ゲスト
(ka0000)
大蛸生け捕り作戦!
マスター:樹シロカ

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや易しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~6人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2016/12/22 22:00
- 完成日
- 2017/01/12 00:55
このシナリオは5日間納期が延長されています。
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
●店主の憂鬱
ポルトワールは、王国と帝国への海の玄関口として機能する港湾都市である。
同盟最大・最強といわれる海軍が駐留する一方、観光業や漁業も盛んで、ヴァリオスの洗練はみられないにせよ、活気では勝るとも劣らない。
一方で中央を外れた辺りには、あまり治安のよくないダウンタウンが広がっているという、まさに表と裏の顔を持つ都市だ。
そのポルトワールも冬本番。
酷寒という気候ではないが、それなりに冷たい風が吹き付け、暖かそうな窓辺の灯が恋しく思える。
そんなある夜、地元民が好んで集まる通りにある店を、メリンダ・ドナーティ(kz0041)が訪れた。
「あ~らメリンダ! ご無沙汰じゃなあい」
野太い声が明るく呼びかけた。
みれば、派手なエプロンをつけた三十前と思しき男だ。
ウェーブのかかった金髪をみつあみにして背中に垂らし、真っ赤なリボンを結んでいる。
「ハァイ、ジャン。お久しぶり」
メリンダはカウンターの席に腰を落ち着ける。
「なんだか顔がお疲れよ? 大丈夫?」
「あははは………………はぁ」
メリンダはカウンターに突っ伏した。
長らく派遣されていた連合軍の任務には一区切りがついたが、戻ってみれば同盟軍の仕事が山積み。
今日もポルトワールの駐留軍司令部へ呼び出され、長い長い会議からようやく解放されたところなのだった。
「とりあえず……食前酒と、あと、魚介の煮込みが食べたいわ」
メリンダのオーダーに、ジャンと呼ばれた男は顔を曇らせる。
「うーん、今日は魚介はイマイチなんだけど……」
「え?」
メリンダが意外そうな声を出す。
ポルトワールの名物といえば新鮮な魚介類だ。それがイマイチとはどういうことなのか。
「実はね、ここ数日、不漁なのよ。顔見知りの漁師さんが言うには、バケモノが出て困ってるんですって」
「……化け物???」
ジャンはふう、とため息をつく。
「そうなのよ。魚も貝も食い荒らす暴れん坊。海軍さんはこういうときは動けないのよねえ」
「うー……ん……」
メリンダが言葉を濁した。
軍艦が襲われたとか、商船が航行できないとか、相当な被害がなければ難しいだろう。
ジャンは全て分かっているというように頷く。
「ま、色々あるわよね。だからアタシが一肌脱いじゃおうと思うんだけど」
「えっ」
思わず身を引くメリンダ。
「やあねえ、何を想像したのよお」
うふふと流し目で笑う男。何ってナニ。
「ほら、お店も食材がないと困っちゃうしね! あ、でもひとりじゃ難しいから、あなた、うまく人を集めてくれないかしら?」
バチンとウィンクし、ジャンが付け加える。
「美味しいお料理、サービスしちゃうわよ?」
「えー……」
またこの展開か!
もうすでに、嫌な予感しかしないメリンダであった……。
ポルトワールは、王国と帝国への海の玄関口として機能する港湾都市である。
同盟最大・最強といわれる海軍が駐留する一方、観光業や漁業も盛んで、ヴァリオスの洗練はみられないにせよ、活気では勝るとも劣らない。
一方で中央を外れた辺りには、あまり治安のよくないダウンタウンが広がっているという、まさに表と裏の顔を持つ都市だ。
そのポルトワールも冬本番。
酷寒という気候ではないが、それなりに冷たい風が吹き付け、暖かそうな窓辺の灯が恋しく思える。
そんなある夜、地元民が好んで集まる通りにある店を、メリンダ・ドナーティ(kz0041)が訪れた。
「あ~らメリンダ! ご無沙汰じゃなあい」
野太い声が明るく呼びかけた。
みれば、派手なエプロンをつけた三十前と思しき男だ。
ウェーブのかかった金髪をみつあみにして背中に垂らし、真っ赤なリボンを結んでいる。
「ハァイ、ジャン。お久しぶり」
メリンダはカウンターの席に腰を落ち着ける。
「なんだか顔がお疲れよ? 大丈夫?」
「あははは………………はぁ」
メリンダはカウンターに突っ伏した。
長らく派遣されていた連合軍の任務には一区切りがついたが、戻ってみれば同盟軍の仕事が山積み。
今日もポルトワールの駐留軍司令部へ呼び出され、長い長い会議からようやく解放されたところなのだった。
「とりあえず……食前酒と、あと、魚介の煮込みが食べたいわ」
メリンダのオーダーに、ジャンと呼ばれた男は顔を曇らせる。
「うーん、今日は魚介はイマイチなんだけど……」
「え?」
メリンダが意外そうな声を出す。
ポルトワールの名物といえば新鮮な魚介類だ。それがイマイチとはどういうことなのか。
「実はね、ここ数日、不漁なのよ。顔見知りの漁師さんが言うには、バケモノが出て困ってるんですって」
「……化け物???」
ジャンはふう、とため息をつく。
「そうなのよ。魚も貝も食い荒らす暴れん坊。海軍さんはこういうときは動けないのよねえ」
「うー……ん……」
メリンダが言葉を濁した。
軍艦が襲われたとか、商船が航行できないとか、相当な被害がなければ難しいだろう。
ジャンは全て分かっているというように頷く。
「ま、色々あるわよね。だからアタシが一肌脱いじゃおうと思うんだけど」
「えっ」
思わず身を引くメリンダ。
「やあねえ、何を想像したのよお」
うふふと流し目で笑う男。何ってナニ。
「ほら、お店も食材がないと困っちゃうしね! あ、でもひとりじゃ難しいから、あなた、うまく人を集めてくれないかしら?」
バチンとウィンクし、ジャンが付け加える。
「美味しいお料理、サービスしちゃうわよ?」
「えー……」
またこの展開か!
