【刻令】トレジャーハント・ゲーム

マスター:赤山優牙

シナリオ形態
ショート
難易度
やや難しい
オプション
  • relation
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
6~6人
サポート
0~0人
マテリアルリンク
報酬
多め
相談期間
5日
締切
2016/05/25 19:00
完成日
2016/06/02 19:30

このシナリオは5日間納期が延長されています。

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング


 刻令術式外輪船の造船は順調とは言えないものの計画通りのスケジュールで進められている。
 残り一ヵ月か二ヵ月程度で船体は完成する。艤装は港町で行われる手筈になっていた。これは、刻令術の設備云々だけではなく、調度品の関係もあった。
 船体の長さは帆船数隻分になる程であり、その設計・建造に関しては、リアルブルーからの技術者もいるとかいないとか、一部では噂になる程である。半金属半木造で造られた巨大船の最上甲板は平らであり、今までの王国海軍には類を見ない船体だ。
「刻令術あるいは手動による昇降機の大きさでありますが……」
 『軍師騎士』ノセヤが後援者に説明していた。
 パルムが映し出している画像を見て、後援者らは何度も頷いていた。
「予定通り、馬車をそのまま載せる事ができます。ただし、乗り降りには、それなりの設備が必要です」
 最上甲板が平らな理由は馬車などを、『そのまま』載せる事を想定しているからだ。
 ノセヤの頭の中では、帝国のグリフォン部隊を運用できるようにと考えているが、さすがに、王国の後援者が集まるこの場で、その様な話はしない。
「それと、最大の懸案事項でありました、刻令術の動力源ですが……」
 この刻令術式外輪船の動力は刻令術のみである。当然、消費するマテリアルは膨大なものになると予想される。
 そこでノセヤはあるマテリアルを手に入れようとしていた。
「あまり、詳しくお見せする事はできませんが、これが、マテリアルの一部です」
 ノセヤは大事そうに抱えた箱の蓋を開けた。
 なにかの鉱石のようにも見えるが、その正体がハッキリとする前に蓋を閉じる。
「マテリアルの入手は順調に進んでいますので、今しばらく、お待ちください」
 軍師騎士は後援者らをゆっくりと見渡しながら宣言したのであった。


 『聖火の氷』という名の秘宝を求めて、『軍師騎士』ノセヤの間者は大峡谷付近を探索していた。
「どうもこうも、やはり、もっと手掛かりが必要だな……」
 ボソッと独り言を呟く。
 この地方で、『探索が行われている』という情報を手にしたノセヤの指示だった。
 秘宝を探し求めているのは、数人の人間達のグループの存在だ。そのグループの背後には、歪虚が見え隠れしている。
「必ず、そのグループがいるはずだ。奴らを発見さえすれば」
 今の所、探索競争は相手側が一歩進んでいる様子ではある。
 だが、追いつく事も、追い越す事も不可能ではない。うまく出し抜けは、相手側よりも早く、秘宝を手にする事もできるだろう。
「……これは、人の足跡か……」
 地面を確認する。
 比較的新しいものだと認識した。
 大峡谷にほど近いこの場所は、亜人の勢力域でもある。茨小鬼が引き起こした一連の動乱があった事もあり、無駄に足を踏み入れる者は少ない。
 となると……。
「例のグループか……。足跡を追えればいいが……」
 間者は静かに動き出した。


「分からねぇよ!」
 山賊の一人が叫ぶと地図を隣にいた仲間に押し付けた。
「俺も分からねぇよ!」
 強引に渡された地図を受け取りながら、その山賊も叫んだ。
 二人で地図を押し付け始める様子を見ながら、別の山賊が空を仰ぐ。
 地図に描かれた地形とよく似ている場所までやってきた。どこかに秘宝が隠されているのではないかと思う。
「なんで、最後の最後で目印じゃなくて、ヒントなんだよ。これ、描いた奴、ぜってぇ、性格悪いぜ」
「まったくだぜ。これじゃ、頭やネル・ベル様に怒られちまう」
 三人は地図を囲んで覗き込む。
 だが、いくら覗き込んでも答えが出てくる訳ではない。
「おっかしいよな……一応、ヒント通りにここまで来たのに……」
 大きなため息をつく山賊。
 地図には『ヒント』が書かれていた。
「意外と呪文だったりな。ここで読み上げてみたら、なんかあるかもしれねぇ!」
「おぉ! その発想は無かった!」
 自信満々で一人の山賊は、『ヒント』を唱え始める――。

