ゲスト
(ka0000)
【CF】イバラキ怒りの鉄拳
マスター:cr

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~8人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2016/12/27 15:00
- 完成日
- 2017/01/04 22:07
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
●
「しかし何だこれ、えらい盛り上がりだな」
その日、イバラキ(kz0159)は首を傾げていた。ここは冒険都市リゼリオ。聖輝節を迎え華やかなムードに包まれているが、彼女自身はまだこちらに出てきて日が浅い。去年は来たばかりで聖輝節に気づく間もなく、つまり彼女が聖輝節というものを体験するのは今回が初めてだった。
「まあいいや。アタシは自分の用事を済ませるとしようか」
しかしイバラキには特に関係なかった。彼女は自分の用事を済ませるべく、とある店に向かっていった。
●
「あいよ! いらっしゃい」
店の軒先に現れたイバラキに店主が声をかける。大柄な彼女が並べられた商品を覗きこんでいるといやが応でも目立つ。
「う~ん、どれがいいかなぁ……」
そんな彼女の視線の先にあったものは小さな各種ピアスだった。宝石が埋め込まれたものや、金属に細かい装飾を施したものなど、簡単なものから手の込んだものまでがずらりと並んでいた。
「お嬢さん、何かお探しですかい?」
「お、お嬢さん?! ア、アタシはお嬢さんとかじゃ無いよ」
店主のお世辞も身長六尺のイバラキには新鮮だった。一瞬で顔が真っ赤になり慌てふためく彼女。
「お嬢さんにはこういうのが似合うんじゃ無いですかね」
店主は銀のフープピアスを指し示すが
「いや、アタシが付けるんじゃ無いんだ」
「ってことは……大切な人への贈り物ってことですかね?」
「まあ……そういうことだよ」
イバラキはいつも世話になっているハンターオフィスの受付嬢である、モア・プリマクラッセ(kz0066)に何か贈り物をしようとリゼリオにやってきたのだった。モアは常に多くのピアスを付けている。あまり感情を表に出さない彼女の好みを知るのは難しい。そこでイバラキは、普段から様々なものを付けているピアスをプレゼントしたら喜んでもらえるのではないか、と考えたのである。
「そういうことなら一緒に選んでやるよ!」
「オッサン! 助かったぜ! あの人も喜んでくれるといいなぁ……」
と、ここで終わればリゼリオの平和な一コマだったのだが、そうは問屋が降ろさなかった。
「『あの人』……? しかも似つかわしくないピアスを選び顔は真っ赤。間違いない、あの女は今恋人に贈るプレゼントを選んでいるのだ!」
「つまりあの女はリア充だな! リア充死すべし慈悲はない!」
「でもあの女メチャメチャデカいですよ?!」
「何、我ら『自由の鐘』が皆でかかれば問題ない!」
彼らは今リゼリオを騒がす反カップルテロ組織(そうとしか言い様がない)『自由の鐘』の中でも、過激派の連中だった。敗北に近づいた組織からは組織の意義に殉じ最後まで抵抗しようと過激派が生まれるのは世の常である。そんな連中がイバラキに目を付けてしまった。
●
「お、これはいいな! きっと喜んでくれるよ」
そんな事を露知らずピアス選びを続けるイバラキ。彼女は一つのピアスに目を付ける。ハート型の可愛らしいデザインのものだ。
「おお、お嬢さんお目が高い。それじゃあ……」
「「「天誅!」」」
イバラキが持ち上げお勘定を済ませようとしたときだった。突如姿を表した過激派がイバラキ目掛けタックルを食らわせていた。
「フハハハ! リア充カップルに渡すプレゼントなど認めぬ! 店主、あのピアスは私が代金を出そう!「
勝ち誇る過激派。タックルを食らったイバラキの手からピアスは飛んでいってしまっていた。
「カップルなどという甘く縛るものは許してはならぬ! 人々に自由をめぎゃっ?!」
「テメェ……」
過激派の一人が一演説ぶちあげようとしたが、その男は次の瞬間数十メートル吹っ飛ばされていた。イバラキの怒りのパンチが炸裂した瞬間だった。
「テメェら! 絶対許さねぇぞ!」
相手が多数だろうが関係ない。イバラキは残りの過激派にも襲いかかろうとしていた。
そしてあなた達はたまたまここに居合わせた者である。プレゼント選びをしていただけのイバラキが何かもうヤバい事になる前に彼女を止めて欲しい。
「しかし何だこれ、えらい盛り上がりだな」
その日、イバラキ(kz0159)は首を傾げていた。ここは冒険都市リゼリオ。聖輝節を迎え華やかなムードに包まれているが、彼女自身はまだこちらに出てきて日が浅い。去年は来たばかりで聖輝節に気づく間もなく、つまり彼女が聖輝節というものを体験するのは今回が初めてだった。
「まあいいや。アタシは自分の用事を済ませるとしようか」
しかしイバラキには特に関係なかった。彼女は自分の用事を済ませるべく、とある店に向かっていった。
●
「あいよ! いらっしゃい」
店の軒先に現れたイバラキに店主が声をかける。大柄な彼女が並べられた商品を覗きこんでいるといやが応でも目立つ。
「う~ん、どれがいいかなぁ……」
そんな彼女の視線の先にあったものは小さな各種ピアスだった。宝石が埋め込まれたものや、金属に細かい装飾を施したものなど、簡単なものから手の込んだものまでがずらりと並んでいた。