もうすでに、嫌な予感しかしないメリンダであった……。
リプレイ本文
●
約束の日。
早朝の船着き場にはメリンダと、編んだ金髪に真っ赤なリボンを結んだ大男。
シバ・ミラージュ(ka2094)がメリンダをそっと窺った。
「ドナーティさん……一体どーなってぃるんですか」
苦しいダジャレに体力を奪われながらも、メリンダは営業スマイルで互いを紹介する。
「今日はよろしくお願いします、依頼人のジャンさんです」
「ヨロシクね!」
ノワ(ka3572)と宵待 サクラ(ka5561)は、元気よく順番に握手。
「はじめましてこんにちは、ノワです!」
「宵街 サクラだよ。よろしくね」
その横で、ドゥアル(ka3746)は揺れながらも一応挨拶。
「よろ……(すぴー)し……(すぴょー)」
鼻ちょうちんも揺れているが、これのお陰でこちらが正面だとわかる。
妖艶な笑顔を浮かべるNon=Bee(ka1604)。
「うふふ、素敵な広背筋。シャツの上からでもわかるわぁ」
傍で日浦・知々田・雄拝(ka2796)がそっとジャンを伺う。
Non=Beeと知々田は魂の姉妹、ソウルシスター。身体は男だが心は乙女、うるわしき漢女(おとめ)達である。
ジャンの独特な雰囲気に、何か感じるものがあったらしい。
「ねぇNonちゃん……ジャンちゃんってちょっとソウルシスターっぽくないかしら?」
「そうねえ。ふふっ、ちぃちゃんお話してみる?」
「やだぁ。声かけるの恥ずかしいから、Nonちゃん言ってきて~」
知々田はNon=Beeの背中に回り込んでしまった。
「んもう、ちぃちゃんたら恥ずかしがり屋さんなんだから!」
Non=Beeにはこんなところもかわいらしくて仕方がない。なので背中に張り付けたまま、ジャンに挨拶。
「今回はよろしくね?」
「こちらこそ! 美人さんが多いからアタシ張り切っちゃうわ!!」
ジャンは船に向かって歩きながら、経緯を説明する。
「蛸……吸盤……触手……メリンダさん×触手だと……?」
シバは端正な顔を赤らめ、手で覆った。指の隙間からつつ~っと赤いものが流れ落ちる。
「私は留守番です」
メリンダはシバにポケットティッシュを押しつけた。
すると前を歩いていたサクラが、真面目な顔で振り向いた。
「え、メリンダさん来ないんだ? 後学のために触手プレイが見たかったのに」
「しょくしゅぷれい……」
ぼたぼたぼた。シバの貧血が心配である。
メリンダがサクラに負けないぐらい真面目な顔で、サクラの肩を両手で押さえた。
「後学って、どこで使うんですか?」
「言葉しか知らないから、見てみたかったんだ」
サクラはあくまでも大真面目である。
「自分が当事者だとどんな風か見れないじゃん? それにどうせ見学するなら、美男美女の方が楽しいと思うんだ」
ここは怒るところか喜ぶところか。
迷ったメリンダの袖を、ノワが引っ張った。
「しょくしゅぷれいってなんですか?」
研究熱心なノワが未知の言葉に反応するのは仕方がない。
「しょっ……触手で遊ぶことですよ!」
「そうなんですね、じゃあ大蛸が出てきたら触手プレイですね!」
ノワの純粋な反応が、メリンダの良心を抉る。
●
船に乗り込み、一同は準備を整える。
「潮風はお肌によくないし、冬でも日差しは強いものね。Nonちゃん日焼けどめ持ってきた?」
知々田が問うと、Non=Beeは自信満々で、はおっていたコートをするりと粋に脱ぎ捨てる。その下は、赤いビキニの水着姿。
寒くても気分は海水浴。準備に抜かりなし。
「勿論完璧よ。冬だって乙女は手を抜かないの」
知々田は眩しそうに目を細め、大きなつばの白い帽子をかぶる。
「さすがねNonちゃん! 年を取って皺になったら大変だもの!」
だがその言葉にNon=Beeが顔を曇らせた。
「そうね、年を取っても美しくいたいわ。ちぃちゃんは若いしお肌ぷるぷる……」
「やだあ何言ってるの、Nonちゃんだってぴかぴかよっ! ……でもそうね」
知々田が端正な顔を引き締める。
「海、船、そして蛸。この大海原三種の神器の他に足りないものがあるの。きっとそれさえあればNonちゃんだってもっと輝くはずよ」
無駄に鋭く目を光らせ、知々田が所望したものは。
「屈強な男! そう、男! 海の男が今必要なのよ!!」
「ハッそうだわ!」
絡みつく蛸に抗おうと筋肉が盛り上がる。
だが滑る吸盤は大胸筋や上腕二頭筋に容赦なく貼りつき、弄ぶ。これぞ海のロマン……!
