ゲスト
(ka0000)
知追う者、チョコレートを作ろうとする
マスター:狐野径
みんなの思い出? もっと見る
オープニング
●義理チョコを考える
エトファリカ連邦国、天ノ都の片隅の、大江の屋敷の中、宗主たる大江 紅葉(kz0163)の部屋において、主たる紅葉はパンフレットを眺めてうめいていてた。
膝にはペットのウサギがおり、紅葉の服を掘っている。
「駄目ですよ、布が切れてしまいます」
なでなでしつつたしなめる。
「きゅ?」
パルムはパルムで何かを問いかける。パンフレットの絵を見て。
「義理チョコです」
「きゅ?」
「そもそも、近年は義理チョコではなく寄付をすることに変えるというのが流行っていると……リアルブルー情報の中にありました」
それがいつの時代の内容なのか照会はできないが、情報としてあるだけ。
「陰陽寮の人にも配るべきでしょうか? とりあえず、師匠に渡します。これはいいのです、持ちつ持たれつですから」
師匠は紅葉が陰陽寮に入ったときから面倒見てくれる先輩であり、符術のことを教えてくれる師匠であり、兄や父親みたいな存在だ。
「お中元とお歳暮だけでは足りない、このあふれんばかりの感謝の念を……嘘くさい言葉を並べてみますが……まあ、喜んでくれるらしいのでかまいませんかね……家の人には配りましょう」
去年はなんだかんだで忙しくて、バレンタインというのにかかわらなかった。
今年はなぜか暇である。
年初めから、せっせとチョコレートの材料を買い付けに行った。簡単に加工できるというクーベルチュールチョコレートと、ケーキやタルトと言うのもいいなということで小麦粉を購入した。
「生クリームやバターは、乳牛にお願いして当日用意です」
牧場の人に頼んでもらってくる手はずは調っている。冷蔵庫がないのだから仕方がない。
「砂糖は……問題なし。あと何がいるのでしょうか? そもそも、私にチョコレートは作れるのでしょうか!? 作り方の本さえあれば!」
紅葉は何を思ったから、ハンターズソサエティの支部に駆け込む。顔見知りの職員に告げたのは「チョコレートまたはチョコレート菓子に詳しいハンターさん募集してください」だった。
●お土産おいしい
大江家の雇われ人であり、勉強などを教わる状況の鬼の子テユカはお財布の中身を見て溜息を洩らした。
去年はカカオを取りに行った。
それはそれでよいのだが、今年は少し違った。
人にあげたいと願ったのだった。
「バレンタインというのは、感謝を伝える日だと聞いたし」
脳裏に浮かぶのは、去年の夏にグラズヘイム王国からホームステイにやってきたリシャール・べリンガーの手元だった。
「……おいしかったなぁ」
グラズヘイムのお菓子というのは普段食べることもなかったし、もっと違うのも食べてみたかった。お礼をすればまたもらえるかもというちょっとした下心もなくはないが、仲良くして問題はないはずだ。
年齢は近いし、弟妹もいるという。勉強をもっときちんとして、紅葉や家令に行っていいと言われたらあってみたい気もした。
今はお金を貯めるときでもある。そのあたりの指導は大江家徹底していた。
「うー、何か買って送るにしても……」
家で気づいた。
客間の一室が「立ち入り禁止」になっていた。こっそりのぞくと、大きな袋がいくつも置いてある。
「家令さん、これなに……ですか?」
テユカは通りすがりの家令に尋ねる。
「……どうやら、宗主がバレンタインで我々や上司の方に配るつもりらしいのです……お気持ちだけでわたくしは嬉しいのですけれどね」
「……! えええ!」
紅葉、秘密裏に行っているつもりがバレバレであった。
「……黙っていてさし……テユカ……どこに行くんです?」
テユカは紅葉を探す。
「紅葉さま! あたしもチョコレートづくりしたい! あげたい人がいるの!」
この瞬間、紅葉と家令は硬直したが、紅葉は何か嬉しそうな顔になった。
エトファリカ連邦国、天ノ都の片隅の、大江の屋敷の中、宗主たる大江 紅葉(kz0163)の部屋において、主たる紅葉はパンフレットを眺めてうめいていてた。
膝にはペットのウサギがおり、紅葉の服を掘っている。
「駄目ですよ、布が切れてしまいます」
なでなでしつつたしなめる。
「きゅ?」
パルムはパルムで何かを問いかける。パンフレットの絵を見て。
「義理チョコです」
「きゅ?」
「そもそも、近年は義理チョコではなく寄付をすることに変えるというのが流行っていると……リアルブルー情報の中にありました」
それがいつの時代の内容なのか照会はできないが、情報としてあるだけ。
「陰陽寮の人にも配るべきでしょうか? とりあえず、師匠に渡します。これはいいのです、持ちつ持たれつですから」
