ゲスト
(ka0000)
マツボッグリグリ
マスター:とりる

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや易しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~8人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2014/06/16 12:00
- 完成日
- 2014/06/20 22:48
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
辺境のとある森の中――。よく晴れた日の早朝。
近くの辺境部族の村に住まう少年、プリムは日課である木の実採りにやって来ていた。
「~♪」
鼻歌混じりに歩きながら道端に落ちている木の実を採取していく少年であったが、よそ見をしていると……
「痛っ!?」
ぼこん! と何かに顔面からぶつかった。
プリムは赤くなった鼻を押さえつつ前方へ視線を向ける。そこにあったのはなんと――巨大なマツボックリ!
……ただ大きいだけではなく何故か人間のような白い手足が生えている。どうやらこれにぶつかったらしい。
『あった』ではなく『居た』という表現が正しいかもしれない。
「え? えっ?」
プリムが混乱していると巨大マツボックリはギリギリまで距離を詰め、プリムの股間に頭を突っ込んできた。
「……!?」
そのまま巨大マツボックリは少年の股間をグリグリする……。グリグリグリグリ。
「きゃー!? よくわからないけど気持ち悪い!! っていうか雑魔だこれー!?」
プリムは村の皆に知らせるべく、一目散にその場から逃げ出した。
――雑魔は手を広げ抱き締めようとするようなポーズで追いかけてくる! 怖い! キモイ!
しかし、子どもの脚でも全速力ならばなんとか振り切ることができた……。
***
村へ逃げ帰ったプリムは真っ先に村長の家へ駆け込む。
「村長! 大変大変大変大変へんたい!!」
「私が村長です。――誰が変態か!!」
「あ、ごめんなさい。気が動転してて……」
プリムはふう、と一息つく。
「出たんです!」
プリムは改めて村長に言った。
「変態が?」
「違います」
「では一体何が出たと言うんだね、ぷるぷるプリンくん」
「プリムです」
「ちょっとそこへ座って詳しく聞かせなさいパルスくん」
「プリムです」
それからプリムは村長へ森で起こったことをありのままに話した。
「なに? 木の実の歪虚が出たとな? それよりこの軟膏がスーッと効いて……え? そんなことより早くどうにかしろ?」
年配の村長は腰に薬を塗りながらふむふむとプリムの話を聞いていたが、プリムは鼻にツンと来る臭いと共にイラッとしたので声を上げる。
「歪虚ですよ! 放置したら大変ですよ! 早くハンターズソサエティに連絡して駆除の依頼を出してください!」
「しょうがないに……のぅ」
というわけで、巨大マツボックリ雑魔の駆除依頼が出されるのだった。
近くの辺境部族の村に住まう少年、プリムは日課である木の実採りにやって来ていた。
「~♪」
鼻歌混じりに歩きながら道端に落ちている木の実を採取していく少年であったが、よそ見をしていると……
「痛っ!?」
ぼこん! と何かに顔面からぶつかった。
プリムは赤くなった鼻を押さえつつ前方へ視線を向ける。そこにあったのはなんと――巨大なマツボックリ!
……ただ大きいだけではなく何故か人間のような白い手足が生えている。どうやらこれにぶつかったらしい。
『あった』ではなく『居た』という表現が正しいかもしれない。
「え? えっ?」
プリムが混乱していると巨大マツボックリはギリギリまで距離を詰め、プリムの股間に頭を突っ込んできた。
「……!?」
そのまま巨大マツボックリは少年の股間をグリグリする……。グリグリグリグリ。
「きゃー!? よくわからないけど気持ち悪い!! っていうか雑魔だこれー!?」
プリムは村の皆に知らせるべく、一目散にその場から逃げ出した。
――雑魔は手を広げ抱き締めようとするようなポーズで追いかけてくる! 怖い! キモイ!
