ゲスト
(ka0000)
百年旅~ピザのミステリ・クラブ
マスター:深夜真世

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~7人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 4日
- 締切
- 2016/09/27 22:00
- 完成日
- 2016/10/11 01:36
このシナリオは5日間納期が延長されています。
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
「『これからは世界が舞台』ということじゃし、注目の集まる街で騒ぎを起こすと考えるのは間違いではあるまい」
街中のチョコレート専門店「チョコレート・ハウス」のテラス席で、元隠者のジル・コバルトが渋い声をひねり出す。眉間にしわが寄るが、ミルクティーに口を付けると緩んだ。
「でも、どんな騒ぎを起こすかまったく分からないよね」
一緒のテーブルに座る少女、フラ・キャンディ(kz0121)も両足をぶらぶらさせて浮かない顔。こちらはミルクココアを飲んでも足はぶらぶら。どうやら好きでやってるらしい。
「これ、はしたない。……ルモーレの目的次第じゃの。街を滅ぼしたいなら滅ぼすじゃろうが、人々が混乱したり怯えたりするのを楽しみたいなら滅ぼさんじゃろう。怯える姿を見て楽しむ人々が減るからの」
フラたちはルモーレと名乗る歪虚と戦ったことがある。伝説の盗賊「ラパーチェ・ラーロ」(魔鷹(まおう))の頭目で、より上位の歪虚に気に入られ転化された「堕落者」と呼ばれる存在である。
「確かにそうかも。前も村人を殺すより騒ぎを大きくすることに力を入れてたみたいだし」
フラ、注意されて素直に従ったのは話に夢中になり始めたから。
「その前に砦にこもっておったのも、自分の造った砦を自慢したかったからという節もあるしの」
やれやれ、と紅茶を飲むジル。まったくだよね~、と真似してココアを飲むフラ。
「失礼」
ここでテーブルに女性が。
「あ、シエラさん」
「オーナーが客席で休憩かの?」
フラが歓迎し、ジルがにやにやとチクリ。チョコレート・ハウスのオーナー、シエラ・エバンスはひらりとフラにだけ手を振り挨拶して空いた席に着く。
「密かに話題になりたいなら一貫性のあることをするはずよ。それも、ちょっと変わったことで」
「チョコレートに特化した店を出す、とかかの?」
ジル、シエラをさらにからかう。
シエラは指を鳴らして店員を呼び、小さなケーキを持ってこさせた。ただし、ジルの分はない。
「私からだけど、口の減らない人にはないわよ」
「ふん、図星のようじゃの」
ふふふふ、と睨み合うシエラとジル。
「ちょっと変わったことで、一貫性……そういえば前に村で戦ったとき、ルモーレの投げたナイフを回収して調べた人もいたよ」
フラ、チョコレートケーキをもぐもぐしながら言う。
「マークがないか調べたら鷹とRの印があったって」
とは言えしばらくするとナイフごと消えたようだが。
「なるほどの。……後はあそこで調べてみるか」
「あそこ?」
考えをまとめたジルに小首を傾げるフラ。
「ヴァリオスに『ミステリ・クラブ』という仮面懇親会があっての。全員仮面で正体を隠しておる。いろんな噂や情報の飛び交う場での。……デマもあるが基本的に確度は高い」
まだわしの籍も残っておるはず、とジル。
「本当?」
シエラ、眉をひそめた。
「ヴァリオス商工会の会員がほとんどで一流どころも多い。名前丸出しでは出せん面白話を持ってくるという場じゃ。……身分を隠す代わりに品性下劣を晒して楽しむ集まりで、その場にいるという危険を犯している分、皆本気で楽しんでおるよ」
「品性下劣で籍が残ってるはず、ね……」
含みのあるシエラの視線に、ジルは若かりし頃を思い出し自嘲するのだった。
というわけで、仮面夜会「ミステリ・クラブ」に目元を隠す仮面を着けて出席し、ルモーレに関する話につながるような、変わった騒ぎの情報収集をする人、求ム。
なお、当日は運良くピザと果物ジュースの回で、お酒を飲めない人が参加してもつまらないなどということはない様子。もちろん普通に酒とつまみもある。
街中のチョコレート専門店「チョコレート・ハウス」のテラス席で、元隠者のジル・コバルトが渋い声をひねり出す。眉間にしわが寄るが、ミルクティーに口を付けると緩んだ。
「でも、どんな騒ぎを起こすかまったく分からないよね」
一緒のテーブルに座る少女、フラ・キャンディ(kz0121)も両足をぶらぶらさせて浮かない顔。こちらはミルクココアを飲んでも足はぶらぶら。どうやら好きでやってるらしい。
「これ、はしたない。……ルモーレの目的次第じゃの。街を滅ぼしたいなら滅ぼすじゃろうが、人々が混乱したり怯えたりするのを楽しみたいなら滅ぼさんじゃろう。怯える姿を見て楽しむ人々が減るからの」
