ゲスト
(ka0000)
【王臨】メイドは貴族を護るモノ
マスター:御影堂

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~8人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 多め
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2017/02/01 12:00
- 完成日
- 2017/02/08 21:53
このシナリオは2日間納期が延長されています。
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
●
結局のところ、何が起こっているのか。
フィオ・ドランドーは流されるままに、リベルタース地域の戦闘任務についたことを遅ればせながら後悔した。明らかに練度が異なる、にも関わらず粗野な歪虚の群れ。そいつらはリーダーもなく、ただただ暴徒と化した賊軍のようだった。
異常とひと目で分かる事態を前に、それでも勝てるだけの人員は揃っていた。しかし、上官を務めていた貴族が逃げ出し、馬を暴走させて敵へ突貫した。家名だけが勇猛であっても、当の本人がこれでは困る。
もっとも、副隊長の方が指揮官としては有能だった。
前方には歪虚や悪魔のような歪虚が迫っていたが、副隊長の指示で部隊を分けて対応に当たる。
確か、こういった姿はベリアルとかいう歪虚の配下に多いのだったか。戦場を眺めてみたが、それらしい姿はない。
頭を討ち取りたい欲望はあるが、そういった舞台に上がるには私はまだ知名度がないか。
「フィオさんは、向こうじゃ傭兵部隊にいたらしいですね」
不意に副隊長が、そんなことを言ってきた。顔立ちからして、こいつも貴族……ただし下級が頭につく。
「それが、何か」
「フィオさんが副隊長なら、ああいう人を助けますか?」
顎で示した先には、逃げ出した隊長格の男がいた。恰幅だけはいいため、歪虚に囲まれていると見間違いそうになる。
お付きの兵士が必死に守っているが、本人が混乱しているため、やたらと敵に突っ込まれている。怪我をまだ負っていないのは奇跡だろう。もし、一撃でも入れば更なる混乱を呼び寄せるに違いない。
「切り捨てますよ」
「ところが、貴族の間ではそうもいかないんですよねー。あの人が死ぬと、親父さんがうちに言いがかりをつけるんでさ」
「それと、私の傭兵経験に何の関係が?」
「今は、ハンターですよね。ちょっと小銭稼ぎしません?」
とどのつまり、あの百害あって一利なしな貴族を助けてくれということだろう。報酬はこの戦闘とは別に出る……のだが。
私は一瞬で判断を迫られた。口約束は反故にされる可能性も高い。
ましてや、命がけで助けるほどの男ではないのは確かだ。逃げようとして、混乱し、誤って敵陣へ突出したばかりに攻められているのだ。遠隔からは魔法と矢、それを避けても刃が目の前を通っていく。もがこうとして叫びあえげば、より敵を惹きつける燃料となる。誰も我先に助けようとしないのは、巻き込まれたくないという意識。そして、あそこを最後に回したほうが楽に戦えるという共通認識のためだ。当然、私もそう思っている。
だが、思考を粉砕するように
「あぁ、そうそう。ご主人様とのお噂はかねがね……まぁ別途報酬に加えて、名誉の上乗せくらいはしますよ?」
戦場に似つかわしくないニタリとした笑みを、男は浮かべた。
男の言葉は、私にとって首に鎌をあてられたも同然だった。迷いは消えた。
戦場に貴族のいざこざを持ち込まれるのは、癪に障る。
が、ここはそういう場なのだ。
腐っても、貴族に仕える身ならば……やるべきことは一つ。
「では……副隊長の命令ということで」
大きく息を吐いて、私は馬を駆る。
「今より、フィオ・ドランドー! 勇猛にも単騎突撃を決めた、隊長殿に続く! 志を同じくせんものよ、私に続け!」
この馬鹿な動きに何人着いてきてくれるか。
追加の報酬なんてものは、他の奴らにくれてやる。
私は、あの人を守るために戦うのだから。
結局のところ、何が起こっているのか。
フィオ・ドランドーは流されるままに、リベルタース地域の戦闘任務についたことを遅ればせながら後悔した。明らかに練度が異なる、にも関わらず粗野な歪虚の群れ。そいつらはリーダーもなく、ただただ暴徒と化した賊軍のようだった。