師匠は紅葉が陰陽寮に入ったときから面倒見てくれる先輩であり、符術のことを教えてくれる師匠であり、兄や父親みたいな存在だ。
「お中元とお歳暮だけでは足りない、このあふれんばかりの感謝の念を……嘘くさい言葉を並べてみますが……まあ、喜んでくれるらしいのでかまいませんかね……家の人には配りましょう」
去年はなんだかんだで忙しくて、バレンタインというのにかかわらなかった。
今年はなぜか暇である。
年初めから、せっせとチョコレートの材料を買い付けに行った。簡単に加工できるというクーベルチュールチョコレートと、ケーキやタルトと言うのもいいなということで小麦粉を購入した。
「生クリームやバターは、乳牛にお願いして当日用意です」
牧場の人に頼んでもらってくる手はずは調っている。冷蔵庫がないのだから仕方がない。
「砂糖は……問題なし。あと何がいるのでしょうか? そもそも、私にチョコレートは作れるのでしょうか!? 作り方の本さえあれば!」
紅葉は何を思ったから、ハンターズソサエティの支部に駆け込む。顔見知りの職員に告げたのは「チョコレートまたはチョコレート菓子に詳しいハンターさん募集してください」だった。
●お土産おいしい
大江家の雇われ人であり、勉強などを教わる状況の鬼の子テユカはお財布の中身を見て溜息を洩らした。
去年はカカオを取りに行った。
それはそれでよいのだが、今年は少し違った。
人にあげたいと願ったのだった。
「バレンタインというのは、感謝を伝える日だと聞いたし」
脳裏に浮かぶのは、去年の夏にグラズヘイム王国からホームステイにやってきたリシャール・べリンガーの手元だった。
「……おいしかったなぁ」
グラズヘイムのお菓子というのは普段食べることもなかったし、もっと違うのも食べてみたかった。お礼をすればまたもらえるかもというちょっとした下心もなくはないが、仲良くして問題はないはずだ。
年齢は近いし、弟妹もいるという。勉強をもっときちんとして、紅葉や家令に行っていいと言われたらあってみたい気もした。
今はお金を貯めるときでもある。そのあたりの指導は大江家徹底していた。
「うー、何か買って送るにしても……」
家で気づいた。
客間の一室が「立ち入り禁止」になっていた。こっそりのぞくと、大きな袋がいくつも置いてある。
「家令さん、これなに……ですか?」
テユカは通りすがりの家令に尋ねる。
「……どうやら、宗主がバレンタインで我々や上司の方に配るつもりらしいのです……お気持ちだけでわたくしは嬉しいのですけれどね」
「……! えええ!」
紅葉、秘密裏に行っているつもりがバレバレであった。
「……黙っていてさし……テユカ……どこに行くんです?」
テユカは紅葉を探す。
「紅葉さま! あたしもチョコレートづくりしたい! あげたい人がいるの!」
この瞬間、紅葉と家令は硬直したが、紅葉は何か嬉しそうな顔になった。
リプレイ本文
●まずは準備
初めて料理をするアーレホリス(ka6318)はチョコレートの作り方について事前調査をした。
「葛音に誘われたはいいけど……ちょこ、作り?」
葛音 水月(ka1895)は料理もでき、カフェをオープンしてしまうほどだ。
「包丁は……?」
不安と楽しみでいっぱいで当日を迎える。
一方の水月は恋人でお嫁さんであるアーレホリスと一緒に料理ができるとあって楽しみで仕方がなかった。
「アリスと料理するのは初めてだな。あと、他の人たちとも楽しくできれば」
そして、現地に向かうのだった。
「今回、よろしくお願いしますわ♪」
ステラ・フォーク(ka0808)は初めて出会うこともあり、特にテユカの緊張をほぐすように微笑む。
「よろしくお願いしまっす」
ゴチンと頭を台にぶつけつつテユカは挨拶をした。
「チョコレートに詳しいというほどではないの、ですが……作るのは好きなの。あたしで良ければお手伝いしたいと、思うの……ですよ」
桜憐りるか(ka3748)は楽しみであったのが伝わるよう言葉を選びつつ慎重に話す。
「どんなものを作りたいかだな」
雪継・白亜(ka5403)は用意してあったチョコレート用の型、イチゴのジャム、ブランデーに包紙などを土間にある台に載せる。彼女はエプロンに頭には三角巾と料理始める体勢も整えている。
ここに来る前に指定の農場で牛乳だけではなく、バターや生クリームに加工されたものを咲月 春夜(ka6377)は受け取ってきた。前もってハンターが話した結果でもあり、紅葉が了承したことでもある。
「久しいな……健勝か? こちらは初めましてだ……。話に聞くところによると二人とも誰かにあげたいとか?」
