ゲスト
(ka0000)
【郷祭】夜の東方茶屋
マスター:深夜真世

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~7人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 4日
- 締切
- 2016/11/10 19:00
- 完成日
- 2016/11/25 01:54
このシナリオは5日間納期が延長されています。
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
ここは同盟領。農耕推進地ジェオルジの片田舎、タスカービレ村の青竜紅刃流道場。
「今回は各村の特産酒を集めた場所に、東方茶屋も出してほしいんです」
庭先に据えた縁台の長椅子に腰掛けたジェオルジの役人、フィーネ・リスパルミオがにこやかに言った。
「しかし、春郷祭で出した場所からもまたお願いされてるしなぁ」
同じく長椅子に座る流派師範、イ寺鑑(kz0175)が浮かない返事をする。白茶を淹れた椀に口をつけずずずとすする音の方が響きがいい。
ここ、タスカービレは東方風の村作りをしている。
新種の茶葉開発に失敗するなどして人口流出が続いていたが、失敗要因たる「芽の付きはすこぶる良好ながら葉として育たない」という状況を逆手に取った「新芽を茶葉にする」東方由来の「白茶(ぱいちゃ)」の開発に成功。時を同じくしてサルヴァトーレ・ロッソからの移民受け入れ要請に挙手。日本や中華圏の移民を積極的に受け入れることで人口増と東方風の村作りを加速させることに成功していた。
背景説明、以上。
「ああ、その辺りはご安心ください」
フィーネ、笑顔を崩さなかった。
「前回同様、主要会場を結ぶ途上に休憩所的に設けて白茶やお団子、おにぎりなんかを販売することも重要と考えています」
春郷祭で気に入ってタスカービレの入り口に常設した東方茶屋に立ち寄る人もいますよね、と満足そう。
そして指を一つ立てて身を乗り出してくる。
「今回の郷祭のテーマの一つは、各村の特産酒と小料理。これを一堂に集める必要があるんです」
もちろん、お酒ですから夕暮れからが望ましいです、とも。
「なるほど……ここでこういう話が出るってことは、そっちの東方茶屋に俺たち青竜紅刃流を置きたい、と?」
「おっしゃるとおりです。泥酔客の対応もあるでしょうからね」
得心した鑑に極上の笑みを見せるフィーネ。
「まあ、前回は変態も多かったし。確かにロミィやジオなんかに任せるわけには……」
すっかり着物姿を気に入った売り子娘と道場の若手の姿を思い浮かべた。
と、ここでぴんときた。
「いや、逆だ。健全な場所に変態は寄り付かない」
今度は鑑が身を乗り出す。
「あら。でもロミィちゃん、昼の方で頑張るって着物選びに熱心だし」
「それは確かにあるか。時間帯はずれるとは言え、働かせ過ぎは良くないな……っていうか、そんなに着物があるのか?」
「東方との物資交換で大量に入ってきましたが、着こなすにはコツがいりますし、やはり日常使いには馴染まないので大量に宙に浮いたんです。それらの大半をこちらで引き取りましたから」
フィーネ、手柄顔である。
「じゃ、東方衣装の試着を加えて、東方の新酒風白ワイン『レ・リリカ』とチーズ入りチクワなんかを売ればいいな」
「良かった。それじゃ、夜の屋台は鑑さんたちにお任せしますね」
フィーネ、両手を合わせて喜んだ。
というわけで、夕方から多くの飲酒屋台の立つ通りで「東方茶屋」の屋台を出し、特産白ワイン「レ・リリカ」と焼きたてのチーズ入りチクワなどを売ってくれる人、求ム。
「今回は各村の特産酒を集めた場所に、東方茶屋も出してほしいんです」
庭先に据えた縁台の長椅子に腰掛けたジェオルジの役人、フィーネ・リスパルミオがにこやかに言った。
「しかし、春郷祭で出した場所からもまたお願いされてるしなぁ」
同じく長椅子に座る流派師範、イ寺鑑(kz0175)が浮かない返事をする。白茶を淹れた椀に口をつけずずずとすする音の方が響きがいい。
ここ、タスカービレは東方風の村作りをしている。
