ゲスト
(ka0000)
【蒼乱】同盟海域、歪虚の残党討伐
マスター:大林さゆる

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 難しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~7人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 多め
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2016/12/15 07:30
- 完成日
- 2016/12/19 23:23
このシナリオは5日間納期が延長されています。
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
同盟海軍の最新式大型戦艦ルナルギャルド号は、ヴォイドゲート破壊後の暗黒海域を定期的に偵察していた。邪神は去ったとは言え、その残り火でもある狂気ヴォイドの残党は、未だ暗黒海域を荒らし回っていたのだ。
人魚の長老クアルダが住む島には、海を監視するための拠点が作られていた。建設中であったが、いずれは海を監視する拠点としての役割を担うことになるだろう。
魔術師協会広報室もヴォイドゲート周辺を監視する拠点作りに携わっていた。派遣された魔術師たちは、人魚の島でヴォイドの残党を倒したり、海軍の兵士たちと協力して拠点へと補給物資を輸送していた。
「ほんじゃ、そろそろ同盟に戻るぜ」
ルナルギャルド号の副艦長ロジャー・ロルドは、ブルーノ・ジェンマ(kz0100)から今回の任務を任されて人魚の島に来ていた。作業が一段落すると、足りない物資を取りに戻るため、大型戦艦に乗り込んだ。
「よっ、マクシミリアン。自由都市同盟に戻ったら、酒場で一杯やらねぇか?」
ロジャーの誘いに、マクシミリアン・ヴァイス(kz0003)は顔を背ける。
「今は、それどころじゃないだろう……まだ、拠点は出来上がっていない」
マクシミリアンは護衛として同行していたが、任務が終わるまでは酒は飲まないと固く断わった。
「まったく、お前さんは義理堅いと言うか、頭が固いと言うか……」
「ロジャー、そんなことはどうでも良い。さっさと仕事しろ」
と言いつつ、ロジャーを睨み据えるマクシミリアン。
ラキ(kz0002)は拠点作りの手伝いで来ていたが、二人の遣り取りを聞いて、楽しそうに笑っていた。
「マクシミリアンって真面目だね。ロジャーさんとは正反対」
「こらっ、ラキ。どういう意味だ?」
ロジャーはそう言いながらも、明るい笑みを浮かべ、指令室へと入っていく。
「これからルナルギャルド号は暗黒海域を進み、自由都市同盟へと戻る。全員、配置につけ」
艦内で出発の号令が響き、ルナルギャルド号は人魚の島を離れて、暗黒海域へと進む。
半日が過ぎた頃、それらは現れた。
「出たな。こっちにはハンターたちがいるんだ。貴様らに、大事な海は渡さないと言ったはずだぜ」
ロジャーは指令室から艦内へと伝達する。
「ヴォイドの残党が出現した。擬人型ヴォイドが4体、人魚や半漁人もいるようだが、あれは完全に歪虚化しちまってる。彼らを狂気の浸食から解放してやるには……残念だが、退治するしかない」
歪虚化した人魚たちは、生命体としてはすでに死んでいるのだ。その骸をヴォイドに利用されることが、人魚の長老クアルダには辛く哀しい現実だった。それ故、せめて仲間が救われるように退治して欲しい。
それが、クアルダの願いでもあった。
「同盟の海を守るのが、俺達の役目だ。ここで一気に蹴散らしてやるぜ」
ロジャーの呼びかけに、船上へと出るハンターたち。
人魚たちのためにも、暗黒海域から狂気ヴォイドの群れを一掃することが不可欠だった。
「拠点を完成させるためにも、ヴォイドなんかの邪魔はさせないからね」
ラキが拳を突き上げた。
人魚の長老クアルダが住む島には、海を監視するための拠点が作られていた。建設中であったが、いずれは海を監視する拠点としての役割を担うことになるだろう。
魔術師協会広報室もヴォイドゲート周辺を監視する拠点作りに携わっていた。派遣された魔術師たちは、人魚の島でヴォイドの残党を倒したり、海軍の兵士たちと協力して拠点へと補給物資を輸送していた。
「ほんじゃ、そろそろ同盟に戻るぜ」
ルナルギャルド号の副艦長ロジャー・ロルドは、ブルーノ・ジェンマ(kz0100)から今回の任務を任されて人魚の島に来ていた。作業が一段落すると、足りない物資を取りに戻るため、大型戦艦に乗り込んだ。
