ゲスト
(ka0000)
【詩天】蛍狩の夜
マスター:猫又ものと
みんなの思い出? もっと見る
オープニング
――遅い子供だったせいか、父は私に大分甘かった。
陰陽寮から戻った時は大抵、私を傍に置きたがった。
父は甘いとは言いながらも、教育は忘れなかった。
将来詩天を支えるものとして常日頃から大人に囲まれ、あまり子供らしい遊びはしなかったように思う。
……だけど。
秋寿兄様だけは、私を『子供』として扱ってくれた。
「真美。ほら。見てごらん」
「わあ……! 兄様! 光がいっぱいふわふわしてます! これは一体どういう術ですか?」
「これは術ではなくて、蛍という虫ですよ」
「……虫?」
「お尻の部分が光るんです」
「さ、触って大丈夫なのですか?」
「噛んだりしませんよ。この花に入れて……ほら」
「……綺麗。小さな提灯みたいです」
「この花はね、ホタルブクロと言うんですよ。松明を灯すと蛍達の邪魔になってしまいますから、今だけ、この子に明かりの代わりになってもらいましょう」
――遠い夏の日。
もう会えないところへ行ってしまった兄様との思い出。
私は蛍が、とても好きだ。
「色々手伝ってもらっちまって悪かったべな~」
「んだ。皆よぐ働くけ、助かったべよ。あんがとさんな~」
「あああ、そんな頭下げないで下さい」
「そうですよ。たいしたことはしていませんし」
ぺこぺこと頭を下げる村人達を宥めるハンター達。
詩天にある萩野村。
先日泥田坊に襲われたこの場所。
泥田坊を無事撃退できたは良かったものの、村の表門の門扉が泥だらけになってしまい、掃除をしたのだが……。
掃除の手伝いのついでに村を回ると、傷みが目立つ家々が多く、修復もされていないようだったので、日を改めて修繕や補強をしに来たのだ。
そんな事情があって、先ほどのやり取りがある。
「何ぞお礼ばしたいんだけんども、ぜぜこち~っとしかねえんだべ」
「悪ィなぁ。あ、スイカ食うべか?」
「要らないですから。お気持ちだけで十分です」
「そういう訳にもいかねっぺ! ……あ。そだ。近くの川に、蛍が来るべよ。折角だし見てから帰るといいべ」
「……蛍?」
「んだ。なーんもねえ村だけどよ、蛍だけは綺麗なんだぁ。夜になるとたーーくさんの蛍が出てくるんだべ」
「へえ。そうなんですか……」
「んだ。この村には、蛍は精霊様のお使いっていう言い伝えがあってな……」
遠い目をする村人。
萩野村には、昔から蛍は精霊の遣いといわれて大事にされてきたそうで、逢いたい故人を思い浮かべながら闇に蛍を放つと、精霊が願いを聞き入れてその人を1日だけ帰してくれる……そんな言い伝えがあるのだそうだ。
逢いたい故人がいない場合でも、願いごとを思い浮かべながら蛍を放てば、蛍が精霊の元にその願いを届けてくれるらしい。
「随分素敵な伝承があるんですね」
「んだ。この季節になるとな、村の外からも人が来てたんだべよ。最近はトンと来なくなっちまったけどなあ」
「今年はシンっていう坊やも遊びに来てるで、賑やかでええなぁ。折角ここまで来たんだし、ハンターさん達も蛍狩りを楽しんでくんろ」
ほれほれ、と村人に背中を押されながら、どうしようかなと考えるハンター達。
仕事も終わったし、蛍狩りを楽しむのもいいかもしれない――。
聞こえるヒグラシの声。
ハンター達は、日が沈むのを待つことにした。
陰陽寮から戻った時は大抵、私を傍に置きたがった。
父は甘いとは言いながらも、教育は忘れなかった。
将来詩天を支えるものとして常日頃から大人に囲まれ、あまり子供らしい遊びはしなかったように思う。
……だけど。
秋寿兄様だけは、私を『子供』として扱ってくれた。
「真美。ほら。見てごらん」
「わあ……! 兄様! 光がいっぱいふわふわしてます! これは一体どういう術ですか?」
「これは術ではなくて、蛍という虫ですよ」
「……虫?」
「お尻の部分が光るんです」
「さ、触って大丈夫なのですか?」
「噛んだりしませんよ。この花に入れて……ほら」
「……綺麗。小さな提灯みたいです」
「この花はね、ホタルブクロと言うんですよ。松明を灯すと蛍達の邪魔になってしまいますから、今だけ、この子に明かりの代わりになってもらいましょう」
