ゲスト
(ka0000)
或る少女と恋人の日(準備!)
マスター:佐倉眸

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや易しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~6人
- サポート
- 0~3人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2017/01/25 22:00
- 完成日
- 2017/02/03 00:00
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
●
祈る、ことが増えた。
覚醒者になる契約を終えて、ハンターの登録を行って、終ぞその姿を見せてくれなかった傍らの精霊のために。
いつかその精霊の友達だと胸を張れるように。
たくさん助けてくれたことに感謝して、いつか助けることが出来るように。
その誓いを違えぬように。朝に夕に。
メグ、こと、マーガレット・ミケーリの傍らには小さな緑の不定型な精霊が漂うように揺れている。
それはメグのすぐ側にいながら、その視界に入ることはなく、メグがその存在に気付いたのさえ最近のこと。
今日まで彼是と、例えば迷ったときに近くの看板を教えて、助けてくれたらしいその精霊とどうにか交流を持とうと覚醒者を志し、覚醒者としては大先輩のハンター達に指南を請うた。
助けてくれた精霊を助けるために、精霊がそれを望める力をつけるためにハンターとして登録した。
登録後、受付嬢から勧められた依頼を幾つか検討したものの、決めかねている内に日は過ぎていった。
そんなある日、出来そうな依頼を見付けるためにオフィスの掲示を眺めていたところに新しい依頼が掲げられた。
「丁度良かったです! この依頼、受けてみませんか?」
『1日だけのウェイトレス&ウェイター募集』
受付嬢が依頼を掲示しながら、その依頼を持ち込んできたらしい中年の女性の方を振り返り、近くの喫茶店の店主だと紹介する。
上品そうな装いのその女性はメグに気付くと困ったように微笑んで小さく会釈した。
メグが反射的に深く頭を下げると、受付嬢がくすくすと笑う。
「来月、恋人向けに特別メニューを提供されるそうなんです。毎年のことで、その日は特に賑わうそうで、今までは応援を頼む先も決まっていたそうなのですが、その方が怪我をされてしまったようで……」
手を下ろして受付嬢はゆっくり息を吐く。
「それで! ですね」
受付嬢はメグに向き合うと気合の入った声で言う。
「今年はハンターさんに是非! と、お勧めさせて頂きましたところ、お願いされる運びとなりました」
にっこりと、満面の笑みを浮かべる受付嬢に圧されるように、メグは引き攣った様に頷いた。
●
経過は順調だが、当日忙しく走り回って悪化させたら大変でしょうと依頼人の女性は言う。
仕事の本番は一日だけだが、前日の準備やメニューの開発も手伝って欲しいこと、時間を取って練習をして貰うからその時にお客さん役をしてくれる人もいると嬉しいと。
「当日はチェロの演奏もお願いしているの。きっと楽しい時間になるわ」
目を輝かせ依頼人は、よろしくねとメグの手を取る。
握られた手が冷えていく。
手も、顔も、強張って返事が出来ない。
きっと私には、そんな大事な日のお仕事なんて出来ない。
準備も、メニューもきっと足手纏いになってしまう。
「あ、あの、わた、し、ひゃぅう」
震える声で断ろうとしたメグの背に、ぽん、と軽い衝撃。
驚いて上げた声と、思わず握ってしまった手、依頼人の方へと乗り出した身体。
「あら、随分やる気のある子ね。嬉しいわ」
依頼人は満足そうに握手を揺らした。
練習と打ち合わせは来週頃に、オフィスを通じて連絡すると言い残し依頼人は去っていった。
受付嬢は朗らかに手を振って見送る。
メグはその場で膝を抱えて座り込んだ。
練習の日の早朝、今日まで何度か歩いて道を確認してきたメグは、珍しく精霊に叩かれることなく集合時間よりも少し早い時間に辿り着いた。
見回せば同じ依頼を引き受けたらしいハンターの姿が目に入り、慌てて深く辞儀をする。
時間を回った頃、お待たせしましたと走って来た店主がドアの鍵を開け、ハンター達を店内へ促した。
祈る、ことが増えた。
覚醒者になる契約を終えて、ハンターの登録を行って、終ぞその姿を見せてくれなかった傍らの精霊のために。