「よっ、マクシミリアン。自由都市同盟に戻ったら、酒場で一杯やらねぇか?」
ロジャーの誘いに、マクシミリアン・ヴァイス(kz0003)は顔を背ける。
「今は、それどころじゃないだろう……まだ、拠点は出来上がっていない」
マクシミリアンは護衛として同行していたが、任務が終わるまでは酒は飲まないと固く断わった。
「まったく、お前さんは義理堅いと言うか、頭が固いと言うか……」
「ロジャー、そんなことはどうでも良い。さっさと仕事しろ」
と言いつつ、ロジャーを睨み据えるマクシミリアン。
ラキ(kz0002)は拠点作りの手伝いで来ていたが、二人の遣り取りを聞いて、楽しそうに笑っていた。
「マクシミリアンって真面目だね。ロジャーさんとは正反対」
「こらっ、ラキ。どういう意味だ?」
ロジャーはそう言いながらも、明るい笑みを浮かべ、指令室へと入っていく。
「これからルナルギャルド号は暗黒海域を進み、自由都市同盟へと戻る。全員、配置につけ」
艦内で出発の号令が響き、ルナルギャルド号は人魚の島を離れて、暗黒海域へと進む。
半日が過ぎた頃、それらは現れた。
「出たな。こっちにはハンターたちがいるんだ。貴様らに、大事な海は渡さないと言ったはずだぜ」
ロジャーは指令室から艦内へと伝達する。
「ヴォイドの残党が出現した。擬人型ヴォイドが4体、人魚や半漁人もいるようだが、あれは完全に歪虚化しちまってる。彼らを狂気の浸食から解放してやるには……残念だが、退治するしかない」
歪虚化した人魚たちは、生命体としてはすでに死んでいるのだ。その骸をヴォイドに利用されることが、人魚の長老クアルダには辛く哀しい現実だった。それ故、せめて仲間が救われるように退治して欲しい。
それが、クアルダの願いでもあった。
「同盟の海を守るのが、俺達の役目だ。ここで一気に蹴散らしてやるぜ」
ロジャーの呼びかけに、船上へと出るハンターたち。
人魚たちのためにも、暗黒海域から狂気ヴォイドの群れを一掃することが不可欠だった。
「拠点を完成させるためにも、ヴォイドなんかの邪魔はさせないからね」
ラキが拳を突き上げた。
リプレイ本文
同盟海軍の巨大戦艦ルナルギャルド号の指令室から、戦闘態勢の指示が出された。
「あたしは指令室に行くね!」
「分かりました。他のハンターさんたちにも連絡しておきます」
ラキ(kz0002)と談話していたアシェ-ル(ka2983)は、トランシーバーを使い、榊 兵庫(ka0010)と連絡を取ると、すぐに気持ちを切り替えて、船上へと駆けだした。
「これだけ備えがあれば、いざという時は身体を張って防御に徹することができるはずです」
武者甲冑「天目一箇」を纏ったアシェ-ルは、シールド「リパルション」を構えて、海中から船上へと飛んでくる矢を受け止めていた。歪虚人魚が弓で攻撃をしかけていたのだ。
輝羽・零次(ka5974)は船上に備え付けられていた救命用のロープをいつでも使用できるように、場所を確認しつつ、周囲の動向に注意を払っていた。
中型狂気の歪虚CAMは、船の前方に4体ほど目撃できたが、半漁人の群れは戦艦の右側面から乗り込んできていた。
船上では、直に戦いが始まっていた。
コーネリア・ミラ・スペンサー(ka4561)は戦馬に騎乗し、アサルトライフル「フロガピレイン」を構えて半漁人の群れに狙いを定めると『制圧射撃』で弾幕を張った。範囲内にいた半漁人たちは身動きができなくなり、行動不能となった。
「貴様らに相応しい制裁をしてやろう」
復讐に燃えるコーネリア。彼女にとって、歪虚は憎しみの対象だった。
「狂気の歪虚ってんなら、捨てておけねえな」
トリプルJ(ka6653)は事前に『野生の瞳』を発動させていたこともあり、半漁人に囲まれると素手で殴り飛ばした。その衝撃で、半漁人一匹が消滅していく。
「俺様でも、一発殴れば半漁人くらいはノックアウトだぜ」
とは言うものの、トリプルJはいつの日か、中型狂気と一対一で渡り合えるほどの強さを求めていた。
「くそっ、いつかは中型ともサシで戦えるくらい強くなってやるぜ」
敵の攻撃を回避しつつ、トリプルJは眼前にいる半漁人たちの戦いに専念していた。
「ルナルギャルド号に勝手に乗るなんて、許しませんから」
アシェ-ルは仲間を援護するため、魔法を発動させた。
「いきますよ。『極弩重雷撃砲』、くらいなさい!」
直線状に放たれた稲妻が、半漁人3匹を貫き、その反動で敵の身体が飛び散る様に消え去っていった。
「私も援護します」
