ゲスト
(ka0000)
咆える大狼の露払い
マスター:蒼かなた

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~8人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2014/09/20 12:00
- 完成日
- 2014/10/04 00:28
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
●咆哮する大狼
そこは冒険都市リゼリオに程近いのどかな村だった。農業を生業とするものが多く、秋には大地の実りの恩恵を多いに受け収穫する。
それを各町などに売り、少しの贅沢をしてまた農業に勤しむ。そんな平凡な村だった。
時々獣や雑魔はでるけれどそれは村の自警団やすぐにハンターズソサエティに依頼して退治してもらっていた。
そこは至って平和な村だった。
――そう、奴が現れるまでは。
それは夏の日差しの強い昼頃だった。人々が農作物の手入れに汗を流しているところに行き成り現れた。
まず見えたのは狼だった。誰もが一度は見たことのあるだろう犬に似て非なる強暴な獣だ。
10匹程度のその狼達を見て村人達はまた畑を荒らしに来たのかとそう思った。
だが、次の瞬間その考えは吹き飛んでしまった。いや考えられなくなってしまった。
その狼の後ろ。そこには2メートル、いや3メートルに届かんとする巨体があった。
赤黒い毛並み、他の狼が子供かと思えてしまうほどのその巨体。2本の大きな牙を生やした凶悪な顔が村人達へと向けられる。
「ウオォォォォォン!」
大狼が吠える。これまで聞いた事のないような腹の底にまで響き渡るような咆哮だった。
茫然自失としていた村人達は我先にと逃げ出し、中には腰を抜かして動けなくなっているものもいた。
平和は今崩された。それを取り戻すことは出来るのか?
村人はあの恐ろしい化け物に震えながらもハンターズソサエティへと連絡を取った。
●ハンターオフィス
「緊急事態ですね」
とあるハンターオフィスで職員の一人がそう呟く。
手元に届いた情報を纏める限りそれは最近では確認されていない固体だった。
「よう、でかい狼が出たんだって?」
と、そこに現れたのはプレートメイルに身を包み身の丈ほどあるグレートソードを担いだ男――ブレアだった。
耳が早い、いやハンターだからこそこういった情報には精通しているのだろう。
「ええ、とある農村に突然。どうやらどこかの主か、または変異種なのかもしれません」
情報によるとその大狼は一匹だけ。しかし確認している情報だけでも熟練ハンターでも梃子摺るのは確実な相手だ。
さらに手下として狼を従えているらしいが、こちらも大狼に統率され通常以上の実力を発揮してくるだろう。
「何でも居合わせたハンターがやられたらしいじゃねーか」
「はい、そこそこ実力のある中堅ハンターの4人グループだったのですが……」
偶然近くに村でゴブリン退治を終えたハンター達がその大狼に挑むことになったらしい。
その結果は全滅。その様子を遠くから見ていた村人が言うには最初は優勢に戦っていたらしい。
だが大狼の攻撃が前衛に集中する間に回りこんだ狼達に後衛がまず倒され、あとは1人ずつ集中攻撃を受けてやられてしまったらしい。
勿論彼らの遺体はない。その場で狼達に喰い散らかされたということだ。
「それで、討伐依頼は出すのかい?」
「……いえ、まだ実力の伴わないハンターも多いですし募集形式では無理でしょう」
恐らく駆け出しのハンター達だけでは歯も立たない相手だ。見す見す死人を出すような依頼を出す気はない。
ブレアはそれに少し考えるような仕草をして、すぐに何か面白いことを考えたという風にニヤリと口元を上げる。
「なあ、それならこんなのはどうだ?」
「えっ……しかし、それは……」
ブレアの提案にオフィス職員は戸惑っているが、最終的にはブレアに言いくるめられてその案を受け入れることとなった。
そしてハンターオフィスに一枚の依頼書が張り出されることになる。
「さぁて、勇気あるハンター諸君はどれくらいいるかねぇ?」
ハンターオフィスの片隅で、ブレアはニヤニヤと何か楽しみにしながらこの場にいるハンター達を見渡していた。
そこは冒険都市リゼリオに程近いのどかな村だった。農業を生業とするものが多く、秋には大地の実りの恩恵を多いに受け収穫する。
それを各町などに売り、少しの贅沢をしてまた農業に勤しむ。そんな平凡な村だった。
時々獣や雑魔はでるけれどそれは村の自警団やすぐにハンターズソサエティに依頼して退治してもらっていた。
そこは至って平和な村だった。
――そう、奴が現れるまでは。
それは夏の日差しの強い昼頃だった。人々が農作物の手入れに汗を流しているところに行き成り現れた。
まず見えたのは狼だった。誰もが一度は見たことのあるだろう犬に似て非なる強暴な獣だ。
10匹程度のその狼達を見て村人達はまた畑を荒らしに来たのかとそう思った。
だが、次の瞬間その考えは吹き飛んでしまった。いや考えられなくなってしまった。
その狼の後ろ。そこには2メートル、いや3メートルに届かんとする巨体があった。
赤黒い毛並み、他の狼が子供かと思えてしまうほどのその巨体。2本の大きな牙を生やした凶悪な顔が村人達へと向けられる。
「ウオォォォォォン!」
大狼が吠える。これまで聞いた事のないような腹の底にまで響き渡るような咆哮だった。
茫然自失としていた村人達は我先にと逃げ出し、中には腰を抜かして動けなくなっているものもいた。
平和は今崩された。それを取り戻すことは出来るのか?
