郵便配達員はどこへ?

マスター:狐野径

シナリオ形態
ショート
難易度
普通
オプション
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
4~6人
サポート
0~0人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
締切
2016/12/27 12:00
完成日
2017/01/02 04:49

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング

●届かない
 グラズヘイム王国の中央より北東寄りの中途半端な位置にある町グローノースのハンターズソサエティ支部のオフィス。
 聖輝節の飾りつけをしたり、職員たちも楽しんでいた。
 隣の小さな町フォークベリーのエクラ教会の司祭マークがやってきた。
「王都の知り合いに聖輝節にちなんだカードを送ってくれたというのです。なぜ知っているかと言うと移動するハンターに手紙を渡したとかで手紙がさっき来たのです。ちなみにカードは郵便配達の方に頼んだらしいのです」
 フォークベリーは街道を挟んで発展した町なため、通りすがりの人は多い。
 マークの言葉に、受付係でもあるロビン・ドルトスは首をかしげる。
「ああ、郵便配達の方で聞いたほうがいいですね」
「……まあ、困ったことがあるとこっちに来たくなるのはわかります」
 ロビンは同意した。
「王都から来るとしたらこのルートですよね」
 地図を広げてロビンは示す。
「この街道沿いで危険が潜むという噂はないですよ」
「そうですか……なら、郵便屋に行って聞いてみます。必要ならハンターに依頼を出すということで」
「はい、それでお願いします」
 マークは事務所を出ると郵便屋に向かった。
 郵便屋に入ると忙しそうであるが、職員を捕まえて尋ねる。
「届かない……ああ」
 職員は困った顔をしながら局長の部屋に案内してくれた。
「すみません、こちらも連絡入れているのですが、何かあったのは間違いないみたいなのです」
 局長が言うには、一週間前に隣町を出発したというのを確認したというのだ。一通もない日がそんなに続くのはおかしいと、昨日馬を飛ばして確認に行き、その人物が帰ってきたのが先ほどだという。
「一通二通ではないので、馬車に載せてくるのが通例です。隣町からここまでは一般的な危険くらいしかないので、普通の職員が配達をしているのです」
 一般的な危険と言うのは、不意に現れる強盗、通りすがりの悪意ある亜人、空腹の野生動物と言ったものだ。何かあればハンターを雇うなり、退治を頼むらしい。
「司祭様宛の物もそれに入っているのだと思います」
「馬の人が行って帰ってこられたということは、道中問題がないということですよね」
「そうなのです。配達員が所属する郵便屋も困っているようで。こちらに居座っているのか、事故があったのか確認しようとしていたというのです」
「……森で何かあったと考えるのが妥当でしょうか?」
「町の中であることも否定できませんが、一番人目がないのは森です。ただ、凶悪な動物や雑魔が出たというなら、話題になっていると思いますし」
 郵便屋の長も首をかしげている。
「分かりました。こちらからハンターに依頼を出しておきます。治安の問題も絡みますし」
「はい、そうですね。本来ならこちらが出すことですが」
「いえ、誰かの影響になるわけですから」
 マーク司祭はソサエティの支部に戻って行った。そして、ロビンに依頼を出す、町から町への移動中に消えた郵便屋の職員を探してほしいと。

●暗がりで
 ここにいて一週間くらいだと郵便配達員は思った。湧水があったおかげで飲み水には困らない。夜になって寒くても郵便物の袋と袋の間にはまれば何とか眠れる。木もあるから火も起こそうと思えば起こせる。
 一番の問題はここがどこか分からないこと。
 馬車ごと入ってこられたので戻ってみようと思ったが、Uターンできない。そのため、馬を馬車から外し、少しずつ動かせないかと考えた。
 ぬかるみにはまり、難しい。馬車の後ろに紐をつけて馬で動かせないかと考えるが、ロープがあるわけでもなくできなかった。
 助けを呼びに行くにも行けない。
 ここには大切な郵便物があるのだから。
 もし離れた後、彼らがここに来るまで出会った生き物たちが来たら、大変なこととなる。
 まず、街道を走っていたら、移動中だったらしいゴブリンの集団に出会った。街道沿いの支道に入ってみたが、逃げている間に入ったことがない道に入ってしまった。細い道だから進むしかないところに、今度はオオカミに出会った。
 空腹だったのかオオカミが追ってくる。慌てて逃げる馬車の馬。
 しばらくすると、丸々と太ったイノシシが突進してきた。イノシシがここまで大きいのは雑魔だったりとぞっとしたが、どうやら森の中の集落でもあるのか餌を食べて育って筋骨隆々の立派な丸々と言えそうなイノシシとなっていたらしかった。
 イノシシがオオカミにつっこみ、オオカミはイノシシを狙いつつも散り散りに逃げて行った。
 幸い、郵便屋も郵便物も馬車もみんな無事だった。
 場所が分からなくなったうえ、身動き取れないこと以外は。現在の彼の思いは「寒い、ひもじい」というもの。馬は草を食べてそれなりに元気そうだが、人間の食事は見当たらない。もし、木の実があれば手にしたかもしれないが、それもない。
「うう、缶詰があれば食べたい……いやっ! 配達する物に手を付けてはいけない……しかし」
 葛藤とともに御者台に横になった。