異常とひと目で分かる事態を前に、それでも勝てるだけの人員は揃っていた。しかし、上官を務めていた貴族が逃げ出し、馬を暴走させて敵へ突貫した。家名だけが勇猛であっても、当の本人がこれでは困る。
もっとも、副隊長の方が指揮官としては有能だった。
前方には歪虚や悪魔のような歪虚が迫っていたが、副隊長の指示で部隊を分けて対応に当たる。
確か、こういった姿はベリアルとかいう歪虚の配下に多いのだったか。戦場を眺めてみたが、それらしい姿はない。
頭を討ち取りたい欲望はあるが、そういった舞台に上がるには私はまだ知名度がないか。
「フィオさんは、向こうじゃ傭兵部隊にいたらしいですね」
不意に副隊長が、そんなことを言ってきた。顔立ちからして、こいつも貴族……ただし下級が頭につく。
「それが、何か」
「フィオさんが副隊長なら、ああいう人を助けますか?」
顎で示した先には、逃げ出した隊長格の男がいた。恰幅だけはいいため、歪虚に囲まれていると見間違いそうになる。
お付きの兵士が必死に守っているが、本人が混乱しているため、やたらと敵に突っ込まれている。怪我をまだ負っていないのは奇跡だろう。もし、一撃でも入れば更なる混乱を呼び寄せるに違いない。
「切り捨てますよ」
「ところが、貴族の間ではそうもいかないんですよねー。あの人が死ぬと、親父さんがうちに言いがかりをつけるんでさ」
「それと、私の傭兵経験に何の関係が?」
「今は、ハンターですよね。ちょっと小銭稼ぎしません?」
とどのつまり、あの百害あって一利なしな貴族を助けてくれということだろう。報酬はこの戦闘とは別に出る……のだが。
私は一瞬で判断を迫られた。口約束は反故にされる可能性も高い。
ましてや、命がけで助けるほどの男ではないのは確かだ。逃げようとして、混乱し、誤って敵陣へ突出したばかりに攻められているのだ。遠隔からは魔法と矢、それを避けても刃が目の前を通っていく。もがこうとして叫びあえげば、より敵を惹きつける燃料となる。誰も我先に助けようとしないのは、巻き込まれたくないという意識。そして、あそこを最後に回したほうが楽に戦えるという共通認識のためだ。当然、私もそう思っている。
だが、思考を粉砕するように
「あぁ、そうそう。ご主人様とのお噂はかねがね……まぁ別途報酬に加えて、名誉の上乗せくらいはしますよ?」
戦場に似つかわしくないニタリとした笑みを、男は浮かべた。
男の言葉は、私にとって首に鎌をあてられたも同然だった。迷いは消えた。
戦場に貴族のいざこざを持ち込まれるのは、癪に障る。
が、ここはそういう場なのだ。
腐っても、貴族に仕える身ならば……やるべきことは一つ。
「では……副隊長の命令ということで」
大きく息を吐いて、私は馬を駆る。
「今より、フィオ・ドランドー! 勇猛にも単騎突撃を決めた、隊長殿に続く! 志を同じくせんものよ、私に続け!」
この馬鹿な動きに何人着いてきてくれるか。
追加の報酬なんてものは、他の奴らにくれてやる。
私は、あの人を守るために戦うのだから。
リプレイ本文
●
戦場の喧騒に巻かれながら、ミカ・コバライネン(ka0340)たちはフィオ・ドランドーにつづいて隊長の元を目指す。ミカは周囲の慌ただしい戦いぶりを眺めながら、唸るように告げた。
「貧乏暇なしってね」
「まあ、良いではありませんか……これで仕事になるのなら、安いものでしょう」
ミカの魔導バイクの隣を、マッシュ・アクラシス(ka0771)がゴースロンで並走していた。同僚の愚痴に苦笑を浮かべつつ、露払いに赤い刃を振るう。
角を打ち砕かれた悪魔型歪虚が、続いて駆け抜けるボルディア・コンフラムス(ka0796)にとどめを刺される。
「あ〜ぁ、心配だなこりゃ」
「あの金の成る木が?」
ボルディアと並ぶエヴァンス・カルヴィ(ka0639)が、冗談めかして聞く。ボルディアは、「あぁ、心配だ」と口角をにっと上げると、
「間違ってあの豚に攻撃しちまいそうだ。どっかの豚大公に似てるからよ」
「報酬を弾んでもらわなきゃならないからな。気をつけてくれよ」
「わかってるさ」
そう笑いながら、近寄ろうとする歪虚を切り伏せ、降り注ぐ矢を打ち払う。エヴァンスの馬に同乗する小宮・千秋(ka6272)は、二人の会話にひっそりとツッコミを入れる。
「ご主人様も、ボルディアさんも冗談がきついですよぉ」
