ゲスト
(ka0000)
【魔装】女将軍と危ない温泉
マスター:赤山優牙

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 易しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~6人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2016/12/15 19:00
- 完成日
- 2016/12/19 01:14
このシナリオは5日間納期が延長されています。
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
※このシナリオは案件度が高く設定されています。キャラクターの心身に対し深いダメージや、場合によっては、黒歴史により重体判定が下される可能性があります。
シナリオに参加された時点で、上記については大歓迎で了承されたものとして扱わせていただきます。
●女将軍、グラズヘイム王国へ
黒大公ベリアルとその軍団との戦いは、新たな戦を予感させるものでもあった。
もちろん、戦にならなければ良いが、いつかは決着をつけなくてはならないものでもある。特に、傲慢の歪虚に奪われたイスルダ島の奪還は王国にとって悲願なのだから。
「……という事で、エトファリカ連邦国八代目征夷大将軍からの命で、しばらく、西方にお邪魔するね」
爽やかな笑顔の鳴月 牡丹(kz0180)が、先日、別れたばかりの紡伎 希(kz0174)の前に現われた。
天ノ都から赤き大地ホープを目指す遠征は終わった。
征西部隊専属のハンターズソサエティ受付嬢(見習い)だった希も、部隊の解散と共に専属契約が切れ、牡丹とも別れたのだ。
「なぜ、私なのでしょうか?」
「さぁ?」
冷淡とした希の問いに牡丹は両肩を竦めてみせた。
歪虚勢力によって、東方は長い間、西方圏から孤立していた。文化の違いは元々はあっただろうが、技術的な所では差が生じている。
それは機導術だけではなく、最近になって技術進歩が見られる刻令術も同様だ。
あるいは、“戦”そのものについても……なので、牡丹が西方世界に派遣されたようだ。
「まぁ、多分、僕の事をよく知っている受付嬢が、たまたま、ノゾミ君しか居なかったという事だね」
「……問題を起こさなければ良いですけど。それで、王国内を見て回られるという事でよろしいでしょうか?」
「あぁ、そうだね。どうせなら、歪虚とか亜人とかがいっぱいいる所がいいな!」
嬉しそうに身体を揺らす牡丹。
同時に、巨大なまでに実った膨らみがたゆんたゆんと揺れる。
「行きませんよ。他国の武将が領地内で好き勝手に行動するのは、絶対良くないですので」
「ノゾミ君のケチ!」
「前屈みになって可愛らしく言っても、ダメなものはダメです!」
大渓谷かと思う谷間を睨んで、希は厳しく言う。
女将軍と言われる程の猛者に万が一があるとは思えないが、やはり、外交上という事があるのは事実だ。
「それじゃさ、どうするのさ?」
「王国領地内の視察に行く際は、護衛を雇いましょう……模擬戦もダメですよ」
念には念を入れる希の言葉に牡丹は不満そうに頬を膨らませた。
つまらない雰囲気で、王国内の観光パンフレットをパラパラと捲りだす。
王都、港町、古都、砦……色々と観るべき場所はあるだろう――と、牡丹の手があるページで止まる。
「ノゾミ君、最初に、行きたい場所あったよ」
キリっとした視線を希に向ける牡丹。
溢れるばかりの闘争心で歪虚という歪虚を粉砕してきた女将軍が希望する王国領内の初めての視察場所は――。
●レタニケ領
「牡丹様、普通、視察と言ったら、一番最初に王都からじゃないのですか?」
希の声が山裾に響いた。
ここは、大峡谷周辺の荒野地帯であるアスランド地方と、北西の平原地帯アルテリア地方が重なる王国北西部である。。
「既に使者が行ってるから良いんだよ。皆、忙しい事だしさ。それにしても、本当に田舎だねー」
見渡す限り自然の景色が広がっていた。
目指す場所は、レタニケ領。街道が通る一つの街といくつかの村や集落がある小さい領地だ。レフェタルニーケフという貴族が治めている。
「東方は人里離れると歪虚汚染されている場所も多いと聞きますが?」
「そうだね。憤怒歪虚の支配地域は、自然のマテリアルすらないから、田舎どころじゃないね」
胸を広げ深呼吸をする牡丹。
自然豊かなのはマテリアルが豊かだからだと思う。いつか、故郷にも、こんな緑は戻るのだろうか。
「領主様にはお会いになりますか?」
一応、知らせは行っているはずだが、大事になるのは避けたい所。希が遠慮気味に牡丹へと尋ねた。
「全然興味ないし」
「即答ですか」
目的は、レタニケ領の北部に広がる温泉地帯。
なかなか良い鉱泉が湧き出るという噂だ。
「あれかな?」
牡丹は手をかざす。
山裾に湯気がもうもうと上がっていた。
「そういえば、牡丹様。水着はお持ちになりましたか?」
「え? 裸はダメなの?」
驚いた顔で返す牡丹。
折角の温泉なのに、水着着用だというのか。
「諸事情というものがあるようです」
どうやら、水着がないと入れないという大人的な事情があるようだ。
ここでゴネても仕方ないと牡丹はため息をつく。
「まぁ、護衛もいる事だしねぇ」
振り返ると護衛として同行しているハンター達の姿が見えた。
●危ない温泉
桜型妖精アリスの姿に似ているが、それは歪虚であった。
薄いピンク色の髪と瞳、可愛らしい少女の顔立ちをしている。
「このままでは、ダメなのですよぉ~」
間延びした声が響いた。
眼下には湯煙の温泉。