春夜が問う。
「職場の上司と家臣ですねぇ」
紅葉はちらちらとテユカを見る。もじもじしているテユカに紅葉はワクワクそわそわしている。
「……リシャールとか?」
春夜の推測にテユカが顔を真っ赤にし、紅葉がぱあと明るい顔になる。
「なんでわかるの!」
「……知り合いというカテゴリーから……」
「だ、だって、お礼もしたいと思っても、もっとグラズヘイムのお菓子食べたいなと思っても!」
「……ん?」
「あれ?」
春夜と紅葉は表情を変えた。
「恋?」
紅葉の疑問に周りで聞いていたハンター全員が首を横に振った。
●気を取り直して
テユカのそばにステラと白亜がつく。
「どんなチョコのお菓子を作りたいのかしら? クッキーやビスケット、マフィンなどいろいろありますわ」
「おいしいのなら何でもいいよ、です! あ、でもあげるのは……どうしよう」
ステラの問いにすべてが選択肢として残る。紙にクッキーやチョコボールなどの絵を描いて説明することにした。
「ど、どれもおいしそう」
「二種類作って詰めるというのもできますよ?」
「ふたつ」
ステラはうなずく。
「例えば、箱に詰めて包めば良きプレゼントになろう」
白亜は箱や包装紙を見せつつアドバイスする。
テユカは悩みに悩む。
「チョコレートらしさだとチョコボールかしら?」
「確かに。クッキーやマフィンにチョコを入れても限度があるからな。ただし、クッキーだとこういった型で可愛らしくもできるぞ?」
「そうよね」
ステラと白亜はテユカを見る。
「……じゃあ! チョコボールとクッキーにする」
方針が決まった。
全員で作る予定のケーキ用の飾りやついでに自分用も制作開始だ。窯についてはケーキの本体を作るメンバーに任せて問題ないだろう。すべては分担だ。
りるかと春夜が紅葉に何を作るか説明をする。紅葉は何を作っていいか分からないため依頼を出しているため、おとなしく説明を聞き、必要な質問を返してくる。
「それほど手間がかからないものに挑戦しようと……思うのです」
「それと、材料もたっぷりあるから、ここでみんなで作って食べられるものを作るんだ」
紅葉はコクンとうなずく。
「生チョコと常温で保存可能なブラウニー、です」
コクンと紅葉はうなずく。生チョコとブラウニーが何かは理解しているようだった。
それよりも二人の視線は紅葉のそばにある竹筒に注がれた。いかにも七味唐辛子が入っている形だ。
「……それは?」
「七味唐辛子です。大人の味になると聞きました」
「何をどう作るか、まずは基本が大事だ。それでも行けそうなら……少量から試せ」
「もちろんですよ」
春夜は釘を刺し、紅葉は神妙にうなずいている。
「……桜憐さん、目を離せないですよ」
「はい、わかりました。でも、基本は大事にしてくれると思い、ます」
話をしていれば言霊を生かす雰囲気は伝わる。
「そう感じられるなら良かった。あと、俺のペットたちも」
春夜のペットたちは何かしたがっているスターリングシルバーのフェレット雨月と、一応状況を理解して雨月を制しようとする桜型妖精アリスがそわそわしている。
「……それと大江さんのペットたちも先ほどから見え隠れして、います」
春夜が振り返ると台所の前を「立ち止まっていたわけではありませんよ」というふうに柴犬が立ち去った。
いろいろ狙われている。
「牛乳くらいなら」
「チョコレートは毒、です」
仲間に周知して守らねばならないだろうかと、冷や汗が流れた。
水月は大切な人に料理を教えつつ、この場にいる全員で作るケーキのスポンジ作りを行う。小麦粉やバターなど材料を前に、手順を考える。
動物の面やしっかり着ている服で直接見えないが、アーレホリスの気持ちが水月は感じ取れた。
(実は料理できます、っていうわけではないですね。緊張しているようですね)
「まずは卵を割りましょう?」
「う、うむ」
「こうやって黄味と白味を分けます」
ぐちゃり。
アーレホリスの手元のボウルに殻と白味と黄味が混ざった卵が混ざった。
(うっ、せめて卵の殻は……)
アーレホリスは恥ずかしいし、困惑も生じてくる。仮面や衣類の中では心臓はバクバク、頬は真っ赤。見えていないけれど。
「うん、これはこれで卵焼きでも作りましょう。甘いものばかりだとしょっぱいものもほしくなりますし」
「卵焼き?」
「そうです。卵焼きのしょっぱいものです」
優しく水月は恋人にいう。
「卵割の練習はさておき、こちらも重要です。ボウルを体温で温めつつ、バターをまぜてくれますか?」
水月が示したようにアーレホリスはやってみる。少しずつほぐれてなめらかになっていく。
「……このくらい?」