とはいいつつも、千秋も気持ちはわかる。隊長にも関わらず逃げようとした貴族、そして、貴族故に助けなければならない政治的な背景。同じくメイドである千秋には、フィオの複雑な気持ちも理解できた。
もちろん、ミカやマッシュたちのように傭兵稼業として稼ぎ目でもある。
「やれやれ、貴族は厄介毎から逃れられないものみたいだね」
樹導 鈴蘭(ka2851)はその中間か。ここで見捨てて、夢に出られても困りものだ。
前衛がたどり着く道を作るため、ファイアースロワーを放つ。ひしめき合っていた歪虚が炎に巻かれ、道を開く。
「無能で豚、とくれば燃やして食ってしまいたいが……」
燃え盛る炎を見て、ソティス=アストライア(ka6538)は物騒なことをいう。だが、生憎ソティスに食人の気はない。
とりあえず、助けるかと馬を駆る。
少し遅れて、アデリシア=R=エルミナゥ(ka0746)が拓けた場所を通っていく。はたから見れば、今回の一見、隊長による単騎突撃に見えなくもない。
「無謀な単騎突撃、か。真偽はさておき、斯様なものにこそ祝福を与えるのが戦神の使徒たる勤め。私も続かねばなるまいか」
槍を振るって、道を塞ごうとする輩を打ち払う。前を向けば、隊長の混乱が頂点に達しているのがわかる。このままでは、何をしでかすかわからない。
「アデリシアさん、よろしく頼むな」
「わかっています」
ミカと共に隊長のもとにたどり着く。勝負はここからだ、とばかりに目配せすれば血気盛んな猛者たちが周りを囲むのだった。
●
「どうした羊共ォ! 頭数揃えて人間一匹殺せねぇか!?」
たどり着くやいなや、声を張り上げて挑発するのはボルディアだ。まどろっこしい貴族の相手より、バッサリと敵陣へ突っ込むほうが性に合っている。
近寄ってきた相手を見定めると、大斧に炎のオーラを纏わせて手当たり次第に振り回す。傍から見れば、巨大な紅蓮の炎が意思を持ってうねっているようにも見える。
「おう、いい感じだなボルディア!」
負けじと声を出し、威勢よく敵陣へエヴァンスが刃を向ける。琥珀色に輝くオーラを浮かべ、殺意を込めて歪虚に向かう。
惹きつけると同時に、ボルディアの爆炎に敵が巻き込まれるよう位置を調節する。
「さて、俺もやるとするか」
ボルディアの攻撃から漏れた歪虚がエヴァンスへと牙をむく。刀身に赤い文字を浮かび上がらせ、敵を切り伏せる。
「流石ですねぇ。私も頑張らないといけません」
側に控えていた千秋も、的確適所に打撃を打ち込み、ときには投げ倒す。よってたかるハエの如く、倒しても倒しても切りはない。
千秋たちとは逆側では、マッシュが馬上から一閃に羊の歪虚を薙ぎ払う。防御陣形の穴を埋め、退路をいつでも作れるよう立ち回る。
「血気盛んですね」
前へ前へと出過ぎそうな逆側面子を気にしつつ、マッシュは攻撃の手を緩めない。
「全員が報酬目的の傭兵とは言わねぇが、今回はチームプレーが重要だ」
そんなマッシュの視線に気付いたエヴァンスが、飛来した矢を払い落としていう。
「いつも通り期待してるぜ二人とも!」
前衛が張り切りすぎと思えるほど、刃を振るう中、ソティスは援護するように炎を纏ったオオカミを呼び出す。
「狩りの時間だ、焼かれて死ね!」
ときに爪牙を繰り出し、ときに炎弾を放つオオカミによってソティスは敵を穿つ。
「広範囲攻撃で焼きたいがそうもいかん、ピンポイントにはなるが大人しく焼かれろ!」
いつ、どう、誰が巻き込まれるかわからない状況下では、一体づつ撃破するよりしかたない。旅先で巻き込まれた苛立ちを込め、ひたすらに目の前の敵を焼き払う。
「して、隊長とやらに接触はできたのであろうな?」
輪の中心、事の発端のいるであろう場所へ視線を奔らせる。ミカたちが近衛兵らしき者と接触する姿が見えた。
●
周囲の敵が減じたのを確認し、ミカは魔導バイクから地面へと降り立つ。突然の来訪者に、近衛兵が一瞬殺気立った。
「まぁ、待て。俺達はそこの隊長を助けに来た。誰が、護衛の責任者だ?」
視線が向けられた壮年の男性に、ミカも視線を向ける。その奥では、太った貴族がぶるんと顎を震わせながら忙しなく馬に足踏みさせていた。
「よし、手短に」
ミカは隊長を落ち着かせ、退路を確保するために来たことを説明する。また、不可侵の場所を作り出すことについて許しを請う。
もっとも、許可が出なくとも作戦は実行する運びだ。
「落ち着いて、ボクは味方だから」
まずは鈴蘭が隊長に接触し、対話を試みる。ぶひぶひと泣き喚く隊長を落ち着かせながら、鈴蘭は語りかける。