いつかその精霊の友達だと胸を張れるように。
たくさん助けてくれたことに感謝して、いつか助けることが出来るように。
その誓いを違えぬように。朝に夕に。
メグ、こと、マーガレット・ミケーリの傍らには小さな緑の不定型な精霊が漂うように揺れている。
それはメグのすぐ側にいながら、その視界に入ることはなく、メグがその存在に気付いたのさえ最近のこと。
今日まで彼是と、例えば迷ったときに近くの看板を教えて、助けてくれたらしいその精霊とどうにか交流を持とうと覚醒者を志し、覚醒者としては大先輩のハンター達に指南を請うた。
助けてくれた精霊を助けるために、精霊がそれを望める力をつけるためにハンターとして登録した。
登録後、受付嬢から勧められた依頼を幾つか検討したものの、決めかねている内に日は過ぎていった。
そんなある日、出来そうな依頼を見付けるためにオフィスの掲示を眺めていたところに新しい依頼が掲げられた。
「丁度良かったです! この依頼、受けてみませんか?」
『1日だけのウェイトレス&ウェイター募集』
受付嬢が依頼を掲示しながら、その依頼を持ち込んできたらしい中年の女性の方を振り返り、近くの喫茶店の店主だと紹介する。
上品そうな装いのその女性はメグに気付くと困ったように微笑んで小さく会釈した。
メグが反射的に深く頭を下げると、受付嬢がくすくすと笑う。
「来月、恋人向けに特別メニューを提供されるそうなんです。毎年のことで、その日は特に賑わうそうで、今までは応援を頼む先も決まっていたそうなのですが、その方が怪我をされてしまったようで……」
手を下ろして受付嬢はゆっくり息を吐く。
「それで! ですね」
受付嬢はメグに向き合うと気合の入った声で言う。
「今年はハンターさんに是非! と、お勧めさせて頂きましたところ、お願いされる運びとなりました」
にっこりと、満面の笑みを浮かべる受付嬢に圧されるように、メグは引き攣った様に頷いた。
●
経過は順調だが、当日忙しく走り回って悪化させたら大変でしょうと依頼人の女性は言う。
仕事の本番は一日だけだが、前日の準備やメニューの開発も手伝って欲しいこと、時間を取って練習をして貰うからその時にお客さん役をしてくれる人もいると嬉しいと。
「当日はチェロの演奏もお願いしているの。きっと楽しい時間になるわ」
目を輝かせ依頼人は、よろしくねとメグの手を取る。
握られた手が冷えていく。
手も、顔も、強張って返事が出来ない。
きっと私には、そんな大事な日のお仕事なんて出来ない。
準備も、メニューもきっと足手纏いになってしまう。
「あ、あの、わた、し、ひゃぅう」
震える声で断ろうとしたメグの背に、ぽん、と軽い衝撃。
驚いて上げた声と、思わず握ってしまった手、依頼人の方へと乗り出した身体。
「あら、随分やる気のある子ね。嬉しいわ」
依頼人は満足そうに握手を揺らした。
練習と打ち合わせは来週頃に、オフィスを通じて連絡すると言い残し依頼人は去っていった。
受付嬢は朗らかに手を振って見送る。
メグはその場で膝を抱えて座り込んだ。
練習の日の早朝、今日まで何度か歩いて道を確認してきたメグは、珍しく精霊に叩かれることなく集合時間よりも少し早い時間に辿り着いた。
見回せば同じ依頼を引き受けたらしいハンターの姿が目に入り、慌てて深く辞儀をする。
時間を回った頃、お待たせしましたと走って来た店主がドアの鍵を開け、ハンター達を店内へ促した。
リプレイ本文
●
集まったハンター達を見回して、依頼人は頷きにっこりと微笑んだ。
外は寒いでしょうと店内へ、カウンターの回りに集めると、店員達に準備を始めさせながら制服を配る。
エプロンの紐は背中で交差して、蝶々結びは歪まないように。
衣装を整えたハンター達に順に声を掛けて名前を尋ね、最後に自分を示す。
「私のことは、オーナーって呼んでね。それでは、始めましょう」
溌剌と響いた依頼人の声に、雪都(ka6604)は小さく溜息を吐いた。
顔の映り込んだガラス窓に向かい、口角を上げるように頬に指を置いてみるが、口が弧を作るだけで笑顔には遠い。
笑顔のぎこちない雪都を心配した大切な友人の勧めもあって来てみたが、自然に笑うことはまだ難しい。
「……けど、……」
ぽつりと小さな声が零れた。裏返っていたチューダのキーホルダーを直して身に着けたエプロンを見る。
喫茶店の店員などリアルブルーでは出来なかった。そう思うと強張る表情が僅かに綻んだ。
「がんばります」
「私も全力を尽くそう。一組でも多くの客が笑顔になれるよう」
