ゲスト
(ka0000)
【蒼乱】ルビー、メメント・モリ
マスター:cr

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~10人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2016/12/12 15:00
- 完成日
- 2016/12/19 22:34
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
●
「ごめんなさい。私はもうすぐ、活動を停止します」
彼女はそうハンター達に言った。
彼女の名はルビー。ハンター達が大渓谷で出会った少女。自動人形(オートマトン)の少女。そして第三の世界、エバーグリーンが遺した少女だった。
「私の様な人型インターフェースには『コアパーツ』と呼ばれるものが組み込まれています。これは私の思考と記憶を司り行動の判断を行わせるものです。これがあるからこそ私は皆さんにこのように接することが出来るのですが」
そして彼女は言葉を続けた。
「どのような部品でもいつかは壊れます。そして『コアパーツ』が壊れた時、私は――」
その時、彼女は思いもよらぬ言葉を口にした。
「“死”を迎えます」
●
「それまであまり時間がありません。だから、私に聞いておきたいことを何なりとお尋ねください」
ハンター達がルビーの元に居るのもこれが理由だった。ハンターソサエティ側の依頼に協力した報酬として、彼女はハンター達へ「知っておきたいことをルビーに尋ね調査する」という依頼を出すことを願った。つまり、今ハンター達がここに居るのは依頼主がルビーである依頼を請け負ったからだ。少なくともそういう形になっていた。
「ごめんなさい、私の記憶にはまだまだ失われた部分はあるので答えられないことも多いと思います。でも、私は皆さんのお役に立ちたいです」
彼女が言うとおり、残された時間はそう無いのだろう。その前に彼女に尋ねておきたいことは色々あるはずだ。それを用意しておいて欲しい。
「ごめんなさい。私はもうすぐ、活動を停止します」
彼女はそうハンター達に言った。
彼女の名はルビー。ハンター達が大渓谷で出会った少女。自動人形(オートマトン)の少女。そして第三の世界、エバーグリーンが遺した少女だった。
「私の様な人型インターフェースには『コアパーツ』と呼ばれるものが組み込まれています。これは私の思考と記憶を司り行動の判断を行わせるものです。これがあるからこそ私は皆さんにこのように接することが出来るのですが」
そして彼女は言葉を続けた。
「どのような部品でもいつかは壊れます。そして『コアパーツ』が壊れた時、私は――」
その時、彼女は思いもよらぬ言葉を口にした。
「“死”を迎えます」
●
「それまであまり時間がありません。だから、私に聞いておきたいことを何なりとお尋ねください」
ハンター達がルビーの元に居るのもこれが理由だった。ハンターソサエティ側の依頼に協力した報酬として、彼女はハンター達へ「知っておきたいことをルビーに尋ね調査する」という依頼を出すことを願った。つまり、今ハンター達がここに居るのは依頼主がルビーである依頼を請け負ったからだ。少なくともそういう形になっていた。
「ごめんなさい、私の記憶にはまだまだ失われた部分はあるので答えられないことも多いと思います。でも、私は皆さんのお役に立ちたいです」
彼女が言うとおり、残された時間はそう無いのだろう。その前に彼女に尋ねておきたいことは色々あるはずだ。それを用意しておいて欲しい。
リプレイ本文
●
聖輝節を間近に迎え、橋の上の街は華やかな空気に包まれていた。冬の訪れとともに一帯の空気は刺すように冷たかったが、それに備えた装いに身を包む人々の姿が不思議と温かい雰囲気を醸し出していた。
その中を、十人の者達が歩いていた。車椅子に乗る少女が一人、それを岩井崎 メル(ka0520)が押し、その回りに八人。
「どーよ、久しぶりの街は!? 前とは雰囲気が違ったろ? 聖輝節ってンだってさ!」
大伴 鈴太郎(ka6016)はこの街を見せながらそう話しかけていた。それに車椅子に乗った少女、ルビーは答える。
「はい……とても素敵です……本番はもう少し先とのことですが、本番はどうなるのでしょうか」
「そうだな、リアルブルーにもクリスマスってのがあンだけどよ! 美味いモン食って歌って騒いで……さ」
楽しげに話していた鈴太郎の声は、程なくして訪れる結末の前にどんどんトーンを落としていった。どうしようもない重苦しい現実がのしかかる。
「活動を停止……。駄目、あんまり良くない方に考えてる」
天王寺茜(ka4080)はネガティブな気持ちに引きずられていく自分に喝を入れるように、両頬をパチンと叩いた。