「ご苦労様。きれいにできています」
ほっと息を吐いたアーレホリスから肩の力が抜ける。
「次は粉を篩にかけましょう」
不器用だと思っているアーレホリスでも無理をしない、手順さえ飛ばさなければ問題はないようだった。
●チーン
小麦粉は飛ぶ。
あちこちで飛ぶ。
テユカとアーレホリスはちょっと白めになっている。周りで補佐する人も白い。
時間はあるのだから、ゆっくりと進む。
紅葉に対しては、説明をすることをりるかは徹底した。おかげで歩みは遅くても理解して行うため余計なことはしてこない。
それでも紅葉が包丁を握る手はぎこちない。チョコレート菓子のおかげでそれはチョコを刻むとき以外必要はなかったのは幸い。もとより、材料のチョコレート自体が非常に細かくすることを考えなければ手で砕ける。
木べらで混ぜるときビチッと何か飛んで被害は出るが、大したことはない。
「冷蔵庫がないから、冷やすときは井戸水を使い、ます」
「はいっ! あ、一つくらい入れてみていいですか?」
七味唐辛子は登場した。
「実験です、ね」
「これでおいしければ、まだ作れます」
りるかは材料の分量を見てうなずいた。夏になる前に使いきらないともったいないことになるだろう。
同じ台で、春夜は作業をする。紅葉の様子を注意しつつ、井戸水を汲んでいたほうが良ければ前もって桶にうつして置くなど細かなことが多い。
ペットたち――自分と大江家――用の糖分など危険物を除いたクッキーを作る。
家族同然のペット雨月にも楽しんでもらいたい。雨月は匂いを嗅ぎに台に乗りたがる。桜型妖精アリスが阻止をしている。
台に雨月の前足がかかり、阻止に飛んだアリスの羽が何かに当たる。
「あっ!?」
春夜、若干間に合わず。手をすり抜ける小麦粉入りボウル。
「水で洗ったらまずいな」
雨月は春夜につかまれて、外で小麦粉を落とされることとなった。
可愛らしい型で抜いた生地を並べ、テユカの顔は晴れ晴れしている。
「よくできました」
「ふむ、チョコを入れた生地で目にできるぞ」
ステラと白亜にプラスアルファを教わり、余った生地に入れて丸めて載せるとテユカはやり切った顔になった。
「窯の順番待ちの間にチョコボールかしら」
「そうだな」
「先ほどから何を作っているの?」
「大人向けのチョコレートだ、世話になった人用」
「あら、ブランデー入り。ジャムと合わせて……ボンボン?」
「そうなるかな……?」
ステラと白亜の横でテユカが「大人のチョコ」にそわそわしている。
「テユカ殿にはまだ早いな」
「えー」
「そうね」
背が高くてもテユカはまだまだ子供だ。ステラと白亜は笑う。
「飾り用に装飾チョコを作ってみようかしら?」
「生クリームもあるし、チョコレートと混ぜてもよいかもしれない」
二人の話をテユカは聞いて「材料は?」と問うている。
「……まずはチョコボールね」
「そうだな」
ステラと白亜が材料と道具をいうとテユカが急いで取りに行った。やる気に満ち溢れている。
「湯煎が必要ですから、お湯の準備ですね」
「材料に直接お湯に入れずに溶かす方法だ」
テユカは説明を聞きながらテユカの視線は「大人向け」のチョコに向かっている。
「なんか、賢くなって大人になったみたいだよ!」
ステラと白亜は笑う。
「成人の定義にもよるがな」
「テユカさんに必要なのは大江さんの許可かしら?」
ブランデー入れないで似たようなものを作ってもいいのかもしれないと、二人は呟いたのだった。
窯の温度は問題ないようだ。
「広くはないので順番です」
水月は用意をして仲間に告げる。それぞれ温度や時間も関係するため、窯の温度に対して気を抜くわけにはいかない。
「アリス、チョコレートを作ってみます?」
「……え?」
アーレホリスは硬直する。混ぜるしかできないのに何を言い出すのかという間が生まれる。
「でも……」
溶かして混ぜるだけと調べたはずだが不安が生じる。
「作りたいんですか? それとも嫌ですか?」
水月はアーレホリスの様子から背中を押しているだけである。
「なら、スポンジをもう一個作ります?」
「え? チョコは……」
「材料も時間があるのです。さあ、張り切っていきましょう」
水月は微笑む。
「うん……湯煎をするんだ……」
アーレホリスは手順を思い出す。作る物によっては違うが、溶かして型に入れればできるとあった。
「そうですよ。お湯は今、沸かしていますね」
ステラが「余裕は十分ありますよ」と答え、テユカが「お姉ちゃんも湯煎するの?」と楽しそうに声をかけてきた。
「そうだ」
仲間、がいるのだ。水月が微笑んでおり、アーレホリスも面の中で良い表情をしていたのだった。
