ゲスト
(ka0000)
森の脅威を振り払え!
マスター:なちゅい

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~8人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2017/02/26 09:00
- 完成日
- 2017/03/05 19:44
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
●
リンダールの森にあるエルフの集落。
そこは今、森に潜む雑魔、そして歪虚に不安が高まっていた。
見境なく突進してくるヤギ型、そして、木に擬態して近場を通りがかる者を襲う植物型。エルフ達はそれらに怯えながら、生活している状況だ。
雑魔の出現に関してエルフ達は幾つか問題は抱えていたが、目下のところ、対処せねばならないのは、集落東に現れる女性獣人型の歪虚だった。
先日、ハンターとエルフによる巡回の折、それは発見された。言葉も操るという歪虚。それだけ知能が高い相手というのは、比例して力も強いと相場は決まっている。
「村の手練の者達でも、辛い相手やもしれぬな……」
年老いた集落の長はその迎撃の為の準備が進んでいるとの報告を聞くが、あまりいい反応を見せない。今、手練のエルフを失ってしまうと、この先、集落を守るエルフ達の士気も低下するし、何より、集落民の不安が高まってしまう。
かといって、放っておけば、そいつらはいずれエルフを滅ぼすべくこの集落を襲ってくることだろう。
雑魔の出現を食い止める為にと、若い聖堂戦士団の小隊の姿もここにはある。ただ、村の護りをしてくれるのはありがたいのだが、小隊長を筆頭にやや戦闘経験は浅い様子だ。
「準備が出来たら、ハンターを呼ぶ。出来るだけ早く準備を頼むぞ」
長は指示を出しつつ、集落の東を見つめた。見慣れた森のはずなのに、得体の知れない何かが潜んでいる。それを肌で感じずにはいられないのだった。
王都のハンターズソサエティにて。
「リンダールの森のエルフさん達から、依頼が届いていますよー」
にこやかに笑う糸目の女性。金髪のウェーブヘアのシェリーは、訪れたハンターへと依頼を斡旋する。
リンダールの森にあるエルフの集落の東に、ヤギの雑魔を操ると見られる歪虚の姿があるという。獅子と熊を融合したような姿をしていることから、憤怒ではないかと推測されている。
「この憤怒と思われる歪虚を、エルフの皆さんと一緒に討伐してくるのが依頼内容ですねー」
基本的には、全力で当たって倒せばよい。エルフと多少の打ち合わせは必要かもしれないが、同行予定の3人のエルフは可能な限り、ハンターの作戦に合わせて戦ってくれるようだ。
「皆さん、今回はよろしくお願いします」
現在、集落に詰めている聖堂戦士団、小隊長のファリーナ・リッジウェイ(kz0182)がこの場へとやってくる。転移門を使ってハンターを案内にやってきたのだ。
「戦闘には私も参加します。皆さんをサポートいたしますね」
隊員に集落の護りを任せ、ファリーナ自身は歪虚討伐に当たるとのこと。力をつけてきている彼女もハンターと戦いたいようである。
「それでは、いってらっしゃいませー。ご武運をお祈りしていますねー」
出発するハンターを、シェリーはにこやかに手を振って見送るのだった。
森の中――。
ライオンの如き下半身と、熊のような両腕持つ女が鼻を鳴らす。
「ったく、手間をかけさせるヤギどもだね……」
その女歪虚は、数頭のヤギを自らの意のままに従えていた。普段は特攻することしか脳のない雑魔達だが、今は彼女の思い通りに足を鳴らしつつ指示を待っている。
「さあ、行くな。邪魔なエルフどもを潰すんだよ」
その声に応じ、ヤギ雑魔どもは正面に向かって走り始める……。
リンダールの森にあるエルフの集落。
そこは今、森に潜む雑魔、そして歪虚に不安が高まっていた。
見境なく突進してくるヤギ型、そして、木に擬態して近場を通りがかる者を襲う植物型。エルフ達はそれらに怯えながら、生活している状況だ。
雑魔の出現に関してエルフ達は幾つか問題は抱えていたが、目下のところ、対処せねばならないのは、集落東に現れる女性獣人型の歪虚だった。
先日、ハンターとエルフによる巡回の折、それは発見された。言葉も操るという歪虚。それだけ知能が高い相手というのは、比例して力も強いと相場は決まっている。
「村の手練の者達でも、辛い相手やもしれぬな……」
年老いた集落の長はその迎撃の為の準備が進んでいるとの報告を聞くが、あまりいい反応を見せない。今、手練のエルフを失ってしまうと、この先、集落を守るエルフ達の士気も低下するし、何より、集落民の不安が高まってしまう。
かといって、放っておけば、そいつらはいずれエルフを滅ぼすべくこの集落を襲ってくることだろう。
雑魔の出現を食い止める為にと、若い聖堂戦士団の小隊の姿もここにはある。ただ、村の護りをしてくれるのはありがたいのだが、小隊長を筆頭にやや戦闘経験は浅い様子だ。