村人はあの恐ろしい化け物に震えながらもハンターズソサエティへと連絡を取った。
●ハンターオフィス
「緊急事態ですね」
とあるハンターオフィスで職員の一人がそう呟く。
手元に届いた情報を纏める限りそれは最近では確認されていない固体だった。
「よう、でかい狼が出たんだって?」
と、そこに現れたのはプレートメイルに身を包み身の丈ほどあるグレートソードを担いだ男――ブレアだった。
耳が早い、いやハンターだからこそこういった情報には精通しているのだろう。
「ええ、とある農村に突然。どうやらどこかの主か、または変異種なのかもしれません」
情報によるとその大狼は一匹だけ。しかし確認している情報だけでも熟練ハンターでも梃子摺るのは確実な相手だ。
さらに手下として狼を従えているらしいが、こちらも大狼に統率され通常以上の実力を発揮してくるだろう。
「何でも居合わせたハンターがやられたらしいじゃねーか」
「はい、そこそこ実力のある中堅ハンターの4人グループだったのですが……」
偶然近くに村でゴブリン退治を終えたハンター達がその大狼に挑むことになったらしい。
その結果は全滅。その様子を遠くから見ていた村人が言うには最初は優勢に戦っていたらしい。
だが大狼の攻撃が前衛に集中する間に回りこんだ狼達に後衛がまず倒され、あとは1人ずつ集中攻撃を受けてやられてしまったらしい。
勿論彼らの遺体はない。その場で狼達に喰い散らかされたということだ。
「それで、討伐依頼は出すのかい?」
「……いえ、まだ実力の伴わないハンターも多いですし募集形式では無理でしょう」
恐らく駆け出しのハンター達だけでは歯も立たない相手だ。見す見す死人を出すような依頼を出す気はない。
ブレアはそれに少し考えるような仕草をして、すぐに何か面白いことを考えたという風にニヤリと口元を上げる。
「なあ、それならこんなのはどうだ?」
「えっ……しかし、それは……」
ブレアの提案にオフィス職員は戸惑っているが、最終的にはブレアに言いくるめられてその案を受け入れることとなった。
そしてハンターオフィスに一枚の依頼書が張り出されることになる。
「さぁて、勇気あるハンター諸君はどれくらいいるかねぇ?」
ハンターオフィスの片隅で、ブレアはニヤニヤと何か楽しみにしながらこの場にいるハンター達を見渡していた。
リプレイ本文
●狼に襲われた村
ハンター達が村に着いた時、表には人の姿はなくすっかりと静まり返っていた。
村長を名乗る男に話を聞いたところ狼達はこの先の畑近くの空き地に陣取っているらしい。
「狼の排除ですか、油断のならない相手のようですが……」
上泉 澪(ka0518)は手にしている身の丈ほどある刀を一撫でし教えられた方向へ視線を向ける。
「何、逆に言えば油断しなけりゃ問題ない相手だぜ」
その隣に進み出てきた巨漢の男――ブレアは余裕の笑みを浮かべながら手をひらひら振ってそう言う。
「あんたがブレアか。重い板金鎧を担いで逃げるのは御免だし、頼りにしてんぜ?」
「はっはっは、もしそうなったら置いてっても構わないぜ。万が一にもありえないがな!」
ジャック・エルギン(ka1522)の冗句にもブレアは笑って応えた。
「大狼は俺たちの手に負えねえのはわかっている。けど、あれは仕留め損ねちゃならねぇ奴だよな……何か俺がやれる事はあるか?」
背負っていた弓を既に手に取り臨戦態勢を取るセレナイト・アインツヴァイア(ka0900)は正面に立つブレアにそう話しかける。
「くくっ、そんな気張るなよ。安心しな、大狼は俺が仕留める。お前さん達は自分の出来ることをすりゃあいい」
ブレアはにやりと不敵な笑みを浮かべてそう返した。
「流石に大した自信だな。なら俺達は周りの狼を倒すことに専念しよう」
「ああ、そっちは任せたぜ」
グライブ・エルケイル(ka1080)は腕を組んだ姿で一つ頷く。ブレアはそれに大剣を担ぎ直し親指を立てて見せた。
「さてと、それじゃあそろそろ行くとしようか」
榊 兵庫(ka0010)は槍で自分の肩をぽんと叩き、狼達がいる空き地へと足を向ける。
人対狼――その戦いが今始まろうとしていた。
「うーん、大狼は発見。小さい方は……5~6匹しか見えないね」
まだ空き地から離れた場所で夢路 まよい(ka1328)が目を凝らして見たところ聞いている情報より狼が少ない。
