ユグディラ幻想 或いはヘザーの以下略

マスター:坂上テンゼン

シナリオ形態
イベント
難易度
普通
オプション
  • relation
参加費
500
参加制限
-
参加人数
1~25人
サポート
0~0人
報酬
普通
相談期間
5日
締切
2016/07/15 12:00
完成日
2016/07/25 23:22

このシナリオは5日間納期が延長されています。

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング

●ユグディラ幻想(ファンタジー) 或いはヘザーの華麗さがまったくない日常
「私のバイクが盗まれたあ!」
「またか」
 グラズヘイム王国王都イルダーナのハンターオフィスで、どこかで見たようなやり取りが繰り広げられた。
 駆け込んできたのはヘザー・スクロヴェーニ(kz0061)である。
「ほぼ一年だぞ、たわけ。
 最近あちこちで『バイクに乗ったユグディラが見られる』という噂を聞くが、やはり貴様だったか」
「やはりユグディラかー! またしてもー!
 これまで何台のバイクがユグディラに盗まれたのかーッ」
「そんな事例一年前に一回きりしかなかったわ」
 こんなやり取りをヘザーは素で行っている。
「ともかくすぐにハンターを招集してくれ!」
「阿呆。急に言われてできるか。
 今は立て込んでおるので前のような大部隊は用意できんぞ」
「それでもかまわん! 気合と根性と長い拘束時間でカバーする」
「訴えられても知らんぞ……」

●ユグディラ研究家ムットゥー・ハターサノリの華麗なる研究の日々
「近頃、ユグディラが目立った行動に出ることが報告されています」
 その老人は、にこやかに語った。
「ユグディラをご存知ですか? 二足歩行する猫の姿をした幻獣です。
 人の言葉がわかるんですねー。かれらは喋ることはできませんが。それと幻術を使う力を持っています。
 さて、そのユグディラですが、街道などでの目撃例が例年よりはるかに多いのです。
 一匹であったり複数匹であったり色々で、皆どこかを目指して移動中なのだそうで。
 私も探してみたのですが、お会いできましたよ。
 マントとリボンをつけたお洒落な方でしたねえ。
 ハーモニカを吹いていました。上手ではなかったですけど、一生懸命に曲にしようとしてました。
 うん、人に慣れてたみたいです。私が挨拶するとぺこりとこう、頭を下げましてねー。かわいかったですねー。
 やっぱり、すぐどこかに行ってしまわれましたねえ……」
 老人は虚空を眺めて、うっとりと語った。

(間)

「ああ、すみませんねえ、依頼の話でした……。
 皆さんにはユグディラさん達の行動の理由について調べて欲しいのです。
 できれば実物を観察して……
 行動パターンや、目的なども、わかる範囲でレポートに纏めてください。
 できるだけ多くの報告書があると助かります」



●ユグディライダー 颯爽たる前奏曲
 ユグディラがバイクに乗って駆けていた。
 一匹ではない。ユグディラの体格ではどうしても足りなくなるリーチを、三匹が補い合うことによってフォローしている。
 すなわち、一匹がハンドルを握り、一匹が右にぶら下がって右のフットペダルを、一匹が左にぶら下がって左のフットペダルを操作している。
 そんな出鱈目なのに速い。巧い。

 それを追いかける姿がある。
 カモシカのような長い脚をもったそれは、顔までカモシカのようだった。
 もっとも「カモシカのような脚」というときのカモシカは本当はカモシカではなく、羚羊に分類される動物の事を指す。
 そして、この存在も実際のところ羚羊だったのだが、果たしてそれは通常の動物ではなかった。
 その証拠に胴体は人型であり、二足で駆けている。
 歪虚、七眷属が一つ――傲慢の歪虚であった。

 羚羊の歪虚はモーターサイクルで走るユグディラのバイクとほぼ互角のスピードでデッドヒートを繰り広げていた。
 それははじめ街道で、歪虚がユグディラを見つけた時に始まった。
 王国を東西に二分するブリギッド大街道を舞台に、人知れずレースが開幕される。
 コーナーの攻防、直線での競争、抜きつ抜かれつの激しいレースは、ユグディラがコースアウトしたことで様相を変化させた。
 バイクで山を登るという荒業を披露したユグディラは、そのまま山野を突っ切り、崖へと身を躍らせる。
 走行とも落下ともつかぬ、日本の昔語りで言うところの鵯越(ひよどりごえ)を思わせる難所であった。
 ――鹿も通れるならば、バイクも通れよう。
 ――況や羚羊に於てをや。
 そんな状況だと言うのに、バイクは逃げ、羚羊は追い縋ってくるではないか。
 森、沼地、洞窟、岩肌、およそ道とはいえぬそれらを駆け抜け、再び街道へと出る――

