ゲスト
(ka0000)
アマリリス~偽装補給隊
マスター:深夜真世

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~8人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 6日
- 締切
- 2016/08/18 22:00
- 完成日
- 2016/08/30 02:39
このシナリオは5日間納期が延長されています。
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
【お詫びと現状説明】
「アマリリス」の題での連作中、本来は「蛍石」と表記する鉱石を「珪石」と表記していました。
シナリオでの勘所となる「CAMなどで使われる高性能なレンズとしての需要がある」は、「蛍石」による光学レンズのことを指します。また、紫色や緑色で、アクセサリーとしても活用されているようです。
連作の企画書には「蛍石」と表記していたのですが登場が遅かったため、実際のシナリオ内では同じ読みにもなる「珪石」と誤記してしまいました。
混乱を招き、誠に申し訳ございません。
しかしながら、訂正は行わず「珪石」と「蛍石」の両方が産出されていることで対応させてください。
一部プレイングで、「珪石」の性質を生かした利用案をいただきましたこともあり、そのまま活用させていただきます。
私の不注意で本当に申し訳ございません。
今後ともよろしくお願いします。
●本編
ここは蒸気工業都市フマーレ郊外の、旧グリス氏邸。
「珪石は価格設定を下げたことで一応取引の幅は広がりました。もともとまとまった需要は少ないので安定供給を続けていれば信頼を得ることができるでしょう」
執事のバモスが、少女実業家のアムアリスに説明する。
「蛍石と水晶の方は?」
紅茶を飲みながら聞くアムアリス。
「CAMの増産が本格化され非常に好調です。その分、競争が厳しくなっています。こちらは逆に価格競争に巻き込まれそうですね」
バモス、言うほど消沈はしていない。産出する蛍石の質でまだ優位性を保っているからだ。
「お父様の……マッケレル海商の方は?」
「アムアリスお嬢様の家出する原因となった騒動から立ち直って業績が元に戻りました。アムアリス様との取引のおかげです」
「そう、良かった」
アムアリスが安堵の吐息を吐いたところだった。
「アム!」
執務室に少年が入って来た。モータルである。アムは、アムアリスが家出後に名乗っている名前だ。ややこしいが、アマリリス商会の代表としてはアマリリスを名乗っていたりする。
「ここを襲った元盗賊たちはすべて協力することになったよ。……露天商として蛍石がかなり売れたらしい。信用してやるって」
余談だか、前回のシナリオでここを襲った盗賊に分けて宝石として売らせた「珪石」は誤表記で、正しくは「蛍石」となる。ただし、「珪石」は新たな取引先として石工組合などに卸すこととなり、幅が広がった。
閑話休題。
「分かったわ、モータル。それじゃ早速、ハンターも雇って鉱山街に取って返して」
実はセル鉱山。
現在、鉱山付近で勢力争いをしていた「黄昏一団」、「灰猫一味」、「山の牙団」の三つの盗賊団を壊滅させ残党を取り込んでいたが、空白地帯になったことで新たな盗賊が流入。ちょっかいを出されていた。
それだけではない。
新たに鉱山の近くに、ゴブリンの鉱山もあることが発覚。ゴブリンが付近をうろつき始めていた。
これまでそんなことがなかったのは、伝説の巨人と吸血鬼歪虚の縄張りだったから。これを退治してから大人しかった勢力も行動範囲を広げていたのだ。
「了解。積荷はどうする? セル鉱山に備蓄の余裕はあるけど、何か運んだ方がいいかな?」
「手ぶらで行って作業員の士気が上がるはずないわ。嗜好品を中心に運んで……そうね。いつか『がっぽり稼いだら上等の酒をおごる』って話したからいいお酒を。あっちに常駐するバモスもやりやすくなるはずよ」
「そりゃ責任重大だ」
「何よ。『危ない橋を渡れ。自分が、誰かのために』が座右の銘じゃなかったの?」
「いつもは止めるくせに」
にやり、と返して部屋を出るモータルだった。
というわけで、輸送部隊と見せ掛け盗賊に襲わせ、返り討ちにしてくれる人、求ム。
ただし!