「準備が出来たら、ハンターを呼ぶ。出来るだけ早く準備を頼むぞ」
長は指示を出しつつ、集落の東を見つめた。見慣れた森のはずなのに、得体の知れない何かが潜んでいる。それを肌で感じずにはいられないのだった。
王都のハンターズソサエティにて。
「リンダールの森のエルフさん達から、依頼が届いていますよー」
にこやかに笑う糸目の女性。金髪のウェーブヘアのシェリーは、訪れたハンターへと依頼を斡旋する。
リンダールの森にあるエルフの集落の東に、ヤギの雑魔を操ると見られる歪虚の姿があるという。獅子と熊を融合したような姿をしていることから、憤怒ではないかと推測されている。
「この憤怒と思われる歪虚を、エルフの皆さんと一緒に討伐してくるのが依頼内容ですねー」
基本的には、全力で当たって倒せばよい。エルフと多少の打ち合わせは必要かもしれないが、同行予定の3人のエルフは可能な限り、ハンターの作戦に合わせて戦ってくれるようだ。
「皆さん、今回はよろしくお願いします」
現在、集落に詰めている聖堂戦士団、小隊長のファリーナ・リッジウェイ(kz0182)がこの場へとやってくる。転移門を使ってハンターを案内にやってきたのだ。
「戦闘には私も参加します。皆さんをサポートいたしますね」
隊員に集落の護りを任せ、ファリーナ自身は歪虚討伐に当たるとのこと。力をつけてきている彼女もハンターと戦いたいようである。
「それでは、いってらっしゃいませー。ご武運をお祈りしていますねー」
出発するハンターを、シェリーはにこやかに手を振って見送るのだった。
森の中――。
ライオンの如き下半身と、熊のような両腕持つ女が鼻を鳴らす。
「ったく、手間をかけさせるヤギどもだね……」
その女歪虚は、数頭のヤギを自らの意のままに従えていた。普段は特攻することしか脳のない雑魔達だが、今は彼女の思い通りに足を鳴らしつつ指示を待っている。
「さあ、行くな。邪魔なエルフどもを潰すんだよ」
その声に応じ、ヤギ雑魔どもは正面に向かって走り始める……。
リプレイ本文
●
リンダールの森。
エルフの集落へとハンター達は集まる。
「――さて、励ませてもらおうカ」
今回の作戦に参加するハンターは男性ばかりだが、数少ない女性の1人、ロックス・ルックハート(ka6737)は到着してすぐ、参加するハンター達へと挨拶を交わす。
「一度来てみたかったんだよな、エルフの森……って、言ってる場合じゃないな」
鬼のセルゲン(ka6612)はエルフばかりの集落に来るのは初めてのようだが、現状、悠長なことを言っている状況ではなさそうだ。
「……この間は仕留め損なって、まんまと逃げられてるからな」
以前、この集落から出された巡回依頼を受けていた榊 兵庫(ka0010)。
その際に彼らは、戦力が整っていないからと告げた歪虚を取り逃がしている。今回の依頼は雪辱を晴らす為、彼にとって渡りに船なのだそうだ。
「歪虚撃破の為に、尽力させて貰うぜ」
「今度こそ、歪虚を討ち取ってやる! これは雪辱戦だ!!」
同じく、前作戦参加の南護 炎(ka6651) 。血気盛んな彼は今回こそ、女歪虚を撃破しようと、叫ぶ。
「絶対に、エルフのみんなを傷つけさせやしない!!」
歪虚の討伐に意欲を見せる2人に、是非とも雪辱を晴らして欲しいとセルゲンは願う。その為にも、微力ながら力を尽くす所存だ。
しかしながら、どうやって高火力の歪虚に対するのかと、クオン・サガラ(ka0018)は考える。しかも、状況から見て、敵は組織力を持って攻めてくるはずだ。
「中々面倒な相手ですけど……、慎重に対処しないといけませんね」
再び取り逃すことのないようにしたいと、クオンは戦略を練る。その間に、彼らは各自の役割分担をしていたようだ。
「息災か? 少し見ない間にも成長して居るようじゃな」
「はい、ありがとうございます」
老練なる傭兵のバリトン(ka5112) に発破をかけられ、聖堂戦士団小隊のファリーナ・リッジウェイ (kz0182)は嬉しそうに微笑むが、部下がいる手前、すぐに顔を引き締めていた。なお、小隊員達は集落の警護に当たる予定だ。
若者が育つ様を目にし、バリトンは眼福とばかりに頷く。
「頼りにさせてもらうよ、今回はよろしク」
一緒になって挨拶するロックスは、同行することになるエルフ達とも交流していた。そして、彼女は今回の戦略について、自身と共に後衛での支援協力を願う。
「あとは、歪虚が引き連れてくるはずの雑魔だな。前衛で動きを止めるから、そちらの攻撃を優先させて欲しい」
「相、分かった。よろしく頼む」
森の守護者として敬意を払うセルゲン。エルフ達もまた丁寧にハンター達を持て成し、改めて助力を請うのだった。
そうして、ハンター、エルフ、そして、聖堂戦士団のファリーナという一団が集落から東の方向へと踏み込んでいく。
「行くわよ、ラシャ。どうか私を導いてちょうだい」
盲目のエルフ、アズル=フェルメール(ka4823) は、連れている狛犬に告げると、ラシャは主の命に答えるべく一鳴きしてみせた。