――遠い夏の日。
もう会えないところへ行ってしまった兄様との思い出。
私は蛍が、とても好きだ。
「色々手伝ってもらっちまって悪かったべな~」
「んだ。皆よぐ働くけ、助かったべよ。あんがとさんな~」
「あああ、そんな頭下げないで下さい」
「そうですよ。たいしたことはしていませんし」
ぺこぺこと頭を下げる村人達を宥めるハンター達。
詩天にある萩野村。
先日泥田坊に襲われたこの場所。
泥田坊を無事撃退できたは良かったものの、村の表門の門扉が泥だらけになってしまい、掃除をしたのだが……。
掃除の手伝いのついでに村を回ると、傷みが目立つ家々が多く、修復もされていないようだったので、日を改めて修繕や補強をしに来たのだ。
そんな事情があって、先ほどのやり取りがある。
「何ぞお礼ばしたいんだけんども、ぜぜこち~っとしかねえんだべ」
「悪ィなぁ。あ、スイカ食うべか?」
「要らないですから。お気持ちだけで十分です」
「そういう訳にもいかねっぺ! ……あ。そだ。近くの川に、蛍が来るべよ。折角だし見てから帰るといいべ」
「……蛍?」
「んだ。なーんもねえ村だけどよ、蛍だけは綺麗なんだぁ。夜になるとたーーくさんの蛍が出てくるんだべ」
「へえ。そうなんですか……」
「んだ。この村には、蛍は精霊様のお使いっていう言い伝えがあってな……」
遠い目をする村人。
萩野村には、昔から蛍は精霊の遣いといわれて大事にされてきたそうで、逢いたい故人を思い浮かべながら闇に蛍を放つと、精霊が願いを聞き入れてその人を1日だけ帰してくれる……そんな言い伝えがあるのだそうだ。
逢いたい故人がいない場合でも、願いごとを思い浮かべながら蛍を放てば、蛍が精霊の元にその願いを届けてくれるらしい。
「随分素敵な伝承があるんですね」
「んだ。この季節になるとな、村の外からも人が来てたんだべよ。最近はトンと来なくなっちまったけどなあ」
「今年はシンっていう坊やも遊びに来てるで、賑やかでええなぁ。折角ここまで来たんだし、ハンターさん達も蛍狩りを楽しんでくんろ」
ほれほれ、と村人に背中を押されながら、どうしようかなと考えるハンター達。
仕事も終わったし、蛍狩りを楽しむのもいいかもしれない――。
聞こえるヒグラシの声。
ハンター達は、日が沈むのを待つことにした。
リプレイ本文
「何だか歩きづらいですね……」
「そうだね。歩幅が狭くなっちゃう。……でも、すごく似合ってるよ?」
「そ、そうでしょうか。ちーちゃんも似合ってますよ」
紺地に淡い桃色の紫陽花が咲く浴衣に身を包みもじもじするマリエル(ka0116)に笑みを返す柏木 千春(ka3061)。
彼女はマリエルと色違いの、白地に青の紫陽花の浴衣で……千春に勧められるままに着てみたが、彼女とお揃いというのは、何だか嬉しい。
「わぁ。綺麗……」
目の前をふわふわと飛ぶ無数の光にどちらともなくあがる声。
瞬く星に囲まれているかのような不思議で、美しい光景。
己のルーツがあるというリアルブルーにもいる虫らしいが、記憶を落としてしまったマリエルには馴染みがなくて……。
初めて見る景色に目を細めて、そっと隣の千春を見る。
「……今日はありがとう。また一つ、約束叶えてくれて」
「ん? 何か約束したっけ?」
「思い出を失くしてしまった私に、一緒に思い出を作っていこうって約束してくれたじゃないですか」
「……約束ってその話? マリエルちゃん大袈裟だなぁ。お友達と一緒に楽しいことするのは当たり前じゃない?」
大きな緑色の瞳をきょろりとさせる千春。
記憶が無く、何一つ思い出を持たず誰より軽いと思っていた自分にくれた言葉。
それがどんなに救いになったか、彼女は気づいていないのだろうか――。
誰よりも頑張りやさんで、人一倍心の傷の痛みを敏感に感じているのに、前へ歩ける、とても強い人。
無茶しないで欲しい。傷つかないで欲しい。そう思うこともあるけれど……。
その思いの深さを感じるから。心配だけど、止めてとは思わないし、言えない。
それどころか、そんなあなたが好きで、好きなようにやればいいと思ってる。
お友達なのに酷いでしょう……?