沙織(ka5977)は魔導バイクを走らせ、戦艦に乗り込もうとする半漁人を狙い、カービン「ベンタロンVE3」で狙い撃った。命中してダメージを受けた半漁人は戦艦から落下し、海面に落ちる前に消滅した。
一方。船上の前方では、ブラスト(ka3423)の騎乗する魔導型デュミナス『フォルゴーレ』が試作型スラスターライフルで中型狂気の歪虚CAM1体を狙い撃つ。命中して敵にダメージを与えることができたが、他の中型狂気3体はフォルゴーレに接近していく。
「来たな。フォルゴーレ、いつも通りだ。頼むぜ」
ブラストは愛機フォルゴーレを操縦して、斬機刀「轟劾」で歪虚CAMの刀を受け流す。1体目は受けに成功したが、2体目、3体目の刀を受け流す時にフォルゴーレの胴部と腕を切り裂かれ、ダメージを受けてしまった。
「くっ、この船は……やらせん!」
ブラストは狂気ヴォイドとの戦いで散った仲間たちを思い出し、覚醒する。
右腕に稲妻のような光が宿り、右目も、気が付けば青白く輝いていた。
「死んだ仲間、今この世界で共に戦う仲間……あいつらの願いと、今を生きるこの世界を守るために、銃を取るだけだ」
間合いを取り、フォルゴーレはFCSを活用して試作型スラスターライフルで応戦する。
魔導型デュミナス『雷電』に騎乗した兵庫は、コックピット内部から外の様子を窺いながら、中型狂気の歪虚CAM4体のうち、ダメージを受けている敵に対して斬機刀「建御雷」を振り下ろす。
「接近戦に持ち込めたな」
そう兵庫が呟くと、歪虚CAM1体が粉々になって消滅していった。
海中からは歪虚人魚たちの歌声が響いていたが、ハンターたちは抵抗することができた。
だが、戦艦に乗っていた海軍の兵士たちの中には、歌声に耐え切れずに発狂する者たちがいた。
ラキとマクシミリアン・ヴァイス(kz0003)は、状態異常を回復するスキルが使えなかったため、彼らを取り押さえて、気絶させていた。
「歪虚人魚にも気を付けないといけませんね」
沙織は船上から海を見下ろし、海面から顔を出している歪虚人魚を見つけると、カービン「ベンタロンVE3」で確実に仕留めていく。
「狂気どもがっ、リアルブルーだけでは飽き足らず、クリムゾンウェストまで侵食しやがって、ふざけんなっ」
零次は魔導バイクで半漁人の群れに向かって駆り、接近すると蹴り飛ばした。
「まったくだぜ。狂気が相手なら、この俺様も引けないんだよっ」
トリプルJが魔導ワイヤー「フェッセルン」を唸らせ、半漁人を絡み取った。引き寄せようとしたが、他の半漁人たちがトリプルJに襲い掛かってきた。
「こうなったら、どうなろうと、やってやるぜ」
後衛にいる仲間たちを庇うため、トリプルJは必死に抵抗を試みる。だが、そのまま敵に押し倒されてしまい、戦艦の柵から落下していく。
水飛沫が上がり、海中に沈みかけるトリプルJ。周囲には歪虚人魚の群れが弓を構えて、矢を放ってきた。
「?!」
数本の矢が、トリプルJの身体に突き刺さり、血が滲み出した。
それでも尚、諦めずにトリプルJは海面に顔を出しながら、歪虚人魚に殴り掛かっていく。
「ただですむと思うなよっ」
その刹那、戦艦の柵からロープを伝って降りてくる者がいた。
零次は海面の上に浮かんでいた。アシェ-ルが『ウォーターウォーク』を施してくれたおかげだ。
「ここは俺が食い止める。あんたは今のうちに、戦艦に戻れ」
零次は命綱のロープを腰に巻いていたこともあり、バランスを取りながら『金剛』で自らの身体を頑健に特化させた。
万が一、嵐であったらウォーターウォークを使っても海面を歩くのは非常に難しいが、今回は比較的に穏やかな波だったこともあり、零次は海の上に立ち、浮かぶことができたのだ。
「てめえらごときに、引けをとってたまるかよっ!」
零次が歪虚人魚の群れと対戦している間に、トリプルJはワイヤーを柵に絡ませ、慎重に登っていく。
「助かったぜ、零次。ありがとよ」
トリプルJは身体中に矢が突き刺さったまま、船上へと辿り着くことができた。
「これくらい、どうってことないぜ」
自ら矢を抜き取ると、トリプルJは『マテリアルヒーリング』で生命力を回復させた。
「トリプルJさん、ご無事で何よりです」
アシェ-ルがシールド「リパルション」で、飛んでくる矢を払い除けていた。
「そろそろか……残りも、必ず倒してやるからな」
魔法の効果が切れる前に、零次はロープを辿って戦艦へと戻った。
●
「やはり戦艦を沈める気だな。だが、そうはさせん。意地でも、この船を落とさせるわけにはいかないんだよ。こいつもまた、この海の…希望の船なんでな」