「お嬢さん、何かお探しですかい?」
「お、お嬢さん?! ア、アタシはお嬢さんとかじゃ無いよ」
店主のお世辞も身長六尺のイバラキには新鮮だった。一瞬で顔が真っ赤になり慌てふためく彼女。
「お嬢さんにはこういうのが似合うんじゃ無いですかね」
店主は銀のフープピアスを指し示すが
「いや、アタシが付けるんじゃ無いんだ」
「ってことは……大切な人への贈り物ってことですかね?」
「まあ……そういうことだよ」
イバラキはいつも世話になっているハンターオフィスの受付嬢である、モア・プリマクラッセ(kz0066)に何か贈り物をしようとリゼリオにやってきたのだった。モアは常に多くのピアスを付けている。あまり感情を表に出さない彼女の好みを知るのは難しい。そこでイバラキは、普段から様々なものを付けているピアスをプレゼントしたら喜んでもらえるのではないか、と考えたのである。
「そういうことなら一緒に選んでやるよ!」
「オッサン! 助かったぜ! あの人も喜んでくれるといいなぁ……」
と、ここで終わればリゼリオの平和な一コマだったのだが、そうは問屋が降ろさなかった。
「『あの人』……? しかも似つかわしくないピアスを選び顔は真っ赤。間違いない、あの女は今恋人に贈るプレゼントを選んでいるのだ!」
「つまりあの女はリア充だな! リア充死すべし慈悲はない!」
「でもあの女メチャメチャデカいですよ?!」
「何、我ら『自由の鐘』が皆でかかれば問題ない!」
彼らは今リゼリオを騒がす反カップルテロ組織(そうとしか言い様がない)『自由の鐘』の中でも、過激派の連中だった。敗北に近づいた組織からは組織の意義に殉じ最後まで抵抗しようと過激派が生まれるのは世の常である。そんな連中がイバラキに目を付けてしまった。
●
「お、これはいいな! きっと喜んでくれるよ」
そんな事を露知らずピアス選びを続けるイバラキ。彼女は一つのピアスに目を付ける。ハート型の可愛らしいデザインのものだ。
「おお、お嬢さんお目が高い。それじゃあ……」
「「「天誅!」」」
イバラキが持ち上げお勘定を済ませようとしたときだった。突如姿を表した過激派がイバラキ目掛けタックルを食らわせていた。
「フハハハ! リア充カップルに渡すプレゼントなど認めぬ! 店主、あのピアスは私が代金を出そう!「
勝ち誇る過激派。タックルを食らったイバラキの手からピアスは飛んでいってしまっていた。
「カップルなどという甘く縛るものは許してはならぬ! 人々に自由をめぎゃっ?!」
「テメェ……」
過激派の一人が一演説ぶちあげようとしたが、その男は次の瞬間数十メートル吹っ飛ばされていた。イバラキの怒りのパンチが炸裂した瞬間だった。
「テメェら! 絶対許さねぇぞ!」
相手が多数だろうが関係ない。イバラキは残りの過激派にも襲いかかろうとしていた。
そしてあなた達はたまたまここに居合わせた者である。プレゼント選びをしていただけのイバラキが何かもうヤバい事になる前に彼女を止めて欲しい。
リプレイ本文
●
「お、騒がしいな。喧嘩か? 見物しにいくかっ」
火事と喧嘩は江戸の華……なんて言葉もあるが、そういう意味では喧嘩はリゼリオの華とも言えた。
ジャック・エルギン(ka1522)も喧嘩だという声を聞き顔を突っ込む。が。
「ってなんか今、人が宙を飛んでったように見えたんだが」
喧嘩にしては起きていることが派手すぎる。一直線に吹っ飛んでいった男が別の店の軒先に突っ込んで行った。そしてジャックが見たものは。
「オイオイ、なんだよありゃあ。新しい憤怒の化身かよ」
怒髪天を突くとはこのことだと言わんばかりの鬼の大女が男に強烈な左フックを炸裂させたところであった。空中を回転しながら吹っ飛んでいく犠牲者の姿に、これはマズい、そう判断しジャックは彼女を止めるため混乱の真っ只中へと飛び込んでいく。
「怒り狂う女性というものは何時だって恐ろしいもの。鬼は酔うと強くなるなどという話もありますが、想いも募ればそれはまたと。……こう、私の知っている女性は皆怒ると、正直、龍より恐ろしいと思っていましたが」
その様子をどこか遠い目で見ていたものが一人。クローディア(ka6666)であった。
「鬼の拳、頑張って耐えてくださいね……」
彼は、イバラキの元へと向かうジャックに
「……ええ、鬼より龍より乙女の拳は苛烈です」
せめてもの手助けにプロテクションをかけていた。
「うぉっと! 暴れてるのイバラキさんじゃん!」
その頃、天竜寺 舞(ka0377)もそこに居た。彼女は妹へのプレゼントを選びにリゼリオにやって来ていたのだが、そこで見知った顔が大暴れしているのを見たのである。ただ事ではない。
彼女はすぐに不幸にも巻き込まれてオロオロしている店主に何が起こったのかを尋ねる。
「ほう、鬼を怒らすとは怖いもの知らずがいるようじゃの」
そこに姿を表したのはレーヴェ・W・マルバス(ka0276)だった。ともかく、イバラキのためにも店主のためにもまずはピアスを探すべきだ、と一致した二人。舞は愛犬ゴエモンに共に捜索に向かわせ、そして彼女自身はイバラキを止めるため向かう。
「その前にやらねばならぬことがあるようじゃのう」
だが、レーヴェはピアスが飛んでいったであろう方向に向かうのではなく、つい先程人間が吹っ飛んでいった方向へと歩き出した。
●
一方イバラキが次の犠牲者に襲いかかろうとしていた時。
「痛ってえ……。そこまでだぜ鬼の姉ちゃん」
さっそうと登場したジャックが二人の間に飛び込みその拳を受け止めていた。かっこいいぞジャック!