 ――が、その時には、歪虚は単騎になっていた。
 ユグディラを探して視線を彷徨わせる歪虚。それを――

 ――背後からバイクが轢いた。



●羚羊四兄弟の壮大なる野望
「ニアラがやられたようだな……」
「フフッ、奴は羚羊四兄弟の中でも最弱……」
「ユグディラごとき捕えられぬとは一族の面汚しよ……」
 どこともしれぬ場所で、羚羊の歪虚が三体、卓を囲んでいた。
「次は全員で動く……」
「兄者、ユグディラごときに我々が全員で動くことはあるまい」
「何……貴公らも余興が欲しかろう……」
「確かに……何の指示もない現状にも飽きてきた所……」
「此度の作戦がうまくいけば、我らの力も認めていただけよう……」

「「「全ては、ベリアル様のために」」」



 しばらくしてーー

 各地で羚羊の歪虚が目撃され、討伐依頼が出されることになった。

リプレイ本文

●爆誕! HDB61!
 王都イルダーナのハンターオフィスにはヘザー・スクロヴェーニ(kz0061)のバイク奪還依頼を受けたハンター達が集まっていた。
「皆! よく集まってくれた! 聴いての通りだ。よろしく頼むぞ!」
「まかせてくださいっ! ミコト=シラヌイ=レグルス 、妹分として参上致しましたっ!!」
 ヘザーの妹分であるミコト=S=レグルス(ka3953)は元気よく返事する。だいぶ妹分っぷりが板についてきた。
「いつもスクロヴェーニさんにはお世話になっていますから……あたしでお力になれるなら、お手伝いしますね!」
 ユニオンで親しくしたシャルア・レイセンファード(ka4359)の姿もあった。
「……嗚呼ッ……! 二人ともなんて愛らしくて愛くるしくて愛しいんだ!」
 ヘザーは年下の女子に敬意を表されるというシチュエーションがかなりの衝撃だったらしく、しばし感激にうち震えていた。

「やあヘザー、今回は大変だったな」
 こちらも旧知の間柄であるザレム・アズール(ka0878)。
「ザレム、よろしく頼むぞ!」
「ああ、バイクがなければヘザーの売りがなくなるからな」
「ザレムがジェットブーツを無くすようものか?」
「そんなにいつも使ってないぞ」
 ヘザーにはそんなイメージがあったが、今回は活性化していなかった。

 それから、ヘザーはアシェール(ka2983)に目を向けた。目が合うとアシェールは語りだす。
「はじめまして、お噂はかねがね! 空を飛んだハンターさんですね!」
「そういう認識なのか?」
 ヘザーが投石機で空を飛んだのは【不動】の頃だ。
「人のものを盗むなんて、けしからんユグディラです! 捕まえてもふもふしましょう」
「ああ、堪能してくれ!」
 この際目的はどうでもよかった。

「仁川 リア(ka3483)、犯人逮捕に全力を尽くします!」
 リアは凛々しく言ってビシッと敬礼した。
「おお、それはリアルブルーの衛兵風だな! 見たことあるぞ。ケイサツカンとか言うんだろ」
「うん。今日は密着ハンター24時! という感じで」
 ヘザーは自分の事件をドキュメンタリータッチにされた。
「まあ、解決してくれるならいいさ!」

 集まったのはこの五名。
 こうしてヘザーのバイク奪還し隊――略してHBD61は結成されたのであった!
(61はヘザーのナンバー)

●ムットゥーご老人と愉快な仲間たち
 ムットゥーは自宅の応接間で五人のハンターに仕事の説明をしていた。……はずだった。
 いつのまにかユグディラ談義に変わっていた。それは何時間にも渡って続いたが、誰一人として退屈していなかった。
 幻獣に興味のあるジルボ(ka1732)と彼に憧憬を抱くマルカ・アニチキン(ka2542)。
 ユグディラ愛好者のディーナ・フェルミ(ka5843)。
 猫好きのルカ(ka0962)。
 本人が猫に近いルーシーことアルス・テオ・ルシフィール(ka6245)。
 ムットゥーが上機嫌で(脱線して)話す内容は、すべて一行の興味を惹くものばかりだった。
「おお! もうこんな時間ですか……
 私としたことがつい話し込んでしまいました!」
 時計に気がついたムットゥーが快活に言った。
「いやぁ、楽しめました! 学者先生のお話は面白い」
「ついつい聞き入ってしまいましたのー」
 すっかり意気投合していたジルボとディーナ。まるで訪問先で夕飯をご馳走になってついつい居過ぎてしまった客だ。
「でも……時間も限られてますから……」
「そうですね。実物を見つけるためにも早く動かないと」
 さすがに遠慮したほうが良いと思ったのか、マルカが控えめに促した。逆にルカは次なる段階に進みたいという気持ちから勢いよく立ち上がった。それに釣られるように他の面々も腰を上げる。
「それじゃ、ムットゥーちゃん……またね」
「はい。またね!」
 相手を選ばないルーシーの口調もまったく気せず、ムットゥーはハンター一行を見送った。