ソウルシスターズはしばし恍惚。
「なあに、賑やかねえ?」
ジャンが舫い縄を力強く手繰りながら笑っていた。
「あらっ。あなたもそう思わない?」
Non=Beeが小首を傾げて促すと、ジャンはうーんと考え込む。
「カッコイイけど、セクシィとはちょっと違うかしら?」
「あら、じゃあシスターじゃなくてブラザーなのね」
ジャンは満面の笑みを浮かべる。
「でもアタシはどんな愛も否定はしないわ!」
「素敵ね。いつかあなたも漢女の園へいらっしゃいな」
Non=Beeの投げキッスにウィンクを返し、ジャンは操舵室へ向かう。
船室ではドゥアルが横になって本格的に眠っていた。
「大丈夫かしら?」
ジャンはやはり少し心配らしい。
サクラは自分のカバンを抱えて、別の部屋に。
「えーと、寒いから海に落ちたくはないけど、水着を着ておいた方がいいよね?」
「なるべく落ちないでネ?」
シバは準備運動に余念がない。色白の身体には、白く長い褌を締めている。
「少年は変わった水着だわ」
「蛸は白い物に興味を示すとききましたので」
リアルブルーではサメよけに長い褌を着用する民族がいるらしいが、蛸に効くのかはわからない。
「あ、これこれ。ハイみんなこれ持って」
戻ってきたサクラが、大根を何本も取り出した。
「ありがとうね、サクラちゃん。やっぱり大きいのがいいわね。うふふ、もちろん大根のことよ?」
Non=Beeは意味ありげに微笑み、ぶっとい大根の表面にそっと指を滑らせた。
大根で殴ると酵素の効果で蛸が柔らかくなると言うが、はたして大蛸にも効果はあるのか。
「作り方がわからないけど、酢ダコ食べたいな~。吸盤のお造りも美味しいんだって。でもこの世界にお醤油とわさびあるのかな?」
サクラは懐かしい味を思い返し、つばを飲み込む。
「作戦は、足を何本か切り落としてから捕まえるんだったよね?」
愛用の日本刀が唸るチャンスである。もしも切り落としがうまくいかなければ峰打ちじゃ。
ノワも大根を受け取って構える。
「以前お祭りで食べたたこ焼……美味しかったなあ♪」
「たこ焼きもタコ入りの焼そばもお好み焼きも作れるよ。でもあれって生かな、茹でた後だったのかな……?」
「そのあたりはジャンさんに任せちゃいましょう! 大蛸だなんて見るのも食べるのも初めてなのでとっても楽しみです♪」
ジャンが操舵室へ向かいながらピースサイン。
「まっかせて! 美味しくいただきましょうネ。じゃあ出航よ!」
●
普段なら漁船が多く出ている時間だが、軍艦や大型の商船が遠くに見えるぐらいで、小舟は全く見当たらない。
「おびき出す手段があればよかったのだけどネ。まあ他に船もいないから……って、来たわよ!!」
船べりに張り付いていたシバが、キッと顔を上げた。
「陸に追い込みましょう。僕に任せてください」
白い褌をなびかせダイブ。冬の海は冷たいが、去年鍛錬済みである。
片や蛸。
足の太さが大人の胴回りほどもある。
そいつが船を襲う気満々で接近したところ、目の前に何か大きなものが現れたではないか。
太い足が波を割って現れ、ふわふわと漂う白い物をえいやと掴む。
「危ない! (いろんな意味で)」
ジャンが思わず素の男声で叫んだ。
「想定内です!」
シバは即座に褌を切断。トカゲのしっぽ切りの要領だ。ついでにスリープクラウドをお見舞いすると、蛸の動きが鈍くなる。
この騒ぎでようやくドゥアルが目を覚ます。
「……とりあえず乗り移ってみましょ……新しいベッドの素材に使えるかも……寝心地チェック……」
見てわかるが、寝心地は確実に悪い。
ドゥアルはいきなり蛸に飛び移るも、つかまりきれずに滑り落ちる。
「……思ったよりヌメるのですね……まさか足を滑らせるとは……あぁ……流されていく……でも良く眠れそ……」
刹那、ドゥアルは薄く開いた瞼の向こうに不思議な光景を見た。
「すごい大波……」
――その頃、近くの岸壁。ベテラン漁師ボブが呻いていた。
「あれは、50年に一度発生するという王波! まさかこの目で見ようとは……!」
「そんな事言ってないで逃げるんだ!」
若いマイクがボブの腕を掴んだが、そこで思わず叫ぶ。
「ありゃあなんだ!」
大波のてっぺんをドゥアルが運ばれて行くではないか!
