ゲスト
(ka0000)
魔術学院ドキドキ探検ツアー
マスター:STANZA

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや易しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~10人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 無し
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2014/10/05 19:00
- 完成日
- 2014/10/15 10:13
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
ヴァリオス魔術学院は、魔術に関する森羅万象を解き明かし、その神秘を叡智に変え、卓越した技術で人類に資する事を目的として設立された、自由都市同盟が世界に誇る学問の府である。
設立は古く、時を遡ること……多分、かなり古いんじゃないかな。
その辺りの事はきっと、学院の偉い人が有難いお言葉の中で長々と述べている筈だ。
公式の記録にも載っているだろうし、別に覚える必要も義務も義理もない。
今、知らなければならない事は、ただひとつ。
本日、10月1日は学院の創立記念日なのだ。
つまり、お祭りだ。
この日、学院は一般に開放される——わりと普段から開放的ではあるが、この日は更に特別に。
特別厳重に管理されている一部の区画を除いて、学院内は誰でも出入り自由。
各種の一般向け公開講座が開かれる他、学院生によるパフォーマンスや研究発表などが行われ、敷地内には各種の屋台が並ぶ。
言ってみれば、リアルブルーにおける学校の文化祭の様なものだ。
様々な催しが行われる中、毎年最も人気を集める出し物がある。
その名も「魔術学院ドキドキ探検ツアー」だ。
魔術学院だけあって、その校舎は神秘と不可思議に満ちている。
外観は特に何の変哲もない四階建ての城の様だが、その内部は必要に応じて構造が変わるとも言われる不思議空間になってるのだ。
部屋数が増減したり、階段が増えたり、廊下が縮んだり、はたまた存在する筈のない五階が出現したり……一説には魔術師協会の会長ジルダ・アマートが気紛れに弄り倒しているとの噂もあるが、真偽の程は定かではない。
まあ、実用性の問題もあって、普段はそれほど頻繁に変わる事はない——生徒や教師陣に行方不明者が多発しても問題だし。
しかし、この時ばかりは特別と、校舎は複雑怪奇な生きた迷路と変貌を遂げるのだ。
参加者は十人一組で校舎に入り、皆で協力しながらゴールを目指す。
ただそれだけの、簡単なゲームだ——途中の罠さえなければ。
罠と言っても、悪質なものではない。
せいぜいが落とし穴や転移装置、廊下の無限ループ……その程度だ。
中には扉を開けたらモンスターがコンニチハなんて事もあるが、ハンターなら問題ないよね。
そんなわけで、ちょっと遊んで行きませんか?
完全制覇しても表彰もご褒美もないけれど、やりきった満足感と達成感が得られるよ!
あと仲間との連帯感とか!
多分、きっと!
リプレイ本文
「学院には行ってみたいと思ってたのよ、魔術的な知識の宝庫だし……」
一枚のポスターの前で立ち止まったフェイ(ka2533)は、ラルス・コルネリウス(ka1111)の袖を引く。
「でも何か怪しいのよね、だから一緒に行かない?」
「へぇ。いいぜ、面白そうじゃないか」
内部構造が変わる不思議校舎なんて、機導師として心引かれない筈もないだろう。
「罠だらけ? 楽勝楽勝!!」
ロザーリア・アレッサンドリ(ka0996)は、これが無事にクリア出来たら結婚するそうだ。
でも待って、お相手は?
まさかこの機会に……とか?
「先の魔法薬実験、そして創立記念日でコレか……自由な校風で羨ましいものだな、まったく」
久延毘 大二郎(ka1771)は余裕の表情で眼鏡を直す。
「ま、いい。この学院との知恵比べと洒落込もうじゃないかね」
魔術師として、この挑戦を看過する選択肢など有り得ないだろう。
「ジルダはいるだろうか」
ザレム・アズール(ka0878)は密かに期待していた。
こんな企画を実行してしまうのは彼女以外に考えられない。
(会えたら感想言ってやろう……)
願わくば、笑顔で。
「私はこれが初めての依頼なんです」
藤田 武(ka3286)は少し緊張している様だ。
「でも、誰もが初めてはあるのですし、ある意味練習的なもので始められる私は幸福とも言えるのでしょう」
幸福。果たしてそうだろうか。
「魔術学院……公開中と言う話もあって、色々と識りたくて来ましたけれど……何かが違う様な、気もしますね」
天央 観智(ka0896)は、微妙に後悔し始めていた。
求めているものは、ここには無い気がする。
「なんだか『ここに立ち入ってはいけない』と私の勘が言っています……」
ミネット・ベアール(ka3282)の本能も、引き返す様に警告している。
が、二人の足は止まらない。
これも学院の魔力なのだろうか――
●一階
「こんなの初めて見たよー! わー! 広ーい!!」
パトリス=クロー(ka1872)は、普通の家なら一部屋分の幅と二階分の高さがありそうな廊下を踊る様に歩く。
(何か描きたくなるものがたくさんあればいいな!)
