ゲスト
(ka0000)
タスカービレ~温泉スナイパー
マスター:深夜真世

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~7人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2017/02/02 22:00
- 完成日
- 2017/02/16 00:50
このシナリオは5日間納期が延長されています。
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
「……寒いな」
イ寺鑑(kz0175)が冒険都市リゼリオから同盟領農業推進地域「ジェオルジ」奥地にある村「タスカービレ」に戻った時、ぶるっと身を震わせた。
「そりゃまあ、山奥で標高もありますからね」
出迎えたジェオルジの役人、フィーネ・リスパルミオがマフラーを差し出しながらたしなめる。
「それに、この寒暖の差が果樹園には良い影響をもたらせていますしね」
うんうん、とフィーネの隣にいる村の農業責任者、カノーア・キアーヴェ。
「そりゃそうですが、人はね……温泉の方はその後、どうです?」
かないません、と顔をユーモラスにしかめてから話題を変える鑑。
「あは、やっぱり気になりますか」
「ま、人には温もりを、というのには同意ですけどね」
二人がくすくす笑った時だった。
「鑑センセーっ!」
青竜紅刃流の弟子たちと東方茶屋の店員たちがやって来た。
「師範、リゼリオへの出店の件、どうなりました?」
「まあ、利権の絡む話だし一等地は予算的に不可能だな。この村に魅力を感じてくれる店があれば軒の一部を借りてアピール、というのが現実的だろう」
その軒を貸してくれるところがね、と鑑。まあ、通常簡単な話ではない。
「それより温泉宿、ほぼ復興できましたよ!」
「本当か? 早いな」
鑑が驚くのも無理はない。
実は、ネックと思われた邪魔者「鬼ザル」を警戒しなくてはならないため常にまとまった人数がついていなければならなかったのだ。湯元を解放した以上、拠点確保のため人数を投じるしかなく、常駐することで宿としての機能復旧も早まった、ということだ。
「日々の稽古が滞るかと思いましたが、常時鬼ザルを威嚇しておかねばなりませんから常に誰かが素振り稽古。それ以外は草刈りに必要物資を運びつつの道づくりと地獄の合宿のようでした」
「冬だから農業従事者もそちらに回せた。他の季節だったらこうはいかなかったろう」
弟子の報告に続きカノーアの話。
鑑、カノーアとフィーネに感謝し深く頭を下げた。
「ただ……鬼ザルはしつこく様子を伺ってるらしいわ」
「そうなんですよ。遠巻きにこっちを見たり、隙あらば近くに寄って来たり……」
東方茶屋のロミィと若き門下生のジオが口を揃える。
「温泉を伺っている、ということはのぞきと一緒。撃たれても文句あるまい。長距離射撃の腕自慢を温泉に招いて退治してもらおう」
ニヤリ、と鑑。
つまり安全な距離と今思われているところに攻撃を加え、「この場所でも危ない」という意識を鬼ザルどもに刷り込んでさらに遠ざけておこう、という考えのようだ。
というわけで、山奥で木々に囲まれた温泉旅館を楽しみつつ遠巻きに様子を見ている鬼ザルを見つけては射撃してもらえる人材、求ム。
もちろん、さらに近付いてくる鬼ザルを迎え撃つべく出戦をしてもいい。
また、温泉宿はまだ営業してないので、厨房を仕切ったり草刈りや道づくりを手伝ってもいい。男女別と混浴(家族用)のある露天風呂には自由に入ってもらって構わない。部屋は洋室で個室か畳の大部屋。食事は大食堂でテーブルか畳の大部屋。
イ寺鑑(kz0175)が冒険都市リゼリオから同盟領農業推進地域「ジェオルジ」奥地にある村「タスカービレ」に戻った時、ぶるっと身を震わせた。
「そりゃまあ、山奥で標高もありますからね」
出迎えたジェオルジの役人、フィーネ・リスパルミオがマフラーを差し出しながらたしなめる。
「それに、この寒暖の差が果樹園には良い影響をもたらせていますしね」
うんうん、とフィーネの隣にいる村の農業責任者、カノーア・キアーヴェ。
「そりゃそうですが、人はね……温泉の方はその後、どうです?」
かないません、と顔をユーモラスにしかめてから話題を変える鑑。
「あは、やっぱり気になりますか」
「ま、人には温もりを、というのには同意ですけどね」
二人がくすくす笑った時だった。
「鑑センセーっ!」
青竜紅刃流の弟子たちと東方茶屋の店員たちがやって来た。
「師範、リゼリオへの出店の件、どうなりました?」