フラたちはルモーレと名乗る歪虚と戦ったことがある。伝説の盗賊「ラパーチェ・ラーロ」(魔鷹(まおう))の頭目で、より上位の歪虚に気に入られ転化された「堕落者」と呼ばれる存在である。
「確かにそうかも。前も村人を殺すより騒ぎを大きくすることに力を入れてたみたいだし」
フラ、注意されて素直に従ったのは話に夢中になり始めたから。
「その前に砦にこもっておったのも、自分の造った砦を自慢したかったからという節もあるしの」
やれやれ、と紅茶を飲むジル。まったくだよね~、と真似してココアを飲むフラ。
「失礼」
ここでテーブルに女性が。
「あ、シエラさん」
「オーナーが客席で休憩かの?」
フラが歓迎し、ジルがにやにやとチクリ。チョコレート・ハウスのオーナー、シエラ・エバンスはひらりとフラにだけ手を振り挨拶して空いた席に着く。
「密かに話題になりたいなら一貫性のあることをするはずよ。それも、ちょっと変わったことで」
「チョコレートに特化した店を出す、とかかの?」
ジル、シエラをさらにからかう。
シエラは指を鳴らして店員を呼び、小さなケーキを持ってこさせた。ただし、ジルの分はない。
「私からだけど、口の減らない人にはないわよ」
「ふん、図星のようじゃの」
ふふふふ、と睨み合うシエラとジル。
「ちょっと変わったことで、一貫性……そういえば前に村で戦ったとき、ルモーレの投げたナイフを回収して調べた人もいたよ」
フラ、チョコレートケーキをもぐもぐしながら言う。
「マークがないか調べたら鷹とRの印があったって」
とは言えしばらくするとナイフごと消えたようだが。
「なるほどの。……後はあそこで調べてみるか」
「あそこ?」
考えをまとめたジルに小首を傾げるフラ。
「ヴァリオスに『ミステリ・クラブ』という仮面懇親会があっての。全員仮面で正体を隠しておる。いろんな噂や情報の飛び交う場での。……デマもあるが基本的に確度は高い」
まだわしの籍も残っておるはず、とジル。
「本当?」
シエラ、眉をひそめた。
「ヴァリオス商工会の会員がほとんどで一流どころも多い。名前丸出しでは出せん面白話を持ってくるという場じゃ。……身分を隠す代わりに品性下劣を晒して楽しむ集まりで、その場にいるという危険を犯している分、皆本気で楽しんでおるよ」
「品性下劣で籍が残ってるはず、ね……」
含みのあるシエラの視線に、ジルは若かりし頃を思い出し自嘲するのだった。
というわけで、仮面夜会「ミステリ・クラブ」に目元を隠す仮面を着けて出席し、ルモーレに関する話につながるような、変わった騒ぎの情報収集をする人、求ム。
なお、当日は運良くピザと果物ジュースの回で、お酒を飲めない人が参加してもつまらないなどということはない様子。もちろん普通に酒とつまみもある。
リプレイ本文
●
屋内の会場には仮面を詰めた人々が集い、会話が弾んでいた。
「盛況だが……薄暗い会場が好きなんだな」
つば広帽を目深に下ろしつつ鞍馬 真(ka5819)が呟いた。
目深といっても仮面を着けているのでもともと顔は分かりにくい。
「……前回は酷い目に遭ったが、今回はもっとスマートに立ち回ろう」
誰にも聞かれないようそう呟く。
そう。
ここは仮面懇親会「ミステリ・クラブ」の会場。
心の闇を少しだけさらけ出して楽しむ場なので、薄暗く。誰にも気づかれないように。気付いたとしても翌朝には忘れて――。
「マルゲリータ、焼き上がりました」
会場にそんな声が響き、多くの人が群がる。会場は立食、料理はバイキング形式だ。
「よっ、と」
いち早く人込みから抜け出したのは、ザレム・アズール(ka0878)……といっても、仮面と銀色のきらめくサークレットで身バレしないようにしているが。ただ、身のこなしは軽くスマートでこちらはいつも通り。
で、ゲットしたマルゲリータのワンピースに早速かじりつく。
「うん、フレッシュでいい。やはりモッツァレラが瑞々しい時に食べるのが一番だ」
満足したところで仲間が気になった。
きょろ、と探すとすぐに見つかった。まだ会場の端に固まっている。
しきりに、着物「青波」の裾を持ったり帯に手をやったりして気にしているのは、仮面で目元を隠した弓月・小太(ka4679)。そわそわして不安がる通り、目立つだろう。
そんな小太を健気に励ましている風なのは、白い蝶のマスカレードを付けたフラ・キャンディ(kz0121)。熱心な励ましのあまり、お尻が上がりふわふわスカートの裾も上がる。
その隣に並ぶ、フラと色違いの深い赤褐色のドレスでたたずんでいるのは、メルクーア(ka4005)。もちろんドレスと同じカシス色の蝶の仮面で目元を隠している。
そんなメルクーアの頭上に手をかざし、まるで背比べしてるかのように動かしているのはキーリ(ka4642)。ゴシックドレスを着て、ホーリーなマスカレードで身バレを防いでいるが、「見事にちんまいメンバーが揃ったものねー」とか言ってそうな雰囲気から見る人が見たらモロバレしそう。