新種の茶葉開発に失敗するなどして人口流出が続いていたが、失敗要因たる「芽の付きはすこぶる良好ながら葉として育たない」という状況を逆手に取った「新芽を茶葉にする」東方由来の「白茶(ぱいちゃ)」の開発に成功。時を同じくしてサルヴァトーレ・ロッソからの移民受け入れ要請に挙手。日本や中華圏の移民を積極的に受け入れることで人口増と東方風の村作りを加速させることに成功していた。
背景説明、以上。
「ああ、その辺りはご安心ください」
フィーネ、笑顔を崩さなかった。
「前回同様、主要会場を結ぶ途上に休憩所的に設けて白茶やお団子、おにぎりなんかを販売することも重要と考えています」
春郷祭で気に入ってタスカービレの入り口に常設した東方茶屋に立ち寄る人もいますよね、と満足そう。
そして指を一つ立てて身を乗り出してくる。
「今回の郷祭のテーマの一つは、各村の特産酒と小料理。これを一堂に集める必要があるんです」
もちろん、お酒ですから夕暮れからが望ましいです、とも。
「なるほど……ここでこういう話が出るってことは、そっちの東方茶屋に俺たち青竜紅刃流を置きたい、と?」
「おっしゃるとおりです。泥酔客の対応もあるでしょうからね」
得心した鑑に極上の笑みを見せるフィーネ。
「まあ、前回は変態も多かったし。確かにロミィやジオなんかに任せるわけには……」
すっかり着物姿を気に入った売り子娘と道場の若手の姿を思い浮かべた。
と、ここでぴんときた。
「いや、逆だ。健全な場所に変態は寄り付かない」
今度は鑑が身を乗り出す。
「あら。でもロミィちゃん、昼の方で頑張るって着物選びに熱心だし」
「それは確かにあるか。時間帯はずれるとは言え、働かせ過ぎは良くないな……っていうか、そんなに着物があるのか?」
「東方との物資交換で大量に入ってきましたが、着こなすにはコツがいりますし、やはり日常使いには馴染まないので大量に宙に浮いたんです。それらの大半をこちらで引き取りましたから」
フィーネ、手柄顔である。
「じゃ、東方衣装の試着を加えて、東方の新酒風白ワイン『レ・リリカ』とチーズ入りチクワなんかを売ればいいな」
「良かった。それじゃ、夜の屋台は鑑さんたちにお任せしますね」
フィーネ、両手を合わせて喜んだ。
というわけで、夕方から多くの飲酒屋台の立つ通りで「東方茶屋」の屋台を出し、特産白ワイン「レ・リリカ」と焼きたてのチーズ入りチクワなどを売ってくれる人、求ム。
リプレイ本文
●
郷祭最中のジェオルジに日暮れが近付いてきた。
屋台の並ぶ中に「東方茶屋」ののぼりがはためいている。
「おお、来たか。助かる。仕込みは大体終わってる」
そこで、タスカービレの村民と仕込みをしていたイ寺鑑(kz0175)が手を振った。
「いい感じだな」
やって来た一団の一人、ザレム・アズール(ka0878)が軽く応じて周りを見る。
「にぎやかだし、雰囲気もいい」
照明の付き始めた広場に多くの人と、屋台からの呼び込みの声。ザレムも意気が上がってきた。
「同盟人としちゃ、やっぱ手を貸したいよな」
へへ、とジャック・エルギン(ka1522)。切った張ったの毎日じゃ身がもたねーし、とか呟いたりもする。
「……夜の、かぁ」
隣でぽそりと言うのは、ウーナ(ka1439)。身を屈めてまじまじとお酒を、じー。
「興味あるのか、ウーナ?」
鑑、すいとタスカービレ特産の白ワイン「レ・リリカ」の入ったタンブラーを寄越してくる。
「え? あはは……」
どうしようかな、と迷いつつ間を取るウーナ。
「イ寺様、女性を見たら飲ませようとするのはよろしくありませんよ?」
その酒を横からひょいと取って飲んだのは、多由羅(ka6167)。
「そんなつもりはないが……多由羅。自分は喜んで飲んでないか?」
「はっ。つい……」
鑑に突っ込まれわずかに恥じらい身をよじる多由羅。飲み屋に来るおっさんが見れば「よっしゃ、おっちゃんがもうちょっと酒飲ましたるさかいな!」とか言って追加注文しそうな雰囲気である。
「今回、着物の着付けもするんだよね?」
新たに狐中・小鳥(ka5484)が元気よく。
すでに萌葱色に染めた、袖の桜吹雪が見事な着物を着用している。
「へえ……」
これに感心する鞍馬 真(ka5819)。
「色んな服を着てたから着物でも大丈夫なんだよ♪」
くるっと回ってえへへ♪な小鳥。
「うちも普段着てるけど、人に着せたり教えるのはうまくできるかな?」
少し不安そうにしているのは、骸香(ka6223)。東方風の着流しを羽織ってはいるが、不安そうだ。