「何があったか知らねえが、そんな怖え顔して、ちょ、おい話を」
が、怒り狂う鬼の乙女は止まらなかった。邪魔だとばかりにパンチキックの雨あられを浴びせるイバラキ。
「わーお、これまた派手に暴れてるな……って対角線コンビネーションかよ」
その奮闘ぶりを通りがかりのリカルド=フェアバーン(ka0356)が見ていた。怒りの余り我を失っていても技だけは本物だった。流れるような攻撃に思わず舌を巻く。が、それも一瞬の事。後はイバラキの動きをじっくりと観察し、もし己が戦うのなら、とシミュレートを始める。
「……買い物に来たら、つまらない現場に遭遇しちまったな。俺も運が悪いぜ」
そんな中ここに通りかかったのがAnbar(ka4037)だった。しかしその大暴れっぷりをただ見ているわけにも行かない。
「このまま暴れさせて周りの皆にいらん迷惑を掛けさせ続けるのも目覚めが悪いし、ここは抑えないと、な」
幸い近くにはリカルドが居た。二人はアイコンタクトを交わし、これからの方針を考える。
さて、その流れるような攻撃の被害を受けているジャックだがタダでは終わらなかった。持ち前の素早い動きで背後に周りこむと羽交い締めにして抑えようとする。
「店までブッ壊す気かよ! ちょっと落ち着け……アイタタ!」
が、今のイバラキはその程度で止まらなかった。羽交い締めにしたジャックをそのまま持ち上げると、首根っこを掴んで彼の体を引き抜き肩で担ぐ。アルゼンチンバックブリーカーの体勢である。背骨がすごいことになっている。
しかしイバラキの怒りはこの程度では終わらなかった。恐ろしいことにそのまま倒れ込んだのである。結果ジャックは頭から地面に真っ逆さま!
プロレス技の中でも危険度MAX級のバーニングハンマーの犠牲になり、哀れジャックは地面に突き刺さっているのであった。
●
「今年は特に騒いでいると思っていましたが……自分達で首を絞めてるのがわからないんですね」
騒動の外側では、狭霧 雷(ka5296)が諸悪の根源を見てため息をついていた。そんな間も集まってくる野次馬達を整理しつつ、足元を見ればそれは一発食らって戦意喪失、戦闘不能状態だった。
「はい、大人しくしてくださいね」
と彼が求めなくても元より動けるような状況で無い。そこにレーヴェがやって来た。彼女は構成員の一人を問い詰める。
「そうかそうか他人が手に取った商品奪いとって自分のものにしようとしたと。金を払ったもん勝ちと」
コクコク頷く構成員だったが、彼女は冷徹に告げた。
「残念アウトじゃ。それは窃盗罪なのじゃよ」
彼女はどこからともなく取り出したロープで構成員たちを全員まとめてぐるぐる巻きにしていく。
「商品を手に取るというこはその商品の占有権を得るという事。客と店に売買の意思があればそこで契約が成立。金を払ったかどうかではないのじゃ。良い勉強になったのう暫く役人の世話になるがよいわ」
と役人たちへの贈り物の梱包が終わった所で、彼女はピアス探しに移るのであった。
●
一方、ジャックがやられて次は舞が立ち向かおうとしていた現場。だが、舞より先にイバラキの前に立つ美少女の姿があった。
「あの暴れっぷり、まるで大魔神か怪獣の様なのです……」
その名は美少女ニンジャキャプター☆ルンルン・リリカル・秋桜(ka5784)であった。彼女もイバラキを止めるべく動いた。
「ならば自衛隊さんにあやかって、トラップカード作戦発動です! 進路に地縛符を仕掛けてターンエンド」
しかし彼女は正面から戦わない。仕掛けられたそれに見事足を踏み込むイバラキ。その足は絡め取られ動きが止まる……のも一瞬だった。顔を真っ赤にして足に力を込めると、あろうことかバリバリと地縛符が破れていく。
「……そんな、ルンルン忍法高圧線封鎖が効かないなんて」
力任せに破ってしまったイバラキに思わず白目になるルンルン。しかし彼女はこの程度でめげなかった。すぐさま次のカードを取り出し天高く掲げる。
「ジュゲームリリカルクルクルマジカル……ルンルン忍法神降しの術! 今、ニンジャのカミを呼んじゃいます」
見事呼び出された式神。
「居場所を入手、行けっメカイバラキ!」
目の前だからとツッコむ前に式神は立ち向かったが、出会った瞬間右ストレートにより風穴を開けられていた。
「それで駄目なら、今度はメカイバラキ4人衆!」
一つ言っておくが御霊符は使うたびに術者の生命力を削っていくぞ! 四体も召喚したら危険がピンチだぞ!