しかし、子どもの脚でも全速力ならばなんとか振り切ることができた……。
***
村へ逃げ帰ったプリムは真っ先に村長の家へ駆け込む。
「村長! 大変大変大変大変へんたい!!」
「私が村長です。――誰が変態か!!」
「あ、ごめんなさい。気が動転してて……」
プリムはふう、と一息つく。
「出たんです!」
プリムは改めて村長に言った。
「変態が?」
「違います」
「では一体何が出たと言うんだね、ぷるぷるプリンくん」
「プリムです」
「ちょっとそこへ座って詳しく聞かせなさいパルスくん」
「プリムです」
それからプリムは村長へ森で起こったことをありのままに話した。
「なに? 木の実の歪虚が出たとな? それよりこの軟膏がスーッと効いて……え? そんなことより早くどうにかしろ?」
年配の村長は腰に薬を塗りながらふむふむとプリムの話を聞いていたが、プリムは鼻にツンと来る臭いと共にイラッとしたので声を上げる。
「歪虚ですよ! 放置したら大変ですよ! 早くハンターズソサエティに連絡して駆除の依頼を出してください!」
「しょうがないに……のぅ」
というわけで、巨大マツボックリ雑魔の駆除依頼が出されるのだった。
リプレイ本文
●はじめての依頼
巨大マツボックリ雑魔の駆除依頼を受けた八名のハンター達はとりあえず依頼主の住む村へ到着し、一息ついていた。
「『困ってる事があったら助ける』それが師匠の教えだ……」
ドミノ・ウィル(ka0208)が不敵な笑みと共に親指をグッと立てながら言った。
彼女は赤毛のアフロヘアーが一際目を引く小麦色の肌に引き締まった肉体の、ドワーフの女性。
今回依頼に参加したのはその師匠の教えと、自分の実力がどの程度か腕試しついで。それと変な生き物見に来たらしい。
「初の依頼が……ず、随分と奇妙な相手になってしまったわね」
「あら、ヘンなくらいが面白くてイイじゃない?」
少し戸惑った様子のフローレンス・レインフォード(ka0443)とは対称的に状況を楽しんでいる様子のレイリア・アルベリヒ(ka1259)。
フローレンスとレイリアは青い髪のショートヘアのエルフ。二人は友人同士である。
二人にはもう一つ共通点があった。――身体的な意味で。とても豊満で女性的な肉体をしているのだ。
「色んな意味で面白そうな雑魔がいるって聞いてね、楽しめそうだと思ったの。心配しないで、一応成功はさせるつもりだから」
片目を閉じてレイリアが言った。『一応』……? どうやら依頼を楽しむ事が優先らしい。
「あ、それとよろしくね、ネフィちゃんだったかな」
レイリアは少し屈んでネフィリア・レインフォード(ka0444)に挨拶。
ネフィリアはフローレンスの妹。姉は友人であるが妹とは初対面だった。
ネフィリアは「お姉さんよろしくなのだー」と答えた。
「ともあれ、頑張って無事に成功出来るように頑張らないといけないわ」
二人の様子を見つつ、フローレンスは気を引き締める。
「……で、でも何かしら、この胸騒ぎは……」
「どうしたのだ? フロー姉?」
少し不安そうな様子の姉にネフィリアは首をかしげる。
今回の駆除目標――巨大マツボックリ雑魔は特殊な攻撃をしてくるらしい。不安の原因は恐らくそれだろう。
……それはともかく姉妹で依頼を受ける事が出来たネフィリアは大喜び。
「姉妹全員で来れなかったのは残念だけど頑張るのだ♪ 今度は皆一緒の依頼を受けられるといいねー♪」
「今回が初依頼! でも情報によるとそんなに緊張する程の相手でもない気がするけど……」
赤いマフラーの少年、陽山 神樹(ka0479)は初めての依頼という事で張り切っていた。
敵は特殊な攻撃をしてくるものの、大怪我をする様な相手ではない。しかし少年、神樹はぶんぶんと首を振る。
「いやいや! 油断は禁物だ! どんな相手でも全力を出さないとね!」
グッと拳を握って空へ突き上げた。確かに油断は禁物、油断は禁物である……(大事なこと)。
「意味が解らん。松笠の癖に手足つけて歩行するなんざふざけた野郎だな……」
エルフにしてはがっしりとした体格の青年、シーゲル・ジョウ(ka1134)はその様に呟く。
