【初夢】時代劇「香炉峰の大雪」

マスター:御影堂

シナリオ形態
ショート
難易度
普通
オプション
  • duplication
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
4~8人
サポート
0~0人
マテリアルリンク
報酬
無し
相談期間
5日
締切
2017/01/09 09:00
完成日
2017/01/16 08:08

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング


 江戸の街に雪が降る。
 師走のはじめ、ちらりちらりと降ってくる雪に人々は息を白く染めながら冬を感じていた。犬は外ではしゃぎ周り、猫はコタツで丸くなる。長屋の中で、火鉢の暖かみをありがたく感じていた。
 だが、次第に人々の表情は空を覆う雲のごとく影っていった。

 江戸の天文方、渋川緋三郎は日々の雪に頭を悩ませていた。師走に入ってこの方、未だに晴れはなし。雪は次第に激しさを増し、降り積もる。重みで倒壊した家屋が出たとの報告まで入った。
「わからぬ……雲はこちらの方角から流れてくるが……」
「その雲はこの山から生まれていると聞きます……」
「山から雪雲が生まれるなぞ、聞いたこともない」
 部下からの報告に、緋三郎は眉間にしわを寄せる。
 妖怪の仕業と江戸市中に触れ回るかわら版があるという。上役からは、根拠のない風説の流布を止めるためにも「何とかしろ」と言われている。
 中間管理職の厳しさは昔も今も変わらない。
「……先生、ここは例の者共に託すというのは如何でしょうか」
「例の?」
「こういう妖かし事に特化した始末屋ですよ。奉行所は度々利用しているそうですが」
「お前も……」
 根も葉もない噂を信じるのかと言いかけて、止める。前例はなく、原因はまったくもってわからない。妖怪の仕業というかわら版によれば、「雪を降らす白狐」が目覚めたことこそ原因らしい。
「もし、本当に止めることができればという条件付きで……依頼を出すとするか」
 煙草を一服、吐き出した白い煙がふわりと消える。


 江戸某所、薄暗い場所ででっぷりと太った男が手もみして振り返る。寺に併設された茶屋の二階、集められたのは老若男女を問わない。共通項はただ一つ――その筋の者たちだ。
「というわけで、お仕事です」
 太った男は、ジャラジャラと長数珠を鳴らしつつ告げる。
「香炉峰の雪はご存知でしょうか。さしずめ、此度の依頼は香炉峰の大雪退治とでもいうべきでしょうかねぇ」
 すらりと取り出した巻物を広げながら、男はホッホと笑い声を上げた。数人の視線に、「失礼」と表情を引き締める。
「すでに敵は確認しております……白い大狐が一匹。その取り巻きか、ましらが数匹見受けられます。解決せねば、金払いはしないとのこと……信用ないですねぇ」
 ぐるりと視線を回して、男は数人をみとめる。
「雪山登山の準備を整え、中心部に巣食う妖怪を退治してください。一人では厳しいかと思いますので、皆様、何卒ご協力をお願いしますねぇ」


 後に文人の一人はこう記す。
「この年、江戸に大雪降る。
 妖怪の仕業と風説流れる」
 ここに新たな挿話がされるかどうかは、皆様の活躍次第であるといえよう。

リプレイ本文


 雪化粧も過ぎたれば死化粧と化す。白く染まった江戸八百八町で戸をあけるものはなく、往来は猫の一匹すらいやしない。駆けずり回る犬すらいないのだから、当然か。
「ふぅー……まーたこの寒い時期に面倒事を……」
 地に届きそうな銀髪を揺らめかせ、愚痴をこぼして煙管を吹かす。同心、犬走沙耶(ハスキー(ka2447)は煙と同時に愚痴を吐き出す。
「……好きで始末やなんてやってねぇつーの」
「……まったくだ」
 その隣で負けじと白い息を履くのは、テオバルト・グリム(ka1824)である。
「久しぶりに客だと思ったのに、犬走の姐さんとはね。また、こっちの仕事かよ」
 チキショーと吐き捨てては、寒い寒いと口にする。
「あんたの国ではどうだったのさ」と異国人であるテオバルトに沙耶は問いかける。
「俺の国も冬は寒いが、何ていうのかな。じわじわ染み込んでくるような寒さで嫌だねぇ」
「じゃあ、やめとくかい?」
「ま、出ちまったもんは仕方ねぇ。役目は果たせていただきますよ」
 数年前に流れ着いた異国人、職業は何でも屋……のはずなのだがとテオバルトは我が身を思う。妖怪絡みの事件に関わるうちに、すっかり退魔師の端くれ扱いだ。
 隣にはお目付け役の不良同心、ここはおとなしくしているに限る。
「なら、いいさ。さて、他の奴らも拾えるだけ拾っていくか」
 シャリッと雪を踏みしめて、二人は江戸の街を練り歩く。