ブラストはフォルゴーレのコックピット内部で歪虚CAMに照準を合わせ、試作型スラスターライフルで狙い撃った。その衝撃で、歪虚CAM一体が消滅していく。
「戦艦に被害がでれば、一大事だな」
雷電に騎乗した兵庫は、戦艦に被害が及ばないように接近戦に持ち込み、船の前方で歪虚CAMと刀の斬り合いをしていた。雷電の斬機刀「建御雷」による白刃の太刀で、歪虚CAM一体の胴部が切り裂かれ、触手のみが転がり落ちた。
「これがCAMと呼ばれているのは、耐えられません」
沙織がカービン「ベンタロンVE3」で触手を撃ち抜くと、それは粉々に消え去った。
「私の知るCAMとは、全くの別物……便宜上、歪虚CAMと呼ばれているようですが、CAMと呼称するには受け入れ難い個体ですね」
沙織は『機導の徒』で中型狂気を観察していたが、機械的な部分とは異なる箇所もあったため、これをCAMと呼ぶのは、沙織にはやはり抵抗があった。何故なら、CAMには思い入れがあるからだ。
「ここはブラストさんと榊さんに任せましょう」
沙織は銃弾をリロードしてから、魔導バイクに乗り、戦艦の後方へと移動した。まだ半漁人が残っていることもある。
歪虚CAMはアサルトライフルで戦艦の推進装置を狙い撃つが、その場所にはコーネリアがいた。
「狙いは分かっている。やはり、ここだったか」
コーネリアの指示で、海軍の兵士たちが盾を構えて陣取り、防御していたのだ。これが好機となり、敵の銃は兵士たちの盾に当たり、推進装置は無事に守られた。
「よっしゃぁぁぁ!」
兵士たちが歓喜の声をあげた。
雷電はアクティブスラスターを駆使して、戦艦の推進装置から少し離れた場所まで移動し、マシンガン「ラディーレン」で歪虚CAM一体を狙い、戦艦の外へと落とすように打ち砕いた。歪虚CAMは消滅して、海の藻屑と散った。
「歪虚人魚の動向が気になるな」
兵庫がコックピットから海を眺める。歪虚人魚たちが歌っているが、それは負の歌。
戦艦に乗り込んだ半漁人の群れは、コーネリアが『フォールシュート』で銃弾の雨を降らせ、敵を消滅させていた。
「……この世から消えるのが、貴様らには似合いだ」
強い眼差しのコーネリア。
「くたばれっ!」
零次の容赦ない『飛翔撃』が炸裂し、半漁人は吹き飛ばされ、消え去っていった。
「残りは、海にいる歪虚人魚か」
雷電に騎乗した兵庫は、ロングボウ「カルマール」で海面に浮かぶ歪虚人魚を狙い撃ち、消滅させていく。
「これも任務だ。全て始末しておく必要がある」
暗黒海域に蔓延る歪虚がいる限り、海に住む人魚たちは毎日のように不安な日々を送ることになる。
それだけは、なんとしてでも阻止さねばなるまい。
「海の泡となり、消えろ」
コーネリアは海面から姿を現した歪虚人魚を見つけると、アサルトライフル「フロガピレイン」を構え、頭部に狙いを定めて『高加速射撃』を放った。歪虚人魚が一匹、悲鳴をあげながら消え去っていく。
そして、フォルゴーレはブラストの操縦でアクティブスラスターを発動させると、戦艦の右側面へと移動し、スピアガン「エキーヌスU12」で歪虚人魚を一匹、消滅させた。
「予想以上に歪虚人魚が集まってきたな」
「だったら、まとめて片づけちゃいますからね」
アシェ-ルは船上から海に向かって『炎弾』を放った。桃色の球体が目標へと射出。
範囲内にいた歪虚人魚たちは爆発に巻き込まれ、奇声を発しながら一瞬にして消滅していく。凄まじい炎が上がるや否や、その場には何も残っていなかった。
「何事も、有言実行です。炎弾で攻撃して、船を防御する……やればできるんですから」
頬を両手で添えながら、何やら恥じらうアシェ-ルだった。
●
指令室にて。
「おかげで助かったぜ。推進装置が破壊されてたらと思うと、ゾッとするぜ」
ロジャー・ロルドが握手を求めるが、コーネリアは軽くあしらった。
「……礼など不要だ。私は依頼を遂行したまで……ただ、それだけだ」
そう言った後、コーネリアはその場から離れた。
「くー、また振られたぜ」
ロジャーはおどけた仕草で、両腕を広げた。
「またって、何度目なの?」
ラキの無邪気な質問に、ロジャーはワザとらしく両手で祈る。
「今回で百回目だぜ。次こそは、決めてやるのさ」
「……それよりも、自由都市同盟には無事に辿り着けそうなのか?」
マクシミリアンは、ロジャーの恋愛体験には興味がなかった。
「おまえなー、慰めの一つくらい言えんのか。……まあ、いい。ハンターたちのおかげで、戦艦もほぼ無傷だったから、予定通りに自由都市同盟に到着するぜ」
