熱に沈む

マスター:音無奏

シナリオ形態
イベント
難易度
普通
オプション
参加費
500
参加制限
-
参加人数
1~25人
サポート
0~0人
報酬
寸志
相談期間
5日
締切
2016/08/09 07:30
完成日
2016/08/18 03:23

このシナリオは5日間納期が延長されています。

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング

 日差しが街を満たす。
 漆喰塗りの建物は光を受けて一層白く映り、遠く見える海は眩しいくらいに輝いている。
 幾ら海に囲まれたリゼリオとは言え、好きな時に海にダイブ―――などともいかず、街を襲う猛暑に、大抵の人は建物に閉じこもりだらけていた。

●微熱
 外がどれだけ過酷だろうが、外に出ざるを得ない時は存在する。
 日除けに白い服を羽織り、帽子を被って――それでも尚降り注がれる熱は遠慮なく人の体力を奪い、水分を消していく。
 最初は耐えられるだろうが、徐々に湧き上がる喉の渇き。体にまとわりつく熱を日差しのせいだと思い込み、それを我慢すると思考が朦朧とし始める。微妙な耳鳴りでようやく自覚症状を得られるかどうかというところで―――結果、炎天下でぶっ倒れる人間がまた一人増える事になった。

「困りましたねぇ」
 そう呟くのはハンターズソサエティが用意した医務室の勤務医だ。
 元々正式な医療機関ではないので、そう大規模なベッドや設備が用意されている訳ではない、軽い症状なら受け入れる事こそ出来るが、熱中症を量産されると数の面でお手上げだった。
 足下には大量の水を詰め込んだ桶、しかし水だけあってもベッドが足りず――ー結果、ハンター達に一つ提案がされる事になった。

「ギルド街から少し離れた所に、もう使われてない病院跡地があります」
 住宅街から離れているため、少し前にもっといい場所へ移転した名残との事だ。
 掃除されてないため軽く埃が積もってはいるが、別段荒れても肝試しスポットにもなってない、それなりに明るい立地にあり、清潔な印象を保ったままだからだろう。
「その内何かに使おうと思ってたので、今はハンターズソサエティの管轄ですね。そこに臨時でハンター用の休憩所を用意しようと思うので、まだ元気な人は手伝ってくれますか?」

●病院跡地
 ギルド街から郊外に向けて歩き、緑に挟まれた散歩道を抜ければ件の病院にたどり着く。
 庭にはかつては綺麗に整備されていただろう生け垣があり、中央に今は止まってる噴水がある。
 喧騒を避けるためだろう、確かに立地は悪い、しかし白い外壁にアースカラーの庭は人を安らがせる工夫がされており、実際に行ってみると此処には病院じゃなくて療養所を建てるべきだったと思うかも知れない。

 建物の内部は特に変哲のない小さな病院だ、50人くらいは寝かせられそうだが、ハンター達が利用する分にはそこまでする必要はないだろう。
 寝台はそのまま残されている、雑巾を持って埃を拭き、倉庫からマットを持ちだして、最後に医務室から支給されたシーツを被せ、カーテンで仕切りを作ればそれなりになるはずだ。

「寝るだけならまぁ、掃除だけでいいでしょう」
 そう言いながらも消毒用アルコールを手にするのは勤務医の性か、大きな脚立を持ち出してくると、天井に数枚の羽根を持った大きな魔導装置を取り付けた。
「空気を循環させる魔導装置です、病室は余り日差しが入らないのでさして暑くありませんが、これでもっと良くなると思います」
 とは言え、数がある訳ではないので大きな病室に男女別で一つずつ用意するのがせいぜいだ。
 別棟に行けばベッドも個室もあるが、涼むためには窓を開ける必要があるだろう。

「裏には井戸も川もあるので、必要に応じて水を汲み、タオルを濡らして体を冷やしてください」
 元は洗濯をする場所だったという、広い緑の庭に幾つものの物干し台が立ち並び、日差しのせいで多少暑く感じるが地形のせいか風も強くて涼しい。時折風に揺れる木々が波のような音を立て、猛暑でさえなければ気持ちのいい裏庭だと言えるだろう。

「後まぁ……当然ですが、服は緩めてあげてくださいね」
 心配しなくても患者の体とか興味ありませんよ、と勤務医は苦笑を崩さない。
 風通しを良くして熱を逃がすのだという。
「同性同士でやってもらうのが一番ですが、どうしてもという事でしたら呼んでください」
 勤務医は女性だが、別に男性を診るのも問題ないという、本人の言う通り、ただの処置相手だとしか見てないのだろう。

 もし食べるものが欲しくなったらギルド街まで降りる事になる。
 いきなり冷えたものを口にすると頭痛を起こす可能性がある、多少冷ためなくらいでちょうどいいだろう。
 尤も、食べるのと寝るのどっちを取るかはハンター達によるが。一仕事して眠くなっても誰も咎めないに違いない、幸いベッドだけは多数確保されているのだ。