「まあ、利権の絡む話だし一等地は予算的に不可能だな。この村に魅力を感じてくれる店があれば軒の一部を借りてアピール、というのが現実的だろう」
その軒を貸してくれるところがね、と鑑。まあ、通常簡単な話ではない。
「それより温泉宿、ほぼ復興できましたよ!」
「本当か? 早いな」
鑑が驚くのも無理はない。
実は、ネックと思われた邪魔者「鬼ザル」を警戒しなくてはならないため常にまとまった人数がついていなければならなかったのだ。湯元を解放した以上、拠点確保のため人数を投じるしかなく、常駐することで宿としての機能復旧も早まった、ということだ。
「日々の稽古が滞るかと思いましたが、常時鬼ザルを威嚇しておかねばなりませんから常に誰かが素振り稽古。それ以外は草刈りに必要物資を運びつつの道づくりと地獄の合宿のようでした」
「冬だから農業従事者もそちらに回せた。他の季節だったらこうはいかなかったろう」
弟子の報告に続きカノーアの話。
鑑、カノーアとフィーネに感謝し深く頭を下げた。
「ただ……鬼ザルはしつこく様子を伺ってるらしいわ」
「そうなんですよ。遠巻きにこっちを見たり、隙あらば近くに寄って来たり……」
東方茶屋のロミィと若き門下生のジオが口を揃える。
「温泉を伺っている、ということはのぞきと一緒。撃たれても文句あるまい。長距離射撃の腕自慢を温泉に招いて退治してもらおう」
ニヤリ、と鑑。
つまり安全な距離と今思われているところに攻撃を加え、「この場所でも危ない」という意識を鬼ザルどもに刷り込んでさらに遠ざけておこう、という考えのようだ。
というわけで、山奥で木々に囲まれた温泉旅館を楽しみつつ遠巻きに様子を見ている鬼ザルを見つけては射撃してもらえる人材、求ム。
もちろん、さらに近付いてくる鬼ザルを迎え撃つべく出戦をしてもいい。
また、温泉宿はまだ営業してないので、厨房を仕切ったり草刈りや道づくりを手伝ってもいい。男女別と混浴(家族用)のある露天風呂には自由に入ってもらって構わない。部屋は洋室で個室か畳の大部屋。食事は大食堂でテーブルか畳の大部屋。
リプレイ本文
●
「庭造り……ね」
トリプルJ(ka6653)が帽子のつばを指で上げて呟く。
目の前には広場。結構な広さがある。振り返れば石造りの旅館、そして露天風呂を囲う板塀がある。
「トリプルMはどういった庭を造りたい?」
「待て。なぜトリプル『M』だ?」
聞いたイ寺鑑(kz0175)に速攻で突っ込む。
「え? ミスター・マッド・マッスル……」
「ジョナサン・ジュード・ジョンストン、だ」
どこぞでつけられた二つ名とごちゃ混ぜにされたようで。
そこに新たな人影が通り掛かる。
「そして私はルンルン・リリカル・秋桜なんだからっ」
「いや、誰も間違えちゃいねぇよ」
ふんすっ、と胸を張るルンルン・リリカル・秋桜(ka5784)。そっちに向き指摘するJ。
「そんで俺様がゾファル・G・初火じゃーん」
「だから聞いてねえって」
さらに横をだらりん、と横切るゾファル・G・初火(ka4407)。そっちにも突っ込むJ。なんだか忙しい。
「あ、ゾファル。たまには大型武器の稽古をつけてほしいって若いのがいるんだけど」
鑑、タオルを肩に掛けているゾファルにそう声を掛ける。
ぴた、と立ち止まり横目で見るゾファルの瞳に、不器用そうな大柄な若い門下生の姿が映った。
「……あー、だりぃじゃーん。息をするのもだりぃじゃん」
ゾファル、ちょっと思うところもあったようだが怠惰な生返事をして温泉へと立ち去っていくのだった。このへん、いつものナマケモノのゾファルちゃんそのままである。「ハタライタラマケ」が本音だったりする。
「まずは温泉の中から警戒に励んじゃいます」
ルンルンもゾファルの後をついて行く。
「僕は旅館の二階からこっちを狙いましょうか?」
新たに葛音 水月(ka1895)が鑑の傍に来ている。手には、龍弓「シ・ヴリス」。
「弓か?」
「いきなり銃声を派手に立てて過剰に警戒されても面白くないでしょう?」
ほら、僕はイェーガーじゃなくストライダーだし、といたずらっぽい笑み。のんびりしゃべる姿は楽しそうだ。
「じゃあ、わたしは先に、厨房の方を見ておくね?」
水月に寄り添う桜鬼(ka5690)が気を利かせる。こちらもなんだかスローテンポなしゃべり。
「わたしも先に厨房を見ようかな?」
ルンルンやゾファルについて温泉に行きかけていた狐中・小鳥(ka5484)。厨房と聞いて気が変わった。
「桜鬼さんはお料理、どんなのができるのかな?」
「私は……焼く、蒸すことは出来る、かな」
小鳥と桜鬼はお料理談義に花を咲かせながら移動する。
「桜鬼……鑑さん、ごめん。先に厨房の方の警戒、するよ」
