ゲスト
(ka0000)
【猫譚】ワルニャー総帥、爆誕
マスター:御影堂
オープニング
「魚料理が食べられない……ってどういうことですの!?」
王国南部の湖、その畔の宿でサチコ・W・ルサスールは叫びをあげていた。彼女は、ルサスール家という貴族の一人娘である。知見を増やすべく旅する彼女は、今海を目指していた。
その途中、美味しい魚料理を出す宿があると聞いてサチコは寄り道をすることに決めたのだ。楽しみに宿の女将にその話をしたのだが……。
「ごめんね、お嬢ちゃん。出せないものは出せないのよ」
ため息混じりに告げる女将へ、サチコは悲しみの表情を見せる。やり場のない怒りをこれ以上放出させるわけにもいかず、低い唸り声をあげていた。
「女将、理由をお聞かせいただけますか?」
見かねた従者のタロが、女将さんへ問いかけると返ってきたのは、
「ユグディラが漁場を荒らしてて、外に売りに出す分しか残せないみたいなの」
「ユグディラ……ってネコの妖精でしたっけ?」
サチコのふわっとした知識に「えぇ、そんなところよ」と女将は頷いた。
「元々、ユグディラたちはユグディラたちで狩場があるはずなのだけれど……どういうわけか私たちの魚を奪っていくのよね」
「対策は取られないのですか?」
「見つけたら追い払ったり、理由を問いただしたりしようとはしているみたいなのだけれど……」
言葉を濁すということは、うまくいっていないのだろう。サチコはユグディラ……と小さくつぶやく。従者のタロとジロは、にわかに嫌な予感がした。
「ユグディラたち、話がありますわ!」
深夜、誰もいない漁場にサチコはいた。両脇には、辺りを気にするタロとジロの姿があった。案の定、サチコはユグディラをどうにかしようと動き出したのだ。
「私は……いや、俺様はワルワル団の首領ワルサー総帥……なのだぜ!!」
※サチコはワルワル団という頭の悪そうな団体の首領、ワルサー総帥として活動することがありますが、そっとしておきましょう。
サチコの言葉に呼応するように、小さな声が囁き合っていた。
(……悪い人ニャ?)
(悪い人には見えないニャ)
サチコは加えて、剣を抜き放ち宣言する。
「もし、あなたたちが困っているのなら、このワルサー総帥が解決してやるのぜ!」
(案内してみるニャ?)
(あいつを倒してくれるかもしれないニャ)
(ネコの耳も持ってるから、味方ニャ)
何故か猫耳をつけたサチコの前に、ユグディラたちが姿を現す。
しばらく見つめ合っていたが、ユグディラたちは誘導するような視線を送り歩き出した。連れて行きたい場所があるのだろう、とサチコは意気揚々と歩き出す。
「わーはっはっは、このワルサー総帥に任せるのぜ!」
ユグディラたちの不安そうな表情とは裏腹に、サチコは自身を笑みに含ませていた。
だが、サチコはすぐにへこたれることになる。
「……どうしてこんなことに……」
サチコは誘われるがママ、ユグディラたちの狩場を訪れていた。そこは、湖の中でもやや足場が不安定な浅瀬の岩礁である。少し離れたところでは、ユグディラたちがことの成り行きを見ていた。
ここにユグディラたちの見せたかった「何か」があるらしい。ぼうっと待っていたサチコの目の前に、ざぱっと音を立ててそいつらは現れた。
「……あ」
視線の先にいたのは、大きな鋏を打ち鳴らす川エビたちの姿であった。無論、ちょっとやそっと大きいのではない。少なくともサチコの数倍の大きさはあるのだ。
そのうち一体が放った水鉄砲を避け、サチコはずれかけた猫耳を押さえる。
「……なるほど、雑魔ですわね。いいですわ、この……」
ちらりと後方に控えるユグディラたちを見、サチコは猫耳をしっかりと付け直した。
「ワルワル団首領、ワルサー総帥が相手ですニャ!」
その言葉に、猫耳を渡した従者ジロは、はるか後方で小さなガッツポーズをしたとかなんとか……。
王国南部の湖、その畔の宿でサチコ・W・ルサスールは叫びをあげていた。彼女は、ルサスール家という貴族の一人娘である。知見を増やすべく旅する彼女は、今海を目指していた。
その途中、美味しい魚料理を出す宿があると聞いてサチコは寄り道をすることに決めたのだ。楽しみに宿の女将にその話をしたのだが……。
「ごめんね、お嬢ちゃん。出せないものは出せないのよ」
ため息混じりに告げる女将へ、サチコは悲しみの表情を見せる。やり場のない怒りをこれ以上放出させるわけにもいかず、低い唸り声をあげていた。
「女将、理由をお聞かせいただけますか?」
見かねた従者のタロが、女将さんへ問いかけると返ってきたのは、
「ユグディラが漁場を荒らしてて、外に売りに出す分しか残せないみたいなの」
「ユグディラ……ってネコの妖精でしたっけ?」
サチコのふわっとした知識に「えぇ、そんなところよ」と女将は頷いた。
「元々、ユグディラたちはユグディラたちで狩場があるはずなのだけれど……どういうわけか私たちの魚を奪っていくのよね」
「対策は取られないのですか?」
「見つけたら追い払ったり、理由を問いただしたりしようとはしているみたいなのだけれど……」
言葉を濁すということは、うまくいっていないのだろう。サチコはユグディラ……と小さくつぶやく。従者のタロとジロは、にわかに嫌な予感がした。
「ユグディラたち、話がありますわ!」
深夜、誰もいない漁場にサチコはいた。両脇には、辺りを気にするタロとジロの姿があった。案の定、サチコはユグディラをどうにかしようと動き出したのだ。
「私は……いや、俺様はワルワル団の首領ワルサー総帥……なのだぜ!!」
※サチコはワルワル団という頭の悪そうな団体の首領、ワルサー総帥として活動することがありますが、そっとしておきましょう。
サチコの言葉に呼応するように、小さな声が囁き合っていた。
(……悪い人ニャ?)