輸送部隊はセル鉱山に行く途中でまったく襲われることはなかった。
その代り、丸太の塀で囲まれたセル鉱山が盗賊の一団とゴブリンの一団に襲われピンチに陥っていた。
モータルの偽装輸送部隊は、攻城戦を仕掛ける二陣営の背後から攻撃を仕掛けることができる格好のタイミングでの参戦となる。
健闘を祈る。
「アマリリス」の題での連作中、本来は「蛍石」と表記する鉱石を「珪石」と表記していました。
シナリオでの勘所となる「CAMなどで使われる高性能なレンズとしての需要がある」は、「蛍石」による光学レンズのことを指します。また、紫色や緑色で、アクセサリーとしても活用されているようです。
連作の企画書には「蛍石」と表記していたのですが登場が遅かったため、実際のシナリオ内では同じ読みにもなる「珪石」と誤記してしまいました。
混乱を招き、誠に申し訳ございません。
しかしながら、訂正は行わず「珪石」と「蛍石」の両方が産出されていることで対応させてください。
一部プレイングで、「珪石」の性質を生かした利用案をいただきましたこともあり、そのまま活用させていただきます。
私の不注意で本当に申し訳ございません。
今後ともよろしくお願いします。
●本編
ここは蒸気工業都市フマーレ郊外の、旧グリス氏邸。
「珪石は価格設定を下げたことで一応取引の幅は広がりました。もともとまとまった需要は少ないので安定供給を続けていれば信頼を得ることができるでしょう」
執事のバモスが、少女実業家のアムアリスに説明する。
「蛍石と水晶の方は?」
紅茶を飲みながら聞くアムアリス。
「CAMの増産が本格化され非常に好調です。その分、競争が厳しくなっています。こちらは逆に価格競争に巻き込まれそうですね」
バモス、言うほど消沈はしていない。産出する蛍石の質でまだ優位性を保っているからだ。
「お父様の……マッケレル海商の方は?」
「アムアリスお嬢様の家出する原因となった騒動から立ち直って業績が元に戻りました。アムアリス様との取引のおかげです」
「そう、良かった」
アムアリスが安堵の吐息を吐いたところだった。
「アム!」
執務室に少年が入って来た。モータルである。アムは、アムアリスが家出後に名乗っている名前だ。ややこしいが、アマリリス商会の代表としてはアマリリスを名乗っていたりする。
「ここを襲った元盗賊たちはすべて協力することになったよ。……露天商として蛍石がかなり売れたらしい。信用してやるって」
余談だか、前回のシナリオでここを襲った盗賊に分けて宝石として売らせた「珪石」は誤表記で、正しくは「蛍石」となる。ただし、「珪石」は新たな取引先として石工組合などに卸すこととなり、幅が広がった。
閑話休題。
「分かったわ、モータル。それじゃ早速、ハンターも雇って鉱山街に取って返して」
実はセル鉱山。
現在、鉱山付近で勢力争いをしていた「黄昏一団」、「灰猫一味」、「山の牙団」の三つの盗賊団を壊滅させ残党を取り込んでいたが、空白地帯になったことで新たな盗賊が流入。ちょっかいを出されていた。
それだけではない。
新たに鉱山の近くに、ゴブリンの鉱山もあることが発覚。ゴブリンが付近をうろつき始めていた。
これまでそんなことがなかったのは、伝説の巨人と吸血鬼歪虚の縄張りだったから。これを退治してから大人しかった勢力も行動範囲を広げていたのだ。
「了解。積荷はどうする? セル鉱山に備蓄の余裕はあるけど、何か運んだ方がいいかな?」
「手ぶらで行って作業員の士気が上がるはずないわ。嗜好品を中心に運んで……そうね。いつか『がっぽり稼いだら上等の酒をおごる』って話したからいいお酒を。あっちに常駐するバモスもやりやすくなるはずよ」
「そりゃ責任重大だ」
「何よ。『危ない橋を渡れ。自分が、誰かのために』が座右の銘じゃなかったの?」
「いつもは止めるくせに」
にやり、と返して部屋を出るモータルだった。
というわけで、輸送部隊と見せ掛け盗賊に襲わせ、返り討ちにしてくれる人、求ム。
ただし!
輸送部隊はセル鉱山に行く途中でまったく襲われることはなかった。
その代り、丸太の塀で囲まれたセル鉱山が盗賊の一団とゴブリンの一団に襲われピンチに陥っていた。
モータルの偽装輸送部隊は、攻城戦を仕掛ける二陣営の背後から攻撃を仕掛けることができる格好のタイミングでの参戦となる。
健闘を祈る。
リプレイ本文
●
モータルたちの偽装補給隊は森の道を進んでいた。
「以前は森林狼に襲われていました」
だから、結構獣道はあるはずです、と馬車の御者席に座るモータル。
「ああ、懐かしぃな」
幌なし馬車の荷台からひょっこりと顔を出す者がいた。
「確か狼は跳躍して空から降ってきたよな?」
ジャック・エルギン(ka1522)である。
「ん、懐かしいですね」
そんなジャックの傍に、戦馬に乗ったサクラ・エルフリード(ka2598)が近寄った。
「あの時は重体で参加しましたが、今回は違います」
「……何ぃ?」
ここで、戦馬に乗り隊列の先頭を行くエメラルド・シルフィユ(ka4678)が振り返りすごい剣幕。
「なぜ早く言わん。ここまで空はまったく気にしてなかっぞ」
「降ってきたのは狼でそれは駆除したんだろう? 今心配しているのは盗賊とゴブリンだ。……そいつらが降ってくるんなら話は別だが」