「あれは……幻の技、エルフーヤ! 獲物の昏倒を狙って使われたと言われる荒技だ!!」
幻だけに誰も知らないぞ!
――まあその真偽はともかく。なんと蛸は衝撃で睡眠から目覚めてしまった!
「しまった……直接殴って気絶が……一番……」
ぶくぶくぶく。沈むドゥアルをジャンの太い腕が引き上げる。
「無茶するんだから!」
ドゥアルはそのまま回収された。
当然ながら蛸は興奮状態だ。
「あぁーっ!!」
きわどい悲鳴はシバである。褌はギリギリまで短くなり、ついに足を捉えられてしまったのだ。
「オスだわ」
ジャンが物々しく呟く。
「吸盤がまばらでしょ。メスは綺麗に並んでるの」
――それより助けろよ。
シバは蛸足から逃れようともがくうちに頬が紅潮し、なんだかすごい光景になっている。
この危機にノワが立ち上がる。
「ててててん♪ 何でも眠らせ薬ー!」
だみ声っぽく言うと、白衣のポケットから怪しい色の瓶を取り出した。
「ノワ特製のお薬を使って動けなくさせてしまおう作戦です! お任せ下さい、私失敗しないので!」
本人の説明によると、副作用や体に害はない『はず』なので、食べる時にも影響はない『はず』の、強力・危険な睡眠薬だ。
「大人は1回1錠……サイズもサイズですしひと瓶丸ごとで大丈夫ですよね?」
だが蛸の口がどこかわからない。そもそも危なくって近づけない。
「……んんー、無理ですかねやっぱり。では! 最終手段! RBから来たお友達に教えていただいた医学の最終進歩を試してみたいと思います! ててててん♪」
そういって取り出したのは、紐をくくりつけた穴あきコイン。
「これを目の前で揺らすとすぐに眠ってしまうそうなんですよ。RBには凄い技術があるんですね!」
目を輝かせ、ノワは船から身を乗り出す。
「あなたはだんだん眠くなーる……眠くなーる……」
だがコインを揺らしているうちに、ノワのほうが眠くなってきた。
「効果が……ぐー……」
そのまま海へ落下。蛸に対し医学は無力だった。そもそも医学かどうかは知らないが。
大蛸は生贄を2名捕まえ、海へ沈もうとしていた。
「素敵な筋肉の男性の露な姿がみたかったのだけど」
知々田は魔導カメラを残念そうに片づけた。
細身の美少年と少女はターゲット外だが、仲間を見捨てたりはしない。
「Nonちゃん行くわよ! タイミング任せたわ!」
鞭を取り出し、瞬脚で飛び出す。エンタングルで翻弄し、メイン攻撃はシスターに任せる連携だ。
「無理しちゃだめよ、ちぃちゃん!」
Non=Beeがジェットブーツで突進。そこであることに気付いた。
「ヌメヌメ吸盤……はっ!」
アロエだとか、コラーゲンだとか、ぬるぬるしたものはお肌によいという。
カタツムリのぬるぬるでさえ美容効果があるとか。
「つまりあの蛸の強力なぬるぬるぷちぷちは……相当な効果があるのではないかしら?」
Non=Beeは決心した。
「……やるしか、無いわね」
大根を構え、蛸の頭部に飛び込んだ。
「ぬめぬめを一身に浴びて若返るのよ!!」
美容のためなら命がけ。見上げた根性だが、蛸の知ったことではない。
「ああっスゴイわ!」
触手に強く抱きしめられ、吸盤の感触にNon=Beeは身悶えする。
こうして3人目の犠牲者が出てしまった。
サクラは蛸の不気味な目を睨みつけ、ビシッと指差す。
「皆の犠牲は無駄にしない。命と足を置いてってもらうよ、食材っ!」
水着姿で日本刀を振るい足を斬りつける。
「たこ焼きいっ!」
焼そばっ、お好み焼きっ、酢ダコ、お造りっ、アヒージョっ! 斬りつけるたびに料理名を叫ぶ。
だがさすがは大蛸、太い足は一刀両断とはいかない。
「殺さず気絶って難しいなぁ……人間みたいな落とし所があれば良いのに……ふぅぅ」
息を整えているところを、海中から伸びた別の足に絡め取られた。
「みぎゃ?!」
ざっぱ~ん!