 日差しさえ受けなければ、眩しいくらいの夏の一日。
 熱にバテたハンター達を招き、病院内は休息に静まっていく……。

リプレイ本文

 …………暑い。

 手をかざした程度では気休めにもならない眩しさ、白く綺麗な石畳はたっぷり日差しを吸収した結果、太陽と共にある種の殺人兵器になりつつある。
 炎天下を抜け、ハンターズソサエティに入ってどれ程ほっとした事か。
 空いてる椅子に身を投げ出し、トルステン=L=ユピテル(ka3946)は水を呷る。暫くだらけたいな、と思ってる横で自分と一緒に来た同級生はしかし実に物好きで―――ルドルフ・デネボラ(ka3749)が休憩所の手伝いに頷いたのを見ると、ステンは心から「マジかよ」って思った。

 ………………。
 俺には関係ないぞ、とステンが傍観を決め込んで三分。
 おせっかいな同居人はその間キビキビと動き、ついには台車を持ちだして物資を運ぼうとしていた。
 この暑さでする事かよ、というのが正直な感想だ。挙句手際はいい癖にシーツの重さにふらついてたりする。

 …………、フン。
 数々の悪態が頭に浮かんでは口から出る事なく消えていった。
 代わりとばかりにすたすたと歩き、手を差し込んで支えてやる。
「わっ……あ、有難う」
「うるせー。こんな天気で外出るとか馬鹿? 馬鹿ばっかですかー?」
 返事がそれかよ、とルドは思わず苦笑する。とは言え、今に始まった事じゃない。
「いや? そんな事はないよ」
 ルドのあっさりとした返事に、ち、とステンはシーツを荷台に投げ込んだ。
 外に向かって数歩歩き、振り返る。ルドが荷台を押しながらついてきてるのを見ると、いよいよ不機嫌そうに外へと向かった。

 入り口まで向かって、予想通りの炎天下。
 ……ああ、こうなるってわかってたのに。


 箒と雑巾を入れたバケツを抱え、ディーナ・フェルミ(ka5843)は病院内を早足で歩く。
 もう暫くすれば休む人が到着する、その前に部屋だけでも掃除と準備を終わらせなければいけない。
 病室の扉を開け、掃除道具を下ろす。上から簡単に埃を落とし、箒で清め、細かいところは雑巾で拭って行く。灯りのついてない病室を見渡し、いい場所だ、とディーナは心の底から思った。
 頑丈で―――安全で、壁は崩れてなく――ー寒くない。
 ボロい家―――もしくは家未満が持つ湿っぽさがなく、かつて身を置いていた貧しかった開拓村を思い出し、本当にいい場所だともう一度思った。

 窓からは外の様子が見えるらしい、一階だし試しに乗り出して覗いてみる。
 遠目にハンター達の姿を認めて顔がぱぁっと明るくなり―――しかし見覚えのある金色のもふもふ頭がいつもより高い位置にあるのを見るとはてなが浮かぶ、それが誰かに背負われぐったりしてるからだと確認した瞬間、ディーナは大慌てで病室を飛び出していった。

「ぷぇー」
 パトリシア=K=ポラリス(ka5996)は重傷だった。
 ちょっとリアルブルーの転送実験についていったらこの状態である。戻ってきて早々万歳丸(ka5665)に捕まり、聞けば医務室は満員とかで背中に乗せられ、別の場所に臨時で用意された休憩所に連れて行かれようとしていた。
 傷は痛いが背負われているおかげで視線がいつもより高い、上から見るギルド街はちょっと面白かった。
 休憩所に到着すると、掃除してたらしきディーナが走って来る。「大丈夫なの!?」とあわあわしている彼女に手を振って「だいじょーぶダヨー」と答え、ベッドに放り込まれると「はふー」と早々にだらけモードに入った。
「よく帰って来たな!」
 隣でしゃがみこんだ万歳丸に背中をパンパンされる、体の傷が少し軋んだが、パティは嬉しそうにへにゃりと笑った。
「マルも、いっぱいがんばった、ネ。」
「ん?」
 闘祭の事だ、彼が優勝した事はパティも聞き及んでいた。とーさいデゆーしょーデキるくらいしゅぎょーしたの、スゴイの、かっこうよいんダヨ! と言えば、彼はああ、と頷いて笑った。