で、「キーリさんもだわね~」とか言い返してそうなメルクーアの様子。
そこに「まあまあ」な感じで入って来たのは、ダークスーツとシルバーマスカレードで決めた霧雨 悠月(ka4130)。さらに何か言ったようだが、キーリが悠月を指差している様子から「あんたも同類よ」か。そこにいるメンバーはみな外見子供風で背も低い。
というか、悠月も手を掴まれて引き込まれたり。「一人で何無関係装ってんのよ」な感じ。
そこでメルクーアが小太をちらと見て悠月を見る。照れる悠月。小太は「ふぁ?」な感じ。可愛いとでも言われた様子。
で、キーリがくるり。 「衣装、完璧でしょ?」といったところか。
「マルゲリータ、すでになかったなのです~」
依頼仲間を遠目に観察していたザレムの元に、へろへろ~、と元気のない姿がやって来た。真っ赤なドレスの金髪少女。ルンルン・リリカル・秋桜(ka5784)だ。
「次は早めに、だな……えーと」
ザレム、慰めつつ言い淀んだ。
「赤い仮面に真っ赤なドレス、コードネームはマス……シャドウ・ザ・レッド!」
「ああ、レッドさんな。俺はシルヴァだ。楽しい話ができると良いな」
「そう! ルンル……忍法ニンジャトークで、みんなを夢中にしちゃうんだからっ」
ルンルン、元気に駆けて行った。
「…しかし、今回のメンバー、大半が未成年に見えるが大丈夫だろうか…」
入れ替わりに真がやって来た。
「まあ、考えはあるが」
「一応、最初は何とかしよう」
真、フラの方に行くのだった。
一方、フラたちも動き出した。
「さ、気を付けるのよ。正体がバレると一夜限りの魔法が解けちゃうから……なんてね」
そんなキーリのウインクとともに。
●
「今晩は」
キーリ、ご婦人に挨拶された。
適当にけだるく挨拶すると、「今回は子供もいらして可愛いですわ~」とか。
「あら? 私はエルフ。外見年齢に惑わされてはいけないわ」
わざと子供っぽく返す。
「まあ、この背丈で?」
「おだまり」
今度は年配者のようにぴしゃりと。
「こほん……まぁともかく、不死やら蘇りやらってご存知?」
「ん、不老不死?」
おっと。
ここで周囲から女性がわさわさ寄って来た。「ごきげんよう」とか、「焼きたてのピザ、おすそ分けですわ」とか自然を装いつつ。
かなり興味を引く話題だったようで。
「頂戴するけど……ちょっと」
キーリはピザに食い付いたが固まっていた。
「可愛いですわ。肌の張りなんかまるで子供みたい」
「ねえ、本当は本当に子どもなんじゃない?」
抱き着いて反応を確認してみたり、頬ずりして肌年齢を確認してみたり。
とにかく揉みくちゃだ。
「若さを分けてもらえるって聞いたのだけど……」
さらに妙齢のご婦人が集まる。ぎゅうと抱きしめられ、ぺたぺたなでなで……。
「ちょっと、なんか思いのほかソッチの趣味の人多くない? 私は大人よ。おーとーなー」
藁をもつかむように手を伸ばすキーリ。
が、ずぶずぶと若さに飢えた女性のおもちゃになるのだった。
「潜入調査って感じだね、なんだか探偵みたい。……ちょっとワクワクするね」
そんなことをこっそりつぶやいて壁際を移動してるのは、悠月。
「おや、こんにちは」
細身の男性から呼び止められた。
「こんにちは。……びっくりしました。幽霊の話を聞いたばかりなので」
悠月、うまい。
(ルモーレに繋がるような話題を得るには、やっぱりルモーレの話をしなくちゃね)
「幽霊かい?」
「はい。突然消えて別の場所に現れるんです」
戦った時に得た知識を少し織り交ぜる。
知的な駆け引きだ。
相手はどう返してくる、何か知ってる?
(……ぁぁドキドキしてきた、堪らないね)
悠月自身もその魅力を改めて知った、その時だった!
「そうだね、幽霊はいいよね。愛人の部屋から逃げるのもスマートで」
「え? ちょっと!」
突然、顎を指でくいっと上げられた。上向きになると相手がぐっと顔を寄せて。唇が少し開き、徐々に……。
「幽霊の話ならこっちよ」
瞬間、ひょいと腕を取られて連れ去られた。
「危なかったわね。キスされるところだったわよ」
「あ、ありがと……ええっ?!」
悠月、一息つく間もない。
「あなたが幽霊でないかしっかりと確かめさせてもらいます」
ぽん、とお尻を叩かれウエストを両手で撫でられるなど、とにかくぺたべた触られた。
まるで若さを吸い取るように。
その頃、真。
「真さん、その……ハイヒール、歩きにくくて」
連れていたフラが上目遣いで言う。
「ああ、少し早足だったな」
にこやかに返したところだった。
「あら、誘拐? それとも幼女趣味?」
「まあ、そんなところだ」
ご婦人がニヤニヤして寄って来たので、面倒くさそうに答える。
「ダメですよ。ここはお話を楽しむところ。ね?」
釘を刺してフラを奪うご婦人。
「その子はこちらに。……ちょうどお菓子の家の話をしていたところだ」
「まあ、お菓子の家!」
仮グモの話をすると食い付いてきた。これでフラ、解放される。
しかし、直後!