そしてそんな彼女達の気分を少しだけ上向きにさせたのも、やはりハンターだった。
「ルビーーーっ」
パトリシア=K=ポラリス(ka5996)はルビーに抱きつく。ぎゅっと抱きしめて、頬を擦り寄せる。
「パティたち、ルビーの故郷に、エバーグリーンに行ってきたヨっ」
「はい。でも何もなかったのではないでしょうか」
確かにルビーの言うとおり、そこにあったのは滅びた世界の残滓だった。人々が残した書物などは手に入れ帰ってきたが、人の営みは、そしてそれが産み出す文明は既に失われていた。
「……聖輝節だし、ピースホライズンを見よう!」
黄昏時のように暗い現実を振り払うように、央崎 遥華(ka5644)は努めて明るい言葉をあげた。
「現実は理解していても、折角の機会だよ。楽しい気持ちでお話したいし、ね?」
そして一行は目的の場所にたどり着いた。雨を告げる鳥(ka6258)が手配した料理店の個室だ。窓からはこの街の街並みが見える。一行は吸い込まれるようにその部屋へと入っていった。
●
部屋に入ったところで遥華が声をかける。
「直接言えなかったことがあるんだ」
そして彼女はすう、と息を吸い込んで、ずっと伝えたかった言葉を口に出した。
「おかえり」
そのまま彼女は語り続ける。
「大切な人が戻ってきた時、その人が無事で戻ってきてくれたことに喜びを篭める言葉だよ」
この部屋に居るものが皆、彼女と同じことを思っていた。大切なルビーがラプラスの干渉をはねのけ、こちらに帰ってきてくれた。その皆の思いは遥華もよくわかっていた。だからこそ彼女は悩んでいた。自分と接する時間も皆に使ってもらった方が幸せなのではないか。でも、後悔したくないという思いがその悩みを乗り越えた。だから。
「……しんみりしてるの違和感あるなっ。友達のハグしよっか!」
遥華も強く、優しく、愛おしそうに抱きしめる。ルビーの暖かな体温が伝わってくる。ずっとこうしていたい、そんな気持ちになるが、ルビー自身が出した依頼内容である「彼女に質問する」を行わなければならない。
「それじゃあ質問するね。まず、大渓谷の自動兵器は私達を味方として認識できる?」
「そうです。ルビーさんが機能停止した後は、この遺跡はどうなるのでしょうか。ガーディアンが警備すると思いますが、我々が入っても大丈夫でしょうか」
補足するように鳳城 錬介(ka6053)が続ける。
「ああ、申し遅れました、俺は鳳城錬介と言います。短い間ですがどうぞ宜しく」
「はい、鳳城さんですね。ゲストアカウントとして認証いたしました」
そして彼は挨拶を続けた。
「『権限』が無いパティ達は、どーしたらいいでしょか。遺跡とゲートを使うのハ、だいじょぶでしょか?」
「ええ、ガーディアンが警備すると思いますが、我々が入っても大丈夫でしょうか」
次々と質問が投げかけられる。それにルビーは静かにこう答えた。
「ご安心ください。私が機能停止する前にモードを変更しておきます。自動兵器についても、ゲートについても大丈夫です。最も、ゲートの移転先は私が登録した場所のみになりますが」
その言葉にほっと胸をなでおろす一同。
「それじゃあルビーはどこで寝ンだ? ちゃんと安全なトコだよな?」
「……機能停止中のことでしょうか。それなら、皆さんと出会った部屋です。セキュリティレベルを最大に設定したほうがいいのでしょうか」
鈴太郎の言葉に小首をかしげながら答えるルビー。
「では……転移って……ゲートが創られる前から在った事象でしょうか?」
次に質問をしたのは天央 観智(ka0896)だった。小首を傾げるルビーに、彼は言葉をつなげる。
「世界を繋ぐ装置のトラブルとして転移事故と言う出来事が起きる様になったのか? それとも元々、転移現象が在って……それを技術で任意に再現出来る様にした物が転移装置なりゲートなり、なのか? ということなのですが……」
「申し訳ありません。私にわかるのは、エバーグリーンの人々が二つの世界を発見し、そちらと交流を持とうとした、ということだけです」
「なるほど……それでは遺跡の……転移装置の可動履歴って判りますか? 人が3つの世界を行き来し合って……交流等していたのは、いつ頃……なんでしょうね?」
「私の分かる範囲であれば、人は行き来しあっていません。エバーグリーンの人々がこちらの世界に来て、元の世界に戻っていった、それしか行われておりません」
彼の質問に対する答えはあまり芳しいものではなかった。難しい顔をする天央に、ルビーは思わず声を漏らす。
「申し訳ありません……」
そんな彼女に今度はカール・フォルシアン(ka3702)が質問を始めた。
「ルビーさんの様な人形インターフェースが作られた目的は何ですか?」