「大丈夫。骸香ならできるよ」
真、親愛の情を込めて言う。そう言う自身もパルム柄の着物を着ている。
「そう、だね」
骸香、気を取り直し明るい表情で、くるり。背中と袖に染められた梅吹雪模様が舞う。
これを見て、小鳥ももう一度くるり。桜吹雪の染め抜きが舞う。
「わあっ」
この様子を見て周りの女性客が早速興味を抱いたようだ。
「よし、じゃ早速やろうか」
鑑の掛け声で皆が持ち場に散った。
●
「よぉし、火は熾きてるか?」
ジャックが早速屋台に入る。
川魚の練り物を鉄の棒に付けている村人から棒を渡され、早速火に掛ける。
その横で、ザレム。
「中に入れるチーズは大丈夫か? え、キュウリは微妙に季節が外れている?」
なるほど、小鳥が最初に提案したのはキュウリ入りなのにチーズ入りが主力になったわけだと納得する。
「いや、漬物がギリギリ残っていたはずだ」
鑑の言う通り、ピクルスという形で残っていた。
「助かる! 味や食感が変わると食が進むからね」
ザレム、早速キュウリを細長く切る。多彩に楽しんでもらいたい考えだ。
ジャックとザレムの威勢のいい声は屋台の村人の士気を上げた。
それだけではない。
「へえ、チクワっていうのかい?」
「わあっ。コロコロ回してこんがり焼けてる」
「焼き上がると鉄の棒から外して……だから穴の開いているのか」
焼けている様子と焼き上がりの珍しさに通行人の足が止まる。
「よっ、と。この中にチーズやキュウリを入れるんだぜ?」
注目を浴び手つきが踊り口も軽やかになるジャック。気分が良さそうだ。
「後は白ワインも……」
「鑑、待て」
特産白ワインを準備する鑑に、ザレムが待ったをかけた。
「さっき多由羅の飲んだタンブラーだとあまり飲まない層に敬遠される。まずはミニミニカップで試飲してもらおう」
「なるほど。たしか猪口があったはずだが」
ザレムの一口ワイン案にピンと来る鑑。すぐに一応準備して来た猪口を用意する。
「試飲で足が止まれば購入する可能性も高まるだろう。あまり飲まない層にも喜ばれる」
「気に入りゃ気兼ねなく購入してもらえる、だな?」
焼いているジャックもこちらを振り返り、ニヤリ。
「早速みんなにも知らせよう」
鑑、屋台前の接客組に作戦を伝えに行く。
「ちょっと、一人前いいかしら?」
「おおい、こっちは家族分頼む」
今は、チクワの焼けている様子に興味を引かれた客が多い。
で、真とウーナ。
「試飲はいいな。少し時間は稼げるだろう」
真、チクワを焼くジャックの様子を見つつ頷く。
「ん~」
おや。
ウーナは少し浮かない顔をしているぞ?
「どうした、ウーナ?」
「鑑センセ、衣装は着物で合わせた方がいいのかな?」
チャイナドレスのウーナ、髪をお団子にまとめながら聞いてくる。
「いいよ。可愛いし。それに、ウーナが着物を着ると着付けの方が困るかもだし」
「困る? あたしが着物を着ると?」
問い詰めるウーナ。
「動きにくいって、スリット入れるか裾を乱すだろ?」
ざっくと切れ込みの入ったウーナの衣装を指差す鑑。
「着物を試着した人が真似ると、ね」
「くっ……それは納得していいのか一発かましておく方がいいのか」
ウーナ、オートマチック「チェイサー」を構える。
「ちょっと!」
「あ、だいじょーぶ。ペイント弾だから」
9発フルリロードのノーダメージ弾に、ふっふっふっとヤバい笑みを見せる。
そこに、多由羅。
「今回はチャイナドレスではないのですね。着物なら自前があるので助かります」
すらっと立つ姿は……妙に肌色率が高い。最初に着ていた胸元開けたハイレグ衣装よりはましだが。
「……多由羅、胸元」
「イ寺様、これは非戦闘用のちゃんとした着物ですよ?」
「ああ、小鳥が着ていたのと似た柄だな。……だが小鳥の胸元は乱れてなかったぞ」
「そうですか……」
着物「桜吹雪」に罪はないと主張する多由羅だが、鑑にしつこく突っ込まれて小鳥の方に行く。
「ちょ……多由羅さん、脱がしちゃダメなんだよ~」
「これも着物「桜吹雪」のためです。協力を」
何と、おもむろに小鳥の胸の合わせをぐいっと乱したり。
「いかが? 良ければあちらでチクワと一緒に」
真、背後の騒ぎは放っておいてとにかく猪口の試飲ワインを勧めまくる。
「はいよっ。チクワ10本、焼けたぜ。次はワインだな」
屋台の方では和服姿のジャックが声を張っている。
「……ええと」
おや?