「あら、楽しそう」
「ロリコンの紳士ですって?」
「ちょ、ちょっと」
「大人の女性の魅力を教えてほしいのですって!」
「いや、そんなことは一言も……」
「まあ、うぶそうなこと。香水だけでくらくらしてますわ」
「くらくらはしてるが、それより突然消えて別の場所に現れる……」
「させませんわよ。ほら、捕まえた。放しませんことよ!」
わらわら寄って来た夫人に包囲されてしまって逃げられない。むにっと何かが密着。真は困った風だが、基本何事にも動じない。動じないがゆえに、流れに逆らう勢いがない。
「ボク、助けを呼んでくるね!」
フラ、仲間を探しにその場を離れた。
●
「お嬢ちゃん、これを持ってくれないか?」
仲間を探していたフラ、中年男性に言われてついフリルの布きれに手を出した。
「わっ」
「おお、これは大変。両手首が絡まってしまった」
可愛いフリルだったが、それで前に出した両手を縛られた。
そのまま腕の間に首を入れられ……。
「おっと。この子は俺の恋人だよ」
「ザレムさん!」
横から親父を突き飛ばし、ザレム登場。親父の代わりに腕の間に首を入れ、そのままフラをお姫様抱っこして逃げる。
「ザレムさん、真さんが大変なんだ」
「分かった」
お願いするフラを解放すると、真の方に。
そして真を囲んでお尻を振っている婦人に近付き……。
「おっと!」
ザレム、わざと夫人に当たって手にした酒を自分に零した。
「まあ、ごめん遊ば……大丈夫ですか?」
振り向いた婦人、目の色を変えた。ザレムが気弱そうな表情をしていたのだ。
「ええ。先ほど聞いた話でふらついてました」
「どのようなお話?」
「溶解粘液を持った植物の魔物の話で、獲物となった人は裸。柔らかい内側から吸収しようと、『穴』へ触手を……逃げないよう気持ちよくさせる成分も出るらしくて」
「獲物は男? 女?」
真を弄っていた女性全員が振り向き詰め寄る!
「女性」
瞬間、興味を失った婦人たち。
いや、まだだ!
「待って。『どっち』の穴? ……いいえ、貴方が獲物でもいいわけ?」
まるで触手をねじ込むのではという異様な気迫で詰め寄る。いや、精神的にはねじ込まれたも同然かも。
(すまん)
真、ザレムに感謝しつつ離脱する。
その頃、小太はベーコンのピザにありついていた。
「あら、こんにちは。お話、いいかしら?」
「ど、どうもこんばんはですぅ。ふわっ、え、ええと僕とお話ですかぁ!? うう、何か変わった話…ええとぉ…」
色気のある婦人につかまった。
「そ、そういえば、変わったヤギが……」
「どう変わってるの?」
お色気ムンムンで迫られる。下を向く小太。が、胸元が見えて顔を上げる。今度はアップで夫人の顔。
「ふ、フンドシを食べるそうで」
「フンドシ?」
「と、東洋の男性の下着……」
「どんなの? 見せて」
「ふあっ!」
小太の着物がピンチ!
この時、フラが通り掛かる。
「あ、フラさん。一緒に会場回りましょお」
あまりの息苦しさというか身の危険に、緊急脱出。
「どうしたの、小太さん?」
「ま、まだドキドキしてますぅ」
相当、ヤバかったらしい。寸前まで夫人の手が掛かっていたようで。
「飲み物とピザ、どれにしますぅ?」
とにかく、恋人のフラと一緒に手をつないでピザを食べたり甘いひと時。
そこでルンルンを発見。
「私、宝の地図が示す大渓谷の万年氷の中に、聖火のヌリィエだかって言う大宝石が隠されているって噂を聞いた事あるもの!」
ピザを食しつつ、紳士たちを相手に冒険のホラ話を朗らかに。元気の良さで大人気。
「おお、それはまた」
「どうぞ、こちらのピザも」
勧められるまま食し、また話題が浮かんだ。
「幸せなのです……ピザといえば聞いたんだけど、東方だかリアルブルーでは、ニンジャがピザを配達してきてくれて、30分以内に届けないとタダで腹切りだかあーれー回しの刑になっちゃうみたいです」
「あーれー回し?」
「ええと……あ、いいところに!」
ルンルン、小太とフラを発見。激しく手招き。
「これがあーれー回しなのです!」
「マ、マスク・ザ……ふ、ふぇぇ!?」
ああっ!