“多くの縁が交わり、より高みを目指し我は行く
 極めた先、猛きもの共を、更に超えた先に、それは在る
 強き守護者に守られ、時が止まるその場所に”

「……なんも起こらないぞ」
 『ヒント』を唱えただけで意味がなかった。
 山賊達はがっくしと肩を落として来た道を引き返すのであった。

 そして、山賊達は気が付かなかった。
 自分らが尾行されていた事に――。

リプレイ本文

●山班
 山の頂に登りきった。眼下に広がる地形、そして、北には大峡谷が目に入る。
 コンパスと太陽の位置で方角を確認したヴァイス(ka0364)は険しい表情だった。
「『聖火の氷』か……それが、何を指すのか気になる所だが……」
 軍師騎士ことノセヤからの依頼。
 高純度のマテリアルを含む、何かとは言われている。
「下手に踏み込み過ぎず、場所の特定のみに留めた方がよさそうだな」
 依頼では『聖火の氷』があるとされる場所を発見するという事であった。依頼主の慎重な性格が垣間見えた気がした。
 適当な岩に腰を掛けた星輝 Amhran(ka0724)が言葉を絞り出すように言う。
「すまぬ、な……」
 大規模な依頼で重体となってしまった身体がもどかしい。
 そんな星輝を労わるようにUisca Amhran(ka0754)が心配する。
「キララ姉さま、無理は禁物ですからね」
「うむ。頭は回るからの。わしは頭脳労働といくかのぅ」
 苦笑を浮かべる星輝。
 3人はノセヤの間者が持ち帰ってきた『ヒント』を元に街道と街道の交差点付近から山を登ってきた所だった。
「多くの縁……多くの人と解釈するのであれば、道と道が交差する方がしっくりとするからのぅ」
 山を登った一行が北の方角を確認すると林が広がっている。
「『極めた先』は、山の頂の先とすれば、ここから先、大峡谷に向かってという事になるか?」
「『より高みを目指し我は行く』という事も、山に登ると想像できそうですし、私も同意見です」
 ヴァイスの言葉に続くように、頷きながら、Uiscaも言った。
 もっと細かい地形の地図があれば、『ヒント』の意味も分かるのだろうか。
 大峡谷を目指し、3人は山を下り始めた。

●川班
 清流沿いを3人のハンターが下流に向かって歩いていた。
「宝探し! こう言うの、ワクワクするよねー」
 いかにも冒険ですという雰囲気を漂わせながら超級まりお(ka0824)が流木をジャンプして乗り越える。
「滝壺があるかと思ったけど……」
 所々、急な流れの所もあるが、滝という程ではなかった。
 この様子だと、大峡谷まで行かなければ滝壺は無さそうな様子であるが、本命はそこだと思っている。
「ルンルン忍法とカードの力を駆使して、『聖火の氷』の眠る場所を探し出しちゃいます!」
 堂々とカードを掲げ、ルンルン・リリカル・秋桜(ka5784)が宣言した。
 冒険団『時ノ蒼海』の団長からの頼まれごとでもあるし、『ヒント』の謎を解き、答えに辿り着きたい所だ。
「……そういえば……」
 小鳥遊 時雨(ka4921)が川の流れを見つめながら呟く。
「……マテリアルプール……もし、自然の水の流れで溜まったマテリアルが……」
 脳裏に大聖堂深部での風景が浮かんだ。
 巡礼路で集めたマテリアルを貯蔵していた。『聖火の氷』という秘宝は高純度のマテリアルのなにかという。
 自然の水の流れで凝縮されたりするのだろうかと勘が告げていた。
「時雨さん!」
 考えに耽っていた為か、名前を呼ばれてハッとなる時雨。
 顔を上げればルンルンがカードを持ってなにやらポーズを取っている。なにとは言わないがボヨンと弾んでいた。
「ルンルン忍法ニンジャセンサーを使います!」
「符術の『生命感知』だね!」
 まりおも無駄な身振りとともに、なにとは言わないがあれが弾んだ。時雨が自分の手を胸に当てながら、小さく頷く。
 符術で尾行している者がいないか調べたが、特には居ないようだった。