●おっさん一人旅~炸裂する哀愁~
「んじゃ今日はコレでい~や~」
「居酒屋のメニュー選んでんじゃないんですよ鵤(ka3319)さん!」
 ではここはどこかというと、ハンターオフィスだった。そして鵤が選んだのは仕事の依頼書。
「歪虚退治ですね……あっすみません、今ちょっと他にハンターいないんですよ……」
「あらおっさん一人? なんとかなりそう?」
「う~ん……とりあえず発見報告では一体なんですが……」
「いいよいいよ。今日はピンで動いちゃう。
 若いコに合わせて動くのも大変なのよも~。わかる?」
「いえ、僕若いっすから……」

 なんだか冗談みたいなノリだが、これもれっきとした冒険の始まりの風景なのだ。



●HBD61の情報収集
 まずは情報収集ということで街に繰り出したHBD61の面々。
 日が高い中、人の多い市場へと繰り出す。

「あのっ……! ちょっとお尋ねします!」
 シャルアは一生懸命に道行く人に聞いて回っていた。自分にできることは限られているので、せめて聞き込みぐらいは頑張ろう気持ちだった。
 そういう女の子に対してだいたいの人は協力的で、実際情報を集めていったのだが、中には悪い奴もいるもので。
「知ってるような……知らないような……。
 ちょっと場所を変えてゆっくりしたら思い出すかもな?」
 明らかに人気のない場所に連れ込んでいけないことをしようとしている嫌らしい男がいた。
 しかし真面目に頑張っているシャルアはそんな反応にも迷ってしまう。
 男が薄ら笑いを浮かべてシャルアの腕を取ろうとする。
 その時だった。
「やあシャルア、つい寂しくなって会いに来てしまった」
 ヘザーが現れてシャルアの腕を取り自分に引き寄せた。
「暑いし少し休憩しよう」
「おい待てよアンタ」
 シャルアを連れてどこかに行こうとするヘザーを男は呼び止める。
「兄さん何か知ってるんだって? 話、聞こうか……」
 しかし、そこに現れたザレムが歴戦のハンターに相応しい表情で凄んだ。男の顔はすぐに青ざめていく。

 結局、男は何も知らなかった。

 そんな事がありつつも、情報収集はそれなりの成果を見せる。
「シャルア、そんなに聞き込みしてたのか?!」
 集合して情報を共有してから、ヘザーは驚いた。試行回数が自分より遥かに多かったのだ。
「お役に立てましたか?」
「うんうん」
「というかヘザーさんが少ない……」
「しっ」
 ミコトに指摘されて焦るヘザー。
「それで……バイクはあくまでも無秩序に走り回っている訳じゃないんだね」
 リアが仕切り直した。
「ああ、思ったより人里から離れて無いところで見られてる」
「目撃情報をあわせると、東に向かったみたいですね」
 ザレムとアシェールが相槌を入れる。
「よし、転移門で移動して情報を集めてみよう」
 一行は次なる段階へと移行した。

●愉快な情報収集
 ムットゥーの依頼を受けた一行は街での聞き込みを行った。ある程度集まると転移門で複数の街を回った。今は日が落ちて、宿でそれぞれが集めた情報を共有している所だった。
「ユグディラがこんなにいっぱい……!」
「たくさん準備しなきゃ……!」
 その目撃報告は六十件近くに及び、合流して情報を共有したディーナとルカはたくさんのユグディラに囲まれている自分を想像した。
「戻って来ーい。しかしなんでこんなに沸いてきたのかねえ。まさか巡礼がブームってわけでもあるまいに」
 ジルボは腕を組んで考え込んだ。
「また迷子でしょうか……?」
 ジルボの冗談には特に反応せずにマルカが言った。
「んな大量に迷子だったらルカが過労で倒れるぜ」
「いえ! 私、がんばります!」
 ルカの迷い猫保護は一手間多い。
「さがしに、いく?」
 テーブルに顎を置いたルーシーが上目遣いで言った。
「おう、明日朝一で「早速出発しましょう」おちつけ」
 ジルボが何とかルカを押し留めて、その日の活動は終わった。

●おっさん決闘
 目撃情報を元に歪虚を探しに出た鵤だったが、結論から言えば、歪虚に会うのに時間はかからなかった。

 依頼人が言うには、街から出て東に半日ほど歩いて山を分け入った辺りで見かけたという。
 鵤が実際にそこに行ってみると、いかにもな洞窟を見つけたので、調査することにした。

 突如として奥から何かが走ってきた。気づいたときにはそれは目の前にまで迫り、剣を振り下ろしてきた。
 鵤は一瞬で確認し、横に転がって避ける。
 そして片膝立ちになると共に拳銃の引き金を引いた。
 洞窟内に響く銃声。
 襲撃者はがくりと崩れ落ちた。