声を荒げたエメラルド。その隣を同じく戦馬で固めるロニ・カルディス(ka0551)が鋭く釘を刺す。
これを聞いたエメラルド、速度を緩めて下がると仲間になった元盗賊たちに鋭い視線を向け聞いてみる。
「おい、お前ら。最近の盗賊は空から降って襲ってくるのか?」
「馬鹿言うなよ、姉御」
「跳躍の得意な狼だからだろ。ゴブリンもできっこねぇよ」
ちなみに仲間として迎え入れた盗賊たち。以前、エメラルドの指揮で動いていたことがある。その後裏切って叩きのめされて逃げた立場上、従順である。
「もしもそうやって襲うなら砦のすぐ近くじゃなくていいしね」
これを聞いていた時音 ざくろ(ka1250)がぼそり。
「よう、何かあったのか?」
ここで後方から、ゴースロンに乗ったカイン・マッコール(ka5336)が上がって来て聞いてきた。
「森には狼なんかがいましたので獣道があるって話をしてました」
「ふうん……それより」
答えるモータルに生返事をするカイン。少し寂しそうにした。
「僕の住んでいたところは作戦上重要じゃないところに人員は割けないという理由で放置されたのに、利益が絡めば手厚いんだな」
ぽそ、とこぼした。青い瞳が幼少時の追憶で陰る。
「利益が絡むとよからぬ人も寄ってきますけどね。……おかげで人も死にました」
ため息交じりのモータル。これを聞いてぎろりと元盗賊たちを睨むエメラルド。
「ん……たぶん、濡れ衣」
元事業主の自殺と夜逃げの事情を知っているサクラが一応元盗賊たちを擁護する。
この時、前方でどぉんと炸裂音がした。
「砦の方だな」
「発射音、聞こえなかったよね?」
ジャックが音の方向に伸び上って見ようとする。ざくろは自らの乗る試作魔導バイク「ナグルファル」に乗っている分、聞き逃したかもしれないと皆に確認した。
「ない。盗賊だろう。……どうりで道中が順調すぎるはずだ」
ロニ、魔法と判断し、盗賊が砦を襲っていると結論付けた。
「どうした?」
後方警備をしていた不動シオン(ka5395)が上がって来て聞く。
「……というか、どっちだ?」
いや、聞き直した。
「おそらく盗賊です。東から砦を攻めているのでしょう」
サクラの説明は手短だったが、シオンは半分も聞いていない。
「いいだろう」
それだけ言って東に向かう!
「襲ってこねえと思ったらこっちかよ。今行くぜ! ……モータルはここで待機して連絡あれば砦に突っ込め」
ジャックもシオンに続いた。モータルにはトランシーバーを投げて渡す。
「やれやれ、お陰様で給料泥棒にはならずに済みそうだ」
道中全く敵が襲ってこずに拍子抜けしていたエメラルドも水を得た魚のように二人に続くのだった。
●
三人が素早く東に回り込むべく脇道にそれた時。
「やっと出ましたぁ! んもぅ、出るのが遅いですよぅ、待ちくたびれちゃったじゃないですかぁ」
隊列最後尾から戦馬に乗った星野 ハナ(ka5852)が上がって来ていた。
「ん、あれ……」
この時、話の流れから上空を気にしていたサクラが西の空を指差した。
「山火事……なわけないから……」
「狼煙だな」
んー、と考えたざくろに、すでに戦闘態勢のカインが淡々と話す。
「魔法を使うような覚醒者崩れならこういうのを使う。……ということは」
ロニ、トランシーバーをもてあそびつつ皆を見る。
「ゴブリン!」
モータルの叫びに、ハナ、サクラ、カインが頷く。
「モータルさん、内部の対応はどうなってますか?」
「……間違いなく、少ない全戦力で東側に当たってるはずです」
確認するサクラに応えるモータル。掘削作業を止めるわけにもいかないのだ。
つまり、狼煙にも気付いていない可能性が高い。
「何事もなく終わるかと思いきや最後に大きな問題が起こるとは……」
「今なら鉱山を襲う前に……サクラ、一気に仕掛けるよ!」
あまりの偶然に絶句するサクラ。そんなサクラの肩にぽむと手を乗せざくろが西へ行く。
「両対応しかないだろう。ゴブリンが突撃する前に何とかするぞ。……討伐する段取りは前後したが、このまま逃がさず一網打尽にしてやろう」
ロニ、馬首を西に回した。
「それじゃ私も西ですねぇ。生きてるゴブリンだろうが死んでるゴブリンだろうがまとめてブッコロですぅ! 行きますよぉ、まーちゃん!」
戦馬「まーちゃん」とともにハナも続く。
「背後からつけるのはありがたい、どんなに敵が弱くて装備がよくても正面から挑めば殺されかねない、避けられるリスクは避けるべきだ」
カインは大きく回り込むつもりだ。
とにかく、まだ突撃途中と思われる西には馬とバイクの四人が向かった。
ただし、すでに戦場は姿を変えているのだった!
●
「後背、もらったぁ!」
エメラルドは東側へ直行し、砦守備隊と矢戦を展開している盗賊の背後に大声を上げて突っ込んだ。
「グラズヘイム王国の聖堂騎士にその存在を清められたい者は名乗り出るがいい!」
鞍上から透き通った水晶の刃を持つロングソードにホーリーセイバーを掛け右に払い左に払いしてとにかく場を乱す。
「まずい。抜刀! 突撃!」
敵の一人がファイアーボールを砦にぶち込みながら指示を出していた。
「おまえが頭目か?!」
エメラルド、ぎろりと振り返る。
「だったらどうした?」
そちらにロッドを構える頭目。ヤル気満々だ。
「だったらぶちのめすに決まってんだろ?」
にらみ合う横合いから、ジャックが飛び込んで来た!
