ゲスト
(ka0000)
【蒼乱】崑崙基地防衛戦A
マスター:WTRPGマスター

- シナリオ形態
- グランド
- 難易度
- 難しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 1~100人
- サポート
- 0~0人
- 報酬
- 多め
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2016/08/02 15:00
- 完成日
- 2016/08/16 18:43
このシナリオは5日間納期が延長されています。
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
「えー、それではこれよりサルヴァトーレ・ロッソの転移実験を行います」
ロッソの艦橋でマイクを手にナサニエル・カロッサ(kz0028)がやや気の抜けた宣言を行う。
実験に参加する面々は既にロッソ内部に収容済み。後は転移装置を起動してみるだけだ。
「ちょっと……場所とか一切関係なく、この場でやるの?」
「んー、ゲートが使えるならゲートに近づいてやるとか手はあるんですが……奪い返してないですからねぇ」
ラヴィアンが不安がるのも無理はない。一応、龍園からは少し移動させはしたものの、雪原の真っただ中に着陸した状態で実験を行うのだ。
「なんかこう……門みてぇなのを超えたりとか……飛んだりとかするイメージがあったんだがな」
ごくりと生唾を飲み込むダニエル・ラーゲンベック(kz0024)。雰囲気も何もあったものではない。
しかし、船全体に伝わってくるかすかな振動は強化されたマテリアルエンジンの唸りを伝えてくる。
「エンジン臨界点! 憑龍機関、正常に動作!」
「転移プログラム起動実験開始! 龍鉱石のエネルギー変換率60%!」
「おおー、わりといけそうですねー。あんなにムチャしたのに」
「院長、そういう事さらりと言うのやめてくれません?」
クリストファー・マーティン(kz0019)は笑顔だが、目が笑っていない。
「カウントダウン開始してください」
「転移カウント開始! 10……9……8……」
「ブリッジより勇敢な冒険者諸君へ。転移先で何が起きても不思議じゃありません。とにかくあらゆるショックに備えてくださいね~」
「6……5……4……」
「頼むから地球に戻ってよ……!」
「2……1……0。転移開始!」
まばゆい、青白い光がサルヴァトーレ・ロッソを包み込む。
その箱舟に乗り込む誰もが奇妙な浮遊感に包まれた直後、ロッソはクリムゾンウェストから姿を消した。
衝撃の余波は、ロッソの着陸地点周辺の大地をごっそりと抉り、やや遅れ、衝撃派が氷の大地を薙ぎ払うのだった。
『友軍艦隊の損耗率が3割を超えています! 隊長、これ以上はもう……!』
『つったってなぁ、帰る場所もねぇんだぞこっちは! CAMに単独の大気圏突入能力はねぇし……崑崙が落ちたら終わりなんだよ!』
『た、隊長……隊長! 前方の敵陣に……何か……!?』
傷ついたCAMの小隊が動きを止める。正面には撃破すべきVOIDの中型母艦級以外には、撃破された友軍艦とCAMの残骸が浮遊するのみ……の、はずであった。
『なんだ……?』
その何もないはずの宇宙空間が突如歪み、ねじれていく。
まばゆい光を放ちながら何か巨大な物体の先端が飛び出してくると、それを察知したCAM部隊は一斉に後退した。
『ワープか!? VOIDはついにワープするようになったのか!?』
『違います隊長! あれは……サルヴァトーレ級ですよ! データ合致! 行方が分からなくなっていた、一番艦です!』
ロッソはその先端で中型VOIDを粉砕しつつ、転移を完了する。そして当然、艦内は大混乱に陥っていた。
「転移実験成功……しましたが、転移直後に何らかのVOIDと接触した模様! 地球の……えーと、狂気型です! というか~、囲まれています!」
「んんんん~!? よくわからねぇが、全砲門開け! VOIDの反応なら味方じゃあねぇんだ。近づく奴は全部撃ち落とせ!」
ダニエルが叫ぶと同時に、ロッソは戦闘を開始する。その最中、ラヴィアンは周囲の状況を確認し絶句した。
「まさか……火星あたりかと思いきや、ここって月の目の前じゃないの! 地球の絶対防衛線! ここまで攻め込まれるなんて……」
「私全然何もわかっていないのですが、ひょっとしてピンチですかねぇ?」