●完成
小麦粉と砂糖が焦げた匂いやコーヒーの香りが漂う中、台にはいろいろ完成品が並ぶ。
「ラッピングです」
紅葉は笊にガトーショコラを載せ、まずは冷めるのを待っている。そのため、あとの作業だ。竹の皮などが用意されている。
「大江さん、これ、レシピです」
りるかは手渡す。今回紅葉が作ったもの、仲間が作っていたものが書かれている。
「ありがとうございます。これで、まだたくさんある材料も生かせます」
「そういっていただけて嬉しい、です」
「包丁使わないで作れるなら何とかなります。窯の温度調整が難しいかもしれませんが」
最初に入れたクッキーの一部はちょっと濃いきつね色。食べるには問題ない。
「紅葉様、これをこれに入れて、包むの……冷えたら。そして、これは大人の味!」
ブランデー抜きのボンボン風チョコをテユカは食べる。
「喜びすぎだ、テユカ殿。珈琲にブランデー入れ……たいが飲みたがるのか?」
白亜は珈琲をいれつつ、笑う。
「……まさか、あのチョコレートに入っているのですか?」
「いや、入れていない。だから、大人の味じゃないんだ、ちょっと」
白亜に紅葉は合点が言ったとうなずいた。
「ケーキも豪華になりましたね」
スポンジケーキにチョコレートクリームが塗られ、かわいらしい飾りが乗っている。
重ねると切るのが大変であるため二つになっている。
「卵焼きは箸休めです」
「全体的に甘いですよね」
水月はうなずく。
アーレホリスは目の前にあるケーキが不思議な物体に見えた。普段なら「おいしいかまずい」「彼が作ったか否か」だけ存在。今回は、自分がかかわった。冷やしているチョコレートも。
「混ぜるのが失敗したらどうなるんだ?」
「ダマができて、味が悪いですが……」
途端にアーレホリスは青くなる。
「アリスがきちんと混ぜているのは知っていますから、美味しいに決まっています」
水月が切り分け始めた。
「ペット用のクッキーだが……アリスは……こっちでいいな」
妖精と動物はまた別だと春夜は考える。雨月の反応が不安だったがクッキーを咥えて隠れたのでほっとした。
「あと、これはそこの犬たちに」
紅葉に渡した。
「ありがとうございます、気をつかわせてしまって」
紅葉は土間を出ると、犬たちに群がられた。お座りとか言っている声が聞こえる。
「紅葉様、ケーキ食べちゃうよー」
テユカが切り分けられたケーキを食べ始めた。
「ふひゃふや、もみひー」
「テユカ殿、口の中に入れてしゃべると怒られるぞ」
白亜はたしなめる。
「おいしいのはわかりますわ。口に入れたままは駄目ですわね」
ステラは笑った。
「お替りしていい?」
アーレホリスに向かってテユカが言う。
「……いいんじゃないか?」
残っているのだし。
「本当、アリス、美味しいよ?」
「……む」
アーレホリスは夢中で食べた。自分も手伝って作ったケーキは非常においしかった。十分まだあるため、お替りもする。
「テユカさん、お礼のつもりでもきちんと作ったのだから、お友達も喜んでくれるわ」
「そうだな。今は、食べる時間だ」
ステラと白亜に言われて初心者テユカは元気よくケーキを口に頬張ったのだった。
「……大江さん、遅い、です」
「見てくる」
りるかと春夜は、柴犬と猫たちに埋もれている紅葉を発見したのだった。
後日、テユカは作ったお菓子を彼女なりにきれいに包んで届けに行った。
リシャールは元気がないように見えたが、その場でお菓子を食べた彼が笑みを浮かべて「ありがとうございます」と言ってくれたので嬉しくなった。
初めて料理をするアーレホリス(ka6318)はチョコレートの作り方について事前調査をした。
「葛音に誘われたはいいけど……ちょこ、作り?」
葛音 水月(ka1895)は料理もでき、カフェをオープンしてしまうほどだ。
「包丁は……?」
不安と楽しみでいっぱいで当日を迎える。
一方の水月は恋人でお嫁さんであるアーレホリスと一緒に料理ができるとあって楽しみで仕方がなかった。
「アリスと料理するのは初めてだな。あと、他の人たちとも楽しくできれば」
そして、現地に向かうのだった。
「今回、よろしくお願いしますわ♪」
ステラ・フォーク(ka0808)は初めて出会うこともあり、特にテユカの緊張をほぐすように微笑む。
「よろしくお願いしまっす」
ゴチンと頭を台にぶつけつつテユカは挨拶をした。
「チョコレートに詳しいというほどではないの、ですが……作るのは好きなの。あたしで良ければお手伝いしたいと、思うの……ですよ」
桜憐りるか(ka3748)は楽しみであったのが伝わるよう言葉を選びつつ慎重に話す。
「どんなものを作りたいかだな」
