ゲスト
(ka0000)
洞窟に巣くう魔物
マスター:水流響

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~8人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2014/09/23 12:00
- 完成日
- 2014/10/01 07:05
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
●兎を追った先
涼しい風が通り抜ける夕方、赤く染まり始めた空の下、二人の姉妹が軽い足取りで歩く。
「今日は梨がたくさんだね!」
「そうね。きっと、母さまも喜ぶわ」
袋に入った梨を見てはしゃぐ妹……ミイナに、姉のアンジュはにっこりと微笑んだ。隣村まで食料の買い出しに行き、今は自宅のある村へと帰る途中だ。
村と村の間に位置する森の傍を通る。ふと、ガサリと茂みから音がした。反射的に音がした方向を見ると、真っ白な兎がひょこっと顔を出している。
「あっ、うさぎさん!」
鼻をヒクリとさせる兎に、ミイナは瞳を輝かせた。兎は左右をきょろりと見回したあと、森の奥へとぴょこぴょこ駆けていく。
「母さまがお家で待ってるから、早く帰らないと……」
もうすぐ夜になる。赤らむ空の向こうに見える藍色を見上げ、アンジュはミイナの手を引っ張ろうとする。しかし、その手を擦り抜け、ミイナは森へと駆け出した。
「ちょっとだけ! うさぎさん、まってー!」
「ミイナっ!」
アンジュは兎を追うミイナを追いかける。しかし、ミイナは足が速く、おまけに木々に阻まれて、どんどん距離を離されていく。
「はあ、ミイナ……っ、どこいったの……」
アンジュは何とか開けた場所に出た。目の前には、洞窟へと続く大きな穴。そしてその入口に、ミイナが履いていた靴が片方落ちていた。
「ミイナ……?」
ミイナは洞窟に入っていったのだろうか? 嫌な予感がした。アンジュは息を殺し、そっと洞窟へと足を踏み入れる。
空気がひんやりとする。湿った足音を響かせ、数歩進んだ先。ズルリ、と這うような音が洞窟内から響く。目を凝らし、彼女が見たものは。
「ひ……っ」
大きな影が、闇の中で蠢いた。外から届く光でうっすらと見えるのは、硬い鱗とぬめりを帯びた巨体、そしてトカゲのような尻尾に鋭い牙と爪。この辺りに、このような生物は生息していない。つまり、この生き物は……。
(雑魔……ッ!? 知らせなきゃ……!)
自分一人でどうにかできる問題ではないことくらい、安易に理解できた。アンジュは元来た道を全力疾走する。村に帰り、大人たちに知らせるために。
●闇に潜む雑魔
アンジュの知らせは村中に広がり、村人たちは動揺と恐怖に包まれた。アンジュの家まで行き話の一部始終を聞いた村の長は、険しい表情を浮かべる。
「なんてこった……洞窟に雑魔が現れただって? しかもミイナが襲われたかもしれんと……洞窟に入っていくのは見たのか?」
「見てない。けど、これが落ちてたの……」
長の問いに、アンジュは震える手で片方だけ残されたミイナの靴を見せた。
「ああ、ミイナ……」
母親が顔を手で覆う。
「母さま、ごめんなさい……止められなくて……」
「……アンジュ、あなたは悪くないわ」
か細い声で呟くアンジュに、母親は鼻をすすりながらも首を横に振る。
「とにかく、ハンターズソサエティに依頼するとしよう……」
アンジュから話を聞くかぎり、その魔物は一筋縄ではいかないだろう。村の長は情報をまとめ、ハンターオフィスへと雑魔の討伐を要請したのであった。
涼しい風が通り抜ける夕方、赤く染まり始めた空の下、二人の姉妹が軽い足取りで歩く。
「今日は梨がたくさんだね!」
「そうね。きっと、母さまも喜ぶわ」
袋に入った梨を見てはしゃぐ妹……ミイナに、姉のアンジュはにっこりと微笑んだ。隣村まで食料の買い出しに行き、今は自宅のある村へと帰る途中だ。
村と村の間に位置する森の傍を通る。ふと、ガサリと茂みから音がした。反射的に音がした方向を見ると、真っ白な兎がひょこっと顔を出している。
「あっ、うさぎさん!」
鼻をヒクリとさせる兎に、ミイナは瞳を輝かせた。兎は左右をきょろりと見回したあと、森の奥へとぴょこぴょこ駆けていく。
「母さまがお家で待ってるから、早く帰らないと……」
もうすぐ夜になる。赤らむ空の向こうに見える藍色を見上げ、アンジュはミイナの手を引っ張ろうとする。しかし、その手を擦り抜け、ミイナは森へと駆け出した。
「ちょっとだけ! うさぎさん、まってー!」
「ミイナっ!」
アンジュは兎を追うミイナを追いかける。しかし、ミイナは足が速く、おまけに木々に阻まれて、どんどん距離を離されていく。
「はあ、ミイナ……っ、どこいったの……」
アンジュは何とか開けた場所に出た。目の前には、洞窟へと続く大きな穴。そしてその入口に、ミイナが履いていた靴が片方落ちていた。
「ミイナ……?」
ミイナは洞窟に入っていったのだろうか? 嫌な予感がした。アンジュは息を殺し、そっと洞窟へと足を踏み入れる。
空気がひんやりとする。湿った足音を響かせ、数歩進んだ先。ズルリ、と這うような音が洞窟内から響く。目を凝らし、彼女が見たものは。
「ひ……っ」
大きな影が、闇の中で蠢いた。外から届く光でうっすらと見えるのは、硬い鱗とぬめりを帯びた巨体、そしてトカゲのような尻尾に鋭い牙と爪。この辺りに、このような生物は生息していない。つまり、この生き物は……。
(雑魔……ッ!? 知らせなきゃ……!)
