祈りの鐘と雪景色

マスター:猫又ものと

シナリオ形態
イベント
難易度
普通
オプション
参加費
500
参加制限
-
参加人数
1~25人
サポート
0~0人
報酬
普通
相談期間
5日
締切
2017/03/02 19:00
完成日
2017/03/17 09:41

このシナリオは5日間納期が延長されています。

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング

 ――開拓地ホープから、少し離れた場所に、『祈りの鐘』と呼ばれる鐘がある。
 聖地リタ・ティトが歪虚に飲まれたことで拠り所を失った巫女達が、辺境の赤き大地に平和が訪れるように、遠き地にいる白龍に祈りが届くように……と願いを込めて建てたものだ。
 いつしかそこは、赤き大地に住まう精霊達に願いを運んでくれる鐘として、信仰を集めるようになっていき……。

 そしていつからか、『祈りの鐘』を鳴らした後、想い人に想いを告げれば恋が叶うとか、想い人と一緒に鐘を鳴らして愛を誓うと、精霊の祝福を受けて、より絆が深まるという噂が立ち、沢山のカップルが集まる場所となっていた。


「族長! 見て下さい! すごい雪ですよ!!」
「……ああ。昨夜から大分冷え込んでいたからな……」
 ホープにあるバタルトゥ・オイマト(kz0023)の執務室。そこの窓を開け放ったイェルズ・オイマト(kz0143)に、難しい顔を向ける。
 こう見えてバタルトゥは寒がりだ。冷たい風が身に染みるのかもしれない。
 それを気にする様子もなくひんやりとした空気を楽しんでいるイェルズに、バタルトゥはため息をつく。
「……お前は雪が降る度喜んでいるな。そんなに珍しいものでもあるまいに……」
「えっ。雪が降ると楽しくないです? 何もかもが真っ白に埋め尽くされるの見ると、俺ワクワクするんですよね」
 目をキラキラとさせるイェルズ。

 辺境の地は、南側にある海沿いの地域はさほどでもないが……冬は寒さが厳しく、雪が降ることもしばしばだ。
 だからこそ、辺境に住む部族の者達は、来る雪の季節に備えて秋のうちに冬越えの準備をする。
 雪に何もかも埋め尽くされて、自然の恵みが期待できない季節もこうして乗り越えてきた。
 辺境では雪は別段珍しくもないどころか冬ならいつでも見られるものだし、どちらかというと嫌がる者が多いのだが……イェルズはそうではないらしい。
 補佐役はもう少年というほどの年齢でもないが、いつまでも子供の心が抜けない。
 まあ、それが彼の良いところではあるし、自分にはないものなのだが……。

「……で、ですね。最近『祈りの鐘』に来る人達が多いんで、皆で雪灯篭作っておきました」
「……雪灯篭……?」
「族長、俺の話聞いてました?」
「……聞いてはいた。だが突飛過ぎて理解が追い付かなかった……」
「だ、か、らー。バレンタインですよー。最近昼夜問わず『祈りの鐘』に礼拝にくる人が増えたんで、雪灯篭作ったんです。折角のデートで、足元見えなくて転んじゃったら悲惨じゃないですか」
「……そうか。イェルズ。お前にもとうとうそういう相手が……」
「あー。違います。残念ながらそうじゃないです。貰ったチョコレートも妹と族長からだけです。って、だからそうじゃなくてですね!!」
 補佐役の言葉。しみじみとするバタルトゥに、つるっと口を滑らせて自爆するイェルズ。
 どうやらイェルズの話によると、バレンタイン効果なのか、最近『祈りの鐘』に来る人が増えているらしい。
 元々精霊達に願いを運んでくれる鐘として信仰を集めている場所だ。
 人が多く訪れれば精霊達も喜ぶだろう、と……ホープにいる者達と白龍の巫女達で、参拝客の為に雪灯篭を作った、と。
 その経緯の報告だったようで……。
「折角人が沢山来てますし屋台とか出したり、ハンターさん呼んでもいいんじゃないかって皆話してたんですが。許可戴けますか?」
「……活性化につながるなら構わん。好きにするといい……」
「ありがとうございます! 皆に伝えます! ……ところで族長は今年のバレンタイン、チョコレートいくつ貰ったんですか?」
「……余計な詮索はしないでいい……。それより窓を閉めてくれ……」
「はーい」
 補佐役のド直球の追及を、書類に目を落としていなしたバタルトゥ。
 族長の春はまだまだ遠そうで……イェルズは小さくため息をついた。