鞍馬 真(ka5819)が頷く様に雪都の言葉に続く。その様子に俯いていたメグがはっと顔を上げた。あたふたと以前の怪我を気にするように慌てている。
「怪我はもう癒えたよ、ほら」
ガーゼのあった頬を示すと、ほっとしてすぐに俯き肩を竦ませたメグに笑みを向ける。
「そんなに緊張していたら、余計に上手くいかないよ。きみ自身も楽しむつもりで行こう」
「今回もよろしくねっ、メグおねーさん」
カリアナ・ノート(ka3733)が満面の笑みをメグに、そしてその背後に精霊を探して。
「見て! 可愛いわ凄くっ! 落ち着いてて、とっても大人のレディって感じ」
白いエプロンを翻してくるりとターンを。小柄な身体に合わせて調節しても余る袖を折って、伸びやかに腕を広げ、気に入った衣装で踊るように。
「大丈夫よ。一人じゃないんだし、私だっているし……ね! うん!」
「ええ……一人でと思わずに……協力して頑張りましょう」
カリアナがメグの手を取り自身にも言い聞かせるように告げ、マキナ・バベッジ(ka4302)も静かに声を掛ける。
穏やかな声音で、大丈夫だと言い聞かせるように。
赤い双眸が仄かに和らいで、ハンター達を示すように見回す。
「仲間が、いますから……」
「そう、少しずつ慣れていけば平気」
ユピテール・オーク(ka5658)が艶やかな声で励まし、ぐるりと店内を見回した。
偶にはこんな、周囲の人が幸せになるお手伝いも悪くないと、赤い唇が婀娜っぽい弧を描く。
「……自然と、自然な仕草や笑みで接客だって出来るようになるさ」
メグがはい、と小さな声で、けれど確りと応える。
不安な色を残すままの目をきゅっと瞑って開く。尊敬と憧憬の混ざった目でハンター達を見詰めた。
オーナー、と葛音 水月(ka1895)が呼ぶ。
始める前にこの店のことを把握しておきたい。
自身でもカフェを経営しており、今日はウェイトレスのエリスと共に手伝いに来ている。
「さて、エリスさん。いつもとは違いますけど頑張りましょーね」
違うところは、先に把握しておきたい。
それから、この店の雰囲気と流れの把握、店及び提供するもののセールスポイントも。
エリスが頷く。
「は、はい……緊張、しますけど……」
「よろしくお願いしますね」
ぱっちりと鮮やかな緑の目を細めて、葛音が熟れた笑みを浮かべる。
●
先ずはメニューからかしら、と依頼人が店内を示しながら。
葛音の質問に答えるように、普段の状態を示してメニューを広げ、言葉遣いや注文の取り方を、簡単に示して見せる。
「おすすめの食べ方も説明出来るようにしたいですよね。商品もしっかり把握して……」
メニューを見詰めて葛音がエリスと並んで首を傾がせる。
依頼人がメニューに指を滑らせてお勧めはこれ、これ、と指していくが、その手がぴたりと止まった。当日は特別なメニューも充実させたいと言って、ハンター達を見回した。
「恋人同士、ということなら、二人で分け合える感じのメニューとかはどうだろうか?」
鞍馬が考え込むように提案する。
分け合える、と依頼人が首を捻った。大きなケーキかしらと問われれば逆だというように首を揺らす。
「色んな味をお互いに楽しむことができるメニューですよね……小さなケーキを数種類の」
マキナがメニューの写真に指を置き、一口大を示すように囲う。
これくらいでしょうかと呟くと、カリアナが青い瞳を輝かせた。
あのね、と弾んだ声で手を上げる。
「恋人さんが、あーん、ってしやすいと思うの。どうかしら……」
腕を組むように考え込んだ依頼人が、閃いたように手を叩く。
作ってくるから、後は宜しく。そう言い残してキッチンへ消えていった。
オーナーはいつもあんな感じだと、店員の1人がハンター達を集めた。
当日の内装について良い案は無いだろうかと尋ねる。
「落ち着いた雰囲気にしたいところですね……」
マキナが近くのテーブルから壁へ照明へと視線を巡らせる。明るい色を多用したカジュアルな様相は、恋人同士の空間を作るなら、もう少し温かな色が良いかも知れない。
照明は、と明るい光を吊す天井を一瞥した。
「……各テーブルの真上に、ペンダントライトを吊るすのはいかがでしょうか?」
天板を測るように撫でて、小さな灯りならと、手に乗る大きさの光りを思い浮かべる。テーブル毎の空間を演出することが出来ないだろうかと、今は店全体を明るく照らす光りを眺めながら。
「私も落ち着いた雰囲気には同意する。恋人の日、だからまあ甘い雰囲気が良いのだろうが……」