「マルは、どーして強くなりたいノ?」
「んー……」
 万歳丸が少し考えこむような素振りをする、パティが寝ているベッドを背もたれにして床に座り、真っ白な天井を見上げた。
「両親が深手を負った時、近くの集落に助けを求めたんだ。でも俺が鬼だった事が先んじて、怯えた人間達は助けてくれなかった」
 いつもと違う、静かな口調だ。理屈上では受け入れてるのだろう、その時は鬼にも人間に敵対してる者がいたのだ。
 何も思わないとは言えない、でも、今思うのは過去の事じゃない。
「だが、いつ迄もそれじゃァしまらねェ。下らねェ禍根は一つ残らず吹き飛ばしてェ」
 其のためには鬼の自分が強く成るのが近道だと思ったんだ、そう言葉を締めた。
 パティは何も言わない、少し手を伸ばしかけたが、やめた。それは安易であるために侮辱になりそうだと思っての事だったが、気づいた万歳丸に「気にするなって!」と逆にパシパシされてしまった。
「んむー」
 そこまで言わせた以上手を止める理由はない、遠慮無くわしゃわしゃとさせてもらう。
 強さに関して、パティはよく考えた事はない。でも譲りたくないものは増えてきたと思う。
 ただ、その時譲らずに済むかどうかパティにはよくわからなかった、何しろこれほどの傷を受けてしまうのだ。
 難しい事を考えて、へにゃりとなった。でも角はさわさわする、実はずっと気になってた。
「ってお前途中から触りたいだけになってねェか!?」
「ふへー……」

 後から此処は男部屋じゃないだろうかと思ったが、カーテンを開けて外を見たらルドとステンがいたのでパティは考えるのをやめた、考えなくていい状況が揃いすぎてた。


「ではでは、ごゆっくりなのです!」
 掃除された個室をアシェ-ル(ka2983)に引き渡してもらい、皆守 恭也(ka5378)は小さく会釈をして部屋に入った。
 発端と言えば律が帽子をかぶらずに外で遊んで倒れた事だ、しかも大部屋を嫌がったので、仕方なく設営側に頼み込んで個室を借りる事にした。助かったとも、有り難いとも思う。
「きょーやぁ……」
 甘えてくる主、綿狸 律(ka5377)の頭を撫で、彼を支えてベッドに寝かせる。
 水とタオルが必要だな、と一度部屋を出て調達しようとすれば、律が体調の悪さにも関わらず起き上がってきて自分を引き止めた。
「待って、行くな!」
 振り返って見ると、律は恭也を掴んだままそれ以上を言わない。
 どうしたものか、と恭也は思案する。優先順位的はお願いの方が上だが、かと言って体調をこのまま放置するのもまずい。少し考えた後、部屋からは出ないから、と頭を撫でて、ドアまで歩いて行くと、先ほどの女性を呼び戻してタオルと水をお願いする事にした。

「はいなのです、すぐお持ちしますねー!」
 アシェールにぎこちなく礼を言って、恭也は主の側に戻る。
 そもそも最初から帽子被ってればこんな事にはなってないんだからな、と小さくつつくと、律は居心地が悪そうに「ごめん……」と呟く。
 アシェールが持ってきた水やタオル各種を受け取り、タオルを水に漬けて絞る。冷えたタオルを律の首元に差し込み、冷たさに逃げようとする律を、小さく額を押さえて押し留めた。
「すぐに慣れる」
 律は不服そうだったが、恭也の言う通り数秒後にはタオルもぬるくなったはずだ。続けて恭也が差し出したコップに口をつけ、一口飲むと律は「げ」と言った顔をした。
「……これ、不味い……やだ……」
「飲め」
 恭也の言葉に律はぷいとそっぽを向く、この言い方ではお気に召さなかったらしい。
「……悪かった、頼むよ、飲んでくれ。律には早く元気になって欲しいんだ」
 恭也が言い直すと、律は少し視線を戻し、しょーがないなぁと少し照れくさそうにコップに口を付け直した。
「……うぇ、まずい」
 何度か分けて飲み干し、終わると疲れたのか、息を吐いてうとうとし始める。
 背中をリズムよく叩かれる感触、律の意識は急速に眠りへと落ちていく。
「きょーや、何処にも行くなよ……? オレ、一人は嫌だからな……?」
「ん……大丈夫だ、ここにいるよ」
 熱中症は怖いという反省、そして伴侶がいてくれて良かったという思い、承諾に安心感が募り――律の意識はそのまま途切れた。


「ふんふ~ん♪」
 アシェールは厨房に戻り、機嫌が良さそうに雑巾がけをする。
 元が綺麗だからか掃除のし甲斐がある。一通り終わらせると水汲み用の鍋を抱え始め、両手で一つずつひっつかみ、更に頭にも一つかぶるという超積載仕様で裏庭へと向かった。
 途中やはり掃除の手伝いに来ていたらしいザレム・アズール(ka0878)と出会い、向こうには少し妙な顔をされたが、アシェールは機嫌の良さのままに明るく手を振ってすれ違う。
 鍋を一つずつ並べ、零さない程度に水を汲んで、両手で抱えると病室の方に運び始めた。