●山班
「大峡谷に着きましたが……想像以上の深さですね」
 Uiscaが崖下を覗き込んだ。
 底が見えない。
「対岸も遠いな」
 手をかざしてヴァイスも口を開く。
 大峡谷とは王国と帝国の境になっている巨大な谷だ。
「像っぽい物はなさそうじゃな……すると、『守護者』とは、大峡谷そのものかもしれんのぅ」
 辺りを見渡した星輝が考えながら言った。
「洞窟か何かあると思いましたが……」
 落ちてしまうのではないかというほど身を乗り出してUiscaが崖を確認する。
 その様子を内心、ハラハラしながら見ながらヴァイスが残念そうに言う。
「ここでは無かったという事もあり得るか」
 となると、正解は川を下っている班なのだろうか。それとも、もっと別な所なのか。
 川班との距離は離れているのか、連絡がつかない。
「合流しましょうか。距離的には一度戻って合流するよりかは近いでしょうし」
 そんなUiscaの提案に頷く二人。
「山賊が持っている地図には、有益な情報が多いじゃろう。是非とも一度は、眼を通したいのぅ」
 惜しそうに星輝は周囲を見渡す。
 尾行していたり遭遇したら、好都合なのであるが……幸か不幸か、出会う事はなかった。

●川班
「ジュゲームリリ(中略)マジカル……ルンルン忍法分身の術!」
 式符を行使したルンルンが、大峡谷に流れ落ちる滝の裏側を確認する。
 だが、そこには洞窟は存在せず、ただの崖があるだけだった。
「鍾乳洞があると思ったけどなー」
 首を傾げながら、まりおが言った。
 『時が止まる場所』というのは、鍾乳洞の中のように寒い場所の事を差していると思ったからだ。
 だから、滝の裏側に鍾乳洞があるのでは……と推測していた。
「他に怪しげな場所もないようだし」
 注意深く周囲を確認していた時雨はため息交じりだった。
 ふと視線を来た道に向けたときだった。
「人? というか、例の山賊?」
 どうやら、川を下って来ているようだ。こちらが見つかるのも時間の問題だろう。
「やー。コレ“も”手に入れば刻令船もばっちり造れそうだね」
 少し声を大きくして時雨は言った。
 わざとである。どうせ見つかるなら、彼女が意図する事を伝えた方が良いと判断したからだ。
 山賊とおぼしき者達に声が届いたのか、サッと茂みの中に身を隠したのが分かった。

●七本槍
 ルンルンが符を口元に当てながら、山賊らを縄で縛って連れてきたヴァイスらを出迎えた。
「友情の連絡手段が、思った所で役に立ったみたいです!」
 予め渡していた口伝符を通し、山賊が隠れている事を伝えたのだ。
 まったく無警戒の方向からヴァイスとUiscaが山賊らに奇襲を仕掛け、あっという間に制圧したのだった。
 捕まえた山賊は3人。武器を取り上げられ、木の幹に括り付けられる。
「さすがに、女性ばかりだしな。服は勘弁してやろう」
 逃走防止に下着姿にしてやろうかとヴァイスは思ったが、仲間の面々を思い出し、服を剥ぎ取る代わりに、ギュッと固く結ぶ。
 思えば、彼以外は全員女性である。わざわざ、山賊の汚い姿を見せる事もないだろう。
「また、会ったねー。久しぶりー」
 時雨が不気味に笑いながらカマかけするが、山賊らは黙って俯いていた。
 反応がないと、寂しいものがある。時雨は視線をUiscaに向けた。
「私は、また、会いましたね」
 山賊の一人に向かって言うUisca。その山賊は以前の依頼で猟師と名乗っていた男であった。
 ギュッと唇を噛み会話をする気が無さそうである。
「正直に話したら楽になりますよ。それに、話さないと天国にいっちゃいますよ」
 ニッコリと笑うUiscaに軽い恐怖心を感じながらも山賊は沈黙を続ける。
 これは、捕まった場合を想定しての事だろう。
「貴方達のお頭さんに会わせて貰えませんか?」
 Uiscaの言葉に対する返事はなかった。
 しばしの間の後、ヴァイスが彼女の肩を叩いた。
「後は、騎士に引き渡すしかない」
「人の心の闇を払うのも巫女の務め……。私は、あのくすんだ瞳を輝かせたいんです……」
 優しき巫女の想いは届きそうに無かった。
 もう一度、声を掛けようとしたその時だった。異変に気が付いたまりおが叫ぶ。
「伏せて!」
 直後、炎球が飛来した。
 咄嗟に星輝を庇うヴァイス。突然の事で、全員の反応が遅れた。
「敵!?」
 弓を構えて周囲を警戒する時雨。
 だが、二撃目は来なかった。その理由は――。
「なんて事を……」
 惨状を見て絶句したのはUiscaだった。
「僕達を狙ったのじゃなくて、口封じだったなのかな?」
 まりおも辺りを警戒しながら言った。
 捕らえた山賊らは即死だった。
「星輝、大丈夫か?」
「ヴァイスよ、奪い取った地図は大丈夫じゃ」
 大丈夫の対象は違うが、星輝の無事を確認し、安堵するヴァイス。
 構えた弓を降ろして、胸に手を当てて一息ついた時雨はホッとしたのもつかの間だった。
「え……えぇ!?」
 死んだはずの山賊らから負のマテリアルを感じたからだ。
 それも――尋常じゃない様子だ。
「まさか、堕落者に?」
 歪虚との契約によって人は堕落者となる。その存在は歪虚と変わらない。
 違いがあるとすれば、『生前』、人である事だ。
「くっ!」
 すぐに刀を構えるヴァイス。
 堕落者と化した一人がニタリと不気味に笑いながら宣言した。
「我らは、ネル・ベル様の配下、七本槍。『聖火の氷』は我らが先に見つけ出す」
 戒めを破るとハンター達と対峙する。
 林の奥から別の山賊が現れた。いや、山賊ではあるが、それも――堕落者だった。
「尾行されていた……という訳じゃなさそうじゃのぅ」
 恐らく、火球を投げ込んだのはこの堕落者なのだろう。七本槍と名乗った山賊らの頭かもしれない。
「地図はくれてやる。俺らでは場所を見つけられないからな」
「……取引という事か?」
「戦闘になって困るのは、そちらも同様じゃないのか?」
 ヴァイスの質問に堕落者は星輝を指さしながら応えた。
「……地図があってもわしらが見つけるという保証はないがのう」
 星輝の言葉を聞き、鼻で笑うと堕落者達は林の中へと消えて行った。