「魅力的な姿を撮って参考にしようと思ったら……湯気で何も見えないのですぅ~」
傲慢――アイテルカイト――に属しているこの歪虚の名はアリトゥス。
今は、王国内に潜伏を続けている歪虚ネル・ベルの配下の一人だ。
「姿を参考にして、究極の美体が欲しいのに、残念ですぅ~」
人間は大した事はないが、その部分パーツでは傲慢より優れている場所もあるとアリトゥスは考えていた。
やがて、自分自身が、究極の美となり――偉大なる方の傍に居られればと思う。
その為には王国内で密かに活動を続けているという歪虚の元で、まずはしっかり下積みだ。
「……そっか、私が行かなくてもいいんだぁ」
ふわふわと舞いながら負のマテリアルを練る。
下僕にやらせればいいのだ。その情報を集めればいい。人間を殺さなくて済むので、無駄に騒ぎを起こさないようにとネル・ベルからの命令も守る事ができる。
幾つもの水滴が、まるで、意思を持ったように、蠢き始めた――。
シナリオに参加された時点で、上記については大歓迎で了承されたものとして扱わせていただきます。
●女将軍、グラズヘイム王国へ
黒大公ベリアルとその軍団との戦いは、新たな戦を予感させるものでもあった。
もちろん、戦にならなければ良いが、いつかは決着をつけなくてはならないものでもある。特に、傲慢の歪虚に奪われたイスルダ島の奪還は王国にとって悲願なのだから。
「……という事で、エトファリカ連邦国八代目征夷大将軍からの命で、しばらく、西方にお邪魔するね」
爽やかな笑顔の鳴月 牡丹(kz0180)が、先日、別れたばかりの紡伎 希(kz0174)の前に現われた。
天ノ都から赤き大地ホープを目指す遠征は終わった。
征西部隊専属のハンターズソサエティ受付嬢(見習い)だった希も、部隊の解散と共に専属契約が切れ、牡丹とも別れたのだ。
「なぜ、私なのでしょうか?」
「さぁ?」
冷淡とした希の問いに牡丹は両肩を竦めてみせた。
歪虚勢力によって、東方は長い間、西方圏から孤立していた。文化の違いは元々はあっただろうが、技術的な所では差が生じている。
それは機導術だけではなく、最近になって技術進歩が見られる刻令術も同様だ。
あるいは、“戦”そのものについても……なので、牡丹が西方世界に派遣されたようだ。
「まぁ、多分、僕の事をよく知っている受付嬢が、たまたま、ノゾミ君しか居なかったという事だね」
「……問題を起こさなければ良いですけど。それで、王国内を見て回られるという事でよろしいでしょうか?」
「あぁ、そうだね。どうせなら、歪虚とか亜人とかがいっぱいいる所がいいな!」
嬉しそうに身体を揺らす牡丹。
同時に、巨大なまでに実った膨らみがたゆんたゆんと揺れる。
「行きませんよ。他国の武将が領地内で好き勝手に行動するのは、絶対良くないですので」
「ノゾミ君のケチ!」
「前屈みになって可愛らしく言っても、ダメなものはダメです!」
大渓谷かと思う谷間を睨んで、希は厳しく言う。
女将軍と言われる程の猛者に万が一があるとは思えないが、やはり、外交上という事があるのは事実だ。
「それじゃさ、どうするのさ?」
「王国領地内の視察に行く際は、護衛を雇いましょう……模擬戦もダメですよ」
念には念を入れる希の言葉に牡丹は不満そうに頬を膨らませた。
つまらない雰囲気で、王国内の観光パンフレットをパラパラと捲りだす。
王都、港町、古都、砦……色々と観るべき場所はあるだろう――と、牡丹の手があるページで止まる。
「ノゾミ君、最初に、行きたい場所あったよ」
キリっとした視線を希に向ける牡丹。
溢れるばかりの闘争心で歪虚という歪虚を粉砕してきた女将軍が希望する王国領内の初めての視察場所は――。
●レタニケ領
「牡丹様、普通、視察と言ったら、一番最初に王都からじゃないのですか?」
希の声が山裾に響いた。
ここは、大峡谷周辺の荒野地帯であるアスランド地方と、北西の平原地帯アルテリア地方が重なる王国北西部である。。
「既に使者が行ってるから良いんだよ。皆、忙しい事だしさ。それにしても、本当に田舎だねー」
見渡す限り自然の景色が広がっていた。
目指す場所は、レタニケ領。街道が通る一つの街といくつかの村や集落がある小さい領地だ。レフェタルニーケフという貴族が治めている。
「東方は人里離れると歪虚汚染されている場所も多いと聞きますが?」
「そうだね。憤怒歪虚の支配地域は、自然のマテリアルすらないから、田舎どころじゃないね」
胸を広げ深呼吸をする牡丹。
自然豊かなのはマテリアルが豊かだからだと思う。いつか、故郷にも、こんな緑は戻るのだろうか。
「領主様にはお会いになりますか?」
一応、知らせは行っているはずだが、大事になるのは避けたい所。希が遠慮気味に牡丹へと尋ねた。
「全然興味ないし」
「即答ですか」
目的は、レタニケ領の北部に広がる温泉地帯。
なかなか良い鉱泉が湧き出るという噂だ。
「あれかな?」
牡丹は手をかざす。
山裾に湯気がもうもうと上がっていた。
「そういえば、牡丹様。水着はお持ちになりましたか?」
「え? 裸はダメなの?」
驚いた顔で返す牡丹。
折角の温泉なのに、水着着用だというのか。
「諸事情というものがあるようです」
どうやら、水着がないと入れないという大人的な事情があるようだ。
ここでゴネても仕方ないと牡丹はため息をつく。
「まぁ、護衛もいる事だしねぇ」
振り返ると護衛として同行しているハンター達の姿が見えた。
●危ない温泉
桜型妖精アリスの姿に似ているが、それは歪虚であった。
薄いピンク色の髪と瞳、可愛らしい少女の顔立ちをしている。
「このままでは、ダメなのですよぉ~」
間延びした声が響いた。