「私たちは人々の良き隣人となるべく作られました。機械により得られた情報の恩恵を、より多くの人に提供する。それが私たちの存在意義です」
彼女ははっきりと答える。その深い紅色の瞳を見つめながら、カールは質問を続けた。
「それでは、『コアパーツ』にはこれまでの記憶も蓄積されているのですか? それとも記録媒体は別なのですか?」
「『コアパーツ』は私達の思考を司り、同時に記憶も蓄積されます。丁度人の脳……いえ、もしかすると人の「心」と同じ役割を果たす、と表現したほうがいいかもしれません」
「ではもう一つ、ルビーさんが生まれたときの記憶はありますか? どんな場所にいたか、とか何か命令を受けたとか」
「私は問う。ルビーが生み出された世界はどこか」
カールの言葉にレインが付け加える。その言葉にルビーは少し悩む様に視線を動かし、そして口を開いた。
「私“自身”の記憶は私が起動してからです。ただ、私には繋がった機械が持つ記憶を引き出すことができます」
確かに彼女はこの遺跡に記録されていたデータの一部を我々に伝えてくれた。だからこそ。
「ですから私の記憶はこの場所の記憶であり、この場所の記憶にはエバーグリーンの記憶もあります」
「えーっと……記憶のネットワークを作っているんですね。だとすると……」
「申し訳ありません。生まれた時の記憶は、どれが生まれた時の記憶なのかがわからないのです。だから私がどこで生み出されたかもわかりません」」
「ありがとうございます。驚くべき高度な技術です。僕はもっと知ってこれからの問題解決に活かしたいと考えてます」
「それじゃあ、パティも聞いてもいいカナ。ルビーたちハ、この遺跡ハ、何の為にゲートを観測してたノ?」
次はパティが質問を始めた。
「パティさん。まず、施設はゲートだけでは無くこの世界全体を観測していました。その目的はこちらの世界の人との対話です」
「つまりお話したかったノ?」
それに対し頷くルビー。
「なるほど……確かに僕も異世界には興味がありますが、それだけのためにここまでするのですが。自分達の間で対話をしようという考えはなかったのでしょうか」
天央の言葉に、ルビーは驚くべき答えを返した。
「はい、皆さん相手のことは互いに理解していましたから」
その時、遥華の脳裏にはかの世界の都市の姿が浮かんだ。ガイアプラントと称される星の命を削りエネルギーを引き出すシステム。それがあれば
「物資の不足を乗り越えた人々に争う理由は存在しません。ですから彼らはその視線を他の世界に向けたのです」
天央は用意していた質問を投げかける意義を無くしていた。エバーグリーンにおいてルビーのような機械はどのように扱われていたのか、人権はあったのか。しかし、争いが無くなった世界で、権利の範囲を確保することに意味が無いことは理解できた。
「……緑の世界では星の力を動力にしていましたが……ここも同じ方式ですか?」
しかし星の命を削る装置がもたらす先が何なのかもわかる。鳳城は念のためそのことを聞く。
「はい。といっても、この施設程度でしたら“星”の命の余ったエネルギーだけで稼働できます」
その言葉を聞いて一同は複雑な気持ちになっていた。施設の稼働によって星が傷つくことは無いというのは一安心だが、これほどの施設を余剰分だけで動かしているとなるとエバーグリーンでは、一帯どれほど高度な文明が発展していたのだろう。想像を遥かに超える。
「私は改めて問う。ルビー、大渓谷内にエバーグリーンに関するライブラリはあるか」
「そうですね。エバーグリーンの資料を翻訳する方法はないのでしょうか。ルビーさんが活動を停止したらその手段は無いのでしょうか」
レインの質問にカールが補足をする。
「活動停止まで出来る限り資料を翻訳いたしますが、限界があります。申し訳ありませんが以降はトマーゾさんにお願いしてください」
「私は更に問う。かの世界の者たちは歪虚に対する研究をしていたか」
「先程も申し上げました通り、争う理由無き彼らは自らで戦うための手段を持っていませんでした。ですから……」
皆まで言わなくても分かる。理想郷を作り上げたことが世界の破滅に繋がるとは何という皮肉なのだろう。
「……ルビーはさ……まだオレ達と一緒にいてぇか……? オレ達はルビーを治してもいンだよな?」
重苦しい空気の中、鈴太郎はそう絞り出すように尋ねた。
「そうです。ルビーさんは、活動を続けたいですか? 活動期間が延びるなら何がしたいですか?」
しかしルビーはその言葉にただ、少し微笑むだけだった。
「……仮に機能停止で記憶が消去されても、戻る可能性は……あるの?」
そこで、遥華は質問の仕方を変えた。
「完全な機能停止は“死”です。それを戻す方法、それは死んだ者を復活させるようなことです。質問の答ですね。……可能性はあります。ただし、それはその者が歪虚になった、と同義ですが……」