「邪魔を……するなっ!」
だがイバラキを止めるには力不足だった。一体の首根っこを掴み、もう一体を肩に担ぎ上げ、残った二体目掛けて叩きつけた! あっという間に四体が爆発四散!
もうルンルンには頼るものは無かった。いや、一つだけあった。古来よりこのような者を救う方法は決まっている。彼女は前に飛び出すと両手を広げた。
「やめてイバラキさん、どうしてそんなに怒っているの……」
上目遣いで瞳をうるわせ語りかけるルンルン。乙女の祈りの前にさしものイバラキも手を止め……
「手を止めて周りを見て、周りにあなたの敵なんて居ない、だから怒りを鎮めt」
が、次の瞬間炸裂した左アッパーがルンルンを星にしていた。
●
ジャックもルンルンもやられた今、舞とイバラキが一対一で向かい合っていた。
「そういやプロレスでは戦ったけど、ボクシングではまだだったね」
舞は二つの拳にハンドサポーターを付け、手招きをする。
「鬼さんこちら!」
それを見てか真っ直ぐ舞に襲いかかるイバラキ。繰り出されるパンチ! だが舞はそれを華麗なフットワークでひらりひらりとかわしていく。そこに繰り出された大ぶりのパンチ。迫りくる拳。だが。
「喰らえ! 伝家の宝刀クロスカウンター!」
体を屈ませそれをかわすと、がら空きのボディに渾身の一発を叩き込んだ。名の通り蝶のように舞い、蜂のように刺す。一流のボクサーの動きだ。
一瞬動きを止めるイバラキだったが、程なく蘇り再び殴り掛かる。怒りの力は絶大だ。それをガードして耐える舞。しかし鬼の怒りを伝えるかのようにガードの上からでも衝撃が来る。
「こないだのボクシングはスタミナ切れが響いたけど持久力つけてきたからね! 負けないよ!」
しかし舞もこの程度で諦めるつもりはなかった。強者を前にして闘志が燃え上がる。リングの上では負けるつもりがない、って何か違う気がするぞ?! そもそもここリングの上じゃないし。
「てあれ? あたしボクシングしに来たんだっけか? まぁいいや」
舞もようやく気づいたようだが、イバラキはそんなこととは関係なく襲い掛かってきた。打ち下ろすような右ストレートが放たれる。
しかし今の舞は一人のボクサーだった。その拳を潜り込むようにかわす。そして
「これぞ勝利の虹を掴むアッパーを超えたアッパーだ!」
舞の拳は顎を正確に打ち抜いていた。
(終わった……何もかも……)
己の拳の手応えに勝利を確信する舞。たが次の瞬間彼女が見たものは、アッパーを喰らいながらそのまま体を振って叩きつけるようなフックを放ってくるイバラキだった。体を∞の軌道で振って繰り出される連続パンチ!