「大ピンチよ!」
「こんなこともあろうかと準備してましたからねぇ。機甲部隊は出撃準備を。魔導スラスターに換装したヘイムダルと魔導アーマーも出します。ところで中尉、目的地は?」
ラヴィアンに胸倉を掴まれながらも淡々と話を進めるナサニエル。
その落ち着きように毒気を抜かれたのか、ラヴィアンは深呼吸を一つ。
「月面基地崑崙に向かって! そこでトマーゾと合流するわよ!」
「周りでやられてるの友軍ですよね? どうするんです?」
「可能な限り回収! 艦長、私とクリスも出るわ! 月面までロッソで降ろして! 崑崙に直接乗り込む!」
「あ、やっぱり俺も行くんだね……っと。クリムゾンウェストの皆にも宇宙服の着用を徹底させるんだ。ここは、リグ・サンガマよりも寒いからね」
『隊長、サルヴァトーレ・ロッソから友軍です! 何か見慣れない機甲兵器も確認!』
『わけわからんが撃ってこないなら味方だろう! 援護だ! やられた奴はロッソに運び込め! 全兵装というか判断自由!』
『隊長!? なにかコックピットがほぼ露出している四本足のロボットが飛んできます!』
『んんん!? 間違って撃ち落とすんじゃねぇぞ!』
『ぶ……ふ、ふはは! はーっはっはははは!! 面白い、面白いぞトマーゾ!!』
「本当に……来たのか、サルヴァトーレ・ロッソ……!?」
外部の様子を映し出すモニターの前で正反対の反応を見せるマクスウェルとトマーゾ。
ロッソは周囲の友軍と協力し、VOIDを撃退しながら月に降下してくる。つまり、この崑崙を目指しているわけだ。
『よもや本当に世界の壁を超えるとはな……だが、見たところあれでは不完全だぞ?』
マクスウェルの言う通り、トマーゾが観測するデータは、彼らの転移が不完全であることを示していた。
だが、今はそれでもいい。多少不完全なくらいの方が都合のいいこともある。
『トマーゾ……連中はオマエを救いに来たのだろう? ならばここで待てば、“希望”と対峙できる寸法よ』
そこでトマーゾは思わず息を呑んだ。
今は黙示騎士と名乗るこの怪物は、生半可な人間ではまったく相手にならない。
仮に向こうへ送ったラヴィアンが戻ってきたとして、あのままのロッソが帰ってきたとして、マクスウェルには太刀打ちできないのだ。
「いかん……来るな中尉! 今戻ってきては、早すぎ……る?」
『ほう?』
崑崙内部に突入してきた部隊は、人間離れした戦闘力でVOIDを一蹴する。
そんな監視カメラの映像を見たトマーゾは目をまん丸くし。
「……クリムゾンウェスト人強くない?」
『はははははははは! いいぞ、最高だ! これでは向こうの連中が苦戦する道理よな!!』
「笑っとる場合かマクスウェル。奴ら明らかに強いぞ。“世界”との結びつきが強いのか……?」
『フン、ここで連中の力を見極めるまでよ。それまでオマエはそこで姫のように捕らえられておれば良い』
大剣を床に突き刺し、マクスウェルは静かに佇む。
『さあ来い、異界の救世主よ。その力で、世界を救えるのならばな!』
ロッソの艦橋でマイクを手にナサニエル・カロッサ(kz0028)がやや気の抜けた宣言を行う。
実験に参加する面々は既にロッソ内部に収容済み。後は転移装置を起動してみるだけだ。
「ちょっと……場所とか一切関係なく、この場でやるの?」
「んー、ゲートが使えるならゲートに近づいてやるとか手はあるんですが……奪い返してないですからねぇ」
ラヴィアンが不安がるのも無理はない。一応、龍園からは少し移動させはしたものの、雪原の真っただ中に着陸した状態で実験を行うのだ。
「なんかこう……門みてぇなのを超えたりとか……飛んだりとかするイメージがあったんだがな」
ごくりと生唾を飲み込むダニエル・ラーゲンベック(kz0024)。雰囲気も何もあったものではない。
しかし、船全体に伝わってくるかすかな振動は強化されたマテリアルエンジンの唸りを伝えてくる。
「エンジン臨界点! 憑龍機関、正常に動作!」
「転移プログラム起動実験開始! 龍鉱石のエネルギー変換率60%!」
「おおー、わりといけそうですねー。あんなにムチャしたのに」
「院長、そういう事さらりと言うのやめてくれません?」
クリストファー・マーティン(kz0019)は笑顔だが、目が笑っていない。
「カウントダウン開始してください」
「転移カウント開始! 10……9……8……」
「ブリッジより勇敢な冒険者諸君へ。転移先で何が起きても不思議じゃありません。とにかくあらゆるショックに備えてくださいね~」