「……生ある者に神は運命を与え給う。個々の救済は運命によりしものが故に」
ルビーの答えを聞いて遥華はつぶやく。
「現世で人々が如何に信心深くあろうと、神が定めし救済の決定は絶対不変のものなり……だから」
「はい。私には、“死”はとても大切な物として登録されています。死を受け入れられなければ、歪虚になりますから」
彼女が自分の機能停止を“死”と表現した理由がこれだった。
「ルビー、貴方の人格や記憶を維持、保存したまま修理する方法は貴女の知識にあるの?」
「そうです、他の『コアパーツ』に情報を移すことは可能なのですか?」
ルビーの答えに、すぐに茜が口を挟む。カールも続ける。
「……可能だった、というのが答えになります。私達のコアパーツに刻まれた情報は、つまり私達の『心』は、私にはサーバーと登録されている装置に移すことが可能です」
「だったら!」
「……しかし私が皆さんに出会って以来、サーバーとの通信は行えていません。おそらくサーバーその物が機能を停止したのでしょう」
「だとすれば、そのサーバーが復旧すればルビー君の記憶を保存することが出来るんだね?」
「そうです、『ししょー』さん」
ハンター達の理解を助けるべく、メルは己の知識で理解できる範囲と組み合わせて補足を付けた。道が見えた。
「それじゃあ……」
「決まりだね」
その言葉を受けて、メルと遥華は一つの質問を投げかけた。
「エバーグリーンで私たちにして欲しいことは何?」
「そうだね、ルビー君の故郷、「エバーグリーン」で。私たちが出来る事、するべき事に指針を貰えれば助かるね」
「……サーバーを復旧させていただけますでしょうか。そこには私が思い出せない記憶も多く残されているはずです」
「私は改めて問う。大渓谷遺跡にその“サーバー”に類似した施設はあるか。改装することでなり得るか」
「はい、可能です。ただエバーグリーン側のサーバーを復旧させないと有効にはなりません」
レインの改めての質問も併せて、ルビーを復旧させるための道筋は見えた。危険な場所である。おいそれと行けるようなところではない。時間制限もある。それでも、エバーグリーンに行けば何かが変わる。何度かかるかは分からないが、それでもそれは彼らにとって障害ではなかった。笑顔が弾けた。それに釣られるように、ルビーも確かに笑っていた。
「私は最後に一つ問う。私たちとの出会いは『楽しかった』だろうか」
「ええ、もちろんです」
「それじゃあルビー君、おはようの後に、ルビー君がしたい事を。おやすみまでに考えてみるのはどうかな」
「そうですね、『ししょー』さん……申し訳ありません、おはようの前ですが、一つだけわがままを言わせてください」
皆の視線がルビーに集まる。
「聖輝節の本番が見たいです。その時に、改めて私を連れてきてください。その後で、私はスリープモードに移行することにします」
「もちろんだぜ!」
一足先に、ハンター達がしたい事は決まったようだった。茜は最後に一つある物を手渡した。
「あとコレ、邪魔にならなかったら良いんだけどストール。ルビー、肩寒そうだし。眠るにしても、暖かくしないとね」
「はい、ありがとうございます。茜さん。大切にします」
「あ、そうだった! 一つ聞き忘れてた! 初めて会った時、ルビーは訪問者を待っていたって言ってたけど、それを貴方に命じた人は、何か私たちに言っていなかった?」
「それは――」
●
ハンター達がルビーを遺跡に送り届けた後、そこに一人の男のの姿があった。
「こんばんは、春日さん。どうされたのですか」
その男は春日 啓一(ka1621)だった。
「ああ、俺も質問があってな。――修理を待つ間、死ってのは嫌な表現だから眠ると表現させてもらうが、眠っている間にラプラスがルビーを再び乗っ取る可能性がある、大渓谷で眠ったルビーの安全の為にを遺跡から動かしても大丈夫か?」
「それは……」
「もし大丈夫なら少し前にトマーゾがロッソでの『非覚醒者』の転移は可能だと言っていたが、叶うならばロッソでルビーをトマーゾの所へ連れてって大丈夫か?」
「それは構いませんが……黙示騎士には世界を渡る能力があると聞きました。だとすれば、私達――自動兵器達が守ってくれるここがおそらく一番安全だと思います」
「確かにそれもそうか……では俺や大伴たちは未だにルビーにゲストアカウントって認証されてると思うが、一般ないし管理まで上げる事は出来るか? 別にルビーを機械として利用するわけじゃねえさ、ゲストより上なら何かあったとしても情報がルビーの中に残ってくれるんじゃねえかなって保険さ」
「申し訳ありませんができません。なぜなら生体タグが確認できないからです」
そしてルビーはその理由を説明してくれた。