「期待に応えようとするのは、まぁ、難しいし、負担になるしね。他人に言える事ではない……かな」
落ち着いた、や、深く呼吸をしてと混ぜながら語りを続ける。
「……だって、『本物』になるまでは『贋作』であり続けないといけないし。溜まった焦りがこう言う時に爆発するんだろうし」
涙を浮かべながらも、隊長の呼吸は落ち着いてきた。
「完成されるまでは間違い続けないと、ね」
結び終えると、隊長に背を向ける。左目に灯った蒼炎が、狙う標的の数だけ円を描く。ヒドゥンハンドから放たれた円球が、蒼炎を纏った鳳凰となって飛んでいく。
「まぁ、だからって人に迷惑かけるのはどうかな!」
最後は語気を強めたが、隊長に響いたかわからない。少し思うところがあれば、それでいい。鈴蘭が位置取りを変え、隊長のもとにはアデリシアが現れる。
「他者の言葉を聞いて、思うところもあるでしょう。あなた自身の気持ちを聞かせてください」
告解を促し、周りの喧騒から意識を切り離す。集中できるよう、サルヴェイションも同時に発動させる。癇癪のような言葉の波が、隊長から吐き出されるのをアデリシアは淡々と聞いていた。
おおよそ自分は領に引きこもって平穏に過ごしたい、戦場なんて行きたくもなかった等の愚痴全般。吐き終えたタイミングで、アデリシアは、
「苦しかったでしょう。あとは任せてください」と告げ、目配せする。視線を受けたミカは、話を通していた近衛に伝える。
「ああ、隊長殿はこう仰ってる、『君に全て任せる』。外周の護衛はこちらで担うから、あんたたちは撃ち漏らした魔法弾や弓矢から守れるよう心がけてくれ」
頷いたのを確認すると、ミカも隊長たちに背を向ける。
「さて」
ちらりと副隊長の部隊へ目を向ければ、何やらきな臭い動きを見せていた。敵の注意をこちらに向けつつ、挟撃するつもりか。
「……人が悪い」
苦笑しながら、一層激しくなってきた攻撃に盾を一瞬巨大化させて応える。防ぎきれなかった矢は早くも隊列を立て直した、護衛たちによって弾かれた。
「正念場だ、勝敗はここに係ってる!」
「皆さんは侵入してきた相手……それと矢弾への対応をお願いします」
アデリシアがディヴァインウィルを発動し、敵の侵入を防ぐ。それ以前に、外周を護るボルディアたちの暴れっぷりを見ていれば問題はなそうではあるが……。
●
幻影を纏って巨大化したボルディアが、再び大火を咲かせる。
「さすがは豚大公の部下なだけはあるぜ! さっさと島に帰って毛づくろいでもしてやがれ!」
副隊長の策もあり、増えつつあった歪虚が再び消し飛ぶ。ボルディアが暴れる側では、エヴァンスも蒼い刃に赤い字を輝かせていく。
「さぁ張り切ってボーナスタイム稼がせてもらおうか、悪魔共!」
的確に胴を切り払い、首を消し飛ばす。図体の大きい奴は足を落として、体勢を崩していく。盛大な暴れっぷりを見せつけるように、エヴァンスは豪快な戦い方を見せる。
「おっと、御主人様。向こう側に新たな敵影がいますよぉ」
「よし、もうひと暴れ……」
逆側に目をやれば、そちらからも敵が迫ってくる。一瞬、逡巡しているとマッシュが刺突でまとめ上げていった。
「……時に……」
気がつけばまばらになってきた戦場を見やって、マッシュはいう。
「全滅させれば問題なかろうとは、どなたが言ったのですかね」
「それぐらいの勢いでやれば、副隊長様も報酬を奢ってくれるだろうぜ」
「今日の夕飯は、豪華になりそうですねぇ」
戦いの最中、少しずつ余裕が出てくる。だが、傭兵を担う者たちは油断してはいけないと知っていた。事態を悪化させるのは、いつも無能な指揮官である。
●
「隊長殿、いま結界を張ってる。完全に防ぐのは無理だが時間稼ぎにはなる。しばらく我慢していてくれ……頼むか……ら」
振り返り見た瞬間、アデリシアは悟る。落ち着いたからこそ、悪い方向へ引っ張る者もいる。
「もう、逃げ出せるでおじゃろう!」
混乱しているのか、いきなり変な語尾を着けて隊長の男が馬に鞭打った。だが、確かに気は落ち着かせたはずだから、恐らく素なのだろう。
「ぶひぃ!」
「待ちなさい! いま出たら……」
光の防御壁を生み出して、飛来した矢弾から隊長を護る。隊長は敵からの攻撃が見えていないのか、一直線に戦線離脱の道を図る。
「む、離脱するのかのう?」
サッと身を翻し、ソティスが眠気を誘う霧を生み出す。ディヴァインウィルの境界際にいた歪虚が巻き込まれ、微睡みに落ちた。