水月は手を振って桜鬼の後をついて行く。
入れ替わりに、にまーっ、と子供っぽい笑みを浮かべてウーナ(ka1439)が近寄って来た。
「みんな行っちゃった。こっちの射撃警戒は鑑センセがするしかないね!」
「いや、ウーナがいるじゃない」
「あたしは……おっと、ジオもロミィもみんなもこっちおいで」
ウーナ、鑑を尻目に門下生たちを集めた。
「前のお願い、ちゃんと聞いてくれたんだね。……こんな早く形にできるなんて…すごいじゃない!」
自分の頼んだことは自分の責任、それをちゃんとこなしてくれたことが嬉しいウーナが門下生たちを労い喜ぶ。もちろん、ジオたち門下生も喜んでもらえてうれしい。
もっとも、普段指導に妥協がないウーナからこんなに素直に褒められたのは想定外。門下生たちは内心雨でも降らないかと……。
「もしかして、雨でも降るんじゃないかとか思ってないでしょうね?」
ぎくりとする門下生たち。ウーナとしては無邪気に会話をつないだだけではあるが。
ここで、Jがやれやれと改めて口を挟んだ。
「……そりゃいいがよ。庭造りの話じゃなかったのか?」
話を戻す。
現在、旅館前の広場には岩が転がったりしている。
「ああ。周囲を借景に四季折々で風景の変わる東洋風の庭造りをしようと思ってるんだが、一応みんなに意見を聞こうかと……」
「よしとけ」
言葉の終わりを待たずに鑑を遮るJ。
ちなみに、転がった岩は石灯籠を組もうとして失敗した姿である。さらに池や丘などの起伏、庭木の移植などを考えると確かによしておいた方がいい。
「難しいことは分からんが開拓した場所だろ? 後の管理も考えりゃシンプルな方がいい。俺に任せとけ」
「大丈夫?」
ウーナ、心配する。同時に門下生にJの手助けをするよう指示。
「開発中から関わっておけば、馴染み客扱いして貰えそうだろ? それに……」
J、持参したメイス「ボーンアックス」をぶうんと振って担ぐ。
「泥をかぶる力仕事は男向きじゃねぇの?」
背中越しに、にやり。
●
さて、厨房では。
「ん、釜がたくさんあって大人数でも対応でき……」
見回して感心した小鳥の言葉がそこで止まった。
窓の外に、接近する黒い影を見たのだ。
「小鳥さん、どうしま……鬼ザル?」
のんびり反応した水月が腰を落とす。黒い影が鬼ザルだと認識。
瞬間、黒猫の耳と尻尾が生える。覚醒だ。
「これは狭いと無理ですね」
長い龍弓をごちゃごちゃした厨房に手放し、代わりに手裏剣「八握剣」を放つ。
――すこん。
接近する鬼ザルをかすめ後ろの樹木に突き刺さった。
目を大きく見開き固まる鬼ザル。
そしてさらなる恐怖に目を皿にすることとなる。
すたたた、と水月がこの隙に殺到していたのである。
「寄らば、斬る」
超重刀「ラティスムス」をわざと外して振るい、ピタと構える。剣先越しに赤い瞳が覚悟を問う。
「桜鬼……やっぱり綺麗、ですね」
背後の厨房では、水月が桜鬼の剣技に見惚れていた。
やがて、鬼ザルは桜鬼の気迫に圧され尻尾を巻いて逃げていく。
「はっ。温泉の方にも近付いてるかもなんだよ」
一件落着と見た小鳥は温泉の方に急ぐのだった。
時はやや遡り、温泉。
「あ゛ー、いい湯加減じゃ~ん……」
湯煙の中、ゾファルが一人お先に湯船に漬かっていた。愛用のギガースアックスも一緒にお風呂。……愛用のギガースアックスも縁の岩に掛けた手の近くに置いてある。
――がさっ。
そこに、鬼ザルが一匹背後から接近。
「このままとろけるまでのんびりしとくじゃ~ん」
すでにとろけているような上機嫌。傍目には警戒心はまったくないように見える。
――がさがさっ。
だもので鬼ザルもこっそり近付いてギガースアックスをくすねようと手を伸ばしたところ……。
「気付かないと思ってるのかじゃーーん!」
振り向きくわっと鬼の形相。ゾファル、巨斧を手にざばっと湯から上がって左足を踏み込んだ。一糸まとわぬ姿でそんなことをすればいろいろ見えてしまうのだが、そこは湯気がもわわんと。
「ぶち殺してやるジャン!」
ぶおんっ、と横なぎに。鬼ザルは恐怖で腰が引けてすってんころりん。
「恐怖の作法ってもんを教えたろージャン」
さらに踏み込み強振。背を向け退散する鬼ザル。その横に着弾する衝撃波。鬼ザル、命からがら逃走に成功した。
この時、ルンルンが入って来た。
「愛用の手拭いにおふろセット、セーラー服っぽいショールを纏って機関銃を手に……」
夢心地気分でショールを取ろうとした時だった!
「はっ! ニンジャにはお見通しです!」
気配を察知。ゾファルの追撃とは別方向のちょい距離のある場所に鬼ザル発見!
――どがががっ!
機関銃が火を噴いた!