カップル客の女性が不安がっているぞ。
「ああ。切ってお出ししますか? そのままにされますか?」
すかさずザレムが一言添える。
「それじゃ、一口大に切ってくれないか?」
「かしこまりました」
彼氏に恭しく礼をするザレム。ワイングラスにはコースターを添え、ピック刺しのオリープも。
「手が込んでるな?」
「雰囲気が売りだからね」
感心するジャックに視線を返すザレム。そこにはくるくる焼けるチクワを覗き込む子供たちがいた。雰囲気という点では威勢よく焼いているジャックもそうだろ、ということだ。
が、やや壁になりチクワを求める客の邪魔になっているか。
「よう、あっちにはこういう服を無料で着せてくれるところがあるぜ? 行ってみな」
「ホント?」
ジャック、試着テントの方に顎をしゃくった。彼の切符の良さも気になっていた子供たちは早速そちらに突撃するのだった。
●
「ふう、ひどい目に遭ったんだよ」
着物を崩された小鳥、鑑が多由羅を連れ去り一安心。
やれやれと乱れを直していると、その様子を見ていた娘たちに気付いた。
「あや、この服に興味があるのかな? よかったら試しに着てみないかな? 大丈夫。私達が着付け手伝うから♪」
この言葉に、ぱあっと明るくなる娘たち。
一方、骸香。
「着物を着てみたい子や見てみたい子はテントの方へいらしてください。見てみたい子も見て着たいなら言ってくれれば着せますので気軽にどうぞ」
自らの着物を見せつつ、いろいろ歩いて呼び込み。
二人の活躍で、あっという間に試着は大変になった。
テント内では。
「ん、苦しかったらいってなんだよ? ええと、後は帯をこうして……完成だよ♪ お客さん、とっても似合ってるよ♪」
「わあっ。ありがとう」
小鳥が女性に着せ華やかにした。
「うわあ……いろいろあるけど、服じゃないみたい」
「小鳥ちゃん、うち、こっち使わせてもらうね……着物って洋服と違って着て初めて形が分かるものなんですよ?」
骸香は連れて来た客に早速説明しつつお世話お世話。
「うん、分かったんだよ。でも外は?」
「ジャックさんが来て整列させてくれたから大丈夫だよ。焼く方はイ寺さんが入ってくれたって」
骸香の言葉に安心して着付けに集中する小鳥だった。
こうして、チクワ焼きと一口ワインの試飲、着物着付けで東方茶屋は周りの屋台よりも盛り上がった。皆のアイデアと雰囲気づくりの賜物だ。
が、にぎわうところには困り者も集まるもので。
「おう、ええ商売しとるやんか!」
「のけのけ、ここはわしらの特等席じゃ!」
見るからに気質ではない、荒くれ者の客が肩で風を切りながら屋台前の席で人払いをしていた。
「どぅれ、人気そうな屋台の腕を拝見しようじゃねぇか」
その一団とは別の方から、これまた荒くれ風の一団が肩で風を以下略しながらやって来る。
でもって、両者がばったり行き会った。
「なんなら、ワレ」
「なんならはそっちじゃろぉが、おどりゃあ」
がしゃん、と長テーブルに蹴りを入れ威嚇し合う。一触即発だ。というか、すでに腕を振り上げているッ!
「うわぁっ」
「おい……ちっ!」
子供の整理をしていたジャック、子供がいなくなったのは試着組の負担がなくなったので助かったが今度はそっちか、と急ぐ。
「おらあっ!」
――パシっ、ぱしっ!
「……」
「はいはい、気持ちよくやってるトコ悪いが他所でやろうなー」
向き合うならず者たちの拳は、割って入った真とジャックにより止められていた。
「何じゃ、お前らは!」
「店員だ。まずは商品を買え。話はそれからだ」
真、吠えるならず者の口にチクワを突っ込んで煙管をくるり。相手の腕を巻き込んで投げた。
「やろってのか!」
「悪いが今日は喧嘩は在庫切れでな。出直してくれや、な?」
ジャックも煙管で敵の腕を絡め、投げ。
どしん、と2つの音が響き、ジャックと真が背中合わせ。周りの客から拍手がわいた。
「お前らあっ!」
この事態に、手を出さず後ろに控えていたならず者両陣営が黙っていない。
叫びとともにざっ、と一歩目を踏み出す。
ジャックと真を囲むつもりだ。
が、その動きは止まった。
がぅん、と銃声が響いたのだ。
「う……血か?」
一人は、自らの額から垂れる赤い液体に手を添えたじろいだ。
「違うよ、ペイント弾。……血はもっと派手に吹き出るんだ。こっちで試してみる?」
男を撃ったウーナが、ふっふっふっと愉しみながらいま撃った銃と別の銃をもてあそんでいる。
この隙に多由羅とザレムも動いている。
「仕方ありません、私に出来る事を致しましょう」
腰の大太刀「鬼霧雨」に手を掛けた、やや着崩し風豊満女性がすらりと立つ。
ちら、とならず者に向けた瞳は心なしか嬉しそう。
その視線に、容赦の色はない。
「う……」
ならず者たちは完全に気圧された。
「ケンカは他のお客様にご迷惑ですから」
そこにザレムが割って入る。
「試飲用ワインです。いかが?」