振り抜いた金色に輝く刀身。大太刀「獅子王」に確かな手ごたえが残る。
「ぐあっ! 畜生!」
頭目、傷をかばいつつ下がりファイアアローで距離を取ろうとする。
「こちとらいつでも覚悟はできてんだ。そんなんで、止まるかよっ!」
食らっても臆することなく詰めるジャック。青い瞳が赤熱した金属のようになり、金髪が獅子のごとくなびく。振るう「獅子王」はロッドに弾かれたが勢いはつかんだ。こうなるともうジャックは止まらない。ラッシュ、ラッシュで押していく。
そのころエメラルドは、ファイアーボール直撃に合わせて突っ込んだ盗賊たちを追っていた。砦では、直撃の衝撃で守備隊がいったん身を潜め弾幕が途切れている。
「無駄だ。諦めて帰るがいい」
とにかく剣を振るい多くの敵を傷付けようとするエメラルド。一人だけ馬で移動の優位性もある。一気に敵を通り抜けて壁に張り付いた。
「敵は弓をやめた。傷付いた者は顔を出しておくがいい」
味方に呼び掛け、ヒーリングスフィア。柔らかい光がエメラルドを、砦の守備隊を包んでいく。
が、敵の狙いはここに至って明確になった。
塀に取り付いた者が足場になり、砦に侵入しようとしているのだ。
時は若干遡り、エメラルドとジャックが盗賊本隊に攻撃を仕掛ける直前。
「ん?」
シオン、先行する二人について行くことなく森の中で立ち止まった。
「あれは……」
敵の盗賊と思しき姿が南に移動しているのを発見したのだ。もともと一匹狼のシオン、皆の気にしてない方を気にするタイプだ。
「……どういうことだ?」
シオン、オートマチックを抜いたがしばらく泳がすことにする。
●
こちら、西方面。
武装したゴブリンが砦目指して森の中で速度を上げていた。
『?』
その中の一匹が以上に気付き長い鼻先を巡らせた。
そいつの見た方向にはッ!
「騎兵隊参上! 当たると痛いよ……くらえ、必殺デルタエンド!」
がおん、と試作魔導バイク「ナグルファル」が窪地からジャンプ。その頂点でざくろが魔導符剣「インストーラー」を構えてデルタレイ。光の三角形の頂点から一直線に光が伸びてゴブリン三匹を襲う。
どこん、とバイクの着地。
その横を低い姿勢のまま疾風のように駆け抜ける騎馬が!
「数は多いですがこちらで撹乱していけば何とかなるでしょう……」
サクラだ。
霊槍「グングニル」の切っ先を前に掲げとにかく低い姿勢で一直線。
いや、途中で上体を上げた!
「光の波動に慌てふためいてもらいます……」
グングニルを掴んだ右手をまっすぐ頭上に掲げ、セイクリッドフラッシュ!
当たる当たらないではない。まずは圧倒的な手数を示す。
「……シャドウブリットで足止めを、と思ったが」
次にロニが戦馬と共に戦場に。もともと射撃をと考えていたようだが銃は手にしていない。味方が撹乱しているのを見て瞬時に自らの役目を切り替えた。
抜け目なく見回す視線。最前列のゴブリンが突撃の足を緩めないのが映った。
「足止めするには足殺しがいいだろう」
ちゃきり、とクロノスサイズを構えて先頭のゴブリンを追う。馬に乗っているので余裕で追いつける。
そして背後から大鎌で足を引っ掛けるようにざっくり。敵は脛当てをしているので足を刈られることはなかったが、面白いようにひっくりかえった。
「さて、ここから先は覚悟してもらおう」
行く手を阻むようにゴブリンと砦を結ぶ線上に立つと、セイクリッドフラッシュ。そして鎌をぶん回す。一歩たりともここから前に進ませない気概だ。
そして敵後方に回り込んでいたカイン。
「そこか」
前方にゴブリンどもの背中を確認するとゴースロンに拍車をかける。
その音に気付き振り向くゴブリン。なぜ後ろから、という瞳。
「おまえらに手加減するつもりはない」
そのまま突っ込んで背中から大剣でバッサリ。
前に追い越したことでほかのゴブリンたちの表情も見えた。
その目は一様に、カインの手にした異形の大剣を注視していた。いわば「あの禍々しい剣は、なんだ」というところか。カイン、小麦色の面も精悍に再び剣を振り上げる。
「これか? 由緒も知らねぇよ。ただ……」
ぶん回しながら敵のさなかに突っ込む。
「……妖剣「アンサラー」って呼ばれる一種らしいな」
黒竜の振るう尾のように蹴散らす。敵の反撃も食らうが構わず進撃。が、いい一撃を食らった時だけはさすがに振り返った。敵、さらに踏み込んでくるが……。
「ゴブリンは、殺す」
どしっ、と無骨な剣が攻撃を受けてからの反撃で潰した。
ざくろとサクラが敵の陣形を横に切り裂くべく突撃していった後に、ハナが現れた。
「敵はブッコロですぅ」
はっ、と振り返るゴブリンたち。
が、ディーラーシールドから五枚の符を展開したハナが一瞬見えただけ。
すぐに光の奔流に目がくらんだ。五色光符陣である。
「はっ」
ここでハナ、背後の気配に気付いた。
振り返るとモータルたちが突入態勢に入っていたのだ。
「入るんなら砦の指揮を上げますよぅ!」
ハナ、馬首を巡らせ合流を選んだ。
「あっ、ハナさん」
「入るんならにぎやかに、ですよぅ」
商隊の横に付けたハナはモータルに提案する。
「そうじゃなくて、敵が南門を狙ってるんです!」
見ると、確かに南門に敵が取り付いていた。しかも、敵の目の前で無防備にも門扉が開いたではないか!
