ゲスト
(ka0000)
【郷祭】パンプキン・パンプキン
マスター:篠崎砂美

- シナリオ形態
- イベント
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 1~25人
- サポート
- 0~0人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2016/11/11 22:00
- 完成日
- 2016/11/24 02:20
このシナリオは5日間納期が延長されています。
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
「ほら、急いで運ばないか。郷祭に遅れちまうぞ」
アルマート・トレナーレ大尉が、兵隊さんたちを急かしました。
「そんなこと言っても、まだ、うまく運転があ……」
ジェオルジに向かう道を、兵隊さんたちが交代で魔導アーマーを運転しています。
魔導アーマーが引いている巨大な荷車には、カボチャが満載です。
いや、これ魔導アーマーの本来の使い方じゃありません。本来は魔導トラックの役目です。ですから、良い子は真似してはいけません。怒られちゃいますよ。
「ほれ急げ」
「ひー」
それにしても、こんなにたくさんのカボチャどうするんですか?
兵隊さんたちは、本来は村長さんの護衛が任務のはずなのですが……。これじゃ、単なる輸送部隊です。
「まあ、あっちは、ウーノに担当させたからなあ。どっちが貧乏くじかはわからんがな」
まあ、あの村長のお守りだと、それはそれで大変そうです。
「でも、こんなたくさんのカボチャ、いったいどうするんだべか……」
「なんでも、ジェオルジで売る気満々らしいぞ。我が村の特産品としてな」
「特産っていったって、今年初めて作ったんでしょう。だいたい、なんでカボチャなんかを……」
「いや、リアルブルーでのハロウィーンというお祭りで、もの凄い量のカボチャの需要があると村長が聞いて、手を出したらしい」
需要があるわりには、ハロウィーンはもう終わっているはずなのに、なんでこんな大量のカボチャの在庫があるのでしょう。
「誰に欺されました?」
「売れ残りですかあ」
兵隊さんたちが、口々に溜め息をつきます。
「まあ、宣伝してなかったし、輸送手配してなかったからなあ。作るのに手一杯で、売るの忘れてたらしいぞ」
「ダメじゃないですかあ!」
「ああ、その通りだ。だから、郷祭で処分も兼ねてイベントをするらしい」
なんでも、カボチャ飛ばし競争や、カボチャ転がし競争、カービング大会、カボチャ料理屋台なんかを出す予定のようです。
はてさて、いったいどうなるのでしょうか……。
「カボチャ飛ばし競争?」
特大の50キロ以上あるカボチャをより遠くまで飛ばす競争のようです。
飛ばし方は自由。ハンターの人力力任せでも、カタパルトや大砲などの機導術に頼った物でも、CAMや幻獣などのユニットの力を使っても構わないそうです。
とはいえ、しょせんはカボチャ、あまりに強い力で飛ばそうとしたら、発射と同時に粉々に砕けてしまうかもしれません。
カボチャ転がし競争も似たようなものです。
こちらも、巨大な100キロはある歪なカボチャを、コロコロと転がして100メートルを走りきります。
さすがに、転がすのは人間か幻獣に限定されますが、こちらも強力なスキルなどでいきなり飛ばそうとすれば木っ端微塵になりかねません。
カービング大会は、巨大カボチャを削って、芸術性を競います。ジャック・オー・ランタンが定番ですが、それにとらわれない作品が集まることでしょう。
他にも、魔導トラックを屋台としたカボチャ料理の出店も予定しています。
「ということで急げー」
「は、はーい……」
隊長さんに急かされて、兵隊さんたちは魔導アーマーを一生懸命動かしていきました。
アルマート・トレナーレ大尉が、兵隊さんたちを急かしました。
「そんなこと言っても、まだ、うまく運転があ……」
ジェオルジに向かう道を、兵隊さんたちが交代で魔導アーマーを運転しています。
魔導アーマーが引いている巨大な荷車には、カボチャが満載です。
いや、これ魔導アーマーの本来の使い方じゃありません。本来は魔導トラックの役目です。ですから、良い子は真似してはいけません。怒られちゃいますよ。
「ほれ急げ」
「ひー」
それにしても、こんなにたくさんのカボチャどうするんですか?
兵隊さんたちは、本来は村長さんの護衛が任務のはずなのですが……。これじゃ、単なる輸送部隊です。
「まあ、あっちは、ウーノに担当させたからなあ。どっちが貧乏くじかはわからんがな」
まあ、あの村長のお守りだと、それはそれで大変そうです。
「でも、こんなたくさんのカボチャ、いったいどうするんだべか……」
「なんでも、ジェオルジで売る気満々らしいぞ。我が村の特産品としてな」
「特産っていったって、今年初めて作ったんでしょう。だいたい、なんでカボチャなんかを……」
「いや、リアルブルーでのハロウィーンというお祭りで、もの凄い量のカボチャの需要があると村長が聞いて、手を出したらしい」
需要があるわりには、ハロウィーンはもう終わっているはずなのに、なんでこんな大量のカボチャの在庫があるのでしょう。
「誰に欺されました?」
「売れ残りですかあ」
兵隊さんたちが、口々に溜め息をつきます。
「まあ、宣伝してなかったし、輸送手配してなかったからなあ。作るのに手一杯で、売るの忘れてたらしいぞ」
「ダメじゃないですかあ!」
「ああ、その通りだ。だから、郷祭で処分も兼ねてイベントをするらしい」
なんでも、カボチャ飛ばし競争や、カボチャ転がし競争、カービング大会、カボチャ料理屋台なんかを出す予定のようです。
はてさて、いったいどうなるのでしょうか……。
「カボチャ飛ばし競争?」
特大の50キロ以上あるカボチャをより遠くまで飛ばす競争のようです。
飛ばし方は自由。ハンターの人力力任せでも、カタパルトや大砲などの機導術に頼った物でも、CAMや幻獣などのユニットの力を使っても構わないそうです。
とはいえ、しょせんはカボチャ、あまりに強い力で飛ばそうとしたら、発射と同時に粉々に砕けてしまうかもしれません。
カボチャ転がし競争も似たようなものです。
こちらも、巨大な100キロはある歪なカボチャを、コロコロと転がして100メートルを走りきります。
さすがに、転がすのは人間か幻獣に限定されますが、こちらも強力なスキルなどでいきなり飛ばそうとすれば木っ端微塵になりかねません。