ロジャーは指令室から、兵士たちにも無事に到着する旨を報告した。
それを聞きつけたアシェ-ルが、指令室にやってきた。
「ラキさん、皆さんの会話、筒抜けでしたよ」
「えー、そうだったの。あたしは良いけどね」
ラキが面白そうに笑うと、ロジャーは回線のスイッチを切った。
「やっべー、スイッチがオンのままだったか。また、やっちまったぜ」
ロジャーはルナルギャルド号の副艦長だったが、気さくな性格だったせいか、海軍の兵士たちにも慕われていた。
アシェ-ルは、マクシミリアンたちの様子を見ながら、ラキに声をかけた。
「いつも、こんな雰囲気なんでしょうか?」
マクシミリアンは訓練場でも見かけるハンターだ。今回の依頼でアシェ-ルが挨拶した時、マクシミリアンは無言で頷いただけだった。
ラキがアシェ-ルの手を握った。
「マクシミリアンって誤解されがちだけど、根は優しい人だよ。単に感情表現が苦手なだけかも」
「そうなんですか。ロジャーさんの喜怒哀楽が激しいから、マクシミリアンさんの無表情が際立つんですよね」
アシェ-ルが微笑む。
「そうかもね。それはそれで、二人は仲良しだから、良いんじゃない?」
ラキが朗らかに笑った。
「仲が良いなら、幸いです」
アシェ-ルは楽しそうに笑っていた。
戦艦の設備に、魔導型デュミナスが並んで立っていた。
コックピットから降りたブラストは、愛機フォルゴーレを見上げていた。
「フォルゴーレの修理には少し時間がかかりそうだが、完全に直りそうだ。お前のおかげで、戦艦は無事だ」
ブラストは戦友たちを懐かしむように呟いた。
多くのものを失い、多くのものが犠牲になった。
過去を乗り越え、『今』を生きると決めたブラストは、この先も信念が揺らぐことはないだろう。
芯の強さは、仲間たちの支えがあったからに違いない……。
その頃。
トリプルJは、甲板の上に寝っ転がり、左手を空に向って掲げた。
「身体は重いし、空は青いし……マジ重力の底に居るんだなぁ。あー、早くどんな歪虚ともサシでやりあえるくらい強くなりたいぜ」
右手に持ったレザーハットで、自分の顔を隠すトリプルJ。
同行していたダックスフンドが、トリプルJの右腕に蹲っていた。
「よっ、相棒、食堂に行くか?」
トリプルJの呼び掛けに、ダックスフンドが一声、可愛らしく吠えた。
ルナルギャルド号には食堂だけなく、ハンター向けの個室もあった。
沙織と零次は、兵士たちに招かれて、食堂で食事をすることになった。
兵庫は個室で、窓から見える海を眺めながら、今後の行く末を思案していた。
……狂気は、蝕む。
改めて、そう痛感した。
コーネリアは、戦艦の後方に座り込み、想いを馳せた。
妹の無念を晴らすまで、コーネリアの歪虚に対する憎しみが消えることはないだろう。
狂気の歪虚は、リアルブルーにも出没し、クリムゾンウェストでは未だに歪虚の集団が人々を脅かしている。
いつ、終わるのだろう。
いつまで、続くのだろう。
それでも、日々、コーネリアは歪虚を狩り続けていくのだ。
それが彼女の宿命でもあり、道標でもあった。
墓標なのか、光なのか。
それを知る者は、まだいなかった。
「あたしは指令室に行くね!」
「分かりました。他のハンターさんたちにも連絡しておきます」
ラキ(kz0002)と談話していたアシェ-ル(ka2983)は、トランシーバーを使い、榊 兵庫(ka0010)と連絡を取ると、すぐに気持ちを切り替えて、船上へと駆けだした。
「これだけ備えがあれば、いざという時は身体を張って防御に徹することができるはずです」
武者甲冑「天目一箇」を纏ったアシェ-ルは、シールド「リパルション」を構えて、海中から船上へと飛んでくる矢を受け止めていた。歪虚人魚が弓で攻撃をしかけていたのだ。
輝羽・零次(ka5974)は船上に備え付けられていた救命用のロープをいつでも使用できるように、場所を確認しつつ、周囲の動向に注意を払っていた。
中型狂気の歪虚CAMは、船の前方に4体ほど目撃できたが、半漁人の群れは戦艦の右側面から乗り込んできていた。
船上では、直に戦いが始まっていた。
コーネリア・ミラ・スペンサー(ka4561)は戦馬に騎乗し、アサルトライフル「フロガピレイン」を構えて半漁人の群れに狙いを定めると『制圧射撃』で弾幕を張った。範囲内にいた半漁人たちは身動きができなくなり、行動不能となった。
「貴様らに相応しい制裁をしてやろう」
復讐に燃えるコーネリア。彼女にとって、歪虚は憎しみの対象だった。
「狂気の歪虚ってんなら、捨てておけねえな」