リプレイ本文

「なあ、お前寒くねぇの?」
「寒いのなー。だから暖を取るのなー」
「うおっ!? だからくっつくなって言ってんだろ!」
 黒の夢(ka0187)にむぎゅーと抱きつかれて暴れるスメラギ。
 辺境の地を覆う一面の白。その上でシートを広げてお弁当を食べている彼女。時折スメラギの口にも運んでやっている。
 その横では、ちょっとした修羅場が展開されていた。
「どういうことですか族長!」
「……いや、だからな」
「俺、族長にいい人がいるなんて聞いてませんよ!」
「……誤解だ……」
 バタルトゥに詰め寄るイェルズ。
 それをにこにこと眺めている黒の夢に、スメラギが声をかける。
「……アレ止めなくていいのかよ」
「いいのな。あれは誤解じゃなくて理解なのなー」
 そもそも、この状況を作ったのは黒の夢自身だ。
 バタルトゥの補佐役であるイェルズに、族長やオイマト族のアレコレを尋ねるついでに、つるっと『バターちゃんの妻になる』などと呟いてしまったのである。
 そりゃもう、補佐役としては問い詰めますよね。ええ。
「俺に秘密にするなんてひどいじゃないですか!」
「いや……だから、誤解でだな……他にもいるんだ……」
「はあ!? 黒の夢さん以外にもいるんですか!!?」
 族長の言葉に被せ気味に迫るイェルズ。
 バタルトゥとしては『黒の夢は他に夫がいる』と言いたかったのだが、悲しいかな口下手。致命的に言葉が足りなかった。
 イェルズの中にますます広がっていく誤解。仏頂面だが困惑しているらしいバタルトゥ。族長を助けようにも口の挟みようのないスメラギ。
 混迷を深めていく場。スメラギは、その原因である黒い魔女をちらりと見る。
「なあ。本当に助けなくていいのかよ」
「事実だからいいのな。はい、スーちゃんお茶どうぞなのなー。イェルズちゃんとバターちゃんも飲むのなー」
 将を射んと欲すれば何とやら。外堀から埋めていくのがいいのだ。
 黒の夢はにこやかに皆にお茶を勧める。


「お2人共何だか大変そうだったね」
「……まあ、大首長殿も男だ。色々とあるのだろうさ」
 招待の礼を言いに立ち寄った際、オイマト族の2人が並々ならぬ様子であったことを思い出し首を傾げるジュード・エアハート(ka0410)。
 その理由を、エアルドフリス(ka1856)は長年の経験から察知したらしく……。
 そこに、雪を撒き散らしながら2匹の柴犬が駆け寄って来る。
「わあ、ルチオったら雪まみれじゃない!」
「ミリシュも楽しそうだな」
 主の声に尻尾を振る犬達。4つの目が『遊ぼう!』と言っているようで、エアルドフリスは目を細める。
「雪か。よし思いっきり遊……」
 背中に感じた衝撃で中断される言葉。見ると、満面の笑みのジュードが雪玉を構えていて……。
「エアさん、隙だらけだよ!」
「ほう? 俺に勝負を挑むとはいい度胸だ」
 バチバチと火花を散らす2人。
 柴犬達と共に雪玉を飛ばし合って――。
 一体どれくらいそうしていただろうか。すっかり雪まみれになった2人。そこでエアルドフリスは我に返って青くなる。
 ――そういえば、ジュードは寒さに弱いじゃないか……!
「その、大丈夫かね、無理させとらんか?」
「え? どうしたの急に」
「ジュードは俺と違って丈夫じゃあないだろ。すまんな、つい本気になっちまった」
「いーの。こういうのは手加減なしだから楽しいんだし。それに……寒くなったら温めて貰うし。ね?」
 そう言ってエアルドフリスに抱き着くジュード。
 ジュードの頬を手で包んで、エアルドフリスは白い息を吐く。
「大分冷えてしまっているな。冷え切る前に引き上げるか」
「うん。鐘も鳴らしに行かなきゃね」
 雪の中、微笑み合う2人。お互いの体温が暖かくて――。

 ――こういう仲になって随分経つが、想いが色褪せるどころか年々深くなっていく。
 今年もまた2人一緒にこの場所に来られた。
 その喜びを噛み締めて、また来年も一緒に来られますように……と。鐘の音に願う。