今回出現した雑魔は特殊だ。巨大なマツボックリに手足が生えているという奇抜な外見からして。
「ん~っ、歩くマツボックリってなんだかおもしろ~い。ねえねえ、壊しちゃってもいいんだよね♪」
不機嫌そうなシーゲルとは反対に、楽しそうに無邪気に笑う夢路 まよい(ka1328)。
ただし言葉の表現が少しズレている。これは彼女の出自、育った家庭環境による物だろう。
「自分……この依頼が成功したら……報酬で猟銃を買うであります……!」
初っ端から盛大にフラグを立てているのは黒髪のポニーテールが特徴の敷島 吹雪(ka1358)。
軍人口調なのは元は特殊部隊所属のスナイパーだった為、らしい。
彼女は依頼成功=マツボックリの殲滅を目的として参加。しかし個人的な参加理由は生活費=報酬目当て。
そして一行は依頼主である村長に挨拶をした後、問題の雑魔が出現する森へと向かった。
少し歩くと、すぐ森に到着。ここからはA班とB班の二班に分かれて雑魔の捜索・駆除を行う――。
●VS巨大マツボックリ雑魔 A班
「変な生き物っぽいし、ちゃっちゃか終わらせて帰ろうぜー」
地面に生い茂る草を踏みしめ歩を進めながらドミノが言った。
自分以外の班のメンバーが全員エルフなので少し居心地の悪さを感じる……。
それを察したのか、フローレンスはドミノを気に掛ける。
「ごめんなさい、偏った編成になっちゃって」
続いてレイリア。
「気にしないで頂戴な。別にドワーフだとかエルフだとか、種族は気にしないし」
「そうなのだー。仲良くいこうなのだー♪」
ネフィリアも同調し、明るい口調で言う。
「……んー、でもなー。ばいんばいんのエルフの姉ちゃん二人に挟まれてるとちょっと落ち着かないというかねぇ」
「同性だとしても」とドミノは付け加える。その位二人は女性としての色気がムンムンなのだ。
「でもまあ、ネフィが居る分、気が楽かね」
と、ドミノはネフィリアの頭をぽんぽんと優しく叩く。「えへへー♪」とネフィリアは少し嬉しそう。
***
そんなこんなで大分森の中まで入って来た。そろそろ敵が出て来てもおかしくない。一行は捜索を開始する。
「こういうのは意外と下から出てくるんじゃね?」
などと言いながらドミノは地面や草むらを中心に捜索。
敵出現時にB班へ知らせるため笛を用意したが自分で持っていると遊んでしまいそうなのでフローレンスに預けておいた。
「……くれぐれも、気をつけましょうね?」
フローレンスは周囲を警戒しながら目標を捜索。
「む、あそこら辺に居そうかな? かな? それじゃあ、突貫なのだー♪」
ネフィリアは姉の言葉など聞かず、敵が居そうな場所へ突撃。考えるより先に身体が動く猪突猛進娘の様だ。
「こらネフィ! 勝手に離れないの!」
フローレンスは妹を叱るが……
「倒すのは早い者勝ちなのだ、きっと♪ フロー姉も早く来ないと先に倒しちゃうよー?」
ネフィリアはニヤニヤと笑うのみで全く話を聞かない。
「仲が良いわねえ」
そんな姉妹の様子を見てレイリアはくすくすと笑う。
捜索開始から三十分程経過……。しかし敵は姿を現さない。
「むぅー、さっさと出てくるのだ」
ネフィリアはちょっとイラッとしてきた様子。
「マツボックリ……なら、もう下に落ちてるんじゃねえか? 地面からぴょこーんと出てきたりとか?」
ドミノは引き続き地面の草むらを重点的に捜索。下に意識が向いているため上は無防備だった。その時――
「わきゅ!? 何か落ちてきた!」
ネフィリアが叫んだ。どごーん! と大きな音を立てて、樹の上から落下してきた巨大マツボックリ雑魔がドミノの頭頂部に激突!
マツボックリ雑魔はそのまま地面に落下、ごろごろと転がる。ドミノは硬直中。……皆は心配そうに彼女を見やる。
「……アフロでなければ即死だった」
特にダメージは無かったらしい。アフロってすごい!
最初の一体に続き三体が落下。
巨大マツボックリ雑魔が奇襲を仕掛けてきた!
全員覚醒。戦闘開始。
「さぁて駆除といきますか」
ドミノは手首を振って気合を入れた後に敵へ接近。メリケンサックを嵌めた拳で殴る!