今回は足元の悪い森の中ということもあり、皆、徒歩での移動だ。
炎はどこから現れるとも分からぬ敵に備え、サバイバル技能も生かしてポイントを探りながら歩く。
「何か……くるわ」
超聴覚を働かせていたアズルは、何かの気配を感じる。炎もまた、正面からやってくる敵に気づいていた。
8体のヤギ型の雑魔を従えた歪虚の体は熊の両腕、獅子の下半身となっている。猛獣と融合したような憤怒の女歪虚はふんぞり返り、ハンター達へと言葉をかけてくる。
「まさか、またそっちからくるとはねえ」
「アレが女性型……流石に迫力があるナ」
「リンファだよ。覚えておきな」
猛々しい姿は見る者に威圧感すら与えていて。その見た目に圧倒されながらも、ロックスは自らが雑魔をメインに相手する算段となっていたことを思い出す。
かなり骨の折れる相手であることは間違いない。迅速に片付け、あの歪虚の相手をするメンバーの援護を彼女は考える。
向こうでは、ヤギ雑魔達が足で地面を鳴らし、主である歪虚の指示を待っていた。
その前に、仙堂 紫苑(ka5953) 、セルゲンが立つ。
「システム正常、戦闘データの収集を開始する」
パワードスーツを纏う紫苑は覚醒し、青く変色した瞳でヤギを注視する。牙のような犬歯を現したセルゲンはというと、サバイバルスキルを駆使して足場を確認し、安定した場所を探していたようだ。
「さて。敵は厄介な呪いを使うらしいの?」
バリトンが確認すると、ファリーナが首を縦に振る。
「聖導士としてのぬしに期待しているぞ。戦場をよく見、わしらを存分に使え」
「はい……!」
緊張した面持ちで、ファリーナはバリトンへと返事した。
それを背で聞きながら、ロックスは全身を包む紫色の炎を、左の瞳へと収束させ、聖剣「カリスデオス」を構える。
「――始めるとしようカ」
その声が発端となり、両者は交錯し始めた。
●
森の中、ヤギの姿をした雑魔が駆け出す。
そこで、バリトンが素早く前へと進み出た。足場の悪さは視覚での確認と暗記によってカバーし、彼は斬龍刀「天墜」を構える。
(木に当たって倒しちまったら、エルフ達には悪いんじゃが……)
今から出す技は味方や周囲の木々をも巻き込んでしまい、乱戦には不向き。
とはいえ、放置すればヤギは余計に木を切り倒してしまう。ならばと、バリトンは先手を打ってダメージを与えるべく、前方のヤギ雑魔を刻む。
ヤギと同時に木々の幹も切り裂かれ、所によっては切り倒されてしまう。エルフに気は引けるものの、抜かれて後ろに行かれるよりはいい。バリトンは出来る限り、疾走する雑魔を叩くことを優先する。
その間に、この場の地形の把握に努めるクオンはマテリアルによる防御膜を作り、敵の攻撃に備えていた。
そして、その間に、兵庫、炎が女歪虚、リンファへと近づく。
話によれば、ヤギ雑魔は猪突猛進で前方に突っ走るだけだったそうだが、歪虚の指示で反転出来るようになっている。それでも、動きは基本直線。脇からならば、奥の歪虚へは比較的たやすく近づくことができた。
「……この間はせっかく見逃してやったのに、また俺の前に現れるか」
全身に血をにじませた傷痕を浮かび上がらせ、兵庫が呼びかける。
「よほど死にたがりのようだな。ならばその願い、叶えてやろう」
「これで終わらせてやるよ! 今度こそ絶対に倒す!!」
炎はすぐに攻撃を仕掛けようとするが……、スキル設定に問題があったらしい。それでも、片目を紅く変色させた彼はバスタードソード「ガラティン」を握りしめ、果敢に歪虚へと斬り込む。
「ふん、本気で倒そうってのかい」
呆れすら浮かべるリンファは、握りしめた拳を炎へと叩きつけてきた。
クオンがそこに迫り、光線を発してリンファと2体のヤギ雑魔を射抜いていく。
そのヤギ雑魔達は、木々すら薙ぎ倒して森の中を走ってくる。
迫り来る敵に対し、足場の安定した場所を見つけたセルゲンは構えを取っていた。彼は動物霊の力を借り、堅甲なる装甲で防御を固めていた。
「誤射されても恨んだりしやない、さくっと頼む……。俺にとどめくれるのだけは勘弁な?」
セルゲンが呼びかけるのは、横で魔導拳銃「イグナイテッド」を構える紫苑、そして、後方のエルフ達だ。
(スピード重視だ。短時間で殲滅せねば)
最も迫る敵へ、紫苑は弾丸を叩き込んでいく。エルフ達もそれぞれ弓矢やエネルギーの矢で援護を行ってくれていた。
そんな仲間達の戦いを、全身を発光させ、長い髪や服をふわりと浮かばせたアズルは聴覚、匂い、そして、これまでに得た経験、勘で把握する。
「大丈夫よ。私とあなたならきっと戦えるわ」
その鳴き声を耳にしながらも、アズルは射程に入ったヤギに向け、魔力を纏わせたラシャをけしかけ、突撃させた。
「このまま、来るわ」
「今だ! 仕留めるゾ!」
アズルに応じたロックスはファリーナと共に、発した光の弾をヤギへと叩きつけて行く。その際、1体の体が揺らぎ、地面へと落ちる前に霧の様に消えて行った。
足元が悪いせいか動きに差はあったが、移動力のかなり大きいヤギ雑魔は、多少の木の根やぬかるみなど気にせず向かってくる。
(押し負けはしない……!)