 羊谷 めい(ka0669)とノノトト(ka0553)が一緒に鳴らした祈りの鐘。
 その音は澄んでいて、とても綺麗で……何だか、気持ちを正直に言えと励ましているようで……。
「「あの……」」
「あら。ノノくんからどうぞ」
「あっ。めいちゃんからどうぞ」
 お互いの反応に噴き出す2人。ひとしきり笑った後、めいが目を伏せて続ける。
「ノノくんが怪我をしているのに戦いに行ってしまった時は、本当に、心配だったんですよ……? ……帰ってこなかったらどうしようって」
「めいちゃんが大けがしたって聞いた時、ぼくもどうしていいかわからなくなった。だからその気持ち、わかる。……心配かけてごめんね」
「謝らないでくださいな。ノノくんは、わたしがこの世界でがんばっていこうって思ったきっかけをくれた人、なんですよ」
「それは僕も同じ。めいちゃんや友達が泣いてると、ぼくも悲しいんだ。だから詩天で、頭より体が先に動いて……でも、思い違いしてた。ぼくが酷い目にあったら、泣いちゃう人がいるんだよね」
「素晴らしいことに気づいたんですのね」
「それともう一つ気付いたことがあるんだよ。ぼく、その人に泣いてほしくない。1人じゃ泣かせちゃうから……2人で、泣かないように頑張りたい」
「ノノくんにそこまで思って戴ける方は幸せですわね」
「そう思う!?」
 頷くめい。少年は安心と不安が入り混じった顔をして続ける。
「その人っていうのが……めいちゃんなんだよね」
「あの……わたし、ノノくんと一緒に、隣にいられたら幸せだなあって……そう思ってたんです。いつもじゃなくてもいい、一緒にこの世界を生きられたらって」
 目を丸くする少年に、めいはくすりと笑う。
「わたしの気持ちは、恋……なのでしょうか……? もしそうなら、初恋、ですね」
「あの。じゃあ……ぼくと一緒に確かめてみようよ。この気持ちが何なのか」
 初恋は叶わないというけれど。この人となら、きっと――。
 2人はたどたどしくも、一緒に一歩を踏み出す。


「うん。可愛く出来ました」
 完成した雪だるまを見て満足気に頷く志鷹 都(ka1140)。
 ふと己の手に目を落として……白い雪に浮かび上がる手袋に、ふと懐かしいものがこみ上げる。
 ――まだ年端も行かぬ幼い頃、真っ白になった自宅の庭で、父と雪遊びに興じた。
 その手には、母が編んでくれた手袋があって……思い切り雪だるまや雪うさぎを作った。
 ――上手に出来たわね。
 優しい母の微笑み。髪を撫でる温かな手。
 ……もう会えない愛しい人達。温かさと同時に寂しさが過る。
「ほーら。ハムさま。動いたらダメですの」
「ぐぬぬぬ……冷たいでありますううう!!」
 都の近くから聞こえる賑やかな声。どう見てもチョココ(ka2449)がチューダを雪に埋めようとしているように見えて、天央 観智(ka0896)は恐る恐る声をかける。
「……何してるんです?」
「何ってハムさまでハムだるま作ってるですの」
「そうですか。ハムだるまというよりはハムスターの氷漬けが出来そうですから……雪だけで作りませんか?」
「そうですの? 残念ですのー。ツッキー様、続き頑張るですの」
「分かったッス!」
 ズボッと雪から幻獣王を取り出して観智に渡すチョココ。
 気にする様子もなく、ツキウサギと共に雪だるま作りを再開する。
「ううう。ひどい目に遭ったのですぅ」
「大丈夫ですか?」
「観智、助かったのです! 礼を言うのです! 褒美として我輩の親衛隊に」
「お断りします。それより精霊の話を……」
「あっ! ごはんの匂いなのです!」
 被せ気味にズバッと切り捨てた観智。チューダの興味はすぐ別に移り……そこに通りかかった花厳 刹那(ka3984)に飛びつく。
「きゃあっ! ……って、チューダ? 何してるのこんなところで」
「いい匂いがするのですううう」
「ああ、これ? 屋台で買って来たのよ。チューダも食べる?」
「食べるであります!」
「……随分沢山お持ちですね。これおひとりで?」
「えっ。食べ歩きしてただけだし、太るとか全然気にしないで貰って大丈夫だからね!」
 観智のツッコミに目を泳がせる刹那。彼はくすりと笑うと、近くのベンチに腰掛ける。
「私も屋台で買ってきたものがあるんですよ。どうです? 一緒に食べませんか」
「いい考えね! チョココさんと都さんも食べましょう! いっぱいあるから!」
「食べるですのー!」
「えっ……いいんですか?」
「こういうのは人数が多い方が楽しめますよ。思い出話もね」
 駆け寄って来るチョココ。突然声をかけられて目を丸くする都。
 こういうのは、賑やかな方が楽しいものだ。