「俺の拳をくらえーー!」
巨大なマツボックリは滑らかな動きで回避。
「ストレートをかわされた!? なら、足だ!」
間髪入れず回し蹴り。これはHIT! しかしダメージは軽微な模様。
「結構タフみたいね」
レイリアは後方より【マジックアロー】を主軸に援護を行う。
フローレンスは中衛として【メイスファイティング】を用いた受け防御及び、【ヒール】による回復を担当。
「ネフィ! くれぐれも突出し過ぎないようにね!」
と注意……するが、やっぱりネフィリアは単独で敵陣へ突貫。
あっという間に囲まれてしまった。そして股間をグリグリされる。グリグリグリグリ。
「ひゃん!? 変な所をグリグリするんじゃないのだ!? 離れるのだー!? らめえええ!!」
***
「ネフィッ!! あれ程言ったのに、あの娘は……!!」
妹想いのフローレンスは真っ先にダッシュ。敵を蹴り飛ばして救出。
しかし、今度はフローレンスが捕まった。フローレンス、股間を激しくグリグリされる。
「そんな所を、グリグリした、らぁっ! あ、あひぃんっ!? ひゃあああっ!?」
フローレンスは艶っぽい声を上げ、あられもないポーズを取る。
「フロー姉ありがとうなのだ……って、あや。ミイラ取りがミイラになったって、こういう事かな? かな?」
ネフィリアはしばし唖然。
「って、そうじゃなくて、今助けるのだー! フロー姉から離れるのだー! そこは僕達の指定席なのだー!」
妹は姉の救出へ向かう。するとマツボックリは散開し、各自攻撃を行ってきた。
ドミノ、グリグリされる。
「うっひゃっひゃー!! なんだこれ!? ひゃっひゃひゃー!!」
彼女はくすぐったいらしく大笑い。
レイリア、グリグリされる。
「ン、ふ……フフ、そう、上手よ……もっと強く、ね……?」
彼女は敵にされるがまま……だけではなく自分からも身体を密着させ、豊かなバストで挟んだり擦ったり擦りつけたり。
どうやらゴリゴリ感が気持ち良いらしい……。
更に、まだ捕まっているフローレンスの方へ移動。一緒にグリグリされる。
「こうすれば雑魔も疲れて開放するかも」
などと理由をつけ、さり気にフローレンスのあちこちを揉み揉み。
「あン……せっかくだしね……ホラ、こういうのはどう……?」
そして十分楽しんだ後、レイリアはマツボックリを素手で殴打。脱出し、他のメンバーも救出。一気に反撃・撃破した。
●VS巨大マツボックリ雑魔 B班
神樹は拾った木の枝で地面に進行方向の矢印を書く。
「これでA班のみんなも見つけたら追い易いよね!」
そして歩きながら森の風景を眺めた。
「油断大敵なのはわかるけど別世界の森なんて幻想的だからついつい見ちゃうな~」
まよいは自前の方向感覚でなんとなく方角が判るらしく、
「マツボックリがいるのはきっとこっちね♪」
とか言いながら、どんどん先へ進んでいく。
「オイオイ、大丈夫なのかよ」
「たぶんね♪」
シーゲルの言葉に答える。まよいはテキトーに進んでいる様に見えて、後で帰れるように元来た道を暗記中。
「奴ら……いや、マツボックリは何処からでも襲って来るであります!」
吹雪はどうやら森を密林と思い込み敵兵が襲撃してくる被害妄想を抱いているらしい……。
斥候を兼ね即座に連携が取れる距離を保ちながら班の少し前方を匍匐前進で移動。
そんな所でA班と同じく、樹の上からマツボックリ雑魔が四体落下。
巨大マツボックリ雑魔が奇襲を仕掛けてきた!
全員覚醒。戦闘開始。
「出たな! さっそくデカいの一発食らわせてやるぜ!」
覚醒し熱血な口調になった神樹が機導砲で先制攻撃を仕掛ける。
シーゲルは基本距離を詰めて殴る蹴るの近接格闘戦。
「行動がチンピラだ? 知るかよ」
まよいは【マジックアロー】を放って攻撃。
「ん~っ、でもこの雑魔って誰かに抱き付いてグリグリしたりしてるかもしれないのよね~」
「確実に当てるであります!」
吹雪は【強弾】を使用し弓を射る。
仲間との連携を密にし、肉薄してきた敵に頭突きを喰らえば一旦距離を取り【マテリアルヒーリング】で回復。
しかし、回復している隙に敵に密着され、ホールドグリグリを喰らってしまった!
「な、なんでありますかこの感覚は……!? み、皆……自分諸共撃つでありますよー!!」
グリグリされながら吹雪は叫ぶ。
それを聞いたまよいは――
(魔法を外したら、吹雪に当たっちゃうかも……でもま、いっか♪)
「ん~っ、当てちゃったりしたらゴメンね! うん、一発だけなら、誤射かもしれない!」
とか口では言うが、流石に【集中】を使用し正確に敵に魔法を当てる。
「くっ、変態雑魔はこうしてやるぜ! 衝撃が来たらごめんな!」
神樹は吹雪に配慮しつつ、機導砲の接射を放つ。……集中攻撃を受けた一体が倒れた。ころんと普通のマツボックリが地面に転がる。
***
だが他の敵に気を取れていた隙を突かれ、神樹も捕まってグリグリされてしまう。
「うわ! 気持ち悪い! 離せ離せ! 離せったら!」
アルケミストタクトでバシバシ叩くが離れない。
シーゲルもうっかり取り付かれてグリグリされる。
(……キモい。鳥肌がすげェ)
「さわんじゃねェよこの――ッ!! ――が! ――されてェか!!」
何やら敵に罵詈雑言を浴びせている様だがよく聞こえません!