自分一人でどうにかできる問題ではないことくらい、安易に理解できた。アンジュは元来た道を全力疾走する。村に帰り、大人たちに知らせるために。
●闇に潜む雑魔
アンジュの知らせは村中に広がり、村人たちは動揺と恐怖に包まれた。アンジュの家まで行き話の一部始終を聞いた村の長は、険しい表情を浮かべる。
「なんてこった……洞窟に雑魔が現れただって? しかもミイナが襲われたかもしれんと……洞窟に入っていくのは見たのか?」
「見てない。けど、これが落ちてたの……」
長の問いに、アンジュは震える手で片方だけ残されたミイナの靴を見せた。
「ああ、ミイナ……」
母親が顔を手で覆う。
「母さま、ごめんなさい……止められなくて……」
「……アンジュ、あなたは悪くないわ」
か細い声で呟くアンジュに、母親は鼻をすすりながらも首を横に振る。
「とにかく、ハンターズソサエティに依頼するとしよう……」
アンジュから話を聞くかぎり、その魔物は一筋縄ではいかないだろう。村の長は情報をまとめ、ハンターオフィスへと雑魔の討伐を要請したのであった。
リプレイ本文
●洞窟の中へ
森を抜けた先。洞窟はその奥に闇を沈み込ませ、大きな口を開いている。ハンターたちは各々に光源を掲げながら、洞窟の奥を見据えた。
「雑魔を倒すだけ、なんて簡単だもん。パーフェクトゲームで勝ちたいよね。……みんなもさ、本当はミイナちゃんが生きてれば……って思ってるでしょ?」
ウーナ(ka1439)は洞窟の奥を、左手のライトで照らし出す。
「ああ。生きている『かもしれない』命を諦められるほど潔い男じゃないんでね。お節介だろうが最善を尽くさせてもらうよ」
彼女の言葉に、イスカ・ティフィニア(ka2222)は強く頷いた。
洞窟に入る前に、村人に描いてもらった地図を広げる。
「入口から三十分ほど歩いたところで、分岐点に到達するようね。そこで確実に、分かれることになるかしら」
エイル・メヌエット(ka2807)が、地図を指で辿りながら告げる。
「そうだね。……分かれる前に、敵が早々に出てきてくれたら楽なんだけど……」
ネイハム・乾風(ka2961)は持ち前の身長を活かし、ランタンで広い範囲を照らし出した。洞窟内から聞こえる風音にも耳を澄ませるが、敵が発すると思しき音は聞こえない。
「こちらに反応するか……試しに、鳴らしてみましょうか」
エリス・カルディコット(ka2572)が銃を上に向け、打ち鳴らす。銃声は反響し洞窟へと吸い込まれていく。しかし、敵が現れる気配はないようだ。
ハンターたちは光源を頼りに、暗い洞窟へと入っていく。
「ミイナちゃん、無事だといいのですけれど……、ミイナちゃ~ん」
Celestine(ka0107)はランタンを高く持ち上げ、広く照らしながら名を呼ぶ。逆の手には杖を持ち、警戒も怠らない。
まだ外の光がかろうじて届く場所で、ロイド・ブラック(ka0408)が、その歩みを止める。
「あれを見てくれ、血の跡があるぞ」
ロイドが煌々と照らし、見据える先……洞窟の岩陰に、血痕が赤々と広がっていた。湿気で乾きにくいのか、未だぬめりを残している。
「この血の痕……」
エリスは確かめるように近寄り呟くも、途中で言葉を切った。考えたくはないが、万が一ということもあり得る。サー・ルクニール(ka2017)は首を横に振り、しっかりと進む先を見つめた。
「この血痕がミイナ嬢のものと、決まったわけではありますまい。さあ、先に進みましょうぞ」
三十分近く歩いただろうか。ハンターたちは、さらに幅が広まった岩場に出る。先を照らすと、分かれ道が見えた。比較的、戦いやすそうな場所だ。足を止め、再び敵との接触を試みる。
「そろそろ出てきてくれてもいいんだがな」
わざと大きな足音を鳴らし、ロイドが言葉を紡いだ。洞窟内に、複数の足音が木霊する。数分経過しただろうか。風音に、別の音が混じる。
「……風に紛れて、這いずるような音が聞こえますわ」
Celestineが音に気付き、皆に告げた。直後、ズリリ、と一際大きな音が響く。
「来たね!」
ウーナの研ぎ澄まされた視野が敵を捉える。同じ方向から二匹。右手に銃を構え、限界射程を越えた跳弾を撃ち放った。弾丸は不規則な弾道を辿り、敵の体へと命中する。粘液に阻まれるも、銃弾は敵の表皮に傷を付けた。
「強い光はどうかしら?」