暫く見ていると1匹の狼が戻ってきて畑の作物を咥えて持ってきていることから、どうやら食料集めに何匹か散っているようだ。
「連絡では10匹程度だったか……少ないなら好都合。早めに数を減らせられる」
朱華(ka0841)も同じく周りを確認して腰に差していた日本刀をすらりと引き抜く。
「ウェンカムイをカムイモシリにお還しするため。いきましょう」
白主・アイノネ(ka2628)の声と共にハンター達は作戦通りに2つの班に分かれて一気に狼達へと接近していく。
その足音を狼達は敏感に感じ取り、すぐさまハンター達を視界に捕らえて唸り声を上げる。
「オオォォン!」
大狼が一鳴きする。それは周囲に響き渡り恐らく村の方まで聞こえているだろう。
「これは仲間を呼び戻しているな」
「それならば戻ってくる前に早急に相手の数を減らしに掛かりましょう」
「応っ!」
槍を手にした兵庫と刀を抜き放った澪が一気に狼達に接近する。
二人の放った槍と刀に狼達は素早く反応し左右へ大きく飛びのいてその攻撃をかわす。
狼達は前に出た二人を威嚇するように咆え、その間に数匹の狼が横へと回り込もうとする。
「狼なら鼻がいいんだろう。これならどうだ?」
朱華は回り込もうとしている狼に目掛けて手にしていたものを投げつける。それは村にあった肥溜めから貰って来た肥料だった。
野生に生きる狼達はそれ自体の臭いにはさして怯む様子はなかったが、それをもろに被った一匹は鼻をやられたのかその場で転がり悶えている。
「あははっ、狼さん達、大狼さんにこき使われて大変そうだね。でも、もうゆっくり休んでていいよ……二度と目が覚めないようにしてあげる♪」
まよいは朗らかな笑顔から一変、昏い笑みへと変貌させ呪文を唱え構えた杖を後方にいる狼達へと向ける。
「我、仇なす者の思惟を愚鈍の霧にて濁さん。永遠の眠りへといざなえ……スリープクラウド!」
杖を向けた先にマテリアルが集まり、それは青白い雲状のガスへと代わり走りこんでいた狼達を包み込む。
立ち込めた雲状のガスはすぐに消え視界が戻るとそこには倒れた狼が1匹、そしてふらふらと歩いていた狼が今どさりと横向けに倒れた。
「行かせません」
うさぎのきぐるみを着たアイノネは同じく回り込もうと動いた狼に、地面を強く踏み込み一気に接近すると刺突剣を一閃する。
放った刃は狼の肩口を切り、その狼は威嚇の一咆えをするとすぐさま後方へと走り逃げていく。
「がむしゃらに攻めてはこないみたいだな。厄介な奴等だ」
「何、その為の俺だ――行くぞ!」
盾を構えているグライブの背後から射線を確保し、セレナイトは走る一匹の狼に標的を絞る。
走る狼の速度と矢の飛ぶ速度を研鑽し、狼の頭のやや前方へと引き絞った弓から矢を放つ。
風を切り飛ぶ矢は寸分違わず狙った狼の首元に突き刺さった。
「ひゅうっ! やるじゃねーか。俺も負けてられないな」
クレイモアを振りかざしジャックは向かってくる狼に振り下ろす。狼はその攻撃をひらりと横にかわすとそのままジャックの喉下目掛けて飛び掛った。
ジャックはそれを辛うじて腕で防御する、しかし狼はジャックの腕に喰らいついたままそのまま地面へと引き倒そうと暴れる。
「このっ、邪魔だ!」
ジャックは狼の腹を蹴り無理矢理に腕から引き剥がす。
その瞬間にジャックの側面からもう一匹の狼が飛び掛ってきていた。
「ギャンッ!」
が、狼は途中で弾かれたように直角に真横に飛び地面を滑っていく。
「大丈夫ですか?」
「ああ、助かったぜ」
狼を弾き飛ばした両手の剣を構えるアイノネの言葉にジャックは頷いて返す。
そんな一進一退の攻防を繰り返す中で、ついに奥に控えていた大狼がのそりと立ち上がった。
それを見たところで今まで静観していたブレアが前にでる。
「さあ野郎共、ここからが本番だぜ」
「ウオオオォォン!」
獰猛な笑みを浮かべたブレアと狼が一気に地を蹴ってぶつかり合う。
●狼との死闘
大狼と熟練ハンターのブレアの戦いは壮絶の一言だった。
一閃した剣で、薙いだ爪で地面に大きな傷跡を残す。どちらの攻撃も相手の急所を狙う一撃必殺。的確に入ればそれだけで勝負がつく渾身の一撃の応酬だ。
「はははっ、おいお前等。やっぱちょいと時間がかかりそうだ。そっちに手を貸してやれそうにないがいけるな?」
大狼の爪を大剣で受けながらブレアは声を張り上げる。