●トレジャーハント・ゲーム
「……すまぬ、な……」
 今日二回目の言葉を発した星輝をUiscaは優しく抱擁した。
 悪いのは誰でもない。この状況になるとは想定外である。
「とにかく、地図を確認しよう」
 時雨の言葉に一行は頷く。
 広げた地図はより細かい地形が書き込まれていた。
 全員でジーと眺め、これまでの推理、そして、探索の結果を照らし合わせる中、突如としてルンルンが叫んだ。
「多くの『緑』が交わり……私分かっちゃいました!」
 どーんと胸を張って宣言するルンルン。
 胸もどーんと揺れ、思わずヴァイスは視線を逸らす。
「これは、この上の方の森と林と草原の交わる場所、つまりキバヤシを表しています! そして、より高みがここの山に違いありません!」
 指さした山はヴァイス達が登った山とは川を挟んだ反対側だった。
「……『緑』というか、『縁』じゃないかな」
 まりおの冷静なツッコミにルンルンが固まる。
「えっ? ……縁? 間違えちゃいました!」
 顔を真っ赤にして頭を抱えるルンルン。
 初歩的なミスというのか、なんというのか……。
「それじゃ、ルンルン!」
 閃いた星輝がビクッと背筋を伸ばした。
 が、傷口が痛み、二つ折りになる。
「キララ姉さま、落ち着いて」
 背中をゆっくりと摩るUiscaに小さく感謝の言葉を告げながら星輝は言った。
「わしらは『えん』と読んでいたが、『へり』と読むかもしれん」
「『へり』……崖縁とか川縁とか?」
 時雨が首を傾げた。
「なるほど。地形が変わる境目を『へり』と、表現したとすれば……」
 感心した様子で頷くヴァイスの言葉に全員の視線が地図のある一点をみつめる。
「ここだね!」
 まりおが元気よく指を差した場所は、周囲を色々な地形に囲まれている街道のある場所だった。
 その街道の北側に、山が並んでいる。
「『より高みを目指し我は行く』とは、やはり、山を登る事でしょうか」
 Uiscaが山を指でなぞり、その先を時雨が繋ぐ。
「極めた先というのは登り切った先……猛きもの共とは……」
「この森の事じゃな。周りは林なのに、ここだけ樹勢の勢いが良さそうじゃ」
 時雨が差した場所の次を星輝が差しながら言った。
 その場所から、大峡谷に向かって指を伸ばしたのはルンルンだった。
「『更に超えた先に、それは在る』……とすれば、ここの大峡谷に!」
 一行が居る場所からは西に位置する。
 街道まで戻るよりも、このまま崖沿いを進んだ方が早いだろう。
「『強き守護者に守られ、時が止まるその場所に』というのが、最後の一文だけど、やっぱり、僕は鍾乳洞があると思う」
 まりおの台詞に仲間達は頷いた。