エイルはメイスを掲げ、光の精霊を聖印に宿らせる。眩い光が洞窟内を強く照らし出した。敵たちは、眩しそうに瞳を細める。多少は視界が悪くなったのだろうか。一匹が闇雲に突進する。
イスカは前に踏み出し、鞘から刀を引き抜いた。それと同時、髪色は緑に、瞳は茶から青に変色する。
「さあ、こっちを見ろ。おまえの相手は俺だ」
風のような剣捌きが、光源に照らされ銀色の光を放つ。イスカに突進するも攻撃を外す敵に、ロイドがサイドアタックをかけた。
「さて、前もって確認といこうか」
両手首に表情が違う仮面の紋章を宿し、機導砲を構える。ロイドの光線は電撃のように爆ぜ、敵の側面に直撃。瞬間、粘液が飛び散る。奥の体には、僅かに傷が入ったようだ。
「ふむ。粘液は防護壁というわけか。興味深い機構をしているな」
研究者としての血が騒ぐも、落ち着いた口調でロイドは呟く。どうやら魔法、物理問わず、粘液が防御の役割を果たしているようだ。
「粘液もあれば鱗も硬い、か。……でも、同じ箇所に攻撃が集中したらどうなるんだろう?」
ネイハムは好奇心と共に、瞳に鮮やかな赤紫を宿す。銃を構え、ロイドが攻撃した箇所に狙いを定める。
「面白そうだし、試してみようか」
直後、放たれた強弾は敵の横腹へと食い込み、浅かった傷跡を深く抉った。
ハンターたちは続けざまに同じ箇所を狙い攻撃を繰り出していく。一匹が力尽き、残るは一匹。怒り狂ったように飛びかかる敵の牙を、ルクニールが受け止める。
「我、空と霜の騎士ルクニール、お相手仕る!」
プロテクションによる防護の光が、シールドと敵の間で激しく瞬いた。ルクニールはロッドを振り翳し、敵を殴打した。強い衝撃が、敵の頭部を抉る。
Celestineも清らかな旋律と共に、炎の力を宿した杖を敵へと振り下ろした。知人の祈りが力となり、鱗を砕く。
「ギョアアアアッ!!!!」
目を潰され、敵は後ろへと大きく揺らぐ。
「今が好機ですね。……撃ち抜きましょう」
蒼炎を纏うエリスの髪が、銀から空の色に染まった。マテリアルの力を武器にこめ、エリスは脆くなっている箇所を狙う。外すことなく、マテリアルを纏った弾丸を撃ち込んだ。敵は雄叫びを上げながら引っくり返り、絶命する。
「やっぱり複数いたのね……他にもいると厄介でしょうね。十分に気を付けて進みましょう」
仲間たちの傷をヒールで癒しつつ、エイルは敵の死体を見やった。この先は分かれ道。ミイナの探索を続行すべく、二班に分かれての行動となる。
●少女の行方
連絡手段などを念入りに確認し、ハンターたちは二手に分かれた。Celestine、ウーナ、イスカ、エイルのA班は、左手の道を慎重に進む。数分進んだところで、ふと、ウーナが立ち止まった。
「泣き声が聞こえる。こっちだよ!」
泣き声の方向を把握し、ウーナは皆を先導した。洞窟の隅にある岩の隙間。そこに、少女が座り込んでいる。足には片方だけの靴……間違いない、ミイナだ。
イスカが震える少女に声をかけようとして……その背筋に、一際強い緊張が走った。
「……どうやら、このタイミングで敵が来たようだね」
他のハンターも同様に、周囲に感じる『気配』。這う音が急速に近付いてくる。それも複数。敵は傍まで迫っている。ウーナは素早く銃弾を三発撃ち鳴らした。
「ミイナちゃん。私達が来ましたから、もう大丈夫ですわ」
金色に輝く魔方陣を背に、Celestineはふわりと微笑む。ミイナは泣き腫らした顔を上げ、驚きつつもこくりと頷いた。
「私たちがあなたを守るわ。だから、安心して」
光を纏いながら振り返り、エイルは優しくミイナに語りかける。新緑の木漏れ陽を思わせる柔らかな光に、ミイナは思わず涙を止めるのだった。
一方、別の道を探索していたB班に、事態を知らせる銃声は確かに届く。
「! 銃声……緊急事態のようですね」
ルクニールが、銃声に足を止めた。迷わぬよう壁に添えていた手を、強く握り締める。
「三発……敵か少女か、見つけたのかもしれないね」
銃声の数を聞き逃さず、ネイハムが推測する。ロイドは頷き、後方へと振り返った。
「すぐに戻り合流しなければな」
「そうですね……こちらの道です。足元、気を付けて下さいませ。滑りやすくなっております」
内部は入り組み複雑化している。だが、エリスは戻る道を立体的に把握し、灯りを手に先頭を走った。少女を救えという知人の祈りが、胸に響く。
●掃討