「――オイオイ、あっけねえなあ……」
 膝を狙った射撃は命中したようだ。鵤は煙草を咥えたまま立ち上がる。
「貴様、我を愚弄するか!」
 それは大きな黒い目で鵤を睨み付けた。目撃情報どおりの羚羊の顔だった。
「この我が人間如きに本気になるとでも思ったか! 我は一割の力しか出しておらぬ」
「いやもう今更本気出しても遅いぐらいじゃね?」
 鵤はもう一発撃った。隙だらけである。歪虚は喰らって呻き声を上げた。
「くっ……いい気になるな人間……今ここにはいないが……我を倒しても我が二人の弟達が……」
「げ。他にもいんのかよ、面倒臭え」
 鵤はもう一発撃った。眉間に命中し、歪虚は痙攣して動かなくなった。そして黒い粒子となって消え始めた。
(っていうか、弱すぎだろ……)
 鵤は拳銃を仕舞った。
(とはいえ、他の二人も倒さないと仕事が終わらねえよな……)
 そして、新しい煙草に火をつけた。



●HBD61の密着ハンター24時
 ミコトはペットの梟にファミリアズアイを使用し、見晴らしのよい高い木に止まらせ、街道を見下ろしていた。
 あれからいくつもの街を転移門で周り、目撃情報をまとめ、通りそうな道を地図から選んだ。
 ミコトの本体とヘザーは、近くで待機している。
 念の為、他のメンバーがバイクや馬で周辺を行ったり来たりしているが、なかなか現れない。
 この試み自体、何度目かの挑戦である。 

「いたっ!?」
 ミコトが梟の時の癖で本体の首を180°回そうとした。
「大丈夫かミコト!」
「現れましたヘザーさん! これから上空にフクさんを飛ばしますねっ!」
「わかった!」
 ミコトは再び梟を操ることに意識を集中させた。

「本部よりHBD01」
「こちらHBD01、どうぞ」
 ヘザーはトランシーバーでリアに呼びかけた。この呼び方はリアが決めた。
「目標を発見。梟で位置を示す、どうぞ」
「HBD01、了解」
 リアは上空を見る。夕焼け空に梟が飛んでいるのが見えた。
「現場に急行だ!」
 愛車グリンガレットのアクセルを回す。
 梟を目印にしばらく走ると、凄まじいスピードで走るバイクとすれ違った。
 ヒトが乗っていなかった。
 リアはすぐさま反転して追いかける。
 速攻で加速し、距離を詰めた。
 ユグディラが固まってバイクを動かしているのが見えた。
「そこのユグディラ三人乗り、路肩に寄せて止まりなさい!」
 可能な限り無線っぽい声で言った。
 街道なので障害物はない。一気に追いついて――

 何かが 飛び出してきた!

「いてて……接触事故を起こすとは……」
 リアはバイクを起こした。ぶつかった何かが少し離れたところで倒れているのが見えた。
「過失運転致死傷の現行犯で逮捕する!」
 憤慨して歩み寄る。しかしそれは車両ではなかった。
「野生動物?」
 野生動物なら交通安全のため撤去しなくてはならない。
 だが、それも違った。顔は動物だが、ヒト型の胴体にくっついている。
「むう……貴様……」
 羚羊の歪虚だった。それは立ち上がってリアに顔を向けた。
「貴様もアレを追っているのか……」
「大丈夫か、リア!」
 ザレムがバイクで駆けつけてくる。シャルアとアシェールも馬で到着した。
「歪虚じゃないですか! 何でこんな所に!」
 アシェールは拳銃に手を伸ばすが、歪虚は攻撃の素振りも見せず、こう言った。
「貴様ら! 我と手を組まぬか?
 アレを捕まえるのならば、協力してやっても良いぞ」

「お断りいたします」
「即答!?」
 アシェールは考えるまでもなく答えた。
「何故だ! 目的のために歪虚と共闘することもあろうが! それともイケメンでないと駄目か?!」
「誰の事を言ってるか知りませんが歪虚にユグディラは委ねられません!」
「ならば用はない!」
 歪虚は跳躍すると、凄まじい速さで走り去ってしまった。

 歪虚が見えなくなって間もなく、銃声が聞こえた。

「本部応答せよ!」
 リアはヘザーに連絡して、非常事態の発生を伝える。そしてなにが起こっているかを確かめに行くのだった。

●謎のおっさん現る
「おっさん! おっさんか! なんでだ! おっさんだ!」
「うへへへそんなに呼ぶなよぉ照れるぜぇ~アホじゃね」
 一行はヘザーと突如現れた謎のおっさんのやりとりにドン引きしていた。
「なんで鵤はここにいるんだ!」
 ヘザーはそろそろ話を進めないと白い目で見られるので聞いた。
「なんか書いてあった」
 鵤が語った話は端折りすぎだったので改めて聞くと、歪虚退治に行ったら、討伐対象の一部が不在で、歪虚の根城にしていた洞窟に、計画書が置きっぱなしになっていたので、それをもとに歪虚を探しにきたとのことだった。
「うさん臭い」
 一行の共通の感想だった。
 あと、羚羊歪虚は鵤に倒されていた。
「おたくらはどんな仕事してるの?」
 鵤の問いにヘザーは自らの失態も省みず答えた。