その拳の嵐が晴れた後、そこにはデンプシーロールをまともに浴びてテンカウントを聞いた舞の姿が残されていた。
●
舞をKOしたイバラキがもはや居ないと思われる残党を討伐するため進み始める。だがその死角から彼女を止めるべく放たれる一撃。右の縦拳はその顔面を捉えるものの、彼女は止まらない。しかし次こそが本命だった。縦拳で視線を消してから放たれる左ハイ。
確かに急所を捉えた。だが。
「不意打ちで思いっきり叩き込んで首抜いた感覚がないのかよ、どんな僧帽筋してんだよ鬼ってやつは。見た感じは細マッチョのキレイな姉ちゃんなのに、初対面がコレじゃ、口説けもしねえ」
足を降ろしならがリカルドはそう悪態をつく。そして彼は改めて左構えを取る。
「戦場じゃ無いんだ。物騒な得物を振るって周りの人間を怖がらせるのもなんだしな」
リカルドが足を降ろした瞬間、アンバーが飛び込んで来た。彼は普段は斧を得物にしているが、ここは命のやり取りでは無いと武器を仕舞っていた。
しかしイバラキはそんなことお構いなしだ。割り込んできたアンバーに向かってパンチを繰り出す。その時だった。
リカルドは降ろしかけた左足を再び上げ振り抜く。その一撃は脇腹に指先だけが当たる程度だったが、それで動きが止まった。脇腹のその後ろ、急所である肝臓を狙った三日月蹴りがカウンターで決まっていた。
だが、止まったのも一瞬だった。すぐに反撃の体勢に入るイバラキ。パンチの連打が降り注ぐ。それをリカルドはその拳の軌道を肘を併せて一瞬で反らし、鎧の代わりとなるその筋肉で受け止める。これは彼が身に着けた東南アジアの格闘術、シラットの技術である。
その時叫び声が轟いた。アンバーのその咆哮はまるで野獣のごとし。その声は一瞬だがイバラキをたじろかせる。
そしてリカルドが動いた。脚に固定していた刀、それを取り居合抜き……
「殺す気が無いのに、刃物なんざ使うわけねえだろ」
と見せかけ、渾身の力を込めた左フックを食らわせる。意識を刈り取る必殺の一撃。手応えはあった。だが。
イバラキはなおも止まらなかった。なおも動き膝を突き上げ、リカルドの顎に叩き込み、流れるようにアンバーに後ろ回し蹴りを叩き込む。
吹き飛ばされ、倒れるアンバー。必殺の一撃を受けたのだ。立ち上がれるはずがない。
「……他人様に迷惑掛けるんじゃないぜ。その拳は力なき者の為に振るうもんじゃないのか! いい加減頭を冷やしやがれ!」
しかしアンバーは立ち上がってきた。闘志を燃やし己の傷を塞ぎ立ち上がる。
「流石に、博愛固めをやるほど気取ってはいませんのでね」
その時狭霧が動いた。今だ暴れるイバラキの蹴り足を己の蹴りで止め、弾き返す。
そして前にはクローディアが立っていた。拳が迫る中、彼は真っ直ぐ立つ。かわすのでも受け止めるのでも無く、彼は己の手に持つ物を見せた。
「怒りに任せるより、今は……どうかこれを」
それはシルバーフォックスの尻尾を加工した装飾品だった。
「殴りこむ拳ではなく、その手で、やさしく渡してあげてください。想い、こめて」
それに込められた想いが、イバラキの拳を鈍らせる。
「このピアスを見るがいい。おぬしが買うものじゃろう?」
そしてレーヴェが叫んだ。手にはハート型のピアス。イバラキが贈り物にしようとしていた物があった。
「あっ!……ありがとう、それ、アタシが買いたかったんだ……?」
やっと落ち着きを取り戻した彼女が目にしたのは、己の拳が巻き起こした惨状であった。
●
「クソッ、ひでえ目にあったぜ」
なんとか脱出したジャックが見たのは惨状を前に泣きそうになっているイバラキだった。
「被害は自由の鐘につけようか。イバラキも片付け手伝うように」
その光景を見ながら、レーヴェはこう呟いた。イバラキも頷いて答える。
「店主、悪ぃな。散らかしちまったろ。片付け、手伝うぜ」
これだけ酷い目にあったジャックだったが、彼はなおも役に立とうとしていた。
「……元々は、聖人の生誕を祝う、宗教行事だったのですけどね」
皆で片付けをしながら狭霧はこの聖輝節の成り立ちについて説明する。
「それをこんなにしちまったのか……」
「まあ元はと言えばあの人達が原因だし」
と、復活した舞が水を飲ませながらそう言った。
その頃その原因はと言うと。
「あの馬鹿連中は、心が折れてるし、放っとくか」
あれだけ痛い目にあったのである。そうなって仕方ない。
「こんな事してるからもてないんだよ」
そこに突き刺さる舞の追い討ち。もはやこいつらは再起不能の模様である。
「何だかんだで思いっきりシラットを使えて楽しかったよ、機会があれば、また頼む」