一番手前のヤギに向け、紫苑は高速で移動して機械槍「タービュレンス」を突き出していく。
突撃してくるヤギ雑魔の背後から、呪いを発する別のヤギの姿がある。
それを盾で受け止めたセルゲンは幾分か、何かが呪いの力を遮ってくれたのを感じた。
妻の加護を感じるセルゲンは敵の角を破壊すべく、祖霊の力を鉄拳「紫微星」に込めて殴りつける。
ぶつかる両者。その剣戟は静かなはずの森にこだましていた。
●
リンファは、歪虚としての力を存分に奮ってくる。
「ほらほら、どうしたんだい!!」
唸りを上げる豪腕、地面を断ち切る蹴り。まともに食らえば、それだけで致命傷は免れない。クオンは魔導銃でその頭や足へと牽制射撃を放つ。
「素直にその首を俺の前に差し出すんだな。そうすれば、痛みもなくその命を終わらせてやろう」
兵庫は敵を広い場所へと誘導すべく挑発を続ける。
また、リンファの繰り出す拳と蹴りを主立って受けていたのは、敵の前に立ち塞がる炎だ。
「お前を倒して、今回の騒動にケリをつけてやる!!」
スキルが使えぬことを悔やみはしていたが、エルフの村の悩みを終わらせる為、そして、自らの雪辱を晴らす為、炎は全力でバスタードソードを振るい、リンファを斬りつけて行く。
一方、ヤギ雑魔を相手にするメンバー達。
突進してくる敵の突撃を紫苑、セルゲンが受け止める。とはいえ、全て塞ぐのは難しい。体へと突き入れられる角による傷を、ロックスを始め支援に当たるファリーナが癒す。
その間に、立ちはだかるバリトンが敵を縦横無尽に切り裂き、アズルが飛ばすラシャ、クオンの飛ばす光線がヤギ雑魔を倒していく。
紫苑は展開した光の障壁で特攻して来る敵を弾き飛ばし、機械槍を突き出して止めを刺す。
すでに、、半数の雑魔が無に帰している。
「ここは自分とセルゲンさんに任せて、獣人型へ」
これなら幾分ハンターが折らずとも問題ないと紫苑は判断し、エルフ達に協力を仰いでから仲間へと声をかけた。
「そうだな、バリトン殿、あちらに合流を」
「うむ、頼んだぞ」
盾でヤギを抑えるセルゲンも告げる。すでに雑魔は半数にまで減っていることもあり、バリトンを始めとしたハンター達は徐々にこの場から離れる。
「全てを処理しようと思っていたわけではないが……」
紫苑は足にマテリアルを込めて再度ヤギ雑魔へと飛び込み、機械槍「タービュランス」で貫く。敵の勢いに彼は負けてはおらず、ヤギの体を完全に貫いた。
傍では、セルゲンが拳を大きく振るい、ヤギの頭を殴り飛ばす。
「今だ。援護を頼む」
そこで、一斉に放たれるエルフの矢。連続してそれらを浴びたヤギが霧散する。ハンター達の布陣はうまく機能しており、殲滅は時間の問題となっていた。
(うまく、乱戦を乗り切れたようですね)
両者の攻撃を意識していたクオンもリンファの対処にシフトしており、魔杖「スキールニル」を振るって氷柱を撃ち出す。
リンファはまだ健在だ。そいつは笑いながら猛然と拳と蹴りを繰り出してくる。
じっと敵の攻撃に耐える兵庫だったが、うまく広い場所まで敵をおびき寄せたこともあり、十文字槍「人間無骨」を大きく振り回して威力を高め、マテリアルを込めたコンボ攻撃を繰り出す。
「お前を倒して、今回の騒動にケリをつけてやる!!」
対する炎も斬りかかりながら、リンファの攻撃を受け止めるが……、やはり、対策は不十分と言わざるをえなかった。その拳をみぞおちや胸へと食らい、吹き飛ばされた炎はぬかるみの上に倒れる。
「く……そ……」
強烈な一撃に炎は意識を失い、がっくりとうなだれてしまった。
雑魔対処メンバーの回復をファリーナに任せ、駆けつけたロックス。炎の回復が間に合わなかったことを悔やみながら、立ち続ける兵庫の為に祈りを捧げて彼の体に光を包んで癒していく。
駆けつけてくるメンバー達。バリトンは剣撃をリンファへと叩き込み、さらに捻りを加えてもう一撃斬りかかった。
「ちっ……」
だが、リンファは血を流しながらも衝撃波を繰り出してくる。
「ラシャ、もし怪我を負ってしまったら直ぐに撤退するのよ。……貴方を亡くしてしまっては、きっと私は生きていけないから」
アズルは大切な家族の身を案じつつも、邪なる気配を発する敵へと告げた。
「知ってる? 目が『視えない』人には、音や匂いが『視える』のよ」