「食材の食材にされちゃうよ~~!!!」
サクラは必死で刀を振るい、自分の足を掴んだ蛸足をどうにか切り離した。
「ほら、つかまって!!」
ジャンが手を伸ばし、サクラを船に引きあげる。
「あ、ありがと……触手プレイは見るものでするものじゃないってよく分かったよ……!」
そう言いながらも、切り離した太い足を見事に確保していた。
●
岸壁で待ち構えていたメリンダは、赤い大きな痣を身体中につけた3人の姿に絶句する。
「どうしてこんなことに!?」
「まあだいたいは自業自得ネ」
船から降りたジャンは、蛸足を両脇に抱えてずるずる引きずっている。
「本体は逃げちゃったけど、これに懲りて大人しくなるんじゃない? 足が半分なくなっちゃったからネ!」
横になったままのシバが弱々しく呼びかけた。
「メ、メリンダさん……」
思わず傍にしゃがみ込むと。
「出番です。得意のレッグドロップを蛸に……」
「誰が大根足ですか」
メリンダは容赦なく、シバの枕がわりの毛布を引き抜く。
「おうふっ! 僕子供なので分かりません!」
「私より身長も高いのに誰が子供ですか!」
不意にシバは真面目な顔でメリンダを見つめた。
「色々ふざけたりもしますけど……僕、久しぶりにお会い出来て嬉しいんです」
目を閉じると、銀の睫毛が震える。可憐な唇が蛸チューの形になった。
「えっ、ちょっと……」
次の瞬間。
仕込んでいた蛸墨をシバが噴き出すのとほぼ同時に、動揺したメリンダが引き抜いた毛布をシバの顔に叩きつけた。
「そういう冗談は子供じゃなくなってからにしてください!」
……メリンダは真相を知らないまま、行ってしまった。
さて、その後。
ジャンの店に移動した一同は、蛸料理をお腹いっぱいごちそうになる。
大根で叩きまくったせいか、大きさの割に硬すぎず、なかなかに美味な蛸だった。
蛸わさこそなかったが、サクラは嬉しそうに料理をつつく。
「思ったんだけど。蛸の足ってまた生えるんだよね。足が戻った頃にまた来ないかな」
「戻ってきたら今度こそ、美容法を確立するわよ!」
酷い有様になってもNon=Beeは諦めていない。
「いいわネ。そういうの好きよ?」
ジャンは笑って、とっておきのワインを開けてくれた。
<了>
約束の日。
早朝の船着き場にはメリンダと、編んだ金髪に真っ赤なリボンを結んだ大男。
シバ・ミラージュ(ka2094)がメリンダをそっと窺った。
「ドナーティさん……一体どーなってぃるんですか」
苦しいダジャレに体力を奪われながらも、メリンダは営業スマイルで互いを紹介する。
「今日はよろしくお願いします、依頼人のジャンさんです」
「ヨロシクね!」
ノワ(ka3572)と宵待 サクラ(ka5561)は、元気よく順番に握手。
「はじめましてこんにちは、ノワです!」
「宵街 サクラだよ。よろしくね」
その横で、ドゥアル(ka3746)は揺れながらも一応挨拶。
「よろ……(すぴー)し……(すぴょー)」
鼻ちょうちんも揺れているが、これのお陰でこちらが正面だとわかる。
妖艶な笑顔を浮かべるNon=Bee(ka1604)。
「うふふ、素敵な広背筋。シャツの上からでもわかるわぁ」
傍で日浦・知々田・雄拝(ka2796)がそっとジャンを伺う。
Non=Beeと知々田は魂の姉妹、ソウルシスター。身体は男だが心は乙女、うるわしき漢女(おとめ)達である。
ジャンの独特な雰囲気に、何か感じるものがあったらしい。
「ねぇNonちゃん……ジャンちゃんってちょっとソウルシスターっぽくないかしら?」
「そうねえ。ふふっ、ちぃちゃんお話してみる?」
「やだぁ。声かけるの恥ずかしいから、Nonちゃん言ってきて~」
知々田はNon=Beeの背中に回り込んでしまった。
「んもう、ちぃちゃんたら恥ずかしがり屋さんなんだから!」
Non=Beeにはこんなところもかわいらしくて仕方がない。なので背中に張り付けたまま、ジャンに挨拶。
「今回はよろしくね?」
「こちらこそ! 美人さんが多いからアタシ張り切っちゃうわ!!」
ジャンは船に向かって歩きながら、経緯を説明する。
「蛸……吸盤……触手……メリンダさん×触手だと……?」
シバは端正な顔を赤らめ、手で覆った。指の隙間からつつ~っと赤いものが流れ落ちる。
「私は留守番です」
メリンダはシバにポケットティッシュを押しつけた。