エヴァ・A・カルブンクルス(ka0029)は頭上に音符のマークを散らしながら、弾む足取りでそれに続いた。
やがて行く手に大きな両開きの扉が現れ、それを開けると――
「……さて、何やら物々しい部屋に来たわけだが……」
薄暗い室内を見渡した大二郎の声に反応して、何かのスイッチが入った。
床が開き、下からスポットライトを浴びた巨大な何かがせり上がって来る。
「なんかいるわ、マジでいるわ! 最初からクライマックス!!」
「あれは……スフィンクス、蒼界の神話に出て来る人面獅子身の怪物の様にも見えますが」
鼻息も荒く指差したロザーリアに、武が答えた。
その首にはご丁寧に「らすぼす」と書かれた名札がぶら下がっている。
「成程ね、コイツを『倒せば』いいんだな」
ザレムは不敵な笑みを浮かべながら前に出る。
運動強化を自らにかけ、釘バットを正面に構えた。
「ここは俺に任せて先に行け!」
一度で良いから言ってみたかった憧れの台詞と共に、近接で一刀両断と見せかけて足元を全力で払う!
「足払いですっ転がせば、倒れた事になるだろ!」
その弾みで、きっと鍵を落としてくれるって信じてる。
しかし、釘バットが思いきりぶっ叩いたのは、透明なバリアだった!
「うおぉ、手が、手が痺れるぅぅ!」
どうやらこのバリア、物理的な破壊は不可能な様だ。
物理が駄目なら魔法か、いや――スフィンクスなら知恵比べか。
「なるほど、この番人の出す問題に正解すればいいのか」
大二郎が頷く。
「面白い、私は一応まだ学籍持ちだ、脳は錆びついていないぞ。受けて立とうじゃないか」
どうやら十問中五問正解でクリアらしい。
『第一問、この学院の教師は何人か』
そんなの知るわけ……なに、学院案内のパンフに書いてある?
「よし、俺がひとっ走り――!」
確か受付に置いてあった筈だとラルスが走り出す。
しかし入って来た扉は固く閉ざされ――
『時間切れだ』
声と共に頭上から降りて来た巨大なバケツがひっくり返り、氷水ザバァ!
ついでにバケツが脳天にコーン!
「……ええい、一昔前のお笑い番組かっ!」
大二郎が投げ返したバケツはバリアに当たって跳ね返り、再びカッコーン!
これを因果応報と言う。
そんな光景を傍観者の如くスケッチしながら、エヴァはこれ見よがしに溜息をついていた。
だってやだーこんなブサメンー。
ラスボスがイケメンだったら脳内エナジーMAXばっちこいなのにー。
だるー、テンション上がんなーい。
『第二問、ジルダ・アマートの実年齢は?』
しかし、ここでエヴァは閃いた。
ジルダなら魔術師協会で見たが事ある。
モデルの内面を見抜いて絵に表す事は、絵描きにとって必須のスキル!
それを応用すれば、きっと隠された年齢だって!
自信たっぷりにスケッチブックに数字を書き、見せる。
『○○!』 ※プライバシー保護の為、回答は伏せてあります
『ピンポーン!』
どやっ!
「そーそー、あたしもそう思ってたんだわー」
何故かロザーリアも一緒にドヤる。
しかしそこに振り下ろされる巨大なピコハン!
「え、何でどうして!?」
これ、どうやら当ててはいけない質問だったらしい。
「待って、当てたのはあたしじゃなくて!」
後ろに回ってエヴァの背を押すロザーリア、だがエヴァは後ろを取り返し満面の笑みでぐいぐいと――
しかし奮闘虚しく、巨大ピコハンは二人纏めて押し潰し、ついでに皆の記憶も消去した!
が、正解は正解。
『第三問――』
以下、なぞなぞ、禅問答から魔術関連、簡単な一般常識まで多岐にわたる問題が挑戦者達を苦しめる。
八問目が終わった段階で正答は四つ、次の問題は。
『第九問、この食品の正しい食べ方を答えよ』
ゴトンと音がして落ちて来たのは、ニシンを塩漬けにした缶詰。
恐らく蒼世界から持ち込まれたのだろう。その蓋が破裂する様に開かれ、魚が腐った様な強烈な臭気が部屋に充満する。
「な、何ですかそれ!? 食べられるんですか!?」
ミネットは鼻を押さえて呼吸を止めるが、そんな事で防げる臭気ではなかった。
更に時間切れアウトで足元から無数の機械腕が伸び、わしゃわしゃこしょこしょ。
「なっ! げほ! ちょっと、あははっ! だめですって! げほごほらめぇぇえ~~!」
ミネット、撃沈。
これで残り一問、これを外せばミッション失敗だ。
「……埒が明かないわね、良いわ、賭けましょ?」
最終の二択はどう考えても運試し、どちらの手に鍵を持ってるかなんて――
「わかる筈ないでしょ、右よ右!」
ぴんぽーん!