眼下には湯煙の温泉。
「魅力的な姿を撮って参考にしようと思ったら……湯気で何も見えないのですぅ~」
傲慢――アイテルカイト――に属しているこの歪虚の名はアリトゥス。
今は、王国内に潜伏を続けている歪虚ネル・ベルの配下の一人だ。
「姿を参考にして、究極の美体が欲しいのに、残念ですぅ~」
人間は大した事はないが、その部分パーツでは傲慢より優れている場所もあるとアリトゥスは考えていた。
やがて、自分自身が、究極の美となり――偉大なる方の傍に居られればと思う。
その為には王国内で密かに活動を続けているという歪虚の元で、まずはしっかり下積みだ。
「……そっか、私が行かなくてもいいんだぁ」
ふわふわと舞いながら負のマテリアルを練る。
下僕にやらせればいいのだ。その情報を集めればいい。人間を殺さなくて済むので、無駄に騒ぎを起こさないようにとネル・ベルからの命令も守る事ができる。
幾つもの水滴が、まるで、意思を持ったように、蠢き始めた――。
リプレイ本文
●入浴しやがるのです
山裾を降りてくる風は身を切るように冷たいというのに、温泉は湯煙で包まれ、穏やかな雰囲気が漂っている。
「この格好じゃ、風情もねえけどな」
“山”と威風堂々と前垂れに描かれた褌姿の歩夢(ka5975)が呟いた。
同行している面々は彼以外、全員が女性。この状況を羨まない健全な男子は、きっと居ないはずだ。
(露骨に、見ない様に心がけよう……)
そうは言っても、どうしても視界の中に誰かしらの姿が入ってしまう。
(無心だ……無心になるんだ、俺。どっちみち水着着てるんだし)
この温泉は水着着用の事。
といっても刺激的な光景なのは間違いない。
洗い場では、ライラ = リューンベリ(ka5507)が鳴月 牡丹(kz0180)の身体を洗っていた。
「お嬢様の御背中もいつも洗っておりますし、侍女のお仕事ですわ」
「いやー。助かるよー。ノゾミ君はやってくれないからね」
完全リラックスモードの牡丹が、成すがままにライラに現れている。
「牡丹様の肌、素敵ですわ……肌を傷つけない様に、手で洗って差し上げますね」
自身の身体を背中に押し付け、牡丹の肌を優しく撫でるように滑らせていく。
「あははは。くすぐったいよー」
「我慢して下さいね」
水着を少し浮かし、お湯で丁寧に洗い流す。
豊満な二つの頂きを触りたい放題だ! 触りたいHOUDAI!
女将軍のくすぐったそうな笑い声が響き、アルラウネ(ka4841)がため息をついた。
「温泉って、何事もなく入浴できた記憶が無いのよね~」
辺境の温泉での事を思い出す――きっと、今日は大丈夫。だって、恋人は同行していないから。
ラキスケ的なそんな何か、起こるはずがないというものだ(フラグ)。
「のんびりと温泉を堪能できればいいのだ」
イレーヌ(ka1372)がアルラウネの肩に手を回したまま、そんな言葉を口にした。
「この手が、なにか、怖いけど」
「湯煙が濃いからな。必要なら首輪するか」
どんな話しだとアルラウネは心の中で思いながら、視線を紡伎 希(kz0174)へと向けた。
「ノゾミちゃん、大きくなった?」
「ほ、本当ですか!?」
希が急に目を輝かせて、自分の胸に手を当てる。
その肢体を舐め回すようにじっくりとイレーヌは観察した。
「形が良いね」
胸だけではなく体全体のバランスも良い。あれは、育てば美味しい子になるだろう。
「さて、そろそろ、牡丹も洗い場から帰ってくるし、一杯やろうか」
どこからともなく取り出したのは、ドワーフ王の名がついた辛口の純米酒。
その一升瓶に、穏やかな表情で入浴していた聖職者にあるまじき虎柄ビキニ姿のシレークス(ka0752)がハッとする。この流れはアカン……一番危ない。
「ぜってーだめでs」
止めようとして足を滑らせるシレークス。豪快に湯船に突っ込む。
なんで滑ってしまったのかとか冷静に考える暇もなく、慌てて立ち上がるも時、既に遅し。
「美味しいですね!」
艶っぽい表情で純米酒を嗜むように(自称)飲むサクラ・エルフリード(ka2598)の姿。
「なに、飲んでるのです! ぜってーダメなのです!」
「大丈夫だよ。嗜む程度だから」
温泉の為か酔いが早いのかもしれないが、既に脱衣癖が現れているようで、自分の水着に手を伸ばす。
水着を脱いだら、それは、もう、防御力もなにもない。というか、脱いだらダメ。折角、白の極小ビキニなのに。
「温泉、出来れば水着なしで入りたかったですし」
「水着を脱いだらダメなのです!」
既に……危険な雰囲気の中……それは、忍び寄ってきていた。
●お風呂で飲酒は危険です(二重の意味で)
「折角のんびり入浴と思ったのに、これはいったい何事でやがりますか!?」
まさか、お酒が出てくるとは想定していなかっただけに、ここから不安なシレークスの言葉。
飲んでなくとも、最近、お風呂でちょっと危うい事になったばかりというのに、お酒が入ったら、これは、もう危険だ。揉み合っている所を見られたどころでは収まらない可能性大だ。
脇腹をゾゾゾと撫でられるような感触に、ほろ酔い(自称)のサクラの言葉。
「シレークスさん、そういう悪戯は……」
さすがにこの状態で、なぜ、自分が疑われるのかと、半ギレで返すシレークス。
「なに酔ってるのです。なにもしてねーですよ」
「ぇ、何もしてないんですか……? なら、一体誰が……」
キョトンと見つめ合う二人。
湯煙が激しくなり、ついさっきまで居た仲間らも姿が見えない。
となると、この感触は――湯船に手を突っ込み、ナニかを掴むと引き上げる。
「何でこんな所に雑魔が……?」
微かに負のマテリアルを感じるソレは、切れ端となったロープみたいなナニかだった。