「寧ろボスの対処を任せてしまうのは正直心苦しいが……ああ、任せろ。俺達は俺達が成すべき事を果たすとしよう」
その戦いぶりに少し見入っていた兵庫は気を引き締め直して槍を構える。
前方には狼が2体。どちらも咆えてばかりでこちらには向かってこない。しかもだからと下手に前にでると突出したもの相手に数匹で襲い掛かってくる。
下手に前には出られない。と、その間に横から遠吠えの声がする。
「どうやら他所に行っていた狼が戻ってきたみたいですね」
そちらを見ると駆け寄ってくる狼が4匹ここに来て相手の加勢が現れた。
と、そこでずいっとまよいがそちらに向けて一歩前に出る。
「あはは、そんなに急いで疲れたでしょ? さあ、君達もゆっくりおやすみなさい♪」
まよいが杖をかざすとまた雲状のガスが立ち込める。走っていた狼達はそのままその中に飛び込み、数瞬後にはどさりと何かが倒れる音が聞こえた。
しかし、その中から1匹の狼が眠りの雲の中から飛び出してくる。
「ありゃ、一匹逃しちゃったみたいだね」
「大丈夫だ、一匹くらいならどうにでもなる」
まよいの前に朱華が歩み出て狼と対峙する。狼は速度を緩めずに目の前の朱華に飛び掛る。
朱華はそこで避けずに一歩前にでて牙をかわし、その胴体に肩からぶつかり狼を押し戻す。
体当たりで後ろに転がった狼はすぐに起き上がり、その足の速さを生かして側面へと回り込む。
「狙いはやっぱりまよいさんか。だがやらせない」
地面を蹴った朱華は狼に接敵すると日本刀を横薙ぎにする。狼はそれを素早く飛んで避け、着地した瞬間に朱華の脚に食らいつこうと飛び掛る。
朱華はそれを一歩分飛び退って避けた。だが、その瞬間に背後からの気配を感じる。
咄嗟に振り返り腕で防御するとそこには別の狼が朱華の腕に食いついていた。
「すまん、朱華。最初に眠らせていた狼が起きてしまったようだ」
そこでは2匹の狼を相手に槍で捌く兵庫の姿があった。
朱華は一瞬顔をしかめるが、すぐにこの状態を打開すべく腕に食らいついている狼を地面へと叩きつけ、噛んでいる顎の力が緩んだところで腕を引き抜くとそのまま狼の首元へ刃を振り下ろした。
赤い鮮血が吹き出て朱華の身体を赤く染めるが、それに気にすることなく朱華は前を見る。そこには先ほどの狼が目前まで迫っていた。
「それ以上のお痛は許さないよ」
そこでまよいが杖を振るう。マテリアルに導かれた空気が風となり、鋭い刃となって今まさに朱華に飛びかかろうとしていた狼の胴を切り裂く。
どさりと一度地面に落ちた狼だったが、傷が浅かったのか毛並みを赤く染めながらも立ち上がる。
「全く、しぶといなっ」
悪態とともに放ったセレナイトが矢が狼の前脚に突き刺さる。機動力は格段に落ちた。だが気迫は衰えずにギラギラとした目で此方を睨みつけてくる。
「リーダー、あの大狼がいる限りは一歩も退かないだろうな」
周囲を駆ける狼達に気を配りながらグライブはちらりと大狼とそれと戦うブレアを見る。
ブレアの大上段からの振り下ろしを狼は数メートルも飛び上がって避け、そのままその巨体から繰り出す爪をブレアは大剣で防ぎ大地を削りながら後ろに弾かれる。
正しく化け物同士と言える戦いが先ほどから繰り広げられていた。
「グライブ、余所見している暇はないぞ」
「ああ、お前は存分にやれ。守りなら任せろ」
盾を構えなおしたグライブは今向かってきた狼の突進をその盾で受け止めた。
鈍い衝撃が走るが、弾き飛ばされるほどではない。そのまま勢いを殺した所で押し返し狼の体勢を崩す。
そこにセレナイトの放つ矢が脳天へと突き刺さり、狼はビクンと一度だけ身体を震えさせると動かなくなる。
「は、4人も平らげといてまだ飢えてんのか。もう飯を食う必要は、ねえよ!」
ジャックの飛ばした戦輪が狼の身体を掠り傷つける。だがやはり狼は怯まずに走り回り、突如として飛び掛ってくる。
狙われるのはアイノネ。彼女の足に巻いた血の着いたハンカチが狼達を誘うのか先ほどから執拗に攻撃されている。
アイノネはその牙を短剣を振るって受け止めると、勢いを殺され宙に浮いた狼に大きく一歩踏み込む。
「肚に力入れて思い切りブチ込め、でしたね」
赤髪のエルフに無茶の仕方を聞いたとき、教えて貰った気合を入れる方法。
「――ウェンカムイ 、カムイモシリにおおくりします」
渾身の一撃。踏み込みと同時に狼の胸部へ突き出された刺突剣が深々と突き刺さりそのまま背から突き抜ける。