●二階
『どうして馬を連れてこなかったのか、私はとても後悔している』
エヴァが掲げたスケブには馬の絵が描かれていた。
しかし、いくらここが魔法の館でも、絵に描いた馬が実体化する筈もない。
そりゃ少しは期待したけどね!
「んー……廊下自体に知識欲が疼いちゃうわね……」
興味津々で辺りを見回すフェイだったが、どこを探っても罠も隠し扉も見当たらなかった。
「この学園で何もないってのが逆に怪しいな」
ラルスが疑いの目を向ける。
おまけに、どこまで行っても延々と同じ光景の繰り返しだ。
「どうやら、我々はこの一本道で迷子になっているようだ。面妖な……」
大二郎が呟き、眼鏡を直す。
と、単調な視界の中に、ふと違和感が生まれた。
「あ、兎だ!」
パトリスが弾かれた様に飛びだして行く。
「かわい……あー待って! 逃げないでー!!」
「ぅ、可愛い……って、待ちなさい……!」
一緒に走り出したフェイも、実は小動物スキー。
「それにしても、何でこんなとこにいるんだろう……迷子かなぁ……?」
だったら外に逃がしてあげなくちゃ!
だが、狩猟民ミネットの反応は一味違う。
「あ、うさぎさんですね!」
じゅるり。
条件反射で弓を引き絞り――しかし、気付いた二人に全力で止められた。
「え?」
何で止めるの? だってあれ、お肉だよ?
それを見ていた兎はくるりと踵を返すと、三人の頭を順番に踏んづけて大ジャンプ!
大二郎の頭に着地したついでに、その眼鏡を奪って行った!
「な、眼鏡が!? 誰だ! おい、待て……!」
だが視界はぼやけて何も見えない!
「私が取り戻しましょう」
武は懐から取り出したのは、秘密兵器の人参だ。
「兎と言えば人参です」
人参を囓れば兎と同じ速度で追いかけられると、頭のどこかで声がしたらしい、が。
多分それ耳を傾けちゃアカンやつ……
そして始まる追いかけっこ、しかしラルスはそれを生温かく見守る。
ザレムもまた、黙ってそれを見送っていた。
「あ、そういうことか」
変化のない回廊に唯一現れた変化、きっとあれが脱出の鍵だ。
追われる獣は逃げるが道理、いずれまたここに戻って来るだろう。
慌てず騒がずポテチとレタスでトラップを作って待ち伏せる。
「捕まえ難いなら、相手に来て貰えばいいのさ」
しかし、兎は予想とは逆の方向から現れた。
「ほうほう、つまり、この世界はドーナツ型だったんだよ!!」
ロザーリア、ドヤ顔。
「いや、無限回廊ですね」
しかし、そこは観智が冷静にツッコミを入れた。
それがわかれば捕獲は簡単、反対側から追い込んで……待ち伏せたエヴァと観智がスリープクラウドを連発!
皆眠ると良いよ☆
問答無用で全員スヤァ、って、あれ?
その後の事は、記憶が定かではない。
兎を捕まえたと思ったのは、夢か現か幻か。
「そこに水色のエプロンドレスを着た女の子がいた気がするんだけど」
それも夢だったのだろうかと、ロザーリアが首を傾げた。
●三階
三階へと急ぐフェイは、背中に視線を感じて振り返る。
「なに?」
「いや、何も?」
「そう。なら良いけど」
少し不審に感じながらも、フェイは再び前を向いた。
しかし、そこに不意打ちの一言が。
「ああいう可愛いのが好きか」
途端にフェイの頬が真っ赤に染まる。
だが、それを悟らせまいと前を向いたまま、フェイは何事もなかった様に先を急いだ。
「……煩い、何でもないわよ」
「その割には随分と幸せそうに撫でてたけどな」
「あれは兎を油断させる為に……!」
ん? 待てよ、あれは夢だったのでは――
その時、二人は気付いた。足元の床を伝う振動と、遠くから聞こえて来る地鳴りの様な音に。
「……って、玉ああああ!」
「ちょっと待てー!! 鉄球ってなんだ鉄球ってー!!」
「ちょっ……これはヤバくない……?」
ザレムとロザーリア、パトリスの三人は全力で逃げる!
だが、追い付かれてしまった!
「そこ、安全地帯!」
ザレムが指差すが、そこには先客が!
『ここは私が死守するよ!』
窪みに貼り付いて親指を立てたエヴァの瞳が、そう語っていた。
必殺、ここは任せて先へ行けの炸裂だ!
しかしそこに、ザレムのお前一人で逝かせはしないカウンターが!
「大人1人!?」
いや、エヴァの体格と厚み(何の)なら或いは!
「最悪2人でぎゅうぎゅうになってでもっ」
むぎゅーっ!