すると前を歩いていたサクラが、真面目な顔で振り向いた。
「え、メリンダさん来ないんだ? 後学のために触手プレイが見たかったのに」
「しょくしゅぷれい……」
ぼたぼたぼた。シバの貧血が心配である。
メリンダがサクラに負けないぐらい真面目な顔で、サクラの肩を両手で押さえた。
「後学って、どこで使うんですか?」
「言葉しか知らないから、見てみたかったんだ」
サクラはあくまでも大真面目である。
「自分が当事者だとどんな風か見れないじゃん? それにどうせ見学するなら、美男美女の方が楽しいと思うんだ」
ここは怒るところか喜ぶところか。
迷ったメリンダの袖を、ノワが引っ張った。
「しょくしゅぷれいってなんですか?」
研究熱心なノワが未知の言葉に反応するのは仕方がない。
「しょっ……触手で遊ぶことですよ!」
「そうなんですね、じゃあ大蛸が出てきたら触手プレイですね!」
ノワの純粋な反応が、メリンダの良心を抉る。
●
船に乗り込み、一同は準備を整える。
「潮風はお肌によくないし、冬でも日差しは強いものね。Nonちゃん日焼けどめ持ってきた?」
知々田が問うと、Non=Beeは自信満々で、はおっていたコートをするりと粋に脱ぎ捨てる。その下は、赤いビキニの水着姿。
寒くても気分は海水浴。準備に抜かりなし。
「勿論完璧よ。冬だって乙女は手を抜かないの」
知々田は眩しそうに目を細め、大きなつばの白い帽子をかぶる。
「さすがねNonちゃん! 年を取って皺になったら大変だもの!」
だがその言葉にNon=Beeが顔を曇らせた。
「そうね、年を取っても美しくいたいわ。ちぃちゃんは若いしお肌ぷるぷる……」
「やだあ何言ってるの、Nonちゃんだってぴかぴかよっ! ……でもそうね」
知々田が端正な顔を引き締める。
「海、船、そして蛸。この大海原三種の神器の他に足りないものがあるの。きっとそれさえあればNonちゃんだってもっと輝くはずよ」
無駄に鋭く目を光らせ、知々田が所望したものは。
「屈強な男! そう、男! 海の男が今必要なのよ!!」
「ハッそうだわ!」
絡みつく蛸に抗おうと筋肉が盛り上がる。
だが滑る吸盤は大胸筋や上腕二頭筋に容赦なく貼りつき、弄ぶ。これぞ海のロマン……!
ソウルシスターズはしばし恍惚。
「なあに、賑やかねえ?」
ジャンが舫い縄を力強く手繰りながら笑っていた。
「あらっ。あなたもそう思わない?」
Non=Beeが小首を傾げて促すと、ジャンはうーんと考え込む。
「カッコイイけど、セクシィとはちょっと違うかしら?」
「あら、じゃあシスターじゃなくてブラザーなのね」
ジャンは満面の笑みを浮かべる。
「でもアタシはどんな愛も否定はしないわ!」
「素敵ね。いつかあなたも漢女の園へいらっしゃいな」
Non=Beeの投げキッスにウィンクを返し、ジャンは操舵室へ向かう。
船室ではドゥアルが横になって本格的に眠っていた。
「大丈夫かしら?」
ジャンはやはり少し心配らしい。
サクラは自分のカバンを抱えて、別の部屋に。
「えーと、寒いから海に落ちたくはないけど、水着を着ておいた方がいいよね?」
「なるべく落ちないでネ?」
シバは準備運動に余念がない。色白の身体には、白く長い褌を締めている。
「少年は変わった水着だわ」
「蛸は白い物に興味を示すとききましたので」
リアルブルーではサメよけに長い褌を着用する民族がいるらしいが、蛸に効くのかはわからない。
「あ、これこれ。ハイみんなこれ持って」
戻ってきたサクラが、大根を何本も取り出した。
「ありがとうね、サクラちゃん。やっぱり大きいのがいいわね。うふふ、もちろん大根のことよ?」
Non=Beeは意味ありげに微笑み、ぶっとい大根の表面にそっと指を滑らせた。
大根で殴ると酵素の効果で蛸が柔らかくなると言うが、はたして大蛸にも効果はあるのか。
「作り方がわからないけど、酢ダコ食べたいな~。吸盤のお造りも美味しいんだって。でもこの世界にお醤油とわさびあるのかな?」
サクラは懐かしい味を思い返し、つばを飲み込む。
「作戦は、足を何本か切り落としてから捕まえるんだったよね?」
愛用の日本刀が唸るチャンスである。もしも切り落としがうまくいかなければ峰打ちじゃ。
ノワも大根を受け取って構える。
「以前お祭りで食べたたこ焼……美味しかったなあ♪」
「たこ焼きもタコ入りの焼そばもお好み焼きも作れるよ。でもあれって生かな、茹でた後だったのかな……?」