A班の前に、敵が姿を現した。数は二匹。先ほどと同じだが、こちらは四人なうえに、少女を守りつつ戦う必要がある。ハンターたちは、ミイナが隠れる岩場を守るように位置取った。
「B班が来るまで耐えて、来たら撃破……さらにミイナちゃんも助ける。完全クリアねらうよ!」
体に走る幾何学模様が、ウーナの言葉に呼応するように赤く輝いた。
「援護いたしますわ。was yea ra yehar viega oz fhyu!」
Celestineが歌声を奏でると同時、煌く緑風がウーナの体を包み込む。直後、敵がウーナに牙を剥き、突進する。接触する直前、強力な風が渦巻き、敵の機動を逸らす。
ウーナは突進をひらりと回避した。敵の懐に、イスカが素早く入り込み刀で脇腹を斬り裂く。粘液と表皮が、四方に飛び散った。
敵がイスカへと振り返りざまに、尻尾をがむしゃらに振り回す。
「was yea ra accrroad pauwel oz dor yor!」
Celestineが言霊を刻み、イスカの周囲に砂を纏わせた。砂は集合し、防護壁となって敵の攻撃による衝撃を和らげる。尻尾に叩き飛ばされるも、イスカは地面に手を付き何とか着地した。敵たちは蠢き、ミイナが隠れる岩場へと向かおうとする。
すかさずウーナが銃を構え、威嚇射撃を撃ち放った。目の前で炸裂する弾に、一匹の敵が足を止める。
「ここは通行止めだよ。罰金は……キミの命をもらおうかなっ?」
ウーナの発砲とほぼ同時、イスカはもう一方の敵の口腔部を、横から刀で突き刺した。
「邪魔だ、俺達はこの少女を助け出さなければならない。大人しく消されてくれ」
舌を裂かれ、激痛に敵がのたうつ。
「ミイナちゃんの元には行かせないわよ」
エイルはメイスを大きく振りかざし、露わになった腹へと打撃を叩き込んだ。腹部に鱗はなく、比較的柔らかい。確かな衝撃が、敵の腹にダメージを与える。
腹を打たれた敵が、爪でエイルを引き裂こうと動く。目前に迫る爪をとっさにメイスで受け止めるも、衝撃に吹き飛ばされた。
「っ……凄い力ね。次、そっちに行くわ!」
エイルがイスカに向かって叫ぶ。敵は体勢を立て直し、イスカへと突進する。かろうじて避けるも、ビリビリと衝撃が肌に伝わるようだ。
敵たちは変わらず、凶暴な瞳をハンターたちに向けている。
「やはり、四人では無理があるようですわね」
冷静に告げるCelestine。エイルは同意するように頷いた。
「そうね、喰いとめるだけで手一杯だわ」
「もうすぐB班が来るさ。それまで、守り抜くだけだ」
刀の柄をしっかりと握り直し、イスカは敵を見据える。ちょうどその時だった。複数の足音が近づいてくる。
「……早々に形勢逆転の兆しアリ、だね!」
ウーナは口元を上げ、楽しそうに言葉を紡ぐ。
「今こそ救済の時!」
最初に聞こえたのは、ルクニールの力強い言葉。直後、一条の光線が、暗闇を切り裂いた。ルクニールのホーリーライトが白い煌きと共に、敵の体へと撃ち込まれる。
「雑魔の好きにはさせませんぞ!!」
ルクニールはA班の面々と敵の間に走り込み、防護を固めた。
「ミイナ嬢もこちらにいましたか。四人で守りつつ戦うのは大変だったでしょう」
「そうだね。早く駆け付けてくれて助かったよ」
ルクニールに言葉を返し、イスカは武器を構え直す。
「皆様、お怪我はございませんか!」
エリスがA班の状態を確認する。大怪我はしていないが、疲弊しているように見えた。エリスは拳銃からウェイビングサーベルに持ち替え、前衛にまわる。
「銃しか扱えない、という訳ではございません。切り開きます」
敵の傷口を狙い、慎重に剣を振るった。青い刀身が、黒々とした皮膚を削り取る。
少女が隠れる岩陰の前に立ち、ネイハムは少女を庇うように位置取った。
「もうすぐ終わるから、あとちょっと我慢してね」
猟銃の照準を合わせ、ネイハムは前方で前衛陣と戦う敵に狙いを定める。瞳の奥で、マテリアルが光の螺旋を描いた。瞬間、放たれた銃弾は敵の急所へと直撃する。
八人の攻撃に、一匹が崩れ落ちた。残る敵も、明らかな弱体化を見せる。粘液が水のように変化し、防御機能を失いつつあった。
ロイドの手元で、機械を媒介に生み出したマテリアルの光剣が輝く。
「どう言う構造なのか興味があるのでな。魚のように食えはしないだろうが……『脱いで』貰うぞ?」