 二人の行先、まだ疎らに人の見える場所で踊り祈祷を行う少女がいた。傍らには烏帽子を被せたネズミを置き、神楽鈴を振って踊る。
「サキミタマ―クシミタマ―ネズミタマー幸え給えー」
 名は、火箆(Capella(ka2390)という。傍らに立てられたネズミ大明神の文字、踊り神楽で周囲の耳目を集める。一通り、踊りきると火箆はムムッと北西の方角へ神楽鈴を向けた。
「この異常天候……雪山に妖力の気配あり……! みんなーっ、ネズミ大明神に防寒具を奉納して! お礼に無料で祈祷するよ!」
 奇特な町人が使い古した蓑やかんじきを奉納しては去っていく。中には使えなさそうなボロも混じっている。
「これは……使えなさそうかな。いえ、何でも! さぁ、どんどん奉納するといいよ!」
「おい、ネズミ屋」
 威勢よく声を張っているところに、沙耶が顔を見せる。バツが悪そうに、火箆はそっぽを向いて奉納の呼びかけを続けようとする。
「あまり派手にはするなよ?」
「いやだなあ……みなさんの分も揃えようと頑張ってるんだよ?」
「度を越さなければ、それでいいさ。自分で用意できる奴も多かろうしね」
「俺はもらえると嬉しいけどね」
 テオバルトの言葉に、火箆は任せてと親指を立てる。これ以上、邪魔するのも野暮というもの。沙耶は集合場所だけ伝えると火箆の下を去っていった。

 人の往来が少なくても、変わらず賑やかな場所もある。吉原や賭場がその好例である。沙耶が次に顔を出したのは、そんな賭場の一つだった。
「見回りついでに様子見か?」
 金治(ジャック・エルギン(ka1522)は、沙耶の顔を見るなり目を細めて近寄ってきた。金治は、かき集めたのかチグハグな着物を重ねていた。
「姐さんはどう思ってるんだ。解決せねば金払いはしない、ひっでえ話だ。支度金まで自腹だぜ?」
「嫌ならやめとくか?」
 問われると金治は肩をすくめてみせた。
「この雪で懐具合も寒いんだ。やるに決まってるじゃん」
 火箆が防寒具を募っていたことを金治に告げると、「ネズミ大明神か……」と迷いを見せる。
「気が乗ったら、もらいにいくさ」
 そういいながら、煙管に火を落とすのだった。

 飄々としているが抜け目がない。一癖も二癖もある退魔師の中では、常識人といえる。沙耶がそう評するのが、鞍馬 真(ka5819)である。
「それは買いかぶりすぎだ」
 茶屋の軒下、温かい茶を啜りながら真はそう返した。沙耶は、「そんなことないさ」と前置きをして顎をしゃくる。そこにいたのは、頭巾をかぶった女易者星野 ハナ(ka5852)であった。
 「そこの御仁、困り事は易に頼ると解決するかもしれませんよぅ」
 筮竹をじゃらじゃら振りながら、数少ない客を逃すまいとがっと袖を掴んで引き寄せる。強引に座らせると、早速とばかりに算木を置いて易経めくる。
「ここまでが二多一少だからぁ……」
 ぶつぶつと呟きながらの占いに、客はどうしたものかと困り顔だ。やっとこさ顔をあげると結果を告げる。
「今あなたの運勢はぁ……なので身近な方に相談すると解決すると思われますぅ。今あなたが思い浮かべた方の性別と年齢を教えて下さいぃ。その方の運勢を占って助言できそうな方を探しますぅ」
 それからも僅かばかりの占いを終え、数銭を得る。客の姿が見えなくなると、ため息混じりにけろく器を抱え込む。
「……陰陽寮の修行の方が楽でしたよぅ、はふぅ」
 職業不詳の遊び人を気取っている真からすれば、立派な姿に見える。
「立派な易者だな。私とは違う」
 だが、沙耶は別の側面を見ていた。
「退魔師として一番真面目なのは真だぜ?」
 そういって指差す先にあるのは、登山用に用意された方位磁石や懐炉だった。頼りにしてると告げて、沙耶はその場を離れる。
「そうなのか?」
 真はそんな自問自答を白い息と共に吐き出すのだった。各員準備が整う中、雪山登山の日は近づいていた。