「敵が南にもいますよぅ!」
声を上げるハナ。もう敵を止められないのだ。
その時。
――パン!
横合いから銃声が響いた。
そちらを向いた敵は息を吸いこんだ後、飛んで来た誰かに吹っ飛ばされた。
「……閃火爆砕。抜け目ない奴らめ」
シオンである。
十文字槍「人間無骨」による、マテリアルを爆発的に放出させながら重く激しい一撃。
そして先に砦に侵入し、門を開けた敵に突っ込む。
「人間相手だろうと手加減はせん。貴様らにも意地があるなら死ぬ気でかかってこい!」
今度はぶんまわして逆鱗怒涛だ。
「いまですよぅ」
これで無事に砦に入ることに成功する。
●
こちら、西。
「超機導パワーオン、弾け飛べ」
ざくろがバイクで光の障壁を生み、雷撃を纏わせ防ぎながら通せんぼしようとする敵をぶっ飛ばした。
「抜けました…! ざくろさん、挟み撃ちにしましょう…!」
敵分断を狙いざくろとともに隊列横断をしていたサクラが銀の長髪を振りみだし凛々しく言い放つ。
「よし。まずはさっきの奴らだねっ! …ライディングドライブインストール」
「鉱山街が落ち着くまで近寄らせません…!」
ざくろが取って返しライディングファイトで騎乗戦闘。さくらはグングニルに魔力を纏わせ一撃重視のフォースクラッシュ。気を取り直し背後から一斉に襲おうとした敵を一気に粉砕! さらにしっかり敵分断をすべく中央を荒らしまくる。
「逃げようとするんじゃない!」
砦に近い方ではロニがジャッジメントで敵を足止め。
「……退却じゃない?」
カインも、来た方向とは別方向に逃げようとした敵を倒しつつ不審に思っていた。
東では。
「おら、逃げんじゃねぇ。一つにまとまれ」
敵頭目を倒したジャックがロングボウに持ち替え逃げようとする盗賊をまとめていた。
「おい。火の手が上がってるぞ大丈夫か?」
「エメラルドさん、つかまって」
エメラルドは砦を守るメイスンから手を伸ばされ塀をよじ登った。
そして街の中を見る。
「アマリリス商会から戦力と勝利の美酒のお届けですぅ!」
「所詮扇動隊か……骨がなさ過ぎるぞ小悪党ども!」
ハナが指揮を上げるため伝令に徹し、侵入して火をつけていた敵はシオンが影のように疾走しとにかく潰しまくっていた。
もう、落ち着くまで時間の問題だ。
●
「お嬢から上等の酒の差し入れだって?」
「みんないったん作業止め。集まれ!」
勝利後に鉱山街がにぎやかになった。
即席の段を作り、ジャックが上がる。
「集まったか? じゃ、祝杯といくか。……盗賊もゴブリンも目じゃねえぜ! 乾杯!」
おお、と皆が杯を掲げる。
「勝利の美酒最高ですぅ美味しいですぅ」
ぷはーっ、とハナ。
「これでしばらく、この近辺は静かになるだろうな」
ロニは満足そうにぐいっ。
「討ち漏らしはないか?」
「ああ」
「大丈夫みたい」
ちびり、とやりつつ聞くシオンに、エメラルドとざくろが頷く。
「どうしました…?」
「ゴブリンども、いなくなってた」
サクラが浮かない顔をするカインに聞くと、そんなことを呟いた。
ゴブリンの鉱山を本格的に調べる必要があるだろう。
モータルたちの偽装補給隊は森の道を進んでいた。
「以前は森林狼に襲われていました」
だから、結構獣道はあるはずです、と馬車の御者席に座るモータル。
「ああ、懐かしぃな」
幌なし馬車の荷台からひょっこりと顔を出す者がいた。
「確か狼は跳躍して空から降ってきたよな?」
ジャック・エルギン(ka1522)である。
「ん、懐かしいですね」
そんなジャックの傍に、戦馬に乗ったサクラ・エルフリード(ka2598)が近寄った。
「あの時は重体で参加しましたが、今回は違います」
「……何ぃ?」
ここで、戦馬に乗り隊列の先頭を行くエメラルド・シルフィユ(ka4678)が振り返りすごい剣幕。
「なぜ早く言わん。ここまで空はまったく気にしてなかっぞ」
「降ってきたのは狼でそれは駆除したんだろう? 今心配しているのは盗賊とゴブリンだ。……そいつらが降ってくるんなら話は別だが」
声を荒げたエメラルド。その隣を同じく戦馬で固めるロニ・カルディス(ka0551)が鋭く釘を刺す。
これを聞いたエメラルド、速度を緩めて下がると仲間になった元盗賊たちに鋭い視線を向け聞いてみる。
「おい、お前ら。最近の盗賊は空から降って襲ってくるのか?」
