知追う者、ユニット眺めて小躍りする

マスター:狐野径

シナリオ形態
ショート
難易度
やや易しい
オプション
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
4~6人
サポート
0~0人
マテリアルリンク
報酬
少なめ
相談期間
5日
締切
2016/11/29 12:00
完成日
2016/12/05 00:56

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング

●紅葉
 エトファリカ連邦国の天ノ都の大江家の屋敷において、大江 紅葉(kz0163)はカタログを眺めてワクワクしていた。
「どれもこれも役に立ちそうです」
 ユニット、それは何か役に立ちそうで、解体もしたいかもと思わせる物体。幻獣を解体するわけではなく、ロボット系のことであるのは一応明記しておく。幻獣に関してはその生態を詳しく調べるのだ。
「リーリーいいですねぇ」
 ふわふわとリーリーのいる生活を思い浮かべる。一緒に寝たりできるかなとふわふわと浮かぶ。きっと飼っても虎猫たちに取られることもないだろうなと思う。大きさ考えると庭の畑をつぶさないと小屋は建たない。
「こちらもいいですね。刻令術に関しては、リースしていただいていますし……が、大きすぎますね」
 天ノ都、大江家のある回り、道狭いし、空き地はそこまでなかった。チケットの枚数を数え、財布の中身を確認する。
「で、でも、実家があったあたりに行くにはいいですよね? あ、島においておけばいいのですね……ですけど、誰も見ていない状況に野ざらしはいかがなものでしょうかね」
 それ以外のものも役に立ちそうだし、面白そうだしと目移りする。
「ユグディラ……は関係ないですね……拾ってくるってありでしょうか?」
 カタログの上に乗った虎猫をあやす。冬毛のそれはぬくぬくして気持ちいい。
「猫屋敷って言われそうですね」
 虎猫は現在十匹。なぜかそこまで数が増えていたのは謎だった。ハンターズソサエティの支部周りで拾い、陰陽寮の床下で発見し飼い主探している間に大江家に居つき、畑にいたのを拾ってきたりと来歴は様々。
「……犬は落ちていないですねぇ」
 すぐに拾われるのか、猫が放浪するからなのか紅葉は分からない。大江家に犬は2匹のみで虎猫に同化していく。
「とりあえず、ユニットです! 現実問題、貸与チケットが重要です」
 借りられるものは限られるとはいえ、夢は広がる。
「……貸与……と言うことは解体すると怒られるわけですね。……上司に言ったほうがいいんでしょうか?」
 自分でつぶやきながら「ハンターとして」と言い張ればいいかなと軽い気持ちになっていく。いざとなったらグラズヘイム王国の知り合いの家に預けるかとも考え始めた。
 そして、お店に向かった。

●五来
 大江家の家臣は宗主に甘く、厳しい。
 家臣の大半は最近ご機嫌な紅葉に気づいている。家令は先代の家令に話しかける。
「父上、宗主の様子は」
「どう考えても、あれは何か企んでおる」
「ですよね……」
 他の者に尋ねても、「紅葉は何か企んでいる」と一致した。
 家令は相談して紅葉の行動を監視することにする。尾行をするにしても転移門を使われると手も足も出なくなってしまうため、人選は重要だ。鬼の五来が選ばれる。鬼でも小柄な部類で身軽であり、ハンターにもなっているため単独で転移門使えるからだ。
 五来が鼻歌交じりの紅葉を尾行したところ、ソサエティの支部に行ったがすぐに出てこない。五来は青ざめ追いかける。職員は顔見知りだったため紅葉が護衛を置き去りにしたと思ったらしく「リゼリオに行きましたよ? その先は知りませんけど」と教えてくれた。
 そのおかげで何とか追いかけられた。転移門をそこでまた使うと困るが、ちょうど町に出ていく紅葉の後ろ姿が見えた。
 尾行をすると店に入っていく。ちらりと覗くと店員と何かやり取りをしている。それからしばらくして、踊り出しそうな軽やかさの紅葉が出て行ったのだった。
 五来は店員に聞き出そうとしたが「個人情報ですから!」の一点張りであり、五来は一生懸命理由を並べる。
「うちの宗主が何をしでかしているのか知りたがっている家臣がいるんです」
「でも個人情報です!」
 押し問答しつつも机の上にあったモノから情報を得ようとする。
 ユニット貸与チケット……枚数を集めると借りられるというチケット。
「個人のこと、無理を申し訳ないことをした。家令にはそう告げて宗主を問い詰めることにします」
「あ、はい。あー、でも悪いことするわけではないです、ってことだけは擁護しておきますよ」
「いえいえ、お気遣いなく」
 五来は帰宅した。