カービング大会は、巨大カボチャを削って、芸術性を競います。ジャック・オー・ランタンが定番ですが、それにとらわれない作品が集まることでしょう。
他にも、魔導トラックを屋台としたカボチャ料理の出店も予定しています。
「ということで急げー」
「は、はーい……」
隊長さんに急かされて、兵隊さんたちは魔導アーマーを一生懸命動かしていきました。
リプレイ本文
●カボチャお焼き屋台
「ようし、とりあえず、ここの場所は、そのへんにカボチャを積みあげろ」
魔導アーマーに乗った兵隊さんのウーノにむかって、アルマート・トレナーレ大尉が指示を飛ばしていました。
「こうですかあ?」
馬車の荷台に積まれたカボチャを、ウーノが魔導アーマーのマニピュレータを使って、ゴロゴロと地上へと落として転がします。
「こらこら、カボチャが傷つくだろうが。もっと丁寧にやれ」
「ごめんなさい……」
隊長さんに叱られて、ウーノが丁寧にやり直します。
この間、魔導アーマーの使い方の講習を受けたとはいえ、専門の訓練を受けたわけではありませんから、まだまだ、兵隊さんたちの運転は初心者マークです。
だいたいにして、この間の話し合いにしても、結局農作業に使うのが一番じゃないかという結論に、なあなあで決定したようなものです。
はたして、それでいいのかという大問題がありますが、現状で歪虚なんかと戦ったらいい的です。
雑魔程度であれば戦えるかも……、いえ、熊や猪相手でも、はたして勝てるかどうか……。
そういう意味では、今のままの方が幸せなのかもしれません。
「これじゃあ、生身の方が、まだましだよなあ……」
さすがに腕に覚えのある隊長さんは、ぎくしゃく動く魔導アーマーを見つめて、しみじみとそう思うのでした。今のままでは、生身で勝てない相手に魔導アーマーなら勝てるという気がしません。
「やあ、トレナーレ大尉、また面白いこと始めたんだって?」
そこへやってきたのは、ザレム・アズール(ka0878)です。
「この前教授した魔導アーマーの使い方は、少しは役に立っているようかな」
そういえば、兵隊さんたちへの魔導アーマーの基本的な使い方は、このザレム・アズールが最初に教授してくれたのでした。まあ、おかげで、兵隊さんたちも魔導アーマーを動かせるようにはなったわけですが。
「おかげで、立派な農耕機具が誕生しているぞ」
ちょっぴり皮肉を込めて、隊長さんが、カボチャを荷下ろししている魔導アーマーを目で示しました。
「それは結構。ふむ、なかなかよさそうなカボチャじゃないか。で、こいつはどうするんだい?」
「ええと、ここにおいてあるのは、食用のカボチャだ。屋台を出す者たちに供与される。これを具材にして、カボチャ料理を披露してもらおうということらしい」
手帳に書かれたメモを確認しながら、隊長さんが言いました。
「ほう」
それを聞いて、ザレム・アズールがちょっと目を輝かせました。
「実は、俺もそういうのは嫌いじゃない」
腕まくりまでしだして、ザレム・アズール、やる気満々です。
「だが、どうせやるんなら、ただやっても面白くはない。そうだな、この間の続きということで、俺はCAMで料理を作るぞ!」
なんだか、高らかに、ザレム・アズールが宣言しました。だいたいこういったイベントのときは、みんなで屋台を出すものと踏んでいたわけですが、みごとにどんぴしゃりです。さっそく、予定通り、屋台を出すことにしましょう。
「というわけで、鍋にするから、横開けトラックの荷台を提供してもらおうか」
ビシッと隊長さんを指さして決めポーズをとりながら、ザレム・アズールが言いました。
「却下だ!」
間髪入れず、隊長さんがザレム・アズールの手を払いのけます。
「なぜだ! ユニットを持ち込めば、店の備品は提供されるのではなかったのか」
左手で、隊長さんの拳を掴んで、ザレム・アズールが聞きました。事前調査では、そう聞いています。
「本来の使い方をしないで、何が備品だ!」
クルリと手を捻って、隊長さんがザレム・アズールの手を外します。だいたいにして、トラックの荷台を鍋なんかにされたら、二度と使えなくなるではないですか。
「いいじゃないか、それくらい!」
右拳を突きだして、ザレム・アズールが言いました。暴論です。
「自分のユニットを使え!」
腕で、隊長さんがガードします。正論です。
「二人共、何をしてるんです!」
そこへ、魔導アーマーの大きなチョップが割って入りました。
見かねたウーノが、仲裁に入ったようです。でも、素早く左右に分かれたからいいようなもの、直撃していたら、骨折ではすまないところでした。
「拳で語り合ってただけだ!!」
隊長さんとザレム・アズールが、声を揃えて答えました。もしかして、意外と仲良しさんなのでしょうか。
「喧嘩はダメです!」
部下に叱られて、珍しく隊長さんがしょんぼりします。
「仕方ない。あれを貸しだしてやるから使え」
そう言って隊長さんが指さした先にあったのは、巨大なおたまとお鍋でした。
「なんだ、これは?」
どう見ても人間用ではありません。
「CAM用のおたまとお鍋だ。すでに、フマーレのミシェーラ・ガレージで雛形が完成して、量産されているらしい。こいつらは、フマーレから持ち込まれたサンプルをだなあ、ごにょごにょごにょ……。まあ、細かいことは気にするな」
隊長さんが、最後の方は適当にごまかしました。サンプルをがめてきたのは明白です。
「ああ、あんな物が量産されているとは……。商機を逃しましたわ……」
木の陰に半身を隠してその様子を見ていたセレーネ・リコお嬢様がハンカチを噛んで悔しがります。
思うに、飛行機大会とか、醸造所が順調に進んでいれば、今ごろは個人用飛行機とか、醤油や味噌の銘柄をアイテム化して大儲けだったはずなのですが、世の中そうそううまくはいきません。まあ、御当地ラーメンだけはうまくいったのが幸いでしたが。こうなったら、CAMCONで見かけたパイロットスーツあたりを、なんとか自分の店でブランド化するしかないかもしれません。とはいえ、権利の問題がありますから、オリジナルデザインを考えるのは大変そうです。
人知れずお嬢様が商売のことに頭を悩ませているうちに、ザレム・アズールは必要な物を揃えて出店の準備を始めていました。
魔導型デュミナスで大きな竈(かまど)を作ると、その上に借りてきたCAM用鍋をおきます。薪を竈に突っ込んで鍋でお湯を沸かす間に、煌剣「ルクス・ソリス」で具材であるカボチャを微塵切りです。
すぱっ、すぱっ!