トリプルJ(ka6653)は事前に『野生の瞳』を発動させていたこともあり、半漁人に囲まれると素手で殴り飛ばした。その衝撃で、半漁人一匹が消滅していく。
「俺様でも、一発殴れば半漁人くらいはノックアウトだぜ」
とは言うものの、トリプルJはいつの日か、中型狂気と一対一で渡り合えるほどの強さを求めていた。
「くそっ、いつかは中型ともサシで戦えるくらい強くなってやるぜ」
敵の攻撃を回避しつつ、トリプルJは眼前にいる半漁人たちの戦いに専念していた。
「ルナルギャルド号に勝手に乗るなんて、許しませんから」
アシェ-ルは仲間を援護するため、魔法を発動させた。
「いきますよ。『極弩重雷撃砲』、くらいなさい!」
直線状に放たれた稲妻が、半漁人3匹を貫き、その反動で敵の身体が飛び散る様に消え去っていった。
「私も援護します」
沙織(ka5977)は魔導バイクを走らせ、戦艦に乗り込もうとする半漁人を狙い、カービン「ベンタロンVE3」で狙い撃った。命中してダメージを受けた半漁人は戦艦から落下し、海面に落ちる前に消滅した。
一方。船上の前方では、ブラスト(ka3423)の騎乗する魔導型デュミナス『フォルゴーレ』が試作型スラスターライフルで中型狂気の歪虚CAM1体を狙い撃つ。命中して敵にダメージを与えることができたが、他の中型狂気3体はフォルゴーレに接近していく。
「来たな。フォルゴーレ、いつも通りだ。頼むぜ」
ブラストは愛機フォルゴーレを操縦して、斬機刀「轟劾」で歪虚CAMの刀を受け流す。1体目は受けに成功したが、2体目、3体目の刀を受け流す時にフォルゴーレの胴部と腕を切り裂かれ、ダメージを受けてしまった。
「くっ、この船は……やらせん!」
ブラストは狂気ヴォイドとの戦いで散った仲間たちを思い出し、覚醒する。
右腕に稲妻のような光が宿り、右目も、気が付けば青白く輝いていた。
「死んだ仲間、今この世界で共に戦う仲間……あいつらの願いと、今を生きるこの世界を守るために、銃を取るだけだ」
間合いを取り、フォルゴーレはFCSを活用して試作型スラスターライフルで応戦する。
魔導型デュミナス『雷電』に騎乗した兵庫は、コックピット内部から外の様子を窺いながら、中型狂気の歪虚CAM4体のうち、ダメージを受けている敵に対して斬機刀「建御雷」を振り下ろす。
「接近戦に持ち込めたな」
そう兵庫が呟くと、歪虚CAM1体が粉々になって消滅していった。
海中からは歪虚人魚たちの歌声が響いていたが、ハンターたちは抵抗することができた。
だが、戦艦に乗っていた海軍の兵士たちの中には、歌声に耐え切れずに発狂する者たちがいた。
ラキとマクシミリアン・ヴァイス(kz0003)は、状態異常を回復するスキルが使えなかったため、彼らを取り押さえて、気絶させていた。
「歪虚人魚にも気を付けないといけませんね」
沙織は船上から海を見下ろし、海面から顔を出している歪虚人魚を見つけると、カービン「ベンタロンVE3」で確実に仕留めていく。
「狂気どもがっ、リアルブルーだけでは飽き足らず、クリムゾンウェストまで侵食しやがって、ふざけんなっ」
零次は魔導バイクで半漁人の群れに向かって駆り、接近すると蹴り飛ばした。
「まったくだぜ。狂気が相手なら、この俺様も引けないんだよっ」
トリプルJが魔導ワイヤー「フェッセルン」を唸らせ、半漁人を絡み取った。引き寄せようとしたが、他の半漁人たちがトリプルJに襲い掛かってきた。
「こうなったら、どうなろうと、やってやるぜ」
後衛にいる仲間たちを庇うため、トリプルJは必死に抵抗を試みる。だが、そのまま敵に押し倒されてしまい、戦艦の柵から落下していく。
水飛沫が上がり、海中に沈みかけるトリプルJ。周囲には歪虚人魚の群れが弓を構えて、矢を放ってきた。
「?!」
数本の矢が、トリプルJの身体に突き刺さり、血が滲み出した。
それでも尚、諦めずにトリプルJは海面に顔を出しながら、歪虚人魚に殴り掛かっていく。
「ただですむと思うなよっ」
その刹那、戦艦の柵からロープを伝って降りてくる者がいた。
零次は海面の上に浮かんでいた。アシェ-ルが『ウォーターウォーク』を施してくれたおかげだ。
「ここは俺が食い止める。あんたは今のうちに、戦艦に戻れ」
零次は命綱のロープを腰に巻いていたこともあり、バランスを取りながら『金剛』で自らの身体を頑健に特化させた。
万が一、嵐であったらウォーターウォークを使っても海面を歩くのは非常に難しいが、今回は比較的に穏やかな波だったこともあり、零次は海の上に立ち、浮かぶことができたのだ。
「てめえらごときに、引けをとってたまるかよっ!」
