• 神森

【神森】オーバー・ザ・レインボウ

マスター:神宮寺飛鳥

シナリオ形態
ショート
難易度
やや難しい
オプション
  • relation
参加費
1,500
参加制限
-
参加人数
4~8人
サポート
0~0人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
締切
2017/01/14 22:00
完成日
2017/01/22 21:19

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング

 ――監獄都市アネリブーベ。
 それはゾンネンシュトラール帝国唯一無二の大監獄である。
 様々な犯罪歴を持つ者が裁判を経て収容されるこの都市は、帝都以上に鉄壁の守護体勢下にある。
 帝国の犯罪者には覚醒者や元軍人も多い。彼らを正しく制御する為には、二重三重の拘束形態が必要だ。
 囚人は皆、自らの刑期を記した首輪を着用している。
 詳細は明らかにはされていないが、囚人の逃亡を防止、管理保護するためのもので、この首輪がある限り囚人は仮にアネリブーベから脱獄したとしても、絶対に逃げ切る事はできないと言われている。
 監獄都市としてアネリブーベが誕生してからというもの、歴史上脱獄達成者はゼロ。
 ただ、脱獄を試みない事には正当な理由もあった。

 アネリブーベは第十師団マスケンヴァルの拠点である。
 第十師団はその構成員の殆どが囚人という異質な師団で、他の九つの師団からも一線を画されている。
 第十師団の師団長はゼナイドと呼ばれるエルフの女。
 屈強な囚人を尻に敷いて余りある戦士としての顔と、皇帝の密命を処理する密偵としての顔を持つ。
 監獄都市の囚人は望めば自ら師団の一員になることを許される。
 その身分は当然正規兵より下だが、師団での活躍に応じて刑期を減らし、いずれは自由の身を掴み取る事も可能だ。
 危険な任務、名誉とは程遠い汚れ仕事である程刑期削減は大きく、そして元より彼らに似合う。
 元々帝国は犯罪者は貴重な“資源”と考える。労働と貢献で許されない罪はない。
 戦闘能力を持たない囚人も、師団兵としてではなく刑期削減ボランティア活動で、自分の刑期を軽減できる。
 故に、囚人でありながら美術や文学の分野で成功し、檻の中にいながら一財産を築くものさえいるのだ。

 先のエルフハイムとの戦争でも多くのエルフ兵が逮捕され、この監獄へ送り込まれた。
 その中には事件の主犯格とされる浄化の器の姿もあった。
 彼女のバックボーンは非常に複雑であり、それを理解すれば単純に彼女を罪人として裁く事は難しい。
 だが、国民の殆どはそれを理解できない。罪人の言い訳に耳を傾けるには、浄化法の恐怖は強烈すぎた。
 皇帝ヴィルヘルミナ・ウランゲルは彼女をアネリブーベで保護するようゼナイドに指示。
 表向きは服役として、しかしその実彼女を犠牲者の報復や批難から遠ざける為、投獄を行ったのだが……。