絶命した狼がどさりと地面に落ち、アイノネは引き抜いた刺突剣を振るって血を飛ばす。
「さあ、次はどなたですか」
狼とハンター達の死闘は続く。互いに血塗れになりながらもハンター達は誰一人倒れることはない。
「あと何匹だ? って、とりあえず一匹!」
飛び掛ってきた狼に兵庫は一歩下がって間合いを外し、その着地の瞬間に槍を突きその喉元に穴を穿つ。
その隣で澪は狼へ向けて睨みつけると同時に気迫を飛ばす。それを受けた狼の動きが一瞬だが止まる。
「さて? ただこれで半分は倒したと思います」
動きを止めた狼に澪は大太刀を振り下ろしその首を切り落とした。
狼の数は大分減った。もはや頭数でもハンター達のほうが多い状態だ。
「はーい、とりあえず向こうで寝てた子達はもう起きないよ。永遠にね」
昏い笑みを浮かべくすくすと笑うまよい。その後ろでは首元が切り裂かれた狼達が転がっている。
「あと一息みたいだな。最後まで気合入れていこーぜ!」
ジャックの言葉にハンター達は狼の殲滅へと行動し始める。
連携が得意な狼達も自力で負け、そしてもはや数で負けてしまったこの状態を覆すことはできないだろう。
●大狼の最後と鎮魂歌
ハンター達が狼達を全滅させた時、ブレアと大狼の戦いも佳境を迎えていた。
ブレアは額から血を流し顔の半分は血で汚れている。腕や脚にも爪で切り裂かれた痕がありかなりの失血をしているように見える。
対する大狼もその毛並みは最初見たときとは違い所々赤黒く染まり、腹の部分からは今もぼたぼたと血を流していた。
「はははっ、強いなこのデカイだけのワンコロ風情が! とっとと死ねやぁ!」
「オオォォン!」
1人と1匹が咆える。ブレアは剣を腰溜めに構えて突進し、大狼もそれに合わせて大口を開けて牙を剥き食らい着こうと飛び掛る。
勝負は一瞬――大狼の牙がブレアの肩口を食い破り、そしてブレアの剣が大狼の腹から背中へと突き抜けた。
しばしの静寂。その後、大狼はぐらりと揺れて地面へと倒れ伏した。
そしてブレアは大狼から大剣を引き抜いて戦い終えていたハンター達に向き直る。
「よう、お前等。無事だったか?」
「いや、寧ろそれはこちらの台詞だ」
先ほど噛まれた肩口から血を流すブレアにグライブが眉を顰めてそう応える。
対するブレアは唾でもつけときゃ直ると大笑いをしている。
兎も角として無事に狼退治の依頼は完了となった。
「そうだ。死んだハンターの形見くれー探してやっか。身寄りのあるヤツもいるだろ」
ジャックの言葉にそうだなとブレアも賛同し大狼が寝そべっていた付近を捜し始める。
と、静かになった戦場で綺麗な音が響き渡る。
皆が視線を向けるとそこにはオカリナを口元に寄せたアイノネの姿があった。
奏でられるのは優しくも心を癒す風の歌、魂を送る鎮魂歌。
それは先に亡くなった4人のハンター達へのものか、それとも今命を奪った狼達へのものか。
それを語らずアイノネは奏で続けた。魂達が迷わず在るべき世界へと辿り着けるように。
ハンター達が村に着いた時、表には人の姿はなくすっかりと静まり返っていた。
村長を名乗る男に話を聞いたところ狼達はこの先の畑近くの空き地に陣取っているらしい。
「狼の排除ですか、油断のならない相手のようですが……」
上泉 澪(ka0518)は手にしている身の丈ほどある刀を一撫でし教えられた方向へ視線を向ける。
「何、逆に言えば油断しなけりゃ問題ない相手だぜ」
その隣に進み出てきた巨漢の男――ブレアは余裕の笑みを浮かべながら手をひらひら振ってそう言う。
「あんたがブレアか。重い板金鎧を担いで逃げるのは御免だし、頼りにしてんぜ?」
「はっはっは、もしそうなったら置いてっても構わないぜ。万が一にもありえないがな!」
ジャック・エルギン(ka1522)の冗句にもブレアは笑って応えた。
「大狼は俺たちの手に負えねえのはわかっている。けど、あれは仕留め損ねちゃならねぇ奴だよな……何か俺がやれる事はあるか?」
背負っていた弓を既に手に取り臨戦態勢を取るセレナイト・アインツヴァイア(ka0900)は正面に立つブレアにそう話しかける。
「くくっ、そんな気張るなよ。安心しな、大狼は俺が仕留める。お前さん達は自分の出来ることをすりゃあいい」
ブレアはにやりと不敵な笑みを浮かべてそう返した。