己に向けられるマリエルの暖かな榛色の瞳。そこから感じる親愛と優しさに、千春は何だか安心を覚える。
……彼女は、いつも何も言わない。
気づけば傍にいて、己の背を支えてくれる。
彼女の存在がどれだけ助けになっているのか、きっとマリエルは知らない。
だから……私が、彼女の力になれたらいいと、心から思う。
「私は……リアルブルーという世界を、見てみたいです」
「そっか。じゃあ、一緒に行こっか。向こうでもきっといい思い出作れるよ」
「……ふふ。そうですね。私の記憶もちょっとは戻るでしょうか」
「そうなるといいね!」
笑いあうマリエルと千春。
青い龍達との出会いの果てに始まったリアルブルーへの転移。実験段階で様々な不安が付き纏うけれど。
それでも、この人と一緒なら――何があっても絶対大丈夫だし、乗り越えられる気がする。
そばにいたい、支えたい……自然とそう思える、素敵なお友達。
願わくば。ずっと変わらず。……向こうでも、同じように一緒の景色を見られますように。
2人の願いを乗せた蛍は、淡い光を放って空へと還ってゆく。
「ん! 思った通りよくお似合いです!」
「そうか……? 着付けまでして貰ってすまないな」
ラディスラウス・ライツ(ka3084)の浴衣姿に満足気に頷くアリオーシュ・アルセイデス(ka3164)。
黒地に灰色の流水紋が、叔父の年相応の渋さをより引き立てていて……自分の見立ては間違っていなかったとアリオ―シュは口角を上げる。
「……お前もよく似合っているぞ」
「そうですか? ありがとうございます」
甥の姿に目を細めるラディスラウス。アリオ―シュの青地に若竹の文様の浴衣が、彼の金糸の髪と深い蒼の瞳に良く映えている。己の浴衣含め、甥の目はなかなかに優れていると思う。
……何より、今日こうして蛍狩りに誘ってくれたのも、普段あまり外出しない己を気遣ってのことだろう。
昔と変わらず優しい子だ。
それはとても誇らしいが、叔父としてちょっと気になることがあって……。
「それにしても、俺で良かったのか?」
「何がですか?」
「お前くらいの歳にもなれば、こう……友達を誘うものじゃないかなと思ってな」
「俺は叔父上と一緒に来たかったんです! ……あ。ご迷惑でした?」
「いいや。お前と出かけられるなら大歓迎だ」
「良かった……」
ほっと胸を撫で下ろすアリオ―シュ。そんな彼から三角に切られた赤い実を手渡され、ラディスラウスは小首を傾げる。
「アリオ―シュ、これは?」
「西瓜、という果物だそうですよ。東方では、夏には涼を取る為に色々風流な過ごし方があると聞きました。西瓜も夏に良く冷やして食べるのが東方風だそうで……さあ、叔父上もどうぞ」
勧められるままに西瓜を口にするラディスラウス。冷たさとたっぷりとした果汁が口に広がり、彼は何度も頷く。
「なるほど……種は少し邪魔だが、自然な甘みがいいな」
「本当。美味しいですね。塩をかけると甘味が増すそうですよ」
「ふむ、塩か。これも美味いな」
「叔父上、ちょっと失礼しますね」
ラディスラウスの口元を手拭いで拭うアリオ―シュ。
西瓜の果汁が髭についていたらしい。
甥にこうも世話を焼かれると、嬉しいより気恥ずかしさが先に立つ。
ラディスラウスはこほん、と咳ばらいをすると、そっとアリオ―シュから手拭いを受け取る。
「アリオ―シュ。有り難いが自分で出来るから……」
「ふふ。叔父上にはお世話になってますから。これくらいさせてください」
にこにこと笑っている甥。幼い頃から変わらぬ笑顔。これを向けられると弱い。
それにしても、浴衣に冷えた食べ物、その上手拭いまで用意しておくとは……。
甥は本当に気配り上手な良い子だ。そういうところは、己に似なくて良かったと思う。
そこに、舞い降りる淡い光。始まる蛍の飛翔に2人は息を飲む。
「綺麗ですね……」
「……そうだな」
「こんな美しい景色、父母や妹にも見せてあげたかった」
「……逢いたいか?」
「いいえ。俺は……今は、両親や妹の、そして叔父上の誇りになりたいです。そうなる事で大恩に報いたい」
「誇りになる、か……。お前らしいな」
蛍を両手で包み、祈るように瞳を閉じて空へと還すアリオ―シュを見つめて呟くラディスラウス。
――甥らしい、優しい言葉だ。その言葉に感じる確かな強さと覚悟。
かつての俺には無かったもの……。
妹を目の前で亡くし、生きる希望を失っていた少年が、こんなに立派に成長するとは。
……あいつにも見せてやりたかった。
眩い光を纏う甥。目の前にいる息子同然の彼はもう、己の力がなくとも歩いていける。
そう。雛はいつか、巣立ちを迎える。
己は役目を終えるのだ……。
沸き上がるのは喜びと、一抹の寂しさ――。
これが『親』になるということなのかもしれない。
そんなラディスラウスの肩にふわりと舞い降りた蛍。
その淡い光を、アリオ―シュはじっと見つめる。