自身の聴覚と勘を頼りに、彼はラシャを飛ばす。『瑠璃石』を司る者として、愛する女王を護る者として、ここで負ける訳には行かない。
まるで暴風のように、女歪虚は森で暴れる。
ただ、暴風もいつか勢いが衰えるもの。それを抑える者の数が増えれば、なおさらだ。
ヤギ雑魔を始末し終えた紫苑も駆けつけ、すでにこの場にいたメンバーと、リンファへの包囲網を作っていく。疲弊したメンバーの代わりと、動物霊の力を借りたセルゲンがリンファの拳を受け止めていた。
「ハァ……ハァ……」
ハンターの連携攻撃に、リンファは息を切らしてきていた。敵はあちらこちらに視線を走らせるが、ハンターの包囲網は厚い。
退路を探して動こうとすれば、バリトンが空間ごと薙ぎ払ってリンファの体を切りつけてくる。さすがに今度はリンファも逃げられずにいたようだ。
そこで、これまで歪虚を抑え、持ち堪えていた兵庫がここぞと仕掛ける。
「これで……、終わりだ」
十文字槍「人間無骨」を真上から振り下ろし、リンファの脳天へと叩きこむ。そいつは、信じられないといった表情で、2、3歩後退して。
「こ、こんなっ……う、ぐああっ……!」
リンファの身が弾け飛び、瞬く間に蒸発してしまう。
「……歪虚とはいえ、鎮魂歌を贈ることくらい許して貰えるだろウ」
敵の消滅を確認したロックスはリュートを取り出し、鎮魂の音色を響かせるのだった。
●
全ての敵がこの場から姿を消したことで、ハンター達はひとまず息を整える。倒れる炎には、ファリーナが介護に当たっていたようだ。
「ラシャ、よく頑張ったわね。貴方のお陰で戦う事が出来たわ、ありがとう」
アズルが礼を言うと、狛犬ラシャは大きく吠えて彼へと寄り添う。
同行のエルフも、脅威がなくなったと喜んでいる。
「皆、疲れただろう。ひとまず、集落に戻ろう」
ハンター達を労うエルフ達。彼らは同時に、いち早く同胞を安心させたいと思いを抱き、帰路を急ぐようその場のメンバーへと促すのだった。
リンダールの森。
エルフの集落へとハンター達は集まる。
「――さて、励ませてもらおうカ」
今回の作戦に参加するハンターは男性ばかりだが、数少ない女性の1人、ロックス・ルックハート(ka6737)は到着してすぐ、参加するハンター達へと挨拶を交わす。
「一度来てみたかったんだよな、エルフの森……って、言ってる場合じゃないな」
鬼のセルゲン(ka6612)はエルフばかりの集落に来るのは初めてのようだが、現状、悠長なことを言っている状況ではなさそうだ。
「……この間は仕留め損なって、まんまと逃げられてるからな」
以前、この集落から出された巡回依頼を受けていた榊 兵庫(ka0010)。
その際に彼らは、戦力が整っていないからと告げた歪虚を取り逃がしている。今回の依頼は雪辱を晴らす為、彼にとって渡りに船なのだそうだ。
「歪虚撃破の為に、尽力させて貰うぜ」
「今度こそ、歪虚を討ち取ってやる! これは雪辱戦だ!!」
同じく、前作戦参加の南護 炎(ka6651) 。血気盛んな彼は今回こそ、女歪虚を撃破しようと、叫ぶ。
「絶対に、エルフのみんなを傷つけさせやしない!!」
歪虚の討伐に意欲を見せる2人に、是非とも雪辱を晴らして欲しいとセルゲンは願う。その為にも、微力ながら力を尽くす所存だ。
しかしながら、どうやって高火力の歪虚に対するのかと、クオン・サガラ(ka0018)は考える。しかも、状況から見て、敵は組織力を持って攻めてくるはずだ。
「中々面倒な相手ですけど……、慎重に対処しないといけませんね」
再び取り逃すことのないようにしたいと、クオンは戦略を練る。その間に、彼らは各自の役割分担をしていたようだ。
「息災か? 少し見ない間にも成長して居るようじゃな」
「はい、ありがとうございます」
老練なる傭兵のバリトン(ka5112) に発破をかけられ、聖堂戦士団小隊のファリーナ・リッジウェイ (kz0182)は嬉しそうに微笑むが、部下がいる手前、すぐに顔を引き締めていた。なお、小隊員達は集落の警護に当たる予定だ。
若者が育つ様を目にし、バリトンは眼福とばかりに頷く。
「頼りにさせてもらうよ、今回はよろしク」