「やっと思い出せました。生体タグは皆さんの情報パターンとサーバーの情報を紐付けて管理しています。ですがサーバーが通信できない今、生体タグを確認し、権限を上書きすることが出来ないのです」
「ああ、俺にはよくわからないが……後で皆に聞くとするか。そうだ」
春日は懐から何かを取り出す。
「少し早いが聖輝節のプレゼントだ、ドレスや瞳と色を合わせたが……っと、この前人の多いとこだと気恥ずかしいから言えなかったが、俺はルビーとこうして話せて『また会えた事を嬉しく』思っているぜ、だからまた会える日を楽しみにさせてもらうさ」
それは彼女の瞳のように紅い色をしたチョーカーだった。真ん中にはかわいらしいベルがついている。
「はい、眠る前の最後の時にも、私が起きた時にも、また会いましょう。楽しみにしています」
そして彼女が身につけたチョーカーから、チリンと澄んだ音色が鳴った。
●
茜は一人帰路を歩いていた。彼女の胸の中で、ルビーが最後に答えてくれた言葉がリフレインを繰り返していた。
「私はもしかすると、これを皆さんに伝えるためにここに遺されたのかも知れません」
茜の別れ際の質問に、ルビーはそう答えた。
「エバーグリーンの人が皆さんに、歪虚と戦う人々に伝えたかった言葉です。絶対に忘れないでください」
そして彼女はそう言った。その言葉を、茜は道すがら何度も口の中で転がしていた。
「『絶望を、乗り越えろ』……か」
聖輝節を間近に迎え、橋の上の街は華やかな空気に包まれていた。冬の訪れとともに一帯の空気は刺すように冷たかったが、それに備えた装いに身を包む人々の姿が不思議と温かい雰囲気を醸し出していた。
その中を、十人の者達が歩いていた。車椅子に乗る少女が一人、それを岩井崎 メル(ka0520)が押し、その回りに八人。
「どーよ、久しぶりの街は!? 前とは雰囲気が違ったろ? 聖輝節ってンだってさ!」
大伴 鈴太郎(ka6016)はこの街を見せながらそう話しかけていた。それに車椅子に乗った少女、ルビーは答える。
「はい……とても素敵です……本番はもう少し先とのことですが、本番はどうなるのでしょうか」
「そうだな、リアルブルーにもクリスマスってのがあンだけどよ! 美味いモン食って歌って騒いで……さ」
楽しげに話していた鈴太郎の声は、程なくして訪れる結末の前にどんどんトーンを落としていった。どうしようもない重苦しい現実がのしかかる。
「活動を停止……。駄目、あんまり良くない方に考えてる」
天王寺茜(ka4080)はネガティブな気持ちに引きずられていく自分に喝を入れるように、両頬をパチンと叩いた。
そしてそんな彼女達の気分を少しだけ上向きにさせたのも、やはりハンターだった。
「ルビーーーっ」
パトリシア=K=ポラリス(ka5996)はルビーに抱きつく。ぎゅっと抱きしめて、頬を擦り寄せる。
「パティたち、ルビーの故郷に、エバーグリーンに行ってきたヨっ」
「はい。でも何もなかったのではないでしょうか」
確かにルビーの言うとおり、そこにあったのは滅びた世界の残滓だった。人々が残した書物などは手に入れ帰ってきたが、人の営みは、そしてそれが産み出す文明は既に失われていた。
「……聖輝節だし、ピースホライズンを見よう!」
黄昏時のように暗い現実を振り払うように、央崎 遥華(ka5644)は努めて明るい言葉をあげた。
「現実は理解していても、折角の機会だよ。楽しい気持ちでお話したいし、ね?」
そして一行は目的の場所にたどり着いた。雨を告げる鳥(ka6258)が手配した料理店の個室だ。窓からはこの街の街並みが見える。一行は吸い込まれるようにその部屋へと入っていった。
●
部屋に入ったところで遥華が声をかける。
「直接言えなかったことがあるんだ」
そして彼女はすう、と息を吸い込んで、ずっと伝えたかった言葉を口に出した。
「おかえり」
そのまま彼女は語り続ける。
「大切な人が戻ってきた時、その人が無事で戻ってきてくれたことに喜びを篭める言葉だよ」
この部屋に居るものが皆、彼女と同じことを思っていた。大切なルビーがラプラスの干渉をはねのけ、こちらに帰ってきてくれた。その皆の思いは遥華もよくわかっていた。だからこそ彼女は悩んでいた。自分と接する時間も皆に使ってもらった方が幸せなのではないか。でも、後悔したくないという思いがその悩みを乗り越えた。だから。
「……しんみりしてるの違和感あるなっ。友達のハグしよっか!」
遥華も強く、優しく、愛おしそうに抱きしめる。ルビーの暖かな体温が伝わってくる。ずっとこうしていたい、そんな気持ちになるが、ルビー自身が出した依頼内容である「彼女に質問する」を行わなければならない。
「それじゃあ質問するね。まず、大渓谷の自動兵器は私達を味方として認識できる?」