 当日早朝。
 雪山の麓にて、いざ行かんと退魔師が集まったところで、小宮・千秋(ka6272)は思い出したように包みを広げた。
「そうそう、お腹が空いては戦はできませんよー」
 取り出したのは、おにぎりやお餅。そして、おかずとして塩気のあるお漬物と梅干しを添える。
「戦い前の食事ですか」
 いただいておきましょうと手を伸ばしたのは、エルバッハ・リオン(ka2434)である。
「今回は敵よりも、荒天の雪山という環境の方が怖いですしね」
 何が起こるかわからない。異国から流れてきた妖術師であるエルは、気を張っていた。いつも身につけているドレスではなく、雪山装備にした程である。
 ブーツの下に皆が付けているのと同じく輪かんじき、凍傷予防として手足の指に唐辛子を塗ったり、足に油紙を巻いたり……。
 防寒対策は人それぞれ個性が出る。火箆やテオバルト、金治に真は懐炉を持参して暖を取る。金治は加えて、日本酒の徳利を刀と同じく提げている。
 千秋は湯たんぽを携え、ハナに至っては、
「白い布に綿入れに簑に笠に温石に深沓にぃ……」
 ここにきて再確認するほど、余念がない。
「あんたもこの依頼受けてたのか」
 そんなハナに金治が声をかける。ハナは顔をあげると、「あー」と白い息を吐き出した。
「お久しぶりですぅ。金治さんもこの依頼をお受けでしたかぁ」
「まぁな……で」
「で?」
「今回の戦いは占ってみたか?」
 金治に問われ、ハナは「一応占いましたけどぉ」と少しためらいがちに結果を語る。
「……天候は大白狐とその眷属の味方をしますけどぉ、策を以って充分その差を埋めることができるってことかとぉ」
「策ですかー」
 食事を配り終えた千秋が、思案するようにいう。沈黙が下りかかった時、
「まずは行ってみましょう」と真が告げた。そして、目の前にそびえる雪山を見上げる。
 思わずエルが、
「本音を言えばこんな依頼は受けたくはないです。でも、依頼のえり好みをして干されたら困りますから、仕方ありません」とこぼし、
「まったくだ。香炉峰の雪は簾から眺めるモンで、山登りの話じゃねえっての」
 金治が白いため息とともに、文句を吐く。
「受けた以上は仕事をしてくれよ?」
 たまらず沙耶が苦笑すれば、一同「当然」と返事をするのであった。