零次が歪虚人魚の群れと対戦している間に、トリプルJはワイヤーを柵に絡ませ、慎重に登っていく。
「助かったぜ、零次。ありがとよ」
トリプルJは身体中に矢が突き刺さったまま、船上へと辿り着くことができた。
「これくらい、どうってことないぜ」
自ら矢を抜き取ると、トリプルJは『マテリアルヒーリング』で生命力を回復させた。
「トリプルJさん、ご無事で何よりです」
アシェ-ルがシールド「リパルション」で、飛んでくる矢を払い除けていた。
「そろそろか……残りも、必ず倒してやるからな」
魔法の効果が切れる前に、零次はロープを辿って戦艦へと戻った。
●
「やはり戦艦を沈める気だな。だが、そうはさせん。意地でも、この船を落とさせるわけにはいかないんだよ。こいつもまた、この海の…希望の船なんでな」
ブラストはフォルゴーレのコックピット内部で歪虚CAMに照準を合わせ、試作型スラスターライフルで狙い撃った。その衝撃で、歪虚CAM一体が消滅していく。
「戦艦に被害がでれば、一大事だな」
雷電に騎乗した兵庫は、戦艦に被害が及ばないように接近戦に持ち込み、船の前方で歪虚CAMと刀の斬り合いをしていた。雷電の斬機刀「建御雷」による白刃の太刀で、歪虚CAM一体の胴部が切り裂かれ、触手のみが転がり落ちた。
「これがCAMと呼ばれているのは、耐えられません」
沙織がカービン「ベンタロンVE3」で触手を撃ち抜くと、それは粉々に消え去った。
「私の知るCAMとは、全くの別物……便宜上、歪虚CAMと呼ばれているようですが、CAMと呼称するには受け入れ難い個体ですね」
沙織は『機導の徒』で中型狂気を観察していたが、機械的な部分とは異なる箇所もあったため、これをCAMと呼ぶのは、沙織にはやはり抵抗があった。何故なら、CAMには思い入れがあるからだ。
「ここはブラストさんと榊さんに任せましょう」
沙織は銃弾をリロードしてから、魔導バイクに乗り、戦艦の後方へと移動した。まだ半漁人が残っていることもある。
歪虚CAMはアサルトライフルで戦艦の推進装置を狙い撃つが、その場所にはコーネリアがいた。
「狙いは分かっている。やはり、ここだったか」
コーネリアの指示で、海軍の兵士たちが盾を構えて陣取り、防御していたのだ。これが好機となり、敵の銃は兵士たちの盾に当たり、推進装置は無事に守られた。
「よっしゃぁぁぁ!」
兵士たちが歓喜の声をあげた。
雷電はアクティブスラスターを駆使して、戦艦の推進装置から少し離れた場所まで移動し、マシンガン「ラディーレン」で歪虚CAM一体を狙い、戦艦の外へと落とすように打ち砕いた。歪虚CAMは消滅して、海の藻屑と散った。
「歪虚人魚の動向が気になるな」
兵庫がコックピットから海を眺める。歪虚人魚たちが歌っているが、それは負の歌。
戦艦に乗り込んだ半漁人の群れは、コーネリアが『フォールシュート』で銃弾の雨を降らせ、敵を消滅させていた。
「……この世から消えるのが、貴様らには似合いだ」
強い眼差しのコーネリア。
「くたばれっ!」
零次の容赦ない『飛翔撃』が炸裂し、半漁人は吹き飛ばされ、消え去っていった。
「残りは、海にいる歪虚人魚か」
雷電に騎乗した兵庫は、ロングボウ「カルマール」で海面に浮かぶ歪虚人魚を狙い撃ち、消滅させていく。
「これも任務だ。全て始末しておく必要がある」
暗黒海域に蔓延る歪虚がいる限り、海に住む人魚たちは毎日のように不安な日々を送ることになる。
それだけは、なんとしてでも阻止さねばなるまい。
「海の泡となり、消えろ」
コーネリアは海面から姿を現した歪虚人魚を見つけると、アサルトライフル「フロガピレイン」を構え、頭部に狙いを定めて『高加速射撃』を放った。歪虚人魚が一匹、悲鳴をあげながら消え去っていく。
そして、フォルゴーレはブラストの操縦でアクティブスラスターを発動させると、戦艦の右側面へと移動し、スピアガン「エキーヌスU12」で歪虚人魚を一匹、消滅させた。
「予想以上に歪虚人魚が集まってきたな」
「だったら、まとめて片づけちゃいますからね」
アシェ-ルは船上から海に向かって『炎弾』を放った。桃色の球体が目標へと射出。
範囲内にいた歪虚人魚たちは爆発に巻き込まれ、奇声を発しながら一瞬にして消滅していく。凄まじい炎が上がるや否や、その場には何も残っていなかった。
「何事も、有言実行です。炎弾で攻撃して、船を防御する……やればできるんですから」
頬を両手で添えながら、何やら恥じらうアシェ-ルだった。
●
指令室にて。
「おかげで助かったぜ。推進装置が破壊されてたらと思うと、ゾッとするぜ」