「すまんな、大丈夫か?」
へんじがない。しかばねのようだ。
入り損ねた二人は更に先まで走る。
「革鎧なんて重い物着てくるんじゃなかったー」
間一髪で飛び込んだロザーリアの目の前を、鉄球が転がって行く。
「貧乳じゃなかったら胸に当たって即死だったね」
ひんぬーの勝利である。
パトリスはまだ走っていた。
窪みに飛び込むタイミングを掴めずに、ひたすら走っていた。
だが、角を曲がっても鉄球は執拗に追って来る。
そればかりか――
「うそ、前からも!?」
挟まれた。近くには逃げ場も窪みもない。
その時、いかにも狙ったタイミングで天井から梯子が降りて来た。
「助かったー!」
「あ、待って下さい、罠かもしれませんよ!」
近くの窪みに身を潜めていた観智が注意を促すが。
「トラップなんてそんなのに引っかかるわけ……わわっ!?」
梯子を掴んだ瞬間、手に何かがくっついた。
「え、トリモチ!? やだ、ベタベタっ」
梯子はそのまま天井まで釣り上げられる。
鉄球に潰される事は回避したが、今度は宙吊りのまま羽の先端でこちょぐりの刑!
「いやあぁぁっ、きゃは、あははははやめてやめきゃーーーっ」
楽しそうで、何より。
「知力・体力・時の運……まさかこんなアトラクションでこの三つを全部使う事になるとはな……見くびっていたよ」
大二郎の目には、時が見えていた。
そう、高速で自分に向かって来る鉄球の姿となって。
時の流れに逆らおうなどと、何を愚かな。
長いものには巻かれ、巨大なものには潰されるのが人の世の倣い。
まあ、端的に言えば体力を使い果たして一歩も動けないのだ。
しかし神はまだ彼を見捨ててはいなかった。
「久延毘さん、お許し下さい!」
ミネットは大二郎の襟首を引っ掴み、近くの窪みに向けて全力投球!
べっちいぃん!
「ぐえー!」
鉄球は無事に回避した。
勿論その行為は100%親切心からである。
「神よ、われらに祝福を」
鉄球が通り過ぎた後、武がヒールを施すが……あまり回復した様子はない、気がする。
「トラップって先に進ませないためのものだしな、まさかブラフじゃねーだろうし」
「こんな場合、大抵……鉄球が転がってくる先に何かあるのよね」
ラルスとフェイは鉄球を遣り過ごしつつ、じりじりと出口に近付いて行く。
しかし終盤は窪みの数も少なく――
「こりゃ一緒に入るしかねぇな!」
ラルスは窪みにフェイを押し込み、その上に覆い被さる。
一応ガードしているつもり、なのだが。
「ちょ、狭いって言うか……どこ触ってんのよ!?」
「おう、柔らかかったぜ」
真顔でさむずあっぷしたラルスは、そのままの姿勢と表情で炎の海に沈んで行ったとか……
●四階
「今日だけで1ヶ月分くらい走った気がする……」
漸く罠を解除したパトリスは、壁に寄りかかって一休み。
しかし、まだ最後の試練が残されていた。
「うぅ……今まで体力的にキツかった分、この階はマシそうですね……」
盛大なフラグを立てるのは乙女の嗜み。
ミネットは悉く落とし穴マスに止まり、せっせとフラグを回収する。
「わ、私は大丈夫です……諦めません! 上がるまでは!」
何往復かの後。
ここで5が出れば上がりだが、前後には落とし穴が!
万感の思いを込めて振ったダイスは――
\6だった!/
「あと少し頑張ろうぜ!」
爽やかな笑顔で落とされるザレム。
しかし彼はメゲナイ。
「たとえ賽の目荒れるとも! たとえ嵐が吹こうとも! 必ずゴールしてみせるっ!!」
一休みして復活したパトリスは、ぴょこぴょこと跳ねるように進む。
「こんなすごろく、またできるかわからないもん! 楽しまなきゃ損だよっ!」
え、すぐ後ろの人と○ッキーゲーム?
後ろって……
「私ですか!?」
武がキョドりながら自分を指差す。
その彼は今、自分の罰ゲームに挑戦中だった。
「好みの女性、ですか。貧乳で腰回りが細くてメガネの似合う――」
もしや、それってロザーリアさん?
ひんぬー、細身、眼鏡は……モノクルだけど。
その彼女は今、頭にタライの直撃を受けていた。
ダイス足元にそっと落として好きな目出し放題とか駄目ですか、駄目ですね。
で、罰ゲームは……なになに、スリーサイズを晒せ??
「上からきゅうじゅ……って、落とし穴ーーっ!! 虚偽申告はダメっすかーーーっ!!」
エヴァへの課題は「正直な自己紹介」という事で。
『私は真面目で柔順な乙女です』
見て、この一点の曇りもない穢れなき瞳を――え、なんで落とされるの!?
ひらりと舞った一枚の紙には、こう書かれていた。
『好きな人のタイプとかならいつでも聞いてね大歓迎★』
え、どうせイケメン一択だろうって、そんな……!
「ようやくゴールの目前まで来たか……そして、最大の試練のようだな」
大二郎は悟りを開いた様な静かな心でダイスを振る。
ここまで来たら運を天に任せるしかない、神様もきっと悪いようには――ガコンッ!