「ちまちまうざったい、眠っておけ!」
「こうなったら、仕方ない……か」
少しは乗り越えてくれることを期待していた鈴蘭だが、人の性格は一朝一夕に治るものではない。アシストするように、隊長の行く手に炎を放つ。
「……はぁ……」
そうする中、アデリシアは一際大きなため息を聞いた。視線を向ければ、護衛として側にいたフィオが銃口を隊長へ向けていた。
「何をする気ですか?」
「止めるのですよ」
言うやいなや引き金を引く。弾丸は、隊長の乗る馬の手前を穿った。短い悲鳴を挙げて、隊長の馬が止まる。
「おや、独断専行だったか」
事態を把握したソティスが呆れ顔で告げ、目の前の歪虚を消し炭にする。数の暴力に押されていた戦局は、変わりつつあった。
「関係ないか。さて、焼けるだけ焼き……狩れるだけ狩ろう」
●
アデリシアが再度隊長を叱咤し、フィオが厳重に連行する。安全圏にまで退路が確保できたところで、
「大変ですね、貴族ってのは」
そう苦笑を浮かべてミカは、踵を返す。佳境を超えた戦場では、ボルディアたちがより大暴れしていた。
「その調子で宜しく」
ミカは味方の動きに、声を上げつつ隊長を追おうとする歪虚をエレクトリカルショックで押しとどめる。惜しみなく業を振るうのは、ミカだけではない。
エヴァンスが切り払う隣では、千秋が掌底を打ち込む。千秋の拳からは、一気にマテリアルが送り込まれる。分厚い羊毛に覆われていた歪虚がのたうち回る。
「御主人様、もっと行きますよ!」
「さぁ、稼ぎどきだ。逃しはしないぜ」
その片側では、マッシュがミカと連携を取り始める。余すことなく重馬を駆け、赤い刃を閃かせる。マッシュの剣から逃れた歪虚も、ミカが生み出した光の線によって穿たれる。
「さぁ、あと僅かだ。調子はどうだ、アクラシス」
「出し惜しみはしませんよ」
まとめ上げれそうならば、刺突一閃。動きを止めることなく、仕留めていく。
その逆側では、ボルディアが血を赤々と燃やしながら大斧を振りかざす。気がつけば、敵影はなし。大斧を大地におろして、隊長を逃した方角を見る。
「あーあ、全くクソみたいな人助けだったぜ」
ため息混じりにいい、斧を担ぎ直す。
「こういう日は浴びるほど酒飲んで寝るに限るな」
「途中のあれはなんだったのだ」
「まあまあ、落ち着いて」
ソティスが釘を差そうと、隊長のもとに向かう。それを諌めるように、鈴蘭が付き添っていた。
隊長のもとには、副隊長とフィオ。それから、ミカがいた。ミカは素知らぬ顔をする副隊長の前で、隊長に直に交渉を行う。
「ハンター間の評判はまぁ、報酬上乗せが効果的で」
「あれだけの功績だ。少しばかり、色つけてもらわないとな」
エヴァンスも合わせて交渉の席に着く。狼狽する隊長に対して、副隊長がそっと耳打ちをする。
「あ、あぁ、もちろん。もちろんだ」
「えぇ、それで評判も上々だ」
笑顔を見せるミカ、そしてエヴァンスの姿をマッシュと千秋が遠巻きに眺めていた。
涼やかな風が、戦場を喧騒が消えた戦場を吹き抜ける。
風に髪をなびかせ、アデリシアは空を仰いで祈りを見せる。
「何はともあれ、うまく行きました。これも戦神のご加護ですね」
戦場の喧騒に巻かれながら、ミカ・コバライネン(ka0340)たちはフィオ・ドランドーにつづいて隊長の元を目指す。ミカは周囲の慌ただしい戦いぶりを眺めながら、唸るように告げた。
「貧乏暇なしってね」
「まあ、良いではありませんか……これで仕事になるのなら、安いものでしょう」
ミカの魔導バイクの隣を、マッシュ・アクラシス(ka0771)がゴースロンで並走していた。同僚の愚痴に苦笑を浮かべつつ、露払いに赤い刃を振るう。
角を打ち砕かれた悪魔型歪虚が、続いて駆け抜けるボルディア・コンフラムス(ka0796)にとどめを刺される。
「あ〜ぁ、心配だなこりゃ」
「あの金の成る木が?」
ボルディアと並ぶエヴァンス・カルヴィ(ka0639)が、冗談めかして聞く。ボルディアは、「あぁ、心配だ」と口角をにっと上げると、
「間違ってあの豚に攻撃しちまいそうだ。どっかの豚大公に似てるからよ」
「報酬を弾んでもらわなきゃならないからな。気をつけてくれよ」
「わかってるさ」
そう笑いながら、近寄ろうとする歪虚を切り伏せ、降り注ぐ矢を打ち払う。エヴァンスの馬に同乗する小宮・千秋(ka6272)は、二人の会話にひっそりとツッコミを入れる。