 敵影が雪の中に朧気に見えると、ハナが戦場を指差した。
「こう平らに見えるってことはぁ、多分あそことあそこは雪だまりでぇ。あっちなら戦闘しやすい程度には、雪が浅いかとぉ」
 夏の様子を思い返しながら、戦いやすい場所を選んで伝える。ハナの情報をもとに、おびき出しつつ大白狐とましらに分かれて対応することとなった。
「爆炎の術でまとめて吹き飛ばしたいことろですが、下手をすれば雪崩を引き起こしかねないですからね。今回は我慢です」
 ぽつりそんなことを呟くエルに、「今回は手練も多いし、すぐ片付くさ」とテオバルトが告げる。
 気配を察したのか、大白狐は尻尾を立てて低い唸り声をあげた。それに呼応して、ましらが騒ぎ立てる。
「ハッ、やる気十分ってか。んじゃまあ、おっ始めるか」
 大太刀片手に金治が先陣を切る。続けて、ハナが式神を呼び大白狐の近くへ飛ばす。ハナ自身は白布で姿を隠していた。
 続けざまに軽く鞘当とばかりに、真が刃を振るって衝撃波を放つ。衝撃波は、ましらの間を抜け、大白狐の毛皮を裂く。大白狐は慟哭、より毛を逆立てた。
「尾は長いのに、気は短いんだな」
「ほらほら、ましらが来るぜ?」
 沙耶が目配せすると、すかさず千秋とテオバルトも飛び出す。決めた場所へと誘導するように動き出す。合わせて、エルが得意の妖術を繰り出した。
 風刃が飛び、ましらの一匹の腕を切り飛ばす。それで怯むような、妖魔ではない。ましらは一足跳びに、エルの方へ敵意を向けた。
「残念ながら、射程範囲内です」
 ちろっと告げ、エルは次なる手をうつ。紫色の光がましらたちの間に生じ、ましらたちはグッと雪に押し付けられた。
「さぁ、やり合おうぜ」
 叫びを上げる間に、金治がましらの一体に肉薄する。金治を前にましらは口を結ぶ。攻めに徹した構えから、並々ならぬ殺気を感じたのだ。
 大いに振るわれた刃が袈裟斬りにましらを切り伏せる。反撃に振るわれた腕が金治の腹部を襲うが、金治は気に留めずバツ印をましらに刻んだ。
 力量で一体ずつ確実に屠るのが金治なら、テオバルトは手数で決める。
「ついてこれるか?」
 足を取られないよう気をつけながら、戦場を駆け巡りましらたちを切り刻む。囲もうとするならば、連続して剣を振るってちらしていく。
 二人を助けるようの立ち回るのが、千秋の役目だ。武家の従者たる千秋にとって、攻める援助者こそ理想である。
「ご主人様を護るように……さぁ、いきまーす」
 無手から放たれるのは、鮮やかな投げ技。転倒したところには、すかさず手強い打撃を加える。
 そして、テオバルトから逃れたましらを刈り取るように白虎の如き一撃が放たれるのだ。
「これが、従者の力ですよー」
 愛らしい笑みを浮かべながら、千秋はそう宣言するのだった。


「さーて、大人しくお縄についてもらうぜぇ? この狐野郎がぁ」
 ハナの式神によろしく誘導された大白狐に、沙耶は白い刃をちらりと見せる。烈火の如く放たれた大白狐の氷刃を足取り軽く避けながら、刀を抜き放つ。
 素早い一撃は、大白狐の尾を切り裂き鮮血を雪に散らす。振り払うように放たれた尾を避けて、一度距離を取る。
 入れ替わり、炎のようなオーラを纏った真が飛び込んできた。鬱陶しそうに放たれた氷の刃に外套を裂かれつつ、真は銀を引いた刃を振るう。
 自身が持つ退魔の力を付与し、威力を増した刃は大白狐の尾を一本奪っていく。
 苛烈な一撃に、
「やー! これがネズミ大明神の神力だー!」
 少し離れたところで火箆が沸く。心なしか傍らのネズミも威張っているように見えた。
 もっとも、実際に神通力を用いて真の力を引き出してはいた。看板に偽りはない。勢いづいた火箆は、そのまま神楽鈴を振るう。
「清め給えー!」
 鈴鳴りに合わせて光の三角形が出現し、大白狐を穿つ。ネズミ大明神の力の凄さを火箆が見せつける中、負けじと符を放つ。
「怪しげな神様には負けてられませんよぉ」
 結界の中で光が弾け、大白狐の視界を奪う。光は毛皮をも焼き切り、着実にその肉に傷を負わせていく。幾度にも重ねていけば、さしもの大白狐も堪ったものではなかった。

 取り巻きのましらを近くへ呼び戻さんと、大白狐の痛切な叫びが通る。だが、ましらに答えるものなし。
「あっちも終わりそうだな」
「ですねー」
 千秋が崩したましらに、金治が大上段から刃を振り下ろす。放たれたましらの拳は、金治に届きこそするものの決定的な打撃とはならなかった。
 刃が頭蓋を粉砕し、ましらは雪の上に散る。
「行かせませんし、逃しもしませんよ」と逃げようとするのをエルが重力場を紡いで足止めていた。残ったましらも様子がおかしい。
「じわじわと効いてくるだろ?」
 そういいながら、テオバルトがとどめを刺す。
「俺の国に伝わる毒の技さ」