ギュッと握りつぶすとあっけなく破裂して消滅したが、同時に、白濁液を周囲に撒き散らす。
「……何処にいるか分からないのが困った点ですね。強くはないようですけど……」
「なに、冷静に分析してやがるのです」
白濁液まみれになったシレークスの顔は怒りに満ちていた。
「この腐れ(ぴー)共!! わたくしの休息を邪魔しやがった事、後悔させてやがりますよ、あ"ぁ"っ!?」
そんな聖職者の叫び声が響くと同時に、雑魔の襲撃が本格化した。
握り潰せば(白濁液を撒き散らしながら)倒せる。
が、分かっていても、無数とも言える雑魔が全身を這い回るのだ。対処するにも限界があるというもの。
「サクラ、暴れると変なところを掴み……あ~その心配は無用ですね」
「今、サラリと酷い事言いましたねって! ちょ、何処に入って……あぁ……く、そ、そんな所、吸わないで下さい」
悶えるように体をくねらせるサクラを助けようと、シレークスは手を伸ばしたが、底で雑魔を踏み潰したのか、滑ってバランスを崩す。
覆い被さるように倒れてくるシレークスを、サクラが抑える――両手で今にも噴火しそうな双山を。
「くぉら、サクラ! おめーと違って、わたくしは掴めるんだから間違うんじゃねぇです!」
「いや、この感触も絶対、雑魔です!」
「だ、だから、間違うんじゃ……あっ! や、やめるのですっ」
サクラが執拗に揉み繰り返す。
めくるめくアンナソンナ風景が展開されそうになったまさにその時、なんとか、シレークスがサクラを離した。
「いい加減にせぇやぁ!」
湯桶を使ってどんどん湯を掻き出していくシレークス。
床にぶちまけられると、当然のように雑魔だけが流れ残る――あとはそれを踏み潰すだけだ。
●これが、健全な男子の健全な反応(多分)
湯煙の中、歓声なのか悲鳴なのか、なんとも言い難い様相で、歩夢は困っていた。
「雑魔という事ですか!」
ならば、護衛としての役目を果たさなければならない!(超使命)
視界が悪いので、あんまりよく見えないのが逆になんだか、エロいのは言うまでも無かった。
だって、あんな所とかこんな所が、絶妙に湯気に隠れているのだから。水着を着ているって雰囲気じゃない。
「お、おぉう!?」
褌の中が、生暖かい……これは、この感触は、なんだ!
雑魔が入り込んでいるのは分かった。気持ち悪いはずなのに、この感触は、なんだ!(大事な事なので)
たかが、雑魔如きにと前屈みなった歩夢の正面に、これまた凄い風景が広がっていた。
「ああ……そこは、いけませんわ。やっ、も、動かないっ……っ……ぁっ」
どうしてそうなったのか、雑魔によって、両手が腰の後ろに拘束されているライラ。
その為、ライラの身体を堪能――ではなく、救助しているのは牡丹だった。
「ふーん。これぐらいで音を上げるだなんて、ライラ君は、意外と押しに弱いね」
「そんな事……あん……お嬢様に、お嬢様に怒られてしまいます………」
ライラと牡丹の二人が絡み合っていた(歩夢視線)。
身体を這い回る雑魔を握り潰しては白濁液に汚されていく二人。
牡丹の手がライラの顔、首と撫で(ながら、雑魔を握り潰し、ライラの口元に白濁液がねっとりと付着する)、鎖骨から胸へと伸びる。対して、ライラの手も牡丹の脇腹から割れた腹筋を辿りながら、重量感のある胸へと至る。
「牡丹様も、すべすべで、すてきですよ」
「ライラ君も、女の子って感じがして、僕は好きだな」
目の前で繰り広げられる光景に歩夢は生唾を飲み込んだ。褌の中の雑魔も、彼の“魔腕”を激しく刺激してくる。
これ以上はダメだ――色々な意味で持たない。健全な男子には刺激が強すぎる光景だ。
「い、一時、戦術的、て、撤退、を……」
だが、後ろに下がろうとした所で豪快にすっ転んでしまった。
爆音と共にそそり立つ水柱! そう、水柱!(
ようやく、ライラと牡丹の二人が見られていた事に気がついた。歩夢の名誉の為に言っておくと、決して、覗いていた訳ではないのだが。
「へぇ……歩夢君。僕達にそんな視線を向けていて、一人で逃げようと?」
「歩夢様、ご覚悟……よろしいでしょうか? その褌の中にも雑魔がいらっしゃいますね?」
憤怒の王と、強欲の王が同時に目の前に現われたような雰囲気を歩夢は感じずにはいられなかった。
ギュッと褌を強く握る。
褌で封印している“魔腕”を現わにするような事だけは避けたい。猛々しく天を向く山という文字が、雑魔だと認識させなければならない。
「武器を……そこに、立てかけた武器を取りにいくだけ……だ」
湯煙の隙間から見えるのは、彼の魔導符剣が入口近くに立てかけられていた。
万が一という事で準備していたのだ。
「……そっか、じゃ、イッていいよ」
「……命拾いしましたね」
文字通り、命拾いした歩夢であった。
●湯けむりに隠れて(チェックです)
「これって、雑魔ですよ!」
希が雑魔を掴み、湯から出したのを見て、アルラウネは、何かに気がついた顔をした。
どうも先程から身体を何かが這っているような感覚があったからだ。
「私だけだと思ってたわ」
「仕方ない。手が届かない所は、私が取ろう」
アルラウネの天然な反応に微笑みながら、イレーヌが、まずは、希へと手を伸ばす。
仕方ないとか言いながら、率先して動いている辺り、仕方なさが微塵も感じられないが。それでも、希は素直に身体を差し出す。
「イレーヌ様……くすぐったいです」
「こうでもしないと、取れないだろ」
ス―と希の柔らかい肌を堪能しながら背中から前へと移動した。
若いって良いなと感じずにはいられない。
「これかな」
「それは……違います」
見た目通り、形も弾力も、なかなか。強いて言えば小さいが。ナニが小さいかって?