「流石に大した自信だな。なら俺達は周りの狼を倒すことに専念しよう」
「ああ、そっちは任せたぜ」
グライブ・エルケイル(ka1080)は腕を組んだ姿で一つ頷く。ブレアはそれに大剣を担ぎ直し親指を立てて見せた。
「さてと、それじゃあそろそろ行くとしようか」
榊 兵庫(ka0010)は槍で自分の肩をぽんと叩き、狼達がいる空き地へと足を向ける。
人対狼――その戦いが今始まろうとしていた。
「うーん、大狼は発見。小さい方は……5~6匹しか見えないね」
まだ空き地から離れた場所で夢路 まよい(ka1328)が目を凝らして見たところ聞いている情報より狼が少ない。
暫く見ていると1匹の狼が戻ってきて畑の作物を咥えて持ってきていることから、どうやら食料集めに何匹か散っているようだ。
「連絡では10匹程度だったか……少ないなら好都合。早めに数を減らせられる」
朱華(ka0841)も同じく周りを確認して腰に差していた日本刀をすらりと引き抜く。
「ウェンカムイをカムイモシリにお還しするため。いきましょう」
白主・アイノネ(ka2628)の声と共にハンター達は作戦通りに2つの班に分かれて一気に狼達へと接近していく。
その足音を狼達は敏感に感じ取り、すぐさまハンター達を視界に捕らえて唸り声を上げる。
「オオォォン!」
大狼が一鳴きする。それは周囲に響き渡り恐らく村の方まで聞こえているだろう。
「これは仲間を呼び戻しているな」
「それならば戻ってくる前に早急に相手の数を減らしに掛かりましょう」
「応っ!」
槍を手にした兵庫と刀を抜き放った澪が一気に狼達に接近する。
二人の放った槍と刀に狼達は素早く反応し左右へ大きく飛びのいてその攻撃をかわす。
狼達は前に出た二人を威嚇するように咆え、その間に数匹の狼が横へと回り込もうとする。
「狼なら鼻がいいんだろう。これならどうだ?」
朱華は回り込もうとしている狼に目掛けて手にしていたものを投げつける。それは村にあった肥溜めから貰って来た肥料だった。
野生に生きる狼達はそれ自体の臭いにはさして怯む様子はなかったが、それをもろに被った一匹は鼻をやられたのかその場で転がり悶えている。
「あははっ、狼さん達、大狼さんにこき使われて大変そうだね。でも、もうゆっくり休んでていいよ……二度と目が覚めないようにしてあげる♪」
まよいは朗らかな笑顔から一変、昏い笑みへと変貌させ呪文を唱え構えた杖を後方にいる狼達へと向ける。
「我、仇なす者の思惟を愚鈍の霧にて濁さん。永遠の眠りへといざなえ……スリープクラウド!」
杖を向けた先にマテリアルが集まり、それは青白い雲状のガスへと代わり走りこんでいた狼達を包み込む。
立ち込めた雲状のガスはすぐに消え視界が戻るとそこには倒れた狼が1匹、そしてふらふらと歩いていた狼が今どさりと横向けに倒れた。
「行かせません」
うさぎのきぐるみを着たアイノネは同じく回り込もうと動いた狼に、地面を強く踏み込み一気に接近すると刺突剣を一閃する。
放った刃は狼の肩口を切り、その狼は威嚇の一咆えをするとすぐさま後方へと走り逃げていく。
「がむしゃらに攻めてはこないみたいだな。厄介な奴等だ」
「何、その為の俺だ――行くぞ!」
盾を構えているグライブの背後から射線を確保し、セレナイトは走る一匹の狼に標的を絞る。
走る狼の速度と矢の飛ぶ速度を研鑽し、狼の頭のやや前方へと引き絞った弓から矢を放つ。
風を切り飛ぶ矢は寸分違わず狙った狼の首元に突き刺さった。
「ひゅうっ! やるじゃねーか。俺も負けてられないな」
クレイモアを振りかざしジャックは向かってくる狼に振り下ろす。狼はその攻撃をひらりと横にかわすとそのままジャックの喉下目掛けて飛び掛った。
ジャックはそれを辛うじて腕で防御する、しかし狼はジャックの腕に喰らいついたままそのまま地面へと引き倒そうと暴れる。
「このっ、邪魔だ!」
ジャックは狼の腹を蹴り無理矢理に腕から引き剥がす。
その瞬間にジャックの側面からもう一匹の狼が飛び掛ってきていた。
「ギャンッ!」
が、狼は途中で弾かれたように直角に真横に飛び地面を滑っていく。
「大丈夫ですか?」
「ああ、助かったぜ」
狼を弾き飛ばした両手の剣を構えるアイノネの言葉にジャックは頷いて返す。
そんな一進一退の攻防を繰り返す中で、ついに奥に控えていた大狼がのそりと立ち上がった。