(悪い人には見えないニャ)
サチコは加えて、剣を抜き放ち宣言する。
「もし、あなたたちが困っているのなら、このワルサー総帥が解決してやるのぜ!」
(案内してみるニャ?)
(あいつを倒してくれるかもしれないニャ)
(ネコの耳も持ってるから、味方ニャ)
何故か猫耳をつけたサチコの前に、ユグディラたちが姿を現す。
しばらく見つめ合っていたが、ユグディラたちは誘導するような視線を送り歩き出した。連れて行きたい場所があるのだろう、とサチコは意気揚々と歩き出す。
「わーはっはっは、このワルサー総帥に任せるのぜ!」
ユグディラたちの不安そうな表情とは裏腹に、サチコは自身を笑みに含ませていた。
だが、サチコはすぐにへこたれることになる。
「……どうしてこんなことに……」
サチコは誘われるがママ、ユグディラたちの狩場を訪れていた。そこは、湖の中でもやや足場が不安定な浅瀬の岩礁である。少し離れたところでは、ユグディラたちがことの成り行きを見ていた。
ここにユグディラたちの見せたかった「何か」があるらしい。ぼうっと待っていたサチコの目の前に、ざぱっと音を立ててそいつらは現れた。
「……あ」
視線の先にいたのは、大きな鋏を打ち鳴らす川エビたちの姿であった。無論、ちょっとやそっと大きいのではない。少なくともサチコの数倍の大きさはあるのだ。
そのうち一体が放った水鉄砲を避け、サチコはずれかけた猫耳を押さえる。
「……なるほど、雑魔ですわね。いいですわ、この……」
ちらりと後方に控えるユグディラたちを見、サチコは猫耳をしっかりと付け直した。
「ワルワル団首領、ワルサー総帥が相手ですニャ!」
その言葉に、猫耳を渡した従者ジロは、はるか後方で小さなガッツポーズをしたとかなんとか……。
リプレイ本文
●
王国某所の湖で、ユグディラの視線に囲まれながら猫耳の少女が一人、羞恥心に耐えていた。
そんな猫耳少女ことサチコ・W・ルサスールは、真っ赤になりながら周りの仲間を振り返った。
「そんなに恥ずかしがらなくても、大丈夫だよ」
そういいながら自分の頭を指差すのは、天竜寺 舞(ka0377)である。彼女もまた猫耳を頭につけていた。
彼女が視線を送る先では、
「ワルワルニャー! 我らはワルワルにゃん、なんてね~」
夢路 まよい(ka1328)がポーズを決めながら、ユグディラたちの様子を見る。もちろん、彼女の頭にも猫耳は踊る。
「ユグディラ達、近づいてこないね」
「こんなに親しみを示しているのにな」
まよいの隣では人間大のユグディラ……ではなく、まるごとゆぐでぃらを身にまとったヴォーイ・スマシェストヴィエ(ka1613)である。
「むしろ警戒されてないですか……」
そう冷静な思いを述べるのは、アシェ-ル(ka2983)である。
「でも、サチコ様とお揃いなら私も猫耳欲しいです」
猫耳を欲するアシェールに対して、そっとサチコは予備の猫耳を押し付けるのだった。
そんな猫耳組を遠巻きに眺めるには、ナナセ・ウルヴァナ(ka5497)だ。生暖かい視線を送っていたのだが、微妙に増えた猫耳組に曖昧な笑みを浮かべる。
「にゃー、にゃー……逆に浮きそうですね」
「つけてなくても、問題はないと思うけどね」
鈴胆 奈月(ka2802)は冷静に返しながら、借り物の舟へ向かう者を集めていく。
「そろそろ行くのかニャ?」
水着を着込み、サブマリンシューズを履いたクリスティン・ガフ(ka1090)の問いかけに奈月は頷いて答える。
「ガフさんも猫耳をつけているのか」
奈月に答えたのは、クリスティンではなくGacrux(ka2726)だった。
「いや、必要でしょう。猫ですし」
第二の依頼主から信頼を得るためにも、こうした配慮は必要だという。
「だが、語尾は……必要なのでしょうか」
一方で、Gacruxは葛藤しているようでもあった。
●
さらにアシェールとヴォーイを加えて、四人は湖へと漕ぎ出す。湖側から回り込み、挟み撃ちにするためだ。
「エビ! カニ! エビ! カニ!」
全員で漕ぐ中、アシェールはそんな掛け声を上げていた。ふと、ヴォーイがアシェールに問いかける。
「エビしかいないんじゃなかったか」
「え、カニさんはいないんですか?」
今回の敵を見定めるべく、アシェールは目を凝らす。確かに姿を表しているのはエビだけだった。
いずれにしても、とアシェールは拳を強く握る。
「甲殻類の癖にサチコ様に楯突くなんて許しません!」