ルンルンが帯を引っ張って小太がくるくる回って、どさっ。
崩した太腿は根元まで白くさらされ、背中をよじって手を付きしなだれる小太。着物ははだけているが辛うじて隠すところは隠している。
周りはやんやの大喝采。
小太、恋人の少女との甘いひと時がもろくも崩れ去った。
「いやあ、良かったよ。大丈夫? そういえば似たような変な話は聞くよ。例えば……」
ルンルンと小太、とりあえず情報はゲットできそうだ。
●
そして、フラ。
「カリーノ」
小太とルンルンのモテモテっぷりを眺めていると、どこからか偽名を呼ばれた。
色違いのお揃いドレスを着たメルクーアが手を振っている。
「おお、君がカシスのお姉さんかい?」
近寄ると周りの紳士からそんな声が。
「え、いや……」
「おお、では恋人?」
勝手に決めつけわあっと盛り上がっている。
「そんな」
「おやおや。それじゃカシスにはキスしてもらえるよう特訓だ」
ほら、とピザをメルクーアの目の高さに持って来る紳士。メルクーアの方は従順にそのピザに食い付こうと爪先立ちになり小さな顎を上げ、ちょんちょんとピザの先を啄んだり。すでにちやほやされすぎてずいぶん慣れている。
「君は素敵なレディだね。じゃ、問題があるのはカリーノの方? これは罰が必要だね。カシス、これを持って」
「何?」
メルクーア、脇を健康的に晒して万歳して頭上にワイングラスの乗った銀盆を持つ。その隙に、ささっとコルセットを背中で何カ所も結び装着させた。
「カリーノは前から手を回してカシスのこれを外すこと」
「えーっ!」
「そういえば聞いた話ですけど、幼子専門の誘拐犯がいるとか。なんか心配になるわあ」
「ん? 僕たちは違うさ~」
万歳しつつ聞いたメルクーア。フラをニヤニヤ見る紳士。フラ、仕方なく従う。
「犯人は子供に親切にして近寄る傍ら、夜中にこっそり鐘を鳴らしたり、廃屋に魔物が潜んでいるような噂を流したり、奇妙な噂で人々の注意をそっちに向けて、その隙に子供をさらうんだって」
メルクーアの話に、フラが従順なのを見て答え始める紳士。
「僕が知ってるのは逆だねぇ」
もったいぶったが、フラの至近の息遣いでびくっとなりワインを揺らすメルクーアを見て興奮。続きを話す。
「子供がさらわれるんじゃなくて、子供に襲われるんだよ」
もぞもぞ悶えつつ罰をクリアする二人の様子に満足して、ちゃんと教えた。
そして会は終了。手近な居酒屋に集結する。
「客席を抜けるのとは違う感じにもみくちゃにされたね」
悠月、ぐてーっとなっている。服にはキスマークが少し。
「ピザは美味しかったわよ」
勿論牛乳もヨーグルトも好きでこの体は乳製品で出来ているとかチーズをもぐもぐしつつキーリ。服がちょっと乱れ気味。
「それより情報はどうだ?」
真、何もなげに座っているがやや息が荒い。
「まさか一方的に聞かれるだけとはな」
ザレムも深くため息。
「じゃが、盛り上がったおかげで皆会話も弾んだ。成功じゃろう」
うんうんとジル。
「フ、『フリルドレスのお化け』っていうのを聞き出しましたぁ」
「最近、噂を聞き始めたらしいみたいです」
服装関連の話になった小太とルンルンが手柄顔。
「こっちは『子供の大きさのくるみ割り人形』の話をきいたわぁ」
「頭を潰された死体も出てるんだって」
こちらはメルクーアとフラ。かなり具体的な話だ。
「よし。わしの方で人形について当たってみよう」
うんうんと手ごたえを感じるジルだった。
屋内の会場には仮面を詰めた人々が集い、会話が弾んでいた。
「盛況だが……薄暗い会場が好きなんだな」
つば広帽を目深に下ろしつつ鞍馬 真(ka5819)が呟いた。
目深といっても仮面を着けているのでもともと顔は分かりにくい。
「……前回は酷い目に遭ったが、今回はもっとスマートに立ち回ろう」
誰にも聞かれないようそう呟く。
そう。
ここは仮面懇親会「ミステリ・クラブ」の会場。
心の闇を少しだけさらけ出して楽しむ場なので、薄暗く。誰にも気づかれないように。気付いたとしても翌朝には忘れて――。
「マルゲリータ、焼き上がりました」
会場にそんな声が響き、多くの人が群がる。会場は立食、料理はバイキング形式だ。
「よっ、と」
いち早く人込みから抜け出したのは、ザレム・アズール(ka0878)……といっても、仮面と銀色のきらめくサークレットで身バレしないようにしているが。ただ、身のこなしは軽くスマートでこちらはいつも通り。
で、ゲットしたマルゲリータのワンピースに早速かじりつく。
「うん、フレッシュでいい。やはりモッツァレラが瑞々しい時に食べるのが一番だ」