さすがによく切れます。なんだか、剣の泣き声が聞こえてきそうではありますが、本来の用途ではないことには、この際目を瞑りましょう。
微塵となったカボチャを、沸騰した鍋の中のお湯に投入です。
さて、湯がき終わったらお湯を捨てて、今度は八角棍「夜闇」の出番です。ああ、泣き声なんて聞こえません。これからは、これがメインのお仕事となるのです。よいかね、棍よ。諦めたまえ。
容赦なく、棍でカボチャを潰してペーストにします。
さらに、カボチャペーストにつなぎ粉と調味料を混ぜると、CAMのマニピュレータでこねて巨大な団子にまとめます。ああ、後でメンテナンスが大変そうです。
できあがった巨大団子を機槍「アテナ」で串刺しにすると、竈の火で炙って焼いていきます。しくしくしく……。泣き声が聞こえるかもしれませんが、間違いなく幻聴です。あー、聞こえない、聞こえない。
当然、巨大すぎて中まで火は通りませんから、ほどよく焼けた表面の部分を煌剣「ルクス・ソリス」で削り取ります。まるで、トルティーヤのような、カボチャのお焼きの焼き上がりです。
皿に盛ったお焼きに、黒蜜をかけてお客様に出します。
まあ、本当はピザをやりたかったところなのですが、さすがにちゃんとしたピザ窯は作るのに時間がかかりそうなので、今回は見送りました。
フィーネ村の魔導アーマー指導以来、こんなこともあろうかと、CAMでピザ生地をのばす練習までしていたというのはナイショです。
「さあ、美味しいカボチャ料理だ。遠慮なく食べていってくれ」
食べ歩きにももってこいの焼きたてカボチャを、各競技を見に来た見物客たちにむかってザレム・アズールは配っていきました。
●カボチャ転がし競争
「はい。美味しい?」
エルバッハ・リオン(ka2434)が、イェジドのガルムに訊ねました。
「わん♪」
ザレム・アズールのところからもらってきたお焼きを一口で飲み込んでから、ガルムが元気な声で答えました。
ふさふさした体毛の黒狼は、胸の毛だけが鮮やかな真紅です。熾火(おきび)のような赤い双眸も、闇の中で燃える炎のように恐ろしげです。
地獄の番犬の名を持つわりには、意外とガルムちゃんは温厚です。わん。
むしろ、横に立つエルバッハ・リオンの方が、過激でした。
基本的に、身体のラインがもろに顕わとなったレオタードに、前開きのパネルスカートを申し訳程度に着けているだけです。
当然、周囲の男の人たちの視線は、エルバッハ・リオンに釘付けでした。それがまた心地よいと、エルバッハ・リオンがちょっといたずらっぽく微笑みます。
「痴女がいるっていうのはここか!?」
なんだか、半信半疑のような顔で、隊長さんが兵隊さんのトレとドゥーエを連れてやってきました。さすがに、痴女はないでしょう、痴女は。
「何か問題でも?」
声をかけられたエルバッハ・リオンが、しれっと隊長さんに答えます。
「うん、問題ないじゃないか……いててててて」
鼻の下をのばして言いかけた隊長さんが、思いっきりトレに蹴飛ばされました。
「問題ありありです。完全に痴女じゃないですか。ちゃんと取り締まってください!」
隊長さん、叱られちゃいました。
「今日はお祭りですから、多少は羽目を外してもいいではないですか」
「ああおっしゃられているが? いてててて」
エルバッハ・リオンの屁理屈を通そうとする隊長さんを、またトレが蹴っ飛ばしました。まあまあと、ドゥーエが慌てて間に割って入ります。
「こほん。そんな屁理屈が通ると思っているのか。公共の場では、露出は控えるものだ。従わないのであれば、ちょっと警備詰め所でしばらく正座してもらうことになるが」
しゃあねえなあと言う感じを滲ませながら、隊長さんがエルバッハ・リオンに注意しました。いかに本人が普通だと言いはっても、さすがにこれはダメでしょう。個人が主張していることが、絶対に社会でも通用する保証などありません。
「仕方ないですねえ」
渋々、エルバッハ・リオンが、隊長さんから手渡されたカボチャ色のシーツを羽織ります。なんだか、カボチャお化けになった気もしますが、光に透かせば身体のラインがよく見えますし、見ようによってはシーツの下は裸のようにも見えます。これはこれで、さらにエロいのではないのでしょうか。
「よし、妥協しよう」
思わず、エルバッハ・リオンと隊長さんが同じ台詞を小声でつぶやきました。
なんとか解放されたエルバッハ・リオンは、カボチャ転がし大会にエントリーしました。ガルムと一緒に、巨大なカボチャを転がすのは楽しそうです。わん。
「なぜじゃ、なぜ参加できんのじゃあ!!」
受付では、何やら婆(ka6451)が騒いでいました。
どうやら、馬車に取りつけた水牛――いや、水牛がついている時点で牛車かもしれませんが――で、参加しようとしたようです。
まあ、当然のように不許可と言われました。
牛車部分を外してもみたのですが、やはりダメです。
「ふうむ、残念じゃのう、残念じゃのう」
婆が悔しがりますが、仕方ありません。水牛と一緒にレースの見学です。
「準備、できましたあ」
魔導アーマーに乗ったウーノが、コース上に一列にカボチャを並べました。スタートしたら、早い者順でカボチャを選び、ゴールにむかって転がしていくのです。このカボチャ選びから、レースの重要な駆け引きが始まっています。
「それでは、位置についてくださーい」
スタート係のドゥーエが旗を構えました。
何人かの参加者の中には、エルバッハ・リオンとガルムのペアもいます。他にも、幻獣を単身で参加させているハンターもいるようでした。
「おしいなあ。CAMが参加可能だったら、俺も参加するんだがな」
できあがったカボチャのお焼きをクルクルと指先の上で回転させながら、ザレム・アズールもレースの開始を今か今かと待っています。
「よーい……スタート!!」
ドゥーエの合図で、選手が一斉にスタートしました。
「よおーし、私たちは、あえてこのカボチャを選ぶわよ」
一番大きなカボチャに目をつけると、エルバッハ・リオンが真っ先にそれに辿り着いて転がし始めました。ガルムが、前足をカボチャの上において、器用に転がしていきます。エルバッハ・リオンは、なるべくカボチャがまっすぐに転がるようにと、軌道修正係です。
コロコロコロコロ……。
さすがにカボチャは丸くないので、まっすぐに転がってはくれません。エルバッハ・リオンがたびたび軌道修正しても、突然あらぬ方向へと転がりだしていってしまいます。
もっとも、それはどの選手もおんなじで、みんながあっちへコロコロ、こっちへコロコロと、コース上をいったりきたりです。その度に、観客たちからは、歓声や笑い声があがります。この予想もできないレース展開こそが、カボチャ転がしの醍醐味です。
あっちへ、コロコロコロコロ……。