「そうですね、今度は真面目にお付き合いしてもらいたいですね。格闘家として」
「ああ、もちろんだぜ!」
リカルドと狭霧の言葉にイバラキが元気を取り戻した頃。
「しっかし、どこもかしこも聖輝節だな……やっぱ、俺も何か贈るか」
ジャックもプレゼントを見繕い始めたのだった。
「お、騒がしいな。喧嘩か? 見物しにいくかっ」
火事と喧嘩は江戸の華……なんて言葉もあるが、そういう意味では喧嘩はリゼリオの華とも言えた。
ジャック・エルギン(ka1522)も喧嘩だという声を聞き顔を突っ込む。が。
「ってなんか今、人が宙を飛んでったように見えたんだが」
喧嘩にしては起きていることが派手すぎる。一直線に吹っ飛んでいった男が別の店の軒先に突っ込んで行った。そしてジャックが見たものは。
「オイオイ、なんだよありゃあ。新しい憤怒の化身かよ」
怒髪天を突くとはこのことだと言わんばかりの鬼の大女が男に強烈な左フックを炸裂させたところであった。空中を回転しながら吹っ飛んでいく犠牲者の姿に、これはマズい、そう判断しジャックは彼女を止めるため混乱の真っ只中へと飛び込んでいく。
「怒り狂う女性というものは何時だって恐ろしいもの。鬼は酔うと強くなるなどという話もありますが、想いも募ればそれはまたと。……こう、私の知っている女性は皆怒ると、正直、龍より恐ろしいと思っていましたが」
その様子をどこか遠い目で見ていたものが一人。クローディア(ka6666)であった。
「鬼の拳、頑張って耐えてくださいね……」
彼は、イバラキの元へと向かうジャックに
「……ええ、鬼より龍より乙女の拳は苛烈です」
せめてもの手助けにプロテクションをかけていた。
「うぉっと! 暴れてるのイバラキさんじゃん!」
その頃、天竜寺 舞(ka0377)もそこに居た。彼女は妹へのプレゼントを選びにリゼリオにやって来ていたのだが、そこで見知った顔が大暴れしているのを見たのである。ただ事ではない。
彼女はすぐに不幸にも巻き込まれてオロオロしている店主に何が起こったのかを尋ねる。
「ほう、鬼を怒らすとは怖いもの知らずがいるようじゃの」
そこに姿を表したのはレーヴェ・W・マルバス(ka0276)だった。ともかく、イバラキのためにも店主のためにもまずはピアスを探すべきだ、と一致した二人。舞は愛犬ゴエモンに共に捜索に向かわせ、そして彼女自身はイバラキを止めるため向かう。
「その前にやらねばならぬことがあるようじゃのう」
だが、レーヴェはピアスが飛んでいったであろう方向に向かうのではなく、つい先程人間が吹っ飛んでいった方向へと歩き出した。
●
一方イバラキが次の犠牲者に襲いかかろうとしていた時。
「痛ってえ……。そこまでだぜ鬼の姉ちゃん」
さっそうと登場したジャックが二人の間に飛び込みその拳を受け止めていた。かっこいいぞジャック!
「何があったか知らねえが、そんな怖え顔して、ちょ、おい話を」
が、怒り狂う鬼の乙女は止まらなかった。邪魔だとばかりにパンチキックの雨あられを浴びせるイバラキ。
「わーお、これまた派手に暴れてるな……って対角線コンビネーションかよ」
その奮闘ぶりを通りがかりのリカルド=フェアバーン(ka0356)が見ていた。怒りの余り我を失っていても技だけは本物だった。流れるような攻撃に思わず舌を巻く。が、それも一瞬の事。後はイバラキの動きをじっくりと観察し、もし己が戦うのなら、とシミュレートを始める。
「……買い物に来たら、つまらない現場に遭遇しちまったな。俺も運が悪いぜ」
そんな中ここに通りかかったのがAnbar(ka4037)だった。しかしその大暴れっぷりをただ見ているわけにも行かない。
「このまま暴れさせて周りの皆にいらん迷惑を掛けさせ続けるのも目覚めが悪いし、ここは抑えないと、な」
幸い近くにはリカルドが居た。二人はアイコンタクトを交わし、これからの方針を考える。
さて、その流れるような攻撃の被害を受けているジャックだがタダでは終わらなかった。持ち前の素早い動きで背後に周りこむと羽交い締めにして抑えようとする。
「店までブッ壊す気かよ! ちょっと落ち着け……アイタタ!」
が、今のイバラキはその程度で止まらなかった。羽交い締めにしたジャックをそのまま持ち上げると、首根っこを掴んで彼の体を引き抜き肩で担ぐ。アルゼンチンバックブリーカーの体勢である。背骨がすごいことになっている。
しかしイバラキの怒りはこの程度では終わらなかった。恐ろしいことにそのまま倒れ込んだのである。結果ジャックは頭から地面に真っ逆さま!