 暑い、両手が塞がっているから手で日差しを遮る事も出来ない。
 帽子が頭の代わりに加熱されて行くのを感じながら、アシェールはなんとか鍋を病室まで運びこむ。
「換えの水ですよー」
「あ、有難う」
 扉を開けるために一度鍋を下ろし、ふへーとなっていると部屋の中からユリアン(ka1664)が顔を出し、代わりに鍋を運んでくれる。
「どうもなのですー」
 バテ気味だったから有り難い、そんなアシェールの様子を見たのか、中で用意してたらしくユリアンがレモングラスティーを出してくれた。

 部屋の中ではダリオ・パステリ(ka2363)が休憩をとっていた、寝るのは余り落ち着かないのか、少し水を飲んだ後ベッドに腰掛けている。
 病院内であるために今はいないが、全ては愛犬である豊後守のおかげだ。
 鍛錬にめり込んだ余りに日差しが強くなった事に気付かず、目眩から倒れたところにアルヴィン = オールドリッチ(ka2378)を引っ張ってきた。
 やや世間ずれした親友はこういう時どうするんだっけ、と一秒だけ固まり、自分を支えて此処に連れてきた。今まで様子見の声をかける以外静かだったが、水を飲んで落ち着いたのを見ると「モウ大丈夫カイ?」といつもの調子に戻って問いかけてくる。
「うむ、心配をかけたな」
 気にシナイデ、と彼は軽やかに笑った。天気が過酷なのだから仕方がない。
「ソウ言えばネ、リアルブルーには病気に強くなるヨウ願う儀式がアルのダッテ」
 冬の頃に敢えて寒い中で体を布で擦る事で体を強くする『寒風摩擦』なる儀式らしい、体を強くして病気を祓うなら夏にやってもいいんじゃないかというのが彼の主張だ、彼なりにダリオを心配しての事だろう。
「シカモネ、これ、ソトでやるものらしいんダ」
 アルヴィンがニコニコしながら言う、夏だから熱風摩擦ダネ、と無邪気に言うが部屋の隅っこにある二つの十面ダイスに【96】と書いてあるのはきっと関係ないに違いない。
「そ、そうなのか?」
 妙な予感にダリオは首を傾げるが、それが嫌な予感と呼ばれるものである事には気付けていない、そのままジャア行こうカとアルヴィンに連れて行かれようとしている。
 部屋を振り向くが、助言をくれそうな人はいない。ユリアンに至ってはいってらっしゃいと笑顔で送り出される始末だった、多分天命が悪い。
 二人が出て行ったのを見た後、ユリアンは少し考えこみ、きっとあったほうがいいだろうとアシェールが持ってきた水で冷えタオルの作製に戻っていった。


 木々の茂る裏庭は、日差しによって強いコントラストを示していた。
 風が枝葉を揺らし、その度に影絵が陽炎のように揺れる。
 炙られる暑さに少し息を吐いて―――ステラ・フォーク(ka0808)は金色の髪をなびかせ、林の中に入っていった。
 日陰の濃いところを探し、シーツで作ったハンモックを吊る。慎重に強度確認をした上で腰かけ、本を抱えて寝そべった。
 遠回しな暑気が眠気を誘う、本を読もうと思って来たはずが、一眠りしてからになってしまいそうだ。お兄様、と唇が動く。このような時間なら、実兄と共に過ごしたい気もした。

 トリス・ラートリー(ka0813)もまた外で休む場所を探していた。
 海を探し、かすかに聞こえる潮騒を頼りに歩みを進める。結果、裏庭を抜け、敷地外に出てしまったあたりで砂浜を発見した。
 徒歩五分か十分くらいだろうか、散歩で歩いてこれる範囲だと判断して、トリスは手近な木陰を見繕い、腰を下ろした。病院の姿は振り返れば見える、その事に安心して、愛刀を抱えたまま目を閉じる。
 感覚に残るのは風が運んでくる夏の気配と、耳に繰り返し響く子守唄のような波音。
 うたた寝の意識に家族の顔が浮かび、その内婚約者と帰ってもいいかもしれない、と幸せに満ちた願いを一つ心に抱える。
 ……ああ、しかし今帰るにはまだ少し心残りがある。リゼリオの魚介類をまだ食べたことがない、美味しいかどうか分からないが、一度試してみたかった。

 幾つかの思索を巡らせていると、ついに意識を留める事が出来なくなる。優しい眠気に引っ張られるまま、トリスの意識も落ちていった。


 病院内の大部屋には、幾つかバテ気味の人間がベッドに転がっていた。
 倉庫からマット各種を運び終え、鞍馬 真(ka5819)は内心ガッツポーズをする。正直手伝いの中では一番しんどい仕事だったが、なんとかやり遂げた。
 本当は真も休むために此処まで来たのだ、しかし他の人が働いてたりぐったりしてると休めなくなるのは性分というか―――働いた後でも休めるのだと思った結果、ぐったりするまで働いてしまった。
 バテ気味になりつつある真に、央崎 遥華(ka5644)が「ベッド使っていいですよー」と声をかける。手をあげる事で軽い返事として、言葉に甘えベッドに体を預けると、遥華がピュアウォーターで綺麗にした水を運んできてくれた。