気合十分といったところで、ボートを止める。
「確かに、美味しそうだ。食べれる状態なら……だけどな」
奈月が敵を望みながら、錨を下ろす。だが、若干距離があった。クリスティンは徐に、ヴォーイへ問いかけた。
「少し遠くないか?」
「借りもん壊しちゃまずいしな」
答えつつヴォーイは、陸側へ目を凝らす。こちらが漕ぎいだしてすぐ、陸側も動き出したようだった。
いつでも飛び出せるよう、アシェールがウォーターウォークをかけ始めていた。
●
「えびせんの具にしてやるから、覚悟するニャ!」
陸側はでは舞が、剣の切っ先をエビに向け声を張り上げる。小声で、「ほら、サチコも」と告げられ、
「か、覚悟するのです……にゃ!」
とサチコも宣言を飛ばす。
その後ろでは、まよいが魔法をみんなにかけていく。
「さて、ウォーターウォークの大盤振る舞いだよ~」
まよいに水の精霊力を付与されたサチコと舞は、水辺に歩を進める。波紋が静かに広がる上へ、二人は立っていた。
感動覚めやらぬ前に、Gacruxがやや大きな岩礁で声を上げた。
「そして、こちらを見てもらいましょうか……にゃんご」
羞恥心とユグディラの視線に挟まれて、Gacruxは語尾を濁す。一呼吸入れると、体内のマテリアルを燃やし炎のようなオーラを纏う。
エビの濁った目が、ハンターたちへ向けられた。
「猟は慣れてますけど、漁は久々ですね」
その濁った目を睨むように、ナナセが馬上で目を細める。
「美味しい料理のためにも、ちゃちゃっと片付けますかね!」
気合入れるが、すぐには動かない。奥にいる湖側の準備を待つ……つもりでいたがエビたちは一斉に水鉄砲を放ち始めた。
「あらら、やる気満々ですね」
Gacruxに向けて、数発の水鉄砲が飛ぶ。一つを避け、一つは岩場を利用して防ぐ。だが、最後の一発が頭に直撃した。
「……っ」
一瞬、くらっとしたが即座に持ち直す。
横目で見れば、舞にも水鉄砲が放たれていた。
「にゃ、にゃ……にゃんっ」
猫語で軽快にリズムを取り、舞は水鉄砲を避けていく。時折エビに剣を見せて、注意をそばにいるサチコから反らせていた。
仕方がないですね、とナナセはマテリアルを込めて矢をつがう。引き絞りきったところで一度息を止めて、放つ。
放たれた矢は二本……双頭の蛇を思わすオーラが包み込む。蛇はエビの甲羅にヒビを入れ、足を掠めた。仲間で響いていない様子に、ナナセは小さく唸る。
「んー、殻を砕ける重い鏃でもあればいいんですけど、ちょーっと相性わるいですね」
湖面に浮かぶ波紋が、次第に荒々しくなり始めていた。
●
「サチコもソウルトーチで引き付けて、あ、でも水鉄砲には気を付けるにゃん!」
「わ、わかりましたにゃん」
舞はサチコにアドバイスを送ると、一気にエビの間を駆け抜けていく。すれ違いざま、数匹のエビへ刃を立てる。
だが、正確に刃を突き立てられたのは最後の一匹のみであった。すかさず振り下ろされた鋏を避け、舞は踵を返す。
「危なっ!?」
発射された水鉄砲を避けつつ、再び切りつけてサチコの元へ戻る。そこではGacruxがエビへと移動の勢いを乗せた一撃を与えていた。
ナナセの弓を受けていた一体の攻撃を避け、大ぶりに大剣を振るう。Gacruxの攻撃に体勢を崩したとエビの甲殻の間へ、真っ直ぐに矢が突き立った。
「よしっ」
猪のようなオーラが消えていく腕で、軽くガッツポーズをしてナナセは馬を駆る。ちらりと見れば、矢が刺さったエビがGacruxに突き崩されていた。
軋むような音を奏で、エビが岩礁の上に倒れる。この様子を見て、後ろにいたエビたちが後退を始める。
「逃しませんよ……っと!」
足止めにナナセが矢を放ち、
「だが、もう遅いにゃ!」
前面のエビを惹きつけながら、サチコはニャッと笑みを浮かべるのだった。
●
後退を始めたエビが、広く反り返った刀に苛烈な一撃を浴びせられた。移動の速度を乗せ、ぬるりと放つ技の名は流歩。クリスティンの持つ斬魔剛剣術の一つである。
「主婦に対して元がエビなのが敗因だったニャ!」
美味しく調理されるがよいとばかりに、鋏を受け止めつつ、切り立てる。
そして、ヴォーイもまた接近したと同時にエビを陸側へと弾き返す。
「さて、逃げ場はないぜ……っと!」
魔槍が唸り、エビの体躯が跳ね跳ぶ。
エビは着地と同時に威嚇するように鋏を上げるが、右側が氷の槍に貫かれた。軌跡の光が消え行く先で、アシェールが手を掲げていた。