「くたばれェ!!」
巨大マツボックリの頭部(?)をがしっと掴んで機導砲の接射を喰らわせる。
まよい、気が付いたらグリグリされていた。
「きゃ~、気持ち悪~い♪」
などと言いながらポッと赤らめた頬に手を当てて少し気持ち良さそうにモジモジ。
「仲間を離すであります!」
吹雪はまよいを捕えている敵へ弓を射る。
「クソッ!」
敵は結構タフだ。なかなか脱出できない。
シーゲルは『敵と遭遇』とA班に知らせるべく、左手に取り付けたアルケミストデバイスから機導砲を空に向けて連射。
幾つかの光条が天へと上る。……まあ、その頃A班も大変な事になっていたのだが。
神樹はグリグリされ続け、ついにプッツン。機導砲の接射を敢行。
「この野郎!! もう怒ったぞ!! 反動なんか知るか!!」
腕を巨大マツボックリに押し付ける。
「ライザァァァキャノンッ!! 行けぇぇぇッ!!」
神樹の身体が閃光に包まれ……シーゲルもようやく脱出し、B班も程無く敵の殲滅に成功した。
●依頼を終えて……
無事巨大マツボックリ雑魔の駆除を終えたハンター達は村へ帰還。
「やれやれ、興味本位で仕事受けるのも考えもんだな」
グリグリの被害を受けたドミノはゲンナリ顔。
「はあ……酷い目に遭ったわ……」
「その割には気持ち良さそうだったじゃない?」
溜息をつくフローレンスに、ニヤニヤ顔のレイリアが言う。
「なっ!?」
フローレンスは赤面。ネフィリアはそんな姉を見つつ……
「ホント大変だったのだー」
こちらも溜息。
(グリグリ……気持ち悪かったのだ……。でもあの嫌じゃない変な感じ……一体何だったのだ……?)
「何だか変な雑魔だったね! まだ股間が痛いよホント!」
元気な明るい口調に戻った神樹は村長から良く効く軟膏を貰ったらしい。
「変態雑魔はマジ勘弁」
シーゲルは率直な感想を述べる。
「まあボコったからいいけどよ」
「あはは、楽しかったね~♪ また出ないかな~」
まよいは無邪気に笑うのみ。
「依頼、無事完了したのであります。……報酬はどの位貰えるのでありますかね」
吹雪はやはりそっちが気になるらしい。
という訳でハンター八名は初めての依頼を終え、酒場で一息つく事にしたのだった。
巨大マツボックリ雑魔の駆除依頼を受けた八名のハンター達はとりあえず依頼主の住む村へ到着し、一息ついていた。
「『困ってる事があったら助ける』それが師匠の教えだ……」
ドミノ・ウィル(ka0208)が不敵な笑みと共に親指をグッと立てながら言った。
彼女は赤毛のアフロヘアーが一際目を引く小麦色の肌に引き締まった肉体の、ドワーフの女性。
今回依頼に参加したのはその師匠の教えと、自分の実力がどの程度か腕試しついで。それと変な生き物見に来たらしい。
「初の依頼が……ず、随分と奇妙な相手になってしまったわね」
「あら、ヘンなくらいが面白くてイイじゃない?」
少し戸惑った様子のフローレンス・レインフォード(ka0443)とは対称的に状況を楽しんでいる様子のレイリア・アルベリヒ(ka1259)。
フローレンスとレイリアは青い髪のショートヘアのエルフ。二人は友人同士である。
二人にはもう一つ共通点があった。――身体的な意味で。とても豊満で女性的な肉体をしているのだ。
「色んな意味で面白そうな雑魔がいるって聞いてね、楽しめそうだと思ったの。心配しないで、一応成功はさせるつもりだから」
片目を閉じてレイリアが言った。『一応』……? どうやら依頼を楽しむ事が優先らしい。
「あ、それとよろしくね、ネフィちゃんだったかな」
レイリアは少し屈んでネフィリア・レインフォード(ka0444)に挨拶。
ネフィリアはフローレンスの妹。姉は友人であるが妹とは初対面だった。
ネフィリアは「お姉さんよろしくなのだー」と答えた。
「ともあれ、頑張って無事に成功出来るように頑張らないといけないわ」
二人の様子を見つつ、フローレンスは気を引き締める。
「……で、でも何かしら、この胸騒ぎは……」
「どうしたのだ? フロー姉?」
少し不安そうな様子の姉にネフィリアは首をかしげる。
今回の駆除目標――巨大マツボックリ雑魔は特殊な攻撃をしてくるらしい。不安の原因は恐らくそれだろう。
……それはともかく姉妹で依頼を受ける事が出来たネフィリアは大喜び。
「姉妹全員で来れなかったのは残念だけど頑張るのだ♪ 今度は皆一緒の依頼を受けられるといいねー♪」