 天気には勝てなかった、とジャック・J・グリーヴ(ka1305)はベッドに突っ伏してた。
 何もしない事にはどうしても焦りを感じてしまう、結果が足りないならその分動いてもぎ取って来ればいい―――が、その前に一回休みを貰ったのが現状だ。
 もどかしさはあったが、仕方ないか、と思い直すポジティブさもあった。むしろどうやったら早く立ち直れるか考える方が性に合っている。

 ―――そうだ、服が邪魔に違いない。
 建物内は確かに涼しかったが、汗で服はべたついていたし、何より風が当たらなくてイマイチ物足りない。
 結論が出た以上、ジャックは服を掴んで爽やかに脱ぎ捨てた。素肌が晒される清涼感と共にフッ……とポーズを取る、鍛えに鍛えた体には自信があるのだ。
 後は足りないのは飲み物か、こればかりは外に頼むしか無い。ベッドを仕切るカーテンを掴み、外に出るべく開け放って。
「飲み物をくれ!」
 そう言って盛大にカーテンを開けた瞬間、巡回に来たらしい女医と鉢合わせした。
「…………」
「…………」
 俺様の体はどこも恥ずかしいところはない、そのはずだ。
 しかし半眼で見つめられるとなんか自分が悪い気がしてしまう、かと言って退却も漢らしくない、ジャックはそのままフリーズしていた。
「飲み物が必要なの?」
 全く空気を読んでないらしくディーナがとことことレモネードを運んでくる、女医はそれを受け取ると「どうぞ」とジャックに差し出した。
「アリガトウゴザイマス……」
 これは戦術的撤退だ、敗走ではない。

 なんか隣が賑やかだなぁ、と思いながら藤堂研司(ka0569)はベッドの上で寝返りを打っていた。
 少し前までは研司も掃除組だった、他の人とも協力して大部屋の掃除を一通り終わらせた後、夏バテを癒やすのも兼ねて休養組に回っている。
 カーテンで隔離されてるのをいいことに寝ながらの読書だ、雑誌ラックを漁ったら少し日付が古かったが「リゼリオ日報」という普通の新聞から「リゼリオ美食歩き~他人に教えたくない隠れた名店」だの「同盟観光ガイド~歪虚に遭遇したらハンターズソサエティへ」など誰が書いてるんだこれという妙な雑誌まで発掘された。
 「この世界は脅かされてる! ~貴方が知らない13の脅威」なるオカルト誌に至ってはそりゃあ脅かされてるよなぁという感想しか出てこない。いやいやゴシップ誌が読みたいんじゃなくて、とまともな本を探しに行ったらユリアンに「医術書だけど、読みます?」と薬草図鑑を差し出されてしまった、サバイバルを得意とする研司にとっては案外興味深かったのでそのまま読んだ。

 本をめくる音が静かになる、どうやら研司がベッドの上で寝落ちしたらしい。
 最初は大部屋も男女別に分かれていた気もするが、最早誰も気にしていない。手違いで投げ込まれたパティは最初冷たさを求めて寝台の欄干部分をさわさわしてたが、ついに野生に還ったのか床に張り付いて涼み始める始末だった。

「っと……おい、あぶねーな」
 パティを踏んづけかけ、作りたてレモネードを運んでいたステンが思わず足を引っ込める。
 なんで此処にいるんだ、と思いや面子の中では掛け値なしの重傷で、ステンはパティの首根っこを掴むと再びベッドの方に放り込んだ。
「ベッドは余り涼しくないんダヨー」
 不服そうなパティにうっせ、と言って冷えタオルを顔に投げつける。本来のベッドの横ではちょっと前までパティを看病していた万歳丸がベッドに背中を預けたまま爆睡していて、しかも頭には何故かリボンが二つ結ばれていた。
 ……楽しそうじゃねーか。
 俺には関係ない、とステンがそっぽを向いたところで裏庭に果物を冷やしに行ったルドが戻って来る。
 部屋に戻るなりタオルを頭に乗せてうにょーとしているパティを見て何してるのと苦笑して、裏の井戸で冷やして来たらしい果物を傍らに置く。それと、とステンに冷えたての水筒を一つ投げ渡した。
「水ならまだあるぞ、タオルはさっき一個使ったが」
「ううん、これは俺達の分」
 ……そうか、と返事に少し間を開けて、ステンは水筒を開き水を呷った。