「ご主人様も、ボルディアさんも冗談がきついですよぉ」
とはいいつつも、千秋も気持ちはわかる。隊長にも関わらず逃げようとした貴族、そして、貴族故に助けなければならない政治的な背景。同じくメイドである千秋には、フィオの複雑な気持ちも理解できた。
もちろん、ミカやマッシュたちのように傭兵稼業として稼ぎ目でもある。
「やれやれ、貴族は厄介毎から逃れられないものみたいだね」
樹導 鈴蘭(ka2851)はその中間か。ここで見捨てて、夢に出られても困りものだ。
前衛がたどり着く道を作るため、ファイアースロワーを放つ。ひしめき合っていた歪虚が炎に巻かれ、道を開く。
「無能で豚、とくれば燃やして食ってしまいたいが……」
燃え盛る炎を見て、ソティス=アストライア(ka6538)は物騒なことをいう。だが、生憎ソティスに食人の気はない。
とりあえず、助けるかと馬を駆る。
少し遅れて、アデリシア=R=エルミナゥ(ka0746)が拓けた場所を通っていく。はたから見れば、今回の一見、隊長による単騎突撃に見えなくもない。
「無謀な単騎突撃、か。真偽はさておき、斯様なものにこそ祝福を与えるのが戦神の使徒たる勤め。私も続かねばなるまいか」
槍を振るって、道を塞ごうとする輩を打ち払う。前を向けば、隊長の混乱が頂点に達しているのがわかる。このままでは、何をしでかすかわからない。
「アデリシアさん、よろしく頼むな」
「わかっています」
ミカと共に隊長のもとにたどり着く。勝負はここからだ、とばかりに目配せすれば血気盛んな猛者たちが周りを囲むのだった。
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「どうした羊共ォ! 頭数揃えて人間一匹殺せねぇか!?」
たどり着くやいなや、声を張り上げて挑発するのはボルディアだ。まどろっこしい貴族の相手より、バッサリと敵陣へ突っ込むほうが性に合っている。
近寄ってきた相手を見定めると、大斧に炎のオーラを纏わせて手当たり次第に振り回す。傍から見れば、巨大な紅蓮の炎が意思を持ってうねっているようにも見える。
「おう、いい感じだなボルディア!」
負けじと声を出し、威勢よく敵陣へエヴァンスが刃を向ける。琥珀色に輝くオーラを浮かべ、殺意を込めて歪虚に向かう。
惹きつけると同時に、ボルディアの爆炎に敵が巻き込まれるよう位置を調節する。
「さて、俺もやるとするか」
ボルディアの攻撃から漏れた歪虚がエヴァンスへと牙をむく。刀身に赤い文字を浮かび上がらせ、敵を切り伏せる。
「流石ですねぇ。私も頑張らないといけません」
側に控えていた千秋も、的確適所に打撃を打ち込み、ときには投げ倒す。よってたかるハエの如く、倒しても倒しても切りはない。
千秋たちとは逆側では、マッシュが馬上から一閃に羊の歪虚を薙ぎ払う。防御陣形の穴を埋め、退路をいつでも作れるよう立ち回る。
「血気盛んですね」
前へ前へと出過ぎそうな逆側面子を気にしつつ、マッシュは攻撃の手を緩めない。
「全員が報酬目的の傭兵とは言わねぇが、今回はチームプレーが重要だ」
そんなマッシュの視線に気付いたエヴァンスが、飛来した矢を払い落としていう。
「いつも通り期待してるぜ二人とも!」
前衛が張り切りすぎと思えるほど、刃を振るう中、ソティスは援護するように炎を纏ったオオカミを呼び出す。
「狩りの時間だ、焼かれて死ね!」
ときに爪牙を繰り出し、ときに炎弾を放つオオカミによってソティスは敵を穿つ。
「広範囲攻撃で焼きたいがそうもいかん、ピンポイントにはなるが大人しく焼かれろ!」
いつ、どう、誰が巻き込まれるかわからない状況下では、一体づつ撃破するよりしかたない。旅先で巻き込まれた苛立ちを込め、ひたすらに目の前の敵を焼き払う。
「して、隊長とやらに接触はできたのであろうな?」
輪の中心、事の発端のいるであろう場所へ視線を奔らせる。ミカたちが近衛兵らしき者と接触する姿が見えた。
●
周囲の敵が減じたのを確認し、ミカは魔導バイクから地面へと降り立つ。突然の来訪者に、近衛兵が一瞬殺気立った。
「まぁ、待て。俺達はそこの隊長を助けに来た。誰が、護衛の責任者だ?」
視線が向けられた壮年の男性に、ミカも視線を向ける。その奥では、太った貴族がぶるんと顎を震わせながら忙しなく馬に足踏みさせていた。
「よし、手短に」
