方がいいでしょう」
振り返った天斗が小休止先での惨劇を想像して釘を刺す。周りにはまだカップルが多い。
「そうか。客がのんびりしてるなら演奏でもしてくるか」
横笛を出した真、バラの裏に隠れるようにして息を吸う。
――ぴゅるる……。
小鳥のさえずりのように短く吹いて気を引くと、本格的に緩やかで伸びやかな音を響かせ始めた。
それはまるでそよ風のようで、緩やかな小川のせせらぎのようで。
「はい、『せせらぎ』席のお客様、バラのクレープ、お待たせ……あれ?」
焼き上げたクレープをシートに運んでいたメルクーアも笛の旋律に気付いた。
あちこちの恋人たちも、もちろん。
――すすっ。
(ん?)
吹きながら真、恋人たちの気配に気付く。
ロマンチックなメロディに肩を寄せ合っている。
あるいは膝の上の手と手を重ねて。
あるいは伸びる影が向かい合い、唇と唇が――。
「ふぅ」
演奏後、あちこちから拍手が。
しかし、すぐ止んだ。
次の演奏を待っているのだ。
真、少し困っていると……。
「では皆様の幸せを願い、一曲歌わせて頂きます。お耳汚しかと思いますが、お許しください」
イレーヌがいつの間にか真の傍に立ち、挨拶を。
そして澄んだ歌声で、おおらかに緩やかに歌い出す。
真の旋律がそれに続く。
恋人達への曲は、もう少し続く。
●
そして屋台もお終い。
「お姉ちゃん、特別に焼いてきたよ」
メルクーアは最後に一枚焼き、「野薔薇」に座るイレーヌの元へ。
「最初に一枚食べただろう。それより乾杯しよう」
イレーヌは余った酒を持ってきている。
「これ、お姉ちゃんにしてなかったし」
メルクーア、クレープをイレーヌに差し出し「あーん」と促すのだった。
こちら、青いシートの「せせらぎ」。
「ほら、おつかれさん。一緒に食おうぜ」
ここであんなやこんながぐぎぎぎぎと座っていたイルミナに、コウがクレープを差し出した。これでほっと気が緩む。
「ひ、ひとつならコウが一人で食べれば……」
「甘いものはそんなに食わないし、一つ丸ごとはなぁ」
「あ……」
イルミナ、固まった。
カップルたちは食べさせ合ってたりしていたが、とかなんとか思ったが、半分こ。
「ん? 甘いものは嫌いか?」
「は、働いたし二〇〇キロカロリーくらいなら……」
ごにょごにょいいつつも並んで座って半分こ。
「はぁ……」
屋台では初華が赤くなって椅子にぐったり。
「どうしたの、初華さん」
心配してのぞき込む小鳥。
そこに、天斗。
「こちらをどうぞ」
白茶のティーカップを人数分。
「わ。いい香り」
「ローズウォーターは女性の為にある様なもの」
そんなこんなでリラックス。
真は一人、シートの傍にしゃがんでいた。
「……バラのブーケがない」
使ってくれたのなら幸い、と笑みを湛える。
Pクレープ恋人の聖地店、好評の一日だった。
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相談卓 メルクーア(ka4005) ドワーフ|10才|女性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2016/05/16 02:48:54 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/05/16 17:38:20 |