とにかく、希のは分かった。これはあとで、牡丹のナニも確認しなければ。
「では、次は……」
「……温泉に入っているはずなのに、凄い悪寒がするわ……」
思わず両手で自身の身体を包み込むアルラウネ。何事もなく温泉に入れない星の下に生まれたのだろうかと思いたくなる。
エロオヤジ顔負けの速さで指を妖艶に動かしながら、イレーヌが、白濁液に怪我されているアルラウネに迫る。指の動かし方が怪しいを遥かに飛び越えていた。
「雑魔をとってあげようというのだよ」
「その割には、手つきがいやらしい気がするわよ」
そんなの当たり前だ。その為に動かしているのだから。
飛び付くようにアルラウネへ向かうのを反射的に防衛しようと叩き落とすアルラウネ。
だが、悪戯対策で水着の紐を固く結んでいたのが、ここに来て裏目に出る。イレーヌを底に沈めたのはいいが、水着の中に雑魔が侵入し、彼女の大事な所を這い出したのだ。ピチピチな水着な所を雑魔の形がハッキリと見え、艶かしい様相となっていた。
「そこダメ、敏感なぁんん……っ」
恋人との秘め的な何かで敏感になっている所だ。
悶えるその隙を、溢れ出す性欲――ではなく、生命力を持つイレーヌが見逃すはずがない。
「倍返しだぁぁぁッ!」
起き上がる為、掴んだのは、アルラウネの水着だった。
電光石火の速さで水着の中へと手を伸ばす。アルラウネには慈悲はない。
「もぅ……それ以上、は……ぁぁ」
「開発済みか」
魔導機械か、はたまた、刻令術式の何かの事だろう。多分(すっとぼけ)。
責めに甘い吐息が漏れる。
「触り、過ぎ……ぃ。ノゾミちゃんが見てるのに……」
すっかり火照った身体とトロンとした瞳で希へと視線を向ける。
こんな姿見たら、どんな反応されてしまうのだろうか。多感な時期の女の子なはずだから、嫌われたりしたらどうしよう――。
「あ。どうぞ。続けて下さい。女性同士だと、どうなるか見ておきたいですので」
淡々としながら雑魔を処理しつつ言った希の一言で、急激に冷え込むイレーヌとアルラウネだった。
●危なかった温泉
ハンター達全員の身体という身体を這い回って白濁液で穢しまくった雑魔は、ようやく壊滅した。
「あ~もぉ、こんなにドロドロにしやがって……」
シレークスが口の中にも入ったベトな液体を、手の平に出しながら、恨めしそうに言った。
苦戦したのは明らかに酔ったサクラの手の負えない行動もあったのだが。
「ふぅ、酷い目にあいました……。まさか、温泉にあんな雑魔がいるなんて……」
酔いから覚めてきて妙にスッキリと賢者な時間を迎えて、サクラがそんな感想を口にする。
手に広がった粘着性のある白濁液がなんだが、気持ち悪い。
「まだ、全身這い回られてる感覚が残ってるわ……」
「それなら、まだ、触ってれば良かったか」
アルラウネの台詞にイレーヌが冗談とも本気とも思える言葉を返した。
キッとした視線をイレーヌへと向けるが、彼女には逆効果なのかもしれない。両手をワシャワシャとしながら、ジリジリとアルラウネへ迫る。
「私も、触ってみたいです」
希が唐突に宣言すると、アルラウネに狙いを定める。
アルラウネが危険を察知して駆け出し、湯煙の中へと消え、それを追いかける二人を見送りながらライラが白濁液を洗い流していた。
「もっと激しくても良かったですのに……い、いえ、なんでもありませんわ」
「これは、お風呂入り直しかな」
少しだけもの足りなさそうなライラと、ぐーと背伸びをして胸を強調しながら牡丹が、それぞれ言う。
なんにせよ、入浴は継続できそうだし。
「歩夢君も、入りなおすよー」
煙でよく見えないが、蹲っている影に向かって牡丹は呼びかけた。
だが、返事はない。きっと、疲れたか、のぼせてダウンしているのだろう。
「……く……雑魔如きに……」
そんな誰かの声が響いたとか響かなかったとか。
おしまい。
●???