「さすが、エビなだけあって水辺での威勢はいいみたいですね」
冷えた身体で水鉄砲を不発したエビへ、今度は雷撃を打ち込む。桃色の混じった雷撃は、クリスティンの押さえるエビを掠め、本丸を焦がす。
「ですが、所詮はエビなのです! おとなしく討伐されちゃってください!」
「そうそう、大人しくして欲しいな」
奈月もついで前へと出て、電流を打ち込む。動きが鈍れば押し返すのも簡単だ。一匹はクリスティンが抑え、一匹はヴォーイが担う。
奈月が電流を流した相手は、詰め寄る者がいない。場合によっては、攻性防壁で止めることも視野に入れていた。
「単純に火力が高いなら、ペースを握らせる訳にはいかないしな」
だが、そうなる前に舞が奈月とエビの間に割り込んだ。移動の勢いで落ちそうになる猫耳を押さえながら、舞はエビを切り上げた。
そこに氷の槍が飛来し、エビの身体を貫く。
「さて、折り返しってところかニャ?」
舞の視線の先では、まよいが放った雷撃に穿たれるエビたちの姿があった。
●
雷撃に穿たれ、焦げ目の付いたエビへとサチコは刃を突き入れる。剣を抜き、エビが倒れる僅かな間にナナセがトドメの矢を撃ち入れた。
「残るは……四体ですにゃ?」
サチコが倒れてきたエビから距離を取り、戦場を見渡す。視界の端で、Gacruxがエビの関節の隙間から大剣を突き立てていた。鋏を振り上げるも、力尽きだらりと身体が落ちていく。
水しぶきを浴びながら、Gacruxは一息つく。だが、すぐに水面を走り舞と奈月の助太刀へ向かう。
一方でクリスティンは、的確にエビの甲殻を打ち破っていた。
「胸部ががら空きだニャ!」
笑みを浮かべ、振り下ろされた鋏を受け止めながら、切っ先をエビの腹へと向ける。潜り込むようにして踏み込みざまに、穿けば甲殻の間から刃は突き出る。引き抜けば、エビの力も同時に抜けていくように見えた。
それでも水中を目指して、エビは暴れまわる。
繰り出される鋏に耐えつつ、クリスティンは詰め寄りざまに斬線を描く。軌跡は見事にエビの片鋏を切り飛ばした。
動揺している暇はない。
「いざとなれば……舟で体当たりだってしてみせます!」
幾度となく氷の槍を放つアシェールが、声を上げる。
「万が一、水に落ちても大丈夫なように、水着を着込んできました」といいつつ、氷の槍を続けざまに放つ。
槍に貫かれ、冷えた身体では動きが鈍る。次第にエビたちは、陸側へと追い込まれていく。
後退しながら放たれた水鉄砲を避け、一呼吸を置くとクリスティンは完全に守りを捨てて一気呵成に攻め立てた。
「終わりだニャ」
一閃、勢いの付いた斬撃がエビの腹を割く。派手な水しぶきを上げて、エビの身体は横たわるのだった。
「余裕が出てきたな」
ぼそりと奈月は呟くと、デルタレイを紡いで光線を飛ばす。光に貫かれたエビが、水鉄砲で応酬するが届かない。
「そっちを気にしていて本当にいいのかニャ?」
ヴォーイは問いただすように言うと、槍に砂を纏わせてエビへと突き立てる。祖霊の力で砂を操り、威力を増す……砂紋だ。
惜しくも初撃は避けられ、反撃に振り下ろされた鋏を水の上を滑るようにして避ける。岩礁が砕けた破片を、砂紋で槍へと募っていく。
「合わせていこうか」
今度は奈月が放ったデルタレイを避けたところへ、飛び込みざまに槍を奮った。ヴォーイの一撃は、エビの胴体をへし折るほどの勢いで叩き込まれていた。まだ動けるエビが、口を開け水鉄砲を放とうとした。
水しぶきは、飛来した氷の槍に凍らされた。挙句の果てに、口の中まで凍えさせられ、エビは身体を震わせながら崩れていく。
「んー、残らないねえ」
ここまで一匹も身体を残さないエビに、ヴォーイは仕方がないかと諦めをつける。残れば御の字くらいの気持ちで、最後の一体へと歩を進めた。
舞とGacruxが抑えに回ったエビは、力の限り抵抗してみせた。だが、多勢に無勢。手数で責め立てられ、足はもげ、鋏は関節から落とされた。
背中に受けていたナナセの矢を起点に、後ろの殻が破壊されると後は一瞬であった。
「最後は決めてくれ、サチコ様!」
促されるがまま、むき出しになった身をサチコは切り裂く。倒れたエビは、唯一こいつだけは消えることなく残った。歪虚になったばかりだったのだろう。鋏の片方を舞が拾い上げ、サチコと持ち上げる。
それに合わせて、まよいが片手を上に上げた。
「わるわるニャー!」
まよいの声に呼応するように、口々に勝鬨を上げるのであった。