一緒になって挨拶するロックスは、同行することになるエルフ達とも交流していた。そして、彼女は今回の戦略について、自身と共に後衛での支援協力を願う。
「あとは、歪虚が引き連れてくるはずの雑魔だな。前衛で動きを止めるから、そちらの攻撃を優先させて欲しい」
「相、分かった。よろしく頼む」
森の守護者として敬意を払うセルゲン。エルフ達もまた丁寧にハンター達を持て成し、改めて助力を請うのだった。
そうして、ハンター、エルフ、そして、聖堂戦士団のファリーナという一団が集落から東の方向へと踏み込んでいく。
「行くわよ、ラシャ。どうか私を導いてちょうだい」
盲目のエルフ、アズル=フェルメール(ka4823) は、連れている狛犬に告げると、ラシャは主の命に答えるべく一鳴きしてみせた。
今回は足元の悪い森の中ということもあり、皆、徒歩での移動だ。
炎はどこから現れるとも分からぬ敵に備え、サバイバル技能も生かしてポイントを探りながら歩く。
「何か……くるわ」
超聴覚を働かせていたアズルは、何かの気配を感じる。炎もまた、正面からやってくる敵に気づいていた。
8体のヤギ型の雑魔を従えた歪虚の体は熊の両腕、獅子の下半身となっている。猛獣と融合したような憤怒の女歪虚はふんぞり返り、ハンター達へと言葉をかけてくる。
「まさか、またそっちからくるとはねえ」
「アレが女性型……流石に迫力があるナ」
「リンファだよ。覚えておきな」
猛々しい姿は見る者に威圧感すら与えていて。その見た目に圧倒されながらも、ロックスは自らが雑魔をメインに相手する算段となっていたことを思い出す。
かなり骨の折れる相手であることは間違いない。迅速に片付け、あの歪虚の相手をするメンバーの援護を彼女は考える。
向こうでは、ヤギ雑魔達が足で地面を鳴らし、主である歪虚の指示を待っていた。
その前に、仙堂 紫苑(ka5953) 、セルゲンが立つ。
「システム正常、戦闘データの収集を開始する」
パワードスーツを纏う紫苑は覚醒し、青く変色した瞳でヤギを注視する。牙のような犬歯を現したセルゲンはというと、サバイバルスキルを駆使して足場を確認し、安定した場所を探していたようだ。
「さて。敵は厄介な呪いを使うらしいの?」
バリトンが確認すると、ファリーナが首を縦に振る。
「聖導士としてのぬしに期待しているぞ。戦場をよく見、わしらを存分に使え」
「はい……!」
緊張した面持ちで、ファリーナはバリトンへと返事した。
それを背で聞きながら、ロックスは全身を包む紫色の炎を、左の瞳へと収束させ、聖剣「カリスデオス」を構える。
「――始めるとしようカ」
その声が発端となり、両者は交錯し始めた。
●
森の中、ヤギの姿をした雑魔が駆け出す。
そこで、バリトンが素早く前へと進み出た。足場の悪さは視覚での確認と暗記によってカバーし、彼は斬龍刀「天墜」を構える。
(木に当たって倒しちまったら、エルフ達には悪いんじゃが……)
今から出す技は味方や周囲の木々をも巻き込んでしまい、乱戦には不向き。
とはいえ、放置すればヤギは余計に木を切り倒してしまう。ならばと、バリトンは先手を打ってダメージを与えるべく、前方のヤギ雑魔を刻む。
ヤギと同時に木々の幹も切り裂かれ、所によっては切り倒されてしまう。エルフに気は引けるものの、抜かれて後ろに行かれるよりはいい。バリトンは出来る限り、疾走する雑魔を叩くことを優先する。
その間に、この場の地形の把握に努めるクオンはマテリアルによる防御膜を作り、敵の攻撃に備えていた。
そして、その間に、兵庫、炎が女歪虚、リンファへと近づく。
話によれば、ヤギ雑魔は猪突猛進で前方に突っ走るだけだったそうだが、歪虚の指示で反転出来るようになっている。それでも、動きは基本直線。脇からならば、奥の歪虚へは比較的たやすく近づくことができた。
「……この間はせっかく見逃してやったのに、また俺の前に現れるか」
全身に血をにじませた傷痕を浮かび上がらせ、兵庫が呼びかける。
「よほど死にたがりのようだな。ならばその願い、叶えてやろう」
「これで終わらせてやるよ! 今度こそ絶対に倒す!!」
炎はすぐに攻撃を仕掛けようとするが……、スキル設定に問題があったらしい。それでも、片目を紅く変色させた彼はバスタードソード「ガラティン」を握りしめ、果敢に歪虚へと斬り込む。