「ホリィじゃない?」
「投獄される所までは大人しかったんスけど、急に反抗的になって……押さえ込むのが大変だったッスよ~」
 監獄都市に様子を見に来たタングラムを迎えたのはジュリというエルフだ。
 彼女は以前、タングラムを騙って義賊として活動し、それが原因で投獄され現在は第十師団で働いている。
 実際のところ彼女は元々タングラムの弟子なのだが、そのへんは割愛する。
「あのちっこい身体にどんだけパワー秘めてるんスかね。あっしも含めて4人がかりで今は磔にしてるッス。取り調べも進まないし、姉御からも何とかいってやってくださいよ」
 がっくりと肩を落とすジュリの顔には青痣がたくさんあった。見ての通り、取り押さえは骨を折ったようだ。
「ホリィじゃない……そう言ったのですね? なら、理由には心当たりがあるです。ジュリ、とりあえず部屋まで案内するです」
 そうして案内されたのは地下深くにある牢獄。そこで器は十字架に磔にされていた。
 その体の拘束っぷりはかなりのもので、複数の鎖、革の帯でがんじがらめにされている。
 呆れながら鍵を開き、鉄格子の向こう側に踏み込む。
 その音に気づいたのか、ゆっくりと器は瞼を開いた。
「――誰かと思えば、あの女の妹じゃない。あなたまで私を笑いにきたの?」
「やはりそういうことですか。ホリィではなく……もう一人の人格。確か、正しい名前はアイリスでしたか」
「え? この子姉御と同じ名前なんすか? ……あいたっ!?」
 背後のジュリを蹴飛ばし、タングラムは咳払いを一つ。
「ホリィはどうしたのです?」
「あの子なら消えたわ。そもそも最初からそういう話だったでしょう」
 予想通りの言葉にため息をこぼす。
 浄化の器には二つの人格が宿っていた。一つは、これまで肉体を支配していた“ホリィ”と呼ばれた人格。
 そしてもう一つが、ずっと肉体に宿りながら表に出られなかった“アイリス”の人格。目の前の彼女は、今はアイリスなのだ。
 ホリィという人格はとある事件の際、偶然生まれてしまった後付の人格だった。
 故に、自分の人生を奪われたと考えたアイリスは、ホリィに――ホリィを取り巻く世界の全てに強い憎しみを抱いていた。
 先の浄化法を使い、戦争の首謀者であるヨハネ・エルフハイムに協力したのもこちらの人格だ。
「……ホリィは自分が消えることを自覚していた。だからアネリブーベに……そういうことですか」
「ねえ、あなたからも話してよ。私をここから開放しろって」
「自由の身になってどうするつもりです?」
「そんなの決まっているわ。この“世界”をぶっ壊すの。ヨハネの方法は失敗したけど、だったら別の方法を探せばいい」
 にんまりと笑う器にタングラムは肩をすくめる。
「そんな事言われて自由にするわけねーだろ」
「理解に苦しむわ。どうしてあなたはヒトと一緒にいられるのかしら? 低俗で矮小で――醜いイキモノ。生物種として間違いだらけ、見ているだけで吐き気がする」
「お前が世界を憎むのはよくわかる。道具として苦痛と絶望ばかり見せられてきたのだから。本来ホリィもそうなっていて然るべきです」
「ええ、そうよ。これは正当な復讐……この憎しみだけが私の命。私は“世を呪わずにはいられない”生き物。生かしておく限り、何度でも牙を剥くわ」
 強く歯を噛み合わせ、俯いた器は瞳を潤ませる。
「あいつは、ホリィは、こんなボロボロの……残り僅かしか生きられないポンコツの身体だけ押し付けていなくなりやがった。許せない、許せない……! 私の人生を返してよ。返してくれないっていうのなら、奪うだけ! 何もかもぶっ壊して、私とおんなじまっ平らにしてあげるんだから!」
「お前の言い分はよくわかった。ただ一つ言っておくですが、この牢獄は罪を償わない限り出られない。残り僅かな人生そこで吼えて終わるのか、光を勝ち取って生きるのか、それはお前の自由です」
 そう言って踵を返すタングラム。二人は階段を上がり、地上に出る。それからタングラムは深々と息をつき。
「はあ……。あの子の更生には苦労しそうです。こんな状態では困りましたね……ハンターの面会希望者を連れてきたというのに」
 まず先に会ってくると言って待たせているハンターたちを思い返し、タングラムは頭を抱える。
 自分ではどうしても感情的になってしまう。むしろここは器の扱いを心得ているハンターのほうが適任だろう。
 そう思い直し、タングラムはハンターらを待たせている広場へと歩き出した。