若者向けの甘ったるさよりも、シックに。年配の夫婦やカップルも入りやすいように。
鞍馬もテーブルに掛けられたクロスを撫でて、少し抑えた色の方が良さそうだと店員に換えを尋ねる。
「カラフルな雰囲気だと、男性や年配の方は入りずらそうなので、他の飾りも落ち着いた色かな」
落ち着いた色かと店員はぐるりと内装を見回しながら、雪都の言葉に頷いて焦茶に臙脂、鈍色に灰桜の少しくすんだピンクも良いだろうと思い浮かべた。
黒は流石に落ち付きすぎていますねと冗談めかして、ハンター達の言葉を書き留めて。前回はピンクに統一して、女性客ばかりになってしまったと笑いながら語る。
ふと、店員の手が止まり、食べさせ合うケーキをメニューに加えるなら、もう少し可愛い方が良いかも知れないと、ケーキを試作しているだろうキッチンを振り返る。
それなら、と雪都が控えめに声を掛けた。
「ハートに組め合わせるなら、動物のシルエットも可愛いと思う」
分かりやすい猫や犬は勿論、兎やハムスターなどの小動物なら、嫌いな人も少ないだろうし、シルエットなら落ち付いた雰囲気を壊すことも無いだろう。
内装の話しが一段落し、店員がクロスのサンプルを広げてハンター達と選び、照明の付け替えに手伝うと名乗り出たカリアナの細い手と、あと三年もすれば届くのに、と、踏み台の上で爪先立ちの脚を不安がっている頃に、キッチンから完成を告げる声が聞こえた。
●
恋人同士、あーん、って食べさせ合えるサイズにカットしたスポンジを土台に、ピンクや白のムースを固め、クリームにスプレーやアラザンを散らす。シロップ漬けの赤いチェリーが艶やかに淡い色の照明を映して宝石のように輝いていた。
当日はデコレートしたチョコプレートや、マジパンの花も用意してもう少し華やかになると思うけれど。
依頼人はハンター達にケーキを見せて、どうかしらと尋ねた。
「素敵です……折角ですから、メニュー表の装丁にもこだわりたいですね。……恋人の日に相応しい赤か、緑地など目に優しい色合いに店のロゴや店名を入れたものを……」
このメニューに合わせて作るのだろうからと、開かれたままのメニューを眺めてマキナは首を傾がせた。
品目を追加するだけでは勿体ない気がする。
可能なら、写真を添えるのも良いだろうと、依頼人に尋ねた。
写真は無理だから、絵でも描いて貰おうかしらと、依頼人はにこりとハンター達を見回す。
ともあれ、と、手を叩いて切り替えると、ハンター達と店員を1つのテーブルに集めた。
お客様にこのメニューを給仕する練習をしながら、紹介の仕方を考えて欲しいと言う。
葛音とエリス、ユピテールに視線が向いて、得意そうな方もいるようねと目を細めた。任せるわと言い残し、キッチンへ戻っていく。
順番にやってみようかと促され、最後に回った鞍馬が自分の番までは客の代わりにとテーブルに着く。
先ずはあたいから。そう言ってユピテールが伝票を手にそのテーブルへ向かう。
すらりと背筋を伸ばして、しなやかな四肢は指先まで揃えて静かに辞儀を。
「いらっしゃいませ。ご注文は如何致しましょうか?」
店員らしい台詞を甘い声で囁く様に。近くで見ていた店員が誘われてしまいそうだと肩を竦めた。
「そうだな、……いざやってみると、戸惑ってしまうな……ケーキセットをお願いします」
畏まりました、と模範的な所作に艶やかな色気を滲ませ、ユピテールはテーブルの傍を引くと、ケーキを盛り付けた皿をトレイに乗せて戻ると、音を立てずに鞍馬の前にその皿を置く。
「お待たせ致しました、本日のお勧めでございます……と、こんな感じだね。どう? 次、やってみるといいよ」
ふと空気が変わったようにユピテールがメグの背を押して促す。
「大丈夫。きみには、友達、が付いているだろう?」
招く様に鞍馬も座り直し、メグを真っ直ぐに見据えた。緊張に竦んだ様子に自身の新人時代が重なると、懐かしさに表情が緩む。
皿を下げてトレイに戻しながらマキナがメグを呼んだ。
「ミケーリさん。接客に大切なのはお客様に喜んでもらおうと思う心です」
して貰えて嬉しいことを考えてやってみてくださいと、落ち付いた声が励ます。
舌の回らぬ声で、ユピテールの言葉を真似るように注文を取り、ぎくしゃくと固い動きで皿を置く。
鳴ってしまった陶器の音に大丈夫だとカリアナが手を取って励ました。
「私も緊張してるから、一緒に練習しましょ」
カリアナの言葉にメグが頷くと、2人を励ます様に雪都が頭を軽く撫でた。
雪都の落ち付いた所作は整っているものの、笑顔の硬さがまだ拭えない。上手く言葉が見付からずに声を躊躇うと唇を結んで、僅かに口角を上向かせる。