「往生際が悪いねぇ」
 なおも暴れまわる大白狐の猛攻――否、悪あがきを潜り抜けながら沙耶は独りごちる。大白狐はハナの五色光符陣で視界を奪われ、火箆の攻撃に翻弄されていた。
 終りが近い、と沙耶は踏んで真に目配せをする。大白狐が氷刃を散らしたのを避け、沙耶が居合を放つ。前足が切り飛ばされ、体勢を崩した。
「きみの負けだ」
 介錯とばかりに、真が大白狐の首を切り落とした。
 大白狐が倒れると同時に、空には雲間が見えた。
「やれやれ、やっと金が入る」
 金治は煙管で一服しながら、その光を見定めるのだった。


 江戸の街に戻ると、夕刻にも関わらず往来が多い。ようやくもとに戻った江戸の街をまえに、
「さて、家に帰る前に……一杯飲んでいこうかな」
 テオバルトはそんな気分に浸っていた。
「飲むなら、付き合うぜ。金治もどうだ?」
 沙耶がテオバルトの気分に同調し、金治にも声をかける。だが、金治は「やめとく」と断った。
「油断してっと牢屋にぶち込まれそうだしな。俺らが合うのは賭場か退魔かのどっちかだけだ」
「そうかい……じゃあ、お千」
「わたくしはご主人様のところに帰らないといけませんのでー。お気持ちだけいただきますー」
 エルも羽根を伸ばしたいといい、火箆とハナに至っては気がつけば消えていた。
「付き合おうか?」
「おう、やっぱり真は話がわかる!」
 どうせ、遊び人だしと真は報酬の金を手に沙耶たちと居酒屋へ繰り出す。真は、居酒屋にいる人々の嬉しそうな顔を見て、平穏が戻ったことに喜びを感じているのだった。

「今年はどのような一年になるのでしょうか。少なくともしばらく雪は勘弁いただきたいです」
 独りごちながら、エルは事前に用意していた甘酒を飲む。七輪の上では餅が膨らみ、弾けて潰れていた。熱々の餅に舌鼓を打ちながら、まだまだ寒い冬を思う。

「東国も随分きな臭くなりましたぁ……まだまだ大物が居そうで楽しめそうですぅ」
 内密に陰陽料へ綴った手紙を早飛脚に託し、彼女は江戸の街を歩きだす。ふと見知った顔に足を止めれば、
「祈祷が利いたのさ! これがネズミ大明神の神力だー!」
 傍らに「ちう」とリゲルを鳴かせながら、火箆が喧伝をしていた。
「本当に」と、ハナは口をほころばす。
「江戸もまだまだ楽しめそうですぅ」
 春はすぐそこ、次の手合は如何に、如何に。

 ――完。


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  • マウス、激ラブ!
    Capellaka2390
  • 命無き者塵に還るべし
    星野 ハナka5852
  • 一肌脱ぐわんこ
    小宮・千秋ka6272

重体一覧

参加者一覧

  • 未来を示す羅針儀
    ジャック・エルギン(ka1522
    人間(紅)|20才|男性|闘狩人
  • 献身的な旦那さま
    テオバルト・グリム(ka1824
    人間(紅)|20才|男性|疾影士
  • マウス、激ラブ!
    Capella(ka2390
    人間(紅)|15才|女性|機導師
  • ルル大学魔術師学部教授
    エルバッハ・リオン(ka2434
    エルフ|12才|女性|魔術師
  • けだるげ抜刀斎
    ハスキー(ka2447
    人間(蒼)|20才|女性|疾影士

  • 鞍馬 真(ka5819
    人間(蒼)|22才|男性|闘狩人
  • 命無き者塵に還るべし
    星野 ハナ(ka5852
    人間(蒼)|24才|女性|符術師
  • 一肌脱ぐわんこ
    小宮・千秋(ka6272
    ドワーフ|6才|男性|格闘士

サポート一覧

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2017/01/08 00:57:08
アイコン 初夢で時代劇
ハスキー(ka2447
人間(リアルブルー)|20才|女性|疾影士(ストライダー)
最終発言
2017/01/09 04:04:25