「そうです。ルビーさんが機能停止した後は、この遺跡はどうなるのでしょうか。ガーディアンが警備すると思いますが、我々が入っても大丈夫でしょうか」
補足するように鳳城 錬介(ka6053)が続ける。
「ああ、申し遅れました、俺は鳳城錬介と言います。短い間ですがどうぞ宜しく」
「はい、鳳城さんですね。ゲストアカウントとして認証いたしました」
そして彼は挨拶を続けた。
「『権限』が無いパティ達は、どーしたらいいでしょか。遺跡とゲートを使うのハ、だいじょぶでしょか?」
「ええ、ガーディアンが警備すると思いますが、我々が入っても大丈夫でしょうか」
次々と質問が投げかけられる。それにルビーは静かにこう答えた。
「ご安心ください。私が機能停止する前にモードを変更しておきます。自動兵器についても、ゲートについても大丈夫です。最も、ゲートの移転先は私が登録した場所のみになりますが」
その言葉にほっと胸をなでおろす一同。
「それじゃあルビーはどこで寝ンだ? ちゃんと安全なトコだよな?」
「……機能停止中のことでしょうか。それなら、皆さんと出会った部屋です。セキュリティレベルを最大に設定したほうがいいのでしょうか」
鈴太郎の言葉に小首をかしげながら答えるルビー。
「では……転移って……ゲートが創られる前から在った事象でしょうか?」
次に質問をしたのは天央 観智(ka0896)だった。小首を傾げるルビーに、彼は言葉をつなげる。
「世界を繋ぐ装置のトラブルとして転移事故と言う出来事が起きる様になったのか? それとも元々、転移現象が在って……それを技術で任意に再現出来る様にした物が転移装置なりゲートなり、なのか? ということなのですが……」
「申し訳ありません。私にわかるのは、エバーグリーンの人々が二つの世界を発見し、そちらと交流を持とうとした、ということだけです」
「なるほど……それでは遺跡の……転移装置の可動履歴って判りますか? 人が3つの世界を行き来し合って……交流等していたのは、いつ頃……なんでしょうね?」
「私の分かる範囲であれば、人は行き来しあっていません。エバーグリーンの人々がこちらの世界に来て、元の世界に戻っていった、それしか行われておりません」
彼の質問に対する答えはあまり芳しいものではなかった。難しい顔をする天央に、ルビーは思わず声を漏らす。
「申し訳ありません……」
そんな彼女に今度はカール・フォルシアン(ka3702)が質問を始めた。
「ルビーさんの様な人形インターフェースが作られた目的は何ですか?」
「私たちは人々の良き隣人となるべく作られました。機械により得られた情報の恩恵を、より多くの人に提供する。それが私たちの存在意義です」
彼女ははっきりと答える。その深い紅色の瞳を見つめながら、カールは質問を続けた。
「それでは、『コアパーツ』にはこれまでの記憶も蓄積されているのですか? それとも記録媒体は別なのですか?」
「『コアパーツ』は私達の思考を司り、同時に記憶も蓄積されます。丁度人の脳……いえ、もしかすると人の「心」と同じ役割を果たす、と表現したほうがいいかもしれません」
「ではもう一つ、ルビーさんが生まれたときの記憶はありますか? どんな場所にいたか、とか何か命令を受けたとか」
「私は問う。ルビーが生み出された世界はどこか」
カールの言葉にレインが付け加える。その言葉にルビーは少し悩む様に視線を動かし、そして口を開いた。
「私“自身”の記憶は私が起動してからです。ただ、私には繋がった機械が持つ記憶を引き出すことができます」
確かに彼女はこの遺跡に記録されていたデータの一部を我々に伝えてくれた。だからこそ。
「ですから私の記憶はこの場所の記憶であり、この場所の記憶にはエバーグリーンの記憶もあります」
「えーっと……記憶のネットワークを作っているんですね。だとすると……」
「申し訳ありません。生まれた時の記憶は、どれが生まれた時の記憶なのかがわからないのです。だから私がどこで生み出されたかもわかりません」」
「ありがとうございます。驚くべき高度な技術です。僕はもっと知ってこれからの問題解決に活かしたいと考えてます」
「それじゃあ、パティも聞いてもいいカナ。ルビーたちハ、この遺跡ハ、何の為にゲートを観測してたノ?」
次はパティが質問を始めた。
「パティさん。まず、施設はゲートだけでは無くこの世界全体を観測していました。その目的はこちらの世界の人との対話です」
「つまりお話したかったノ?」
それに対し頷くルビー。
「なるほど……確かに僕も異世界には興味がありますが、それだけのためにここまでするのですが。自分達の間で対話をしようという考えはなかったのでしょうか」
天央の言葉に、ルビーは驚くべき答えを返した。
「はい、皆さん相手のことは互いに理解していましたから」