「今回が初依頼! でも情報によるとそんなに緊張する程の相手でもない気がするけど……」
赤いマフラーの少年、陽山 神樹(ka0479)は初めての依頼という事で張り切っていた。
敵は特殊な攻撃をしてくるものの、大怪我をする様な相手ではない。しかし少年、神樹はぶんぶんと首を振る。
「いやいや! 油断は禁物だ! どんな相手でも全力を出さないとね!」
グッと拳を握って空へ突き上げた。確かに油断は禁物、油断は禁物である……(大事なこと)。
「意味が解らん。松笠の癖に手足つけて歩行するなんざふざけた野郎だな……」
エルフにしてはがっしりとした体格の青年、シーゲル・ジョウ(ka1134)はその様に呟く。
今回出現した雑魔は特殊だ。巨大なマツボックリに手足が生えているという奇抜な外見からして。
「ん~っ、歩くマツボックリってなんだかおもしろ~い。ねえねえ、壊しちゃってもいいんだよね♪」
不機嫌そうなシーゲルとは反対に、楽しそうに無邪気に笑う夢路 まよい(ka1328)。
ただし言葉の表現が少しズレている。これは彼女の出自、育った家庭環境による物だろう。
「自分……この依頼が成功したら……報酬で猟銃を買うであります……!」
初っ端から盛大にフラグを立てているのは黒髪のポニーテールが特徴の敷島 吹雪(ka1358)。
軍人口調なのは元は特殊部隊所属のスナイパーだった為、らしい。
彼女は依頼成功=マツボックリの殲滅を目的として参加。しかし個人的な参加理由は生活費=報酬目当て。
そして一行は依頼主である村長に挨拶をした後、問題の雑魔が出現する森へと向かった。
少し歩くと、すぐ森に到着。ここからはA班とB班の二班に分かれて雑魔の捜索・駆除を行う――。
●VS巨大マツボックリ雑魔 A班
「変な生き物っぽいし、ちゃっちゃか終わらせて帰ろうぜー」
地面に生い茂る草を踏みしめ歩を進めながらドミノが言った。
自分以外の班のメンバーが全員エルフなので少し居心地の悪さを感じる……。
それを察したのか、フローレンスはドミノを気に掛ける。
「ごめんなさい、偏った編成になっちゃって」
続いてレイリア。
「気にしないで頂戴な。別にドワーフだとかエルフだとか、種族は気にしないし」
「そうなのだー。仲良くいこうなのだー♪」
ネフィリアも同調し、明るい口調で言う。
「……んー、でもなー。ばいんばいんのエルフの姉ちゃん二人に挟まれてるとちょっと落ち着かないというかねぇ」
「同性だとしても」とドミノは付け加える。その位二人は女性としての色気がムンムンなのだ。
「でもまあ、ネフィが居る分、気が楽かね」
と、ドミノはネフィリアの頭をぽんぽんと優しく叩く。「えへへー♪」とネフィリアは少し嬉しそう。
***
そんなこんなで大分森の中まで入って来た。そろそろ敵が出て来てもおかしくない。一行は捜索を開始する。
「こういうのは意外と下から出てくるんじゃね?」
などと言いながらドミノは地面や草むらを中心に捜索。
敵出現時にB班へ知らせるため笛を用意したが自分で持っていると遊んでしまいそうなのでフローレンスに預けておいた。
「……くれぐれも、気をつけましょうね?」
フローレンスは周囲を警戒しながら目標を捜索。
「む、あそこら辺に居そうかな? かな? それじゃあ、突貫なのだー♪」
ネフィリアは姉の言葉など聞かず、敵が居そうな場所へ突撃。考えるより先に身体が動く猪突猛進娘の様だ。
「こらネフィ! 勝手に離れないの!」
フローレンスは妹を叱るが……
「倒すのは早い者勝ちなのだ、きっと♪ フロー姉も早く来ないと先に倒しちゃうよー?」
ネフィリアはニヤニヤと笑うのみで全く話を聞かない。
「仲が良いわねえ」
そんな姉妹の様子を見てレイリアはくすくすと笑う。
捜索開始から三十分程経過……。しかし敵は姿を現さない。
「むぅー、さっさと出てくるのだ」
ネフィリアはちょっとイラッとしてきた様子。
「マツボックリ……なら、もう下に落ちてるんじゃねえか? 地面からぴょこーんと出てきたりとか?」
ドミノは引き続き地面の草むらを重点的に捜索。下に意識が向いているため上は無防備だった。その時――
「わきゅ!? 何か落ちてきた!」
ネフィリアが叫んだ。どごーん! と大きな音を立てて、樹の上から落下してきた巨大マツボックリ雑魔がドミノの頭頂部に激突!