客をマキナに交代し、鞍馬が注文を取って給仕を行い、最後に葛音とリオンが彼等の店でしている様に。
溌剌と明るく、可愛らしく。当日は恋人同士を立てるためにも、もう少し愛想は控えた方が良いかも知れないと人懐っこい笑顔で笑いながら。
もう一度、と、練習を再開するとメグは、板に付いた様子でマキナにケーキセットを勧める鞍馬の所作を真剣に見詰めていた。
ハンター達の振る舞いを、ぴんと伸びた背筋を、整った所作を見習って、優しく告げられた励ましの言葉を、彼等の笑顔を思い出して。
「――いらっしゃいませ……」
●
メグを含めハンター達が恋人の日の特別なケーキを勧められるまで練習を重ね、笑顔に慣れないと雪都が違和感を覚えた頬をさすり、カリアナが身に着けた淑やかな振る舞いをレディーらしいと嬉しそうに。
ユピテールにも給仕らしい清楚さが僅かに身に付き、客代わりで練習に付き合った鞍馬とマキナにメグが何度も礼を告げて。
そろそろいいのではと店員が練習を締めるころ、キッチンから依頼人が戻ってきた。折角だからと、整えたテーブルにハンター達を座らせて、店で人気らしいケーキを配ってく。
お疲れ様と労い、手伝って貰うのだからと微笑んで勧める。
添えられた紅茶を見詰め、カリアナが当日のメニューの飲み物を尋ねた。
特別なメニューにだけ、飲み物をサービス出来ないだろうかと首を傾げる。
マキナも紅茶の水面を見詰めながら、小さなケーキを思い浮かべてそれに合いそうなフレーバーを提案する。
恋人の日のケーキには、フレーバーティーのサービスねと、気に入ったらしい依頼人が頷いた。
葛音が自身の店について話す。
「はうんどとは違うけれど、この店も、お客さんに愛されているんだろうなって思います……」
小さな傷や出入りの後の覗える小さなステージに目を向ける。
素敵な音楽を聴きながら、お茶を飲む時間は心地良いものだろうと溜息を零し。
「うちにもあったらいいなって思ったんですけどエリスさんはどうでしょう?」
「ん……音楽を聞きながらまったりする、というのは有りかもしれません」
隣の席でステージを眺めていたエリスは、是非というように頷いた。
当日のチェロも楽しみだと言う様に微笑んでいる。
「やってみる価値はあるかもですね」
機械の入手からですが、と笑ってカップに唇を寄せた。オリジナルブレンドだという紅茶の深い香りと仄かな甘さに自然と頬が緩む。
今日を思い出す様に、色色と話し合って決めたクロスを撫でて、吊した淡い光りを見上げる。
ケーキを味わいながら、接客の振る舞いを、葛音達のはうんどとは少し異なったそれを、当日間違えないように思い浮かべて。
「当日も頑張りましょうね、焦ったりせず落ち着いて、いつも通りやれば大丈夫ですよー」
リラックスすることはとても大切だからと、冗談ぽく微笑んで。
練習を終え、慣れぬ仕事に表情の削げて疲れの覗える雪都に鞍馬が声を掛けた。
「私も、よく無表情だと言われるんだ」
君もだろうと、静かな青が雪都を映す。
肩紐に吊ったキーホルダーを指先で弄り、雪都は小さく頷いた。
「……笑っているつもりなんだけどな」
伏せ気味の目は笑顔と呼ぶには少し固いが、朝に比べれば随分と穏やかで健康そうに見える。
当日はお互い気を付けようと鞍馬が溌剌と自身にも言い聞かせる真っ直ぐな声で告げながら、ふとその視線がメグに向いた。
君も、と目を細めると、メグは背筋を伸ばして頷いた。
ささやかな茶会が捌けて、そして、当日。
早朝集まったハンター達は、早速着替えて開店の準備を始めた。
集まったハンター達を見回して、依頼人は頷きにっこりと微笑んだ。
外は寒いでしょうと店内へ、カウンターの回りに集めると、店員達に準備を始めさせながら制服を配る。
エプロンの紐は背中で交差して、蝶々結びは歪まないように。
衣装を整えたハンター達に順に声を掛けて名前を尋ね、最後に自分を示す。
「私のことは、オーナーって呼んでね。それでは、始めましょう」
溌剌と響いた依頼人の声に、雪都(ka6604)は小さく溜息を吐いた。
顔の映り込んだガラス窓に向かい、口角を上げるように頬に指を置いてみるが、口が弧を作るだけで笑顔には遠い。
笑顔のぎこちない雪都を心配した大切な友人の勧めもあって来てみたが、自然に笑うことはまだ難しい。
「……けど、……」
ぽつりと小さな声が零れた。裏返っていたチューダのキーホルダーを直して身に着けたエプロンを見る。