●緊急家臣会議
 大江家の家臣たちは緊急会議の場を持った。ユニットにどのようなものがあるかカタログを見れば一発である。
「あの宗主が『馬車』を入手しようとしているとは思えない」
「ゴーレムか?」
「解体しそうだな……置き場ないし」
「それよりも、こっちじゃないのか?」
「まあ動物は……でも大きさが……」
「戦場に出されるだろう、駄目だ」
 紛糾する会議。
「……我々が直接問うと、あの人はごまかすだろう」
「……さりげなく聞ける人物はいるのだろうか?」
「リーリーじゃなくてインコを勧められる人もいないか? インコに名前を『リーリー』とつけて」
「似てるな」
「うむ」
 そして、ハンターに依頼が舞い込む。
 さりげなく紅葉に尋ねて、何を入手しようとしているのかと。それと、馬車やトラック以外であればやめるように誘導してほしいということだった。

リプレイ本文

●心情
 エルバッハ・リオン(ka2434)は依頼内容を見てつぶやいた。
「ユニットですか。私もイェジドのガルムがいますし、魔導トラックもありますから、手に入れたいという気持ちはわかりますね」
 ユニットの一覧を見て行動を決める。
「デュミナスや魔導アーマーを希望していた場合はあきらめていただくとしても、幻獣なら依頼人を説得しましょう」
 エルバッハは大江 紅葉と出会うシーンを考えつつ出かけた。

 ミオレスカ(ka3496)はいつも通りの紅葉らしいと安堵と何をしているのかという心配が胸の奥に同居する。話をするために入れそうな店をチェックする。
「幻獣系ならいいと思うのですが……そうですね、シルバーレードルに試乗すると分かりやすいかもしれませんね」
 自身の魔導型デュミナスを眺めつつ首を傾げた。

 ロジャー=ウィステリアランド(ka2900)は依頼の内容を見た瞬間「美人とデートで来た上、お金ももらえるなんて」と半ば本気か嘘か思ったらしい。
 仕事とはいえ出会いがあるというわけで、依頼主説得も含めた内容にしていく。
「幻獣だろうが機械だろうが維持費がかかるわけだから……さすがに初対面でここまで来てくれることはあり得ない。ミオもいるし……うまく話しを付けれれば」
 各種予約を入れつつ出かける準備をした。

 マリィア・バルデス(ka5848)は依頼内容を見て、こめかみがビクリと動いた。
「開発のためならまだしも、素人が気軽に『解体したい』というのはいただけないわね」
 魔導アーマー等機械に属するユニットはハンターにも貸与されるようになったとはいえ、おもちゃのようないい方されるのは腹が立つ。
「真意にもよるし、ユニットを持つこと自体はいいのよ」
 マリィアは状況をチェックし、出かける。

●幕は切っておろされる
 エルバッハは城の入り口が見えるところで紅葉が出てくるのを待つ。朝の通勤よりも昼や夕方のほうがゆっくりできるのは明らかだ。
 妙に軽い足取りの紅葉が出てきて、別の角からミオレスカが突撃するのが見えた。
 そこにエルバッハも加わることにした。
「こんにちは」
「あら? こんにちは」
 知り合いのハンターが偶然ここに集まる理由を紅葉が探すように目が鋭いように見える。
「依頼の帰りに通ってみたら偶然ですね、ミオさんも」
「はい、そうなんですね? 私もたまたま通ったら……ちょっとは紅葉さんに会えるかなとは思って通ってみましたけど」
「知り合いがいると思うとその近くを通りたくなるんですよね」
 エルバッハとミオレスカは偶然をさりげなく多く言う。
「なら、うちにいらしてくださっても良いのに」
 紅葉はニコニコという。
「いえ、突然押しかけるとご迷惑もかかると思いますし」
「はいそうです」
 エルバッハとミオレスカが一般的なことを言う。
「紅葉さん、お時間ありますか? この近くにおいしいお菓子とお茶をいただけるお店を見つけたのです」
「私たちが通って、縁もありましたしいかがですか?」
 ミオレスカとエルバッハが畳みかける。
「どんなお店なのですか? 地元だと通り過ぎるだけなのです」
 紅葉を伴ってお茶をすることにした。