リプレイ本文

 監獄都市アネリブーベの地下に作られた特別な独房に通されたハンター達が見たのは、磔にされた少女の姿だった。
 以前の彼女を知る者ならば気づいただろう。その身体には青く亀裂のような文様が所々に浮かんでいる事に。
 先の不変の剣妃討伐作戦から直ぐにアネリブーベに移送された浄化の器は、未だ万全な治療を受けたとは言い難い。
 過剰な浄化術の発動体となった事による負担は、未だ少女の身体を蝕んでいた。
「この独房の強度は十分という話じゃったが」
「ええ。仮に器が全力で暴れてもすぐすぐ破壊されることはないでしょう」
「では、我らが出るまでこの鍵は絶対に開けないようにしてほしい。任せるぞ、タングラム殿」
 何重にも施錠された扉を開き、ハンターらは独房内に入る。そこは縦横10mほどの広さを持つ、がらんとした空間だ。
 ハンターが独房内に入るのを確認すると、紅薔薇(ka4766)の言うとおり外部からタングラムが再び施錠を施す。
 これでハンターたちでさえ、簡単には逃げられない状況が出来上がった。
「……今度は狩人ね。私を嗤いに来た? それとも……ああ、私に止めを刺しにきたのね?」
 器の口調は穏やかだが、強い拒絶の感情が感じられた。
 イェルバート(ka1772)は器について直接見聞きした事は多くない。だが、以前の彼女を見かけた事は何度かある。
 その時の器と今の器はまるで別人……いや、報告書で予習したとおり、文字通りの別人なのだ。
(同じだ……ヨハネと……)
 あの戦いの中でイェルバートが対峙した、世界の破滅を願った男。
 それと同じ目をした少女がこれまでどんな人生を歩んできたのか。想像するだけで気が重くなる。
「私達は器ちゃんをいじめにきたわけじゃないわ。ただ、お話がしたかったの。よかったら、お茶にしましょう?」
「お茶……? 正気なの?」
「正気ですよ。さて、拘束を解かなければのんびりお茶も飲めないですね。少しじっとしていてください」
 花厳 刹那(ka3984)の言葉に首を傾げる器。その手足の拘束に手を伸ばすフローラ・ソーウェル(ka3590)に器は舌打ちする。
「やめなさい。警告するわ、ニンゲン。この枷を外したら、私はオマエタチを殺す」
「ははは。殺す……ねぇ」
「何がおかしいのかしら、道化」
 肩を傾げるようにして笑い、ヒース・R・ウォーカー(ka0145)は告げる。
「中々におかしなことを言うと思ってね。その言い方じゃあ、まるでボクらがお前に負けるみたいじゃないか。まだ思い違いをしているようだから教えてやるよぉ。“お前にボクらは殺せない”ってねぇ?」
「――なんですって?」
 ヒースの言葉に左右からシュネー・シュヴァルツ(ka0352)とシェリル・マイヤーズ(ka0509)が視線を向ける。
 それに気づいたのか、ヒースは「心配するな」と言わんばかりに掌をひらひらと振った。
 言葉の通りにあっさりと拘束は解かれた。少女は地に素足で降り立つと、くっきりと手首に残った拘束の後を撫でる。
「今のお前と戦う理由はないし、どうせならお茶をしないかい?」
「ふざけないで。どうしてこの私がお前たちとお友達ごっこをしてやらなきゃいけないの?」
 その言葉に何人かのハンターが僅かに表情を変えた。
 ハンターらはこれまでに既に何度も器に手を伸ばしている。友になりたいと。わかり合いたいと。
 その答えだと言わんばかりに、まるであえて相手を傷つけるために言葉を選んでいるかのように、器は笑みを浮かべる。
「お前たちは狩人。この世の過ちを狩り、正すモノ。私は怪物……この世の暗がりでしか生きられないモノ。ほら、びっくりするほど相容れない。友達……友達ですって。ああ、いやだいやだ。いやだいやだ! 寒気がするのよ、この偽善者共!!」
 身構えると共に青白い光が器の身体を覆う。その覚醒変化に呼応するように、ハンターらも覚醒の光を纏った。
 器の脱出を阻止するために背後へ跳び、まずはシュネーが脱出口を防ぐ。
 こうなった場合、器の行動指針はこの場所からの脱出に向くだろう。それだけは阻止する必要があったからだ。
「器ちゃん……」
 敵意と憎悪を剥き出しにする器の豹変さに刹那は掛ける言葉を失っていた。
 これまであんなに何度も触れ合い、笑いあったはずの相手から向けられる冷たい気配に傷つかないほど刹那は強くない。
 だが、だからこそ気丈に振る舞おうと考える。この憎しみはきっと、否定ではなく受け入れることが必要だと感じたから。
「警告はしてあげたんだから……死んでも恨まないでよね」
 強く地を蹴り、素早く前に飛び出す器。その拳を前に身を呈して飛び出し、紫月・海斗(ka0788)は機導の防壁を張る。
「おうおう、オジサン遊びに来ちゃいましたよぉー? はい、質問だぜ器ちゃん。オメェは誰だ? いいから名乗れよ」
 素手にしては強い衝撃だが、所詮素手。海斗は難なく攻撃を防ぎ、逆にスキルの効果で器を痺れさせると掴みかかる。
「浄化の器? ホリィ? アイリス? 名乗りは大事だぜ。自分を認識する数少ない手段だ……さあ、オメェは誰だ!?」
「私は誰でもない。ただの名前のない怪物よ」
 海斗の顎を蹴り上げ拘束から逃れると、その行先へ回り込んだシェリルがワイヤーを放つ。
「待てお前ら、こいつは……!」
「分かってる……ちゃんと手加減、する」
「今のお前の力で何ができるか、その身に刻め」
 動きを封じられた所へ襲いかかるヒースの刀。器は特に恐怖も感じない様子でこれを素手でつかむように受け止めた。
 飛び散る血にむしろ酔うように反撃で蹴りを繰り出すが、ヒースには命中しない。
「おいヒース、やりすぎだぞ! めちゃめちゃ血が出てんじゃねぇか!」
「いや……これで良い。覚醒者にとってあのくらいは負傷の内に入らぬ」
 喚く海斗に紅薔薇は冷静に返す。
 実際、器の傷はマテリアル光と共に塞がっていく。
「彼女は確か霊闘士。自己強化や回復は得意分野だからね……」
 イェルバートの解説になるほどと頷く海斗だが、それとこれとは話が別だ。
「おめぇ達ガチの武器とかやめね?」
 そんな海斗の話を聞きながらも紅薔薇は抜刀する。
(ヒース殿の意図は正しい。何故ならば……アイリスには区切りがついていないからじゃ)
 あの戦争の中で、途中でアイリスは意識を失って退場している。
 コトを終わらせたのはアイリスではなくホリィの人格。つまり彼女はまだ、あの戦争の中に心を置き去りにしたままだ。
「安心せよ。最近妾も加減を覚えた。この刃は、むやみに命を奪わぬと決めている」
「いやだからよう、今の器ちゃんは……」
 紅薔薇は素早く駆け寄ると刀を放つ。それは峰打ちだが、相手の自由を奪いつつ確実に生存させる巧みな一撃だ。
 器はこれも恐れる気配もなく受けようとしたが、受けきれず首筋に直撃。
 目を回すように蹈鞴を踏むと、あっさりと地べたに倒れ込んだ。
「え……な……っ?」
「アイリスお主……ばーーーっかじゃろ」
 状況が理解できず目を白黒させる器にヒースは刃を収めながら告げる。
「もう一度わかりやすく言ってやるよぉ。お前に以前のような力はない。お前は、“弱くなった”んだ」