リプレイ本文

●捜索へ
 カーミン・S・フィールズ(ka1559)は行方不明の職員が所属している郵便屋において、郵便物のリストを借りた。あわせて郵便配達員の性格等も聞く。
「性格上盗んだという確率は低そうね。事件なら生存は絶望的ね」
 生存条件を考えると食料の入った荷物と水のある場所だと分析する。食料に関しては弁当や間食ぐらいは持っていたのでは、という証言があるが何とも言えない。
 カーミンとともに行動をとるイスタ・イルマティーニ(ka1764)は一緒に話を聞き、決意も新たになる。
「条件が整って冬眠状態とか、たまたま飲食物があったりとか……奇跡的なこともあるはずですわ」
 捜索と毛布や軽い食べ物など救出時に必要そうなものを確認する。
 クオン・サガラ(ka0018)は話を聞き終えて眉をしかめる。
「夜は寒くなるだろうし、野生動物のこともありますし、暗闇と孤独、時間との闘いです。早く救出をしないといけませんね」
 生存の可能性が低いというのはハンターたちの多くが思うところであるが、無事を祈る気持ちも強い。
 話を聞き終え、町を出たらしいという情報も手早く集め、森に向かう。
 ロニ・カルディス(ka0551)は通行人を見送り、簡易な地図と道を確認する。
「普段使っているルートはこれだな」
 ハンターも片道使ったが特に問題を感じなかった。
 骸香(ka6223)は道を見つつ溜息をもらす。
「普段使っている道から外れて……事件に巻き込まれた? 不幸としか言えない。村があるから、そこからかな?」
 マリィア・バルデス(ka5848)は連れている犬たちの背を撫でる。
「そうね、それも必要ね。轍があればいいけれど……α、γあなたたちの鼻が頼りよ?」
 ハンターたちは行動を分ける。魔導短伝話で連絡を取りつつ、複数方面から行動をとることとした。

●中途模様
 森の中にあるのは村が二つといくつかの別荘――いうより人と離れて暮らす人の家があるという。森の恵みを受けて生活するなか、争いがあるという話は町に住む人たちは聞いていない。
 村や家々から情報を得るためにカーミンとイスタ、クオンと骸香がそれぞれ向かう。
「二つの集落、生活圏が重なっているみたいだけど? まー、問題はないってことなのね」
 カーミンは行ってみないと分からないことではある、表向きと本当のところは。彼女の中であらゆる状況を想定はし、情報を得るごとに消していく。
「生計を立てる主な産業が違うみたいですね。もめないことはいいことですわ」
「そうそう。表だってもめているようだったら、通行人も困るわよね。私たちが注意するのは、野生動物や通りすがりの亜人かもしれない」
「はい。周囲に気は配ります。偶然、配達員の手がかりも見つけるかもしれませんわ」
 カーミンとイスタは急ぐ。
「……これは?」
 村に近くなり畑が見えるところで二人は足を止める。畑は荒らされ、青物野菜が引き抜かれかじられている。足跡は特徴的で、妙に大きい。
「イノシシかしらね?」
「大きいですね。村の守護者、でしょうか?」
「それも含めて聞きましょう」
 村は小ぢんまりしており、年寄りが多い。彼女たちの来訪を歓待し、のんびりとお茶に入りそうだった。何とか話を聞き出し、二人は後にする。
「イノシシは見つけ次第退治ね」
 どうやら住民が積極的に追い出さなかったため、居ついてしまい、悪さをしていると分かった。
「湧水の位置も教えていただけて幸いです」
「後はこの雨とかしのげそうなところかしらね」
 仲間に魔導短伝話で伝えた後、見に行くことにした。