優雅に言うザレムの背後で、相変わらず嬉しそうな多由羅の姿。そして微笑し銃を持て遊ぶウーナ。いつ撃たれるか斬られるか分かったものではない。
「く、くそっ。覚えてろよ」
ならず者両陣営、退散。
●
荒れた場はしばらくもとには戻らない。
「あら、素敵。めろめろだわ。いただくわ」
「う、うわっ!」
次は変態「首筋キスマーク付け隊」の女性が大挙してやって来た。ザレム、抱き着かれて首筋をぶちゅ~と吸われキスマークが残る羽目に。もっとも、試飲用ワインはこぼさなかったが。
「あら、可愛いわね」
「撃つよ?」
「じゃ、交換ね♪」
ウーナ、ぶちゅーとおばさんに首筋吸われ、ペイント弾発射。「チクワと交換条件にすればよかった」と後悔したりも。
「だ、大丈夫だった? ……はわっ!」
着付け組だった小鳥はいま参上。が、運悪く到着したばかりの変態「目隠し転倒隊」に背後から狙われた。
「だ~れだ?」
と目隠しされて耳打ちされた後、優しく足を払われた。
小鳥、大股を広げて転倒。
「これは見事な純白で。眼福眼福……おわっ!」
「……すまん」
逃げようとした変態を真が撃退。謝ったのは、小鳥が太腿を閉じる前に恥じらいの個所が目に入ってしまったから。
そして、逃げるように着付けテントに。
「良い子に出来ないなら、こわぁいお化けが攫っちゃうかもねぇ?」
「う、うわあっ」
「さっきの人の方が怖い……」
そこでは骸香が子供の相手をしていた。騒ぎを怖がった子供たちを守っていたとも言う。よって、人は減っていない。
「骸香、大丈夫か?」
真の優しい言葉に無言で……いや、優しい瞳で頷く骸香。
その時。
「わあっ。お洒落」
「カッコいいね」
子供たちは、しゃら、と揺れる骸香の簪と、小粋に飾った真の簪に目を奪われていた。
「よし、男の子も着物と一緒に付けてみるか?」
「後でチクワもご賞味を」
聞き分けの良くなった子供たちに笑顔の二人だった。
やがて時は過ぎ。
「チクワ美味しい」
「中のチーズが溶けて……キュウリはシャッキリ」
チクワは好評のようだ。
それはそれとして。
「おねいちゃんは女神さんだよ、ダメな俺の酒を飲んでくれるたぁ」
「そうですか……ではいただきます」
泥酔客も来たが、多由羅が身を挺して……というか、飲み屋のねぇちゃんのようにお相手して無力化している。
「まあ、キスしがいのあるかわいい首だこと!」
「お客様そういうのは好きな人にしてあげた方が良いですよ?」
骸香は変態客をあしらっている。その姿を心配そうに見ていた真に気付いた。
「好きな人に、ね」
ぺし、と背中を押して退場願う。真の首筋にキスマークはなかった。
「美味しいチクワはどうかな? お酒にとってもあうんだよ♪……あや、ウーナさんどうしたの?」
明るく給仕していた小鳥、ウーナの様子に気付いた。
「酔っ払いの対応、いろいろあるんだね」
「多由羅さんのは見習っちゃダメなんだよ」
ウーナは泥酔客に水を差し入れしていた。それはそれでベストの行動である。
「よ、代わろう。ザレムが賄い飯作ってるぜ」
そこにジャックが。
屋台に戻ると、ザレムが炭火でチクワグラタンを作っていた。
「ホットワインもある。チクワは売り切れたがあとはこれで行こう」
「熱燗だね」
感心する小鳥。
好評だった東方茶屋。
もうちょっと、賑わいが続きそうだ。
郷祭最中のジェオルジに日暮れが近付いてきた。
屋台の並ぶ中に「東方茶屋」ののぼりがはためいている。
「おお、来たか。助かる。仕込みは大体終わってる」
そこで、タスカービレの村民と仕込みをしていたイ寺鑑(kz0175)が手を振った。
「いい感じだな」
やって来た一団の一人、ザレム・アズール(ka0878)が軽く応じて周りを見る。
「にぎやかだし、雰囲気もいい」
照明の付き始めた広場に多くの人と、屋台からの呼び込みの声。ザレムも意気が上がってきた。
「同盟人としちゃ、やっぱ手を貸したいよな」
へへ、とジャック・エルギン(ka1522)。切った張ったの毎日じゃ身がもたねーし、とか呟いたりもする。
「……夜の、かぁ」
隣でぽそりと言うのは、ウーナ(ka1439)。身を屈めてまじまじとお酒を、じー。
「興味あるのか、ウーナ?」
鑑、すいとタスカービレ特産の白ワイン「レ・リリカ」の入ったタンブラーを寄越してくる。
「え? あはは……」
どうしようかな、と迷いつつ間を取るウーナ。
「イ寺様、女性を見たら飲ませようとするのはよろしくありませんよ?」
その酒を横からひょいと取って飲んだのは、多由羅(ka6167)。
「そんなつもりはないが……多由羅。自分は喜んで飲んでないか?」
「はっ。つい……」
鑑に突っ込まれわずかに恥じらい身をよじる多由羅。飲み屋に来るおっさんが見れば「よっしゃ、おっちゃんがもうちょっと酒飲ましたるさかいな!」とか言って追加注文しそうな雰囲気である。
「今回、着物の着付けもするんだよね?」