「私が……弱い……?」
 愕然とした様子で立ち上がろうとする器だが、体力が追いつかずに崩れ落ちる。
 覚醒の光も消え、もう一歩も動けない。これまで過酷な戦いをくぐり抜けてきたハンターたちにとって、今の器は敵ではなかった。
「海斗の傷は……殆ど問題ないようですね。手を、傷を見せてください。覚醒がきれたせいで再生が終わっていない筈です」
 傍に膝をついて手を伸ばすフローラ。その掌を器は弱々しく振り払う。
「要らない……同情なんて。私は一人で立てる……これまでだってずっと一人で……やってきたんだからあああ!!」
 叫びながら全身に力を入れ立ち上がろうとするが、やはりボロボロの身体は動かない。
「くそ……ちくしょう! 身体がちゃんと動けば……精霊の力があれば……お前らなんか……お前らなんかに……」
「……そうですか。理解していた事ではありますが……やはり、あなたの身体は……」
「これで喧嘩は終わりじゃ。お主は負けたし、何度立ち上がったところで我らに勝利する事はない。お主の戦争は、もう終わっている」
 深く息をつきながら紅薔薇が刃を収めると、器は血染めの拳を強く握り締め、呻くように涙を流した。
 ハンターらは顔を見合わせやはり武器を収めると、黙々と準備を進める。
 すっかり反応しなくなった器の傷を治癒するフローラの隣に立ち、シェリルは見下ろすように呟く。
「……アイリスって……どんな子かなって思ったら……ちっちゃいお子様だった。ちーび、ちーび……ぺったんこー」
「あぁん?」
「悔しかったら……一緒に、お菓子……食べてみろー。こないと全部、食べちゃう……ぞ……」
 走り去るシェリルの向かった先には、組み立て式の簡単な円形のテーブルと椅子が並べられていた。
「さあ、お茶会にしましょう。こんな冷たくて寂しい場所だけど、お姉ちゃんが精一杯おもてなしするからね!」
 にっこりと笑う刹那。イェルバートは腕を組み。
「きみ、ここに連れてこられてからろくに食事もしていないんだろう?」
「それは……」
「このままじゃ衰弱する一方だよ。飲まず食わずじゃいい考えも浮かばないしね」
 まさにその時、テーブルに並べられる紅茶のよい香りが独房に広がった。
 器の腹がグゥと鳴ると、微笑みながらイェルバートは手を伸ばした。
「ふふん、それじゃあ始めようかぁ! パーティタイムだ! 文字通りな!」
 海斗はテーブルに持ち込んだケーキを山ほど乗せて器を呼び込む。
 一つのテーブルを囲いきれない人数故、何人かは折りたたみ式の椅子でバラけているが、少なくともお茶会の体裁は整ったようだ。
「お茶請けの手作りクッキーです……ウォーカーさんに借りた本で……“努力は”しました。“食べる事は”できます。“私は”」
 シュネーが差し出したクッキーを怪訝そうに眺める器。その一つを手に取り、シュネーは自らの口に放り込む。
「大丈夫です。毒とかはありませんから……まずくもないです。ただ味がしないだけです」
「女子の手作りってだけで価値があるから気にすんな! それにこっちはうめぇじゃん!?」
「それ、ボクが作ったやつだぁ」
 ヒースの言葉に何とも言えない表情になる海斗。
「一時はどうなることかと思ったけど……ちゃんと同席できてよかった」
 深々とため息を零すイェルバート。話が上手くまとまったからいいが、正直心臓に悪かった。
「さあ、いろいろな飲み物を持ち込んだよ。紅茶なら口に合うんじゃないかな?」
「こんな安物、私の口に合うわけ無いでしょ」
「元気出せ少年、いつもあんな感じだ」
 落ち込むイェルバートの肩をバシバシと叩く海斗。
 そんなハンターらの和気あいあいとした様子に器は目を逸らす。
「……茶番ね。どんなに飾ったところで、あなた達と私が交わる事はないのに」
「どうしてそんな寂しい事言うの? 確かに私は器ちゃんのこと、よくわかってないかもしれない。でも、いっぱい話を聞いて、理解したいって思ってる」
 刹那は器の手を取り、屈んで目線を合わせながら笑いかける。
「だから、今あなたが何を考えて何を感じているのか……私達にも教えてほしいな」
「……離して」
「あ……嫌だった? ごめ……」
「違う。私の手は血で汚れてる。あなたの手が汚れてしまうわ」
 ぱっと振り払い、器は気まずそうに目を逸らした。
「お前はさっき、自分は何者でもないって言ってたよなぁ」
 ヒースは椅子に腰掛け、自分の作ったお菓子の味を確認しながら何気なく話を振る。
「だが客観的に見ればお前の名前はアイリスだ。お前を愛した女から贈られた名前だ。受け取るかどうかはお前次第だけどねぇ」
「それは他人が私に押し付けた名前。こうあって欲しい、こうであれば都合がいい……ニンゲンはみんな他人に理想を押し付ける」
「僕はとてもいい名前だと思うな。アイリスっていうのは、何かの神話の虹の女神の名前なんだ」
 イェルバートの言葉に器は僅かに瞳を動かす。
「その名前はジエルデさんがつけたって聞いたよ。アイリスは、ジエルデさんとヨハネがどうなったか聞いてる?」
「まあ……一応は」
「そっか。僕はヨハネの最期を見たんだ。ヨハネは君と同じ目をしてた」
 記憶を思い起こすようにイェルバートは語る。今でもあの戦場の事ははっきり覚えている。
「ヨハネも憎しみで世界を壊そうと人だよね。だけど、ハジャさんや他のハンターと離して、不思議と最期は穏やかだった」
「……どうして?」
「たぶん、自分の可能性に気づいたんだ。もしかしたら別の生き方あったかもしれないって。だから、その人生はきっと冷たく暗い憎しみだけではなかったと、そう思えたんじゃないかな……」
 詳しい所は、イェルバートにもわからない。今際の感情など、想像することしかできない。
 でも、そうあってくれたらいい。あの男はイェルバートの生き方に反する悪党だが、最期には救いくらいあってもいいと思えたから。
「ジエルデさんは、アイリスの名前を呼んで、抱きしめて―――幸せを願ってた」
「だからもうやめろって?」
「いいや。アイリスが世界を憎んで、壊したいって気持ちは否定しないよ。それはきみの人生を否定することだから。ただ、きみが壊したいその世界には、きみの幸せを願う人達もいるってことを覚えていて欲しい」
 そこまで言ってから、少年は苦笑を浮かべる。
「なんか、偉そうにごめん。でも、憎しみが呪いになって、また繰り返すのは避けたいから。ちゃんと話をしたかったんだ」
「私も器ちゃんの想いは否定しないわ。だって、それが今までの器ちゃんが見てきた世界なんだもの」
 刹那はそう言って器の前におかわりの紅茶を差し出す。
「でも、あなたが認知する世界の外側には、更なる世界が広がっていて、毎日色んなことが起こってるんだよ」
 少女はいつか、海を見て言った。自分の知らない世界がどこまでも続いていることを認識できるから、海が好きだと。
「これからそう言うものを沢山見て、それからでも世界を平らにするのは遅くないんじゃないかな」