ミカは隊長を落ち着かせ、退路を確保するために来たことを説明する。また、不可侵の場所を作り出すことについて許しを請う。
もっとも、許可が出なくとも作戦は実行する運びだ。
「落ち着いて、ボクは味方だから」
まずは鈴蘭が隊長に接触し、対話を試みる。ぶひぶひと泣き喚く隊長を落ち着かせながら、鈴蘭は語りかける。
「期待に応えようとするのは、まぁ、難しいし、負担になるしね。他人に言える事ではない……かな」
落ち着いた、や、深く呼吸をしてと混ぜながら語りを続ける。
「……だって、『本物』になるまでは『贋作』であり続けないといけないし。溜まった焦りがこう言う時に爆発するんだろうし」
涙を浮かべながらも、隊長の呼吸は落ち着いてきた。
「完成されるまでは間違い続けないと、ね」
結び終えると、隊長に背を向ける。左目に灯った蒼炎が、狙う標的の数だけ円を描く。ヒドゥンハンドから放たれた円球が、蒼炎を纏った鳳凰となって飛んでいく。
「まぁ、だからって人に迷惑かけるのはどうかな!」
最後は語気を強めたが、隊長に響いたかわからない。少し思うところがあれば、それでいい。鈴蘭が位置取りを変え、隊長のもとにはアデリシアが現れる。
「他者の言葉を聞いて、思うところもあるでしょう。あなた自身の気持ちを聞かせてください」
告解を促し、周りの喧騒から意識を切り離す。集中できるよう、サルヴェイションも同時に発動させる。癇癪のような言葉の波が、隊長から吐き出されるのをアデリシアは淡々と聞いていた。
おおよそ自分は領に引きこもって平穏に過ごしたい、戦場なんて行きたくもなかった等の愚痴全般。吐き終えたタイミングで、アデリシアは、
「苦しかったでしょう。あとは任せてください」と告げ、目配せする。視線を受けたミカは、話を通していた近衛に伝える。
「ああ、隊長殿はこう仰ってる、『君に全て任せる』。外周の護衛はこちらで担うから、あんたたちは撃ち漏らした魔法弾や弓矢から守れるよう心がけてくれ」
頷いたのを確認すると、ミカも隊長たちに背を向ける。
「さて」
ちらりと副隊長の部隊へ目を向ければ、何やらきな臭い動きを見せていた。敵の注意をこちらに向けつつ、挟撃するつもりか。
「……人が悪い」
苦笑しながら、一層激しくなってきた攻撃に盾を一瞬巨大化させて応える。防ぎきれなかった矢は早くも隊列を立て直した、護衛たちによって弾かれた。
「正念場だ、勝敗はここに係ってる!」
「皆さんは侵入してきた相手……それと矢弾への対応をお願いします」
アデリシアがディヴァインウィルを発動し、敵の侵入を防ぐ。それ以前に、外周を護るボルディアたちの暴れっぷりを見ていれば問題はなそうではあるが……。
●
幻影を纏って巨大化したボルディアが、再び大火を咲かせる。
「さすがは豚大公の部下なだけはあるぜ! さっさと島に帰って毛づくろいでもしてやがれ!」
副隊長の策もあり、増えつつあった歪虚が再び消し飛ぶ。ボルディアが暴れる側では、エヴァンスも蒼い刃に赤い字を輝かせていく。
「さぁ張り切ってボーナスタイム稼がせてもらおうか、悪魔共!」
的確に胴を切り払い、首を消し飛ばす。図体の大きい奴は足を落として、体勢を崩していく。盛大な暴れっぷりを見せつけるように、エヴァンスは豪快な戦い方を見せる。
「おっと、御主人様。向こう側に新たな敵影がいますよぉ」
「よし、もうひと暴れ……」
逆側に目をやれば、そちらからも敵が迫ってくる。一瞬、逡巡しているとマッシュが刺突でまとめ上げていった。
「……時に……」
気がつけばまばらになってきた戦場を見やって、マッシュはいう。
「全滅させれば問題なかろうとは、どなたが言ったのですかね」
「それぐらいの勢いでやれば、副隊長様も報酬を奢ってくれるだろうぜ」
「今日の夕飯は、豪華になりそうですねぇ」
戦いの最中、少しずつ余裕が出てくる。だが、傭兵を担う者たちは油断してはいけないと知っていた。事態を悪化させるのは、いつも無能な指揮官である。
●
「隊長殿、いま結界を張ってる。完全に防ぐのは無理だが時間稼ぎにはなる。しばらく我慢していてくれ……頼むか……ら」
振り返り見た瞬間、アデリシアは悟る。落ち着いたからこそ、悪い方向へ引っ張る者もいる。
「もう、逃げ出せるでおじゃろう!」
混乱しているのか、いきなり変な語尾を着けて隊長の男が馬に鞭打った。だが、確かに気は落ち着かせたはずだから、恐らく素なのだろう。
「ぶひぃ!」
「待ちなさい! いま出たら……」