それを見たところで今まで静観していたブレアが前にでる。
「さあ野郎共、ここからが本番だぜ」
「ウオオオォォン!」
獰猛な笑みを浮かべたブレアと狼が一気に地を蹴ってぶつかり合う。
●狼との死闘
大狼と熟練ハンターのブレアの戦いは壮絶の一言だった。
一閃した剣で、薙いだ爪で地面に大きな傷跡を残す。どちらの攻撃も相手の急所を狙う一撃必殺。的確に入ればそれだけで勝負がつく渾身の一撃の応酬だ。
「はははっ、おいお前等。やっぱちょいと時間がかかりそうだ。そっちに手を貸してやれそうにないがいけるな?」
大狼の爪を大剣で受けながらブレアは声を張り上げる。
「寧ろボスの対処を任せてしまうのは正直心苦しいが……ああ、任せろ。俺達は俺達が成すべき事を果たすとしよう」
その戦いぶりに少し見入っていた兵庫は気を引き締め直して槍を構える。
前方には狼が2体。どちらも咆えてばかりでこちらには向かってこない。しかもだからと下手に前にでると突出したもの相手に数匹で襲い掛かってくる。
下手に前には出られない。と、その間に横から遠吠えの声がする。
「どうやら他所に行っていた狼が戻ってきたみたいですね」
そちらを見ると駆け寄ってくる狼が4匹ここに来て相手の加勢が現れた。
と、そこでずいっとまよいがそちらに向けて一歩前に出る。
「あはは、そんなに急いで疲れたでしょ? さあ、君達もゆっくりおやすみなさい♪」
まよいが杖をかざすとまた雲状のガスが立ち込める。走っていた狼達はそのままその中に飛び込み、数瞬後にはどさりと何かが倒れる音が聞こえた。
しかし、その中から1匹の狼が眠りの雲の中から飛び出してくる。
「ありゃ、一匹逃しちゃったみたいだね」
「大丈夫だ、一匹くらいならどうにでもなる」
まよいの前に朱華が歩み出て狼と対峙する。狼は速度を緩めずに目の前の朱華に飛び掛る。
朱華はそこで避けずに一歩前にでて牙をかわし、その胴体に肩からぶつかり狼を押し戻す。
体当たりで後ろに転がった狼はすぐに起き上がり、その足の速さを生かして側面へと回り込む。
「狙いはやっぱりまよいさんか。だがやらせない」
地面を蹴った朱華は狼に接敵すると日本刀を横薙ぎにする。狼はそれを素早く飛んで避け、着地した瞬間に朱華の脚に食らいつこうと飛び掛る。
朱華はそれを一歩分飛び退って避けた。だが、その瞬間に背後からの気配を感じる。
咄嗟に振り返り腕で防御するとそこには別の狼が朱華の腕に食いついていた。
「すまん、朱華。最初に眠らせていた狼が起きてしまったようだ」
そこでは2匹の狼を相手に槍で捌く兵庫の姿があった。
朱華は一瞬顔をしかめるが、すぐにこの状態を打開すべく腕に食らいついている狼を地面へと叩きつけ、噛んでいる顎の力が緩んだところで腕を引き抜くとそのまま狼の首元へ刃を振り下ろした。
赤い鮮血が吹き出て朱華の身体を赤く染めるが、それに気にすることなく朱華は前を見る。そこには先ほどの狼が目前まで迫っていた。
「それ以上のお痛は許さないよ」
そこでまよいが杖を振るう。マテリアルに導かれた空気が風となり、鋭い刃となって今まさに朱華に飛びかかろうとしていた狼の胴を切り裂く。
どさりと一度地面に落ちた狼だったが、傷が浅かったのか毛並みを赤く染めながらも立ち上がる。
「全く、しぶといなっ」
悪態とともに放ったセレナイトが矢が狼の前脚に突き刺さる。機動力は格段に落ちた。だが気迫は衰えずにギラギラとした目で此方を睨みつけてくる。
「リーダー、あの大狼がいる限りは一歩も退かないだろうな」
周囲を駆ける狼達に気を配りながらグライブはちらりと大狼とそれと戦うブレアを見る。
ブレアの大上段からの振り下ろしを狼は数メートルも飛び上がって避け、そのままその巨体から繰り出す爪をブレアは大剣で防ぎ大地を削りながら後ろに弾かれる。
正しく化け物同士と言える戦いが先ほどから繰り広げられていた。
「グライブ、余所見している暇はないぞ」
「ああ、お前は存分にやれ。守りなら任せろ」
盾を構えなおしたグライブは今向かってきた狼の突進をその盾で受け止めた。
鈍い衝撃が走るが、弾き飛ばされるほどではない。そのまま勢いを殺した所で押し返し狼の体勢を崩す。
そこにセレナイトの放つ矢が脳天へと突き刺さり、狼はビクンと一度だけ身体を震えさせると動かなくなる。
「は、4人も平らげといてまだ飢えてんのか。もう飯を食う必要は、ねえよ!」