「そのあたりはジャンさんに任せちゃいましょう! 大蛸だなんて見るのも食べるのも初めてなのでとっても楽しみです♪」
ジャンが操舵室へ向かいながらピースサイン。
「まっかせて! 美味しくいただきましょうネ。じゃあ出航よ!」
●
普段なら漁船が多く出ている時間だが、軍艦や大型の商船が遠くに見えるぐらいで、小舟は全く見当たらない。
「おびき出す手段があればよかったのだけどネ。まあ他に船もいないから……って、来たわよ!!」
船べりに張り付いていたシバが、キッと顔を上げた。
「陸に追い込みましょう。僕に任せてください」
白い褌をなびかせダイブ。冬の海は冷たいが、去年鍛錬済みである。
片や蛸。
足の太さが大人の胴回りほどもある。
そいつが船を襲う気満々で接近したところ、目の前に何か大きなものが現れたではないか。
太い足が波を割って現れ、ふわふわと漂う白い物をえいやと掴む。
「危ない! (いろんな意味で)」
ジャンが思わず素の男声で叫んだ。
「想定内です!」
シバは即座に褌を切断。トカゲのしっぽ切りの要領だ。ついでにスリープクラウドをお見舞いすると、蛸の動きが鈍くなる。
この騒ぎでようやくドゥアルが目を覚ます。
「……とりあえず乗り移ってみましょ……新しいベッドの素材に使えるかも……寝心地チェック……」
見てわかるが、寝心地は確実に悪い。
ドゥアルはいきなり蛸に飛び移るも、つかまりきれずに滑り落ちる。
「……思ったよりヌメるのですね……まさか足を滑らせるとは……あぁ……流されていく……でも良く眠れそ……」
刹那、ドゥアルは薄く開いた瞼の向こうに不思議な光景を見た。
「すごい大波……」
――その頃、近くの岸壁。ベテラン漁師ボブが呻いていた。
「あれは、50年に一度発生するという王波! まさかこの目で見ようとは……!」
「そんな事言ってないで逃げるんだ!」
若いマイクがボブの腕を掴んだが、そこで思わず叫ぶ。
「ありゃあなんだ!」
大波のてっぺんをドゥアルが運ばれて行くではないか!
「あれは……幻の技、エルフーヤ! 獲物の昏倒を狙って使われたと言われる荒技だ!!」
幻だけに誰も知らないぞ!
――まあその真偽はともかく。なんと蛸は衝撃で睡眠から目覚めてしまった!
「しまった……直接殴って気絶が……一番……」
ぶくぶくぶく。沈むドゥアルをジャンの太い腕が引き上げる。
「無茶するんだから!」
ドゥアルはそのまま回収された。
当然ながら蛸は興奮状態だ。
「あぁーっ!!」
きわどい悲鳴はシバである。褌はギリギリまで短くなり、ついに足を捉えられてしまったのだ。
「オスだわ」
ジャンが物々しく呟く。
「吸盤がまばらでしょ。メスは綺麗に並んでるの」
――それより助けろよ。
シバは蛸足から逃れようともがくうちに頬が紅潮し、なんだかすごい光景になっている。
この危機にノワが立ち上がる。
「ててててん♪ 何でも眠らせ薬ー!」
だみ声っぽく言うと、白衣のポケットから怪しい色の瓶を取り出した。
「ノワ特製のお薬を使って動けなくさせてしまおう作戦です! お任せ下さい、私失敗しないので!」
本人の説明によると、副作用や体に害はない『はず』なので、食べる時にも影響はない『はず』の、強力・危険な睡眠薬だ。
「大人は1回1錠……サイズもサイズですしひと瓶丸ごとで大丈夫ですよね?」
だが蛸の口がどこかわからない。そもそも危なくって近づけない。
「……んんー、無理ですかねやっぱり。では! 最終手段! RBから来たお友達に教えていただいた医学の最終進歩を試してみたいと思います! ててててん♪」
そういって取り出したのは、紐をくくりつけた穴あきコイン。
「これを目の前で揺らすとすぐに眠ってしまうそうなんですよ。RBには凄い技術があるんですね!」
目を輝かせ、ノワは船から身を乗り出す。
「あなたはだんだん眠くなーる……眠くなーる……」
だがコインを揺らしているうちに、ノワのほうが眠くなってきた。
「効果が……ぐー……」
そのまま海へ落下。蛸に対し医学は無力だった。そもそも医学かどうかは知らないが。
大蛸は生贄を2名捕まえ、海へ沈もうとしていた。
「素敵な筋肉の男性の露な姿がみたかったのだけど」
知々田は魔導カメラを残念そうに片づけた。
細身の美少年と少女はターゲット外だが、仲間を見捨てたりはしない。