――本当は、貴方にも言っていないことがある。
貴方の誇りになりたいというのは嘘ではない。
もう一つ欲を言うのなら……その肩にとまる蛍のように、貴方の傍で輝いていたい。
……ずっと、貴方の笑顔の素でいたい。
この胸に宿った思いが何であるのか、自分でも気付き始めている。
だから言わない。だから……言えない。
この想いが許されなくても。貴方の傍に――。
「叔父上。西瓜もう一切れいかがですか?」
「ああ、貰おうか」
想い合っているのに、噛み合わない2人。
幾度となく過ごした夏の思い出が、今年もまた増えていく。
「恋路。肩ァ貸せ……」
「もー剛道さんったら、また無茶して……。一体どこで浮気してきたんです?」
「浮気だァ? 俺はいつでも本気だ」
「ええ。そうでしょうよ」
ピンヒールを履いた足を引きずり、あちこちから血を滲ませ、浅く息を漏らす尾形 剛道(ka4612)。
そんな彼に肩を貸しながら、佐久間 恋路(ka4607)はため息をつく。
剛道は、ここに来る前に依頼をこなして来たらしい。
彼の身体に無数に増えた傷は、激闘を伺わせて……恋路の胸に、チリ、と焦げ付くような熱がこみ上げる。
戦い、傷つけ合うことでしか愛を表現出来ない剛道にとって、命のやり取りをする戦いはいつも『本気』なのだ。
そういう意味では、彼はいつも違う誰かと『愛し合っている』訳で……。
――どうして自分じゃないのか。剛道が本気で戦う相手は、自分だけでいい。自分だけがいい……。
胸を焦がす熱は、嫉妬だ。己に『死』を感じさせてくれる唯一の人――。
寄り添って歩く2人の前を横切る光。それがどんどん増えて……剛道が目を見開く。
「何だァ? この光は……」
「蛍、ここにもいるんですねぇ」
「……蛍?」
「あれ。知らないんです? 俺の故郷にもいたんですけど」
「知らねェなぁ。こんなモン、戦いに必要ねェだろうが」
「剛道さんらしいですね……。折角ですしちょっと休憩しましょうか」
苦笑しつつ、剛道をそっと座らせる恋路。舞う蛍を、空いた手でそっと掴まえる。
「ここの蛍は、逢いたい故人を1日だけ帰してくれるそうですよ」
「……逢いたい故人? そんなん居るかよ。大体言い伝えレベルだろうが」
「会いたい故人がいないなら、願いごとでもいいそうですよ」
「あー。そういうのは慣れねェし、俺には似合わないだろうがよ」
「またそんなこと言って……」
「そういう恋路は何か願い事あンのかよ」
「願い事……。剛道さんが大怪我しないことですかねぇ」
「あァ? そいつは無理な相談だな」
「ええ。知ってますよ」
肩を竦める剛道にジト目を向ける恋路。
――死ぬことはとても尊い。
自分に対しても人に対してもそう思っていた。
けれど。俺はやはり、この美しい人の手で殺されたいから……。
自分の知らない所で、勝手に死んで貰っては、困る。
「剛道さんはどんなお願いをするんです?」
「さてな」
「いずれ時が来たら、ちゃんと殺してくださ……」
言い終わる前に、恋路の首に伸びる手。
いつの間にか立ち上がっていた剛道が、本気で彼の首を締め上げる。
「……抵抗しろよ、恋路」
「か、は……!」
「死んじまうぞ……?」
男子にしては細い恋路の首。剛道が本気を出せば、このまま潰すことも容易だ。
……恋路は己に殺されることを望んでいる。
それが『恋』が成就する瞬間なのだと。そう言った。
だから本気で殺してやれば、彼はこの上なく喜ぶだろう。
ただ――それでは、俺が、満たされない。
恋路の汗と香水の混じった匂い。それすらも、剛道を滾らせる。
こんな事を言ったら、恋路は怒るかもしれないが。
この時を永く。一瞬でも永く。
こいつとなら、今まで見た事のない扉が開けるような気がする。
――死を望むこいつに、そんなことを願うのはエゴでしかないかもしれないが。
次の瞬間、剛道の肩に感じた激痛。飛び散る赤。恋路に殴られ、傷が開いたらしい。剛道は彼の首を放す。
「……てめぇ、傷口殴りやがったな」
「冗談にしてはきついですよ」
「冗談に見えたか?」
「まさか。もう『いずれその時』が来たのかと思いましたよ」
「あァ。まだその時じゃない」
「でしょ。包帯巻き直しますから」
ニヤリと笑う剛道を座らせ、止血をする恋路。剛道から匂い立つ血と殺気に、酷く興奮してくらくらする。
――本当は、今殺されたって良かった。
……でも。自分や剛道の周りを舞う蛍が本当に綺麗で。
一生懸命に生きる光。自分達とは相反するもの。
それを2人で見つめるのも悪くない。
こうして2人で過ごす時間を、愛おしく感じてしまうなんて――。
この人に殺されたい気持ちは変わらないけれど。
自分が死んだ後、この人はどうなるんだろうか……。
――ああ、どうか。この美しい人の手で殺された後、この人が幸せでありますように。
「……その時は、直ぐに追いかけてやっから大人しく待ってろ」