新たに狐中・小鳥(ka5484)が元気よく。
すでに萌葱色に染めた、袖の桜吹雪が見事な着物を着用している。
「へえ……」
これに感心する鞍馬 真(ka5819)。
「色んな服を着てたから着物でも大丈夫なんだよ♪」
くるっと回ってえへへ♪な小鳥。
「うちも普段着てるけど、人に着せたり教えるのはうまくできるかな?」
少し不安そうにしているのは、骸香(ka6223)。東方風の着流しを羽織ってはいるが、不安そうだ。
「大丈夫。骸香ならできるよ」
真、親愛の情を込めて言う。そう言う自身もパルム柄の着物を着ている。
「そう、だね」
骸香、気を取り直し明るい表情で、くるり。背中と袖に染められた梅吹雪模様が舞う。
これを見て、小鳥ももう一度くるり。桜吹雪の染め抜きが舞う。
「わあっ」
この様子を見て周りの女性客が早速興味を抱いたようだ。
「よし、じゃ早速やろうか」
鑑の掛け声で皆が持ち場に散った。
●
「よぉし、火は熾きてるか?」
ジャックが早速屋台に入る。
川魚の練り物を鉄の棒に付けている村人から棒を渡され、早速火に掛ける。
その横で、ザレム。
「中に入れるチーズは大丈夫か? え、キュウリは微妙に季節が外れている?」
なるほど、小鳥が最初に提案したのはキュウリ入りなのにチーズ入りが主力になったわけだと納得する。
「いや、漬物がギリギリ残っていたはずだ」
鑑の言う通り、ピクルスという形で残っていた。
「助かる! 味や食感が変わると食が進むからね」
ザレム、早速キュウリを細長く切る。多彩に楽しんでもらいたい考えだ。
ジャックとザレムの威勢のいい声は屋台の村人の士気を上げた。
それだけではない。
「へえ、チクワっていうのかい?」
「わあっ。コロコロ回してこんがり焼けてる」
「焼き上がると鉄の棒から外して……だから穴の開いているのか」
焼けている様子と焼き上がりの珍しさに通行人の足が止まる。
「よっ、と。この中にチーズやキュウリを入れるんだぜ?」
注目を浴び手つきが踊り口も軽やかになるジャック。気分が良さそうだ。
「後は白ワインも……」
「鑑、待て」
特産白ワインを準備する鑑に、ザレムが待ったをかけた。
「さっき多由羅の飲んだタンブラーだとあまり飲まない層に敬遠される。まずはミニミニカップで試飲してもらおう」
「なるほど。たしか猪口があったはずだが」
ザレムの一口ワイン案にピンと来る鑑。すぐに一応準備して来た猪口を用意する。
「試飲で足が止まれば購入する可能性も高まるだろう。あまり飲まない層にも喜ばれる」
「気に入りゃ気兼ねなく購入してもらえる、だな?」
焼いているジャックもこちらを振り返り、ニヤリ。
「早速みんなにも知らせよう」
鑑、屋台前の接客組に作戦を伝えに行く。
「ちょっと、一人前いいかしら?」
「おおい、こっちは家族分頼む」
今は、チクワの焼けている様子に興味を引かれた客が多い。
で、真とウーナ。
「試飲はいいな。少し時間は稼げるだろう」
真、チクワを焼くジャックの様子を見つつ頷く。
「ん~」
おや。
ウーナは少し浮かない顔をしているぞ?
「どうした、ウーナ?」
「鑑センセ、衣装は着物で合わせた方がいいのかな?」
チャイナドレスのウーナ、髪をお団子にまとめながら聞いてくる。
「いいよ。可愛いし。それに、ウーナが着物を着ると着付けの方が困るかもだし」
「困る? あたしが着物を着ると?」
問い詰めるウーナ。
「動きにくいって、スリット入れるか裾を乱すだろ?」
ざっくと切れ込みの入ったウーナの衣装を指差す鑑。
「着物を試着した人が真似ると、ね」
「くっ……それは納得していいのか一発かましておく方がいいのか」
ウーナ、オートマチック「チェイサー」を構える。
「ちょっと!」
「あ、だいじょーぶ。ペイント弾だから」
9発フルリロードのノーダメージ弾に、ふっふっふっとヤバい笑みを見せる。
そこに、多由羅。
「今回はチャイナドレスではないのですね。着物なら自前があるので助かります」
すらっと立つ姿は……妙に肌色率が高い。最初に着ていた胸元開けたハイレグ衣装よりはましだが。
「……多由羅、胸元」
「イ寺様、これは非戦闘用のちゃんとした着物ですよ?」
「ああ、小鳥が着ていたのと似た柄だな。……だが小鳥の胸元は乱れてなかったぞ」
「そうですか……」
着物「桜吹雪」に罪はないと主張する多由羅だが、鑑にしつこく突っ込まれて小鳥の方に行く。
「ちょ……多由羅さん、脱がしちゃダメなんだよ~」
「これも着物「桜吹雪」のためです。協力を」
何と、おもむろに小鳥の胸の合わせをぐいっと乱したり。
「いかが? 良ければあちらでチクワと一緒に」
真、背後の騒ぎは放っておいてとにかく猪口の試飲ワインを勧めまくる。
「はいよっ。チクワ10本、焼けたぜ。次はワインだな」
屋台の方では和服姿のジャックが声を張っている。
「……ええと」
おや?