「馬鹿言うなよ、姉御」
「跳躍の得意な狼だからだろ。ゴブリンもできっこねぇよ」
ちなみに仲間として迎え入れた盗賊たち。以前、エメラルドの指揮で動いていたことがある。その後裏切って叩きのめされて逃げた立場上、従順である。
「もしもそうやって襲うなら砦のすぐ近くじゃなくていいしね」
これを聞いていた時音 ざくろ(ka1250)がぼそり。
「よう、何かあったのか?」
ここで後方から、ゴースロンに乗ったカイン・マッコール(ka5336)が上がって来て聞いてきた。
「森には狼なんかがいましたので獣道があるって話をしてました」
「ふうん……それより」
答えるモータルに生返事をするカイン。少し寂しそうにした。
「僕の住んでいたところは作戦上重要じゃないところに人員は割けないという理由で放置されたのに、利益が絡めば手厚いんだな」
ぽそ、とこぼした。青い瞳が幼少時の追憶で陰る。
「利益が絡むとよからぬ人も寄ってきますけどね。……おかげで人も死にました」
ため息交じりのモータル。これを聞いてぎろりと元盗賊たちを睨むエメラルド。
「ん……たぶん、濡れ衣」
元事業主の自殺と夜逃げの事情を知っているサクラが一応元盗賊たちを擁護する。
この時、前方でどぉんと炸裂音がした。
「砦の方だな」
「発射音、聞こえなかったよね?」
ジャックが音の方向に伸び上って見ようとする。ざくろは自らの乗る試作魔導バイク「ナグルファル」に乗っている分、聞き逃したかもしれないと皆に確認した。
「ない。盗賊だろう。……どうりで道中が順調すぎるはずだ」
ロニ、魔法と判断し、盗賊が砦を襲っていると結論付けた。
「どうした?」
後方警備をしていた不動シオン(ka5395)が上がって来て聞く。
「……というか、どっちだ?」
いや、聞き直した。
「おそらく盗賊です。東から砦を攻めているのでしょう」
サクラの説明は手短だったが、シオンは半分も聞いていない。
「いいだろう」
それだけ言って東に向かう!
「襲ってこねえと思ったらこっちかよ。今行くぜ! ……モータルはここで待機して連絡あれば砦に突っ込め」
ジャックもシオンに続いた。モータルにはトランシーバーを投げて渡す。
「やれやれ、お陰様で給料泥棒にはならずに済みそうだ」
道中全く敵が襲ってこずに拍子抜けしていたエメラルドも水を得た魚のように二人に続くのだった。
●
三人が素早く東に回り込むべく脇道にそれた時。
「やっと出ましたぁ! んもぅ、出るのが遅いですよぅ、待ちくたびれちゃったじゃないですかぁ」
隊列最後尾から戦馬に乗った星野 ハナ(ka5852)が上がって来ていた。
「ん、あれ……」
この時、話の流れから上空を気にしていたサクラが西の空を指差した。
「山火事……なわけないから……」
「狼煙だな」
んー、と考えたざくろに、すでに戦闘態勢のカインが淡々と話す。
「魔法を使うような覚醒者崩れならこういうのを使う。……ということは」
ロニ、トランシーバーをもてあそびつつ皆を見る。
「ゴブリン!」
モータルの叫びに、ハナ、サクラ、カインが頷く。
「モータルさん、内部の対応はどうなってますか?」
「……間違いなく、少ない全戦力で東側に当たってるはずです」
確認するサクラに応えるモータル。掘削作業を止めるわけにもいかないのだ。
つまり、狼煙にも気付いていない可能性が高い。
「何事もなく終わるかと思いきや最後に大きな問題が起こるとは……」
「今なら鉱山を襲う前に……サクラ、一気に仕掛けるよ!」
あまりの偶然に絶句するサクラ。そんなサクラの肩にぽむと手を乗せざくろが西へ行く。
「両対応しかないだろう。ゴブリンが突撃する前に何とかするぞ。……討伐する段取りは前後したが、このまま逃がさず一網打尽にしてやろう」
ロニ、馬首を西に回した。
「それじゃ私も西ですねぇ。生きてるゴブリンだろうが死んでるゴブリンだろうがまとめてブッコロですぅ! 行きますよぉ、まーちゃん!」
戦馬「まーちゃん」とともにハナも続く。
「背後からつけるのはありがたい、どんなに敵が弱くて装備がよくても正面から挑めば殺されかねない、避けられるリスクは避けるべきだ」
カインは大きく回り込むつもりだ。
とにかく、まだ突撃途中と思われる西には馬とバイクの四人が向かった。
ただし、すでに戦場は姿を変えているのだった!