ロジャー・ロルドが握手を求めるが、コーネリアは軽くあしらった。
「……礼など不要だ。私は依頼を遂行したまで……ただ、それだけだ」
そう言った後、コーネリアはその場から離れた。
「くー、また振られたぜ」
ロジャーはおどけた仕草で、両腕を広げた。
「またって、何度目なの?」
ラキの無邪気な質問に、ロジャーはワザとらしく両手で祈る。
「今回で百回目だぜ。次こそは、決めてやるのさ」
「……それよりも、自由都市同盟には無事に辿り着けそうなのか?」
マクシミリアンは、ロジャーの恋愛体験には興味がなかった。
「おまえなー、慰めの一つくらい言えんのか。……まあ、いい。ハンターたちのおかげで、戦艦もほぼ無傷だったから、予定通りに自由都市同盟に到着するぜ」
ロジャーは指令室から、兵士たちにも無事に到着する旨を報告した。
それを聞きつけたアシェ-ルが、指令室にやってきた。
「ラキさん、皆さんの会話、筒抜けでしたよ」
「えー、そうだったの。あたしは良いけどね」
ラキが面白そうに笑うと、ロジャーは回線のスイッチを切った。
「やっべー、スイッチがオンのままだったか。また、やっちまったぜ」
ロジャーはルナルギャルド号の副艦長だったが、気さくな性格だったせいか、海軍の兵士たちにも慕われていた。
アシェ-ルは、マクシミリアンたちの様子を見ながら、ラキに声をかけた。
「いつも、こんな雰囲気なんでしょうか?」
マクシミリアンは訓練場でも見かけるハンターだ。今回の依頼でアシェ-ルが挨拶した時、マクシミリアンは無言で頷いただけだった。
ラキがアシェ-ルの手を握った。
「マクシミリアンって誤解されがちだけど、根は優しい人だよ。単に感情表現が苦手なだけかも」
「そうなんですか。ロジャーさんの喜怒哀楽が激しいから、マクシミリアンさんの無表情が際立つんですよね」
アシェ-ルが微笑む。
「そうかもね。それはそれで、二人は仲良しだから、良いんじゃない?」
ラキが朗らかに笑った。
「仲が良いなら、幸いです」
アシェ-ルは楽しそうに笑っていた。
戦艦の設備に、魔導型デュミナスが並んで立っていた。
コックピットから降りたブラストは、愛機フォルゴーレを見上げていた。
「フォルゴーレの修理には少し時間がかかりそうだが、完全に直りそうだ。お前のおかげで、戦艦は無事だ」
ブラストは戦友たちを懐かしむように呟いた。
多くのものを失い、多くのものが犠牲になった。
過去を乗り越え、『今』を生きると決めたブラストは、この先も信念が揺らぐことはないだろう。
芯の強さは、仲間たちの支えがあったからに違いない……。
その頃。
トリプルJは、甲板の上に寝っ転がり、左手を空に向って掲げた。
「身体は重いし、空は青いし……マジ重力の底に居るんだなぁ。あー、早くどんな歪虚ともサシでやりあえるくらい強くなりたいぜ」
右手に持ったレザーハットで、自分の顔を隠すトリプルJ。
同行していたダックスフンドが、トリプルJの右腕に蹲っていた。
「よっ、相棒、食堂に行くか?」
トリプルJの呼び掛けに、ダックスフンドが一声、可愛らしく吠えた。
ルナルギャルド号には食堂だけなく、ハンター向けの個室もあった。
沙織と零次は、兵士たちに招かれて、食堂で食事をすることになった。
兵庫は個室で、窓から見える海を眺めながら、今後の行く末を思案していた。
……狂気は、蝕む。
改めて、そう痛感した。
コーネリアは、戦艦の後方に座り込み、想いを馳せた。
妹の無念を晴らすまで、コーネリアの歪虚に対する憎しみが消えることはないだろう。
狂気の歪虚は、リアルブルーにも出没し、クリムゾンウェストでは未だに歪虚の集団が人々を脅かしている。
いつ、終わるのだろう。
いつまで、続くのだろう。
それでも、日々、コーネリアは歪虚を狩り続けていくのだ。
それが彼女の宿命でもあり、道標でもあった。
墓標なのか、光なのか。
それを知る者は、まだいなかった。
依頼結果
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マテリアルリンク参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談卓 ブラスト(ka3423) 人間(リアルブルー)|32才|男性|猟撃士(イェーガー) |
最終発言 2016/12/14 08:32:14 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/12/10 19:19:06 |