満足したところで仲間が気になった。
きょろ、と探すとすぐに見つかった。まだ会場の端に固まっている。
しきりに、着物「青波」の裾を持ったり帯に手をやったりして気にしているのは、仮面で目元を隠した弓月・小太(ka4679)。そわそわして不安がる通り、目立つだろう。
そんな小太を健気に励ましている風なのは、白い蝶のマスカレードを付けたフラ・キャンディ(kz0121)。熱心な励ましのあまり、お尻が上がりふわふわスカートの裾も上がる。
その隣に並ぶ、フラと色違いの深い赤褐色のドレスでたたずんでいるのは、メルクーア(ka4005)。もちろんドレスと同じカシス色の蝶の仮面で目元を隠している。
そんなメルクーアの頭上に手をかざし、まるで背比べしてるかのように動かしているのはキーリ(ka4642)。ゴシックドレスを着て、ホーリーなマスカレードで身バレを防いでいるが、「見事にちんまいメンバーが揃ったものねー」とか言ってそうな雰囲気から見る人が見たらモロバレしそう。
で、「キーリさんもだわね~」とか言い返してそうなメルクーアの様子。
そこに「まあまあ」な感じで入って来たのは、ダークスーツとシルバーマスカレードで決めた霧雨 悠月(ka4130)。さらに何か言ったようだが、キーリが悠月を指差している様子から「あんたも同類よ」か。そこにいるメンバーはみな外見子供風で背も低い。
というか、悠月も手を掴まれて引き込まれたり。「一人で何無関係装ってんのよ」な感じ。
そこでメルクーアが小太をちらと見て悠月を見る。照れる悠月。小太は「ふぁ?」な感じ。可愛いとでも言われた様子。
で、キーリがくるり。 「衣装、完璧でしょ?」といったところか。
「マルゲリータ、すでになかったなのです~」
依頼仲間を遠目に観察していたザレムの元に、へろへろ~、と元気のない姿がやって来た。真っ赤なドレスの金髪少女。ルンルン・リリカル・秋桜(ka5784)だ。
「次は早めに、だな……えーと」
ザレム、慰めつつ言い淀んだ。
「赤い仮面に真っ赤なドレス、コードネームはマス……シャドウ・ザ・レッド!」
「ああ、レッドさんな。俺はシルヴァだ。楽しい話ができると良いな」
「そう! ルンル……忍法ニンジャトークで、みんなを夢中にしちゃうんだからっ」
ルンルン、元気に駆けて行った。
「…しかし、今回のメンバー、大半が未成年に見えるが大丈夫だろうか…」
入れ替わりに真がやって来た。
「まあ、考えはあるが」
「一応、最初は何とかしよう」
真、フラの方に行くのだった。
一方、フラたちも動き出した。
「さ、気を付けるのよ。正体がバレると一夜限りの魔法が解けちゃうから……なんてね」
そんなキーリのウインクとともに。
●
「今晩は」
キーリ、ご婦人に挨拶された。
適当にけだるく挨拶すると、「今回は子供もいらして可愛いですわ~」とか。
「あら? 私はエルフ。外見年齢に惑わされてはいけないわ」
わざと子供っぽく返す。
「まあ、この背丈で?」
「おだまり」
今度は年配者のようにぴしゃりと。
「こほん……まぁともかく、不死やら蘇りやらってご存知?」
「ん、不老不死?」
おっと。
ここで周囲から女性がわさわさ寄って来た。「ごきげんよう」とか、「焼きたてのピザ、おすそ分けですわ」とか自然を装いつつ。
かなり興味を引く話題だったようで。
「頂戴するけど……ちょっと」
キーリはピザに食い付いたが固まっていた。
「可愛いですわ。肌の張りなんかまるで子供みたい」
「ねえ、本当は本当に子どもなんじゃない?」
抱き着いて反応を確認してみたり、頬ずりして肌年齢を確認してみたり。
とにかく揉みくちゃだ。
「若さを分けてもらえるって聞いたのだけど……」
さらに妙齢のご婦人が集まる。ぎゅうと抱きしめられ、ぺたぺたなでなで……。
「ちょっと、なんか思いのほかソッチの趣味の人多くない? 私は大人よ。おーとーなー」
藁をもつかむように手を伸ばすキーリ。
が、ずぶずぶと若さに飢えた女性のおもちゃになるのだった。
「潜入調査って感じだね、なんだか探偵みたい。……ちょっとワクワクするね」
そんなことをこっそりつぶやいて壁際を移動してるのは、悠月。
「おや、こんにちは」
細身の男性から呼び止められた。
「こんにちは。……びっくりしました。幽霊の話を聞いたばかりなので」
悠月、うまい。
(ルモーレに繋がるような話題を得るには、やっぱりルモーレの話をしなくちゃね)
「幽霊かい?」
「はい。突然消えて別の場所に現れるんです」
戦った時に得た知識を少し織り交ぜる。
知的な駆け引きだ。
相手はどう返してくる、何か知ってる?