光の防御壁を生み出して、飛来した矢弾から隊長を護る。隊長は敵からの攻撃が見えていないのか、一直線に戦線離脱の道を図る。
「む、離脱するのかのう?」
サッと身を翻し、ソティスが眠気を誘う霧を生み出す。ディヴァインウィルの境界際にいた歪虚が巻き込まれ、微睡みに落ちた。
「ちまちまうざったい、眠っておけ!」
「こうなったら、仕方ない……か」
少しは乗り越えてくれることを期待していた鈴蘭だが、人の性格は一朝一夕に治るものではない。アシストするように、隊長の行く手に炎を放つ。
「……はぁ……」
そうする中、アデリシアは一際大きなため息を聞いた。視線を向ければ、護衛として側にいたフィオが銃口を隊長へ向けていた。
「何をする気ですか?」
「止めるのですよ」
言うやいなや引き金を引く。弾丸は、隊長の乗る馬の手前を穿った。短い悲鳴を挙げて、隊長の馬が止まる。
「おや、独断専行だったか」
事態を把握したソティスが呆れ顔で告げ、目の前の歪虚を消し炭にする。数の暴力に押されていた戦局は、変わりつつあった。
「関係ないか。さて、焼けるだけ焼き……狩れるだけ狩ろう」
●
アデリシアが再度隊長を叱咤し、フィオが厳重に連行する。安全圏にまで退路が確保できたところで、
「大変ですね、貴族ってのは」
そう苦笑を浮かべてミカは、踵を返す。佳境を超えた戦場では、ボルディアたちがより大暴れしていた。
「その調子で宜しく」
ミカは味方の動きに、声を上げつつ隊長を追おうとする歪虚をエレクトリカルショックで押しとどめる。惜しみなく業を振るうのは、ミカだけではない。
エヴァンスが切り払う隣では、千秋が掌底を打ち込む。千秋の拳からは、一気にマテリアルが送り込まれる。分厚い羊毛に覆われていた歪虚がのたうち回る。
「御主人様、もっと行きますよ!」
「さぁ、稼ぎどきだ。逃しはしないぜ」
その片側では、マッシュがミカと連携を取り始める。余すことなく重馬を駆け、赤い刃を閃かせる。マッシュの剣から逃れた歪虚も、ミカが生み出した光の線によって穿たれる。
「さぁ、あと僅かだ。調子はどうだ、アクラシス」
「出し惜しみはしませんよ」
まとめ上げれそうならば、刺突一閃。動きを止めることなく、仕留めていく。
その逆側では、ボルディアが血を赤々と燃やしながら大斧を振りかざす。気がつけば、敵影はなし。大斧を大地におろして、隊長を逃した方角を見る。
「あーあ、全くクソみたいな人助けだったぜ」
ため息混じりにいい、斧を担ぎ直す。
「こういう日は浴びるほど酒飲んで寝るに限るな」
「途中のあれはなんだったのだ」
「まあまあ、落ち着いて」
ソティスが釘を差そうと、隊長のもとに向かう。それを諌めるように、鈴蘭が付き添っていた。
隊長のもとには、副隊長とフィオ。それから、ミカがいた。ミカは素知らぬ顔をする副隊長の前で、隊長に直に交渉を行う。
「ハンター間の評判はまぁ、報酬上乗せが効果的で」
「あれだけの功績だ。少しばかり、色つけてもらわないとな」
エヴァンスも合わせて交渉の席に着く。狼狽する隊長に対して、副隊長がそっと耳打ちをする。
「あ、あぁ、もちろん。もちろんだ」
「えぇ、それで評判も上々だ」
笑顔を見せるミカ、そしてエヴァンスの姿をマッシュと千秋が遠巻きに眺めていた。
涼やかな風が、戦場を喧騒が消えた戦場を吹き抜ける。
風に髪をなびかせ、アデリシアは空を仰いで祈りを見せる。
「何はともあれ、うまく行きました。これも戦神のご加護ですね」
依頼結果
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(豚)貴族を救出せよ ボルディア・コンフラムス(ka0796) 人間(クリムゾンウェスト)|23才|女性|霊闘士(ベルセルク) |
最終発言 2017/02/01 10:28:49 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/01/31 03:38:02 |
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質問卓 アデリシア・R・時音(ka0746) 人間(クリムゾンウェスト)|26才|女性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2017/01/29 22:04:26 |