マツボックリ雑魔はそのまま地面に落下、ごろごろと転がる。ドミノは硬直中。……皆は心配そうに彼女を見やる。
「……アフロでなければ即死だった」
特にダメージは無かったらしい。アフロってすごい!
最初の一体に続き三体が落下。
巨大マツボックリ雑魔が奇襲を仕掛けてきた!
全員覚醒。戦闘開始。
「さぁて駆除といきますか」
ドミノは手首を振って気合を入れた後に敵へ接近。メリケンサックを嵌めた拳で殴る!
「俺の拳をくらえーー!」
巨大なマツボックリは滑らかな動きで回避。
「ストレートをかわされた!? なら、足だ!」
間髪入れず回し蹴り。これはHIT! しかしダメージは軽微な模様。
「結構タフみたいね」
レイリアは後方より【マジックアロー】を主軸に援護を行う。
フローレンスは中衛として【メイスファイティング】を用いた受け防御及び、【ヒール】による回復を担当。
「ネフィ! くれぐれも突出し過ぎないようにね!」
と注意……するが、やっぱりネフィリアは単独で敵陣へ突貫。
あっという間に囲まれてしまった。そして股間をグリグリされる。グリグリグリグリ。
「ひゃん!? 変な所をグリグリするんじゃないのだ!? 離れるのだー!? らめえええ!!」
***
「ネフィッ!! あれ程言ったのに、あの娘は……!!」
妹想いのフローレンスは真っ先にダッシュ。敵を蹴り飛ばして救出。
しかし、今度はフローレンスが捕まった。フローレンス、股間を激しくグリグリされる。
「そんな所を、グリグリした、らぁっ! あ、あひぃんっ!? ひゃあああっ!?」
フローレンスは艶っぽい声を上げ、あられもないポーズを取る。
「フロー姉ありがとうなのだ……って、あや。ミイラ取りがミイラになったって、こういう事かな? かな?」
ネフィリアはしばし唖然。
「って、そうじゃなくて、今助けるのだー! フロー姉から離れるのだー! そこは僕達の指定席なのだー!」
妹は姉の救出へ向かう。するとマツボックリは散開し、各自攻撃を行ってきた。
ドミノ、グリグリされる。
「うっひゃっひゃー!! なんだこれ!? ひゃっひゃひゃー!!」
彼女はくすぐったいらしく大笑い。
レイリア、グリグリされる。
「ン、ふ……フフ、そう、上手よ……もっと強く、ね……?」
彼女は敵にされるがまま……だけではなく自分からも身体を密着させ、豊かなバストで挟んだり擦ったり擦りつけたり。
どうやらゴリゴリ感が気持ち良いらしい……。
更に、まだ捕まっているフローレンスの方へ移動。一緒にグリグリされる。
「こうすれば雑魔も疲れて開放するかも」
などと理由をつけ、さり気にフローレンスのあちこちを揉み揉み。
「あン……せっかくだしね……ホラ、こういうのはどう……?」
そして十分楽しんだ後、レイリアはマツボックリを素手で殴打。脱出し、他のメンバーも救出。一気に反撃・撃破した。
●VS巨大マツボックリ雑魔 B班
神樹は拾った木の枝で地面に進行方向の矢印を書く。
「これでA班のみんなも見つけたら追い易いよね!」
そして歩きながら森の風景を眺めた。
「油断大敵なのはわかるけど別世界の森なんて幻想的だからついつい見ちゃうな~」
まよいは自前の方向感覚でなんとなく方角が判るらしく、
「マツボックリがいるのはきっとこっちね♪」
とか言いながら、どんどん先へ進んでいく。
「オイオイ、大丈夫なのかよ」
「たぶんね♪」
シーゲルの言葉に答える。まよいはテキトーに進んでいる様に見えて、後で帰れるように元来た道を暗記中。
「奴ら……いや、マツボックリは何処からでも襲って来るであります!」
吹雪はどうやら森を密林と思い込み敵兵が襲撃してくる被害妄想を抱いているらしい……。
斥候を兼ね即座に連携が取れる距離を保ちながら班の少し前方を匍匐前進で移動。
そんな所でA班と同じく、樹の上からマツボックリ雑魔が四体落下。
巨大マツボックリ雑魔が奇襲を仕掛けてきた!