 クオンと骸香はもう一つの村に向かう。途中で新設の獣道のような物があったため、その周囲の折られた枝などを見る。
「人間だとすると低めですね」
「そうだね。何かいるってことだね」
 骸香は同意すると同時に少しワクワクする、敵対するモノであれば戦いもあろうから。
 より一層の注意を計りながら二人は村に到着する。
 バイクの音に子どもたちが寄ってくる。閉鎖的な村と言う雰囲気はないが、集まってきた子らの年を考えるとなかなか村の外には出ない。
「わー、角がある」
「うわ、鬼っていうやつ?」
 子供たちは無邪気に騒ぐ。
 骸香は容赦なく近寄られたたじろぎ、一歩下がった。
「そうだよ? 文句あるのかな?」
「わー」
 少し怒気をはらんだ声に子供たちは楽しそうに離れていく。そうしている間に、村の大人がやってくる。
「すみませんが、この辺りで行方不明者がおりますので捜索しているのです」
 クオンの説明に村人は驚いた顔になる。
「ああ、それは気の毒です。町との行き来や、森へ採取に行く際……異変は見ていないです。この時期はあまり森の奥に入らないので」
 村人は簡易地図を指さし、丁寧に説明してくれた。
「あと、気を付けてください。この近くにゴブリンが出ているみたいなので」
「分かりました。人命救助が優先なので、必要ならソサエティのほうにでも言っておきますよ」
「助かります」
 クオンはお礼を言って立ち去る。
「ゴブリンね。必要なら倒してしまっていいよね?」
「状況による」
「狛犬、人間の匂いやゴブリンの匂いに警戒してくれるかな?」
 骸香の言葉にペットの狛犬はしきりに花を動かす。
「……うん、そのあとですね、君の出番は」
 クオンは連れているシェパードの首を掻いた。

 馬車が入れる脇道に入っていくロニとマリィア。轍というより、踏み固められた跡は道にしっかりある。問題の物がどれかはわかりにくいが手がかりを探す。
「メーンの道と平行しているのはここだな」
「何かを避けて通ったとしたら、通る可能性は高いわね」
 犬たちはしきりに何か匂いを嗅いでいる。さすがに日数が立っているため探すのは難しいかもしれない。それでも何かの匂いはあるはずだ。
「αとγ、どうしたの?」
 マリィアの声に犬たちは顔をあげ、周囲を見る。
「なわばりでもあるのか? 何か獲物か?」
 ロニは盾を構える。何が出るかわからないため、守る。
 犬たちは一つの道を向いている。
「何かいるのか、頻繁に通っているのかしら」
 マリィアは銃を握る。
「馬車は通れそうな幅はあるし、地面自体も通った跡は」
「行ってみましょう」
 二人と二匹は慎重に進む。道はいくつか分かれるがだんだん馬車が通れそうなところは減ってくる。必然と二人は広い方を目指した。徐々に、轍は減ってくる。

 探すハンターたちは、魔導短伝話で情報を交換する。
 位置は絞れてきたが、不安要素が増えていく。
 そこにいるのは骸か奇跡的な生存か。
 不安と期待を胸に走る、一刻も早く見つけるために。

●生存か否か
 森の中に隠居しているような家にたどり着く組もあったが、無口でも話は聞いてくれたりする。しかし、特に異変があったということもないという。出かけるとしても村や町に行くくらいであり、その家にたどり着く道も、細く馬車は通らない。