プロレス技の中でも危険度MAX級のバーニングハンマーの犠牲になり、哀れジャックは地面に突き刺さっているのであった。
●
「今年は特に騒いでいると思っていましたが……自分達で首を絞めてるのがわからないんですね」
騒動の外側では、狭霧 雷(ka5296)が諸悪の根源を見てため息をついていた。そんな間も集まってくる野次馬達を整理しつつ、足元を見ればそれは一発食らって戦意喪失、戦闘不能状態だった。
「はい、大人しくしてくださいね」
と彼が求めなくても元より動けるような状況で無い。そこにレーヴェがやって来た。彼女は構成員の一人を問い詰める。
「そうかそうか他人が手に取った商品奪いとって自分のものにしようとしたと。金を払ったもん勝ちと」
コクコク頷く構成員だったが、彼女は冷徹に告げた。
「残念アウトじゃ。それは窃盗罪なのじゃよ」
彼女はどこからともなく取り出したロープで構成員たちを全員まとめてぐるぐる巻きにしていく。
「商品を手に取るというこはその商品の占有権を得るという事。客と店に売買の意思があればそこで契約が成立。金を払ったかどうかではないのじゃ。良い勉強になったのう暫く役人の世話になるがよいわ」
と役人たちへの贈り物の梱包が終わった所で、彼女はピアス探しに移るのであった。
●
一方、ジャックがやられて次は舞が立ち向かおうとしていた現場。だが、舞より先にイバラキの前に立つ美少女の姿があった。
「あの暴れっぷり、まるで大魔神か怪獣の様なのです……」
その名は美少女ニンジャキャプター☆ルンルン・リリカル・秋桜(ka5784)であった。彼女もイバラキを止めるべく動いた。
「ならば自衛隊さんにあやかって、トラップカード作戦発動です! 進路に地縛符を仕掛けてターンエンド」
しかし彼女は正面から戦わない。仕掛けられたそれに見事足を踏み込むイバラキ。その足は絡め取られ動きが止まる……のも一瞬だった。顔を真っ赤にして足に力を込めると、あろうことかバリバリと地縛符が破れていく。
「……そんな、ルンルン忍法高圧線封鎖が効かないなんて」
力任せに破ってしまったイバラキに思わず白目になるルンルン。しかし彼女はこの程度でめげなかった。すぐさま次のカードを取り出し天高く掲げる。
「ジュゲームリリカルクルクルマジカル……ルンルン忍法神降しの術! 今、ニンジャのカミを呼んじゃいます」
見事呼び出された式神。
「居場所を入手、行けっメカイバラキ!」
目の前だからとツッコむ前に式神は立ち向かったが、出会った瞬間右ストレートにより風穴を開けられていた。
「それで駄目なら、今度はメカイバラキ4人衆!」
一つ言っておくが御霊符は使うたびに術者の生命力を削っていくぞ! 四体も召喚したら危険がピンチだぞ!
「邪魔を……するなっ!」
だがイバラキを止めるには力不足だった。一体の首根っこを掴み、もう一体を肩に担ぎ上げ、残った二体目掛けて叩きつけた! あっという間に四体が爆発四散!
もうルンルンには頼るものは無かった。いや、一つだけあった。古来よりこのような者を救う方法は決まっている。彼女は前に飛び出すと両手を広げた。
「やめてイバラキさん、どうしてそんなに怒っているの……」
上目遣いで瞳をうるわせ語りかけるルンルン。乙女の祈りの前にさしものイバラキも手を止め……
「手を止めて周りを見て、周りにあなたの敵なんて居ない、だから怒りを鎮めt」
が、次の瞬間炸裂した左アッパーがルンルンを星にしていた。
●
ジャックもルンルンもやられた今、舞とイバラキが一対一で向かい合っていた。
「そういやプロレスでは戦ったけど、ボクシングではまだだったね」
舞は二つの拳にハンドサポーターを付け、手招きをする。
「鬼さんこちら!」
それを見てか真っ直ぐ舞に襲いかかるイバラキ。繰り出されるパンチ! だが舞はそれを華麗なフットワークでひらりひらりとかわしていく。そこに繰り出された大ぶりのパンチ。迫りくる拳。だが。
「喰らえ! 伝家の宝刀クロスカウンター!」
体を屈ませそれをかわすと、がら空きのボディに渾身の一発を叩き込んだ。名の通り蝶のように舞い、蜂のように刺す。一流のボクサーの動きだ。
一瞬動きを止めるイバラキだったが、程なく蘇り再び殴り掛かる。怒りの力は絶大だ。それをガードして耐える舞。しかし鬼の怒りを伝えるかのようにガードの上からでも衝撃が来る。
「こないだのボクシングはスタミナ切れが響いたけど持久力つけてきたからね! 負けないよ!」
しかし舞もこの程度で諦めるつもりはなかった。強者を前にして闘志が燃え上がる。リングの上では負けるつもりがない、って何か違う気がするぞ?! そもそもここリングの上じゃないし。
「てあれ? あたしボクシングしに来たんだっけか? まぁいいや」
舞もようやく気づいたようだが、イバラキはそんなこととは関係なく襲い掛かってきた。打ち下ろすような右ストレートが放たれる。
しかし今の舞は一人のボクサーだった。その拳を潜り込むようにかわす。そして
「これぞ勝利の虹を掴むアッパーを超えたアッパーだ!」
舞の拳は顎を正確に打ち抜いていた。
(終わった……何もかも……)
己の拳の手応えに勝利を確信する舞。たが次の瞬間彼女が見たものは、アッパーを喰らいながらそのまま体を振って叩きつけるようなフックを放ってくるイバラキだった。体を∞の軌道で振って繰り出される連続パンチ!