その時、遥華の脳裏にはかの世界の都市の姿が浮かんだ。ガイアプラントと称される星の命を削りエネルギーを引き出すシステム。それがあれば
「物資の不足を乗り越えた人々に争う理由は存在しません。ですから彼らはその視線を他の世界に向けたのです」
天央は用意していた質問を投げかける意義を無くしていた。エバーグリーンにおいてルビーのような機械はどのように扱われていたのか、人権はあったのか。しかし、争いが無くなった世界で、権利の範囲を確保することに意味が無いことは理解できた。
「……緑の世界では星の力を動力にしていましたが……ここも同じ方式ですか?」
しかし星の命を削る装置がもたらす先が何なのかもわかる。鳳城は念のためそのことを聞く。
「はい。といっても、この施設程度でしたら“星”の命の余ったエネルギーだけで稼働できます」
その言葉を聞いて一同は複雑な気持ちになっていた。施設の稼働によって星が傷つくことは無いというのは一安心だが、これほどの施設を余剰分だけで動かしているとなるとエバーグリーンでは、一帯どれほど高度な文明が発展していたのだろう。想像を遥かに超える。
「私は改めて問う。ルビー、大渓谷内にエバーグリーンに関するライブラリはあるか」
「そうですね。エバーグリーンの資料を翻訳する方法はないのでしょうか。ルビーさんが活動を停止したらその手段は無いのでしょうか」
レインの質問にカールが補足をする。
「活動停止まで出来る限り資料を翻訳いたしますが、限界があります。申し訳ありませんが以降はトマーゾさんにお願いしてください」
「私は更に問う。かの世界の者たちは歪虚に対する研究をしていたか」
「先程も申し上げました通り、争う理由無き彼らは自らで戦うための手段を持っていませんでした。ですから……」
皆まで言わなくても分かる。理想郷を作り上げたことが世界の破滅に繋がるとは何という皮肉なのだろう。
「……ルビーはさ……まだオレ達と一緒にいてぇか……? オレ達はルビーを治してもいンだよな?」
重苦しい空気の中、鈴太郎はそう絞り出すように尋ねた。
「そうです。ルビーさんは、活動を続けたいですか? 活動期間が延びるなら何がしたいですか?」
しかしルビーはその言葉にただ、少し微笑むだけだった。
「……仮に機能停止で記憶が消去されても、戻る可能性は……あるの?」
そこで、遥華は質問の仕方を変えた。
「完全な機能停止は“死”です。それを戻す方法、それは死んだ者を復活させるようなことです。質問の答ですね。……可能性はあります。ただし、それはその者が歪虚になった、と同義ですが……」
「……生ある者に神は運命を与え給う。個々の救済は運命によりしものが故に」
ルビーの答えを聞いて遥華はつぶやく。
「現世で人々が如何に信心深くあろうと、神が定めし救済の決定は絶対不変のものなり……だから」
「はい。私には、“死”はとても大切な物として登録されています。死を受け入れられなければ、歪虚になりますから」
彼女が自分の機能停止を“死”と表現した理由がこれだった。
「ルビー、貴方の人格や記憶を維持、保存したまま修理する方法は貴女の知識にあるの?」
「そうです、他の『コアパーツ』に情報を移すことは可能なのですか?」
ルビーの答えに、すぐに茜が口を挟む。カールも続ける。
「……可能だった、というのが答えになります。私達のコアパーツに刻まれた情報は、つまり私達の『心』は、私にはサーバーと登録されている装置に移すことが可能です」
「だったら!」
「……しかし私が皆さんに出会って以来、サーバーとの通信は行えていません。おそらくサーバーその物が機能を停止したのでしょう」
「だとすれば、そのサーバーが復旧すればルビー君の記憶を保存することが出来るんだね?」
「そうです、『ししょー』さん」
ハンター達の理解を助けるべく、メルは己の知識で理解できる範囲と組み合わせて補足を付けた。道が見えた。
「それじゃあ……」
「決まりだね」
その言葉を受けて、メルと遥華は一つの質問を投げかけた。
「エバーグリーンで私たちにして欲しいことは何?」
「そうだね、ルビー君の故郷、「エバーグリーン」で。私たちが出来る事、するべき事に指針を貰えれば助かるね」
「……サーバーを復旧させていただけますでしょうか。そこには私が思い出せない記憶も多く残されているはずです」
「私は改めて問う。大渓谷遺跡にその“サーバー”に類似した施設はあるか。改装することでなり得るか」
「はい、可能です。ただエバーグリーン側のサーバーを復旧させないと有効にはなりません」
レインの改めての質問も併せて、ルビーを復旧させるための道筋は見えた。危険な場所である。おいそれと行けるようなところではない。時間制限もある。それでも、エバーグリーンに行けば何かが変わる。何度かかるかは分からないが、それでもそれは彼らにとって障害ではなかった。笑顔が弾けた。それに釣られるように、ルビーも確かに笑っていた。