●
形の残ったエビを見下ろし、Gacruxは皆に問いかける。
「これ、食べてみますか?」
「いいんじゃないかな。頭と殻はもらうよ。アメリケーヌソースを作ってみるね」
舞が手際よく水揚げしたエビの殻を外して、頭を落とす。向こうではアシェールが興奮気味にエビを指差していた。
「サチコ様! あれです。エビはフライにしちゃいましょう!」
「大きなフライ……夢がありますにゃ!」
猫言葉を続けながら、サチコは同意する。大エビに沸く中で、ひっそりと湖畔に罠を仕掛けるクリスティンがいた。興味を持ったユグディラの一部が様子を見る。
「それとあのサイズとは言わないが、エビは食べたくないかニャ?」
美味しいニャとクリスティンはペットボトルで作った罠を、破棄された魚を使った団子を餌にして沈める。しばらくして罠を引き上げれば、川エビが取れる。
「罠の作り方教えてあげるニャ?」
しばらくして、川エビと川魚のパーティが宿で始まった。ユグディラたちの漁場が取り返されたことを祝いながら、舌鼓を打つ。
「あー、それは私のだニャ!」
まよいは、ユグディラたちと出来上がった魚料理をユグディラと奪い合っていた。小骨は苦手だが味はよく、それにエビ料理もあるのだ。
「うちの部族は焼き物中心ですけど、やっぱり煮物もイケますねー」とナナセは煮魚を突く。
「私は……こっちの発酵系のにおいが苦手ですわ」
ナナセの隣では、なれ寿司のような料理にサチコが端を曲げる。
「あー、これは好き嫌いがあるからね。ほら、私の作ったソースをパンにつけて食べてみて。こっちは私が食べるから」
舞がサチコと料理を入れ替えて、味を見てもらう。「妹ほど上手くはできてないけど」と前置きを入れられたが、サチコは、
「美味しいですわ!」と笑みを浮かべた。
「この川魚料理、レシピ教えてもらえます?」
その隣では、クリスティンが女将さんとレシピの話に花を咲かせ、
「ふかふかもふもふなのです~」
アシェールがユグディラをもふっていた。
一方その頃……。
「気持ちいいですかにゃんごー?」
Gacruxもビールを飲みつつ、ユグディラをもふっていた。エビソースにフライ、川魚料理とツマミにはことかかない。
「……サチコさまも嘗めてみる?」
ヴォーイは持ち寄っていた純米大吟醸ヨアキムを振る舞いながら、サチコに問いかける。
「後学の為にさ」というものの、タロとジロによって阻止される。
「んー、それじゃあこっちは……」
と、奈月は清酒月見を開ける。酒盛りをしつつ、奈月はユグディラをモフる。人語を解するユグディラたちもまた、歓迎ムードのハンターたちとの交流を楽しむ。
「これで、めでたしめでたし……かニャ?」
サチコもアシェールとユグディラをモフりながら、小さくそう呟くのだった。
王国某所の湖で、ユグディラの視線に囲まれながら猫耳の少女が一人、羞恥心に耐えていた。
そんな猫耳少女ことサチコ・W・ルサスールは、真っ赤になりながら周りの仲間を振り返った。
「そんなに恥ずかしがらなくても、大丈夫だよ」
そういいながら自分の頭を指差すのは、天竜寺 舞(ka0377)である。彼女もまた猫耳を頭につけていた。
彼女が視線を送る先では、
「ワルワルニャー! 我らはワルワルにゃん、なんてね~」
夢路 まよい(ka1328)がポーズを決めながら、ユグディラたちの様子を見る。もちろん、彼女の頭にも猫耳は踊る。
「ユグディラ達、近づいてこないね」
「こんなに親しみを示しているのにな」
まよいの隣では人間大のユグディラ……ではなく、まるごとゆぐでぃらを身にまとったヴォーイ・スマシェストヴィエ(ka1613)である。
「むしろ警戒されてないですか……」
そう冷静な思いを述べるのは、アシェ-ル(ka2983)である。
「でも、サチコ様とお揃いなら私も猫耳欲しいです」
猫耳を欲するアシェールに対して、そっとサチコは予備の猫耳を押し付けるのだった。
そんな猫耳組を遠巻きに眺めるには、ナナセ・ウルヴァナ(ka5497)だ。生暖かい視線を送っていたのだが、微妙に増えた猫耳組に曖昧な笑みを浮かべる。
「にゃー、にゃー……逆に浮きそうですね」
「つけてなくても、問題はないと思うけどね」
鈴胆 奈月(ka2802)は冷静に返しながら、借り物の舟へ向かう者を集めていく。
「そろそろ行くのかニャ?」
水着を着込み、サブマリンシューズを履いたクリスティン・ガフ(ka1090)の問いかけに奈月は頷いて答える。