「そっか、じゃ着いてくわ」
「何で?」
「なぜかしらん奴らバイクに乗ったユグディラに執着してるとか書いてあったんよ。おたくらについて行けば、歪虚と会えるかもしれないって寸法さぁ」
「しかし、ユグディラは……」
 ヘザーはそこまで言ってミコトを見る。
「はい、見失っちゃいました……ごめんなさいっ」
「いやミコトはよくやってくれた離せザレム!」
「抱きつこうとするなヘザー」

●愉快な月下の宴
 愉快な仲間たち一行は目撃情報をもとにユグディラを探しに出かけた。
 朝のうちはそんなに多くはなかったのだが、昼が過ぎて日が暮れるに従って段々見られるようになった。
 ルーシーが隠密スキルを駆使して森へと分け入った所、どうやらユグディラが休憩場所にしているらしい場所を見つけた。
 一行はそこを重点的に観察することにした。離れた場所に陣取り、望遠鏡や双眼鏡で遠くから見ていると、ユグディラたちはどこからかここにやってきて、休んではまたどこかに行くということをしているのがわかった。
 方向は様々で、全員が同じ場所に向かっているわけではなさそうだ。
 かと思えば中には何度も行ったり来たりを繰り返す個体も居て、統制がない。

 一行は観察を続け、そして夜になった。

 月が綺麗な夜だった。
 例の場所は開けていて月の光で明るい。
 そこには沢山のユグディラたちが集まっていた。

 にゃーにゃー賑やかな声が離れている一行にも届いていた。
 中には飛び跳ねたり踊ったりしている個体もいる。

「にゃああ。うにゃん。にゃ。にゃうう」
 ルーシーは柔らかそうな頬を紅潮させてそう言った。みんな不思議な顔で彼女を見た。
 ルーシーは拳で自分の頭をこつんとやってから、
「まちがえたの。この子の目を使って近くで見るの」
 ペットの虎猫を抱き上げた。
 ファミリアズアイによってシンクロした虎猫がユグディラの宴へ差し向けられた。

 猫の目を通じてルーシーは捉えた。
 月の光を体毛の一本一本に反射させ、幻獣として相応しい幽玄さを纏ったユグディラたちが、飲んだり食べたり歌ったり踊ったりしているのを。
 まるで絵本の一頁のようだった。
 賑やかさの極みだったが、ある一時からだんだんと静寂に近づいた。
 そして混沌から生まれ出るように、ひとつの旋律が聞こえてきた。

 マントを着けた白い毛のユグディラがハーモニカを吹いていた。

 その音色は離れた位置で見守る一行の耳にも届いた。
「音楽を好む……ユグディラ観察日記にまた新たな一頁が加わるの」
 ディーナはうっとりしながら曲を聞いた。
「ジルボさん、この曲って……」
 マルカが望遠鏡から目を離してジルボを見た。
「ああ……アイツだ」
 ジルボは双眼鏡で白いユグディラの姿を見ながら、ゆっくりと曲に耳を傾けた。

 ぎこちないが温かみのあるメロディはしばし夜空に響き渡った。

 宴は曲が終わってからも続いた。やがて朝日が登り……ユグディラは一人また一人と眠りについていき、自然と終着した。

「夜騒いで朝寝る、と……」
 ディーナの観察日記に記事がまた増えた。涼しい木陰が何カ所もあるため、眠るのに無理はない。
 一行は交代で休憩を取りながら観察を続けた。

●再会
 やがて朝が来て、マントに包まって休んでいた白いユグディラは目を覚ました。空はどこまでも晴れ渡り、真っ白な雲が浮かんでいた。蝉の声が騒がしい。
 ユグディラは荷物を確認すると歩き始めた。

 しばらくして、ハーモニカの音色が風に乗って届いてきた。
 ユグディラが吹いた曲と同じ曲だった。
 ユグディラは耳をぴくりと動かして、音の出所を探る。

 しばらく歩くと、木にもたれてハーモニカを吹くジルボの姿があった。

「よう、また会ったな」
 ジルボは曲を吹き終えると、ユグディラに短く挨拶した。
 あの曲はかつて彼がユグディラに聞かせたものだ。

「お久しぶりです」
 その傍らにはルカの姿もあった。
 ユグディラのつけているマントは、彼女が贈ったものだ。
「あの時は、はぐれてしまってごめんなさい……ちゃんとお家には帰れましたか?」
 ユグディラはルカの方を見て、にゃん、と一言鳴いた。肯定的な響きだった。
「お腹、空いてないですか? お弁当作って来たの、食べる?」
「ルカ、こいつは一人前さ、心配はいらねえよ。なあ、今度はどこに行こうとしてるんだ?」
 ユグディラはジルボの問いに答えるように、顔を見た。