カップル客の女性が不安がっているぞ。
「ああ。切ってお出ししますか? そのままにされますか?」
すかさずザレムが一言添える。
「それじゃ、一口大に切ってくれないか?」
「かしこまりました」
彼氏に恭しく礼をするザレム。ワイングラスにはコースターを添え、ピック刺しのオリープも。
「手が込んでるな?」
「雰囲気が売りだからね」
感心するジャックに視線を返すザレム。そこにはくるくる焼けるチクワを覗き込む子供たちがいた。雰囲気という点では威勢よく焼いているジャックもそうだろ、ということだ。
が、やや壁になりチクワを求める客の邪魔になっているか。
「よう、あっちにはこういう服を無料で着せてくれるところがあるぜ? 行ってみな」
「ホント?」
ジャック、試着テントの方に顎をしゃくった。彼の切符の良さも気になっていた子供たちは早速そちらに突撃するのだった。
●
「ふう、ひどい目に遭ったんだよ」
着物を崩された小鳥、鑑が多由羅を連れ去り一安心。
やれやれと乱れを直していると、その様子を見ていた娘たちに気付いた。
「あや、この服に興味があるのかな? よかったら試しに着てみないかな? 大丈夫。私達が着付け手伝うから♪」
この言葉に、ぱあっと明るくなる娘たち。
一方、骸香。
「着物を着てみたい子や見てみたい子はテントの方へいらしてください。見てみたい子も見て着たいなら言ってくれれば着せますので気軽にどうぞ」
自らの着物を見せつつ、いろいろ歩いて呼び込み。
二人の活躍で、あっという間に試着は大変になった。
テント内では。
「ん、苦しかったらいってなんだよ? ええと、後は帯をこうして……完成だよ♪ お客さん、とっても似合ってるよ♪」
「わあっ。ありがとう」
小鳥が女性に着せ華やかにした。
「うわあ……いろいろあるけど、服じゃないみたい」
「小鳥ちゃん、うち、こっち使わせてもらうね……着物って洋服と違って着て初めて形が分かるものなんですよ?」
骸香は連れて来た客に早速説明しつつお世話お世話。
「うん、分かったんだよ。でも外は?」
「ジャックさんが来て整列させてくれたから大丈夫だよ。焼く方はイ寺さんが入ってくれたって」
骸香の言葉に安心して着付けに集中する小鳥だった。
こうして、チクワ焼きと一口ワインの試飲、着物着付けで東方茶屋は周りの屋台よりも盛り上がった。皆のアイデアと雰囲気づくりの賜物だ。
が、にぎわうところには困り者も集まるもので。
「おう、ええ商売しとるやんか!」
「のけのけ、ここはわしらの特等席じゃ!」
見るからに気質ではない、荒くれ者の客が肩で風を切りながら屋台前の席で人払いをしていた。
「どぅれ、人気そうな屋台の腕を拝見しようじゃねぇか」
その一団とは別の方から、これまた荒くれ風の一団が肩で風を以下略しながらやって来る。
でもって、両者がばったり行き会った。
「なんなら、ワレ」
「なんならはそっちじゃろぉが、おどりゃあ」
がしゃん、と長テーブルに蹴りを入れ威嚇し合う。一触即発だ。というか、すでに腕を振り上げているッ!
「うわぁっ」
「おい……ちっ!」
子供の整理をしていたジャック、子供がいなくなったのは試着組の負担がなくなったので助かったが今度はそっちか、と急ぐ。
「おらあっ!」
――パシっ、ぱしっ!