「ガフさんも猫耳をつけているのか」
奈月に答えたのは、クリスティンではなくGacrux(ka2726)だった。
「いや、必要でしょう。猫ですし」
第二の依頼主から信頼を得るためにも、こうした配慮は必要だという。
「だが、語尾は……必要なのでしょうか」
一方で、Gacruxは葛藤しているようでもあった。
●
さらにアシェールとヴォーイを加えて、四人は湖へと漕ぎ出す。湖側から回り込み、挟み撃ちにするためだ。
「エビ! カニ! エビ! カニ!」
全員で漕ぐ中、アシェールはそんな掛け声を上げていた。ふと、ヴォーイがアシェールに問いかける。
「エビしかいないんじゃなかったか」
「え、カニさんはいないんですか?」
今回の敵を見定めるべく、アシェールは目を凝らす。確かに姿を表しているのはエビだけだった。
いずれにしても、とアシェールは拳を強く握る。
「甲殻類の癖にサチコ様に楯突くなんて許しません!」
気合十分といったところで、ボートを止める。
「確かに、美味しそうだ。食べれる状態なら……だけどな」
奈月が敵を望みながら、錨を下ろす。だが、若干距離があった。クリスティンは徐に、ヴォーイへ問いかけた。
「少し遠くないか?」
「借りもん壊しちゃまずいしな」
答えつつヴォーイは、陸側へ目を凝らす。こちらが漕ぎいだしてすぐ、陸側も動き出したようだった。
いつでも飛び出せるよう、アシェールがウォーターウォークをかけ始めていた。
●
「えびせんの具にしてやるから、覚悟するニャ!」
陸側はでは舞が、剣の切っ先をエビに向け声を張り上げる。小声で、「ほら、サチコも」と告げられ、
「か、覚悟するのです……にゃ!」
とサチコも宣言を飛ばす。
その後ろでは、まよいが魔法をみんなにかけていく。
「さて、ウォーターウォークの大盤振る舞いだよ~」
まよいに水の精霊力を付与されたサチコと舞は、水辺に歩を進める。波紋が静かに広がる上へ、二人は立っていた。
感動覚めやらぬ前に、Gacruxがやや大きな岩礁で声を上げた。
「そして、こちらを見てもらいましょうか……にゃんご」
羞恥心とユグディラの視線に挟まれて、Gacruxは語尾を濁す。一呼吸入れると、体内のマテリアルを燃やし炎のようなオーラを纏う。
エビの濁った目が、ハンターたちへ向けられた。
「猟は慣れてますけど、漁は久々ですね」
その濁った目を睨むように、ナナセが馬上で目を細める。
「美味しい料理のためにも、ちゃちゃっと片付けますかね!」
気合入れるが、すぐには動かない。奥にいる湖側の準備を待つ……つもりでいたがエビたちは一斉に水鉄砲を放ち始めた。
「あらら、やる気満々ですね」
Gacruxに向けて、数発の水鉄砲が飛ぶ。一つを避け、一つは岩場を利用して防ぐ。だが、最後の一発が頭に直撃した。
「……っ」
一瞬、くらっとしたが即座に持ち直す。
横目で見れば、舞にも水鉄砲が放たれていた。
「にゃ、にゃ……にゃんっ」
猫語で軽快にリズムを取り、舞は水鉄砲を避けていく。時折エビに剣を見せて、注意をそばにいるサチコから反らせていた。
仕方がないですね、とナナセはマテリアルを込めて矢をつがう。引き絞りきったところで一度息を止めて、放つ。
放たれた矢は二本……双頭の蛇を思わすオーラが包み込む。蛇はエビの甲羅にヒビを入れ、足を掠めた。仲間で響いていない様子に、ナナセは小さく唸る。
「んー、殻を砕ける重い鏃でもあればいいんですけど、ちょーっと相性わるいですね」
湖面に浮かぶ波紋が、次第に荒々しくなり始めていた。
●
「サチコもソウルトーチで引き付けて、あ、でも水鉄砲には気を付けるにゃん!」
「わ、わかりましたにゃん」
舞はサチコにアドバイスを送ると、一気にエビの間を駆け抜けていく。すれ違いざま、数匹のエビへ刃を立てる。
だが、正確に刃を突き立てられたのは最後の一匹のみであった。すかさず振り下ろされた鋏を避け、舞は踵を返す。
「危なっ!?」
発射された水鉄砲を避けつつ、再び切りつけてサチコの元へ戻る。そこではGacruxがエビへと移動の勢いを乗せた一撃を与えていた。
ナナセの弓を受けていた一体の攻撃を避け、大ぶりに大剣を振るう。Gacruxの攻撃に体勢を崩したとエビの甲殻の間へ、真っ直ぐに矢が突き立った。
「よしっ」
猪のようなオーラが消えていく腕で、軽くガッツポーズをしてナナセは馬を駆る。ちらりと見れば、矢が刺さったエビがGacruxに突き崩されていた。