 西方仕込みのパティシエと古今東西のお茶を扱うカフェに入る。注文したものを食べつつ、談笑をしていると、マリィアがやってきた。
 あいさつの後、マリィアは席につき、注文後、話を切り出した。
「……ところであなたが家臣団を戦闘用に編成するらしいと聞いてきたのよ」
「……!?」
 三人三様で驚く反応。
「そそそそんなことしませんよ! 大体、私、妖怪にくみするとか話出たことあるくらいですから、そういったことは慎重になりますよ」
「……ならいいんだけど。変な噂が漏れたってことかしら」
「困りましたね。そもそも、私の家は文官の家系ですし、時々武官目指す人も一族にいましたが今はいません……それにしてもこのかぼちゃのモンブランおいしいですね」
 紅葉は家のことを話しかけて、取り繕うようにケーキの話題にした。
「芋のモンブランもおいしいですよ……ところでモンブランってどういう意味なんでしょうか」
 ミオレスカは首をかしげる。
 エルバッハと紅葉は首を横に振った。
「リアルブルーにある山の名前よ」
 マリィアが説明をするとどうしてなのかと根掘り葉掘りとなる。
 依頼を遂行するためのタイミングを計りつつ、お茶が進む。
「そういえば、イェジドの絵をかいてもらったんです」
「私はデュミナスの整備をしてもらったりしてますよ」
 エルバッハとミオレスカの言葉に紅葉は興味が動いた雰囲気だ。
「ところで――」
「おお、ミオ、発見! 女子会中? 俺、すっげー、タイミングに来て、良いのか悪いのか分からないじゃないか」
 ロジャーが陽気に軽薄に空いていた椅子を引き座り、ユニット関係各種パンフレットを並べた。
「こちらの美人さんは初めまして」
 紅葉はキョトンとする。
「俺はロジャー=ウィステリアランドだ、よろしくな」
「はい? 初めまして、大江 紅葉です。あなたもハンターなんですね?」
 視線はパンフレットに行く。
「実はユニットの下見に行こうと、幻獣の厩舎や機械系の整備場を予約してんだ。興味あるなら一緒にどう?」
 ズズイと身を乗り出したロジャーに紅葉は下がれる分だけ下がる。
 左右を見て紅葉は答えた「皆さんもご一緒なら」と。
 ロジャーは紳士的ににこやかな笑みを浮かべ、他のメンバーの反応を見るとうなずいている。
 頼んだものを食べ終わり次第出発となった。

●もふもふ
 幻獣がいる厩舎。ハンターからの預かりものや誰かの下にいくらしいリーリーが走り回っている。
 紅葉が非常に落ち着きがない。
「飛び出してはダメですよ」
 ミオレスカは紅葉の袖をつかめるようにしておく。
「年齢だと紅葉さんが上なんですけれどね」
 エルバッハが苦笑する。
「この厩舎の係の人が言うには、幻獣の維持費はこんな感じだというんだ」
 自分が必要だから情報を集めた体裁でロジャーはお披露目する。
 紅葉はその紙を覗き込む。
 ロジャーの鼻先に紅葉の衣類に焚き染められた香がふわりと漂う。
「まあ……そうですよね。生き物なんですもの、お金はいりますよね」
 紅葉は懐に手を当てている。
「費用、すごく気にし始めているの?」
「……え? そそんな、別にお迎えしたいとか思ってませんよ?」
 マリィアは溜息をもらす。
「まあ、紅葉ちゃんがユニットを入手するんだったら、符術師でマジックユーザーであるわけだから、近接戦闘能力のある幻獣は、護衛代わりに飼うとして高い買い物じゃないと思う」
 ロジャーのお薦めのポイントを説明する。
「彼らはある程度自分の判断で行動をとってくれますから、護衛にはなるかもしれませんね」
「墓参りに行くのもずいぶん楽にはなりますよ?」
 エルバッハとミオレスカは幻獣のセールスポイントを追記する。
「幻獣系は新しい仲間も増えそうだし、待った方がいいのかもしれないな」
 ロジャーの言葉に紅葉が首をかしげる。視線の先に厩舎の人が近づいてくる姿がある。
「それに俺は紅葉ちゃんに興――」
「試しに乗ってみるかい?」
「え、乗ってみていいんですか」
 ロジャーの言葉を遮るようにリーリーを散歩させていた係の人と紅葉が会話を開始したのだった。