 三々五々、同じところに向かっていた。

 カーミンとイスタは大きな音を聞く。
「……イスタ、木の陰にひとまず隠れて」
「これはイノシシでしょうか?」
「かもしれない」
 イスタはワンドを握り、木の陰に隠れる。
 カーミンは特殊強化鋼製ワイヤーウィップを手にする。音がする方に少し近づき、遮蔽物をとり武器を振える状態にした。
 音は確実に近づいてくる。曲がることも、他に襲ってくるようなものもない。
「……来るよ!」
「あっ! 【アースウォール】」
 イスタはカーミンの声の直後、魔法を使った。目視できたイノシシの目の前に魔法で土壁を作り出した。イノシシがぶつかって倒れてくれるといいが、足を止めてくれるだけでも構わない。二人が回避なり攻撃なりできる余裕ができるのだから。
 突然だったこともありイノシシは衝突し、倒れた。首を振りながら立ち上がろうとしている。
「よく栄養をため込んだってことよね」
 カーミンは大きなイノシシに唖然としつつ、苦無にマテリアルを込めて攻撃をすることにした。
「牡丹鍋は期待しないでね。刃は通りにくそうだから、毒かな……」
「ええっ!? 【スリープクラウド】から丸焼きはいかがでしょうか?」
「……やってみる? 丸焼きはともかく【スリープクラウド】は有効かもね」
 ここで焼いたところで持っていく場所以前の問題。
 イノシシは壁に当たった衝撃から復活する前に魔法がかかったようで眠りについた。
「……解体する時間はないから、とどめは刺しておくわね」
 カーミンの手ごたえとしておいしくない予感がよぎる。
「たぶん、筋肉も相当だけど脂肪がなぁ……」
 二人はすぐに移動を開始した。

 シェパードと狛犬とともに進むクオンと骸香は異変を感じる。
 バイクを止め、武器を持つ。
「近くに行方不明者がいるでしょうか?」
「さあ? 敵なら倒したほうが安全よね?」
「……被害者が出なければですよ」
「様子を見るね」
 二人は構える。
「さて、ゴブリンだし、やっっちゃうよ!」
 骸香は軽やかに近づき先手を取った。一撃では倒せなかったが、深手は負わせた。
 ゴブリンたちは反撃に出る。骸香に向かうものが多いが、少し大きいものがクオンに気づいており、そちらにも向かう。
 骸香は囲まれる危険性はあるが、木々もあるため、それは不完全となる。
「【デルタレイ】」
 クオンは配達員の状況が分からないが、ゴブリンが自分のほうに来ているし、時間をかけるのは得策ではないと判断した。魔法に巻き込まれたものは一瞬にして倒れる。運よく避けたモノもいたが、大したことはない。
「片づけちゃうよ」
「その方が後々良いみたいですから」
 油断しなければ難なく倒しえたのだった。

 オオカミはロニとマリィアの前に現れた。
「空腹のオオカミって顔しているわね」
 マリィアはそう判断する。表情でわかるというより、人間の前に強気に現れたことが自分が優位と考えるか、空腹すぎてやってきたと考えられるからだ。
 この森には食べ物は多そうだ。
「ゴブリンがいるという連絡があったな」
 ロニは森に食べ物があってもゴブリンが横取りしている状態の可能性を考える。
「つまり、オオカミ自体は本来悪さはしていなかったということかもしれないけど」
「人を襲う可能性はあることだ。先ほど通った家など狙いやすいだろうな」
 二人がマテリアルを解放し攻撃をしようとしたとき、オオカミたちはさすがに逃げ始めたのだった。
 追いかけていくと、かすかな血臭がする。
「まさか?」
「けが人でもいるのか」
 その先には倒れた巨大イノシシがいた。マリィアとロニが立ち去れば、オオカミたちが戻ってきて食事とするかもしれない。
「……ひとまずオオカミは見送るかしら?」
「そうだな。これを倒したのは誰か?」
 連絡を取ると仲間から返答があり、二人は先を急いだ。

 ハンターたちはそれぞれのルートでそこにたどり着く。
 小さなせせらぎだ。近くは傾斜しぬかるんでいる。そこに馬車がはまり込んでいる。馬自体は外され、手綱が木の枝に結び付けられている。それは周りの草をしっかり食べており、やってきた人間を見て「もっとご飯ちょうだい」と言うようだった。
 郵便配達員の馬車の可能性が高い。
 人間の気配は――と緊張が走った。馬車を確認し、怯える配達員を見つけたのだった。