こっちへ、コロコロコロコロ……。
果敢にカボチャのコース修正をするエルバッハ・リオンですが、さすがに思うようにいきません。激しく走る度に、エルバッハ・リオンの羽織っているカボチャ色のシーツの裾がひらひらと翻りました。
「ぶもおおおおお!!」
「どうしたんじゃ、牛、牛よおぉぉ!!」
突然、婆の水牛が一声大きく鳴いて、観客席から走りだしていきました。
どうやら、ひらひらするエルバッハ・リオンのカボチャ色のシーツに興奮したようです。決して、シーツの下のエルバッハ・リオンのエロい格好に興奮したわけではありません。
「な、何!?」
突進してくる水牛に、慌ててエルバッハ・リオンがガルムの陰に隠れました。御主人の危機に、ガルムが唸って水牛を威嚇します。それは、もう、凄い迫力です。
さすがに、水牛がコースを変えます。
その正面では、哀れな別の参加者が、カボチャをコロコロと転がしていました。
「ぶもおおおおお!!」
「な、なんだあ!?」
逃げる間もなく、参加者が突進を喰らいました。転がしていた巨大カボチャが、ぐっさりと水牛の角に貫かれます。
「ぶもおおおおお!!」
またもや、水牛の突進です。今度は、巨大カボチャを角に突き刺したまま、なんとゴールにむかってて突っ走っていきます。
「いいぞ、いいぞ、そのままゴールじゃあ!」
なんだかよく分からないけれど、婆が自分の水牛に声援を送ります。
「いったい何が起こっているんだ?」
ゴール近くでカボチャのお焼きをクルクルと指先の上で回転させたまま、ザレム・アズールが自分の方へとむかってくる水牛に目を丸くしました。まさか、今自分が回しているカボチャのお焼きに水牛が反応しているだなどとは夢にも思いません。
レースに参加している選手や幻獣をぶっちぎりにして、水牛がゴールへ近づいてきます。
「カボチャのお焼きくださ……うわあおっ!?」
ちょうどカボチャを買いに来ていたミオレスカ(ka3496)が、突進してくる水牛に気づいて悲鳴をあげました。慌てて、その場から逃げだします。
「うわああああ。なぜ追ってくる!?」
お焼きをクルクル回したまま逃げるザレム・アズールを、ゴールした水牛がそのまま追いかけていきました。
「やったぞ。わしの牛が優勝じゃあ!!」
婆が、両手を挙げてバンザイします。が、そんなことはありません。だいたいに、レースにはエントリーすらしていないのですから。それに、カボチャを転がさないで、角に突き刺して走った時点で反則です。
「なんじゃとお!? わしは、そんなことは聞いとらん。ええい、誰がなんと言おうと、わしの牛が優勝じゃあ!!」
思いっきり、駄々をこねる婆でした。それよりも、どこかへ行ってしまった水牛とザレム・アズールをなんとかしてほしいものです。
レースの方は、大波乱がありましたが、無事にエルバッハ・リオンが二位でゴールしました。
●カボチャ飛ばし競争
「凄い、レース……でした」
はあはあと、まだ高鳴る胸の動機を静めながらミオレスカがつぶやきました。
それにしても、水牛とお焼き屋さんはどこへ行ってしまったのでしょうか。まだ走り回っているのでしょうか。お焼き、食べたかったです。
そんなことを気にしている暇はありません。すでにカボチャ飛ばし競争は始まっているのですから。
「ただいまの記録、108メートル!」
幻獣が蹴り飛ばしたカボチャの落下地点に、素早く計測員が駆けつけて報告します。
カボチャ飛ばし競争は、発射地点から前方に飛んだ距離と、カボチャの重さで判定されます。要は、より重たいカボチャをより遠くへと飛ばせばいいわけです。ただし、発射地点に引かれたラインから前の方へと飛ばさなければいけません。後ろへいっちゃった場合は、当然マイナス得点です。
参加者は、思い思いの方法でカボチャを飛ばしていました。もちろん、それによって、飛ばすカボチャの大きさも様々です。
力自慢の者たちは、そのまま砲丸投げよろしくカボチャを力任せに放り投げます。たいていは大したことはありませんが、さすがにハンターともなると、中には人外の記録を叩き出す者もいました。もっとも、力が余って、うっかりとカボチャを握り潰してしまう者も続出してはいましたが。何ごとにも、加減が難しいというところです。
次に多かったのは、シーソーや簡単なカタパルトを作って発射する者たちでした。カボチャ飛ばし競争の定番といえば定番です。手頃な大きさのカボチャであれば、これはそこそこ飛びます。
続いては、人の力で足りなければ、幻獣に頼めばいいんじゃねというグループです。幻獣の強力な腕力や脚力で、巨大カボチャを吹っ飛ばそうというものです。当然、細かいコントロールなどは幻獣にとっては難しい話なので、一撃粉砕が続出しています。巨大ゴムでパチンコを作るとかすればまた話は変わってくるのですが、さすがに簡単に入手できる物でもないので、ほとんど使われてはいませんでした。
さて、クリムゾンウェストの特徴としては、機導術です。それを応用した、マテリアル大砲などという物もお目見えしていました。威力は抜群です。うまくいけば、かなり遠くまで巨大カボチャが吹っ飛んでいきます。うまくいかなければ、カボチャが空中分解です。
「た~ま~や~!」
カボチャが木っ端微塵になる度に、リアルブルーの者たちから意味不明の歓声があがりました。
「ふっ、みんな、まだまだですね……」
次々に玉砕していくライバルたちを見て、ミオレスカがほくそ笑みました。
ミオレスカには勝算があります。
何しろ、CAMで巨大カボチャを投げるのですから、飛ばないわけがありません。
もともと狙撃タイプのシルバーレードルです。まさに適任と言わずして、なんとしましょう。
「続いて、ミオレスカ選手のカボチャ投げです」
アナウンスに呼び出されて、ミオレスカの乗ったシルバーレードルが発射位置に移動しました。
魔導型デュミナスをベースとした機体は、シルバーを基調として、美しいグリーンのマテリアルラインが機体を縁取って輝いています。余剰エネルギーダダ漏れと言ってしまえばそれまでですが、美しいのでよしとしましょう。
反動制御用補助脚で機体を固定すると、覚醒したミオレスカが高加速射撃と遠射を発動させてカボチャを発射しようとします。が、基本、CAMの素手で投げることになります。マテリアルを込めるべき武器なんか持っちゃいません。これでは、遠射は無駄遣いです。かろうじて、高加速射撃によってマテリアルを込められた巨大カボチャが、七色に輝きながらシルバーレードルの手から放たれました。しかし、なまじ補助脚で機体を固定したために、全身を使った綺麗な投擲フォームがとれず、上半身だけ、あからさまに言うと腕だけで巨大カボチャを投げる形になってしまいました。
つる!