●怒る理由
 油の匂いが漂う整備工場、自然の中の厩舎と異なる雰囲気。それはそれで紅葉は興味津々である。
「そんでもってこっちが機械系のユニットの維持費」
「はあ……」
「あれ?」
 ロジャーが手渡した資料を見る紅葉の反応は鈍い。
 ほしがっているのは幻獣系だろうかとハンターは見当をつける。
「すごいですね……大きいですね。これが動くんですよね」
 紅葉はおっかなびっくり装甲に触ってみる。
「入っていなければ動かないし」
「そうはいっても、なんとなく畏怖すべきものというか」
「へえ。八百万の神とかそんな感じ?」
「人の形をとっているためでしょうか」
 ロジャーと話しながら、紅葉は自分の感情と向き合っているようだ。
「あなた、それでも解体したいとか言い始めるわけ?」
「え? あ、そんなふうに見えます? まあ、そうですね……中見たら動く理由がわかるのかなと思いました」
「……まだ、それならましと言うか……」
「え?」
「解体したいという話を聞いて、湧いたのが『ふざけるな』っていう思いね」
 マリィアの表情は消える。目には怒りがかすかにうかがえた。
「デュミナスと言えば、軍で乗れるのは一握り。乗れるのは栄誉なことだった。それを解体したい、気になるし……おもちゃじゃないのよ? 人を守るための力で、盾なのよ? 軽々しく言われたら腹立つわよ。解体されて元に戻るなり、新しい力を得るならいい」
 紅葉は神妙にうなずいた。
「友軍や一般人を守り盾となるべき鉄の箱。たとえそれが自分の鉄の棺桶と同義でも、ね。……そんなわけで、イラッとしたのよね。口にするしないは別として」
 軍人でもあったマリィアの言葉は重かった。
 エルバッハは紅葉の表情が、初めにあったころ見た優しくもあり緊張感に満ちたものになっていると気づいた。
「棺桶とは言わないであげたいですね……希望です。対歪虚の力としての希望です」
 紅葉はふっと口角を上げた。
「それが人に向けられば恐怖の源。願わくば、希望であってほしいです。このヒトたちは道具であり操縦者の仲間です。意思は中の人です。ひどいことを言いますが、たとえ外見が壊れても、操縦者には無事でいてほしい……鎧でもありますね」
「……一応、考えてはいるってことね……」
 マリィアは苦笑を浮かべ、うなずいた。
「あ、あの……ところで紅葉さんは乗ってみたいのですか?」
「興味はありますが、難しいと聞きましたよ?」
 エルバッハが紅葉の言葉にうなずく。
「コクピットに乗ってみるだけなら、私のに乗ってみますか?」
「中を見せてもらえる機会は少ないですね」
「では、ここから近いので移動しましょう」
 ミオレスカを先頭に移動を開始する。
 ロジャーは紅葉の横を歩きながら、ユニットの話をしつつ、彼女自身の情報を聞こうと会話する。

「紅葉さん、ここですよ」
 ミオレスカに言われて覗き込む。座ってみてもおとなしい。
「紅葉さんはあれこれ押しそうなイメージがあったのですが」
「……うっ。大きいでしょ? 押しちゃいけないものを押して爆発したら怖いと思います」
「そのくらいで爆発しませんから」
 ミオレスカは笑う。刻令術の機械は率先して触っているくせに不思議でもある。
 簡単に操縦の仕方を説明だけはした。紅葉が聞きたがっているのは会話でわかるから。
 コクピットから降りた紅葉は「楽しかったです」とハンターに告げる。
「ユニットとしてお薦めはトラックよ」
 マリィアが紅葉にその理由も告げる。
「あなたが農具を借りているというのは聞いているわ。それを運ぶのにも役に立つでしょ? エンジンを使った機械だし、原理は同じでしょ」
「なるほど」
 紅葉は何やら生暖かい視線を一同に向けている。それを受けた一同は冷や汗があふれる気がした。
「一応、誰かに依頼されて探りに来ています?」
 一斉に首を横に振り、違うと口々に言う。
「本当に偶然ですよ」
 エルバッハが淡々と言う。
「俺はたまたまエトファリカにいて、戻る途中にミオを見つけて、こうしてせっかくならお近づきになりたいと手を取ったわけだ」
 ロジャーはすっと紅葉の手を取ったが、さりげなく外される。
 マリィアはそろりとミオレスカを隠す。表情に動揺が見えたのだった。
「……それより、俺は紅葉ちゃんが乗りたいっていう物が気になる。ハンターや宮仕えで必要ならユニットはいいと思うしな。俺たちは……ハンターの先輩としてあれこれ言ったけど、紅葉ちゃんが乗りたいものが一番いいぜ?」
 不安を払しょくするように一気に言って煙に巻こうとしているようだったロジャーに紅葉は溜息をつく。
「それより俺としては乗るなら紅葉ちゃんの……」
「馬車かリーリーを借りようかなって思っているのです」
「はい?」
「イェジドはいろいろあって難しいので、馬車かリーリー」
 紅葉はニコニコと告げる。
「皆さんの意見、ありがとうございます」
「紅葉さんのお役に立てたならうれしいです」
 ミオレスカは微笑んだ。