「今回こんなんばっかだな私はァァァァァァ…!」
ふぇーどあうと。
「ぉ、可愛いじゃねーか。似合ってるぜ」
猫耳魔法少女コスになったフェイの頭を、人語を操る猫ラルスが前足でぽふぽふ。
二人が仲良く止まったマスは、ランダム変身のトラップだった。
次のダイスもぴったり同じ目を出すなんて、どこまで息が合っているのか――はい、二人纏めて○ッシュートね。
観智は地道に1マスずつ進んでいた。
63ターンの間ダイスが1に固定される呪いを受けたせいだが、ここは逆に考えるんだ。
1マスずつ進めば必ずぴったりで上がれるではないか。
「全部の罰ゲームが出来るなんて良いなー!」
ほら、パトリスもそう言ってる。
「大丈夫です、根気だけは……多分」
なる様にしか、ならないし。
●ゴール
有り余る達成感と圧倒的な疲労感、そして妙な喪失感。
「マジで恐ろしい目にあったわ」
出迎えたジルダに感想を聞かれ、ロザーリアはそう答えた。
それはきっと、参加者全員の総意――
え、楽しかった?
またやりたい……とは言って、ない?
後日、武の手による一通の報告書が届けられた。
それは学園の図書館に収蔵され、ツアーの攻略本として重宝されているそうだ――
一枚のポスターの前で立ち止まったフェイ(ka2533)は、ラルス・コルネリウス(ka1111)の袖を引く。
「でも何か怪しいのよね、だから一緒に行かない?」
「へぇ。いいぜ、面白そうじゃないか」
内部構造が変わる不思議校舎なんて、機導師として心引かれない筈もないだろう。
「罠だらけ? 楽勝楽勝!!」
ロザーリア・アレッサンドリ(ka0996)は、これが無事にクリア出来たら結婚するそうだ。
でも待って、お相手は?
まさかこの機会に……とか?
「先の魔法薬実験、そして創立記念日でコレか……自由な校風で羨ましいものだな、まったく」
久延毘 大二郎(ka1771)は余裕の表情で眼鏡を直す。
「ま、いい。この学院との知恵比べと洒落込もうじゃないかね」
魔術師として、この挑戦を看過する選択肢など有り得ないだろう。
「ジルダはいるだろうか」
ザレム・アズール(ka0878)は密かに期待していた。
こんな企画を実行してしまうのは彼女以外に考えられない。
(会えたら感想言ってやろう……)
願わくば、笑顔で。
「私はこれが初めての依頼なんです」
藤田 武(ka3286)は少し緊張している様だ。
「でも、誰もが初めてはあるのですし、ある意味練習的なもので始められる私は幸福とも言えるのでしょう」
幸福。果たしてそうだろうか。
「魔術学院……公開中と言う話もあって、色々と識りたくて来ましたけれど……何かが違う様な、気もしますね」
天央 観智(ka0896)は、微妙に後悔し始めていた。
求めているものは、ここには無い気がする。
「なんだか『ここに立ち入ってはいけない』と私の勘が言っています……」
ミネット・ベアール(ka3282)の本能も、引き返す様に警告している。
が、二人の足は止まらない。
これも学院の魔力なのだろうか――
●一階
「こんなの初めて見たよー! わー! 広ーい!!」
パトリス=クロー(ka1872)は、普通の家なら一部屋分の幅と二階分の高さがありそうな廊下を踊る様に歩く。
(何か描きたくなるものがたくさんあればいいな!)
エヴァ・A・カルブンクルス(ka0029)は頭上に音符のマークを散らしながら、弾む足取りでそれに続いた。
やがて行く手に大きな両開きの扉が現れ、それを開けると――
「……さて、何やら物々しい部屋に来たわけだが……」
薄暗い室内を見渡した大二郎の声に反応して、何かのスイッチが入った。
床が開き、下からスポットライトを浴びた巨大な何かがせり上がって来る。
「なんかいるわ、マジでいるわ! 最初からクライマックス!!」
「あれは……スフィンクス、蒼界の神話に出て来る人面獅子身の怪物の様にも見えますが」
鼻息も荒く指差したロザーリアに、武が答えた。
その首にはご丁寧に「らすぼす」と書かれた名札がぶら下がっている。
「成程ね、コイツを『倒せば』いいんだな」
ザレムは不敵な笑みを浮かべながら前に出る。
運動強化を自らにかけ、釘バットを正面に構えた。
「ここは俺に任せて先に行け!」
一度で良いから言ってみたかった憧れの台詞と共に、近接で一刀両断と見せかけて足元を全力で払う!
「足払いですっ転がせば、倒れた事になるだろ!」
その弾みで、きっと鍵を落としてくれるって信じてる。
しかし、釘バットが思いきりぶっ叩いたのは、透明なバリアだった!