ああ、嫌な音がした気がします。もともとカボチャ投擲専用でないマニピュレータが、うまく巨大カボチャを掴んでいなかったようです。さらに歪な形の自然のカボチャですから、球体やグレネードのように、マニピュレータにしっくりくるはずもありません。その上、軌道も定まらないところに、高加速射撃で急加速されたものですから、ミオレスカの投げたカボチャは、もの凄いスピードであらぬ方向へと飛んでいきました。具体的に言うと、真後ろです。
「ミオレスカ選手、記録、計測不能!」
計測員が報告します。
「あーあ、やっちゃった……」
とりあえず、巨大カボチャだけでも回収しなくてはと思うミオレスカでした。
「いったい、いつまで追っかけてくるんだ!」
お焼きを回しつつ、まだ水牛から逃げ回っているザレム・アズールでした。
そのときです。
「ぶもおおおおお!!」
突然、何かが落ちてきて水牛の脳天を直撃しました。ミオレスカの投げた巨大カボチャです。ほどよく勢いが乗っていて、効果は抜群です。
「た、助かったあ!?」
ひっくり返った水牛を見て、ザレム・アズールがほっと胸をなで下ろしました。
「すみませーん。このへんにカボチャ落ちてきませんでしたかあ」
そこへ、ミオレスカの乗ったCAMがドスドスと近づいてきました。
●カボチャカービング大会
「まったく、牛はどこへ行ってしまったのかのう。まあ、そのうち帰ってくるじゃろう」
一方、こちらはノラリクラリとしている婆です。
彼女がやってきたのはカービング大会の会場でした。野菜をナイフで飾り彫りして、その美しさを競おうというものです。特に、巨大カボチャの場合は、カボチャランタンが定番というところでしょうか。
すでに会場には、カボチャランタンの他にも、カボチャの馬車や、カボチャの城、大きな花束などが飾られていました。どれも、元がカボチャだとは信じられないような美しさです。
作品として参加する者たち以外にも、子供たちが体験でカボチャランタンを削ったりしています。
「ほほう、なかなか固いカボチャじゃのう。だが、わしの敵ではない」
キランと眼光を輝かせると、婆が、ナイフを振り上げました。牙をむきだしにした鬼気迫る形相となり、凄まじい勢いで巨大カボチャを削っていきます。
鋼鉄のように固い巨大カボチャであったとしても、婆の怪力無双にあってはひとたまりもありません。ゲシゲシと、まるでバターを切るかのように、婆は巨大カボチャを削っていきました。
丸い巨大カボチャがあっという間に別の形に姿を変えていきます。
「ふむ。格好いいのう」
できあがった物を見つめて、婆が満足気に言いました。
それは、鮭を口に銜えた熊という、なんとも変わった彫り物でした。
「いいできじゃ」
改めて、婆が、自分の作品に見惚れます。
「さてと、いい土産もできたし。後は、うまいもんでも食って帰るかのう」
できあがったばかりの熊の彫り物を手に取ると、婆はカービング会場を後にしていきました。
●カボチャスープ
「ぶもー、ぶもー!!」
「牛、牛ではないか。どうしたのじゃ、牛ー!」
食べ物屋を探していた婆は、ミオレスカのシルバーレードルにかかえられて悲鳴をあげている水牛を見つけて、慌てて駆け寄りました。
「え、これ、おばあちゃんの牛……?」
「そうじゃ、牛よおー。どこに行っておったのじゃあ。さあ、帰るぞお」
「ぶもー」
婆に駆け寄られて、ミオレスカが渋々水牛を手放しました。
「ちっ。スープの具に、お肉はなしです……」
さり気なく、ちょっと怖いことをつぶやくミオレスカです。
それはさておいて、カボチャ投げ大会会場から、拾ってきたカボチャの破片がたくさんあります。たいていのカボチャは地面に落ちたとたんに木っ端微塵になっていますから、料理の材料に困ることはありません。
とりあえず拾ってきたカボチャの破片を綺麗に洗い、まだ大きな物はCAMによって細かく砕きます。
CAM用お鍋でぐつぐつと煮た後、具材として使う物は残して、後の大小のカボチャはCAM用おたまを使って丁寧にすり潰して裏ごしします。
できあがったペーストの半分は、牛乳でのばしてポタージュにしましょう。お肉は逃げてしまったのでありませんが、緑の彩りも鮮やかな、柔らかいカボチャが具です。
残り半分は、植物油や香草を混ぜてふんわりと仕上げ、食感用にカボチャのざく切りを混ぜてサラダにします。
最後の調味料は、愛情です。
「えっ、なになに。これもほしいの?」
カボチャ転がし大会で一汗かいてきたエルバッハ・リオンが、ミオレスカの屋台のカボチャ料理をじっと見つめるガルムに訊ねました。
「わん♪」
元気よく答えて、ガルムが思いっきり尻尾を振ります。これは、おねだりです。
「仕方ないですねえ。これください」
ニコニコしながら、エルバッハ・リオンが注文しました。
「はい、よろこんで」
ミオレスカが、すぐに料理をエルバッハ・リオンに手渡しました。それを、ガルムが、一瞬で平らげてしまいます。
「おかわり!」
「はい、よろこんで」
ガルムの食べっぷりにつられて、他の人たちも集まってきます。
カボチャ祭りは、まだまだこれからでした。
「ようし、とりあえず、ここの場所は、そのへんにカボチャを積みあげろ」
魔導アーマーに乗った兵隊さんのウーノにむかって、アルマート・トレナーレ大尉が指示を飛ばしていました。
「こうですかあ?」
馬車の荷台に積まれたカボチャを、ウーノが魔導アーマーのマニピュレータを使って、ゴロゴロと地上へと落として転がします。
「こらこら、カボチャが傷つくだろうが。もっと丁寧にやれ」
「ごめんなさい……」
隊長さんに叱られて、ウーノが丁寧にやり直します。
この間、魔導アーマーの使い方の講習を受けたとはいえ、専門の訓練を受けたわけではありませんから、まだまだ、兵隊さんたちの運転は初心者マークです。
だいたいにして、この間の話し合いにしても、結局農作業に使うのが一番じゃないかという結論に、なあなあで決定したようなものです。
はたして、それでいいのかという大問題がありますが、現状で歪虚なんかと戦ったらいい的です。
雑魔程度であれば戦えるかも……、いえ、熊や猪相手でも、はたして勝てるかどうか……。
そういう意味では、今のままの方が幸せなのかもしれません。
「これじゃあ、生身の方が、まだましだよなあ……」
さすがに腕に覚えのある隊長さんは、ぎくしゃく動く魔導アーマーを見つめて、しみじみとそう思うのでした。今のままでは、生身で勝てない相手に魔導アーマーなら勝てるという気がしません。
「やあ、トレナーレ大尉、また面白いこと始めたんだって?」
そこへやってきたのは、ザレム・アズール(ka0878)です。
「この前教授した魔導アーマーの使い方は、少しは役に立っているようかな」
そういえば、兵隊さんたちへの魔導アーマーの基本的な使い方は、このザレム・アズールが最初に教授してくれたのでした。まあ、おかげで、兵隊さんたちも魔導アーマーを動かせるようにはなったわけですが。
「おかげで、立派な農耕機具が誕生しているぞ」
ちょっぴり皮肉を込めて、隊長さんが、カボチャを荷下ろししている魔導アーマーを目で示しました。
「それは結構。ふむ、なかなかよさそうなカボチャじゃないか。で、こいつはどうするんだい?」
「ええと、ここにおいてあるのは、食用のカボチャだ。屋台を出す者たちに供与される。これを具材にして、カボチャ料理を披露してもらおうということらしい」
手帳に書かれたメモを確認しながら、隊長さんが言いました。
「ほう」
それを聞いて、ザレム・アズールがちょっと目を輝かせました。
「実は、俺もそういうのは嫌いじゃない」
腕まくりまでしだして、ザレム・アズール、やる気満々です。
「だが、どうせやるんなら、ただやっても面白くはない。そうだな、この間の続きということで、俺はCAMで料理を作るぞ!」
なんだか、高らかに、ザレム・アズールが宣言しました。だいたいこういったイベントのときは、みんなで屋台を出すものと踏んでいたわけですが、みごとにどんぴしゃりです。さっそく、予定通り、屋台を出すことにしましょう。
「というわけで、鍋にするから、横開けトラックの荷台を提供してもらおうか」