急接近し、頭部から背中の鱗を削ぐように裂いた。鱗の奥、黒い肉の塊と血管組織のようなものが見える。鱗を肉ごと削がれた敵は絶命し、その場に倒れ伏したのであった。
●帰り道
戦闘を終え、ハンターたちはミイナに安全であることを告げる。ミイナは恐る恐る岩陰から姿を見せた。恐怖心が解けないのか、表情が強張っている。
「ほら、お姉ちゃんが一緒だから安心してね?」
エリスがジュースとナッツをミイナに差し出す。ミイナは不安げな表情のまま、それを口に含んだ。
「……おいしい」
小さな声と共に、ふっと彼女の表情が和らぐ。どうやら少しは落ち着いたようだ。
「もう怖がらなくて良い。……さて、ここから出ましょう。洞窟から出るまで、離れぬように」
ルクニールがミイナの頭を優しく撫でると、ミイナはこくりと頷いた。ミイナの様子にイスカは穏やかに笑い、その背に彼女を背負う。
「乗り心地が悪かったら言うんだよ」
「うん、大丈夫」
洞窟の外へ向かう途中、落ち着きを取り戻したミイナから、これまでのいきさつを聞くことができた。
兎を追って洞窟に入ったが、兎は洞窟内部に潜んでいた雑魔に食べられていた。恐怖に駆られ引き返そうとするも、入口側から別の雑魔に囲まれかけ、無我夢中で洞窟内部へと逃げ込んでしまったらしい。
洞窟前に靴が落ちていたのは、兎を追う際、たまたまあの場所で転んだ拍子に脱げてしまったためだという。
「履いてたら、うさぎさん見失っちゃうと思ったから……」
「うさぎさんが気になる気持ちはわかるわ。でも、これからはちゃんとお姉ちゃんの言うこと聞かないとダメよ?」
「何かに興味を抱くのは大事だと思うけど、危なそうな場所には入らないようにね」
エイルとネイハムの言葉に頷くミイナ。彼女はまた、雑魔の目撃情報についても教えてくれた。ミイナが確認した雑魔も、ハンターたちと同じく四匹らしい。
「全匹掃討したってことかな? 警戒はしておいた方がいいだろうけど」
ライトを手に周囲を見回すウーナに、Celestineが頷く。
「そのようですわね。……それにしても、妙にぬめぬめというか、スライム質に縁がありますわね……」
「雑魔にはスライムの特性を持ったものも、比較的多いのかもしれないな」
思い返すように呟くCelestineにロイドは言葉を返しつつ、目線を進む先に向けた。
外の光が、彼らをゆっくりと照らし始めている。それは、任務の成功を意味していた。こうして、ハンターたちは雑魔を討伐し、ミイナを救出することに成功したのであった。
森を抜けた先。洞窟はその奥に闇を沈み込ませ、大きな口を開いている。ハンターたちは各々に光源を掲げながら、洞窟の奥を見据えた。
「雑魔を倒すだけ、なんて簡単だもん。パーフェクトゲームで勝ちたいよね。……みんなもさ、本当はミイナちゃんが生きてれば……って思ってるでしょ?」
ウーナ(ka1439)は洞窟の奥を、左手のライトで照らし出す。
「ああ。生きている『かもしれない』命を諦められるほど潔い男じゃないんでね。お節介だろうが最善を尽くさせてもらうよ」
彼女の言葉に、イスカ・ティフィニア(ka2222)は強く頷いた。
洞窟に入る前に、村人に描いてもらった地図を広げる。
「入口から三十分ほど歩いたところで、分岐点に到達するようね。そこで確実に、分かれることになるかしら」
エイル・メヌエット(ka2807)が、地図を指で辿りながら告げる。
「そうだね。……分かれる前に、敵が早々に出てきてくれたら楽なんだけど……」
ネイハム・乾風(ka2961)は持ち前の身長を活かし、ランタンで広い範囲を照らし出した。洞窟内から聞こえる風音にも耳を澄ませるが、敵が発すると思しき音は聞こえない。
「こちらに反応するか……試しに、鳴らしてみましょうか」
エリス・カルディコット(ka2572)が銃を上に向け、打ち鳴らす。銃声は反響し洞窟へと吸い込まれていく。しかし、敵が現れる気配はないようだ。
ハンターたちは光源を頼りに、暗い洞窟へと入っていく。
「ミイナちゃん、無事だといいのですけれど……、ミイナちゃ~ん」
Celestine(ka0107)はランタンを高く持ち上げ、広く照らしながら名を呼ぶ。逆の手には杖を持ち、警戒も怠らない。
まだ外の光がかろうじて届く場所で、ロイド・ブラック(ka0408)が、その歩みを止める。
「あれを見てくれ、血の跡があるぞ」