雪継・白亜(ka5403)は用意してあったチョコレート用の型、イチゴのジャム、ブランデーに包紙などを土間にある台に載せる。彼女はエプロンに頭には三角巾と料理始める体勢も整えている。
ここに来る前に指定の農場で牛乳だけではなく、バターや生クリームに加工されたものを咲月 春夜(ka6377)は受け取ってきた。前もってハンターが話した結果でもあり、紅葉が了承したことでもある。
「久しいな……健勝か? こちらは初めましてだ……。話に聞くところによると二人とも誰かにあげたいとか?」
春夜が問う。
「職場の上司と家臣ですねぇ」
紅葉はちらちらとテユカを見る。もじもじしているテユカに紅葉はワクワクそわそわしている。
「……リシャールとか?」
春夜の推測にテユカが顔を真っ赤にし、紅葉がぱあと明るい顔になる。
「なんでわかるの!」
「……知り合いというカテゴリーから……」
「だ、だって、お礼もしたいと思っても、もっとグラズヘイムのお菓子食べたいなと思っても!」
「……ん?」
「あれ?」
春夜と紅葉は表情を変えた。
「恋?」
紅葉の疑問に周りで聞いていたハンター全員が首を横に振った。
●気を取り直して
テユカのそばにステラと白亜がつく。
「どんなチョコのお菓子を作りたいのかしら? クッキーやビスケット、マフィンなどいろいろありますわ」
「おいしいのなら何でもいいよ、です! あ、でもあげるのは……どうしよう」
ステラの問いにすべてが選択肢として残る。紙にクッキーやチョコボールなどの絵を描いて説明することにした。
「ど、どれもおいしそう」
「二種類作って詰めるというのもできますよ?」
「ふたつ」
ステラはうなずく。
「例えば、箱に詰めて包めば良きプレゼントになろう」
白亜は箱や包装紙を見せつつアドバイスする。
テユカは悩みに悩む。
「チョコレートらしさだとチョコボールかしら?」
「確かに。クッキーやマフィンにチョコを入れても限度があるからな。ただし、クッキーだとこういった型で可愛らしくもできるぞ?」
「そうよね」
ステラと白亜はテユカを見る。
「……じゃあ! チョコボールとクッキーにする」
方針が決まった。
全員で作る予定のケーキ用の飾りやついでに自分用も制作開始だ。窯についてはケーキの本体を作るメンバーに任せて問題ないだろう。すべては分担だ。
りるかと春夜が紅葉に何を作るか説明をする。紅葉は何を作っていいか分からないため依頼を出しているため、おとなしく説明を聞き、必要な質問を返してくる。
「それほど手間がかからないものに挑戦しようと……思うのです」
「それと、材料もたっぷりあるから、ここでみんなで作って食べられるものを作るんだ」
紅葉はコクンとうなずく。
「生チョコと常温で保存可能なブラウニー、です」
コクンと紅葉はうなずく。生チョコとブラウニーが何かは理解しているようだった。
それよりも二人の視線は紅葉のそばにある竹筒に注がれた。いかにも七味唐辛子が入っている形だ。
「……それは?」
「七味唐辛子です。大人の味になると聞きました」
「何をどう作るか、まずは基本が大事だ。それでも行けそうなら……少量から試せ」
「もちろんですよ」
春夜は釘を刺し、紅葉は神妙にうなずいている。
「……桜憐さん、目を離せないですよ」
「はい、わかりました。でも、基本は大事にしてくれると思い、ます」
話をしていれば言霊を生かす雰囲気は伝わる。
「そう感じられるなら良かった。あと、俺のペットたちも」
春夜のペットたちは何かしたがっているスターリングシルバーのフェレット雨月と、一応状況を理解して雨月を制しようとする桜型妖精アリスがそわそわしている。
「……それと大江さんのペットたちも先ほどから見え隠れして、います」
春夜が振り返ると台所の前を「立ち止まっていたわけではありませんよ」というふうに柴犬が立ち去った。
いろいろ狙われている。
「牛乳くらいなら」
「チョコレートは毒、です」
仲間に周知して守らねばならないだろうかと、冷や汗が流れた。
水月は大切な人に料理を教えつつ、この場にいる全員で作るケーキのスポンジ作りを行う。小麦粉やバターなど材料を前に、手順を考える。
動物の面やしっかり着ている服で直接見えないが、アーレホリスの気持ちが水月は感じ取れた。
(実は料理できます、っていうわけではないですね。緊張しているようですね)
「まずは卵を割りましょう?」
「う、うむ」
「こうやって黄味と白味を分けます」
ぐちゃり。
アーレホリスの手元のボウルに殻と白味と黄味が混ざった卵が混ざった。
(うっ、せめて卵の殻は……)