ビシッと隊長さんを指さして決めポーズをとりながら、ザレム・アズールが言いました。
「却下だ!」
間髪入れず、隊長さんがザレム・アズールの手を払いのけます。
「なぜだ! ユニットを持ち込めば、店の備品は提供されるのではなかったのか」
左手で、隊長さんの拳を掴んで、ザレム・アズールが聞きました。事前調査では、そう聞いています。
「本来の使い方をしないで、何が備品だ!」
クルリと手を捻って、隊長さんがザレム・アズールの手を外します。だいたいにして、トラックの荷台を鍋なんかにされたら、二度と使えなくなるではないですか。
「いいじゃないか、それくらい!」
右拳を突きだして、ザレム・アズールが言いました。暴論です。
「自分のユニットを使え!」
腕で、隊長さんがガードします。正論です。
「二人共、何をしてるんです!」
そこへ、魔導アーマーの大きなチョップが割って入りました。
見かねたウーノが、仲裁に入ったようです。でも、素早く左右に分かれたからいいようなもの、直撃していたら、骨折ではすまないところでした。
「拳で語り合ってただけだ!!」
隊長さんとザレム・アズールが、声を揃えて答えました。もしかして、意外と仲良しさんなのでしょうか。
「喧嘩はダメです!」
部下に叱られて、珍しく隊長さんがしょんぼりします。
「仕方ない。あれを貸しだしてやるから使え」
そう言って隊長さんが指さした先にあったのは、巨大なおたまとお鍋でした。
「なんだ、これは?」
どう見ても人間用ではありません。
「CAM用のおたまとお鍋だ。すでに、フマーレのミシェーラ・ガレージで雛形が完成して、量産されているらしい。こいつらは、フマーレから持ち込まれたサンプルをだなあ、ごにょごにょごにょ……。まあ、細かいことは気にするな」
隊長さんが、最後の方は適当にごまかしました。サンプルをがめてきたのは明白です。
「ああ、あんな物が量産されているとは……。商機を逃しましたわ……」
木の陰に半身を隠してその様子を見ていたセレーネ・リコお嬢様がハンカチを噛んで悔しがります。
思うに、飛行機大会とか、醸造所が順調に進んでいれば、今ごろは個人用飛行機とか、醤油や味噌の銘柄をアイテム化して大儲けだったはずなのですが、世の中そうそううまくはいきません。まあ、御当地ラーメンだけはうまくいったのが幸いでしたが。こうなったら、CAMCONで見かけたパイロットスーツあたりを、なんとか自分の店でブランド化するしかないかもしれません。とはいえ、権利の問題がありますから、オリジナルデザインを考えるのは大変そうです。
人知れずお嬢様が商売のことに頭を悩ませているうちに、ザレム・アズールは必要な物を揃えて出店の準備を始めていました。
魔導型デュミナスで大きな竈(かまど)を作ると、その上に借りてきたCAM用鍋をおきます。薪を竈に突っ込んで鍋でお湯を沸かす間に、煌剣「ルクス・ソリス」で具材であるカボチャを微塵切りです。
すぱっ、すぱっ!
さすがによく切れます。なんだか、剣の泣き声が聞こえてきそうではありますが、本来の用途ではないことには、この際目を瞑りましょう。
微塵となったカボチャを、沸騰した鍋の中のお湯に投入です。
さて、湯がき終わったらお湯を捨てて、今度は八角棍「夜闇」の出番です。ああ、泣き声なんて聞こえません。これからは、これがメインのお仕事となるのです。よいかね、棍よ。諦めたまえ。
容赦なく、棍でカボチャを潰してペーストにします。
さらに、カボチャペーストにつなぎ粉と調味料を混ぜると、CAMのマニピュレータでこねて巨大な団子にまとめます。ああ、後でメンテナンスが大変そうです。
できあがった巨大団子を機槍「アテナ」で串刺しにすると、竈の火で炙って焼いていきます。しくしくしく……。泣き声が聞こえるかもしれませんが、間違いなく幻聴です。あー、聞こえない、聞こえない。
当然、巨大すぎて中まで火は通りませんから、ほどよく焼けた表面の部分を煌剣「ルクス・ソリス」で削り取ります。まるで、トルティーヤのような、カボチャのお焼きの焼き上がりです。
皿に盛ったお焼きに、黒蜜をかけてお客様に出します。
まあ、本当はピザをやりたかったところなのですが、さすがにちゃんとしたピザ窯は作るのに時間がかかりそうなので、今回は見送りました。
フィーネ村の魔導アーマー指導以来、こんなこともあろうかと、CAMでピザ生地をのばす練習までしていたというのはナイショです。
「さあ、美味しいカボチャ料理だ。遠慮なく食べていってくれ」
食べ歩きにももってこいの焼きたてカボチャを、各競技を見に来た見物客たちにむかってザレム・アズールは配っていきました。
●カボチャ転がし競争
「はい。美味しい?」
エルバッハ・リオン(ka2434)が、イェジドのガルムに訊ねました。
「わん♪」
ザレム・アズールのところからもらってきたお焼きを一口で飲み込んでから、ガルムが元気な声で答えました。
ふさふさした体毛の黒狼は、胸の毛だけが鮮やかな真紅です。熾火(おきび)のような赤い双眸も、闇の中で燃える炎のように恐ろしげです。
地獄の番犬の名を持つわりには、意外とガルムちゃんは温厚です。わん。
むしろ、横に立つエルバッハ・リオンの方が、過激でした。
基本的に、身体のラインがもろに顕わとなったレオタードに、前開きのパネルスカートを申し訳程度に着けているだけです。
当然、周囲の男の人たちの視線は、エルバッハ・リオンに釘付けでした。それがまた心地よいと、エルバッハ・リオンがちょっといたずらっぽく微笑みます。
「痴女がいるっていうのはここか!?」
なんだか、半信半疑のような顔で、隊長さんが兵隊さんのトレとドゥーエを連れてやってきました。さすがに、痴女はないでしょう、痴女は。
「何か問題でも?」
声をかけられたエルバッハ・リオンが、しれっと隊長さんに答えます。
「うん、問題ないじゃないか……いててててて」
鼻の下をのばして言いかけた隊長さんが、思いっきりトレに蹴飛ばされました。
「問題ありありです。完全に痴女じゃないですか。ちゃんと取り締まってください!」
隊長さん、叱られちゃいました。
「今日はお祭りですから、多少は羽目を外してもいいではないですか」
「ああおっしゃられているが? いてててて」
エルバッハ・リオンの屁理屈を通そうとする隊長さんを、またトレが蹴っ飛ばしました。まあまあと、ドゥーエが慌てて間に割って入ります。
「こほん。そんな屁理屈が通ると思っているのか。公共の場では、露出は控えるものだ。従わないのであれば、ちょっと警備詰め所でしばらく正座してもらうことになるが」
しゃあねえなあと言う感じを滲ませながら、隊長さんがエルバッハ・リオンに注意しました。いかに本人が普通だと言いはっても、さすがにこれはダメでしょう。個人が主張していることが、絶対に社会でも通用する保証などありません。
「仕方ないですねえ」
渋々、エルバッハ・リオンが、隊長さんから手渡されたカボチャ色のシーツを羽織ります。なんだか、カボチャお化けになった気もしますが、光に透かせば身体のラインがよく見えますし、見ようによってはシーツの下は裸のようにも見えます。これはこれで、さらにエロいのではないのでしょうか。
「よし、妥協しよう」
思わず、エルバッハ・リオンと隊長さんが同じ台詞を小声でつぶやきました。
なんとか解放されたエルバッハ・リオンは、カボチャ転がし大会にエントリーしました。ガルムと一緒に、巨大なカボチャを転がすのは楽しそうです。わん。
「なぜじゃ、なぜ参加できんのじゃあ!!」
受付では、何やら婆(ka6451)が騒いでいました。
どうやら、馬車に取りつけた水牛――いや、水牛がついている時点で牛車かもしれませんが――で、参加しようとしたようです。
まあ、当然のように不許可と言われました。
牛車部分を外してもみたのですが、やはりダメです。
「ふうむ、残念じゃのう、残念じゃのう」
婆が悔しがりますが、仕方ありません。水牛と一緒にレースの見学です。
「準備、できましたあ」
魔導アーマーに乗ったウーノが、コース上に一列にカボチャを並べました。スタートしたら、早い者順でカボチャを選び、ゴールにむかって転がしていくのです。このカボチャ選びから、レースの重要な駆け引きが始まっています。