●一件落着?
 紅葉はお店に見に行くというため、エルバッハは別れて依頼主の下に向かった。
「リーリーと馬車と言っていました。店に見に行ったので、いれば近々来ます」
 依頼主は愕然としたようだ。
「……止めることはできなかったということですね。置き場を考えないとならないですね。止められなかった、止めるつもりはなかった理由をうかがっていいですか?」
「役に立つからです。幻獣なら紅葉さんが逃げる足にもなりますし、もしもの時の護衛にもなります。馬車よりトラックのほうが実際はいいのですが……物資を持っての移動も可能ですよ」
 昔の里と行き来したいという家臣もいることを知っている家令はうなずいた。
「家臣や里人思いの宗主だと思って納得しました」
 実際はどうか分からないがそう考えても半分は当たりそうだ。
「ありがとうございました。我々が問うとけんもほろろかけんか腰になりそうでしたから」
 エルバッハは仲間と合流するハンターオフィスに向かった。

 店の前でチケットを手に喜ぶ紅葉。
「それが恋文とかならすこし、その……良かったなぁと思いますけど、貸与チケットはチケットでらしくていいです」
 複雑なミオレスカ。
「置き場があれば両方借りておいて、問題はないわね。魔導トラックのほうが耐久性は高いわよ?」
 マリィアが一応いう。
「まー、紅葉ちゃんが好きなものを借りられればいいんだよな」
「はい。先日お話しして、借りられそうなのを用意してくれると。在庫があれば」
 ロジャーは「あるといいな」と告げる。
「いらっしゃいませ……大江様」
 店員の勢いが語尾は消え失せるのに紅葉以外は気づいた。
「あの……馬車はあります……が、幻獣はタイミング悪くで払っております」
 紅葉はがくりと膝をついた。
「大丈夫かい」
 ロジャーはさっと寄って肩を抱く。
「魔導トラックはあるのかしら?」
「ありますよ?」
 マリィアの問いかけに店員が肯定する。
「リーリーのいるのんびり生活」
「……ペットではないのです」
 ミオレスカがツッコミを入れた。
「でも少しすればお渡しできますよ、リーリーも」
「はいっ!」
 元気よく立ち上がる紅葉。
 紅葉の肩であごを強打されたロジャーは倒れた。
「ロジャーさん」
「あらら」
 ミオレスカが慌て、マリィアは肩をすくめた。

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MVP一覧

  • ルル大学魔術師学部教授
    エルバッハ・リオンka2434
  • Xカウンターショット
    ロジャー=ウィステリアランドka2900

重体一覧

参加者一覧

  • ルル大学魔術師学部教授
    エルバッハ・リオン(ka2434
    エルフ|12才|女性|魔術師
  • Xカウンターショット
    ロジャー=ウィステリアランド(ka2900
    人間(紅)|19才|男性|猟撃士
  • 師岬の未来をつなぐ
    ミオレスカ(ka3496
    エルフ|18才|女性|猟撃士
  • ベゴニアを君に
    マリィア・バルデス(ka5848
    人間(蒼)|24才|女性|猟撃士

サポート一覧

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依頼相談掲示板
アイコン 打ち合わせ
ロジャー=ウィステリアランド(ka2900
人間(クリムゾンウェスト)|19才|男性|猟撃士(イェーガー)
最終発言
2016/11/28 23:13:31
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2016/11/26 23:46:30