(……ぁぁドキドキしてきた、堪らないね)
悠月自身もその魅力を改めて知った、その時だった!
「そうだね、幽霊はいいよね。愛人の部屋から逃げるのもスマートで」
「え? ちょっと!」
突然、顎を指でくいっと上げられた。上向きになると相手がぐっと顔を寄せて。唇が少し開き、徐々に……。
「幽霊の話ならこっちよ」
瞬間、ひょいと腕を取られて連れ去られた。
「危なかったわね。キスされるところだったわよ」
「あ、ありがと……ええっ?!」
悠月、一息つく間もない。
「あなたが幽霊でないかしっかりと確かめさせてもらいます」
ぽん、とお尻を叩かれウエストを両手で撫でられるなど、とにかくぺたべた触られた。
まるで若さを吸い取るように。
その頃、真。
「真さん、その……ハイヒール、歩きにくくて」
連れていたフラが上目遣いで言う。
「ああ、少し早足だったな」
にこやかに返したところだった。
「あら、誘拐? それとも幼女趣味?」
「まあ、そんなところだ」
ご婦人がニヤニヤして寄って来たので、面倒くさそうに答える。
「ダメですよ。ここはお話を楽しむところ。ね?」
釘を刺してフラを奪うご婦人。
「その子はこちらに。……ちょうどお菓子の家の話をしていたところだ」
「まあ、お菓子の家!」
仮グモの話をすると食い付いてきた。これでフラ、解放される。
しかし、直後!
「あら、楽しそう」
「ロリコンの紳士ですって?」
「ちょ、ちょっと」
「大人の女性の魅力を教えてほしいのですって!」
「いや、そんなことは一言も……」
「まあ、うぶそうなこと。香水だけでくらくらしてますわ」
「くらくらはしてるが、それより突然消えて別の場所に現れる……」
「させませんわよ。ほら、捕まえた。放しませんことよ!」
わらわら寄って来た夫人に包囲されてしまって逃げられない。むにっと何かが密着。真は困った風だが、基本何事にも動じない。動じないがゆえに、流れに逆らう勢いがない。
「ボク、助けを呼んでくるね!」
フラ、仲間を探しにその場を離れた。
●
「お嬢ちゃん、これを持ってくれないか?」
仲間を探していたフラ、中年男性に言われてついフリルの布きれに手を出した。
「わっ」
「おお、これは大変。両手首が絡まってしまった」
可愛いフリルだったが、それで前に出した両手を縛られた。
そのまま腕の間に首を入れられ……。
「おっと。この子は俺の恋人だよ」
「ザレムさん!」
横から親父を突き飛ばし、ザレム登場。親父の代わりに腕の間に首を入れ、そのままフラをお姫様抱っこして逃げる。
「ザレムさん、真さんが大変なんだ」
「分かった」
お願いするフラを解放すると、真の方に。
そして真を囲んでお尻を振っている婦人に近付き……。
「おっと!」
ザレム、わざと夫人に当たって手にした酒を自分に零した。
「まあ、ごめん遊ば……大丈夫ですか?」
振り向いた婦人、目の色を変えた。ザレムが気弱そうな表情をしていたのだ。
「ええ。先ほど聞いた話でふらついてました」
「どのようなお話?」
「溶解粘液を持った植物の魔物の話で、獲物となった人は裸。柔らかい内側から吸収しようと、『穴』へ触手を……逃げないよう気持ちよくさせる成分も出るらしくて」
「獲物は男? 女?」
真を弄っていた女性全員が振り向き詰め寄る!
「女性」
瞬間、興味を失った婦人たち。
いや、まだだ!
「待って。『どっち』の穴? ……いいえ、貴方が獲物でもいいわけ?」
まるで触手をねじ込むのではという異様な気迫で詰め寄る。いや、精神的にはねじ込まれたも同然かも。
(すまん)
真、ザレムに感謝しつつ離脱する。
その頃、小太はベーコンのピザにありついていた。
「あら、こんにちは。お話、いいかしら?」
「ど、どうもこんばんはですぅ。ふわっ、え、ええと僕とお話ですかぁ!? うう、何か変わった話…ええとぉ…」
色気のある婦人につかまった。
「そ、そういえば、変わったヤギが……」
「どう変わってるの?」
お色気ムンムンで迫られる。下を向く小太。が、胸元が見えて顔を上げる。今度はアップで夫人の顔。
「ふ、フンドシを食べるそうで」
「フンドシ?」
「と、東洋の男性の下着……」
「どんなの? 見せて」
「ふあっ!」
小太の着物がピンチ!