「それでは、位置についてくださーい」
スタート係のドゥーエが旗を構えました。
何人かの参加者の中には、エルバッハ・リオンとガルムのペアもいます。他にも、幻獣を単身で参加させているハンターもいるようでした。
「おしいなあ。CAMが参加可能だったら、俺も参加するんだがな」
できあがったカボチャのお焼きをクルクルと指先の上で回転させながら、ザレム・アズールもレースの開始を今か今かと待っています。
「よーい……スタート!!」
ドゥーエの合図で、選手が一斉にスタートしました。
「よおーし、私たちは、あえてこのカボチャを選ぶわよ」
一番大きなカボチャに目をつけると、エルバッハ・リオンが真っ先にそれに辿り着いて転がし始めました。ガルムが、前足をカボチャの上において、器用に転がしていきます。エルバッハ・リオンは、なるべくカボチャがまっすぐに転がるようにと、軌道修正係です。
コロコロコロコロ……。
さすがにカボチャは丸くないので、まっすぐに転がってはくれません。エルバッハ・リオンがたびたび軌道修正しても、突然あらぬ方向へと転がりだしていってしまいます。
もっとも、それはどの選手もおんなじで、みんながあっちへコロコロ、こっちへコロコロと、コース上をいったりきたりです。その度に、観客たちからは、歓声や笑い声があがります。この予想もできないレース展開こそが、カボチャ転がしの醍醐味です。
あっちへ、コロコロコロコロ……。
こっちへ、コロコロコロコロ……。
果敢にカボチャのコース修正をするエルバッハ・リオンですが、さすがに思うようにいきません。激しく走る度に、エルバッハ・リオンの羽織っているカボチャ色のシーツの裾がひらひらと翻りました。
「ぶもおおおおお!!」
「どうしたんじゃ、牛、牛よおぉぉ!!」
突然、婆の水牛が一声大きく鳴いて、観客席から走りだしていきました。
どうやら、ひらひらするエルバッハ・リオンのカボチャ色のシーツに興奮したようです。決して、シーツの下のエルバッハ・リオンのエロい格好に興奮したわけではありません。
「な、何!?」
突進してくる水牛に、慌ててエルバッハ・リオンがガルムの陰に隠れました。御主人の危機に、ガルムが唸って水牛を威嚇します。それは、もう、凄い迫力です。
さすがに、水牛がコースを変えます。
その正面では、哀れな別の参加者が、カボチャをコロコロと転がしていました。
「ぶもおおおおお!!」
「な、なんだあ!?」
逃げる間もなく、参加者が突進を喰らいました。転がしていた巨大カボチャが、ぐっさりと水牛の角に貫かれます。
「ぶもおおおおお!!」
またもや、水牛の突進です。今度は、巨大カボチャを角に突き刺したまま、なんとゴールにむかってて突っ走っていきます。
「いいぞ、いいぞ、そのままゴールじゃあ!」
なんだかよく分からないけれど、婆が自分の水牛に声援を送ります。
「いったい何が起こっているんだ?」
ゴール近くでカボチャのお焼きをクルクルと指先の上で回転させたまま、ザレム・アズールが自分の方へとむかってくる水牛に目を丸くしました。まさか、今自分が回しているカボチャのお焼きに水牛が反応しているだなどとは夢にも思いません。
レースに参加している選手や幻獣をぶっちぎりにして、水牛がゴールへ近づいてきます。
「カボチャのお焼きくださ……うわあおっ!?」
ちょうどカボチャを買いに来ていたミオレスカ(ka3496)が、突進してくる水牛に気づいて悲鳴をあげました。慌てて、その場から逃げだします。
「うわああああ。なぜ追ってくる!?」
お焼きをクルクル回したまま逃げるザレム・アズールを、ゴールした水牛がそのまま追いかけていきました。
「やったぞ。わしの牛が優勝じゃあ!!」
婆が、両手を挙げてバンザイします。が、そんなことはありません。だいたいに、レースにはエントリーすらしていないのですから。それに、カボチャを転がさないで、角に突き刺して走った時点で反則です。
「なんじゃとお!? わしは、そんなことは聞いとらん。ええい、誰がなんと言おうと、わしの牛が優勝じゃあ!!」
思いっきり、駄々をこねる婆でした。それよりも、どこかへ行ってしまった水牛とザレム・アズールをなんとかしてほしいものです。
レースの方は、大波乱がありましたが、無事にエルバッハ・リオンが二位でゴールしました。
●カボチャ飛ばし競争
「凄い、レース……でした」
はあはあと、まだ高鳴る胸の動機を静めながらミオレスカがつぶやきました。
それにしても、水牛とお焼き屋さんはどこへ行ってしまったのでしょうか。まだ走り回っているのでしょうか。お焼き、食べたかったです。
そんなことを気にしている暇はありません。すでにカボチャ飛ばし競争は始まっているのですから。
「ただいまの記録、108メートル!」
幻獣が蹴り飛ばしたカボチャの落下地点に、素早く計測員が駆けつけて報告します。
カボチャ飛ばし競争は、発射地点から前方に飛んだ距離と、カボチャの重さで判定されます。要は、より重たいカボチャをより遠くへと飛ばせばいいわけです。ただし、発射地点に引かれたラインから前の方へと飛ばさなければいけません。後ろへいっちゃった場合は、当然マイナス得点です。
参加者は、思い思いの方法でカボチャを飛ばしていました。もちろん、それによって、飛ばすカボチャの大きさも様々です。
力自慢の者たちは、そのまま砲丸投げよろしくカボチャを力任せに放り投げます。たいていは大したことはありませんが、さすがにハンターともなると、中には人外の記録を叩き出す者もいました。もっとも、力が余って、うっかりとカボチャを握り潰してしまう者も続出してはいましたが。何ごとにも、加減が難しいというところです。
次に多かったのは、シーソーや簡単なカタパルトを作って発射する者たちでした。カボチャ飛ばし競争の定番といえば定番です。手頃な大きさのカボチャであれば、これはそこそこ飛びます。
続いては、人の力で足りなければ、幻獣に頼めばいいんじゃねというグループです。幻獣の強力な腕力や脚力で、巨大カボチャを吹っ飛ばそうというものです。当然、細かいコントロールなどは幻獣にとっては難しい話なので、一撃粉砕が続出しています。巨大ゴムでパチンコを作るとかすればまた話は変わってくるのですが、さすがに簡単に入手できる物でもないので、ほとんど使われてはいませんでした。
さて、クリムゾンウェストの特徴としては、機導術です。それを応用した、マテリアル大砲などという物もお目見えしていました。威力は抜群です。うまくいけば、かなり遠くまで巨大カボチャが吹っ飛んでいきます。うまくいかなければ、カボチャが空中分解です。
「た~ま~や~!」
カボチャが木っ端微塵になる度に、リアルブルーの者たちから意味不明の歓声があがりました。
「ふっ、みんな、まだまだですね……」
次々に玉砕していくライバルたちを見て、ミオレスカがほくそ笑みました。
ミオレスカには勝算があります。
何しろ、CAMで巨大カボチャを投げるのですから、飛ばないわけがありません。
もともと狙撃タイプのシルバーレードルです。まさに適任と言わずして、なんとしましょう。
「続いて、ミオレスカ選手のカボチャ投げです」
アナウンスに呼び出されて、ミオレスカの乗ったシルバーレードルが発射位置に移動しました。
魔導型デュミナスをベースとした機体は、シルバーを基調として、美しいグリーンのマテリアルラインが機体を縁取って輝いています。余剰エネルギーダダ漏れと言ってしまえばそれまでですが、美しいのでよしとしましょう。
反動制御用補助脚で機体を固定すると、覚醒したミオレスカが高加速射撃と遠射を発動させてカボチャを発射しようとします。が、基本、CAMの素手で投げることになります。マテリアルを込めるべき武器なんか持っちゃいません。これでは、遠射は無駄遣いです。かろうじて、高加速射撃によってマテリアルを込められた巨大カボチャが、七色に輝きながらシルバーレードルの手から放たれました。しかし、なまじ補助脚で機体を固定したために、全身を使った綺麗な投擲フォームがとれず、上半身だけ、あからさまに言うと腕だけで巨大カボチャを投げる形になってしまいました。
つる!