「6……5……4……」
「頼むから地球に戻ってよ……!」
「2……1……0。転移開始!」
まばゆい、青白い光がサルヴァトーレ・ロッソを包み込む。
その箱舟に乗り込む誰もが奇妙な浮遊感に包まれた直後、ロッソはクリムゾンウェストから姿を消した。
衝撃の余波は、ロッソの着陸地点周辺の大地をごっそりと抉り、やや遅れ、衝撃派が氷の大地を薙ぎ払うのだった。
『友軍艦隊の損耗率が3割を超えています! 隊長、これ以上はもう……!』
『つったってなぁ、帰る場所もねぇんだぞこっちは! CAMに単独の大気圏突入能力はねぇし……崑崙が落ちたら終わりなんだよ!』
『た、隊長……隊長! 前方の敵陣に……何か……!?』
傷ついたCAMの小隊が動きを止める。正面には撃破すべきVOIDの中型母艦級以外には、撃破された友軍艦とCAMの残骸が浮遊するのみ……の、はずであった。
『なんだ……?』
その何もないはずの宇宙空間が突如歪み、ねじれていく。
まばゆい光を放ちながら何か巨大な物体の先端が飛び出してくると、それを察知したCAM部隊は一斉に後退した。
『ワープか!? VOIDはついにワープするようになったのか!?』
『違います隊長! あれは……サルヴァトーレ級ですよ! データ合致! 行方が分からなくなっていた、一番艦です!』
ロッソはその先端で中型VOIDを粉砕しつつ、転移を完了する。そして当然、艦内は大混乱に陥っていた。
「転移実験成功……しましたが、転移直後に何らかのVOIDと接触した模様! 地球の……えーと、狂気型です! というか~、囲まれています!」
「んんんん~!? よくわからねぇが、全砲門開け! VOIDの反応なら味方じゃあねぇんだ。近づく奴は全部撃ち落とせ!」
ダニエルが叫ぶと同時に、ロッソは戦闘を開始する。その最中、ラヴィアンは周囲の状況を確認し絶句した。
「まさか……火星あたりかと思いきや、ここって月の目の前じゃないの! 地球の絶対防衛線! ここまで攻め込まれるなんて……」
「私全然何もわかっていないのですが、ひょっとしてピンチですかねぇ?」
「大ピンチよ!」
「こんなこともあろうかと準備してましたからねぇ。機甲部隊は出撃準備を。魔導スラスターに換装したヘイムダルと魔導アーマーも出します。ところで中尉、目的地は?」
ラヴィアンに胸倉を掴まれながらも淡々と話を進めるナサニエル。
その落ち着きように毒気を抜かれたのか、ラヴィアンは深呼吸を一つ。
「月面基地崑崙に向かって! そこでトマーゾと合流するわよ!」
「周りでやられてるの友軍ですよね? どうするんです?」
「可能な限り回収! 艦長、私とクリスも出るわ! 月面までロッソで降ろして! 崑崙に直接乗り込む!」
「あ、やっぱり俺も行くんだね……っと。クリムゾンウェストの皆にも宇宙服の着用を徹底させるんだ。ここは、リグ・サンガマよりも寒いからね」
『隊長、サルヴァトーレ・ロッソから友軍です! 何か見慣れない機甲兵器も確認!』
『わけわからんが撃ってこないなら味方だろう! 援護だ! やられた奴はロッソに運び込め! 全兵装というか判断自由!』
『隊長!? なにかコックピットがほぼ露出している四本足のロボットが飛んできます!』
『んんん!? 間違って撃ち落とすんじゃねぇぞ!』
『ぶ……ふ、ふはは! はーっはっはははは!! 面白い、面白いぞトマーゾ!!』
「本当に……来たのか、サルヴァトーレ・ロッソ……!?」
外部の様子を映し出すモニターの前で正反対の反応を見せるマクスウェルとトマーゾ。
ロッソは周囲の友軍と協力し、VOIDを撃退しながら月に降下してくる。つまり、この崑崙を目指しているわけだ。
『よもや本当に世界の壁を超えるとはな……だが、見たところあれでは不完全だぞ?』
マクスウェルの言う通り、トマーゾが観測するデータは、彼らの転移が不完全であることを示していた。
だが、今はそれでもいい。多少不完全なくらいの方が都合のいいこともある。
『トマーゾ……連中はオマエを救いに来たのだろう? ならばここで待てば、“希望”と対峙できる寸法よ』
そこでトマーゾは思わず息を呑んだ。
今は黙示騎士と名乗るこの怪物は、生半可な人間ではまったく相手にならない。
仮に向こうへ送ったラヴィアンが戻ってきたとして、あのままのロッソが帰ってきたとして、マクスウェルには太刀打ちできないのだ。