「ただの結論の先延ばしじゃない」
「先延ばしと言えばそうかも。でも、この世界はまだあなたの知らない事が沢山ある。それを知れば、いつか先延ばしにしたことが悪くなかったと思えるって、信じてるから」
「それは沢山時間を持っているモノの言い分よ。私には何より、時間がないのだもの」
 自嘲するような笑み。そして少女は目を瞑る。
 そう、既に器に残された時間は多くはない。森の神から切り離されたとは言え、元々器は短命。
 先の戦争で浄化法まで使ってしまった今、将来を楽観できる程の余命はない。短絡的な行動に出るのもある意味自然なことだ。
「アイリスの望みは……壊して終わらせる程度の……簡単な願いだったの?」
 シェリルはそう言って、椅子の上で膝を抱えたまま視線を向ける。
「セカイは……ほんとに理不尽だし、醜い……でも、平らにするのは……イヤだな」
「でも、他に私にできる事はなかった。私にあったのは、化物じみた力だけだったから」
「だとしても、本当は欲しかったんでしょ? ヒトリは……寂しい。辛さは……全部は無理でも、少しはわかるよ」
「何がわかるっていうの」
「わかるよ」
 言葉を遮るように、シェリルは語気を強める。
「私は……気づいたから。壊したくないモノ……それはきっと、アイリスも……もう持ってる気がする。みんなも、そう言ってる」
「それは……私のモノじゃない。あなた達が見ているのは私じゃない。“ホリィ”なのよ」
「私は……ホリィの事、知らない。だから私は……貴女と話してるんだよ……アイリス」
「ええ、その通りです。私はホリィとアイリスさんを同じ人として見るつもりは毛頭ありません」
 行儀よくカップを片手に、フローラはきっぱりと言い放つ。
「あなたとホリィは別人です。ならば人生を返せ、というのは語弊があるでしょう。あなたはあの子が“生きた日々”を奪いたい。なぜならそれは、元々あなたのものではないのだから」
 打ちのめされるように身を竦ませ、まるで叱られることを恐れる子供のように肩を震わせる。
 だが、器は拳を握り締め、息を呑み、怯えながらも叫ぶ。
「ええ、ええ、そうでしょうよ! アレは私じゃない、私のモノにはならない!」
「例え時間を取り戻せたとしても、あなたが望むものはきっと手に入らない。違いますか?」
「……そうよ。だって、私は見ていただけだった。あの子に押し付けて……隠れていただけだった。でもだって、羨ましかったんだもん! 諦めたくなかったんだもん!」
「では諦めなければよいのではないでしょうか。諦めろだなんて私は一言も言っていませんよ」
 瞳に涙を湛えた少女に、フローラはきわめて平静に告げる。
「アイリスさんの人生は、これからはじまるのです。真っ平らで何もない、この瞬間から。それが誰にも恥じることのないあなたの人生。その中で、本当にやりたいことを探しましょう」
「私の……やりたいこと……」
「それは少なくともホリィを憎むことではないはずじゃ。何故わざわざ自分がより不幸になる必要がある?」
 紅薔薇の問いかけに器は首を傾げる。
「不幸になる? 私が?」
「なんじゃ気づいておらぬのか? 誰かを憎んだところで余計に誰もお主に寄り付かなくなるだけ。余計に不幸になるだけじゃろう。ホリィを見返してやりたいのなら、自分ガホリィよりも幸せになって、ザマーみろと言ってやるのが正しい復讐ではないかのう」
「そんなの無理よ」
「何故そう思う?」
「無理よ、考えなくてもわかる。だって私は嫌われ者だもの。皆に憎まれて生きてきたもの。私は“要らないもの”だった……なのにあの子が、ホリィが……」
「少なくともホリィはお主を案じていた。前にも言ったであろう。そう約束したと」
 あの日、ホリィは確かに言った。アイリスにもきれいな世界を見せて欲しいと。
「ホリィは自らが消えるという恐怖の中で、それでもあなたを救って欲しいと言いました。彼女は苦しみながら、もがきながら、それでもあなたを救おうとした。それが偽りであるはずがない」
 フローラの言葉に器は頭を抱え、駄々をこねるように首を横に振る。
「やめて……あの子の話は! あの子と私は相容れない、それでいいのよ。いいえ……いいえ、そうでなきゃいけないの! じゃなきゃ私は何を憎めばいいの!?」
 何かを恨まなければ、憎まなければ心を保てなかった。
 絶望の中で唯一心をつなぎとめた光。それが復讐という言葉だったのだ。
 本当は知っていた。だって、これまでもずっとホリィと一緒だったから。
 ハンターたちとの繋がりのこと。彼女が自分を救おうとしたこと。何もかもわかっていた。
「私はあの子みたいに上手く愛せない……“愛される”こともできない。私に……期待しないでよ」
 ぼたぼたと、大粒の涙が頬を伝って乾いた地べたに落ちていく。
 その悲痛な有様を横目に、シュネーは呟いた。
「一度も世を呪ったことがない人って、案外いないんじゃないでしょうか。私も……一人になった頃はそうでした」
 上手く言葉がまとまらず、ずっと考えていた。それをゆっくりと紡いでいく。
「皆さんはホリィさんとアイリスさんは別人だと言いましたが……私は二人の間に繋がりがあると思うんです」
 何故ならばホリィとアイリスは二つに分かたれた心。元々は一つだったのだから、根本的な部分は同じなのではないか。
「ホリィさんは、この世界を見て……きれいだって言っていました。ホリィさんの感じ方と、貴女の感じ方は……多分、同じですよね」
 アイリスにとって、ホリィは“理想の自分”だ。
 あんな風になれたらいい。ああだったら良かったのに。そんな憧れの自分自身。
「アイリスさんがただ世を呪うだけの存在なら、ホリィさんが生まれたとは思えない、です。だからいなくなっても、目を逸しても、貴女の中にあるのではないでしょうか」
 そんなシュネーの言葉を器は否定しなかった。
 零れ落ちる涙をぐしぐしと手の甲で拭うその様子にヒースは声をかける。
「色々話したが、そろそろ結論を出そう。まずは検証だ。世界を壊すことで復讐を成し遂げることが出来るか……答えはノー。そもそも今のお前に全盛期の力はなく浄化法も発動できない。いち覚醒者と同等の力で、世界を壊すことは不可能だ」
 それを理解させる為の戦いだった。今の器ではハンターにさえ勝てない。痛いほど結論は身に沁みている。
「だからボクからは違う形の復讐方法を提示しよう。お前の存在を、世界に証明してみせろ」
「証明?」
「世界を壊すだけじゃお前の存在はいずれ忘れ去られる。せいぜいエルフハイムの哀れな犠牲者、ヨハネに利用された駒ぐらいか」
 むっとした器だったが、言い返す事はできない。何故ならばまさにその通りだったから。
 今のままではただの哀れな犠牲者だ。自身が語ったように、“何者でもない”。
「お前の存在を証明し、世界に刻み付けろ。この世界を護り救う事で、誰にも忘れる事の出来ないお前の物語を見せつける事でねぇ」