「私は最後に一つ問う。私たちとの出会いは『楽しかった』だろうか」
「ええ、もちろんです」
「それじゃあルビー君、おはようの後に、ルビー君がしたい事を。おやすみまでに考えてみるのはどうかな」
「そうですね、『ししょー』さん……申し訳ありません、おはようの前ですが、一つだけわがままを言わせてください」
皆の視線がルビーに集まる。
「聖輝節の本番が見たいです。その時に、改めて私を連れてきてください。その後で、私はスリープモードに移行することにします」
「もちろんだぜ!」
一足先に、ハンター達がしたい事は決まったようだった。茜は最後に一つある物を手渡した。
「あとコレ、邪魔にならなかったら良いんだけどストール。ルビー、肩寒そうだし。眠るにしても、暖かくしないとね」
「はい、ありがとうございます。茜さん。大切にします」
「あ、そうだった! 一つ聞き忘れてた! 初めて会った時、ルビーは訪問者を待っていたって言ってたけど、それを貴方に命じた人は、何か私たちに言っていなかった?」
「それは――」
●
ハンター達がルビーを遺跡に送り届けた後、そこに一人の男のの姿があった。
「こんばんは、春日さん。どうされたのですか」
その男は春日 啓一(ka1621)だった。
「ああ、俺も質問があってな。――修理を待つ間、死ってのは嫌な表現だから眠ると表現させてもらうが、眠っている間にラプラスがルビーを再び乗っ取る可能性がある、大渓谷で眠ったルビーの安全の為にを遺跡から動かしても大丈夫か?」
「それは……」
「もし大丈夫なら少し前にトマーゾがロッソでの『非覚醒者』の転移は可能だと言っていたが、叶うならばロッソでルビーをトマーゾの所へ連れてって大丈夫か?」
「それは構いませんが……黙示騎士には世界を渡る能力があると聞きました。だとすれば、私達――自動兵器達が守ってくれるここがおそらく一番安全だと思います」
「確かにそれもそうか……では俺や大伴たちは未だにルビーにゲストアカウントって認証されてると思うが、一般ないし管理まで上げる事は出来るか? 別にルビーを機械として利用するわけじゃねえさ、ゲストより上なら何かあったとしても情報がルビーの中に残ってくれるんじゃねえかなって保険さ」
「申し訳ありませんができません。なぜなら生体タグが確認できないからです」
そしてルビーはその理由を説明してくれた。
「やっと思い出せました。生体タグは皆さんの情報パターンとサーバーの情報を紐付けて管理しています。ですがサーバーが通信できない今、生体タグを確認し、権限を上書きすることが出来ないのです」
「ああ、俺にはよくわからないが……後で皆に聞くとするか。そうだ」
春日は懐から何かを取り出す。
「少し早いが聖輝節のプレゼントだ、ドレスや瞳と色を合わせたが……っと、この前人の多いとこだと気恥ずかしいから言えなかったが、俺はルビーとこうして話せて『また会えた事を嬉しく』思っているぜ、だからまた会える日を楽しみにさせてもらうさ」
それは彼女の瞳のように紅い色をしたチョーカーだった。真ん中にはかわいらしいベルがついている。
「はい、眠る前の最後の時にも、私が起きた時にも、また会いましょう。楽しみにしています」
そして彼女が身につけたチョーカーから、チリンと澄んだ音色が鳴った。
●
茜は一人帰路を歩いていた。彼女の胸の中で、ルビーが最後に答えてくれた言葉がリフレインを繰り返していた。
「私はもしかすると、これを皆さんに伝えるためにここに遺されたのかも知れません」
茜の別れ際の質問に、ルビーはそう答えた。
「エバーグリーンの人が皆さんに、歪虚と戦う人々に伝えたかった言葉です。絶対に忘れないでください」
そして彼女はそう言った。その言葉を、茜は道すがら何度も口の中で転がしていた。
「『絶望を、乗り越えろ』……か」
依頼結果
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/12/10 00:36:45 |
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相談卓 大伴 鈴太郎(ka6016) 人間(リアルブルー)|22才|女性|格闘士(マスターアームズ) |
最終発言 2016/12/11 23:01:34 |
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質問卓 大伴 鈴太郎(ka6016) 人間(リアルブルー)|22才|女性|格闘士(マスターアームズ) |
最終発言 2016/12/08 19:29:37 |