「……」
「はいはい、気持ちよくやってるトコ悪いが他所でやろうなー」
向き合うならず者たちの拳は、割って入った真とジャックにより止められていた。
「何じゃ、お前らは!」
「店員だ。まずは商品を買え。話はそれからだ」
真、吠えるならず者の口にチクワを突っ込んで煙管をくるり。相手の腕を巻き込んで投げた。
「やろってのか!」
「悪いが今日は喧嘩は在庫切れでな。出直してくれや、な?」
ジャックも煙管で敵の腕を絡め、投げ。
どしん、と2つの音が響き、ジャックと真が背中合わせ。周りの客から拍手がわいた。
「お前らあっ!」
この事態に、手を出さず後ろに控えていたならず者両陣営が黙っていない。
叫びとともにざっ、と一歩目を踏み出す。
ジャックと真を囲むつもりだ。
が、その動きは止まった。
がぅん、と銃声が響いたのだ。
「う……血か?」
一人は、自らの額から垂れる赤い液体に手を添えたじろいだ。
「違うよ、ペイント弾。……血はもっと派手に吹き出るんだ。こっちで試してみる?」
男を撃ったウーナが、ふっふっふっと愉しみながらいま撃った銃と別の銃をもてあそんでいる。
この隙に多由羅とザレムも動いている。
「仕方ありません、私に出来る事を致しましょう」
腰の大太刀「鬼霧雨」に手を掛けた、やや着崩し風豊満女性がすらりと立つ。
ちら、とならず者に向けた瞳は心なしか嬉しそう。
その視線に、容赦の色はない。
「う……」
ならず者たちは完全に気圧された。
「ケンカは他のお客様にご迷惑ですから」
そこにザレムが割って入る。
「試飲用ワインです。いかが?」
優雅に言うザレムの背後で、相変わらず嬉しそうな多由羅の姿。そして微笑し銃を持て遊ぶウーナ。いつ撃たれるか斬られるか分かったものではない。
「く、くそっ。覚えてろよ」
ならず者両陣営、退散。
●
荒れた場はしばらくもとには戻らない。
「あら、素敵。めろめろだわ。いただくわ」
「う、うわっ!」
次は変態「首筋キスマーク付け隊」の女性が大挙してやって来た。ザレム、抱き着かれて首筋をぶちゅ~と吸われキスマークが残る羽目に。もっとも、試飲用ワインはこぼさなかったが。
「あら、可愛いわね」
「撃つよ?」
「じゃ、交換ね♪」
ウーナ、ぶちゅーとおばさんに首筋吸われ、ペイント弾発射。「チクワと交換条件にすればよかった」と後悔したりも。
「だ、大丈夫だった? ……はわっ!」
着付け組だった小鳥はいま参上。が、運悪く到着したばかりの変態「目隠し転倒隊」に背後から狙われた。
「だ~れだ?」
と目隠しされて耳打ちされた後、優しく足を払われた。
小鳥、大股を広げて転倒。
「これは見事な純白で。眼福眼福……おわっ!」
「……すまん」
逃げようとした変態を真が撃退。謝ったのは、小鳥が太腿を閉じる前に恥じらいの個所が目に入ってしまったから。
そして、逃げるように着付けテントに。
「良い子に出来ないなら、こわぁいお化けが攫っちゃうかもねぇ?」
「う、うわあっ」
「さっきの人の方が怖い……」
そこでは骸香が子供の相手をしていた。騒ぎを怖がった子供たちを守っていたとも言う。よって、人は減っていない。
「骸香、大丈夫か?」
真の優しい言葉に無言で……いや、優しい瞳で頷く骸香。
その時。
「わあっ。お洒落」
「カッコいいね」
子供たちは、しゃら、と揺れる骸香の簪と、小粋に飾った真の簪に目を奪われていた。
「よし、男の子も着物と一緒に付けてみるか?」
「後でチクワもご賞味を」
聞き分けの良くなった子供たちに笑顔の二人だった。
やがて時は過ぎ。
「チクワ美味しい」
「中のチーズが溶けて……キュウリはシャッキリ」
チクワは好評のようだ。
それはそれとして。
「おねいちゃんは女神さんだよ、ダメな俺の酒を飲んでくれるたぁ」
「そうですか……ではいただきます」
泥酔客も来たが、多由羅が身を挺して……というか、飲み屋のねぇちゃんのようにお相手して無力化している。
「まあ、キスしがいのあるかわいい首だこと!」
「お客様そういうのは好きな人にしてあげた方が良いですよ?」
骸香は変態客をあしらっている。その姿を心配そうに見ていた真に気付いた。
「好きな人に、ね」
ぺし、と背中を押して退場願う。真の首筋にキスマークはなかった。
「美味しいチクワはどうかな? お酒にとってもあうんだよ♪……あや、ウーナさんどうしたの?」
明るく給仕していた小鳥、ウーナの様子に気付いた。
「酔っ払いの対応、いろいろあるんだね」
「多由羅さんのは見習っちゃダメなんだよ」
ウーナは泥酔客に水を差し入れしていた。それはそれでベストの行動である。
「よ、代わろう。ザレムが賄い飯作ってるぜ」
そこにジャックが。
屋台に戻ると、ザレムが炭火でチクワグラタンを作っていた。
「ホットワインもある。チクワは売り切れたがあとはこれで行こう」
「熱燗だね」
感心する小鳥。
好評だった東方茶屋。
もうちょっと、賑わいが続きそうだ。
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屋台「東方茶屋」控室(相談) ジャック・エルギン(ka1522) 人間(クリムゾンウェスト)|20才|男性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2016/11/10 00:22:19 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/11/08 07:41:54 |