ロイドが煌々と照らし、見据える先……洞窟の岩陰に、血痕が赤々と広がっていた。湿気で乾きにくいのか、未だぬめりを残している。
「この血の痕……」
エリスは確かめるように近寄り呟くも、途中で言葉を切った。考えたくはないが、万が一ということもあり得る。サー・ルクニール(ka2017)は首を横に振り、しっかりと進む先を見つめた。
「この血痕がミイナ嬢のものと、決まったわけではありますまい。さあ、先に進みましょうぞ」
三十分近く歩いただろうか。ハンターたちは、さらに幅が広まった岩場に出る。先を照らすと、分かれ道が見えた。比較的、戦いやすそうな場所だ。足を止め、再び敵との接触を試みる。
「そろそろ出てきてくれてもいいんだがな」
わざと大きな足音を鳴らし、ロイドが言葉を紡いだ。洞窟内に、複数の足音が木霊する。数分経過しただろうか。風音に、別の音が混じる。
「……風に紛れて、這いずるような音が聞こえますわ」
Celestineが音に気付き、皆に告げた。直後、ズリリ、と一際大きな音が響く。
「来たね!」
ウーナの研ぎ澄まされた視野が敵を捉える。同じ方向から二匹。右手に銃を構え、限界射程を越えた跳弾を撃ち放った。弾丸は不規則な弾道を辿り、敵の体へと命中する。粘液に阻まれるも、銃弾は敵の表皮に傷を付けた。
「強い光はどうかしら?」
エイルはメイスを掲げ、光の精霊を聖印に宿らせる。眩い光が洞窟内を強く照らし出した。敵たちは、眩しそうに瞳を細める。多少は視界が悪くなったのだろうか。一匹が闇雲に突進する。
イスカは前に踏み出し、鞘から刀を引き抜いた。それと同時、髪色は緑に、瞳は茶から青に変色する。
「さあ、こっちを見ろ。おまえの相手は俺だ」
風のような剣捌きが、光源に照らされ銀色の光を放つ。イスカに突進するも攻撃を外す敵に、ロイドがサイドアタックをかけた。
「さて、前もって確認といこうか」
両手首に表情が違う仮面の紋章を宿し、機導砲を構える。ロイドの光線は電撃のように爆ぜ、敵の側面に直撃。瞬間、粘液が飛び散る。奥の体には、僅かに傷が入ったようだ。
「ふむ。粘液は防護壁というわけか。興味深い機構をしているな」
研究者としての血が騒ぐも、落ち着いた口調でロイドは呟く。どうやら魔法、物理問わず、粘液が防御の役割を果たしているようだ。
「粘液もあれば鱗も硬い、か。……でも、同じ箇所に攻撃が集中したらどうなるんだろう?」
ネイハムは好奇心と共に、瞳に鮮やかな赤紫を宿す。銃を構え、ロイドが攻撃した箇所に狙いを定める。
「面白そうだし、試してみようか」
直後、放たれた強弾は敵の横腹へと食い込み、浅かった傷跡を深く抉った。
ハンターたちは続けざまに同じ箇所を狙い攻撃を繰り出していく。一匹が力尽き、残るは一匹。怒り狂ったように飛びかかる敵の牙を、ルクニールが受け止める。
「我、空と霜の騎士ルクニール、お相手仕る!」
プロテクションによる防護の光が、シールドと敵の間で激しく瞬いた。ルクニールはロッドを振り翳し、敵を殴打した。強い衝撃が、敵の頭部を抉る。
Celestineも清らかな旋律と共に、炎の力を宿した杖を敵へと振り下ろした。知人の祈りが力となり、鱗を砕く。
「ギョアアアアッ!!!!」
目を潰され、敵は後ろへと大きく揺らぐ。
「今が好機ですね。……撃ち抜きましょう」
蒼炎を纏うエリスの髪が、銀から空の色に染まった。マテリアルの力を武器にこめ、エリスは脆くなっている箇所を狙う。外すことなく、マテリアルを纏った弾丸を撃ち込んだ。敵は雄叫びを上げながら引っくり返り、絶命する。
「やっぱり複数いたのね……他にもいると厄介でしょうね。十分に気を付けて進みましょう」
仲間たちの傷をヒールで癒しつつ、エイルは敵の死体を見やった。この先は分かれ道。ミイナの探索を続行すべく、二班に分かれての行動となる。
●少女の行方
連絡手段などを念入りに確認し、ハンターたちは二手に分かれた。Celestine、ウーナ、イスカ、エイルのA班は、左手の道を慎重に進む。数分進んだところで、ふと、ウーナが立ち止まった。
「泣き声が聞こえる。こっちだよ!」
泣き声の方向を把握し、ウーナは皆を先導した。洞窟の隅にある岩の隙間。そこに、少女が座り込んでいる。足には片方だけの靴……間違いない、ミイナだ。
イスカが震える少女に声をかけようとして……その背筋に、一際強い緊張が走った。