ジャックの飛ばした戦輪が狼の身体を掠り傷つける。だがやはり狼は怯まずに走り回り、突如として飛び掛ってくる。
狙われるのはアイノネ。彼女の足に巻いた血の着いたハンカチが狼達を誘うのか先ほどから執拗に攻撃されている。
アイノネはその牙を短剣を振るって受け止めると、勢いを殺され宙に浮いた狼に大きく一歩踏み込む。
「肚に力入れて思い切りブチ込め、でしたね」
赤髪のエルフに無茶の仕方を聞いたとき、教えて貰った気合を入れる方法。
「――ウェンカムイ 、カムイモシリにおおくりします」
渾身の一撃。踏み込みと同時に狼の胸部へ突き出された刺突剣が深々と突き刺さりそのまま背から突き抜ける。
絶命した狼がどさりと地面に落ち、アイノネは引き抜いた刺突剣を振るって血を飛ばす。
「さあ、次はどなたですか」
狼とハンター達の死闘は続く。互いに血塗れになりながらもハンター達は誰一人倒れることはない。
「あと何匹だ? って、とりあえず一匹!」
飛び掛ってきた狼に兵庫は一歩下がって間合いを外し、その着地の瞬間に槍を突きその喉元に穴を穿つ。
その隣で澪は狼へ向けて睨みつけると同時に気迫を飛ばす。それを受けた狼の動きが一瞬だが止まる。
「さて? ただこれで半分は倒したと思います」
動きを止めた狼に澪は大太刀を振り下ろしその首を切り落とした。
狼の数は大分減った。もはや頭数でもハンター達のほうが多い状態だ。
「はーい、とりあえず向こうで寝てた子達はもう起きないよ。永遠にね」
昏い笑みを浮かべくすくすと笑うまよい。その後ろでは首元が切り裂かれた狼達が転がっている。
「あと一息みたいだな。最後まで気合入れていこーぜ!」
ジャックの言葉にハンター達は狼の殲滅へと行動し始める。
連携が得意な狼達も自力で負け、そしてもはや数で負けてしまったこの状態を覆すことはできないだろう。
●大狼の最後と鎮魂歌
ハンター達が狼達を全滅させた時、ブレアと大狼の戦いも佳境を迎えていた。
ブレアは額から血を流し顔の半分は血で汚れている。腕や脚にも爪で切り裂かれた痕がありかなりの失血をしているように見える。
対する大狼もその毛並みは最初見たときとは違い所々赤黒く染まり、腹の部分からは今もぼたぼたと血を流していた。
「はははっ、強いなこのデカイだけのワンコロ風情が! とっとと死ねやぁ!」
「オオォォン!」
1人と1匹が咆える。ブレアは剣を腰溜めに構えて突進し、大狼もそれに合わせて大口を開けて牙を剥き食らい着こうと飛び掛る。
勝負は一瞬――大狼の牙がブレアの肩口を食い破り、そしてブレアの剣が大狼の腹から背中へと突き抜けた。
しばしの静寂。その後、大狼はぐらりと揺れて地面へと倒れ伏した。
そしてブレアは大狼から大剣を引き抜いて戦い終えていたハンター達に向き直る。
「よう、お前等。無事だったか?」
「いや、寧ろそれはこちらの台詞だ」
先ほど噛まれた肩口から血を流すブレアにグライブが眉を顰めてそう応える。
対するブレアは唾でもつけときゃ直ると大笑いをしている。
兎も角として無事に狼退治の依頼は完了となった。
「そうだ。死んだハンターの形見くれー探してやっか。身寄りのあるヤツもいるだろ」
ジャックの言葉にそうだなとブレアも賛同し大狼が寝そべっていた付近を捜し始める。
と、静かになった戦場で綺麗な音が響き渡る。
皆が視線を向けるとそこにはオカリナを口元に寄せたアイノネの姿があった。
奏でられるのは優しくも心を癒す風の歌、魂を送る鎮魂歌。
それは先に亡くなった4人のハンター達へのものか、それとも今命を奪った狼達へのものか。
それを語らずアイノネは奏で続けた。魂達が迷わず在るべき世界へと辿り着けるように。
依頼結果
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依頼相談掲示板 | |||
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作戦相談卓 夢路 まよい(ka1328) 人間(リアルブルー)|15才|女性|魔術師(マギステル) |
最終発言 2014/09/20 10:13:07 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2014/09/15 11:11:04 |