 掃除も一通り落ち着いた頃、星野 ハナ(ka5852)がザレムの所にやってきていた。
「ザレムく~ん! 暑いけど元気でしたぁ? こんなところで会えてうれしいですぅ」
 下から見上げて来る笑顔が近い、すぐにでも触れられそうな距離―――というか、完全に踏み越えているが、いつもは好きにさせるそれをザレムは今回少し押し留めた。
 一度大部屋に立ち寄り、レモネードを二人分貰って人の少ない場所に足を向ける。片方を星野に渡し、落ち着く場所で足を止めた。
 最初、星野は誰にでも人懐っこいのだと思った。朗らかで、好意を当たり前のように向けてくるから、気付くのが遅くなっただけで―――。
「星野。この前、任務中にジャレてきた理由って……」
「もちろんザレムくんが好きだからですぅ」
 その好きは普遍的な好意ではない。強くてかっこいい人が好きだと、彼女になりたい、と星野ははっきりと口にした。
 そうか、という納得。それに申し訳ないという線を引いて、覚悟を決める。
 好意をかわす事のどれほど精神力がいる事か、どうやって口に出そうか悩んで、後を引かないように、一言で思いを断つ言葉を口にした。
「有難う星野、でも、俺、好きな人がいる」
 応えられない事に対する心苦しさはある、申し訳無さもあったが、好きになってもらえて、存在を認めて貰ったかのようなそれに、最初に口にするべきは謝罪ではなく、感謝だと思った。

 ハナは、時間が止まったかのようにその言葉を聞いていた。
 ―――好きな人がいると、ザレムは口にした。
 片思いだから告白してはいないけど、思いやりのある優しい子を好いていると。

 どうしよう、と感情を留めた思考で考える。望む結果ではなかったが、ちゃんと向き合って貰った。ならば此処は気に病ませないように、余裕を持って引き下がるべきだとハナの思考は告げていた。
 口元は笑みを作る。口を開いて何か言おうとした瞬間、決壊した涙が溢れだした。
「あー……」
 失敗した、と思った。
 気遣わせないようにと思ったはずなのに、相手の表情は明らかに自分を気遣うそれだ。
 情けないと思った、こんな姿は見せたくなかった。なけなしの意地すら守れない自分が惨めで、それでもなんとか思いを完遂しようと、震える声で言葉を口にした。
「そんな気はしてたのでぇ……お気になさらずぅ……」
 数歩後ずさり、そのまま駆け出した。

 ―――それは残念ですぅ。
 いつもならそう言ってただろう、キャラを作った一言は、結局口に出せずじまいだった。

 走り去る星野を見送り、ザレムは何かを決意したかのように拳を握りしめた。


 ―――川に飛び込む。隠れるかのように水の中に入って行って、腰まで浸かったあたりで座り込んだ。
 冷たい感触が気持ちいい、しかしハナの心の癒やしにはならない。
 水を掬い、何度も顔を埋める、頭は冷えていったが心は痛くて……冷静になった頭で気持ちを見つめなおしたが、やはり悲しいとしか思えずもう一度涙していた。

 水に浸かって二十分、いい加減に涙も尽きる。
 見上げた空は変わらず青くて、ハナの気持ちなどどこ吹く風で―――。
「あー、私の夏、終わっちゃいましたぁ……」


 裏庭ではアルヴィンに吹きこまれた謎知識に従い、ダリオが熱風摩擦なるものを実践していた。
 上半身を脱ぎ、タオルで背中や腕を擦る。動きが大きいためにその分汗が出るが、それもまた擦る、無限ループだった。
 事前にたっぷり水を飲まされたためなんとか耐えられてるが、降り注ぐ日差しにはいかなる壮漢だろうがその内バテる、微妙に回転し始めた意識で「それがしの兵が倒れた時は木陰に水を取らせ休息を与えておったな……」などと思い出す、走馬灯だった。

 一方、別の場所ではショウコ=ヒナタ(ka4653)が洗濯を終え、小川にジュースを浸したまま昼寝としゃれこんでいた。
 衣服はまだ干してる最中だから身に着けているのは下着とタンクトップのみだ、とは言え人目を気にする様子もなく、日陰で気持ちよさそうに伸びている。
 高瀬 未悠(ka3199)も洗濯組だったが、気づいた頃にはショウコの姿がない。
 またサボっているのか、と少し呆れ気味に探しに行くと、人目を気にせず―――それこそ場所も余り気にしていない状態でショウコが転がっていた。
「ショウコ……!?」
 余りにも堂々と寝ていたため、それこそ倒れたのではないのかと錯覚した。
 抱き起こして頬を叩くが、熟睡したショウコにとっては魘される事しか出来ない。それを重症だと勘違いした未悠は慌ててショウコを背負い、救護所へ突撃した。