鬼ザルの隠れていた木の幹に弾を集中させた。ゆっくり傾きぼきっと折れ、姿を現した鬼ザルは恐怖に青ざめていた。
「ニンジャにとって拳銃は最後の武器です! …でもこれは機関銃だから、ノーカンなんだからっ! か・い・か・ん」
恍惚とするルンルンの姿を見て一目散に逃走する鬼ザルであった。
「あやー、やっぱり」
ここで小鳥がやって来た。
「こっちにも出てたんだね。逃げたからいいけど。……湯加減と温泉の入り心地を調べておかないと、かな」
タオルに身を包み、ちゃぽん。
「はふ、それにしても温泉は気持ち良いね♪ ……べ、別に自分が楽しみたいからじゃないヨ」
「私も温泉の入り心地を調べちゃいますっ!」
ルンルン、小鳥の脱力具合を見てショールをぽーんしてジャンプ。湯気を纏ったままどぼーんしてエンジョイするのだった。
でもって、ウーナ。
「距離がある時って早さより正確さが重要だよね。こう……当たると思ったら撃つ」
すたーん、とスナイパーライフルの銃声。
その先で、草木に隠れていた鬼ザルがびくっ、と固まっている。至近に着弾した。
「当たると思ったら、ね……」
すたーん、と続く鑑。
が、上にそれる。鬼ザル、ここで逃げた。
「あれはわざと外したわけじゃないみたいね……」
ウーナ、スナイパーライフル「レスティヒクーゲル」をボルトアクションしつつ突っ込む。
「仕方ないだろう。何かあればまず近寄る。人生常にそうして来た」
「で、気付けばこんな田舎の山奥、みたいな人生ねー」
言い訳する鑑に冷たい視線のウーナ。
「いけると思ったら行くだけだ」
「ま、狙撃は長い目で見てあげとくかな」
赤くなる鑑を尻目に、他の鬼ザルにリフレクション・ショット。どこからでも狙われる恐怖感を植え付ける。
――がぅん……。
庭の端では、魔導銃「狂乱せしアルコル」が狂乱していた。
「やれやれ、枝打ちも楽じゃねぇ」
Jがボーンアックスを下ろして肩をこきっと鳴らした瞬間、背面撃ちをしたのだ。そっち方面に隠れていた鬼ザル、ビビっている。
「狙ったんです?」
門下生の一人が聞いた。
「全く別の作業をしている相手に意識外から撃たれるってのは結構きついぜ? 注意力やら安全マージンやらを余分にとらなきゃならなくなるからよ?」
やれやれ、と手を拭う動作から脇に挟んだ銃をやはり背面撃ち。当たるわけはないが鬼ザルに恐怖を植え付ける。
「庭はこれからどうするんですか?」
「一面芝生にしときゃいい」
J、西洋風の仕上げを門下生に指示しておく。
●
「あんまり悪いことしちゃ駄目ですからね」
「水月……」
桜鬼が二階に上がった時、水月は弓で林の鬼ザルを狙った直後だった。
「あ……うん」
振り返った水月、頷いた。
桜鬼がお風呂セットを持っていたのだ。
二人して家族湯に入る。
「こっちは少し、狭いんだ」
見渡した水月に、つんと背後から。
「今日は、のんびり、しよう?」
振り返ると、太腿を少しすり合わせ肩を小さくして恥じらう桜鬼の姿が湯煙の中に。
「う、うん」
消え入るような水月の声。
やがて、二人で仲良く背中を流し、湯船へ。
「はふ……とっても、きもちいーです」
「うん……」
縁の岩に身を預ける水月。消え入るような声の桜鬼は、彼の肩に身を預け。
ここで、女湯から小鳥の声。
「覗き魔ならぬ覗き猿天…かな? 人じゃないだけマシだけどあまりいい気分ではないね。だからそれ以上近づくのは禁止なんだよ!」
「小鳥の射撃は鑑センセ―みたいじゃないねー」
ウーナもゆったりしているようで。
そして男湯からも。
「ミスターマッスル、あそこ!」
「当てずに掠めてりゃいいんだろ? って、その名はよしとけ!」
鑑とJも温泉を満喫しているようだ。
温泉の後。
「あー、だりぃ」
ゾファルの見守る背後で、皆で夕食の調理。
「材料はシチューだね♪ 何か……温泉が本格的に再開した時に出せるような料理を考えようかな♪」
小鳥は余裕の手つきで今後を考えつつ。
「あ、桜鬼、そこのお願いします……」
「分かった」
水月と桜鬼は協力しつつ黙々と。
「そういやチクワに漬物や果物入れると旨いって聞いたぜ?」
「ええ。でもこの季節には手ごろなのがなくて」
チクワを切っていたJの言葉に、鑑は申し訳なさそうにチーズを出す。
「あたしもこっちかな~」
ウーナは結局ゾファルと一緒に警戒に。
「折角だから花壇とかも作って、お花で一杯にしたいな」
ルンルンはしゃがんで土いじり。
「まぁ、チーズでも旨いな」
夕食で早速チーズ入りチクワと白ワイン「レ・リリカ」をやるJ。
「そりゃもう、屋台なんかでも人気だからねー」
ウーナ、シチューを取り分けつつえっへん。
「ニンジンをお花のように切ったんだからっ!」
おっと。ルンルンもちゃんと調理で貢献していたようで。白いシチューに赤い花型のニンジンが華を添えている。