「おぉ、積もってんなー! 最近は街暮らしだから懐かしいな」
「あたしの故郷はそんなに雪降らないところだったから何か新鮮だなぁ」
「じゃあさ、なおのこと、誰も踏んでない雪とか踏んでみたくならなかったか? こういうの見るとつい……って、デート中だからやらないぞ?」
「あはは。別にやってもいいよ」
 雪にはしゃぐテオバルト・グリム(ka1824)に微笑む柄永 和沙(ka6481)。
 普段忙しくて、一緒に過ごせる時間が少ないから……お互いが隣にいることをとても幸せに感じる。
 ……のだが、和沙としてはこう、甘えたいのに恥ずかしさが先に立ってしまうと言うか――。
 こうして何気なく手を繋いで来たり、さらっと『一緒に鐘を鳴らそう!』なんて言えてしまうテオバルトが凄いっていうか尊敬するっていうか好きっていうか……。
「和沙。どうした?」
「えっ? ううん! 雪灯篭が綺麗だなって思って」
「そうだなー。寒くないか?」
「えーと。ちょっとだけ寒いかなーなんて」
「おー。そうかそうか」
 両手を広げたテオバルドはそのまま和沙を己の外套の中に引き込む。
「これなら二人で暖かいだろ」
「あ、うん。でもこれじゃ歩けないよ」
「……ありがとなー」
「何が?」
「お前、恥ずかしがりだろ? だけどちゃーんとこういうの付き合ってくれるからさ。そゆとこ好きだぞ。ああ、勿論それ以外のとこも好きだけどな!」
「な、何言ってんの馬鹿っ」
 耳まで赤くなる和沙にニヤリと笑うテオバルト。
 終始彼のペースなのが悔しくて、和沙はぎゅーっとその身体に抱きついて……。
「あ、あのね。あたしだって好きなんだからねっ……!」
「……はは。そっかー。うんうん」
「何その反応!」
「和沙は可愛いなーと思ってさ」
「……っ!!」
 プルプルしている和沙の髪を撫でるテオバルト。

 鐘に祈るは、ただ一つ。
 ――ずっと、この人の隣にいられますように。

 この時を大切に、また増える想い出を大切に……二人はお互いに、『明日』を願う。


「……子供達が振り回してしまったようですまなかったな」
「えっ? ううん。全然。だって誘ったの私からだし」
 オイマト族の子供達とバトルトゥを外に連れ出し、雪遊びをしたイスフェリア(ka2088)。
 雪だるま作りに雪合戦……遊び倒して疲れてしまったのか、眠そうにしているオイマト族の子供達をホープにあるロッジに連れて行った。
 暖炉に火をくべたあたりで聞こえてきた子供達の規則正しい寝息。
 バタルトゥは変わらぬ仏頂面だが、申し訳なさそうな雰囲気が伝わってきて、彼女はぷるぷると首を振る。
「それにしてもバタルトゥさん、雪合戦も上手なのね。驚いちゃった」
「……そうか? あれは良い戦闘訓練になるからな……」
「遊びが訓練になるの? オイマト族の強さはそこから来るのかな」
 くすくすと笑うイスフェリア。
 最初は寒がっていた族長も、身体が温まって来ると本来の能力を発揮。子供達を次々と雪まみれにしていく様には本当に驚いた。
 最終的にはバタルトゥ1人に対して子供達が総出で対抗していたのだが……それでも負けなかったあたり、流石は辺境の地を背負う戦士と言ったところだろうか。
「バタルトゥさん、少しはゆっくり出来た? いつも忙しそうでしょ」
「……いつも気を遣わせているな。すまない……」
「こういう時は『ありがとう』って言うのよ」
 めっ! と族長を叱るイスフェリア。あ、そうだ……と呟いて、懐から小さな石を取り出して、バタルトゥの手に乗せる。
「これは……?」
「同盟で採れる石なの。本当は子供達にもあげたかったけど、希少で沢山は採れないから。代表でバタルトゥさんにあげる」
「……希少な石なのだろう? 俺が貰ってしまっては……」
「いいの。バタルトゥさんに持っていて欲しいから」
 半透明の赤い石。彼らが生きる大地の平和と、部族の絆を祈って――。
 バタルトゥは少し考えた後、短く礼を述べて……イスフェリアは穏やかに微笑んだ。