 その時、突如として低いモーター音が鳴り響いた。
 音は近づいてくる。
 かと思うと、茂みからバイクが飛び出してきた。

 バイクにはユグディラが乗っていた。
「バイクに乗る個体もいる……すごい発見なの!」
 ディーナの観察日記はだんだん眉唾物になっていった(事実なのだが)。
 バイクユグディラは白いユグディラの脇に回り込んで止まり、白いユグディラをバイクの上に引っ張り上げた。
「待って! これお弁当。気をつけてね!」
 僅かな間に弁当を渡すルカ。執念である。
 ユグディラは受け取ったが、すぐにバイクは出発してしまった。
 間もなく、バイクユグディラがやってきた方向から、何かが飛び出してきた。
「むっ!? なんだ貴様らは」
 それは羚羊の歪虚だった。一行の姿を見て立ち止まる。歪虚から見てユグディラ達が去ったのは一行の向こう側だ。
「…………邪魔を、しました、ね」
 ルカがゆっくりと首を向けた。
 その顔は笑顔だったが、地獄の悪鬼さえも燃え上がらせるような殺気が篭っていた。
「ジャッジメント!」
 断罪の光が歪虚に向かって飛んだ。危機を察知した歪虚は間一髪で避ける。光の杭が忌々しげに大地を抉って痛々しい傷跡を残した。
「ひ、ひー」
 一瞬で分が悪いと判断した歪虚は、これ以上ないくらいに無様に逃げ帰った。
「待ちなさい! その邪悪な性根ごと浄化します」
 ルカは追いかけたが、歪虚の逃げ足は速く一瞬にして遠くに行ってしまっていた。
「ルカさん、待って下さい!」
 マルカは慌てて馬に乗って追いかけてたが、結局その日は歪虚にもバイクユグディラにも、追いつくことはなかった。



●HBD61と愉快な仲間たち+おっさん1
 愉快な一行は結局、どうするべきか話し合うために近くの宿場町へと立ち寄った。
 食堂のテーブルを囲んで、地図を広げた。
 これまで集めた目撃情報のあった場所に印がつけられている。
 国中至る所に印がついていた。

「これからどうします?」
「そりゃあ、これまで通りユグディラの観察を続けるか……」
「バイクに乗ったユグディラは観察しないの?」
「歪虚も気になるにゃ……」
「あの子たち……無事でしょうか……」

 こんな風に課題を挙げていると(ルカだけはひたすら心配していた)、声をかけるものがあった。

「すまない君たち、今バイクに乗ったユグディラって言ってなかったか?」
 六人もの人間がかれらを見ていた。
 愉快な仲間達は、その六人を順番に見ていく。
「にゃ? ……りあ、ちゃん」
「あれ? ……ルーシー!」
 ルーシーはその中に交流のあるリアの姿を見つけた。
 後の五人はヘザー、ザレム、アシェール、ミコト、シャルアだった。

 そして鵤が一人座って酒を飲んでいた。

「君達の集めた情報に基づいてユグディライダーの行く先は予測できないだろうか」
「んな無茶な……情報の共有はしても構わないがよ」
 ヘザーの提案に同意とも拒否ともつかない態度でジルボは地図を見せた。
 皆で集まって一つの地図を見る。
「こうして見ると、発見されてる場所とされてない場所があるんですね?」
 シャルアがざっと見たところの感想を言った。
「人口の多い少ないは関係ないようだな。ここなんて人口は多いのに、目撃情報はない」
 ザレムが地図を指差しながら言う。
「逆に目撃情報のないところはなんでないんだろうね?」
 リアが首を捻る。
「お姉ちゃん、お酒おかわりー」
 鵤は同じテーブルについているのだがまったく話し合いに加わっていなかった。
「働けおっさん」
「いやいやいや……探すのはおたくらの仕事。おっさん倒すのが仕事」
「くっ、そう言われると言葉もない……」
「楽をしたいだけでは?」
 引き下がったヘザー。指摘するのはアシェール。
 そんな感じで賑やかにも考察は進んだ。