「うん。いい、味」
「良かった……」
水月の満足そうな顔に、幸せそうな桜鬼の笑顔。
「おー、いいじゃんかいいじゃんか」
「……ゾファルさん、生き生きしてるんだよ」
きょう一番いい顔をしてシチューをかっこみチクワに食いつくゾファル。小鳥は行儀よくスプーンですすっていたがその様子に汗たら~。
「もうちょっと東洋風のものがいいよねぇ」
東風茶屋のロミィは味に満足しつつも思案顔。
「まあ、焼き魚とか山賊焼きとか炭火焼が東方風かなぁ」
とかなんとか鑑も思案。
●
やがて夜も更ける。
「ん、やっぱり皆で大きな部屋で寝るのは楽しいね♪ 合宿かなにかみたい?」
中華風寝間着に着替えた小鳥が大広間に並べられた布団にうきうきしながら皆を振り返った。
「男女一緒だが……」
鑑が釘を刺そうとした時だった。
「えっちなこと考えた奴はかかってこーい!」
ぐわし、と枕を掴んでウーナがごごご……。
そこへ、ぽふ、と枕が優しくヒット。
振り向くと、J。
「枕投げだろ? 女子供だからって容赦しねぇ…おぶっ!?」
「このえっちめー!」
言い終わる前にウーナからの三倍返し。
途端に火ぶたが切って落とされた。
「わぁ修学旅行みたいでなんか嬉しいです……忍法空枕の術!」
「枕カバーを外すんじゃない!」
いきなり枕を分解したルンルンに鑑が行くが……。
「それは抱き枕なのです!」
かわしてぶつけ返す。
「枕投げっていつぶりでしょう……ぶっ」
「ふふん♪ やる以上は負けないんだよ♪ それ、すきありだよー!」
水月にぶつけてさらに鬼桜にも投げる小鳥。
「……負けませんですぅ」
おっと桜鬼、何かハイになったぞ?
枕を思いっきり振りかぶったところ……。
「面白そうじゃーん!」
バトルジャンキー、ゾファルが乱入。近接枕投げを繰り広げる。
「ちっとは容赦しろ!」
J、突っ込みの反撃。
「桜鬼、今夜は目いっぱいいきますよー」
水月、全力。エンジン掛かった!
やがてとっぷり夜も更け静かに。
「がー」
「すぅ…」
ゾファルとルンルンの寝息。
「いい加減寝ないとな」
「…ん? 鑑センセも一緒に寝る?」
こっそり乱れた布団を直して回る鑑に、起きていたウーナがいたずらっぽく。
その時だった。
「んん……助平は、駄目」
「さ、桜鬼?」
水月、添い寝している嫁の桜鬼に抱きつかれスリスリとか太腿で挟んできたりとか。寝ぼけつつ目いっぱい全力。
「そ、そういうつもりで言ったんじゃ……」
水月、身動き取れず悶々。
「眠れないね」
「仕方ねぇ。故郷での話だがな?」
置きだした小鳥。Jも布団から出て怪談話。
そんなこんなで夜は更ける。
「庭造り……ね」
トリプルJ(ka6653)が帽子のつばを指で上げて呟く。
目の前には広場。結構な広さがある。振り返れば石造りの旅館、そして露天風呂を囲う板塀がある。
「トリプルMはどういった庭を造りたい?」
「待て。なぜトリプル『M』だ?」
聞いたイ寺鑑(kz0175)に速攻で突っ込む。
「え? ミスター・マッド・マッスル……」
「ジョナサン・ジュード・ジョンストン、だ」
どこぞでつけられた二つ名とごちゃ混ぜにされたようで。
そこに新たな人影が通り掛かる。
「そして私はルンルン・リリカル・秋桜なんだからっ」
「いや、誰も間違えちゃいねぇよ」
ふんすっ、と胸を張るルンルン・リリカル・秋桜(ka5784)。そっちに向き指摘するJ。
「そんで俺様がゾファル・G・初火じゃーん」
「だから聞いてねえって」
さらに横をだらりん、と横切るゾファル・G・初火(ka4407)。そっちにも突っ込むJ。なんだか忙しい。
「あ、ゾファル。たまには大型武器の稽古をつけてほしいって若いのがいるんだけど」
鑑、タオルを肩に掛けているゾファルにそう声を掛ける。
ぴた、と立ち止まり横目で見るゾファルの瞳に、不器用そうな大柄な若い門下生の姿が映った。
「……あー、だりぃじゃーん。息をするのもだりぃじゃん」
ゾファル、ちょっと思うところもあったようだが怠惰な生返事をして温泉へと立ち去っていくのだった。このへん、いつものナマケモノのゾファルちゃんそのままである。「ハタライタラマケ」が本音だったりする。
「まずは温泉の中から警戒に励んじゃいます」
ルンルンもゾファルの後をついて行く。
「僕は旅館の二階からこっちを狙いましょうか?」
新たに葛音 水月(ka1895)が鑑の傍に来ている。手には、龍弓「シ・ヴリス」。
「弓か?」
「いきなり銃声を派手に立てて過剰に警戒されても面白くないでしょう?」
ほら、僕はイェーガーじゃなくストライダーだし、といたずらっぽい笑み。のんびりしゃべる姿は楽しそうだ。
「じゃあ、わたしは先に、厨房の方を見ておくね?」
水月に寄り添う桜鬼(ka5690)が気を利かせる。こちらもなんだかスローテンポなしゃべり。
「わたしも先に厨房を見ようかな?」