「うおぉ、手が、手が痺れるぅぅ!」
どうやらこのバリア、物理的な破壊は不可能な様だ。
物理が駄目なら魔法か、いや――スフィンクスなら知恵比べか。
「なるほど、この番人の出す問題に正解すればいいのか」
大二郎が頷く。
「面白い、私は一応まだ学籍持ちだ、脳は錆びついていないぞ。受けて立とうじゃないか」
どうやら十問中五問正解でクリアらしい。
『第一問、この学院の教師は何人か』
そんなの知るわけ……なに、学院案内のパンフに書いてある?
「よし、俺がひとっ走り――!」
確か受付に置いてあった筈だとラルスが走り出す。
しかし入って来た扉は固く閉ざされ――
『時間切れだ』
声と共に頭上から降りて来た巨大なバケツがひっくり返り、氷水ザバァ!
ついでにバケツが脳天にコーン!
「……ええい、一昔前のお笑い番組かっ!」
大二郎が投げ返したバケツはバリアに当たって跳ね返り、再びカッコーン!
これを因果応報と言う。
そんな光景を傍観者の如くスケッチしながら、エヴァはこれ見よがしに溜息をついていた。
だってやだーこんなブサメンー。
ラスボスがイケメンだったら脳内エナジーMAXばっちこいなのにー。
だるー、テンション上がんなーい。
『第二問、ジルダ・アマートの実年齢は?』
しかし、ここでエヴァは閃いた。
ジルダなら魔術師協会で見たが事ある。
モデルの内面を見抜いて絵に表す事は、絵描きにとって必須のスキル!
それを応用すれば、きっと隠された年齢だって!
自信たっぷりにスケッチブックに数字を書き、見せる。
『○○!』 ※プライバシー保護の為、回答は伏せてあります
『ピンポーン!』
どやっ!
「そーそー、あたしもそう思ってたんだわー」
何故かロザーリアも一緒にドヤる。
しかしそこに振り下ろされる巨大なピコハン!
「え、何でどうして!?」
これ、どうやら当ててはいけない質問だったらしい。
「待って、当てたのはあたしじゃなくて!」
後ろに回ってエヴァの背を押すロザーリア、だがエヴァは後ろを取り返し満面の笑みでぐいぐいと――
しかし奮闘虚しく、巨大ピコハンは二人纏めて押し潰し、ついでに皆の記憶も消去した!
が、正解は正解。
『第三問――』
以下、なぞなぞ、禅問答から魔術関連、簡単な一般常識まで多岐にわたる問題が挑戦者達を苦しめる。
八問目が終わった段階で正答は四つ、次の問題は。
『第九問、この食品の正しい食べ方を答えよ』
ゴトンと音がして落ちて来たのは、ニシンを塩漬けにした缶詰。
恐らく蒼世界から持ち込まれたのだろう。その蓋が破裂する様に開かれ、魚が腐った様な強烈な臭気が部屋に充満する。
「な、何ですかそれ!? 食べられるんですか!?」
ミネットは鼻を押さえて呼吸を止めるが、そんな事で防げる臭気ではなかった。
更に時間切れアウトで足元から無数の機械腕が伸び、わしゃわしゃこしょこしょ。
「なっ! げほ! ちょっと、あははっ! だめですって! げほごほらめぇぇえ~~!」
ミネット、撃沈。
これで残り一問、これを外せばミッション失敗だ。
「……埒が明かないわね、良いわ、賭けましょ?」
最終の二択はどう考えても運試し、どちらの手に鍵を持ってるかなんて――
「わかる筈ないでしょ、右よ右!」
ぴんぽーん!
●二階
『どうして馬を連れてこなかったのか、私はとても後悔している』
エヴァが掲げたスケブには馬の絵が描かれていた。
しかし、いくらここが魔法の館でも、絵に描いた馬が実体化する筈もない。
そりゃ少しは期待したけどね!
「んー……廊下自体に知識欲が疼いちゃうわね……」
興味津々で辺りを見回すフェイだったが、どこを探っても罠も隠し扉も見当たらなかった。
「この学園で何もないってのが逆に怪しいな」
ラルスが疑いの目を向ける。
おまけに、どこまで行っても延々と同じ光景の繰り返しだ。
「どうやら、我々はこの一本道で迷子になっているようだ。面妖な……」
大二郎が呟き、眼鏡を直す。
と、単調な視界の中に、ふと違和感が生まれた。
「あ、兎だ!」
パトリスが弾かれた様に飛びだして行く。
「かわい……あー待って! 逃げないでー!!」
「ぅ、可愛い……って、待ちなさい……!」
一緒に走り出したフェイも、実は小動物スキー。
「それにしても、何でこんなとこにいるんだろう……迷子かなぁ……?」
だったら外に逃がしてあげなくちゃ!
だが、狩猟民ミネットの反応は一味違う。
「あ、うさぎさんですね!」
じゅるり。
条件反射で弓を引き絞り――しかし、気付いた二人に全力で止められた。
「え?」
何で止めるの? だってあれ、お肉だよ?
それを見ていた兎はくるりと踵を返すと、三人の頭を順番に踏んづけて大ジャンプ!
大二郎の頭に着地したついでに、その眼鏡を奪って行った!