「祈りの鐘を想い人と一緒に……なんてロマンチック……! あたしもいつか、素敵なだーりんと……」
「はー。先生達、今日も素敵だったな……」
 はふぅ、とため息をついて鐘を見つめるシアーシャ(ka2507)とエステル・クレティエ(ka3783)。
 お互いに気が付いて、あははは……と微笑み合う。
「エステルさんこんにちは! 一人なの?」
「はい、こんにちは。……ええ。一緒に来たい人はいるんですけど、ちょっと難しくて……」
「えっ。それって何!? 片思い中!?」
「えーと……まあ、何というか、そう、ですね……」
 ずずいっと迫るシアーシャに目を泳がせるエステル。そのまま目を伏せてもう一度ため息をつく。
「本の貸し借りや、チョコレートを渡すだけで精一杯なんですよ。幼馴染なのに……。だから、なんですかね……」
「あー……。近すぎてむしろ近づきにくい感じ? 何か分かるなあ……」
「そう! そうなんです! そんな曖昧な状況で、私の気持ちに気付いて欲しい……は、やっぱり甘えですよね」
「んんん! 揺れる乙女心! 分かる! 分かるわあああ!! 近いからこそままならぬ恋! うわーーん! 切ない!! エステルさん! そういう時は食べよう! 食べるのは幸せだよ! 元気出るよ!!」
 はいっ! と一口ドーナツを差し出してくるシアーシャにくすりと笑うエステル。
 彼女の真っ直ぐな優しさは、何だか心に沁みる。
 ――気持ちに気づいて欲しい。でも、まだ妹に対するみたいな優しさに甘えていたい……。
 自分の気持ちは定まらないけれど。
 でもせめてあの人やシアーシャさん、兄様……色んな形の想いが報われますように。
 そんなことを思いながら鐘を鳴らしたエステル。
 聞き覚えのある声に振り返ると、レナード=クーク(ka6613)とイェルズが雪だるま作りに興じていた。
「一面真っ白の世界って、本よりもずっと……綺麗な景色なんやねぇ」
「ええ。雪って一口に言っても色々ありますしね」
「雪降った場所に来たの初めてやから、驚くことばっかりやわぁ」
「雪だるまもバランス良く作るの結構難しいんですよー」
 そう言いながらも器用に雪灯篭を作り上げるイェルズ。その形の良さに、シアーシャは目を丸くする。
「えっ。これイェルズさんが作ったの!?」
「あ、シアーシャさん、こんにちは」
「こんにちは! イェルズさん相変わらず器用だね」
「族長に比べたらまだまだですよ」
「こんなに灯篭作ってどうするの?」
「祈りの鐘に来る人達に喜んで貰えたらいいなと思って。レナードさんに作り方教えてたのもあるんですけど」
「お陰様で雪兎と雪だるまは完璧ですねん」
 にこにこと笑うレナード。思い立って、頑張って作った雪だるまと雪兎を写真に収める。
 友達に、沢山写真を撮って帰ると約束した。
 これはレナードが作ったと言ったら、どんな反応をするだろう。喜んでくれるだろうか。
 あの人に喜んで貰う為に、もっともっと、素敵な景色を探さなくては……。
「そっかー。人の為に頑張ってるんだね。イェルズさんもレナードさんも優しいね!」
「いやいや。そんなことないですよ!」
「僕も友達との約束を果たしてるだけやし……」
 シアーシャに感心されて、しきりに恐縮する2人。
 レナードは初めて会ったが男前だし、イェルズは前より大人っぽい雰囲気になった気がする。
 うん。世の中素敵な王子様がいっぱいだ!
 いつか私も……! と考えていたシアーシャ。そこに雪玉が飛んできて、イェルズに当たった。
「わぷっ!? エステルさん、何するんです!?」
「もう! ちょっと似てるんですよ! 良い人でちょっと鈍くて、でも結局モテるんでしょ? って感じさせるところが!!」
「えっ。何の話です!?」
「イェルズさんの馬鹿ーーー!!」
「えっ。えっ!?」
 猛然とイェルズに雪玉をぶつけるエステル。シアーシャの頭の上には『?』マークが浮かんで、レナードの目がきらりと輝く。
「ん? エステルさんの片思い相手ってイェルズさん……? あれ? でも幼馴染って……んん?」
「これが噂に聞く雪合戦ってやつやね! 僕もやらへんと……!」
 飛び交う雪玉。飛び交う誤解。
 ――これをきっかけに、童心に返ったハンター達の雪合戦の始まった。