●
「後背、もらったぁ!」
エメラルドは東側へ直行し、砦守備隊と矢戦を展開している盗賊の背後に大声を上げて突っ込んだ。
「グラズヘイム王国の聖堂騎士にその存在を清められたい者は名乗り出るがいい!」
鞍上から透き通った水晶の刃を持つロングソードにホーリーセイバーを掛け右に払い左に払いしてとにかく場を乱す。
「まずい。抜刀! 突撃!」
敵の一人がファイアーボールを砦にぶち込みながら指示を出していた。
「おまえが頭目か?!」
エメラルド、ぎろりと振り返る。
「だったらどうした?」
そちらにロッドを構える頭目。ヤル気満々だ。
「だったらぶちのめすに決まってんだろ?」
にらみ合う横合いから、ジャックが飛び込んで来た!
振り抜いた金色に輝く刀身。大太刀「獅子王」に確かな手ごたえが残る。
「ぐあっ! 畜生!」
頭目、傷をかばいつつ下がりファイアアローで距離を取ろうとする。
「こちとらいつでも覚悟はできてんだ。そんなんで、止まるかよっ!」
食らっても臆することなく詰めるジャック。青い瞳が赤熱した金属のようになり、金髪が獅子のごとくなびく。振るう「獅子王」はロッドに弾かれたが勢いはつかんだ。こうなるともうジャックは止まらない。ラッシュ、ラッシュで押していく。
そのころエメラルドは、ファイアーボール直撃に合わせて突っ込んだ盗賊たちを追っていた。砦では、直撃の衝撃で守備隊がいったん身を潜め弾幕が途切れている。
「無駄だ。諦めて帰るがいい」
とにかく剣を振るい多くの敵を傷付けようとするエメラルド。一人だけ馬で移動の優位性もある。一気に敵を通り抜けて壁に張り付いた。
「敵は弓をやめた。傷付いた者は顔を出しておくがいい」
味方に呼び掛け、ヒーリングスフィア。柔らかい光がエメラルドを、砦の守備隊を包んでいく。
が、敵の狙いはここに至って明確になった。
塀に取り付いた者が足場になり、砦に侵入しようとしているのだ。
時は若干遡り、エメラルドとジャックが盗賊本隊に攻撃を仕掛ける直前。
「ん?」
シオン、先行する二人について行くことなく森の中で立ち止まった。
「あれは……」
敵の盗賊と思しき姿が南に移動しているのを発見したのだ。もともと一匹狼のシオン、皆の気にしてない方を気にするタイプだ。
「……どういうことだ?」
シオン、オートマチックを抜いたがしばらく泳がすことにする。
●
こちら、西方面。
武装したゴブリンが砦目指して森の中で速度を上げていた。
『?』
その中の一匹が以上に気付き長い鼻先を巡らせた。
そいつの見た方向にはッ!
「騎兵隊参上! 当たると痛いよ……くらえ、必殺デルタエンド!」
がおん、と試作魔導バイク「ナグルファル」が窪地からジャンプ。その頂点でざくろが魔導符剣「インストーラー」を構えてデルタレイ。光の三角形の頂点から一直線に光が伸びてゴブリン三匹を襲う。
どこん、とバイクの着地。
その横を低い姿勢のまま疾風のように駆け抜ける騎馬が!
「数は多いですがこちらで撹乱していけば何とかなるでしょう……」
サクラだ。
霊槍「グングニル」の切っ先を前に掲げとにかく低い姿勢で一直線。
いや、途中で上体を上げた!
「光の波動に慌てふためいてもらいます……」
グングニルを掴んだ右手をまっすぐ頭上に掲げ、セイクリッドフラッシュ!