「……どうやら、このタイミングで敵が来たようだね」
他のハンターも同様に、周囲に感じる『気配』。這う音が急速に近付いてくる。それも複数。敵は傍まで迫っている。ウーナは素早く銃弾を三発撃ち鳴らした。
「ミイナちゃん。私達が来ましたから、もう大丈夫ですわ」
金色に輝く魔方陣を背に、Celestineはふわりと微笑む。ミイナは泣き腫らした顔を上げ、驚きつつもこくりと頷いた。
「私たちがあなたを守るわ。だから、安心して」
光を纏いながら振り返り、エイルは優しくミイナに語りかける。新緑の木漏れ陽を思わせる柔らかな光に、ミイナは思わず涙を止めるのだった。
一方、別の道を探索していたB班に、事態を知らせる銃声は確かに届く。
「! 銃声……緊急事態のようですね」
ルクニールが、銃声に足を止めた。迷わぬよう壁に添えていた手を、強く握り締める。
「三発……敵か少女か、見つけたのかもしれないね」
銃声の数を聞き逃さず、ネイハムが推測する。ロイドは頷き、後方へと振り返った。
「すぐに戻り合流しなければな」
「そうですね……こちらの道です。足元、気を付けて下さいませ。滑りやすくなっております」
内部は入り組み複雑化している。だが、エリスは戻る道を立体的に把握し、灯りを手に先頭を走った。少女を救えという知人の祈りが、胸に響く。
●掃討
A班の前に、敵が姿を現した。数は二匹。先ほどと同じだが、こちらは四人なうえに、少女を守りつつ戦う必要がある。ハンターたちは、ミイナが隠れる岩場を守るように位置取った。
「B班が来るまで耐えて、来たら撃破……さらにミイナちゃんも助ける。完全クリアねらうよ!」
体に走る幾何学模様が、ウーナの言葉に呼応するように赤く輝いた。
「援護いたしますわ。was yea ra yehar viega oz fhyu!」
Celestineが歌声を奏でると同時、煌く緑風がウーナの体を包み込む。直後、敵がウーナに牙を剥き、突進する。接触する直前、強力な風が渦巻き、敵の機動を逸らす。
ウーナは突進をひらりと回避した。敵の懐に、イスカが素早く入り込み刀で脇腹を斬り裂く。粘液と表皮が、四方に飛び散った。
敵がイスカへと振り返りざまに、尻尾をがむしゃらに振り回す。
「was yea ra accrroad pauwel oz dor yor!」
Celestineが言霊を刻み、イスカの周囲に砂を纏わせた。砂は集合し、防護壁となって敵の攻撃による衝撃を和らげる。尻尾に叩き飛ばされるも、イスカは地面に手を付き何とか着地した。敵たちは蠢き、ミイナが隠れる岩場へと向かおうとする。
すかさずウーナが銃を構え、威嚇射撃を撃ち放った。目の前で炸裂する弾に、一匹の敵が足を止める。
「ここは通行止めだよ。罰金は……キミの命をもらおうかなっ?」
ウーナの発砲とほぼ同時、イスカはもう一方の敵の口腔部を、横から刀で突き刺した。
「邪魔だ、俺達はこの少女を助け出さなければならない。大人しく消されてくれ」
舌を裂かれ、激痛に敵がのたうつ。
「ミイナちゃんの元には行かせないわよ」
エイルはメイスを大きく振りかざし、露わになった腹へと打撃を叩き込んだ。腹部に鱗はなく、比較的柔らかい。確かな衝撃が、敵の腹にダメージを与える。
腹を打たれた敵が、爪でエイルを引き裂こうと動く。目前に迫る爪をとっさにメイスで受け止めるも、衝撃に吹き飛ばされた。
「っ……凄い力ね。次、そっちに行くわ!」
エイルがイスカに向かって叫ぶ。敵は体勢を立て直し、イスカへと突進する。かろうじて避けるも、ビリビリと衝撃が肌に伝わるようだ。
敵たちは変わらず、凶暴な瞳をハンターたちに向けている。
「やはり、四人では無理があるようですわね」
冷静に告げるCelestine。エイルは同意するように頷いた。
「そうね、喰いとめるだけで手一杯だわ」
「もうすぐB班が来るさ。それまで、守り抜くだけだ」
刀の柄をしっかりと握り直し、イスカは敵を見据える。ちょうどその時だった。複数の足音が近づいてくる。
「……早々に形勢逆転の兆しアリ、だね!」
ウーナは口元を上げ、楽しそうに言葉を紡ぐ。
「今こそ救済の時!」
最初に聞こえたのは、ルクニールの力強い言葉。直後、一条の光線が、暗闇を切り裂いた。ルクニールのホーリーライトが白い煌きと共に、敵の体へと撃ち込まれる。