その拳の嵐が晴れた後、そこにはデンプシーロールをまともに浴びてテンカウントを聞いた舞の姿が残されていた。
●
舞をKOしたイバラキがもはや居ないと思われる残党を討伐するため進み始める。だがその死角から彼女を止めるべく放たれる一撃。右の縦拳はその顔面を捉えるものの、彼女は止まらない。しかし次こそが本命だった。縦拳で視線を消してから放たれる左ハイ。
確かに急所を捉えた。だが。
「不意打ちで思いっきり叩き込んで首抜いた感覚がないのかよ、どんな僧帽筋してんだよ鬼ってやつは。見た感じは細マッチョのキレイな姉ちゃんなのに、初対面がコレじゃ、口説けもしねえ」
足を降ろしならがリカルドはそう悪態をつく。そして彼は改めて左構えを取る。
「戦場じゃ無いんだ。物騒な得物を振るって周りの人間を怖がらせるのもなんだしな」
リカルドが足を降ろした瞬間、アンバーが飛び込んで来た。彼は普段は斧を得物にしているが、ここは命のやり取りでは無いと武器を仕舞っていた。
しかしイバラキはそんなことお構いなしだ。割り込んできたアンバーに向かってパンチを繰り出す。その時だった。
リカルドは降ろしかけた左足を再び上げ振り抜く。その一撃は脇腹に指先だけが当たる程度だったが、それで動きが止まった。脇腹のその後ろ、急所である肝臓を狙った三日月蹴りがカウンターで決まっていた。
だが、止まったのも一瞬だった。すぐに反撃の体勢に入るイバラキ。パンチの連打が降り注ぐ。それをリカルドはその拳の軌道を肘を併せて一瞬で反らし、鎧の代わりとなるその筋肉で受け止める。これは彼が身に着けた東南アジアの格闘術、シラットの技術である。
その時叫び声が轟いた。アンバーのその咆哮はまるで野獣のごとし。その声は一瞬だがイバラキをたじろかせる。
そしてリカルドが動いた。脚に固定していた刀、それを取り居合抜き……
「殺す気が無いのに、刃物なんざ使うわけねえだろ」
と見せかけ、渾身の力を込めた左フックを食らわせる。意識を刈り取る必殺の一撃。手応えはあった。だが。
イバラキはなおも止まらなかった。なおも動き膝を突き上げ、リカルドの顎に叩き込み、流れるようにアンバーに後ろ回し蹴りを叩き込む。
吹き飛ばされ、倒れるアンバー。必殺の一撃を受けたのだ。立ち上がれるはずがない。
「……他人様に迷惑掛けるんじゃないぜ。その拳は力なき者の為に振るうもんじゃないのか! いい加減頭を冷やしやがれ!」
しかしアンバーは立ち上がってきた。闘志を燃やし己の傷を塞ぎ立ち上がる。
「流石に、博愛固めをやるほど気取ってはいませんのでね」
その時狭霧が動いた。今だ暴れるイバラキの蹴り足を己の蹴りで止め、弾き返す。
そして前にはクローディアが立っていた。拳が迫る中、彼は真っ直ぐ立つ。かわすのでも受け止めるのでも無く、彼は己の手に持つ物を見せた。
「怒りに任せるより、今は……どうかこれを」
それはシルバーフォックスの尻尾を加工した装飾品だった。
「殴りこむ拳ではなく、その手で、やさしく渡してあげてください。想い、こめて」
それに込められた想いが、イバラキの拳を鈍らせる。
「このピアスを見るがいい。おぬしが買うものじゃろう?」
そしてレーヴェが叫んだ。手にはハート型のピアス。イバラキが贈り物にしようとしていた物があった。
「あっ!……ありがとう、それ、アタシが買いたかったんだ……?」
やっと落ち着きを取り戻した彼女が目にしたのは、己の拳が巻き起こした惨状であった。
●
「クソッ、ひでえ目にあったぜ」
なんとか脱出したジャックが見たのは惨状を前に泣きそうになっているイバラキだった。
「被害は自由の鐘につけようか。イバラキも片付け手伝うように」
その光景を見ながら、レーヴェはこう呟いた。イバラキも頷いて答える。
「店主、悪ぃな。散らかしちまったろ。片付け、手伝うぜ」
これだけ酷い目にあったジャックだったが、彼はなおも役に立とうとしていた。
「……元々は、聖人の生誕を祝う、宗教行事だったのですけどね」
皆で片付けをしながら狭霧はこの聖輝節の成り立ちについて説明する。
「それをこんなにしちまったのか……」
「まあ元はと言えばあの人達が原因だし」
と、復活した舞が水を飲ませながらそう言った。
その頃その原因はと言うと。
「あの馬鹿連中は、心が折れてるし、放っとくか」
あれだけ痛い目にあったのである。そうなって仕方ない。
「こんな事してるからもてないんだよ」
そこに突き刺さる舞の追い討ち。もはやこいつらは再起不能の模様である。
「何だかんだで思いっきりシラットを使えて楽しかったよ、機会があれば、また頼む」
「そうですね、今度は真面目にお付き合いしてもらいたいですね。格闘家として」
「ああ、もちろんだぜ!」
リカルドと狭霧の言葉にイバラキが元気を取り戻した頃。
「しっかし、どこもかしこも聖輝節だな……やっぱ、俺も何か贈るか」
ジャックもプレゼントを見繕い始めたのだった。
依頼結果
参加者一覧
サポート一覧
マテリアルリンク参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
相談卓 リカルド=フェアバーン(ka0356) 人間(リアルブルー)|32才|男性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2016/12/27 12:22:28 |
|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2016/12/27 12:21:33 |
|
![]() |
質問卓 天竜寺 舞(ka0377) 人間(リアルブルー)|18才|女性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2016/12/25 01:41:20 |