ルンルンやゾファルについて温泉に行きかけていた狐中・小鳥(ka5484)。厨房と聞いて気が変わった。
「桜鬼さんはお料理、どんなのができるのかな?」
「私は……焼く、蒸すことは出来る、かな」
小鳥と桜鬼はお料理談義に花を咲かせながら移動する。
「桜鬼……鑑さん、ごめん。先に厨房の方の警戒、するよ」
水月は手を振って桜鬼の後をついて行く。
入れ替わりに、にまーっ、と子供っぽい笑みを浮かべてウーナ(ka1439)が近寄って来た。
「みんな行っちゃった。こっちの射撃警戒は鑑センセがするしかないね!」
「いや、ウーナがいるじゃない」
「あたしは……おっと、ジオもロミィもみんなもこっちおいで」
ウーナ、鑑を尻目に門下生たちを集めた。
「前のお願い、ちゃんと聞いてくれたんだね。……こんな早く形にできるなんて…すごいじゃない!」
自分の頼んだことは自分の責任、それをちゃんとこなしてくれたことが嬉しいウーナが門下生たちを労い喜ぶ。もちろん、ジオたち門下生も喜んでもらえてうれしい。
もっとも、普段指導に妥協がないウーナからこんなに素直に褒められたのは想定外。門下生たちは内心雨でも降らないかと……。
「もしかして、雨でも降るんじゃないかとか思ってないでしょうね?」
ぎくりとする門下生たち。ウーナとしては無邪気に会話をつないだだけではあるが。
ここで、Jがやれやれと改めて口を挟んだ。
「……そりゃいいがよ。庭造りの話じゃなかったのか?」
話を戻す。
現在、旅館前の広場には岩が転がったりしている。
「ああ。周囲を借景に四季折々で風景の変わる東洋風の庭造りをしようと思ってるんだが、一応みんなに意見を聞こうかと……」
「よしとけ」
言葉の終わりを待たずに鑑を遮るJ。
ちなみに、転がった岩は石灯籠を組もうとして失敗した姿である。さらに池や丘などの起伏、庭木の移植などを考えると確かによしておいた方がいい。
「難しいことは分からんが開拓した場所だろ? 後の管理も考えりゃシンプルな方がいい。俺に任せとけ」
「大丈夫?」
ウーナ、心配する。同時に門下生にJの手助けをするよう指示。
「開発中から関わっておけば、馴染み客扱いして貰えそうだろ? それに……」
J、持参したメイス「ボーンアックス」をぶうんと振って担ぐ。
「泥をかぶる力仕事は男向きじゃねぇの?」
背中越しに、にやり。
●
さて、厨房では。
「ん、釜がたくさんあって大人数でも対応でき……」
見回して感心した小鳥の言葉がそこで止まった。
窓の外に、接近する黒い影を見たのだ。
「小鳥さん、どうしま……鬼ザル?」
のんびり反応した水月が腰を落とす。黒い影が鬼ザルだと認識。
瞬間、黒猫の耳と尻尾が生える。覚醒だ。
「これは狭いと無理ですね」
長い龍弓をごちゃごちゃした厨房に手放し、代わりに手裏剣「八握剣」を放つ。
――すこん。
接近する鬼ザルをかすめ後ろの樹木に突き刺さった。
目を大きく見開き固まる鬼ザル。
そしてさらなる恐怖に目を皿にすることとなる。
すたたた、と水月がこの隙に殺到していたのである。
「寄らば、斬る」
超重刀「ラティスムス」をわざと外して振るい、ピタと構える。剣先越しに赤い瞳が覚悟を問う。
「桜鬼……やっぱり綺麗、ですね」
背後の厨房では、水月が桜鬼の剣技に見惚れていた。
やがて、鬼ザルは桜鬼の気迫に圧され尻尾を巻いて逃げていく。
「はっ。温泉の方にも近付いてるかもなんだよ」
一件落着と見た小鳥は温泉の方に急ぐのだった。
時はやや遡り、温泉。
「あ゛ー、いい湯加減じゃ~ん……」
湯煙の中、ゾファルが一人お先に湯船に漬かっていた。愛用のギガースアックスも一緒にお風呂。……愛用のギガースアックスも縁の岩に掛けた手の近くに置いてある。
――がさっ。
そこに、鬼ザルが一匹背後から接近。
「このままとろけるまでのんびりしとくじゃ~ん」
すでにとろけているような上機嫌。傍目には警戒心はまったくないように見える。
――がさがさっ。
だもので鬼ザルもこっそり近付いてギガースアックスをくすねようと手を伸ばしたところ……。
「気付かないと思ってるのかじゃーーん!」
振り向きくわっと鬼の形相。ゾファル、巨斧を手にざばっと湯から上がって左足を踏み込んだ。一糸まとわぬ姿でそんなことをすればいろいろ見えてしまうのだが、そこは湯気がもわわんと。
「ぶち殺してやるジャン!」
ぶおんっ、と横なぎに。鬼ザルは恐怖で腰が引けてすってんころりん。
「恐怖の作法ってもんを教えたろージャン」
さらに踏み込み強振。背を向け退散する鬼ザル。その横に着弾する衝撃波。鬼ザル、命からがら逃走に成功した。
この時、ルンルンが入って来た。
「愛用の手拭いにおふろセット、セーラー服っぽいショールを纏って機関銃を手に……」
夢心地気分でショールを取ろうとした時だった!