全員覚醒。戦闘開始。
「出たな! さっそくデカいの一発食らわせてやるぜ!」
覚醒し熱血な口調になった神樹が機導砲で先制攻撃を仕掛ける。
シーゲルは基本距離を詰めて殴る蹴るの近接格闘戦。
「行動がチンピラだ? 知るかよ」
まよいは【マジックアロー】を放って攻撃。
「ん~っ、でもこの雑魔って誰かに抱き付いてグリグリしたりしてるかもしれないのよね~」
「確実に当てるであります!」
吹雪は【強弾】を使用し弓を射る。
仲間との連携を密にし、肉薄してきた敵に頭突きを喰らえば一旦距離を取り【マテリアルヒーリング】で回復。
しかし、回復している隙に敵に密着され、ホールドグリグリを喰らってしまった!
「な、なんでありますかこの感覚は……!? み、皆……自分諸共撃つでありますよー!!」
グリグリされながら吹雪は叫ぶ。
それを聞いたまよいは――
(魔法を外したら、吹雪に当たっちゃうかも……でもま、いっか♪)
「ん~っ、当てちゃったりしたらゴメンね! うん、一発だけなら、誤射かもしれない!」
とか口では言うが、流石に【集中】を使用し正確に敵に魔法を当てる。
「くっ、変態雑魔はこうしてやるぜ! 衝撃が来たらごめんな!」
神樹は吹雪に配慮しつつ、機導砲の接射を放つ。……集中攻撃を受けた一体が倒れた。ころんと普通のマツボックリが地面に転がる。
***
だが他の敵に気を取れていた隙を突かれ、神樹も捕まってグリグリされてしまう。
「うわ! 気持ち悪い! 離せ離せ! 離せったら!」
アルケミストタクトでバシバシ叩くが離れない。
シーゲルもうっかり取り付かれてグリグリされる。
(……キモい。鳥肌がすげェ)
「さわんじゃねェよこの――ッ!! ――が! ――されてェか!!」
何やら敵に罵詈雑言を浴びせている様だがよく聞こえません!
「くたばれェ!!」
巨大マツボックリの頭部(?)をがしっと掴んで機導砲の接射を喰らわせる。
まよい、気が付いたらグリグリされていた。
「きゃ~、気持ち悪~い♪」
などと言いながらポッと赤らめた頬に手を当てて少し気持ち良さそうにモジモジ。
「仲間を離すであります!」
吹雪はまよいを捕えている敵へ弓を射る。
「クソッ!」
敵は結構タフだ。なかなか脱出できない。
シーゲルは『敵と遭遇』とA班に知らせるべく、左手に取り付けたアルケミストデバイスから機導砲を空に向けて連射。
幾つかの光条が天へと上る。……まあ、その頃A班も大変な事になっていたのだが。
神樹はグリグリされ続け、ついにプッツン。機導砲の接射を敢行。
「この野郎!! もう怒ったぞ!! 反動なんか知るか!!」
腕を巨大マツボックリに押し付ける。
「ライザァァァキャノンッ!! 行けぇぇぇッ!!」
神樹の身体が閃光に包まれ……シーゲルもようやく脱出し、B班も程無く敵の殲滅に成功した。
●依頼を終えて……
無事巨大マツボックリ雑魔の駆除を終えたハンター達は村へ帰還。
「やれやれ、興味本位で仕事受けるのも考えもんだな」
グリグリの被害を受けたドミノはゲンナリ顔。
「はあ……酷い目に遭ったわ……」
「その割には気持ち良さそうだったじゃない?」
溜息をつくフローレンスに、ニヤニヤ顔のレイリアが言う。
「なっ!?」
フローレンスは赤面。ネフィリアはそんな姉を見つつ……
「ホント大変だったのだー」
こちらも溜息。
(グリグリ……気持ち悪かったのだ……。でもあの嫌じゃない変な感じ……一体何だったのだ……?)
「何だか変な雑魔だったね! まだ股間が痛いよホント!」
元気な明るい口調に戻った神樹は村長から良く効く軟膏を貰ったらしい。
「変態雑魔はマジ勘弁」
シーゲルは率直な感想を述べる。
「まあボコったからいいけどよ」
「あはは、楽しかったね~♪ また出ないかな~」
まよいは無邪気に笑うのみ。
「依頼、無事完了したのであります。……報酬はどの位貰えるのでありますかね」
吹雪はやはりそっちが気になるらしい。
という訳でハンター八名は初めての依頼を終え、酒場で一息つく事にしたのだった。
依頼結果
依頼成功度 | 成功 |
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面白かった! | 9人 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2014/06/11 02:06:01 |
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作戦相談卓 フローレンス・レインフォード(ka0443) エルフ|23才|女性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2014/06/16 00:38:14 |