「ふん、本気で倒そうってのかい」
呆れすら浮かべるリンファは、握りしめた拳を炎へと叩きつけてきた。
クオンがそこに迫り、光線を発してリンファと2体のヤギ雑魔を射抜いていく。
そのヤギ雑魔達は、木々すら薙ぎ倒して森の中を走ってくる。
迫り来る敵に対し、足場の安定した場所を見つけたセルゲンは構えを取っていた。彼は動物霊の力を借り、堅甲なる装甲で防御を固めていた。
「誤射されても恨んだりしやない、さくっと頼む……。俺にとどめくれるのだけは勘弁な?」
セルゲンが呼びかけるのは、横で魔導拳銃「イグナイテッド」を構える紫苑、そして、後方のエルフ達だ。
(スピード重視だ。短時間で殲滅せねば)
最も迫る敵へ、紫苑は弾丸を叩き込んでいく。エルフ達もそれぞれ弓矢やエネルギーの矢で援護を行ってくれていた。
そんな仲間達の戦いを、全身を発光させ、長い髪や服をふわりと浮かばせたアズルは聴覚、匂い、そして、これまでに得た経験、勘で把握する。
「大丈夫よ。私とあなたならきっと戦えるわ」
その鳴き声を耳にしながらも、アズルは射程に入ったヤギに向け、魔力を纏わせたラシャをけしかけ、突撃させた。
「このまま、来るわ」
「今だ! 仕留めるゾ!」
アズルに応じたロックスはファリーナと共に、発した光の弾をヤギへと叩きつけて行く。その際、1体の体が揺らぎ、地面へと落ちる前に霧の様に消えて行った。
足元が悪いせいか動きに差はあったが、移動力のかなり大きいヤギ雑魔は、多少の木の根やぬかるみなど気にせず向かってくる。
(押し負けはしない……!)
一番手前のヤギに向け、紫苑は高速で移動して機械槍「タービュレンス」を突き出していく。
突撃してくるヤギ雑魔の背後から、呪いを発する別のヤギの姿がある。
それを盾で受け止めたセルゲンは幾分か、何かが呪いの力を遮ってくれたのを感じた。
妻の加護を感じるセルゲンは敵の角を破壊すべく、祖霊の力を鉄拳「紫微星」に込めて殴りつける。
ぶつかる両者。その剣戟は静かなはずの森にこだましていた。
●
リンファは、歪虚としての力を存分に奮ってくる。
「ほらほら、どうしたんだい!!」
唸りを上げる豪腕、地面を断ち切る蹴り。まともに食らえば、それだけで致命傷は免れない。クオンは魔導銃でその頭や足へと牽制射撃を放つ。
「素直にその首を俺の前に差し出すんだな。そうすれば、痛みもなくその命を終わらせてやろう」
兵庫は敵を広い場所へと誘導すべく挑発を続ける。
また、リンファの繰り出す拳と蹴りを主立って受けていたのは、敵の前に立ち塞がる炎だ。
「お前を倒して、今回の騒動にケリをつけてやる!!」
スキルが使えぬことを悔やみはしていたが、エルフの村の悩みを終わらせる為、そして、自らの雪辱を晴らす為、炎は全力でバスタードソードを振るい、リンファを斬りつけて行く。
一方、ヤギ雑魔を相手にするメンバー達。
突進してくる敵の突撃を紫苑、セルゲンが受け止める。とはいえ、全て塞ぐのは難しい。体へと突き入れられる角による傷を、ロックスを始め支援に当たるファリーナが癒す。
その間に、立ちはだかるバリトンが敵を縦横無尽に切り裂き、アズルが飛ばすラシャ、クオンの飛ばす光線がヤギ雑魔を倒していく。
紫苑は展開した光の障壁で特攻して来る敵を弾き飛ばし、機械槍を突き出して止めを刺す。
すでに、、半数の雑魔が無に帰している。
「ここは自分とセルゲンさんに任せて、獣人型へ」
これなら幾分ハンターが折らずとも問題ないと紫苑は判断し、エルフ達に協力を仰いでから仲間へと声をかけた。
「そうだな、バリトン殿、あちらに合流を」
「うむ、頼んだぞ」
盾でヤギを抑えるセルゲンも告げる。すでに雑魔は半数にまで減っていることもあり、バリトンを始めとしたハンター達は徐々にこの場から離れる。
「全てを処理しようと思っていたわけではないが……」
紫苑は足にマテリアルを込めて再度ヤギ雑魔へと飛び込み、機械槍「タービュランス」で貫く。敵の勢いに彼は負けてはおらず、ヤギの体を完全に貫いた。
傍では、セルゲンが拳を大きく振るい、ヤギの頭を殴り飛ばす。
「今だ。援護を頼む」