喫茶店の店員などリアルブルーでは出来なかった。そう思うと強張る表情が僅かに綻んだ。
「がんばります」
「私も全力を尽くそう。一組でも多くの客が笑顔になれるよう」
鞍馬 真(ka5819)が頷く様に雪都の言葉に続く。その様子に俯いていたメグがはっと顔を上げた。あたふたと以前の怪我を気にするように慌てている。
「怪我はもう癒えたよ、ほら」
ガーゼのあった頬を示すと、ほっとしてすぐに俯き肩を竦ませたメグに笑みを向ける。
「そんなに緊張していたら、余計に上手くいかないよ。きみ自身も楽しむつもりで行こう」
「今回もよろしくねっ、メグおねーさん」
カリアナ・ノート(ka3733)が満面の笑みをメグに、そしてその背後に精霊を探して。
「見て! 可愛いわ凄くっ! 落ち着いてて、とっても大人のレディって感じ」
白いエプロンを翻してくるりとターンを。小柄な身体に合わせて調節しても余る袖を折って、伸びやかに腕を広げ、気に入った衣装で踊るように。
「大丈夫よ。一人じゃないんだし、私だっているし……ね! うん!」
「ええ……一人でと思わずに……協力して頑張りましょう」
カリアナがメグの手を取り自身にも言い聞かせるように告げ、マキナ・バベッジ(ka4302)も静かに声を掛ける。
穏やかな声音で、大丈夫だと言い聞かせるように。
赤い双眸が仄かに和らいで、ハンター達を示すように見回す。
「仲間が、いますから……」
「そう、少しずつ慣れていけば平気」
ユピテール・オーク(ka5658)が艶やかな声で励まし、ぐるりと店内を見回した。
偶にはこんな、周囲の人が幸せになるお手伝いも悪くないと、赤い唇が婀娜っぽい弧を描く。
「……自然と、自然な仕草や笑みで接客だって出来るようになるさ」
メグがはい、と小さな声で、けれど確りと応える。
不安な色を残すままの目をきゅっと瞑って開く。尊敬と憧憬の混ざった目でハンター達を見詰めた。
オーナー、と葛音 水月(ka1895)が呼ぶ。
始める前にこの店のことを把握しておきたい。
自身でもカフェを経営しており、今日はウェイトレスのエリスと共に手伝いに来ている。
「さて、エリスさん。いつもとは違いますけど頑張りましょーね」
違うところは、先に把握しておきたい。
それから、この店の雰囲気と流れの把握、店及び提供するもののセールスポイントも。
エリスが頷く。
「は、はい……緊張、しますけど……」
「よろしくお願いしますね」
ぱっちりと鮮やかな緑の目を細めて、葛音が熟れた笑みを浮かべる。
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先ずはメニューからかしら、と依頼人が店内を示しながら。
葛音の質問に答えるように、普段の状態を示してメニューを広げ、言葉遣いや注文の取り方を、簡単に示して見せる。
「おすすめの食べ方も説明出来るようにしたいですよね。商品もしっかり把握して……」
メニューを見詰めて葛音がエリスと並んで首を傾がせる。
依頼人がメニューに指を滑らせてお勧めはこれ、これ、と指していくが、その手がぴたりと止まった。当日は特別なメニューも充実させたいと言って、ハンター達を見回した。
「恋人同士、ということなら、二人で分け合える感じのメニューとかはどうだろうか?」
鞍馬が考え込むように提案する。
分け合える、と依頼人が首を捻った。大きなケーキかしらと問われれば逆だというように首を揺らす。
「色んな味をお互いに楽しむことができるメニューですよね……小さなケーキを数種類の」
マキナがメニューの写真に指を置き、一口大を示すように囲う。
これくらいでしょうかと呟くと、カリアナが青い瞳を輝かせた。
あのね、と弾んだ声で手を上げる。
「恋人さんが、あーん、ってしやすいと思うの。どうかしら……」
腕を組むように考え込んだ依頼人が、閃いたように手を叩く。
作ってくるから、後は宜しく。そう言い残してキッチンへ消えていった。
オーナーはいつもあんな感じだと、店員の1人がハンター達を集めた。
当日の内装について良い案は無いだろうかと尋ねる。
「落ち着いた雰囲気にしたいところですね……」
マキナが近くのテーブルから壁へ照明へと視線を巡らせる。明るい色を多用したカジュアルな様相は、恋人同士の空間を作るなら、もう少し温かな色が良いかも知れない。
照明は、と明るい光を吊す天井を一瞥した。
「……各テーブルの真上に、ペンダントライトを吊るすのはいかがでしょうか?」