「目撃情報のあったところを線で結んでみましょうっ!」
 突然ミコトが提案した。
 何となく動物的勘のありそうな彼女に説得力を感じたのかジルボはペンを出して彼女に従う。
「ユグディライダーの辿ったであろう進路も書き込めませんか?」
「どの辺りで出会った?」
「確かこの辺りです……」
 アシェールに従って地図にジルボが書き込んでいく。
「こうして見ると、何かの模様みたいですね?」
「えっ? そう言えば、そうかも……」
 書き込まれた線が織り成す模様を見て、マルカが指摘した。ミコトは自分の提案が意外な何かをもたらした気がした。
「模様? そういえばこの模様、何かに似てるような……」
 ディーナは何かに思い当たったようだ。
「それは、一体……?」
 ヘザーが期待を込めてディーナを見た。みんなも彼女を見る。
「お、鹿肉なんてあるの。いいねえ……焼いてくれる?」
「おっさん黙ってろ」
 …………………………
「……そうだ……この形……」
「今のやり取りでよく思い出せたなお前さん」
 ジルボにそう言われてディーナは照れたように笑った。
「巡礼路なの」
「巡礼路?」
 グラズヘイム王国では、聖堂教会の定めた特定の市町村の聖堂を特定の順に巡り王都イルダーナの聖ヴェレニウス大聖堂へと至る巡礼の旅が奨励されている。
 巡礼路は文字通りその巡礼者の辿る進路であるが……。
「なんでユグディラが巡礼路を……」
「空前の巡礼ブームか」
「お前さん俺みたいなことを言うね」
 ザレムの問いに真面目な顔で答えたヘザー。それはもうやったとジルボが言った。
「とにかくユグディラは巡礼路周辺に出没していると思っていいんですね?」
 ルカが真面目な顔になって聞いた。
「うん、これは巡礼路の形だよ。でもね……一点だけ足りない所があるの」
 ディーナは地図の一箇所を指差した。
「巡礼路の末端……始まりの地トルティア」
 それは、つまり。
「巡礼路にそってユグディラが行動しているのなら……これからユグディライダーがそこに現れる可能性がある、という事か!」
 ヘザーが勢いよく拳を打ち合わせた。

「ユグディラの謎の行動の目的も、巡礼路にあるんじゃないでしょうか……?
 判明した事実に、マルカが自分達の依頼にも結びつけた。
 少なくとも報告する価値はあるように思われた。が。
「そのわりには、ばらばらにうごいてたような、きがするのにゃ……」
 ルーシーが一言、そう付け加えた。

 一同はそれぞれの目的を達成するため、以後行動を同じくすることにした。



●今だ信頼が十分に築かれていない異種族間コミュニケーション
 一晩休んで、一行はトルティアを目指した。
 到着する頃には、既に日が傾いていた。
「一番遠いトルティアまで移動するために、バイクを使いたかったのか」
 ヘザーは納得したように言った。
 その視線の先には、バイクに乗った四匹のユグディラがいた。
 トルティアに先に着いたのは一行。巡礼路のはじまりの地点を挟んで、人とユグディラが向かい合っていた。

 白いユグディラが真っ先にバイクから降りた。
 それから他の三匹に向き直って、何か意思疎通をしたようだった。
 そして三匹もバイクから降りた。

 ユグディラたちはトルティアに向かって歩いた。
 一行はそれを邪魔しない。

 その時道端の茂みががさりと鳴り、何かが高速で飛び出してきた。
「このまま帰ったのでは兄者二人に顔向けできぬ!
 何としてでも我が任務を果たすのだ!」

「ここはわたくしが!
 ストーンアーマー+しゃがみ↓」
「ぬっ?! ああああああああああああっ!」
 ビターーーーン

 突如飛び出してきた羚羊の歪虚は、ストーンアーマーを纏ったアシェールにつまづいて盛大にぶっ飛んだ末に地面に突っ込んだ。

「ふっふっふ。気配は見抜けてましたよ。
 足の長さと速さが仇となりましたね」
 これぞ秘術、路上置石の法。
「よーお。おたくの兄貴、ふたりとも死んだよ……」
「なにっ?!」
 咥え煙草の不敵な笑みで事実を突きつける鵤。
 手には拳銃が握られていたが、
「待ってください! そいつは私が!」
 ルカが言うや否や眩いばかりの光が周囲を覆った。
 それは邪悪なるもののみを滅ぼす信仰に基づいた神聖なる光だったが、どうしてか剥き出しの殺意がありありと顕れていた。
「眩しいじゃないのよ……まぁ楽ができたからいーけどさぁ」
 鵤は目を細めながら拳銃を仕舞う。
 歪虚は塵一つ残さず消滅していた。

 そして一瞬の内に警戒心の強いユグディラ達は逃げていた。
 一行はヘザーのバイクを確保した後、トルティア周辺を探すことになった。



 物陰から、にゃーん、と声がした。
 白いユグディラが一行の前に姿を現した。
 一行は手分けして探していたが、連絡を取り合って全員がユグディラの前に集まった。

「そろそろ教えてくれよ。お前らが何してるのか」
 ジルボが聞いた。

「うっ!」
 ジルボは突如として目を押さえた。
「ジルボさん!」
 マルカが駆け寄る。ジルボは問題ないという風に手で制した。
「何かを見たんですね……何が見えました?」
 ルカが聞くと、ジルボは短く答えた。