「な、眼鏡が!? 誰だ! おい、待て……!」
だが視界はぼやけて何も見えない!
「私が取り戻しましょう」
武は懐から取り出したのは、秘密兵器の人参だ。
「兎と言えば人参です」
人参を囓れば兎と同じ速度で追いかけられると、頭のどこかで声がしたらしい、が。
多分それ耳を傾けちゃアカンやつ……
そして始まる追いかけっこ、しかしラルスはそれを生温かく見守る。
ザレムもまた、黙ってそれを見送っていた。
「あ、そういうことか」
変化のない回廊に唯一現れた変化、きっとあれが脱出の鍵だ。
追われる獣は逃げるが道理、いずれまたここに戻って来るだろう。
慌てず騒がずポテチとレタスでトラップを作って待ち伏せる。
「捕まえ難いなら、相手に来て貰えばいいのさ」
しかし、兎は予想とは逆の方向から現れた。
「ほうほう、つまり、この世界はドーナツ型だったんだよ!!」
ロザーリア、ドヤ顔。
「いや、無限回廊ですね」
しかし、そこは観智が冷静にツッコミを入れた。
それがわかれば捕獲は簡単、反対側から追い込んで……待ち伏せたエヴァと観智がスリープクラウドを連発!
皆眠ると良いよ☆
問答無用で全員スヤァ、って、あれ?
その後の事は、記憶が定かではない。
兎を捕まえたと思ったのは、夢か現か幻か。
「そこに水色のエプロンドレスを着た女の子がいた気がするんだけど」
それも夢だったのだろうかと、ロザーリアが首を傾げた。
●三階
三階へと急ぐフェイは、背中に視線を感じて振り返る。
「なに?」
「いや、何も?」
「そう。なら良いけど」
少し不審に感じながらも、フェイは再び前を向いた。
しかし、そこに不意打ちの一言が。
「ああいう可愛いのが好きか」
途端にフェイの頬が真っ赤に染まる。
だが、それを悟らせまいと前を向いたまま、フェイは何事もなかった様に先を急いだ。
「……煩い、何でもないわよ」
「その割には随分と幸せそうに撫でてたけどな」
「あれは兎を油断させる為に……!」
ん? 待てよ、あれは夢だったのでは――
その時、二人は気付いた。足元の床を伝う振動と、遠くから聞こえて来る地鳴りの様な音に。
「……って、玉ああああ!」
「ちょっと待てー!! 鉄球ってなんだ鉄球ってー!!」
「ちょっ……これはヤバくない……?」
ザレムとロザーリア、パトリスの三人は全力で逃げる!
だが、追い付かれてしまった!
「そこ、安全地帯!」
ザレムが指差すが、そこには先客が!
『ここは私が死守するよ!』
窪みに貼り付いて親指を立てたエヴァの瞳が、そう語っていた。
必殺、ここは任せて先へ行けの炸裂だ!
しかしそこに、ザレムのお前一人で逝かせはしないカウンターが!
「大人1人!?」
いや、エヴァの体格と厚み(何の)なら或いは!
「最悪2人でぎゅうぎゅうになってでもっ」
むぎゅーっ!
「すまんな、大丈夫か?」
へんじがない。しかばねのようだ。
入り損ねた二人は更に先まで走る。
「革鎧なんて重い物着てくるんじゃなかったー」
間一髪で飛び込んだロザーリアの目の前を、鉄球が転がって行く。
「貧乳じゃなかったら胸に当たって即死だったね」
ひんぬーの勝利である。
パトリスはまだ走っていた。
窪みに飛び込むタイミングを掴めずに、ひたすら走っていた。
だが、角を曲がっても鉄球は執拗に追って来る。
そればかりか――
「うそ、前からも!?」
挟まれた。近くには逃げ場も窪みもない。
その時、いかにも狙ったタイミングで天井から梯子が降りて来た。
「助かったー!」
「あ、待って下さい、罠かもしれませんよ!」
近くの窪みに身を潜めていた観智が注意を促すが。
「トラップなんてそんなのに引っかかるわけ……わわっ!?」
梯子を掴んだ瞬間、手に何かがくっついた。
「え、トリモチ!? やだ、ベタベタっ」
梯子はそのまま天井まで釣り上げられる。
鉄球に潰される事は回避したが、今度は宙吊りのまま羽の先端でこちょぐりの刑!
「いやあぁぁっ、きゃは、あははははやめてやめきゃーーーっ」
楽しそうで、何より。
「知力・体力・時の運……まさかこんなアトラクションでこの三つを全部使う事になるとはな……見くびっていたよ」
大二郎の目には、時が見えていた。
そう、高速で自分に向かって来る鉄球の姿となって。
時の流れに逆らおうなどと、何を愚かな。
長いものには巻かれ、巨大なものには潰されるのが人の世の倣い。
まあ、端的に言えば体力を使い果たして一歩も動けないのだ。
しかし神はまだ彼を見捨ててはいなかった。
「久延毘さん、お許し下さい!」
ミネットは大二郎の襟首を引っ掴み、近くの窪みに向けて全力投球!