天板を測るように撫でて、小さな灯りならと、手に乗る大きさの光りを思い浮かべる。テーブル毎の空間を演出することが出来ないだろうかと、今は店全体を明るく照らす光りを眺めながら。
「私も落ち着いた雰囲気には同意する。恋人の日、だからまあ甘い雰囲気が良いのだろうが……」
若者向けの甘ったるさよりも、シックに。年配の夫婦やカップルも入りやすいように。
鞍馬もテーブルに掛けられたクロスを撫でて、少し抑えた色の方が良さそうだと店員に換えを尋ねる。
「カラフルな雰囲気だと、男性や年配の方は入りずらそうなので、他の飾りも落ち着いた色かな」
落ち着いた色かと店員はぐるりと内装を見回しながら、雪都の言葉に頷いて焦茶に臙脂、鈍色に灰桜の少しくすんだピンクも良いだろうと思い浮かべた。
黒は流石に落ち付きすぎていますねと冗談めかして、ハンター達の言葉を書き留めて。前回はピンクに統一して、女性客ばかりになってしまったと笑いながら語る。
ふと、店員の手が止まり、食べさせ合うケーキをメニューに加えるなら、もう少し可愛い方が良いかも知れないと、ケーキを試作しているだろうキッチンを振り返る。
それなら、と雪都が控えめに声を掛けた。
「ハートに組め合わせるなら、動物のシルエットも可愛いと思う」
分かりやすい猫や犬は勿論、兎やハムスターなどの小動物なら、嫌いな人も少ないだろうし、シルエットなら落ち付いた雰囲気を壊すことも無いだろう。
内装の話しが一段落し、店員がクロスのサンプルを広げてハンター達と選び、照明の付け替えに手伝うと名乗り出たカリアナの細い手と、あと三年もすれば届くのに、と、踏み台の上で爪先立ちの脚を不安がっている頃に、キッチンから完成を告げる声が聞こえた。
●
恋人同士、あーん、って食べさせ合えるサイズにカットしたスポンジを土台に、ピンクや白のムースを固め、クリームにスプレーやアラザンを散らす。シロップ漬けの赤いチェリーが艶やかに淡い色の照明を映して宝石のように輝いていた。
当日はデコレートしたチョコプレートや、マジパンの花も用意してもう少し華やかになると思うけれど。
依頼人はハンター達にケーキを見せて、どうかしらと尋ねた。
「素敵です……折角ですから、メニュー表の装丁にもこだわりたいですね。……恋人の日に相応しい赤か、緑地など目に優しい色合いに店のロゴや店名を入れたものを……」
このメニューに合わせて作るのだろうからと、開かれたままのメニューを眺めてマキナは首を傾がせた。
品目を追加するだけでは勿体ない気がする。
可能なら、写真を添えるのも良いだろうと、依頼人に尋ねた。
写真は無理だから、絵でも描いて貰おうかしらと、依頼人はにこりとハンター達を見回す。
ともあれ、と、手を叩いて切り替えると、ハンター達と店員を1つのテーブルに集めた。
お客様にこのメニューを給仕する練習をしながら、紹介の仕方を考えて欲しいと言う。
葛音とエリス、ユピテールに視線が向いて、得意そうな方もいるようねと目を細めた。任せるわと言い残し、キッチンへ戻っていく。
順番にやってみようかと促され、最後に回った鞍馬が自分の番までは客の代わりにとテーブルに着く。
先ずはあたいから。そう言ってユピテールが伝票を手にそのテーブルへ向かう。
すらりと背筋を伸ばして、しなやかな四肢は指先まで揃えて静かに辞儀を。
「いらっしゃいませ。ご注文は如何致しましょうか?」
店員らしい台詞を甘い声で囁く様に。近くで見ていた店員が誘われてしまいそうだと肩を竦めた。
「そうだな、……いざやってみると、戸惑ってしまうな……ケーキセットをお願いします」
畏まりました、と模範的な所作に艶やかな色気を滲ませ、ユピテールはテーブルの傍を引くと、ケーキを盛り付けた皿をトレイに乗せて戻ると、音を立てずに鞍馬の前にその皿を置く。
「お待たせ致しました、本日のお勧めでございます……と、こんな感じだね。どう? 次、やってみるといいよ」
ふと空気が変わったようにユピテールがメグの背を押して促す。
「大丈夫。きみには、友達、が付いているだろう?」
招く様に鞍馬も座り直し、メグを真っ直ぐに見据えた。緊張に竦んだ様子に自身の新人時代が重なると、懐かしさに表情が緩む。
皿を下げてトレイに戻しながらマキナがメグを呼んだ。
「ミケーリさん。接客に大切なのはお客様に喜んでもらおうと思う心です」
して貰えて嬉しいことを考えてやってみてくださいと、落ち付いた声が励ます。
舌の回らぬ声で、ユピテールの言葉を真似るように注文を取り、ぎくしゃくと固い動きで皿を置く。