「光……。
 光が、見えた……」

 いつの間にかユグディラは姿を消していた。
「さんびきのユグディラちゃんがあのこをひっぱっていったのにゃ」と瞬間を捉えたルーシーは語る。
 それ以降はいくら探しても、ユグディラを見つけることはできなかった。



●依頼の終了、まだ終了していない諸々のこと、そして太陽よりも熱い反省会
「なるほど、とても興味深い報告でした……」
 後日。観察記録を受け取ったムットゥー・ハターサノリは、満面の笑みで一行に面会していた。
「でも結局、かれらが何をしようとしているのかまではわかりませんでした」
 ディーナは正直なところを告げる。
「不思議ですねえ…………。
 ユグディラは巡礼路のことを知っているのでしょうか?」
 ムットゥーもユグディラと巡礼路の関わりについては知るところではないようだった。
 そして、ジルボが見たもの……
 光。大地を満たすほどの光の奔流を見たと彼は語った。
 巡礼路とそれを結びつけて考えることはできそうだったが、ユグディラがそれにどう関わるかは、今はまだわからなかった。
 この一件は、やがて様々な勢力を巻き込む数々の事件の発端のうちの一件に過ぎず、残された謎は今後いくつかの事件を経て明らかになっていくのだが――

 それはまた、別の話。



「あ……そーいや伝えそびれたなあ」
 ハンターオフィスで報酬を受け取った鵤は、帰り道で思い出したことがあった。
 歪虚の洞窟で彼らが展望を書いていたメモの中に気になる名前があった事。
 黒大公ベリアルの名が記されていたことを。
「言おうと思ってすっかり忘れてたぜ……まったく、なんだってんだ……」



「不完全燃焼です……!」
「なんで私のところに来るんだ?!」
 一方無事バイクを奪還したヘザーはアシェールをはじめハンター複数に詰め寄られていた。
「結局ユグディラをもふれなかったので……」
「猫じゃらしとかまたたびとか、用意したんですけどねー」
 ここぞとばかりに色々広げるミコト。
「♪~♪~♪♪~♪♪~~」
 何か言いたそうな顔でオカリナをずっと吹いているルーシー。本当は音楽好きなユグディラに聞かせるつもりだったのだが。
「今回は私の本領を発揮できませんでした」
 渡す予定だった帽子とベルトポーチを手にうつむくルカ。
「ルカは十分ハッスルしてたような……」
「ヘザー、修理終わったよ……っと、お取り込み中だったか」
 ザレムはその時ヘザーのバイクを修理してくれていたのだが、何となく伝えるタイミングを間違ったように思えた。

「こうなったら動物園に繰り出すぞ! ふれあえる所! それか猫カフェ……どこかにあったかな?」
「わぁ、お出かけですね!」
 喜んだのはシャルア。
 結局、猫成分の足りないところは何だかんだで補うのだった。否、補わなくてはならなかった。

 かれらがユグディラともっと仲良くなれるのは、もう少し後のことになる。

依頼結果

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参加者一覧

  • 幻獣王親衛隊
    ザレム・アズール(ka0878
    人間(紅)|19才|男性|機導師

  • ルカ(ka0962
    人間(蒼)|17才|女性|聖導士
  • ライフ・ゴーズ・オン
    ジルボ(ka1732
    人間(紅)|16才|男性|猟撃士
  • ジルボ伝道師
    マルカ・アニチキン(ka2542
    人間(紅)|20才|女性|魔術師
  • 東方帝の正室
    アシェ-ル(ka2983
    人間(紅)|16才|女性|魔術師
  • は た ら け
    鵤(ka3319
    人間(蒼)|44才|男性|機導師
  • 大地の救済者
    仁川 リア(ka3483
    人間(紅)|16才|男性|疾影士
  • コル・レオニス
    ミコト=S=レグルス(ka3953
    人間(蒼)|16才|女性|霊闘士
  • 想い伝う花を手に
    シャルア・レイセンファード(ka4359
    人間(紅)|18才|女性|魔術師
  • 灯光に託す鎮魂歌
    ディーナ・フェルミ(ka5843
    人間(紅)|18才|女性|聖導士
  • 魅惑のぷにぷにほっぺ
    アルス・テオ・ルシフィール(ka6245
    エルフ|10才|女性|霊闘士

サポート一覧

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2016/07/15 12:00:05
アイコン 依頼の相談、或いは打ち合以下略
仁川 リア(ka3483
人間(クリムゾンウェスト)|16才|男性|疾影士(ストライダー)
最終発言
2016/07/14 23:22:31