「……え?」
「何でもねェ」
首を傾げた恋路から、目線を外した剛道。
――蛍にではなく、お互いに。永遠を請い願う。
「……おい、足元ちゃんと見ろよ」
「見ているよ」
くるりと振り返る茲妃(ka5313)に頷き返すセフィド=ツィーゲル(ka5404)。
彼のいつも眠そうな目が一変してまん丸くなっている。
お互い夜目は利く筈なのだが……友人は何故こんなにフラフラしているのだろう。
茲妃はため息をつくとセフィドの手を取る。
「……ココくんの手はとってもあったかいね。僕は君の手、好きだよ」
「あ? 何言ってんだよ。危なっかしいから支えてやってんだろうが。いいからしっかり歩け!」
のんびりと言うセフィドにもう一度ため息をつく茲妃。暗闇でも、友人のふわふわの髪が揺れているのが分かる。
そこにふわり、と淡い光が舞った。
「……この飛んでいるのは何だい?」
「蛍っていう虫らしいぜ。願いごとを叶えてくれるって聞いた」
「へえ。食べられるのかい?」
「食えるかどうかは知らんが……っていうか食うなよ」
そんなやり取りをしているうちに数を増やす光。近く、遠く……瞬く光が、茲妃の青い瞳に映る。
「……あの人にも、見せてやりてぇな」
呟きと共に思い出すのは、懐かしいあの人の顔。
こんなに綺麗な場所は、俺なんかよりあの人の方がずっと似合う。
繊細な美しさには程遠い自分は、この景色をどう表現していいか分からないけれど。
あの人がこれを見たら、きっと素敵な言葉をくれるに違いない――。
そこまで考えて、茲妃は少し慌てて隣にいるセフィドにを振り返る。
「あ、いや。別にお前と一緒に来るのが嫌って訳じゃ……って、何食ってんだよ!」
「ん? だってお腹空いたから」
「お前、こんなとこでも食うのか……」
「ココ君も食べなよ。僕が作ったんだ。美味しいよ」
はい、とセフィドから差し出されたサンドウィッチを受け取る茲妃。呆れつつも、それを頬張り――ばしっと蛍に両手を合わせて、深々と頭を下げる。
「もっと強くなれますように」
「何? 願い事?」
「おう。過ぎた願いってのは分かってるけどさ」
「そう? ココくん、十分強いと思うけど」
「いや。大事なもん全部守れるくらい……嫌なもん全部ぶっ飛ばして、それでも立っていられるくらいに強くなりてぇんだよ。まだまだだ」
「ああ、僕が言ってるのは膂力じゃないよ。心の強さね」
キョトンとする茲妃に人懐こい笑みを向けるセフィド。
――蛍の光は本当に綺麗だ。あの人や、隣にいる友人の心のように。
……綺麗な綺麗な蛍さん。あの人の元に飛んで行っておくれ。
ココくんも僕も元気にやっているよ。どうか伝えて欲しい――。
「僕のお願いごとはね、また、ココくんと遊びたいなぁ」
「はぁ? 俺とならいつでも遊べるだろ?」
「ふふ。そっか。そうだね」
「ったく相変わらずぼんやりしてんなぁ。帰りも手引いてやろうか?」
「うん。ねえ、ココくん。帰りにご飯食べて帰ろうよ」
「お前さっきも食ってただろうが!」
軽い調子で言い合う2人。虎と羊の楽しい夜は、まだまだ続く。
「そうだね。歩幅が狭くなっちゃう。……でも、すごく似合ってるよ?」
「そ、そうでしょうか。ちーちゃんも似合ってますよ」
紺地に淡い桃色の紫陽花が咲く浴衣に身を包みもじもじするマリエル(ka0116)に笑みを返す柏木 千春(ka3061)。
彼女はマリエルと色違いの、白地に青の紫陽花の浴衣で……千春に勧められるままに着てみたが、彼女とお揃いというのは、何だか嬉しい。
「わぁ。綺麗……」
目の前をふわふわと飛ぶ無数の光にどちらともなくあがる声。
瞬く星に囲まれているかのような不思議で、美しい光景。
己のルーツがあるというリアルブルーにもいる虫らしいが、記憶を落としてしまったマリエルには馴染みがなくて……。
初めて見る景色に目を細めて、そっと隣の千春を見る。
「……今日はありがとう。また一つ、約束叶えてくれて」
「ん? 何か約束したっけ?」
「思い出を失くしてしまった私に、一緒に思い出を作っていこうって約束してくれたじゃないですか」
「……約束ってその話? マリエルちゃん大袈裟だなぁ。お友達と一緒に楽しいことするのは当たり前じゃない?」
大きな緑色の瞳をきょろりとさせる千春。
記憶が無く、何一つ思い出を持たず誰より軽いと思っていた自分にくれた言葉。
それがどんなに救いになったか、彼女は気づいていないのだろうか――。
誰よりも頑張りやさんで、人一倍心の傷の痛みを敏感に感じているのに、前へ歩ける、とても強い人。
無茶しないで欲しい。傷つかないで欲しい。そう思うこともあるけれど……。
その思いの深さを感じるから。心配だけど、止めてとは思わないし、言えない。
それどころか、そんなあなたが好きで、好きなようにやればいいと思ってる。
お友達なのに酷いでしょう……?