べっちいぃん!
「ぐえー!」
鉄球は無事に回避した。
勿論その行為は100%親切心からである。
「神よ、われらに祝福を」
鉄球が通り過ぎた後、武がヒールを施すが……あまり回復した様子はない、気がする。
「トラップって先に進ませないためのものだしな、まさかブラフじゃねーだろうし」
「こんな場合、大抵……鉄球が転がってくる先に何かあるのよね」
ラルスとフェイは鉄球を遣り過ごしつつ、じりじりと出口に近付いて行く。
しかし終盤は窪みの数も少なく――
「こりゃ一緒に入るしかねぇな!」
ラルスは窪みにフェイを押し込み、その上に覆い被さる。
一応ガードしているつもり、なのだが。
「ちょ、狭いって言うか……どこ触ってんのよ!?」
「おう、柔らかかったぜ」
真顔でさむずあっぷしたラルスは、そのままの姿勢と表情で炎の海に沈んで行ったとか……
●四階
「今日だけで1ヶ月分くらい走った気がする……」
漸く罠を解除したパトリスは、壁に寄りかかって一休み。
しかし、まだ最後の試練が残されていた。
「うぅ……今まで体力的にキツかった分、この階はマシそうですね……」
盛大なフラグを立てるのは乙女の嗜み。
ミネットは悉く落とし穴マスに止まり、せっせとフラグを回収する。
「わ、私は大丈夫です……諦めません! 上がるまでは!」
何往復かの後。
ここで5が出れば上がりだが、前後には落とし穴が!
万感の思いを込めて振ったダイスは――
\6だった!/
「あと少し頑張ろうぜ!」
爽やかな笑顔で落とされるザレム。
しかし彼はメゲナイ。
「たとえ賽の目荒れるとも! たとえ嵐が吹こうとも! 必ずゴールしてみせるっ!!」
一休みして復活したパトリスは、ぴょこぴょこと跳ねるように進む。
「こんなすごろく、またできるかわからないもん! 楽しまなきゃ損だよっ!」
え、すぐ後ろの人と○ッキーゲーム?
後ろって……
「私ですか!?」
武がキョドりながら自分を指差す。
その彼は今、自分の罰ゲームに挑戦中だった。
「好みの女性、ですか。貧乳で腰回りが細くてメガネの似合う――」
もしや、それってロザーリアさん?
ひんぬー、細身、眼鏡は……モノクルだけど。
その彼女は今、頭にタライの直撃を受けていた。
ダイス足元にそっと落として好きな目出し放題とか駄目ですか、駄目ですね。
で、罰ゲームは……なになに、スリーサイズを晒せ??
「上からきゅうじゅ……って、落とし穴ーーっ!! 虚偽申告はダメっすかーーーっ!!」
エヴァへの課題は「正直な自己紹介」という事で。
『私は真面目で柔順な乙女です』
見て、この一点の曇りもない穢れなき瞳を――え、なんで落とされるの!?
ひらりと舞った一枚の紙には、こう書かれていた。
『好きな人のタイプとかならいつでも聞いてね大歓迎★』
え、どうせイケメン一択だろうって、そんな……!
「ようやくゴールの目前まで来たか……そして、最大の試練のようだな」
大二郎は悟りを開いた様な静かな心でダイスを振る。
ここまで来たら運を天に任せるしかない、神様もきっと悪いようには――ガコンッ!
「今回こんなんばっかだな私はァァァァァァ…!」
ふぇーどあうと。
「ぉ、可愛いじゃねーか。似合ってるぜ」
猫耳魔法少女コスになったフェイの頭を、人語を操る猫ラルスが前足でぽふぽふ。
二人が仲良く止まったマスは、ランダム変身のトラップだった。
次のダイスもぴったり同じ目を出すなんて、どこまで息が合っているのか――はい、二人纏めて○ッシュートね。
観智は地道に1マスずつ進んでいた。
63ターンの間ダイスが1に固定される呪いを受けたせいだが、ここは逆に考えるんだ。
1マスずつ進めば必ずぴったりで上がれるではないか。
「全部の罰ゲームが出来るなんて良いなー!」
ほら、パトリスもそう言ってる。
「大丈夫です、根気だけは……多分」
なる様にしか、ならないし。
●ゴール
有り余る達成感と圧倒的な疲労感、そして妙な喪失感。
「マジで恐ろしい目にあったわ」
出迎えたジルダに感想を聞かれ、ロザーリアはそう答えた。
それはきっと、参加者全員の総意――
え、楽しかった?
またやりたい……とは言って、ない?
後日、武の手による一通の報告書が届けられた。
それは学園の図書館に収蔵され、ツアーの攻略本として重宝されているそうだ――
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作戦相談卓 パトリス=クロー(ka1872) 人間(リアルブルー)|12才|女性|猟撃士(イェーガー) |
最終発言 2014/10/05 16:12:29 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2014/10/05 17:33:42 |