 お茶会が終了し、片付けが始まっても器は一人で膝を抱え物思いにふけっていた。
 少なくとも今すぐ暴れるようなことはなくなったようだ。元より、そんなことをしても勝ち目はないのだが。
「アイリス、第十師団の取り調べに応じ、そして第十師団に所属して刑期を返済して欲しい。無論、妾たちも協力するのじゃ」
 器の前に立ち、紅薔薇は紙に書いたリストを見せる。
「そして、外の世界の色々なものを見よう。これはアイリスとやる事リスト。一緒に楽しい事を沢山しようぞ」
 リストには様々なことが書いてあった。美味しいものを食べたり、遠い世界の景色を見たり――身体を治す方法を探したり。
「夢みたいね」
「夢ではない。実現できる」
「……私が……第十師団で働いたら……この罪は、償えるのかな」
「できるさ。お主には我らがついておるのだからな」
 そうして紅薔薇は手を差し伸べる。
「良いか、何度でも言うのじゃ。妾は、お主と友達になりに来たのだと」
 器はその手をそっと握り締め、立ち上がる。同時に頬を赤らめ、視線を逸し。
「友達じゃないわ。私はどうあがいても復讐者、罪人だもの。あなたは、そうね……共犯者、かな」
「よかったー! 器ちゃんが前向きに考えてくれるようになってー! それならお姉ちゃんも共犯者になるわー!」
 猛然と駆け寄ってきた刹那が器の身体をぎゅっと抱きしめると、器はしわくちゃになった顔で眉を寄せる。
「ぐるじい……」
「お姉ちゃん感激よ! 大丈夫、すぐここから出られるようにしてあげるわ!」
「気持ちはありがたいけど、自分で出るわ……一人で出来るもの……うぐぐ」
「欲しいって言える……アイリス、凄い。私は……意地張り……」
 そんなアイリスにシェリルは優しく笑いかける。
「幸せも、温もりも……美味しいものも欲しいのに……自分で振り払ったら、掴めない。愛の秘訣は……笑顔だって。まぁ私も……あまり笑わないから……れんしゅう」
「ふん、不細工な笑みね。人に物を言う前にまず我が身を振り返った方が良いわね」
 シェリルはにっこり笑ったまま、アイリスの頬を左右につねるように引き伸ばした。
「なにふるのよ!?」
「ちーびちーび」
「おまえのほうらちびひゃろ!」
「あ、そーいや一つ大事なこと忘れてたぜ」
 ポンと手を叩き、海斗は器の頭をわしわしと撫で回す。
「器ちゃんの年頃なら結構背とか伸びてもおかしくねぇよな? んん? はじめて会った時に比べてちっと大きくなったかぁ?」
 肩、脇、太もも等をむにむにと撫で回す海斗。次の瞬間、器の拳が顎にめり込んだ。
 この瞬間だけ全盛期を思わせるパワーを発揮したアッパーにより、海斗の身体は縦に回転しながら鉄格子にめり込んだ。
「気安く触れるんじゃないわよ、ニンゲン!」
「海斗……残念ですが回復はしませんよ」
「ですよね……ていうかエルフに成長期とかあるの? 教えてマイワイフ……」
「教えるわけねぇだろ」
 更に鉄格子の向こう側からベノムエッジを付与された短剣が投擲され、海斗のケツに突き刺さるのだった。
「紫月さんはさておき……アイリスさんにはこれを」
 シュネーが取り出したのは二匹の猫だ。器はそれを見るとぎょっとした様子で飛び退く。
「なんてものを持ち込んでいるのよ、あなた!」
「猫は嫌いでしたか?」
「怖いのよ! 私が触ったら殺しちゃうかもしれないでしょ!! それ以上近づかないで!!」
「いえ、死なないと思いますけど……」
 興味そのものはあるようだが、猫には近づきたくないようだった。
 思えば今回の中でも器は他人に近づくのを拒んでいた。一定の距離を取ろうとする。
 だがそれは、アイリスという少女の臆病さと――誰かを傷つけたくないという優しさから来るような気がした。
「名前はまだない、です……。よかったらつけますか?」
「私みたいな名無しにつけられたら可哀想でしょう」
「偉そうな態度の割には、自己評価低いですね……ネガティブというか……」