アーレホリスは恥ずかしいし、困惑も生じてくる。仮面や衣類の中では心臓はバクバク、頬は真っ赤。見えていないけれど。
「うん、これはこれで卵焼きでも作りましょう。甘いものばかりだとしょっぱいものもほしくなりますし」
「卵焼き?」
「そうです。卵焼きのしょっぱいものです」
優しく水月は恋人にいう。
「卵割の練習はさておき、こちらも重要です。ボウルを体温で温めつつ、バターをまぜてくれますか?」
水月が示したようにアーレホリスはやってみる。少しずつほぐれてなめらかになっていく。
「……このくらい?」
「ご苦労様。きれいにできています」
ほっと息を吐いたアーレホリスから肩の力が抜ける。
「次は粉を篩にかけましょう」
不器用だと思っているアーレホリスでも無理をしない、手順さえ飛ばさなければ問題はないようだった。
●チーン
小麦粉は飛ぶ。
あちこちで飛ぶ。
テユカとアーレホリスはちょっと白めになっている。周りで補佐する人も白い。
時間はあるのだから、ゆっくりと進む。
紅葉に対しては、説明をすることをりるかは徹底した。おかげで歩みは遅くても理解して行うため余計なことはしてこない。
それでも紅葉が包丁を握る手はぎこちない。チョコレート菓子のおかげでそれはチョコを刻むとき以外必要はなかったのは幸い。もとより、材料のチョコレート自体が非常に細かくすることを考えなければ手で砕ける。
木べらで混ぜるときビチッと何か飛んで被害は出るが、大したことはない。
「冷蔵庫がないから、冷やすときは井戸水を使い、ます」
「はいっ! あ、一つくらい入れてみていいですか?」
七味唐辛子は登場した。
「実験です、ね」
「これでおいしければ、まだ作れます」
りるかは材料の分量を見てうなずいた。夏になる前に使いきらないともったいないことになるだろう。
同じ台で、春夜は作業をする。紅葉の様子を注意しつつ、井戸水を汲んでいたほうが良ければ前もって桶にうつして置くなど細かなことが多い。
ペットたち――自分と大江家――用の糖分など危険物を除いたクッキーを作る。
家族同然のペット雨月にも楽しんでもらいたい。雨月は匂いを嗅ぎに台に乗りたがる。桜型妖精アリスが阻止をしている。
台に雨月の前足がかかり、阻止に飛んだアリスの羽が何かに当たる。
「あっ!?」
春夜、若干間に合わず。手をすり抜ける小麦粉入りボウル。
「水で洗ったらまずいな」
雨月は春夜につかまれて、外で小麦粉を落とされることとなった。
可愛らしい型で抜いた生地を並べ、テユカの顔は晴れ晴れしている。
「よくできました」
「ふむ、チョコを入れた生地で目にできるぞ」
ステラと白亜にプラスアルファを教わり、余った生地に入れて丸めて載せるとテユカはやり切った顔になった。
「窯の順番待ちの間にチョコボールかしら」
「そうだな」
「先ほどから何を作っているの?」
「大人向けのチョコレートだ、世話になった人用」
「あら、ブランデー入り。ジャムと合わせて……ボンボン?」
「そうなるかな……?」
ステラと白亜の横でテユカが「大人のチョコ」にそわそわしている。
「テユカ殿にはまだ早いな」
「えー」
「そうね」
背が高くてもテユカはまだまだ子供だ。ステラと白亜は笑う。
「飾り用に装飾チョコを作ってみようかしら?」
「生クリームもあるし、チョコレートと混ぜてもよいかもしれない」
二人の話をテユカは聞いて「材料は?」と問うている。
「……まずはチョコボールね」
「そうだな」
ステラと白亜が材料と道具をいうとテユカが急いで取りに行った。やる気に満ち溢れている。
「湯煎が必要ですから、お湯の準備ですね」
「材料に直接お湯に入れずに溶かす方法だ」
テユカは説明を聞きながらテユカの視線は「大人向け」のチョコに向かっている。
「なんか、賢くなって大人になったみたいだよ!」
ステラと白亜は笑う。
「成人の定義にもよるがな」
「テユカさんに必要なのは大江さんの許可かしら?」
ブランデー入れないで似たようなものを作ってもいいのかもしれないと、二人は呟いたのだった。
窯の温度は問題ないようだ。
「広くはないので順番です」
水月は用意をして仲間に告げる。それぞれ温度や時間も関係するため、窯の温度に対して気を抜くわけにはいかない。
「アリス、チョコレートを作ってみます?」
「……え?」
アーレホリスは硬直する。混ぜるしかできないのに何を言い出すのかという間が生まれる。
「でも……」
溶かして混ぜるだけと調べたはずだが不安が生じる。
「作りたいんですか? それとも嫌ですか?」
水月はアーレホリスの様子から背中を押しているだけである。
「なら、スポンジをもう一個作ります?」
「え? チョコは……」