歪虚アリトゥスは上機嫌だった。幾つかの情報を得る事が出来たからだ。
「合計で8人分も得られたぁ~。どれを使おうかなぁ~」
放った雑魔は全て倒されてしまったので、引き続き、情報を集めるのは難しいだろう。
それでも、今回は今回で、大きな収穫となった。
「楽しみですのぉ~」
残忍な笑みを浮かべ、アリトゥスが大空に飛び去っていったのだった。
山裾を降りてくる風は身を切るように冷たいというのに、温泉は湯煙で包まれ、穏やかな雰囲気が漂っている。
「この格好じゃ、風情もねえけどな」
“山”と威風堂々と前垂れに描かれた褌姿の歩夢(ka5975)が呟いた。
同行している面々は彼以外、全員が女性。この状況を羨まない健全な男子は、きっと居ないはずだ。
(露骨に、見ない様に心がけよう……)
そうは言っても、どうしても視界の中に誰かしらの姿が入ってしまう。
(無心だ……無心になるんだ、俺。どっちみち水着着てるんだし)
この温泉は水着着用の事。
といっても刺激的な光景なのは間違いない。
洗い場では、ライラ = リューンベリ(ka5507)が鳴月 牡丹(kz0180)の身体を洗っていた。
「お嬢様の御背中もいつも洗っておりますし、侍女のお仕事ですわ」
「いやー。助かるよー。ノゾミ君はやってくれないからね」
完全リラックスモードの牡丹が、成すがままにライラに現れている。
「牡丹様の肌、素敵ですわ……肌を傷つけない様に、手で洗って差し上げますね」
自身の身体を背中に押し付け、牡丹の肌を優しく撫でるように滑らせていく。
「あははは。くすぐったいよー」
「我慢して下さいね」
水着を少し浮かし、お湯で丁寧に洗い流す。
豊満な二つの頂きを触りたい放題だ! 触りたいHOUDAI!
女将軍のくすぐったそうな笑い声が響き、アルラウネ(ka4841)がため息をついた。
「温泉って、何事もなく入浴できた記憶が無いのよね~」
辺境の温泉での事を思い出す――きっと、今日は大丈夫。だって、恋人は同行していないから。
ラキスケ的なそんな何か、起こるはずがないというものだ(フラグ)。
「のんびりと温泉を堪能できればいいのだ」
イレーヌ(ka1372)がアルラウネの肩に手を回したまま、そんな言葉を口にした。
「この手が、なにか、怖いけど」
「湯煙が濃いからな。必要なら首輪するか」
どんな話しだとアルラウネは心の中で思いながら、視線を紡伎 希(kz0174)へと向けた。
「ノゾミちゃん、大きくなった?」
「ほ、本当ですか!?」
希が急に目を輝かせて、自分の胸に手を当てる。
その肢体を舐め回すようにじっくりとイレーヌは観察した。
「形が良いね」
胸だけではなく体全体のバランスも良い。あれは、育てば美味しい子になるだろう。
「さて、そろそろ、牡丹も洗い場から帰ってくるし、一杯やろうか」
どこからともなく取り出したのは、ドワーフ王の名がついた辛口の純米酒。
その一升瓶に、穏やかな表情で入浴していた聖職者にあるまじき虎柄ビキニ姿のシレークス(ka0752)がハッとする。この流れはアカン……一番危ない。
「ぜってーだめでs」
止めようとして足を滑らせるシレークス。豪快に湯船に突っ込む。
なんで滑ってしまったのかとか冷静に考える暇もなく、慌てて立ち上がるも時、既に遅し。
「美味しいですね!」
艶っぽい表情で純米酒を嗜むように(自称)飲むサクラ・エルフリード(ka2598)の姿。
「なに、飲んでるのです! ぜってーダメなのです!」
「大丈夫だよ。嗜む程度だから」
温泉の為か酔いが早いのかもしれないが、既に脱衣癖が現れているようで、自分の水着に手を伸ばす。
水着を脱いだら、それは、もう、防御力もなにもない。というか、脱いだらダメ。折角、白の極小ビキニなのに。
「温泉、出来れば水着なしで入りたかったですし」
「水着を脱いだらダメなのです!」
既に……危険な雰囲気の中……それは、忍び寄ってきていた。
●お風呂で飲酒は危険です(二重の意味で)
「折角のんびり入浴と思ったのに、これはいったい何事でやがりますか!?」
まさか、お酒が出てくるとは想定していなかっただけに、ここから不安なシレークスの言葉。
飲んでなくとも、最近、お風呂でちょっと危うい事になったばかりというのに、お酒が入ったら、これは、もう危険だ。揉み合っている所を見られたどころでは収まらない可能性大だ。
脇腹をゾゾゾと撫でられるような感触に、ほろ酔い(自称)のサクラの言葉。
「シレークスさん、そういう悪戯は……」
さすがにこの状態で、なぜ、自分が疑われるのかと、半ギレで返すシレークス。
「なに酔ってるのです。なにもしてねーですよ」
「ぇ、何もしてないんですか……? なら、一体誰が……」
キョトンと見つめ合う二人。
湯煙が激しくなり、ついさっきまで居た仲間らも姿が見えない。
となると、この感触は――湯船に手を突っ込み、ナニかを掴むと引き上げる。
「何でこんな所に雑魔が……?」
微かに負のマテリアルを感じるソレは、切れ端となったロープみたいなナニかだった。
ギュッと握りつぶすとあっけなく破裂して消滅したが、同時に、白濁液を周囲に撒き散らす。
「……何処にいるか分からないのが困った点ですね。強くはないようですけど……」
「なに、冷静に分析してやがるのです」
白濁液まみれになったシレークスの顔は怒りに満ちていた。