鳴ってしまった陶器の音に大丈夫だとカリアナが手を取って励ました。
「私も緊張してるから、一緒に練習しましょ」
カリアナの言葉にメグが頷くと、2人を励ます様に雪都が頭を軽く撫でた。
雪都の落ち付いた所作は整っているものの、笑顔の硬さがまだ拭えない。上手く言葉が見付からずに声を躊躇うと唇を結んで、僅かに口角を上向かせる。
客をマキナに交代し、鞍馬が注文を取って給仕を行い、最後に葛音とリオンが彼等の店でしている様に。
溌剌と明るく、可愛らしく。当日は恋人同士を立てるためにも、もう少し愛想は控えた方が良いかも知れないと人懐っこい笑顔で笑いながら。
もう一度、と、練習を再開するとメグは、板に付いた様子でマキナにケーキセットを勧める鞍馬の所作を真剣に見詰めていた。
ハンター達の振る舞いを、ぴんと伸びた背筋を、整った所作を見習って、優しく告げられた励ましの言葉を、彼等の笑顔を思い出して。
「――いらっしゃいませ……」
●
メグを含めハンター達が恋人の日の特別なケーキを勧められるまで練習を重ね、笑顔に慣れないと雪都が違和感を覚えた頬をさすり、カリアナが身に着けた淑やかな振る舞いをレディーらしいと嬉しそうに。
ユピテールにも給仕らしい清楚さが僅かに身に付き、客代わりで練習に付き合った鞍馬とマキナにメグが何度も礼を告げて。
そろそろいいのではと店員が練習を締めるころ、キッチンから依頼人が戻ってきた。折角だからと、整えたテーブルにハンター達を座らせて、店で人気らしいケーキを配ってく。
お疲れ様と労い、手伝って貰うのだからと微笑んで勧める。
添えられた紅茶を見詰め、カリアナが当日のメニューの飲み物を尋ねた。
特別なメニューにだけ、飲み物をサービス出来ないだろうかと首を傾げる。
マキナも紅茶の水面を見詰めながら、小さなケーキを思い浮かべてそれに合いそうなフレーバーを提案する。
恋人の日のケーキには、フレーバーティーのサービスねと、気に入ったらしい依頼人が頷いた。
葛音が自身の店について話す。
「はうんどとは違うけれど、この店も、お客さんに愛されているんだろうなって思います……」
小さな傷や出入りの後の覗える小さなステージに目を向ける。
素敵な音楽を聴きながら、お茶を飲む時間は心地良いものだろうと溜息を零し。
「うちにもあったらいいなって思ったんですけどエリスさんはどうでしょう?」
「ん……音楽を聞きながらまったりする、というのは有りかもしれません」
隣の席でステージを眺めていたエリスは、是非というように頷いた。
当日のチェロも楽しみだと言う様に微笑んでいる。
「やってみる価値はあるかもですね」
機械の入手からですが、と笑ってカップに唇を寄せた。オリジナルブレンドだという紅茶の深い香りと仄かな甘さに自然と頬が緩む。
今日を思い出す様に、色色と話し合って決めたクロスを撫でて、吊した淡い光りを見上げる。
ケーキを味わいながら、接客の振る舞いを、葛音達のはうんどとは少し異なったそれを、当日間違えないように思い浮かべて。
「当日も頑張りましょうね、焦ったりせず落ち着いて、いつも通りやれば大丈夫ですよー」
リラックスすることはとても大切だからと、冗談ぽく微笑んで。
練習を終え、慣れぬ仕事に表情の削げて疲れの覗える雪都に鞍馬が声を掛けた。
「私も、よく無表情だと言われるんだ」
君もだろうと、静かな青が雪都を映す。
肩紐に吊ったキーホルダーを指先で弄り、雪都は小さく頷いた。
「……笑っているつもりなんだけどな」
伏せ気味の目は笑顔と呼ぶには少し固いが、朝に比べれば随分と穏やかで健康そうに見える。
当日はお互い気を付けようと鞍馬が溌剌と自身にも言い聞かせる真っ直ぐな声で告げながら、ふとその視線がメグに向いた。
君も、と目を細めると、メグは背筋を伸ばして頷いた。
ささやかな茶会が捌けて、そして、当日。
早朝集まったハンター達は、早速着替えて開店の準備を始めた。
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恋人の日・前日譚(相談卓) 鞍馬 真(ka5819) 人間(リアルブルー)|22才|男性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2017/01/25 20:22:18 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/01/23 22:44:10 |