当たる当たらないではない。まずは圧倒的な手数を示す。
「……シャドウブリットで足止めを、と思ったが」
次にロニが戦馬と共に戦場に。もともと射撃をと考えていたようだが銃は手にしていない。味方が撹乱しているのを見て瞬時に自らの役目を切り替えた。
抜け目なく見回す視線。最前列のゴブリンが突撃の足を緩めないのが映った。
「足止めするには足殺しがいいだろう」
ちゃきり、とクロノスサイズを構えて先頭のゴブリンを追う。馬に乗っているので余裕で追いつける。
そして背後から大鎌で足を引っ掛けるようにざっくり。敵は脛当てをしているので足を刈られることはなかったが、面白いようにひっくりかえった。
「さて、ここから先は覚悟してもらおう」
行く手を阻むようにゴブリンと砦を結ぶ線上に立つと、セイクリッドフラッシュ。そして鎌をぶん回す。一歩たりともここから前に進ませない気概だ。
そして敵後方に回り込んでいたカイン。
「そこか」
前方にゴブリンどもの背中を確認するとゴースロンに拍車をかける。
その音に気付き振り向くゴブリン。なぜ後ろから、という瞳。
「おまえらに手加減するつもりはない」
そのまま突っ込んで背中から大剣でバッサリ。
前に追い越したことでほかのゴブリンたちの表情も見えた。
その目は一様に、カインの手にした異形の大剣を注視していた。いわば「あの禍々しい剣は、なんだ」というところか。カイン、小麦色の面も精悍に再び剣を振り上げる。
「これか? 由緒も知らねぇよ。ただ……」
ぶん回しながら敵のさなかに突っ込む。
「……妖剣「アンサラー」って呼ばれる一種らしいな」
黒竜の振るう尾のように蹴散らす。敵の反撃も食らうが構わず進撃。が、いい一撃を食らった時だけはさすがに振り返った。敵、さらに踏み込んでくるが……。
「ゴブリンは、殺す」
どしっ、と無骨な剣が攻撃を受けてからの反撃で潰した。
ざくろとサクラが敵の陣形を横に切り裂くべく突撃していった後に、ハナが現れた。
「敵はブッコロですぅ」
はっ、と振り返るゴブリンたち。
が、ディーラーシールドから五枚の符を展開したハナが一瞬見えただけ。
すぐに光の奔流に目がくらんだ。五色光符陣である。
「はっ」
ここでハナ、背後の気配に気付いた。
振り返るとモータルたちが突入態勢に入っていたのだ。
「入るんなら砦の指揮を上げますよぅ!」
ハナ、馬首を巡らせ合流を選んだ。
「あっ、ハナさん」
「入るんならにぎやかに、ですよぅ」
商隊の横に付けたハナはモータルに提案する。
「そうじゃなくて、敵が南門を狙ってるんです!」
見ると、確かに南門に敵が取り付いていた。しかも、敵の目の前で無防備にも門扉が開いたではないか!
「敵が南にもいますよぅ!」
声を上げるハナ。もう敵を止められないのだ。
その時。
――パン!
横合いから銃声が響いた。
そちらを向いた敵は息を吸いこんだ後、飛んで来た誰かに吹っ飛ばされた。
「……閃火爆砕。抜け目ない奴らめ」
シオンである。
十文字槍「人間無骨」による、マテリアルを爆発的に放出させながら重く激しい一撃。
そして先に砦に侵入し、門を開けた敵に突っ込む。
「人間相手だろうと手加減はせん。貴様らにも意地があるなら死ぬ気でかかってこい!」
今度はぶんまわして逆鱗怒涛だ。
「いまですよぅ」
これで無事に砦に入ることに成功する。
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こちら、西。
「超機導パワーオン、弾け飛べ」
ざくろがバイクで光の障壁を生み、雷撃を纏わせ防ぎながら通せんぼしようとする敵をぶっ飛ばした。
「抜けました…! ざくろさん、挟み撃ちにしましょう…!」
敵分断を狙いざくろとともに隊列横断をしていたサクラが銀の長髪を振りみだし凛々しく言い放つ。
「よし。まずはさっきの奴らだねっ! …ライディングドライブインストール」
「鉱山街が落ち着くまで近寄らせません…!」
ざくろが取って返しライディングファイトで騎乗戦闘。さくらはグングニルに魔力を纏わせ一撃重視のフォースクラッシュ。気を取り直し背後から一斉に襲おうとした敵を一気に粉砕! さらにしっかり敵分断をすべく中央を荒らしまくる。
「逃げようとするんじゃない!」
砦に近い方ではロニがジャッジメントで敵を足止め。
「……退却じゃない?」
カインも、来た方向とは別方向に逃げようとした敵を倒しつつ不審に思っていた。
東では。
「おら、逃げんじゃねぇ。一つにまとまれ」
敵頭目を倒したジャックがロングボウに持ち替え逃げようとする盗賊をまとめていた。
「おい。火の手が上がってるぞ大丈夫か?」
「エメラルドさん、つかまって」
エメラルドは砦を守るメイスンから手を伸ばされ塀をよじ登った。
そして街の中を見る。
「アマリリス商会から戦力と勝利の美酒のお届けですぅ!」
「所詮扇動隊か……骨がなさ過ぎるぞ小悪党ども!」
ハナが指揮を上げるため伝令に徹し、侵入して火をつけていた敵はシオンが影のように疾走しとにかく潰しまくっていた。
もう、落ち着くまで時間の問題だ。
●
「お嬢から上等の酒の差し入れだって?」
「みんないったん作業止め。集まれ!」
勝利後に鉱山街がにぎやかになった。
即席の段を作り、ジャックが上がる。
「集まったか? じゃ、祝杯といくか。……盗賊もゴブリンも目じゃねえぜ! 乾杯!」
おお、と皆が杯を掲げる。
「勝利の美酒最高ですぅ美味しいですぅ」
ぷはーっ、とハナ。
「これでしばらく、この近辺は静かになるだろうな」
ロニは満足そうにぐいっ。
「討ち漏らしはないか?」
「ああ」
「大丈夫みたい」
ちびり、とやりつつ聞くシオンに、エメラルドとざくろが頷く。
「どうしました…?」
「ゴブリンども、いなくなってた」
サクラが浮かない顔をするカインに聞くと、そんなことを呟いた。
ゴブリンの鉱山を本格的に調べる必要があるだろう。
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/08/14 14:28:37 |
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鉱山救援 ロニ・カルディス(ka0551) ドワーフ|20才|男性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2016/08/17 22:44:47 |