軋むような音を奏で、エビが岩礁の上に倒れる。この様子を見て、後ろにいたエビたちが後退を始める。
「逃しませんよ……っと!」
足止めにナナセが矢を放ち、
「だが、もう遅いにゃ!」
前面のエビを惹きつけながら、サチコはニャッと笑みを浮かべるのだった。
●
後退を始めたエビが、広く反り返った刀に苛烈な一撃を浴びせられた。移動の速度を乗せ、ぬるりと放つ技の名は流歩。クリスティンの持つ斬魔剛剣術の一つである。
「主婦に対して元がエビなのが敗因だったニャ!」
美味しく調理されるがよいとばかりに、鋏を受け止めつつ、切り立てる。
そして、ヴォーイもまた接近したと同時にエビを陸側へと弾き返す。
「さて、逃げ場はないぜ……っと!」
魔槍が唸り、エビの体躯が跳ね跳ぶ。
エビは着地と同時に威嚇するように鋏を上げるが、右側が氷の槍に貫かれた。軌跡の光が消え行く先で、アシェールが手を掲げていた。
「さすが、エビなだけあって水辺での威勢はいいみたいですね」
冷えた身体で水鉄砲を不発したエビへ、今度は雷撃を打ち込む。桃色の混じった雷撃は、クリスティンの押さえるエビを掠め、本丸を焦がす。
「ですが、所詮はエビなのです! おとなしく討伐されちゃってください!」
「そうそう、大人しくして欲しいな」
奈月もついで前へと出て、電流を打ち込む。動きが鈍れば押し返すのも簡単だ。一匹はクリスティンが抑え、一匹はヴォーイが担う。
奈月が電流を流した相手は、詰め寄る者がいない。場合によっては、攻性防壁で止めることも視野に入れていた。
「単純に火力が高いなら、ペースを握らせる訳にはいかないしな」
だが、そうなる前に舞が奈月とエビの間に割り込んだ。移動の勢いで落ちそうになる猫耳を押さえながら、舞はエビを切り上げた。
そこに氷の槍が飛来し、エビの身体を貫く。
「さて、折り返しってところかニャ?」
舞の視線の先では、まよいが放った雷撃に穿たれるエビたちの姿があった。
●
雷撃に穿たれ、焦げ目の付いたエビへとサチコは刃を突き入れる。剣を抜き、エビが倒れる僅かな間にナナセがトドメの矢を撃ち入れた。
「残るは……四体ですにゃ?」
サチコが倒れてきたエビから距離を取り、戦場を見渡す。視界の端で、Gacruxがエビの関節の隙間から大剣を突き立てていた。鋏を振り上げるも、力尽きだらりと身体が落ちていく。
水しぶきを浴びながら、Gacruxは一息つく。だが、すぐに水面を走り舞と奈月の助太刀へ向かう。
一方でクリスティンは、的確にエビの甲殻を打ち破っていた。
「胸部ががら空きだニャ!」
笑みを浮かべ、振り下ろされた鋏を受け止めながら、切っ先をエビの腹へと向ける。潜り込むようにして踏み込みざまに、穿けば甲殻の間から刃は突き出る。引き抜けば、エビの力も同時に抜けていくように見えた。
それでも水中を目指して、エビは暴れまわる。
繰り出される鋏に耐えつつ、クリスティンは詰め寄りざまに斬線を描く。軌跡は見事にエビの片鋏を切り飛ばした。
動揺している暇はない。
「いざとなれば……舟で体当たりだってしてみせます!」
幾度となく氷の槍を放つアシェールが、声を上げる。
「万が一、水に落ちても大丈夫なように、水着を着込んできました」といいつつ、氷の槍を続けざまに放つ。
槍に貫かれ、冷えた身体では動きが鈍る。次第にエビたちは、陸側へと追い込まれていく。
後退しながら放たれた水鉄砲を避け、一呼吸を置くとクリスティンは完全に守りを捨てて一気呵成に攻め立てた。
「終わりだニャ」
一閃、勢いの付いた斬撃がエビの腹を割く。派手な水しぶきを上げて、エビの身体は横たわるのだった。
「余裕が出てきたな」
ぼそりと奈月は呟くと、デルタレイを紡いで光線を飛ばす。光に貫かれたエビが、水鉄砲で応酬するが届かない。
「そっちを気にしていて本当にいいのかニャ?」
ヴォーイは問いただすように言うと、槍に砂を纏わせてエビへと突き立てる。祖霊の力で砂を操り、威力を増す……砂紋だ。
惜しくも初撃は避けられ、反撃に振り下ろされた鋏を水の上を滑るようにして避ける。岩礁が砕けた破片を、砂紋で槍へと募っていく。
「合わせていこうか」
今度は奈月が放ったデルタレイを避けたところへ、飛び込みざまに槍を奮った。ヴォーイの一撃は、エビの胴体をへし折るほどの勢いで叩き込まれていた。まだ動けるエビが、口を開け水鉄砲を放とうとした。