「雪か……。雪は良いものだ。どんな奴にも等しく夢を見せてくれるからな」
「そうね。何もかも白く埋め尽くして……癒されるわ」
 誰もいない雪原。あるのは並ぶ雪灯篭。
 一面の白の中に立つゼクス・シュトゥルムフート(ka5529)は、まるで雪に浮かぶ炎のようで、フィルメリア・クリスティア(ka3380)はため息をついて遠い目をする。
「……ここに来るのもほぼ一年ぶりかしらね」
「もうそんなに経つか?」
「そうよ。あっという間よね」
「そうだなぁ。確か去年は……」
 言いかけたゼクスの顔を引き寄せるフィルメリア。
 一瞬目が合って――そのまま、そっと唇を重ねる。
「……はい。私からのプレゼント」
「まさかフィルから不意を突かれるとは思わなかったな」
「本当は何か贈り物を用意したかったんだけど……まぁ、こっちの方がいいかなって気がしてね」
「こういうサプライズは大歓迎だ。じゃあ、俺からも一つサプライズと行こうかね」
 ニヤリと笑うゼクス。妻の腰に腕を回して、耳に口を寄せて囁く。
「ゼクス。今の名は……」
「ああ、俺の本名。……ずっと教えようと思ってたんだがな。色々あって言えず仕舞いだった。隠してて悪かったな」
「何だそんなこと? 別に気にしないわ」
「は? 割と重大な秘密だと思うぜ、これ」
「そう? だってゼクスはゼクスだもの。名前くらい微妙な誤差の範囲でしょ」
 さらりと言うフィルメリアにあんぐりと口を開けるゼクス。
 一瞬の沈黙の後、ぷっと噴き出す。
 ――彼女はいつもそうだ。繊細なようでいて、こういうところで驚く程の芯の強さを発揮する。
 俺は、この氷の女王を守っているようで、実は掌の上で踊らされているのかもしれないな……。
「……何がおかしいの?」
「いんや。奥様、俺にもう一度さっきのプレゼントをくれないか?」
「調子に乗らないの」
 咎めながらも、フィルメリアの瞳は優しくて――。
 夫の背にそっと腕を回して、また2人の影が重なった。


「初めまして! ふっふー、今日はなんとチューダ様にチョコレートを持ってきました!」
「おお! 素晴らしいのです! どんどん持って来るのです!!」
「先生、ハムスターなのにチョコレート食べて大丈夫なんですか!?」
 ぺこりと頭を下げたノワ(ka3572)に目を輝かせるチューダ。
 心配そうな雪都(ka6604)に、幻獣王はちちち、と錫杖を振る。
「雪都。我輩は幻獣。しかも幻獣王なのです。チョコレートは幻獣の毛並みにいいのですよ!」
「そうだったんですか……! 先生にはちゃんとお考えがあるんですね! 流石です……!!」
 チューダの言葉に感動しつつすかさずメモを認める雪都。
 これ絶対嘘っていうか絶対幻獣王限定の話だし、騙されてると気付くところなのだが、雪都はチューダを『先生』と崇め奉って妄信している為残念ながら気づかないようで……。
「私、前々から大幻獣というものに興味があったんです! 私の薬がどこまで効くか……あっ。何でもないですよ? えへへ」
「それ本当に大丈夫なんですか……?」
 さらっと不穏なことを呟いて全力で誤魔化したノワに呆れたような目線を送る雪都。
 実はこのチョコレート、完成までに3回ほど爆発している。
 溶かして固めて企業秘密的な薬をたんと入れただけなのだが。
 世の中不思議がいっぱいである。
 ……っていうかそれ、間違いなく企業秘密的なアレのせいですよね!!?
 だが残念ながらそこは幻獣王。目の前のチョコに釣られて全く聞いていなかった。
「ささっ! 召し上がってください!!」
「戴くのでありますー!!」
「こんな怪しげなものまで喜んで受け取るなんて……! さすが先生! 懐が広い!!」
 ノワが差し出したお菓子のようなものに飛びつくチューダ。その様子を見ながら雪都が感動の涙を流している。
「雪都さんも良かったらどうぞ! 人間には害はないと思います。多分!」
 無邪気な笑顔でチョコを差し出すノワ。
 『人間には』とか『多分』とか次々と不穏なワードが飛び出して一瞬悩んだ雪都だったが、『先生と同じチョコを食べられる』という魅力には勝てなかった。
「……ノワ。何だかこれすごいスパイシーな味がするのですよ」
「すごいビターなチョコですね……」
「おお! 幻獣と人間とだと味の感じ方が違うんですね! 興味深い!!」
 チューダと雪都の感想に目を輝かせるノワ。
 弟子と研究者の知的探求心を満たす休日はまだまだ続く。