己に向けられるマリエルの暖かな榛色の瞳。そこから感じる親愛と優しさに、千春は何だか安心を覚える。
……彼女は、いつも何も言わない。
気づけば傍にいて、己の背を支えてくれる。
彼女の存在がどれだけ助けになっているのか、きっとマリエルは知らない。
だから……私が、彼女の力になれたらいいと、心から思う。
「私は……リアルブルーという世界を、見てみたいです」
「そっか。じゃあ、一緒に行こっか。向こうでもきっといい思い出作れるよ」
「……ふふ。そうですね。私の記憶もちょっとは戻るでしょうか」
「そうなるといいね!」
笑いあうマリエルと千春。
青い龍達との出会いの果てに始まったリアルブルーへの転移。実験段階で様々な不安が付き纏うけれど。
それでも、この人と一緒なら――何があっても絶対大丈夫だし、乗り越えられる気がする。
そばにいたい、支えたい……自然とそう思える、素敵なお友達。
願わくば。ずっと変わらず。……向こうでも、同じように一緒の景色を見られますように。
2人の願いを乗せた蛍は、淡い光を放って空へと還ってゆく。
「ん! 思った通りよくお似合いです!」
「そうか……? 着付けまでして貰ってすまないな」
ラディスラウス・ライツ(ka3084)の浴衣姿に満足気に頷くアリオーシュ・アルセイデス(ka3164)。
黒地に灰色の流水紋が、叔父の年相応の渋さをより引き立てていて……自分の見立ては間違っていなかったとアリオ―シュは口角を上げる。
「……お前もよく似合っているぞ」
「そうですか? ありがとうございます」
甥の姿に目を細めるラディスラウス。アリオ―シュの青地に若竹の文様の浴衣が、彼の金糸の髪と深い蒼の瞳に良く映えている。己の浴衣含め、甥の目はなかなかに優れていると思う。
……何より、今日こうして蛍狩りに誘ってくれたのも、普段あまり外出しない己を気遣ってのことだろう。
昔と変わらず優しい子だ。
それはとても誇らしいが、叔父としてちょっと気になることがあって……。
「それにしても、俺で良かったのか?」
「何がですか?」
「お前くらいの歳にもなれば、こう……友達を誘うものじゃないかなと思ってな」
「俺は叔父上と一緒に来たかったんです! ……あ。ご迷惑でした?」
「いいや。お前と出かけられるなら大歓迎だ」
「良かった……」
ほっと胸を撫で下ろすアリオ―シュ。そんな彼から三角に切られた赤い実を手渡され、ラディスラウスは小首を傾げる。
「アリオ―シュ、これは?」
「西瓜、という果物だそうですよ。東方では、夏には涼を取る為に色々風流な過ごし方があると聞きました。西瓜も夏に良く冷やして食べるのが東方風だそうで……さあ、叔父上もどうぞ」
勧められるままに西瓜を口にするラディスラウス。冷たさとたっぷりとした果汁が口に広がり、彼は何度も頷く。
「なるほど……種は少し邪魔だが、自然な甘みがいいな」
「本当。美味しいですね。塩をかけると甘味が増すそうですよ」
「ふむ、塩か。これも美味いな」
「叔父上、ちょっと失礼しますね」
ラディスラウスの口元を手拭いで拭うアリオ―シュ。
西瓜の果汁が髭についていたらしい。
甥にこうも世話を焼かれると、嬉しいより気恥ずかしさが先に立つ。
ラディスラウスはこほん、と咳ばらいをすると、そっとアリオ―シュから手拭いを受け取る。
「アリオ―シュ。有り難いが自分で出来るから……」
「ふふ。叔父上にはお世話になってますから。これくらいさせてください」
にこにこと笑っている甥。幼い頃から変わらぬ笑顔。これを向けられると弱い。
それにしても、浴衣に冷えた食べ物、その上手拭いまで用意しておくとは……。
甥は本当に気配り上手な良い子だ。そういうところは、己に似なくて良かったと思う。
そこに、舞い降りる淡い光。始まる蛍の飛翔に2人は息を飲む。
「綺麗ですね……」
「……そうだな」
「こんな美しい景色、父母や妹にも見せてあげたかった」
「……逢いたいか?」
「いいえ。俺は……今は、両親や妹の、そして叔父上の誇りになりたいです。そうなる事で大恩に報いたい」
「誇りになる、か……。お前らしいな」
蛍を両手で包み、祈るように瞳を閉じて空へと還すアリオ―シュを見つめて呟くラディスラウス。
――甥らしい、優しい言葉だ。その言葉に感じる確かな強さと覚悟。
かつての俺には無かったもの……。