「はっ! ニンジャにはお見通しです!」
気配を察知。ゾファルの追撃とは別方向のちょい距離のある場所に鬼ザル発見!
――どがががっ!
機関銃が火を噴いた!
鬼ザルの隠れていた木の幹に弾を集中させた。ゆっくり傾きぼきっと折れ、姿を現した鬼ザルは恐怖に青ざめていた。
「ニンジャにとって拳銃は最後の武器です! …でもこれは機関銃だから、ノーカンなんだからっ! か・い・か・ん」
恍惚とするルンルンの姿を見て一目散に逃走する鬼ザルであった。
「あやー、やっぱり」
ここで小鳥がやって来た。
「こっちにも出てたんだね。逃げたからいいけど。……湯加減と温泉の入り心地を調べておかないと、かな」
タオルに身を包み、ちゃぽん。
「はふ、それにしても温泉は気持ち良いね♪ ……べ、別に自分が楽しみたいからじゃないヨ」
「私も温泉の入り心地を調べちゃいますっ!」
ルンルン、小鳥の脱力具合を見てショールをぽーんしてジャンプ。湯気を纏ったままどぼーんしてエンジョイするのだった。
でもって、ウーナ。
「距離がある時って早さより正確さが重要だよね。こう……当たると思ったら撃つ」
すたーん、とスナイパーライフルの銃声。
その先で、草木に隠れていた鬼ザルがびくっ、と固まっている。至近に着弾した。
「当たると思ったら、ね……」
すたーん、と続く鑑。
が、上にそれる。鬼ザル、ここで逃げた。
「あれはわざと外したわけじゃないみたいね……」
ウーナ、スナイパーライフル「レスティヒクーゲル」をボルトアクションしつつ突っ込む。
「仕方ないだろう。何かあればまず近寄る。人生常にそうして来た」
「で、気付けばこんな田舎の山奥、みたいな人生ねー」
言い訳する鑑に冷たい視線のウーナ。
「いけると思ったら行くだけだ」
「ま、狙撃は長い目で見てあげとくかな」
赤くなる鑑を尻目に、他の鬼ザルにリフレクション・ショット。どこからでも狙われる恐怖感を植え付ける。
――がぅん……。
庭の端では、魔導銃「狂乱せしアルコル」が狂乱していた。
「やれやれ、枝打ちも楽じゃねぇ」
Jがボーンアックスを下ろして肩をこきっと鳴らした瞬間、背面撃ちをしたのだ。そっち方面に隠れていた鬼ザル、ビビっている。
「狙ったんです?」
門下生の一人が聞いた。
「全く別の作業をしている相手に意識外から撃たれるってのは結構きついぜ? 注意力やら安全マージンやらを余分にとらなきゃならなくなるからよ?」
やれやれ、と手を拭う動作から脇に挟んだ銃をやはり背面撃ち。当たるわけはないが鬼ザルに恐怖を植え付ける。
「庭はこれからどうするんですか?」
「一面芝生にしときゃいい」
J、西洋風の仕上げを門下生に指示しておく。
●
「あんまり悪いことしちゃ駄目ですからね」
「水月……」
桜鬼が二階に上がった時、水月は弓で林の鬼ザルを狙った直後だった。
「あ……うん」
振り返った水月、頷いた。
桜鬼がお風呂セットを持っていたのだ。
二人して家族湯に入る。
「こっちは少し、狭いんだ」
見渡した水月に、つんと背後から。
「今日は、のんびり、しよう?」
振り返ると、太腿を少しすり合わせ肩を小さくして恥じらう桜鬼の姿が湯煙の中に。
「う、うん」
消え入るような水月の声。
やがて、二人で仲良く背中を流し、湯船へ。
「はふ……とっても、きもちいーです」
「うん……」
縁の岩に身を預ける水月。消え入るような声の桜鬼は、彼の肩に身を預け。
ここで、女湯から小鳥の声。
「覗き魔ならぬ覗き猿天…かな? 人じゃないだけマシだけどあまりいい気分ではないね。だからそれ以上近づくのは禁止なんだよ!」
「小鳥の射撃は鑑センセ―みたいじゃないねー」
ウーナもゆったりしているようで。
そして男湯からも。
「ミスターマッスル、あそこ!」
「当てずに掠めてりゃいいんだろ? って、その名はよしとけ!」
鑑とJも温泉を満喫しているようだ。
温泉の後。
「あー、だりぃ」
ゾファルの見守る背後で、皆で夕食の調理。
「材料はシチューだね♪ 何か……温泉が本格的に再開した時に出せるような料理を考えようかな♪」