「Nonちゃん行くわよ! タイミング任せたわ!」
鞭を取り出し、瞬脚で飛び出す。エンタングルで翻弄し、メイン攻撃はシスターに任せる連携だ。
「無理しちゃだめよ、ちぃちゃん!」
Non=Beeがジェットブーツで突進。そこであることに気付いた。
「ヌメヌメ吸盤……はっ!」
アロエだとか、コラーゲンだとか、ぬるぬるしたものはお肌によいという。
カタツムリのぬるぬるでさえ美容効果があるとか。
「つまりあの蛸の強力なぬるぬるぷちぷちは……相当な効果があるのではないかしら?」
Non=Beeは決心した。
「……やるしか、無いわね」
大根を構え、蛸の頭部に飛び込んだ。
「ぬめぬめを一身に浴びて若返るのよ!!」
美容のためなら命がけ。見上げた根性だが、蛸の知ったことではない。
「ああっスゴイわ!」
触手に強く抱きしめられ、吸盤の感触にNon=Beeは身悶えする。
こうして3人目の犠牲者が出てしまった。
サクラは蛸の不気味な目を睨みつけ、ビシッと指差す。
「皆の犠牲は無駄にしない。命と足を置いてってもらうよ、食材っ!」
水着姿で日本刀を振るい足を斬りつける。
「たこ焼きいっ!」
焼そばっ、お好み焼きっ、酢ダコ、お造りっ、アヒージョっ! 斬りつけるたびに料理名を叫ぶ。
だがさすがは大蛸、太い足は一刀両断とはいかない。
「殺さず気絶って難しいなぁ……人間みたいな落とし所があれば良いのに……ふぅぅ」
息を整えているところを、海中から伸びた別の足に絡め取られた。
「みぎゃ?!」
ざっぱ~ん!
「食材の食材にされちゃうよ~~!!!」
サクラは必死で刀を振るい、自分の足を掴んだ蛸足をどうにか切り離した。
「ほら、つかまって!!」
ジャンが手を伸ばし、サクラを船に引きあげる。
「あ、ありがと……触手プレイは見るものでするものじゃないってよく分かったよ……!」
そう言いながらも、切り離した太い足を見事に確保していた。
●
岸壁で待ち構えていたメリンダは、赤い大きな痣を身体中につけた3人の姿に絶句する。
「どうしてこんなことに!?」
「まあだいたいは自業自得ネ」
船から降りたジャンは、蛸足を両脇に抱えてずるずる引きずっている。
「本体は逃げちゃったけど、これに懲りて大人しくなるんじゃない? 足が半分なくなっちゃったからネ!」
横になったままのシバが弱々しく呼びかけた。
「メ、メリンダさん……」
思わず傍にしゃがみ込むと。
「出番です。得意のレッグドロップを蛸に……」
「誰が大根足ですか」
メリンダは容赦なく、シバの枕がわりの毛布を引き抜く。
「おうふっ! 僕子供なので分かりません!」
「私より身長も高いのに誰が子供ですか!」
不意にシバは真面目な顔でメリンダを見つめた。
「色々ふざけたりもしますけど……僕、久しぶりにお会い出来て嬉しいんです」
目を閉じると、銀の睫毛が震える。可憐な唇が蛸チューの形になった。
「えっ、ちょっと……」
次の瞬間。
仕込んでいた蛸墨をシバが噴き出すのとほぼ同時に、動揺したメリンダが引き抜いた毛布をシバの顔に叩きつけた。
「そういう冗談は子供じゃなくなってからにしてください!」
……メリンダは真相を知らないまま、行ってしまった。
さて、その後。
ジャンの店に移動した一同は、蛸料理をお腹いっぱいごちそうになる。
大根で叩きまくったせいか、大きさの割に硬すぎず、なかなかに美味な蛸だった。
蛸わさこそなかったが、サクラは嬉しそうに料理をつつく。
「思ったんだけど。蛸の足ってまた生えるんだよね。足が戻った頃にまた来ないかな」
「戻ってきたら今度こそ、美容法を確立するわよ!」
酷い有様になってもNon=Beeは諦めていない。
「いいわネ。そういうの好きよ?」
ジャンは笑って、とっておきのワインを開けてくれた。
<了>
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【相談】蛸と戯れ! Non=Bee(ka1604) ドワーフ|25才|男性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2016/12/20 00:19:32 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/12/19 21:12:27 |