「この腐れ(ぴー)共!! わたくしの休息を邪魔しやがった事、後悔させてやがりますよ、あ"ぁ"っ!?」
そんな聖職者の叫び声が響くと同時に、雑魔の襲撃が本格化した。
握り潰せば(白濁液を撒き散らしながら)倒せる。
が、分かっていても、無数とも言える雑魔が全身を這い回るのだ。対処するにも限界があるというもの。
「サクラ、暴れると変なところを掴み……あ~その心配は無用ですね」
「今、サラリと酷い事言いましたねって! ちょ、何処に入って……あぁ……く、そ、そんな所、吸わないで下さい」
悶えるように体をくねらせるサクラを助けようと、シレークスは手を伸ばしたが、底で雑魔を踏み潰したのか、滑ってバランスを崩す。
覆い被さるように倒れてくるシレークスを、サクラが抑える――両手で今にも噴火しそうな双山を。
「くぉら、サクラ! おめーと違って、わたくしは掴めるんだから間違うんじゃねぇです!」
「いや、この感触も絶対、雑魔です!」
「だ、だから、間違うんじゃ……あっ! や、やめるのですっ」
サクラが執拗に揉み繰り返す。
めくるめくアンナソンナ風景が展開されそうになったまさにその時、なんとか、シレークスがサクラを離した。
「いい加減にせぇやぁ!」
湯桶を使ってどんどん湯を掻き出していくシレークス。
床にぶちまけられると、当然のように雑魔だけが流れ残る――あとはそれを踏み潰すだけだ。
●これが、健全な男子の健全な反応(多分)
湯煙の中、歓声なのか悲鳴なのか、なんとも言い難い様相で、歩夢は困っていた。
「雑魔という事ですか!」
ならば、護衛としての役目を果たさなければならない!(超使命)
視界が悪いので、あんまりよく見えないのが逆になんだか、エロいのは言うまでも無かった。
だって、あんな所とかこんな所が、絶妙に湯気に隠れているのだから。水着を着ているって雰囲気じゃない。
「お、おぉう!?」
褌の中が、生暖かい……これは、この感触は、なんだ!
雑魔が入り込んでいるのは分かった。気持ち悪いはずなのに、この感触は、なんだ!(大事な事なので)
たかが、雑魔如きにと前屈みなった歩夢の正面に、これまた凄い風景が広がっていた。
「ああ……そこは、いけませんわ。やっ、も、動かないっ……っ……ぁっ」
どうしてそうなったのか、雑魔によって、両手が腰の後ろに拘束されているライラ。
その為、ライラの身体を堪能――ではなく、救助しているのは牡丹だった。
「ふーん。これぐらいで音を上げるだなんて、ライラ君は、意外と押しに弱いね」
「そんな事……あん……お嬢様に、お嬢様に怒られてしまいます………」
ライラと牡丹の二人が絡み合っていた(歩夢視線)。
身体を這い回る雑魔を握り潰しては白濁液に汚されていく二人。
牡丹の手がライラの顔、首と撫で(ながら、雑魔を握り潰し、ライラの口元に白濁液がねっとりと付着する)、鎖骨から胸へと伸びる。対して、ライラの手も牡丹の脇腹から割れた腹筋を辿りながら、重量感のある胸へと至る。
「牡丹様も、すべすべで、すてきですよ」
「ライラ君も、女の子って感じがして、僕は好きだな」
目の前で繰り広げられる光景に歩夢は生唾を飲み込んだ。褌の中の雑魔も、彼の“魔腕”を激しく刺激してくる。
これ以上はダメだ――色々な意味で持たない。健全な男子には刺激が強すぎる光景だ。
「い、一時、戦術的、て、撤退、を……」
だが、後ろに下がろうとした所で豪快にすっ転んでしまった。
爆音と共にそそり立つ水柱! そう、水柱!(
ようやく、ライラと牡丹の二人が見られていた事に気がついた。歩夢の名誉の為に言っておくと、決して、覗いていた訳ではないのだが。
「へぇ……歩夢君。僕達にそんな視線を向けていて、一人で逃げようと?」
「歩夢様、ご覚悟……よろしいでしょうか? その褌の中にも雑魔がいらっしゃいますね?」
憤怒の王と、強欲の王が同時に目の前に現われたような雰囲気を歩夢は感じずにはいられなかった。
ギュッと褌を強く握る。
褌で封印している“魔腕”を現わにするような事だけは避けたい。猛々しく天を向く山という文字が、雑魔だと認識させなければならない。
「武器を……そこに、立てかけた武器を取りにいくだけ……だ」
湯煙の隙間から見えるのは、彼の魔導符剣が入口近くに立てかけられていた。
万が一という事で準備していたのだ。
「……そっか、じゃ、イッていいよ」
「……命拾いしましたね」
文字通り、命拾いした歩夢であった。
●湯けむりに隠れて(チェックです)
「これって、雑魔ですよ!」
希が雑魔を掴み、湯から出したのを見て、アルラウネは、何かに気がついた顔をした。
どうも先程から身体を何かが這っているような感覚があったからだ。
「私だけだと思ってたわ」
「仕方ない。手が届かない所は、私が取ろう」
アルラウネの天然な反応に微笑みながら、イレーヌが、まずは、希へと手を伸ばす。
仕方ないとか言いながら、率先して動いている辺り、仕方なさが微塵も感じられないが。それでも、希は素直に身体を差し出す。
「イレーヌ様……くすぐったいです」
「こうでもしないと、取れないだろ」
ス―と希の柔らかい肌を堪能しながら背中から前へと移動した。
若いって良いなと感じずにはいられない。
「これかな」
「それは……違います」
見た目通り、形も弾力も、なかなか。強いて言えば小さいが。ナニが小さいかって?