 余りの勢いに数少ない女部屋の面子が振り返る、そのままベッドに運ぼうとしたら、当のショウコが寝ぼけ声を上げて目を醒ました。
「……なんだこれ?」
「良かった、意識が戻ったのね……!」
 ベッドに降ろされ、いや、寝てただけなんだけどと弁明すると未悠のジト目が向けられる。暫く何か言いたさそうだったが、力が抜けたかのような息を吐いて、ショウコの隣のベッドに潜り込んだ。
「言いたい事がたくさんあるけど今は休むわ、少ししたら起こしてちょうだい」
 焦りからの気疲れだろう、ショウコが視線を向けていると、未悠は割りと早めに眠りに沈んだようだった。
 暫くその様子を眺めていると未悠の唇が少し動く、何か言ってるようだと思って近寄ってみると「無事で良かった」という呟きが耳に届いた。
 なんとも言えない、しかし静かで優しげな沈黙。ショウコはベッドからぬけ出すと裏庭に戻り、洗濯物と、ついでにジュースを回収すると、一つを縄から外して未悠の枕元に置いた。
 言葉を介さない優しさは、無事未悠が目を醒ました後に届く事になる。クールな顔の、少し嬉しそうな笑顔を添えて。


 ヴィルマ・ネーベル(ka2549)の目が覚めた時、最初に見覚えのない天井が目に入った。
 ……なんでだっただろうか、思考を巡らせても重りに引っ張られるように上手く行かない。
 部屋は暗く、灯りがついていない。窓は開けられているらしくかすかな光が差しこむが、薄手のカーテンに殆どが遮られていた。

「……ヨルガ?」
 体のだるさに負け、起き上がる事を諦める。小さく名前を呼んでみると、すぐ側からヨルムガンド・D・アルバ(ka5168)の返事と、手を包む感触がした。
「いるよ」
 どうやら暗くて見えていなかったらしい。返事が返ってきた事に安堵し、体の力を抜く。

 ……そうだ、自分は。
 暑さに負け、部屋に戻って休もうとしたところをそのまま倒れたのだったか。
 懐かしいような、軽い失敗をしたような、不思議な気持ちだった。そのくせ焦りはなく、それどころか安心感の方が強くて―――理由なんて今更考えるまでもなかったが、安心して身を任せられる人がいる事を実感して、ふ、とヴィルマは笑みを漏らした。
「元気そうだね」
「いや、とてもだるいぞ?」
 笑っているのは別の理由じゃ、と笑みを転がす。
 そんな事をしていたら、ヨルガの指が額に触れる、髪をかき分けて額から滑り、掌が頬を包んだ。
「本当だ、すごく熱い」
「お主が触れてちょっとは涼しくなったがのぅ」
 熱いのは照れもあるのだとはとても言えない、そんな風に笑ってるとヨルガが傍らのタオルを取り、水に漬けた。

「ヴィルマ、顔、上げて」
 言われた通りに姿勢を正せば、タオルの冷えた感触が首に当てられる。
 冷たい感触が体を駆け、耐えながら身を任せていると、ヨルガの指が胸のリボンを引っ張った。
「ちょ……」
「こうしないと、熱を逃がす事が出来ない」
 リボンをするりと抜かれ、ヨルガの指がボタンを丁寧に外していく、胸の拘束が解ける度に妙なむず痒さが増していくが、これは看病なんだと自分に言い聞かせた。
 ヨルガの腕が背中に回り、体を抱え上げられる。緩んだ服から腕が入り込み、冷えたタオルが背中を撫でた。
 膝の上に乗せられ、大丈夫? と聞かれると頷くしかない。差し出された飲み物を口に含み、こくんと飲み干すと、再びヨルガに抱えられベッドに戻された。
 服の前を開けたまま、団扇で仰いでもらう。心配げな目線と、少しこわばった拳からは彼の緊張が見て取れる気がした。

 手を握られ、今日はたくさん甘えていいのだと語りかけられると、母親にもそうしてもらった思い出がよぎり、ヴィルマはいつもより幼くなった口調でこくりと頷く。
 うたた寝の間に瞼の上に落とされた優しいキス、ヴィルマはそれに一瞬きょとんとするも、お互い吹き出すかのようにはにかみ気味に笑う。
「倒れた時、そなたが傍に居てくれるというのは、ほんに贅沢じゃのぅ」
 ヨルガの方に寝返りを打って、笑う。手を繋いだまま、そっと瞼を閉ざした――。


 午後三時頃だろうか、太陽も少し大人しくなり、まだ気持ちよく寝ている人もいれば、もう十分だなと起き上がろうとしている人もいた。
 寝起きから復帰した研司は体をほぐすのも兼ねてギルド街へ買い物に行っている、果物の盛り合わせを作るのだと張り切っていた。

 外から戻ってきたダリオは今度こそ夏バテを起こしてぐったりしている、それをアルヴィンが「アレー?」と言いながら冷えタオルを当てている最中だった。
 精神的ダメージから立ち直ったらしく、ベッドから出てきたジャックにはユリアンがカモミールのローションを差し出す。蒸しタオルとおしぼりで汗を拭った後、仕上げに使うといいのだと告げるユリアンに、ジャックは興味を惹かれたのか目を輝かせていた。

 途中、急患として運び込まれた御酒部 千鳥(ka6405)は酒が切れたのが原因だと口にした途端その辺に放置された。一応、大量に作られたレモネードをあてがわれてはいたが、アルコールとはかすりもしないのでその辺でしょんぼりしている事だろう。