●『聖火の氷』を求めて
 大峡谷の縁を進んだ一行はやがて、地図で示した場所へと到着した。
「……確かに、洞窟らしき穴が見えますね……」
 またもや崖に身を乗り出してUiscaが言った。
「イスカよ。洞窟が見えそうなのは分かるが、イスカの別の物も見えそうじゃから、もう止めい」
 淡々と忠告する星輝の言葉に顔を真っ赤にして慌てて崖傍から離れるUisca。
 時雨がヴァイスの目を抑えていた手を離す。
「はい、もう、いいよ、ヴァイス」
「そ、そうか。崖近くで視界を奪われると、少し、ドキドキするな」
 コホンと咳払いをしてから彼は言った。
 この歴戦の戦士が視界を失った程度で狼狽えるはずはない。一体、なににドキドキしたというのか。
「本日二回目の! ルンルン忍法分身の術!」
 ルンルンが式符の術を使う。
 式神がひらひらと舞い、大峡谷へと入って行った。
「おぉ! 鍾乳洞が見えます!」
 瞳を閉じ、両手を広げながらルンルンが式神から入ってくる視覚を仲間達に伝える。
「僕の予想が当たったのかな?」
 まりおが胸を張ったその時だった。ルンルンが突然、目を抑えて地面を転がる。
「目がぁ! 目がぁ!」
 どうやら、式神に何かあったようだ。
「大きい石柱があったから近づいてみたら、突然光ったのです」
 その後、式神は壊れたようだ。
 どうやら、洞窟の中に『守護者』が居るようである。
 詳しく調べる為に、マテリアルが尽きそうになるまでルンルンは式神を使い洞窟を調べた。

 式神による探索が続けられている頃、Uiscaが時雨と二人でなにかひそひそと話していた。
 そして……
「時雨さん、これ、見てください」
「こ、これは、もしかして!」
 若干、芝居かかっているやり取りだったが、遠目から見れば芝居とは思えなかっただろう。


 ハンター達の探索により、『聖火の氷』があるとされる洞窟を見つけ出す事ができた。
 また、洞窟の『守護者』の存在を把握し、能力の一部まで解明できたのであった。


 おしまい。


●王都にて
 騎士ノセヤはハンター達の報告書をホッとした表情で読み終え、椅子に寄り掛かった。
 龍鉱石を使ったブラフは効果を発揮しつつある。遥か北から極秘裏に回してもらった分も活用している。
 当面はブラフと敵の情報網の把握に使われているが、彼の頭の中では別の事が浮かんでいた。
「歪虚ネル・ベル……これ以上、厄介な存在になる前に討伐するのもありですね」
 その為には、敵の情報網の完全把握、そして、『聖火の氷』を手にしなくてはならない。
 ノセヤは次の準備の為、再び机に向かった。

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MVP一覧

  • 忍軍創設者
    ルンルン・リリカル・秋桜ka5784

重体一覧

参加者一覧


  • ヴァイス・エリダヌス(ka0364
    人間(紅)|31才|男性|闘狩人
  • 【魔装】の監視者
    星輝 Amhran(ka0724
    エルフ|10才|女性|疾影士
  • 緑龍の巫女
    Uisca=S=Amhran(ka0754
    エルフ|17才|女性|聖導士

  •  (ka0824
    人間(蒼)|16才|女性|疾影士

  • 小鳥遊 時雨(ka4921
    人間(蒼)|16才|女性|猟撃士
  • 忍軍創設者
    ルンルン・リリカル・秋桜(ka5784
    人間(蒼)|17才|女性|符術師

サポート一覧

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン 【相談卓】『聖火の氷』を求めて
小鳥遊 時雨(ka4921
人間(リアルブルー)|16才|女性|猟撃士(イェーガー)
最終発言
2016/05/25 18:36:47
アイコン まるごとねるべるに質問っ
小鳥遊 時雨(ka4921
人間(リアルブルー)|16才|女性|猟撃士(イェーガー)
最終発言
2016/05/24 22:16:12
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2016/05/24 14:34:49