妹を目の前で亡くし、生きる希望を失っていた少年が、こんなに立派に成長するとは。
……あいつにも見せてやりたかった。
眩い光を纏う甥。目の前にいる息子同然の彼はもう、己の力がなくとも歩いていける。
そう。雛はいつか、巣立ちを迎える。
己は役目を終えるのだ……。
沸き上がるのは喜びと、一抹の寂しさ――。
これが『親』になるということなのかもしれない。
そんなラディスラウスの肩にふわりと舞い降りた蛍。
その淡い光を、アリオ―シュはじっと見つめる。
――本当は、貴方にも言っていないことがある。
貴方の誇りになりたいというのは嘘ではない。
もう一つ欲を言うのなら……その肩にとまる蛍のように、貴方の傍で輝いていたい。
……ずっと、貴方の笑顔の素でいたい。
この胸に宿った思いが何であるのか、自分でも気付き始めている。
だから言わない。だから……言えない。
この想いが許されなくても。貴方の傍に――。
「叔父上。西瓜もう一切れいかがですか?」
「ああ、貰おうか」
想い合っているのに、噛み合わない2人。
幾度となく過ごした夏の思い出が、今年もまた増えていく。
「恋路。肩ァ貸せ……」
「もー剛道さんったら、また無茶して……。一体どこで浮気してきたんです?」
「浮気だァ? 俺はいつでも本気だ」
「ええ。そうでしょうよ」
ピンヒールを履いた足を引きずり、あちこちから血を滲ませ、浅く息を漏らす尾形 剛道(ka4612)。
そんな彼に肩を貸しながら、佐久間 恋路(ka4607)はため息をつく。
剛道は、ここに来る前に依頼をこなして来たらしい。
彼の身体に無数に増えた傷は、激闘を伺わせて……恋路の胸に、チリ、と焦げ付くような熱がこみ上げる。
戦い、傷つけ合うことでしか愛を表現出来ない剛道にとって、命のやり取りをする戦いはいつも『本気』なのだ。
そういう意味では、彼はいつも違う誰かと『愛し合っている』訳で……。
――どうして自分じゃないのか。剛道が本気で戦う相手は、自分だけでいい。自分だけがいい……。
胸を焦がす熱は、嫉妬だ。己に『死』を感じさせてくれる唯一の人――。
寄り添って歩く2人の前を横切る光。それがどんどん増えて……剛道が目を見開く。
「何だァ? この光は……」
「蛍、ここにもいるんですねぇ」
「……蛍?」
「あれ。知らないんです? 俺の故郷にもいたんですけど」
「知らねェなぁ。こんなモン、戦いに必要ねェだろうが」
「剛道さんらしいですね……。折角ですしちょっと休憩しましょうか」
苦笑しつつ、剛道をそっと座らせる恋路。舞う蛍を、空いた手でそっと掴まえる。
「ここの蛍は、逢いたい故人を1日だけ帰してくれるそうですよ」
「……逢いたい故人? そんなん居るかよ。大体言い伝えレベルだろうが」
「会いたい故人がいないなら、願いごとでもいいそうですよ」
「あー。そういうのは慣れねェし、俺には似合わないだろうがよ」
「またそんなこと言って……」
「そういう恋路は何か願い事あンのかよ」
「願い事……。剛道さんが大怪我しないことですかねぇ」
「あァ? そいつは無理な相談だな」
「ええ。知ってますよ」
肩を竦める剛道にジト目を向ける恋路。
――死ぬことはとても尊い。
自分に対しても人に対してもそう思っていた。
けれど。俺はやはり、この美しい人の手で殺されたいから……。
自分の知らない所で、勝手に死んで貰っては、困る。
「剛道さんはどんなお願いをするんです?」
「さてな」
「いずれ時が来たら、ちゃんと殺してくださ……」
言い終わる前に、恋路の首に伸びる手。
いつの間にか立ち上がっていた剛道が、本気で彼の首を締め上げる。
「……抵抗しろよ、恋路」
「か、は……!」
「死んじまうぞ……?」
男子にしては細い恋路の首。剛道が本気を出せば、このまま潰すことも容易だ。
……恋路は己に殺されることを望んでいる。
それが『恋』が成就する瞬間なのだと。そう言った。
だから本気で殺してやれば、彼はこの上なく喜ぶだろう。
ただ――それでは、俺が、満たされない。
恋路の汗と香水の混じった匂い。それすらも、剛道を滾らせる。
こんな事を言ったら、恋路は怒るかもしれないが。
この時を永く。一瞬でも永く。
こいつとなら、今まで見た事のない扉が開けるような気がする。
――死を望むこいつに、そんなことを願うのはエゴでしかないかもしれないが。