水しぶきは、飛来した氷の槍に凍らされた。挙句の果てに、口の中まで凍えさせられ、エビは身体を震わせながら崩れていく。
「んー、残らないねえ」
ここまで一匹も身体を残さないエビに、ヴォーイは仕方がないかと諦めをつける。残れば御の字くらいの気持ちで、最後の一体へと歩を進めた。
舞とGacruxが抑えに回ったエビは、力の限り抵抗してみせた。だが、多勢に無勢。手数で責め立てられ、足はもげ、鋏は関節から落とされた。
背中に受けていたナナセの矢を起点に、後ろの殻が破壊されると後は一瞬であった。
「最後は決めてくれ、サチコ様!」
促されるがまま、むき出しになった身をサチコは切り裂く。倒れたエビは、唯一こいつだけは消えることなく残った。歪虚になったばかりだったのだろう。鋏の片方を舞が拾い上げ、サチコと持ち上げる。
それに合わせて、まよいが片手を上に上げた。
「わるわるニャー!」
まよいの声に呼応するように、口々に勝鬨を上げるのであった。
●
形の残ったエビを見下ろし、Gacruxは皆に問いかける。
「これ、食べてみますか?」
「いいんじゃないかな。頭と殻はもらうよ。アメリケーヌソースを作ってみるね」
舞が手際よく水揚げしたエビの殻を外して、頭を落とす。向こうではアシェールが興奮気味にエビを指差していた。
「サチコ様! あれです。エビはフライにしちゃいましょう!」
「大きなフライ……夢がありますにゃ!」
猫言葉を続けながら、サチコは同意する。大エビに沸く中で、ひっそりと湖畔に罠を仕掛けるクリスティンがいた。興味を持ったユグディラの一部が様子を見る。
「それとあのサイズとは言わないが、エビは食べたくないかニャ?」
美味しいニャとクリスティンはペットボトルで作った罠を、破棄された魚を使った団子を餌にして沈める。しばらくして罠を引き上げれば、川エビが取れる。
「罠の作り方教えてあげるニャ?」
しばらくして、川エビと川魚のパーティが宿で始まった。ユグディラたちの漁場が取り返されたことを祝いながら、舌鼓を打つ。
「あー、それは私のだニャ!」
まよいは、ユグディラたちと出来上がった魚料理をユグディラと奪い合っていた。小骨は苦手だが味はよく、それにエビ料理もあるのだ。
「うちの部族は焼き物中心ですけど、やっぱり煮物もイケますねー」とナナセは煮魚を突く。
「私は……こっちの発酵系のにおいが苦手ですわ」
ナナセの隣では、なれ寿司のような料理にサチコが端を曲げる。
「あー、これは好き嫌いがあるからね。ほら、私の作ったソースをパンにつけて食べてみて。こっちは私が食べるから」
舞がサチコと料理を入れ替えて、味を見てもらう。「妹ほど上手くはできてないけど」と前置きを入れられたが、サチコは、
「美味しいですわ!」と笑みを浮かべた。
「この川魚料理、レシピ教えてもらえます?」
その隣では、クリスティンが女将さんとレシピの話に花を咲かせ、
「ふかふかもふもふなのです~」
アシェールがユグディラをもふっていた。
一方その頃……。
「気持ちいいですかにゃんごー?」
Gacruxもビールを飲みつつ、ユグディラをもふっていた。エビソースにフライ、川魚料理とツマミにはことかかない。
「……サチコさまも嘗めてみる?」
ヴォーイは持ち寄っていた純米大吟醸ヨアキムを振る舞いながら、サチコに問いかける。
「後学の為にさ」というものの、タロとジロによって阻止される。
「んー、それじゃあこっちは……」
と、奈月は清酒月見を開ける。酒盛りをしつつ、奈月はユグディラをモフる。人語を解するユグディラたちもまた、歓迎ムードのハンターたちとの交流を楽しむ。
「これで、めでたしめでたし……かニャ?」
サチコもアシェールとユグディラをモフりながら、小さくそう呟くのだった。
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依頼相談掲示板 | |||
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作戦相談卓 夢路 まよい(ka1328) 人間(リアルブルー)|15才|女性|魔術師(マギステル) |
最終発言 2016/09/17 20:50:02 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/09/13 19:13:26 |