「いかん……来るな中尉! 今戻ってきては、早すぎ……る?」
『ほう?』
崑崙内部に突入してきた部隊は、人間離れした戦闘力でVOIDを一蹴する。
そんな監視カメラの映像を見たトマーゾは目をまん丸くし。
「……クリムゾンウェスト人強くない?」
『はははははははは! いいぞ、最高だ! これでは向こうの連中が苦戦する道理よな!!』
「笑っとる場合かマクスウェル。奴ら明らかに強いぞ。“世界”との結びつきが強いのか……?」
『フン、ここで連中の力を見極めるまでよ。それまでオマエはそこで姫のように捕らえられておれば良い』
大剣を床に突き刺し、マクスウェルは静かに佇む。
『さあ来い、異界の救世主よ。その力で、世界を救えるのならばな!』
リプレイ本文
該当リプレイは以下のURLの特設ページで公開されております。
http://www.wtrpg10.com/event/bt012/opening
http://www.wtrpg10.com/event/bt012/opening
依頼結果
依頼成功度 | 成功 |
---|
MVP一覧
重体一覧
- 白き流星
鬼塚 陸(ka0038) - 魂の反逆
ウィンス・デイランダール(ka0039) - 和なる剣舞
オウカ・レンヴォルト(ka0301) - カコとミライの狭間
ジョージ・ユニクス(ka0442) -
上泉 澪(ka0518) - 真実を見通す瞳
八島 陽(ka1442) - 巡るスズラン
リュー・グランフェスト(ka2419) - The Fragarach
リリティア・オルベール(ka3054) - は た ら け
鵤(ka3319) - 友と、龍と、翔る
グリムバルド・グリーンウッド(ka4409) - 不破の剣聖
紅薔薇(ka4766) - フリーデリーケの旦那様
アルマ・A・エインズワース(ka4901) - 金色のもふもふ
パトリシア=K=ポラリス(ka5996) - 一肌脱ぐわんこ
小宮・千秋(ka6272)
参加者一覧
サポート一覧
マテリアルリンク参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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選択肢3相談 2 コントラルト(ka4753) 人間(クリムゾンウェスト)|21才|女性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2016/08/02 13:49:10 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/08/01 23:08:12 |
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選択肢1相談 シェルミア・クリスティア(ka5955) 人間(リアルブルー)|18才|女性|符術師(カードマスター) |
最終発言 2016/08/02 14:36:03 |
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質問宅 シェルミア・クリスティア(ka5955) 人間(リアルブルー)|18才|女性|符術師(カードマスター) |
最終発言 2016/08/01 15:12:38 |
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選択肢3相談 シェルミア・クリスティア(ka5955) 人間(リアルブルー)|18才|女性|符術師(カードマスター) |
最終発言 2016/08/02 11:18:11 |
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行動先選択 シェルミア・クリスティア(ka5955) 人間(リアルブルー)|18才|女性|符術師(カードマスター) |
最終発言 2016/08/02 01:39:50 |
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選択肢2相談 シェルミア・クリスティア(ka5955) 人間(リアルブルー)|18才|女性|符術師(カードマスター) |
最終発言 2016/08/02 14:09:38 |