この時、フラが通り掛かる。
「あ、フラさん。一緒に会場回りましょお」
あまりの息苦しさというか身の危険に、緊急脱出。
「どうしたの、小太さん?」
「ま、まだドキドキしてますぅ」
相当、ヤバかったらしい。寸前まで夫人の手が掛かっていたようで。
「飲み物とピザ、どれにしますぅ?」
とにかく、恋人のフラと一緒に手をつないでピザを食べたり甘いひと時。
そこでルンルンを発見。
「私、宝の地図が示す大渓谷の万年氷の中に、聖火のヌリィエだかって言う大宝石が隠されているって噂を聞いた事あるもの!」
ピザを食しつつ、紳士たちを相手に冒険のホラ話を朗らかに。元気の良さで大人気。
「おお、それはまた」
「どうぞ、こちらのピザも」
勧められるまま食し、また話題が浮かんだ。
「幸せなのです……ピザといえば聞いたんだけど、東方だかリアルブルーでは、ニンジャがピザを配達してきてくれて、30分以内に届けないとタダで腹切りだかあーれー回しの刑になっちゃうみたいです」
「あーれー回し?」
「ええと……あ、いいところに!」
ルンルン、小太とフラを発見。激しく手招き。
「これがあーれー回しなのです!」
「マ、マスク・ザ……ふ、ふぇぇ!?」
ああっ!
ルンルンが帯を引っ張って小太がくるくる回って、どさっ。
崩した太腿は根元まで白くさらされ、背中をよじって手を付きしなだれる小太。着物ははだけているが辛うじて隠すところは隠している。
周りはやんやの大喝采。
小太、恋人の少女との甘いひと時がもろくも崩れ去った。
「いやあ、良かったよ。大丈夫? そういえば似たような変な話は聞くよ。例えば……」
ルンルンと小太、とりあえず情報はゲットできそうだ。
●
そして、フラ。
「カリーノ」
小太とルンルンのモテモテっぷりを眺めていると、どこからか偽名を呼ばれた。
色違いのお揃いドレスを着たメルクーアが手を振っている。
「おお、君がカシスのお姉さんかい?」
近寄ると周りの紳士からそんな声が。
「え、いや……」
「おお、では恋人?」
勝手に決めつけわあっと盛り上がっている。
「そんな」
「おやおや。それじゃカシスにはキスしてもらえるよう特訓だ」
ほら、とピザをメルクーアの目の高さに持って来る紳士。メルクーアの方は従順にそのピザに食い付こうと爪先立ちになり小さな顎を上げ、ちょんちょんとピザの先を啄んだり。すでにちやほやされすぎてずいぶん慣れている。
「君は素敵なレディだね。じゃ、問題があるのはカリーノの方? これは罰が必要だね。カシス、これを持って」
「何?」
メルクーア、脇を健康的に晒して万歳して頭上にワイングラスの乗った銀盆を持つ。その隙に、ささっとコルセットを背中で何カ所も結び装着させた。
「カリーノは前から手を回してカシスのこれを外すこと」
「えーっ!」
「そういえば聞いた話ですけど、幼子専門の誘拐犯がいるとか。なんか心配になるわあ」
「ん? 僕たちは違うさ~」
万歳しつつ聞いたメルクーア。フラをニヤニヤ見る紳士。フラ、仕方なく従う。
「犯人は子供に親切にして近寄る傍ら、夜中にこっそり鐘を鳴らしたり、廃屋に魔物が潜んでいるような噂を流したり、奇妙な噂で人々の注意をそっちに向けて、その隙に子供をさらうんだって」
メルクーアの話に、フラが従順なのを見て答え始める紳士。
「僕が知ってるのは逆だねぇ」
もったいぶったが、フラの至近の息遣いでびくっとなりワインを揺らすメルクーアを見て興奮。続きを話す。
「子供がさらわれるんじゃなくて、子供に襲われるんだよ」
もぞもぞ悶えつつ罰をクリアする二人の様子に満足して、ちゃんと教えた。
そして会は終了。手近な居酒屋に集結する。
「客席を抜けるのとは違う感じにもみくちゃにされたね」
悠月、ぐてーっとなっている。服にはキスマークが少し。
「ピザは美味しかったわよ」
勿論牛乳もヨーグルトも好きでこの体は乳製品で出来ているとかチーズをもぐもぐしつつキーリ。服がちょっと乱れ気味。
「それより情報はどうだ?」
真、何もなげに座っているがやや息が荒い。
「まさか一方的に聞かれるだけとはな」
ザレムも深くため息。
「じゃが、盛り上がったおかげで皆会話も弾んだ。成功じゃろう」
うんうんとジル。
「フ、『フリルドレスのお化け』っていうのを聞き出しましたぁ」
「最近、噂を聞き始めたらしいみたいです」
服装関連の話になった小太とルンルンが手柄顔。
「こっちは『子供の大きさのくるみ割り人形』の話をきいたわぁ」
「頭を潰された死体も出てるんだって」
こちらはメルクーアとフラ。かなり具体的な話だ。
「よし。わしの方で人形について当たってみよう」
うんうんと手ごたえを感じるジルだった。
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相談ですよぉー 弓月・小太(ka4679) 人間(クリムゾンウェスト)|10才|男性|猟撃士(イェーガー) |
最終発言 2016/09/27 15:42:47 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/09/27 19:26:33 |