「バタルトゥさん見てください! 雪です! ふわふわです!」
「……エステル。そんなに走ると転ぶぞ……」
 白いドレスに白いコートで、まるで雪兎のような青髪のエステル・ソル(ka3983)。
 ずっとずっと、バタルトゥに笑顔作戦を仕掛けている彼女。
 どうしたら族長が笑ってくれるかと考えて……きっと、『特別な好き』が必要なのだと思い至った。
 そこでエステルはお友達に『特別な好き』について聞いて色々な答えを貰ったけれど。どれ一つとしてピンとくるものがなかった。
 エステル自身、まだ『特別な好き』を知らないからかもしれない。
「バタルトゥさんは『特別な好き』を知っていますか?」
「……? それはどういった類のものだろうか」
「あっ。えっと……人です。特別好きな人はいますか?」
「……一族の皆は家族同然で大事だが」
「それも特別ですけど、そうじゃないです。特別好きな女の人です」
「………以前はいたが。なくしてしまった」
 少し考えた後、口を開いたバタルトゥ。
 その返答にエステルは目を見開く。
 『以前はいた』ならきっと彼は笑顔になれるはずだ。その事実に喜ぶべきなのに。
 ――その『特別な人』はどんな人だったのだろう。
 そして、この胸の痛みは……?
 考え込む少女。ふと、彼に渡すものがあったことを思い出して顔を上げる。
「あ、バタルトゥさん。これあげるです。バレンタインのプレゼントです」
「……わざわざすまんな」
 バタルトゥが差し出した手。触れる指先。
 その瞬間、少女の心臓がとくりと跳ねて――。

 ――向き合って、胸がきゅんっとしたらそれが特別ですよ。

「……わたくし、分かったかもしれません」
「何がだ……?」
「秘密です! バタルトゥさん、お散歩の続きするです!」
 不思議そうな様子のバタルトゥ。頬を薔薇色にそめて、にこにこと笑うエステル。
 気づき始めた淡い想い。それを大切に抱きしめて……少女は、素敵なレディになっていくのかもしれない。


 闇に浮かぶ雪灯篭。
 仄かな灯りが風に揺れる度に、一面の白もそれに合わせて揺れているように見える。
「なあなあ、綺麗だなー。きょーや」
「そうだな……。去年も見たが、今年はまた格別に美しい」
「うん。……って、あっち!!」
「大丈夫か? お前は猫舌なのだからゆっくり冷ましながら飲まないと……」
「分かってるよー」
 両手で包むように器を持ち、涙目でふーふーと飲み物を冷ましている綿狸 律(ka5377)。
 その姿が愛らしくて、皆守 恭也(ka5378)の顔が綻ぶ。
 去年も、こうして2人でここに来て共に鐘を鳴らした。
 以前来た時より少しつづ、確実に変化した関係。恋人となり、両親の許可を得て許嫁となり……。
 それでも、この先も変わらずに。
 ずっと共に在れるよう――鐘に願いを込めた。
「オレ、きょーやが浮気しませんよーにって鐘にお願いしたんだけど、きょーやは何を願ったんだ?」
「……ほう? 許嫁殿は俺の気持ちを疑っているのかな?」
「ち、違うよ! ただ、きょーやカッコいいからさ……こう、女子にモテるんじゃねーかなーって……」
「お前以外に興味はない」
 モゴモゴと歯切れ悪く呟く律にズバッと返す恭也。
 律は耳まで赤くなって、許嫁にくっつきたい衝動にかられるも恥ずかしすぎてままならず、たしたしと恭也を叩く。
「何だ? 甘えたいなら甘えていいんだぞ?」
「ちっ、違……わねーけど……」
 恭也に髪を梳かれて大人しくなる律。
 いつもこうだ。恭也には勝てない……。
「これから幾多の困難があるだろう。戦も激しさを増していくに違いない。それでも……だからこそ、ずっと共に。俺はそう願った。心配するな。何があっても、俺はお前の懐刀だ」
「うん……」
 許嫁の手に己の手を重ねて微笑む律。恭也も笑みを返す。
「折角来たんだし、景色楽しもうぜ!!」
 朱に染まった頬を誤魔化すように、律は雪景色を見つめ……。恭也は景色より、隣の許嫁ばかり見つめていた。