 面会も終了し、独房から出たハンターらは鉄格子越しに器と向き合う。
「では、妾たちはこれで引き上げる。お主の処遇に関してはタングラムや皇帝と相談しておこう」
「……最後に一つ、訊いてもいいかな? ジエルデさんと、ヨハネのことなんだけど」
 イェルバートは鉄格子の向こう、器の瞳を見つめる。
「アイリスは二人のことをどう想っていたの?」
「……さあ。私にも良くわからないわ。だってあの二人は嘘つきだもの」
 自分に向けられていたのが愛情だとは思う。だがそれは、まっすぐで純粋なものではなかった。
「私は誰にとっても都合のいい偶像だった。二人の想いが愛だったのかどうか、私には理解できない。だから私もあの二人に何を想っていたのか、上手く説明できないわ」
「……そっか。変なことを訊いちゃったね」
「でも……いつかは理解するのかしら。私も……この感情の名前を」
 胸に手を当て戸惑う少女に、イェルバートは笑いかける。
「そうだね。いつか、きっと」
「これからは忙しくなりますよ。残り僅かしか生きられないことがわかっているのなら、復讐なんてしている暇はないはずです。一瞬の“今”生ききって、あなたに憎悪を押し付けた奴らを、最期に笑って見返してやるべきです」
「復讐をやめるつもりはないわ。ただ、形を変えるだけ。どうすることが私の復讐なのか、考えてみる」
「それが良いでしょう。あなたはもう“道具”ではない。あなたには考え選択する自由と、そして義務があるのだから」
 フローラの話が終わると、シェリルは鉄格子の向こうへ手を伸ばす。その手には小さな指輪が握られていた。
「身長+αで……勝手にライバル認定。記念品……。物語は……憎しみ一つじゃ、つまらない。たくさん色を紡いで……それで……貴女が在る意味に……気づけるといい、ね」
 そうして独房に背を向け歩き出すハンターたち。その背中に器は叫ぶ。
「ねぇ、道化! 私やっぱり世界が憎いわ。その憎しみは消せない。でも、自分なりに正しいと思う事をやってみようと思う。だってこの怒りはきっと、“間違った世界”に対するものだから」
 冷たい鉄格子を掴み、少女は目を細め笑う。
「だから私、自分にとっての正義を刻むわ。私――“正義の味方”になる!」
 その言葉に思わず足を止め、ヒースは吹き出した。
「あっはっは。正義の味方、ねぇ。そう来たかぁ……くくく」
 くつくつと笑いながら去っていくヒースの背中を見つめ、シェリルとシュネーは首を傾げるのだった。