そこで、一斉に放たれるエルフの矢。連続してそれらを浴びたヤギが霧散する。ハンター達の布陣はうまく機能しており、殲滅は時間の問題となっていた。
(うまく、乱戦を乗り切れたようですね)
両者の攻撃を意識していたクオンもリンファの対処にシフトしており、魔杖「スキールニル」を振るって氷柱を撃ち出す。
リンファはまだ健在だ。そいつは笑いながら猛然と拳と蹴りを繰り出してくる。
じっと敵の攻撃に耐える兵庫だったが、うまく広い場所まで敵をおびき寄せたこともあり、十文字槍「人間無骨」を大きく振り回して威力を高め、マテリアルを込めたコンボ攻撃を繰り出す。
「お前を倒して、今回の騒動にケリをつけてやる!!」
対する炎も斬りかかりながら、リンファの攻撃を受け止めるが……、やはり、対策は不十分と言わざるをえなかった。その拳をみぞおちや胸へと食らい、吹き飛ばされた炎はぬかるみの上に倒れる。
「く……そ……」
強烈な一撃に炎は意識を失い、がっくりとうなだれてしまった。
雑魔対処メンバーの回復をファリーナに任せ、駆けつけたロックス。炎の回復が間に合わなかったことを悔やみながら、立ち続ける兵庫の為に祈りを捧げて彼の体に光を包んで癒していく。
駆けつけてくるメンバー達。バリトンは剣撃をリンファへと叩き込み、さらに捻りを加えてもう一撃斬りかかった。
「ちっ……」
だが、リンファは血を流しながらも衝撃波を繰り出してくる。
「ラシャ、もし怪我を負ってしまったら直ぐに撤退するのよ。……貴方を亡くしてしまっては、きっと私は生きていけないから」
アズルは大切な家族の身を案じつつも、邪なる気配を発する敵へと告げた。
「知ってる? 目が『視えない』人には、音や匂いが『視える』のよ」
自身の聴覚と勘を頼りに、彼はラシャを飛ばす。『瑠璃石』を司る者として、愛する女王を護る者として、ここで負ける訳には行かない。
まるで暴風のように、女歪虚は森で暴れる。
ただ、暴風もいつか勢いが衰えるもの。それを抑える者の数が増えれば、なおさらだ。
ヤギ雑魔を始末し終えた紫苑も駆けつけ、すでにこの場にいたメンバーと、リンファへの包囲網を作っていく。疲弊したメンバーの代わりと、動物霊の力を借りたセルゲンがリンファの拳を受け止めていた。
「ハァ……ハァ……」
ハンターの連携攻撃に、リンファは息を切らしてきていた。敵はあちらこちらに視線を走らせるが、ハンターの包囲網は厚い。
退路を探して動こうとすれば、バリトンが空間ごと薙ぎ払ってリンファの体を切りつけてくる。さすがに今度はリンファも逃げられずにいたようだ。
そこで、これまで歪虚を抑え、持ち堪えていた兵庫がここぞと仕掛ける。
「これで……、終わりだ」
十文字槍「人間無骨」を真上から振り下ろし、リンファの脳天へと叩きこむ。そいつは、信じられないといった表情で、2、3歩後退して。
「こ、こんなっ……う、ぐああっ……!」
リンファの身が弾け飛び、瞬く間に蒸発してしまう。
「……歪虚とはいえ、鎮魂歌を贈ることくらい許して貰えるだろウ」
敵の消滅を確認したロックスはリュートを取り出し、鎮魂の音色を響かせるのだった。
●
全ての敵がこの場から姿を消したことで、ハンター達はひとまず息を整える。倒れる炎には、ファリーナが介護に当たっていたようだ。
「ラシャ、よく頑張ったわね。貴方のお陰で戦う事が出来たわ、ありがとう」
アズルが礼を言うと、狛犬ラシャは大きく吠えて彼へと寄り添う。
同行のエルフも、脅威がなくなったと喜んでいる。
「皆、疲れただろう。ひとまず、集落に戻ろう」
ハンター達を労うエルフ達。彼らは同時に、いち早く同胞を安心させたいと思いを抱き、帰路を急ぐようその場のメンバーへと促すのだった。
依頼結果
参加者一覧
サポート一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談卓 仙堂 紫苑(ka5953) 人間(クリムゾンウェスト)|23才|男性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2017/02/26 01:27:59 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/02/22 21:02:45 |