「材料も時間があるのです。さあ、張り切っていきましょう」
水月は微笑む。
「うん……湯煎をするんだ……」
アーレホリスは手順を思い出す。作る物によっては違うが、溶かして型に入れればできるとあった。
「そうですよ。お湯は今、沸かしていますね」
ステラが「余裕は十分ありますよ」と答え、テユカが「お姉ちゃんも湯煎するの?」と楽しそうに声をかけてきた。
「そうだ」
仲間、がいるのだ。水月が微笑んでおり、アーレホリスも面の中で良い表情をしていたのだった。
●完成
小麦粉と砂糖が焦げた匂いやコーヒーの香りが漂う中、台にはいろいろ完成品が並ぶ。
「ラッピングです」
紅葉は笊にガトーショコラを載せ、まずは冷めるのを待っている。そのため、あとの作業だ。竹の皮などが用意されている。
「大江さん、これ、レシピです」
りるかは手渡す。今回紅葉が作ったもの、仲間が作っていたものが書かれている。
「ありがとうございます。これで、まだたくさんある材料も生かせます」
「そういっていただけて嬉しい、です」
「包丁使わないで作れるなら何とかなります。窯の温度調整が難しいかもしれませんが」
最初に入れたクッキーの一部はちょっと濃いきつね色。食べるには問題ない。
「紅葉様、これをこれに入れて、包むの……冷えたら。そして、これは大人の味!」
ブランデー抜きのボンボン風チョコをテユカは食べる。
「喜びすぎだ、テユカ殿。珈琲にブランデー入れ……たいが飲みたがるのか?」
白亜は珈琲をいれつつ、笑う。
「……まさか、あのチョコレートに入っているのですか?」
「いや、入れていない。だから、大人の味じゃないんだ、ちょっと」
白亜に紅葉は合点が言ったとうなずいた。
「ケーキも豪華になりましたね」
スポンジケーキにチョコレートクリームが塗られ、かわいらしい飾りが乗っている。
重ねると切るのが大変であるため二つになっている。
「卵焼きは箸休めです」
「全体的に甘いですよね」
水月はうなずく。
アーレホリスは目の前にあるケーキが不思議な物体に見えた。普段なら「おいしいかまずい」「彼が作ったか否か」だけ存在。今回は、自分がかかわった。冷やしているチョコレートも。
「混ぜるのが失敗したらどうなるんだ?」
「ダマができて、味が悪いですが……」
途端にアーレホリスは青くなる。
「アリスがきちんと混ぜているのは知っていますから、美味しいに決まっています」
水月が切り分け始めた。
「ペット用のクッキーだが……アリスは……こっちでいいな」
妖精と動物はまた別だと春夜は考える。雨月の反応が不安だったがクッキーを咥えて隠れたのでほっとした。
「あと、これはそこの犬たちに」
紅葉に渡した。
「ありがとうございます、気をつかわせてしまって」
紅葉は土間を出ると、犬たちに群がられた。お座りとか言っている声が聞こえる。
「紅葉様、ケーキ食べちゃうよー」
テユカが切り分けられたケーキを食べ始めた。
「ふひゃふや、もみひー」
「テユカ殿、口の中に入れてしゃべると怒られるぞ」
白亜はたしなめる。
「おいしいのはわかりますわ。口に入れたままは駄目ですわね」
ステラは笑った。
「お替りしていい?」
アーレホリスに向かってテユカが言う。
「……いいんじゃないか?」
残っているのだし。
「本当、アリス、美味しいよ?」
「……む」
アーレホリスは夢中で食べた。自分も手伝って作ったケーキは非常においしかった。十分まだあるため、お替りもする。
「テユカさん、お礼のつもりでもきちんと作ったのだから、お友達も喜んでくれるわ」
「そうだな。今は、食べる時間だ」
ステラと白亜に言われて初心者テユカは元気よくケーキを口に頬張ったのだった。
「……大江さん、遅い、です」
「見てくる」
りるかと春夜は、柴犬と猫たちに埋もれている紅葉を発見したのだった。
後日、テユカは作ったお菓子を彼女なりにきれいに包んで届けに行った。
リシャールは元気がないように見えたが、その場でお菓子を食べた彼が笑みを浮かべて「ありがとうございます」と言ってくれたので嬉しくなった。
依頼結果
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チョコ作りと指導 咲月 春夜(ka6377) 人間(リアルブルー)|19才|男性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2017/02/13 23:22:27 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/02/11 21:58:15 |