●帰還へ
 馬車を引き上げる算段と郵便配達員を助ける行動を並行させる。
「嬉しい誤算もあったものね」
 マリィアは厳しかった表情をやわらげた。郵便局員の体力が落ちすぎていれば、予断は許さないがひとまずは喜ばしいことだ。
「さあ、これを慌てず飲んで」
 ロニはハーブティにハチミツを入れ、温まるように栄養を少しずつ入れるように郵便配達員に飲ませる。
 郵便配達員は自力で起きるのは難しそうだが、口元に運ばれた器から少しずつ飲み込むのが分かった。
「水があったのと……昼の弁当とおやつが幸い……だったみたいね」
 カーミンは郵便配達員は周りの草を食べなかったのも良かったのかもと考える。知らずに食べたもので腹を下し、体力を奪いかねない。
「まあ、郵便物に手を出さなかったのは鑑と認めるけど、すっごく心配した……する人もいるんだからね!」
 カーミンは怒るように言うと、馬車を救出する手に加わる。
「カーミン様の言う通りでもあります。お仕事より、ご自身の命を守ることが大切ですわ」
 イスタは郵便配達員を毛布にくるませる。その手は母が子にするように優しく、温かい。
「でも、あなたはたくさんの『ことば』を守ったのですね」
 イスタはチョコレートを手渡した。郵便配達員は安堵からの涙とともにうなずいた。
「すみません」
 小さな謝罪が聞こえ、イスタは首を横に振る。
「今はまず、落ち着いて、町に戻りましょう」
 マリィアが顔を中にのぞかせる。
「先に運べるだけ持っていくわね? バイクを生かす方法はそこでしょう?」
 異論は出ないため、二袋引っ張り出す。
「結構重いんじゃない?」
「だから全部は無理だけど、少しでも早く。それに、あっちにも連絡入れないと駄目でしょ?」
「そうね」
 カーミンはうなずき、バイクの後ろにバランスよく載せるのを手伝う。そして、マリィアを見送った。
「さてと、これをこうして行けば引っ張れますね。……ああ、ロニさん、その方と一緒に一旦外に出られますか?」
「ああ、問題ない」
 クオンは馬車に紐等を使ってうまくバイクにつないでいた。返事とともに、ロニに背負われ、イスタに背を抑えてもらいながら郵便配達員が出てくる。
「あ、荷物も出したほうがいいかな。結構一袋重いんだね」
 骸香は郵便物の入った袋を持って出る。往復して取り出す。
 これでまた馬車本体の重さは減る。これならば簡単に引き抜けるだろうし、うまくUターンできる場所行くことができればいいのだ。
 クオンがエンジンを掛け引っ張る。はまっていたタイヤがジワリと動く。力を出しすぎれば事故につながりかねないため、じわりじわりと時間をかけて引っ張る。うまい具合に移動させて、馬車が道を行けるように戻した。
 郵便配達員を馬車の荷台に寝かせ、ロニは御者台に入る。
「本人は所属先の郵便屋に運んだほうがいいな? 郵便物は馬やバイクで運ぶのがよさそうだが」
「そうですわね。この方はゆっくり休む必要はありますが、手紙や荷物は早く届けたいですね」
 イスタはうなずく。
 クオンと骸香が分担しバイクや馬に荷物を載せ届け先の町に行く。
 カーミンとイスタがロニの操る馬車に乗り、郵便配達員の面倒を見る。
 そして、発見された職員と荷物で、どちらの町の郵便屋も喜びと安堵に包まれるのだった。

依頼結果

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重体一覧

参加者一覧

  • 課せられた罰の先に
    クオン・サガラ(ka0018
    人間(蒼)|25才|男性|機導師
  • 支援巧者
    ロニ・カルディス(ka0551
    ドワーフ|20才|男性|聖導士
  • 花言葉の使い手
    カーミン・S・フィールズ(ka1559
    人間(紅)|18才|女性|疾影士

  • イスタ・イルマティーニ(ka1764
    人間(紅)|16才|女性|魔術師
  • ベゴニアを君に
    マリィア・バルデス(ka5848
    人間(蒼)|24才|女性|猟撃士
  • 孤独なる蹴撃手
    骸香(ka6223
    鬼|21才|女性|疾影士

サポート一覧

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2016/12/25 23:20:39
アイコン 郵便局員は何処へ消えた?
ロニ・カルディス(ka0551
ドワーフ|20才|男性|聖導士(クルセイダー)
最終発言
2016/12/27 08:26:04