次の瞬間、剛道の肩に感じた激痛。飛び散る赤。恋路に殴られ、傷が開いたらしい。剛道は彼の首を放す。
「……てめぇ、傷口殴りやがったな」
「冗談にしてはきついですよ」
「冗談に見えたか?」
「まさか。もう『いずれその時』が来たのかと思いましたよ」
「あァ。まだその時じゃない」
「でしょ。包帯巻き直しますから」
ニヤリと笑う剛道を座らせ、止血をする恋路。剛道から匂い立つ血と殺気に、酷く興奮してくらくらする。
――本当は、今殺されたって良かった。
……でも。自分や剛道の周りを舞う蛍が本当に綺麗で。
一生懸命に生きる光。自分達とは相反するもの。
それを2人で見つめるのも悪くない。
こうして2人で過ごす時間を、愛おしく感じてしまうなんて――。
この人に殺されたい気持ちは変わらないけれど。
自分が死んだ後、この人はどうなるんだろうか……。
――ああ、どうか。この美しい人の手で殺された後、この人が幸せでありますように。
「……その時は、直ぐに追いかけてやっから大人しく待ってろ」
「……え?」
「何でもねェ」
首を傾げた恋路から、目線を外した剛道。
――蛍にではなく、お互いに。永遠を請い願う。
「……おい、足元ちゃんと見ろよ」
「見ているよ」
くるりと振り返る茲妃(ka5313)に頷き返すセフィド=ツィーゲル(ka5404)。
彼のいつも眠そうな目が一変してまん丸くなっている。
お互い夜目は利く筈なのだが……友人は何故こんなにフラフラしているのだろう。
茲妃はため息をつくとセフィドの手を取る。
「……ココくんの手はとってもあったかいね。僕は君の手、好きだよ」
「あ? 何言ってんだよ。危なっかしいから支えてやってんだろうが。いいからしっかり歩け!」
のんびりと言うセフィドにもう一度ため息をつく茲妃。暗闇でも、友人のふわふわの髪が揺れているのが分かる。
そこにふわり、と淡い光が舞った。
「……この飛んでいるのは何だい?」
「蛍っていう虫らしいぜ。願いごとを叶えてくれるって聞いた」
「へえ。食べられるのかい?」
「食えるかどうかは知らんが……っていうか食うなよ」
そんなやり取りをしているうちに数を増やす光。近く、遠く……瞬く光が、茲妃の青い瞳に映る。
「……あの人にも、見せてやりてぇな」
呟きと共に思い出すのは、懐かしいあの人の顔。
こんなに綺麗な場所は、俺なんかよりあの人の方がずっと似合う。
繊細な美しさには程遠い自分は、この景色をどう表現していいか分からないけれど。
あの人がこれを見たら、きっと素敵な言葉をくれるに違いない――。
そこまで考えて、茲妃は少し慌てて隣にいるセフィドにを振り返る。
「あ、いや。別にお前と一緒に来るのが嫌って訳じゃ……って、何食ってんだよ!」
「ん? だってお腹空いたから」
「お前、こんなとこでも食うのか……」
「ココ君も食べなよ。僕が作ったんだ。美味しいよ」
はい、とセフィドから差し出されたサンドウィッチを受け取る茲妃。呆れつつも、それを頬張り――ばしっと蛍に両手を合わせて、深々と頭を下げる。
「もっと強くなれますように」
「何? 願い事?」
「おう。過ぎた願いってのは分かってるけどさ」
「そう? ココくん、十分強いと思うけど」
「いや。大事なもん全部守れるくらい……嫌なもん全部ぶっ飛ばして、それでも立っていられるくらいに強くなりてぇんだよ。まだまだだ」
「ああ、僕が言ってるのは膂力じゃないよ。心の強さね」
キョトンとする茲妃に人懐こい笑みを向けるセフィド。
――蛍の光は本当に綺麗だ。あの人や、隣にいる友人の心のように。
……綺麗な綺麗な蛍さん。あの人の元に飛んで行っておくれ。
ココくんも僕も元気にやっているよ。どうか伝えて欲しい――。
「僕のお願いごとはね、また、ココくんと遊びたいなぁ」
「はぁ? 俺とならいつでも遊べるだろ?」
「ふふ。そっか。そうだね」
「ったく相変わらずぼんやりしてんなぁ。帰りも手引いてやろうか?」
「うん。ねえ、ココくん。帰りにご飯食べて帰ろうよ」
「お前さっきも食ってただろうが!」
軽い調子で言い合う2人。虎と羊の楽しい夜は、まだまだ続く。
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/07/18 23:33:05 |