 ぼろぼろになった服を脱ぎ捨て、新たな装いに袖を通す。
 この怒りは世界を焼く憎悪。けれどその根本には、元より優しさがあった。
 救われない森の巫女たちが、これまでの器たちが可哀想。救ってあげたい。
 そんな世界にした大人が憎い。壊したい。
 これは祈りだ。いいや、この世界にある呪いのすべては、きっと祈りだった。
 胸を焦がす激情を正義と呼べるなら、きっと恐れるものは何もない。
 咎人の証である首輪をつけ――少女は開かれた扉の外へ、一歩を踏み出した。

依頼結果

依頼成功度大成功
面白かった! 15
ポイントがありませんので、拍手できません

現在のあなたのポイント:-753 ※拍手1回につき1ポイントを消費します。
あなたの拍手がマスターの活力につながります。
このリプレイが面白かったと感じた人は拍手してみましょう!

MVP一覧

  • 真水の蝙蝠
    ヒース・R・ウォーカーka0145

重体一覧

参加者一覧

  • 真水の蝙蝠
    ヒース・R・ウォーカー(ka0145
    人間(蒼)|23才|男性|疾影士
  • 癒しへの導き手
    シュネー・シュヴァルツ(ka0352
    人間(蒼)|18才|女性|疾影士
  • 約束を重ねて
    シェリル・マイヤーズ(ka0509
    人間(蒼)|14才|女性|疾影士
  • 自爆王
    紫月・海斗(ka0788
    人間(蒼)|30才|男性|機導師
  • →Alchemist
    イェルバート(ka1772
    人間(紅)|15才|男性|機導師
  • 幸福な日々を願う
    フローラ・ソーウェル(ka3590
    人間(紅)|20才|女性|聖導士
  • 紅花瞬刃
    花厳 刹那(ka3984
    人間(蒼)|16才|女性|疾影士
  • 不破の剣聖
    紅薔薇(ka4766
    人間(紅)|14才|女性|舞刀士

サポート一覧

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2017/01/10 20:01:18
アイコン 相談所
ヒース・R・ウォーカー(ka0145
人間(リアルブルー)|23才|男性|疾影士(ストライダー)
最終発言
2017/01/12 23:39:30
アイコン 質問卓
紅薔薇(ka4766
人間(クリムゾンウェスト)|14才|女性|舞刀士(ソードダンサー)
最終発言
2017/01/12 22:16:17