ああ、嫌な音がした気がします。もともとカボチャ投擲専用でないマニピュレータが、うまく巨大カボチャを掴んでいなかったようです。さらに歪な形の自然のカボチャですから、球体やグレネードのように、マニピュレータにしっくりくるはずもありません。その上、軌道も定まらないところに、高加速射撃で急加速されたものですから、ミオレスカの投げたカボチャは、もの凄いスピードであらぬ方向へと飛んでいきました。具体的に言うと、真後ろです。
「ミオレスカ選手、記録、計測不能!」
計測員が報告します。
「あーあ、やっちゃった……」
とりあえず、巨大カボチャだけでも回収しなくてはと思うミオレスカでした。
「いったい、いつまで追っかけてくるんだ!」
お焼きを回しつつ、まだ水牛から逃げ回っているザレム・アズールでした。
そのときです。
「ぶもおおおおお!!」
突然、何かが落ちてきて水牛の脳天を直撃しました。ミオレスカの投げた巨大カボチャです。ほどよく勢いが乗っていて、効果は抜群です。
「た、助かったあ!?」
ひっくり返った水牛を見て、ザレム・アズールがほっと胸をなで下ろしました。
「すみませーん。このへんにカボチャ落ちてきませんでしたかあ」
そこへ、ミオレスカの乗ったCAMがドスドスと近づいてきました。
●カボチャカービング大会
「まったく、牛はどこへ行ってしまったのかのう。まあ、そのうち帰ってくるじゃろう」
一方、こちらはノラリクラリとしている婆です。
彼女がやってきたのはカービング大会の会場でした。野菜をナイフで飾り彫りして、その美しさを競おうというものです。特に、巨大カボチャの場合は、カボチャランタンが定番というところでしょうか。
すでに会場には、カボチャランタンの他にも、カボチャの馬車や、カボチャの城、大きな花束などが飾られていました。どれも、元がカボチャだとは信じられないような美しさです。
作品として参加する者たち以外にも、子供たちが体験でカボチャランタンを削ったりしています。
「ほほう、なかなか固いカボチャじゃのう。だが、わしの敵ではない」
キランと眼光を輝かせると、婆が、ナイフを振り上げました。牙をむきだしにした鬼気迫る形相となり、凄まじい勢いで巨大カボチャを削っていきます。
鋼鉄のように固い巨大カボチャであったとしても、婆の怪力無双にあってはひとたまりもありません。ゲシゲシと、まるでバターを切るかのように、婆は巨大カボチャを削っていきました。
丸い巨大カボチャがあっという間に別の形に姿を変えていきます。
「ふむ。格好いいのう」
できあがった物を見つめて、婆が満足気に言いました。
それは、鮭を口に銜えた熊という、なんとも変わった彫り物でした。
「いいできじゃ」
改めて、婆が、自分の作品に見惚れます。
「さてと、いい土産もできたし。後は、うまいもんでも食って帰るかのう」
できあがったばかりの熊の彫り物を手に取ると、婆はカービング会場を後にしていきました。
●カボチャスープ
「ぶもー、ぶもー!!」
「牛、牛ではないか。どうしたのじゃ、牛ー!」
食べ物屋を探していた婆は、ミオレスカのシルバーレードルにかかえられて悲鳴をあげている水牛を見つけて、慌てて駆け寄りました。
「え、これ、おばあちゃんの牛……?」
「そうじゃ、牛よおー。どこに行っておったのじゃあ。さあ、帰るぞお」
「ぶもー」
婆に駆け寄られて、ミオレスカが渋々水牛を手放しました。
「ちっ。スープの具に、お肉はなしです……」
さり気なく、ちょっと怖いことをつぶやくミオレスカです。
それはさておいて、カボチャ投げ大会会場から、拾ってきたカボチャの破片がたくさんあります。たいていのカボチャは地面に落ちたとたんに木っ端微塵になっていますから、料理の材料に困ることはありません。
とりあえず拾ってきたカボチャの破片を綺麗に洗い、まだ大きな物はCAMによって細かく砕きます。
CAM用お鍋でぐつぐつと煮た後、具材として使う物は残して、後の大小のカボチャはCAM用おたまを使って丁寧にすり潰して裏ごしします。
できあがったペーストの半分は、牛乳でのばしてポタージュにしましょう。お肉は逃げてしまったのでありませんが、緑の彩りも鮮やかな、柔らかいカボチャが具です。
残り半分は、植物油や香草を混ぜてふんわりと仕上げ、食感用にカボチャのざく切りを混ぜてサラダにします。
最後の調味料は、愛情です。
「えっ、なになに。これもほしいの?」
カボチャ転がし大会で一汗かいてきたエルバッハ・リオンが、ミオレスカの屋台のカボチャ料理をじっと見つめるガルムに訊ねました。
「わん♪」
元気よく答えて、ガルムが思いっきり尻尾を振ります。これは、おねだりです。
「仕方ないですねえ。これください」
ニコニコしながら、エルバッハ・リオンが注文しました。
「はい、よろこんで」
ミオレスカが、すぐに料理をエルバッハ・リオンに手渡しました。それを、ガルムが、一瞬で平らげてしまいます。
「おかわり!」
「はい、よろこんで」
ガルムの食べっぷりにつられて、他の人たちも集まってきます。
カボチャ祭りは、まだまだこれからでした。
依頼結果
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/11/09 23:43:18 |