「雑魔の好きにはさせませんぞ!!」
ルクニールはA班の面々と敵の間に走り込み、防護を固めた。
「ミイナ嬢もこちらにいましたか。四人で守りつつ戦うのは大変だったでしょう」
「そうだね。早く駆け付けてくれて助かったよ」
ルクニールに言葉を返し、イスカは武器を構え直す。
「皆様、お怪我はございませんか!」
エリスがA班の状態を確認する。大怪我はしていないが、疲弊しているように見えた。エリスは拳銃からウェイビングサーベルに持ち替え、前衛にまわる。
「銃しか扱えない、という訳ではございません。切り開きます」
敵の傷口を狙い、慎重に剣を振るった。青い刀身が、黒々とした皮膚を削り取る。
少女が隠れる岩陰の前に立ち、ネイハムは少女を庇うように位置取った。
「もうすぐ終わるから、あとちょっと我慢してね」
猟銃の照準を合わせ、ネイハムは前方で前衛陣と戦う敵に狙いを定める。瞳の奥で、マテリアルが光の螺旋を描いた。瞬間、放たれた銃弾は敵の急所へと直撃する。
八人の攻撃に、一匹が崩れ落ちた。残る敵も、明らかな弱体化を見せる。粘液が水のように変化し、防御機能を失いつつあった。
ロイドの手元で、機械を媒介に生み出したマテリアルの光剣が輝く。
「どう言う構造なのか興味があるのでな。魚のように食えはしないだろうが……『脱いで』貰うぞ?」
急接近し、頭部から背中の鱗を削ぐように裂いた。鱗の奥、黒い肉の塊と血管組織のようなものが見える。鱗を肉ごと削がれた敵は絶命し、その場に倒れ伏したのであった。
●帰り道
戦闘を終え、ハンターたちはミイナに安全であることを告げる。ミイナは恐る恐る岩陰から姿を見せた。恐怖心が解けないのか、表情が強張っている。
「ほら、お姉ちゃんが一緒だから安心してね?」
エリスがジュースとナッツをミイナに差し出す。ミイナは不安げな表情のまま、それを口に含んだ。
「……おいしい」
小さな声と共に、ふっと彼女の表情が和らぐ。どうやら少しは落ち着いたようだ。
「もう怖がらなくて良い。……さて、ここから出ましょう。洞窟から出るまで、離れぬように」
ルクニールがミイナの頭を優しく撫でると、ミイナはこくりと頷いた。ミイナの様子にイスカは穏やかに笑い、その背に彼女を背負う。
「乗り心地が悪かったら言うんだよ」
「うん、大丈夫」
洞窟の外へ向かう途中、落ち着きを取り戻したミイナから、これまでのいきさつを聞くことができた。
兎を追って洞窟に入ったが、兎は洞窟内部に潜んでいた雑魔に食べられていた。恐怖に駆られ引き返そうとするも、入口側から別の雑魔に囲まれかけ、無我夢中で洞窟内部へと逃げ込んでしまったらしい。
洞窟前に靴が落ちていたのは、兎を追う際、たまたまあの場所で転んだ拍子に脱げてしまったためだという。
「履いてたら、うさぎさん見失っちゃうと思ったから……」
「うさぎさんが気になる気持ちはわかるわ。でも、これからはちゃんとお姉ちゃんの言うこと聞かないとダメよ?」
「何かに興味を抱くのは大事だと思うけど、危なそうな場所には入らないようにね」
エイルとネイハムの言葉に頷くミイナ。彼女はまた、雑魔の目撃情報についても教えてくれた。ミイナが確認した雑魔も、ハンターたちと同じく四匹らしい。
「全匹掃討したってことかな? 警戒はしておいた方がいいだろうけど」
ライトを手に周囲を見回すウーナに、Celestineが頷く。
「そのようですわね。……それにしても、妙にぬめぬめというか、スライム質に縁がありますわね……」
「雑魔にはスライムの特性を持ったものも、比較的多いのかもしれないな」
思い返すように呟くCelestineにロイドは言葉を返しつつ、目線を進む先に向けた。
外の光が、彼らをゆっくりと照らし始めている。それは、任務の成功を意味していた。こうして、ハンターたちは雑魔を討伐し、ミイナを救出することに成功したのであった。
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作戦相談テーブル ウーナ(ka1439) 人間(リアルブルー)|16才|女性|猟撃士(イェーガー) |
最終発言 2014/09/23 01:22:47 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2014/09/18 19:36:27 |