 大伴 鈴太郎(ka6016)は頭の後ろに腕を組んで寝転がっていた、傍らでは遥華が団扇で仰いでくれていて、気持ちいいが、多少の後ろめたさを感じつつあるのも本当だった。
「本当はさー……」
「うん」
 座って聞いてくれる遥華の存在が有り難い、本来なら今頃夏休みなんだぜ? と言うと、そういえばそうだったねと遥華は団扇の後ろで笑っていた。
 少しサボっても許されるはず、と思ってもなんだか落ち着かない。ふと、ミントの香りがした気がして振り返ってみると、どうかな? と遥華の手にはアロマの小瓶が握られていた。
「……ああ、悪くないんじゃねーの」
 遥華が嬉しそうに笑う、彼女の白いローブ姿は、なんだか幼い頃に抱いた夢と被って見えた。
(……ガキん頃は看護師さんになりてーなんて思ってたコトもあったっけ)
 ごろんと遥華の方を向く、探りを入れるように聞いてみた。
「……ハルカ、まだ仕事残ってると思うか?」
「大丈夫じゃない? そろそろ皆お腹すく頃だと思うし」
 そっか、と答えて、少し罰が悪そうにしながらも、鈴太郎はベッドから起き上がり部屋の外へと向かった。
「体調が良くなったから水汲み行ってくる」
「うん」
 行ってらっしゃい、と遥華は団扇の後ろで笑いながら見送ってくれた。
 ハルカばかりに働かせて悪いな、と心の中で思う。彼女はきっと「喜んでもらえるの好きだよ」って答えるのだと予想もついて―――。

「やっぱこれからはまたマジメに仕事すっか……」

依頼結果

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参加者一覧

  • 龍盟の戦士
    藤堂研司(ka0569
    人間(蒼)|26才|男性|猟撃士
  • 冷静射手
    ステラ・フォーク(ka0808
    人間(蒼)|12才|女性|霊闘士

  • トリス・ラートリー(ka0813
    人間(紅)|15才|女性|闘狩人
  • 幻獣王親衛隊
    ザレム・アズール(ka0878
    人間(紅)|19才|男性|機導師
  • ノブレス・オブリージュ
    ジャック・J・グリーヴ(ka1305
    人間(紅)|24才|男性|闘狩人
  • 抱き留める腕
    ユリアン・クレティエ(ka1664
    人間(紅)|21才|男性|疾影士
  • 帝国の猟犬
    ダリオ・パステリ(ka2363
    人間(紅)|28才|男性|闘狩人
  • 嗤ウ観察者
    アルヴィン = オールドリッチ(ka2378
    エルフ|26才|男性|聖導士
  • 其の霧に、籠め給ひしは
    ヴィルマ・レーヴェシュタイン(ka2549
    人間(紅)|23才|女性|魔術師
  • 東方帝の正室
    アシェ-ル(ka2983
    人間(紅)|16才|女性|魔術師
  • シグルドと共に
    未悠(ka3199
    人間(蒼)|21才|女性|霊闘士
  • カウダ・レオニス
    ルドルフ・デネボラ(ka3749
    人間(蒼)|18才|男性|機導師
  • Q.E.D.
    トルステン=L=ユピテル(ka3946
    人間(蒼)|18才|男性|聖導士

  • ショウコ=ヒナタ(ka4653
    人間(蒼)|18才|女性|猟撃士

  • ヨルムガンド(ka5168
    人間(紅)|22才|男性|猟撃士
  • 仁恭の志
    綿狸 律(ka5377
    人間(紅)|23才|男性|猟撃士
  • 律する心
    皆守 恭也(ka5378
    人間(紅)|27才|男性|舞刀士
  • 雷影の術士
    央崎 遥華(ka5644
    人間(蒼)|21才|女性|魔術師
  • パティの相棒
    万歳丸(ka5665
    鬼|17才|男性|格闘士

  • 鞍馬 真(ka5819
    人間(蒼)|22才|男性|闘狩人
  • 灯光に託す鎮魂歌
    ディーナ・フェルミ(ka5843
    人間(紅)|18才|女性|聖導士
  • 命無き者塵に還るべし
    星野 ハナ(ka5852
    人間(蒼)|24才|女性|符術師
  • 金色のもふもふ
    パトリシア=K=ポラリス(ka5996
    人間(蒼)|19才|女性|符術師
  • 友よいつまでも
    大伴 鈴太郎(ka6016
    人間(蒼)|22才|女性|格闘士
  • 喧嘩と酒とモフモフと
    御酒部 千鳥(ka6405
    人間(紅)|24才|女性|格闘士

サポート一覧

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン 相談所
ステラ・フォーク(ka0808
人間(リアルブルー)|12才|女性|霊闘士(ベルセルク)
最終発言
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2016/08/09 01:15:45