小鳥は余裕の手つきで今後を考えつつ。
「あ、桜鬼、そこのお願いします……」
「分かった」
水月と桜鬼は協力しつつ黙々と。
「そういやチクワに漬物や果物入れると旨いって聞いたぜ?」
「ええ。でもこの季節には手ごろなのがなくて」
チクワを切っていたJの言葉に、鑑は申し訳なさそうにチーズを出す。
「あたしもこっちかな~」
ウーナは結局ゾファルと一緒に警戒に。
「折角だから花壇とかも作って、お花で一杯にしたいな」
ルンルンはしゃがんで土いじり。
「まぁ、チーズでも旨いな」
夕食で早速チーズ入りチクワと白ワイン「レ・リリカ」をやるJ。
「そりゃもう、屋台なんかでも人気だからねー」
ウーナ、シチューを取り分けつつえっへん。
「ニンジンをお花のように切ったんだからっ!」
おっと。ルンルンもちゃんと調理で貢献していたようで。白いシチューに赤い花型のニンジンが華を添えている。
「うん。いい、味」
「良かった……」
水月の満足そうな顔に、幸せそうな桜鬼の笑顔。
「おー、いいじゃんかいいじゃんか」
「……ゾファルさん、生き生きしてるんだよ」
きょう一番いい顔をしてシチューをかっこみチクワに食いつくゾファル。小鳥は行儀よくスプーンですすっていたがその様子に汗たら~。
「もうちょっと東洋風のものがいいよねぇ」
東風茶屋のロミィは味に満足しつつも思案顔。
「まあ、焼き魚とか山賊焼きとか炭火焼が東方風かなぁ」
とかなんとか鑑も思案。
●
やがて夜も更ける。
「ん、やっぱり皆で大きな部屋で寝るのは楽しいね♪ 合宿かなにかみたい?」
中華風寝間着に着替えた小鳥が大広間に並べられた布団にうきうきしながら皆を振り返った。
「男女一緒だが……」
鑑が釘を刺そうとした時だった。
「えっちなこと考えた奴はかかってこーい!」
ぐわし、と枕を掴んでウーナがごごご……。
そこへ、ぽふ、と枕が優しくヒット。
振り向くと、J。
「枕投げだろ? 女子供だからって容赦しねぇ…おぶっ!?」
「このえっちめー!」
言い終わる前にウーナからの三倍返し。
途端に火ぶたが切って落とされた。
「わぁ修学旅行みたいでなんか嬉しいです……忍法空枕の術!」
「枕カバーを外すんじゃない!」
いきなり枕を分解したルンルンに鑑が行くが……。
「それは抱き枕なのです!」
かわしてぶつけ返す。
「枕投げっていつぶりでしょう……ぶっ」
「ふふん♪ やる以上は負けないんだよ♪ それ、すきありだよー!」
水月にぶつけてさらに鬼桜にも投げる小鳥。
「……負けませんですぅ」
おっと桜鬼、何かハイになったぞ?
枕を思いっきり振りかぶったところ……。
「面白そうじゃーん!」
バトルジャンキー、ゾファルが乱入。近接枕投げを繰り広げる。
「ちっとは容赦しろ!」
J、突っ込みの反撃。
「桜鬼、今夜は目いっぱいいきますよー」
水月、全力。エンジン掛かった!
やがてとっぷり夜も更け静かに。
「がー」
「すぅ…」
ゾファルとルンルンの寝息。
「いい加減寝ないとな」
「…ん? 鑑センセも一緒に寝る?」
こっそり乱れた布団を直して回る鑑に、起きていたウーナがいたずらっぽく。
その時だった。
「んん……助平は、駄目」
「さ、桜鬼?」
水月、添い寝している嫁の桜鬼に抱きつかれスリスリとか太腿で挟んできたりとか。寝ぼけつつ目いっぱい全力。
「そ、そういうつもりで言ったんじゃ……」
水月、身動き取れず悶々。
「眠れないね」
「仕方ねぇ。故郷での話だがな?」
置きだした小鳥。Jも布団から出て怪談話。
そんなこんなで夜は更ける。
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BANG!BANG!BANG! トリプルJ(ka6653) 人間(リアルブルー)|26才|男性|霊闘士(ベルセルク) |
最終発言 2017/01/31 22:55:44 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/02/02 08:47:14 |