とにかく、希のは分かった。これはあとで、牡丹のナニも確認しなければ。
「では、次は……」
「……温泉に入っているはずなのに、凄い悪寒がするわ……」
思わず両手で自身の身体を包み込むアルラウネ。何事もなく温泉に入れない星の下に生まれたのだろうかと思いたくなる。
エロオヤジ顔負けの速さで指を妖艶に動かしながら、イレーヌが、白濁液に怪我されているアルラウネに迫る。指の動かし方が怪しいを遥かに飛び越えていた。
「雑魔をとってあげようというのだよ」
「その割には、手つきがいやらしい気がするわよ」
そんなの当たり前だ。その為に動かしているのだから。
飛び付くようにアルラウネへ向かうのを反射的に防衛しようと叩き落とすアルラウネ。
だが、悪戯対策で水着の紐を固く結んでいたのが、ここに来て裏目に出る。イレーヌを底に沈めたのはいいが、水着の中に雑魔が侵入し、彼女の大事な所を這い出したのだ。ピチピチな水着な所を雑魔の形がハッキリと見え、艶かしい様相となっていた。
「そこダメ、敏感なぁんん……っ」
恋人との秘め的な何かで敏感になっている所だ。
悶えるその隙を、溢れ出す性欲――ではなく、生命力を持つイレーヌが見逃すはずがない。
「倍返しだぁぁぁッ!」
起き上がる為、掴んだのは、アルラウネの水着だった。
電光石火の速さで水着の中へと手を伸ばす。アルラウネには慈悲はない。
「もぅ……それ以上、は……ぁぁ」
「開発済みか」
魔導機械か、はたまた、刻令術式の何かの事だろう。多分(すっとぼけ)。
責めに甘い吐息が漏れる。
「触り、過ぎ……ぃ。ノゾミちゃんが見てるのに……」
すっかり火照った身体とトロンとした瞳で希へと視線を向ける。
こんな姿見たら、どんな反応されてしまうのだろうか。多感な時期の女の子なはずだから、嫌われたりしたらどうしよう――。
「あ。どうぞ。続けて下さい。女性同士だと、どうなるか見ておきたいですので」
淡々としながら雑魔を処理しつつ言った希の一言で、急激に冷え込むイレーヌとアルラウネだった。
●危なかった温泉
ハンター達全員の身体という身体を這い回って白濁液で穢しまくった雑魔は、ようやく壊滅した。
「あ~もぉ、こんなにドロドロにしやがって……」
シレークスが口の中にも入ったベトな液体を、手の平に出しながら、恨めしそうに言った。
苦戦したのは明らかに酔ったサクラの手の負えない行動もあったのだが。
「ふぅ、酷い目にあいました……。まさか、温泉にあんな雑魔がいるなんて……」
酔いから覚めてきて妙にスッキリと賢者な時間を迎えて、サクラがそんな感想を口にする。
手に広がった粘着性のある白濁液がなんだが、気持ち悪い。
「まだ、全身這い回られてる感覚が残ってるわ……」
「それなら、まだ、触ってれば良かったか」
アルラウネの台詞にイレーヌが冗談とも本気とも思える言葉を返した。
キッとした視線をイレーヌへと向けるが、彼女には逆効果なのかもしれない。両手をワシャワシャとしながら、ジリジリとアルラウネへ迫る。
「私も、触ってみたいです」
希が唐突に宣言すると、アルラウネに狙いを定める。
アルラウネが危険を察知して駆け出し、湯煙の中へと消え、それを追いかける二人を見送りながらライラが白濁液を洗い流していた。
「もっと激しくても良かったですのに……い、いえ、なんでもありませんわ」
「これは、お風呂入り直しかな」
少しだけもの足りなさそうなライラと、ぐーと背伸びをして胸を強調しながら牡丹が、それぞれ言う。
なんにせよ、入浴は継続できそうだし。
「歩夢君も、入りなおすよー」
煙でよく見えないが、蹲っている影に向かって牡丹は呼びかけた。
だが、返事はない。きっと、疲れたか、のぼせてダウンしているのだろう。
「……く……雑魔如きに……」
そんな誰かの声が響いたとか響かなかったとか。
おしまい。
●???
歪虚アリトゥスは上機嫌だった。幾つかの情報を得る事が出来たからだ。
「合計で8人分も得られたぁ~。どれを使おうかなぁ~」
放った雑魔は全て倒されてしまったので、引き続き、情報を集めるのは難しいだろう。
それでも、今回は今回で、大きな収穫となった。
「楽しみですのぉ~」
残忍な笑みを浮かべ、アリトゥスが大空に飛び去っていったのだった。
依頼結果
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/12/15 05:54:00 |
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作戦卓 ライラ = リューンベリ(ka5507) 人間(クリムゾンウェスト)|15才|女性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2016/12/14 18:28:34 |