「ソティスさんとはお付き合いは長いのに、こういう場でご一緒するのは初めてでしたか?」
「ああ、そういわれてみればそうかもしれん。……ところで、本当に大丈夫なんだろうな。自由の鐘ではないんだな?」
「大丈夫だよ。ここは辺境の観光地みたいなものだから」
 どこか楽し気に雪を踏みしめるアデリシア=R=エルミナゥ(ka0746)。
 聖輝節で酷い目に遭わされた一団と名前が似ている為か、周囲を警戒するソティス=アストライア(ka6538)を時音 ざくろ(ka1250)が宥める。
 立ち並ぶ灯篭の明り。白い雪に温かな色が映って――ざくろは頬を緩める。
「綺麗で、暖かな光だよね」
「ええ。久しぶりに辺境の景色を見ましたが、少し懐かしいですね」
 鮮やかな青い瞳に灯りを映すアデリシア。ソティスは頷くと、無言でざくろに包みを押し付ける。
「ん? 何?」
「私から贈り物だ。受け取れ」
「わ。ありがとう! いいの?!」
「ざくろのことだ。また甘味で私を釣るつもりだったのだろう? 先手必勝だ」
「確かにお菓子は用意してたけど……って、これって首輪??」
「うむ。繋ぎ留めんとどこかに行ってしまいそうだからな」
 包みを開けて固まるざくろに、イイ笑顔を返すソティス。それに、アデリシアが目を輝かせる。
「あら素敵。いい考えですわね。私も後で首輪をお渡ししようかしら」
「ああ、そうするといい。他の者達にも教えてやろう」
「ふふふ。ざくろさんの首に一体いくつ首輪がつくんでしょうね……?」
「首がいっぱいになったら手錠という手もあるな」
「足枷も素敵ですね」
「えっと、あの……」
 不穏な会話をする女性陣に目が泳ぐざくろ。
 彼の恋人達なら本当にやりかねないから洒落にならない。
 よし。ここは鐘の力を借りて素敵なムードに変えよう!
「あ、あのさ。折角だし鐘を鳴らして……」
 そこまで言いかけたざくろ。足元の違和感。ツルッという感覚と同時に、白い雪が目の前に迫って――。
「いたたた……」
 凍結した雪で足を滑らせたらしい。起き上がるべく手をついて……あれ。何だろうこの雪。暖かい。何だか柔らかいしいい匂いもする……。
「ざくろ。こんなところで押し倒すとはいい度胸だな?」
「えっ!? わああああ! ご、ごめん!」
「もう。そういう事がしたいんですか? でもここでは駄目ですよ?」
「ち、違っ……! いやそういう事したくない訳じゃないけど……!!」
 ソティスとアデリシアを器用に押し倒す形となって慌てるざくろ。
 女性陣はにーーっこりと微笑むと、彼を助け起こして雪を払う。
「そういう事がしたいんでしたら、早く戻りましょうか」
「そうだな。鐘を鳴らした後は……覚悟しろよ、ざくろ」
「えっ。えええええ」
 困惑するざくろ。相変わらずのらきすけ体質だが、彼らしいと言えばそうなのかもしれない。
 鐘を鳴らすと、ソティスとアデリシアは彼の腕を取って歩き出す。
 ――3人の夜はまだ始まったばかりだ。


「僕は幾つか感謝を捧げましたが……。刹那さんは?」
「今度は恋人と来たいなーって。今回は残念ながら用事で来られなかったから」
「そうですか。叶うといいですね」
「ありがとう。観智さんも何かお願いすればいいのに」
「僕は知識欲が満たせればそれでいいですし」
「そーれ! 皆の幸せをお願いするですのーー!!」
 迫る宵闇。火が点る雪灯篭。順番に鐘を鳴らしながら、そんな会話をする観智と刹那。
 その後に続いたチョココが、フルスイングで鐘を鳴らして――近くにいた者達が悶絶する。


 都の手には先日届いた記念写真。
 そこにある沢山の仲間達の笑顔。
 ハンターとなって漸く見つけた、暖かな居場所――。
 見ているだけで、微笑みと涙が溢れて来る。

 ――あとどれだけ皆と一緒に居られるだろう。
 願わくばいつまでも、皆と一緒に居たい……。
 そんな願いを乗せて、都は鐘を鳴らした。

依頼結果

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参加者一覧

  • 黒竜との冥契
    黒の夢(ka0187
    エルフ|26才|女性|魔術師
  • 空を引き裂く射手
    ジュード・エアハート(ka0410
    人間(紅)|18才|男性|猟撃士

  • ノノトト(ka0553
    ドワーフ|10才|男性|霊闘士
  • Sanctuary
    羊谷 めい(ka0669
    人間(蒼)|15才|女性|聖導士
  • 戦神の加護
    アデリシア・R・時音(ka0746
    人間(紅)|26才|女性|聖導士
  • 止まらぬ探求者
    天央 観智(ka0896
    人間(蒼)|25才|男性|魔術師
  • 母のように
    都(ka1140
    人間(紅)|24才|女性|聖導士
  • 神秘を掴む冒険家
    時音 ざくろ(ka1250
    人間(蒼)|18才|男性|機導師
  • 献身的な旦那さま
    テオバルト・グリム(ka1824
    人間(紅)|20才|男性|疾影士
  • 赤き大地の放浪者
    エアルドフリス(ka1856
    人間(紅)|30才|男性|魔術師
  • 導きの乙女
    イスフェリア(ka2088
    人間(紅)|17才|女性|聖導士
  • 光森の太陽
    チョココ(ka2449
    エルフ|10才|女性|魔術師
  • 力の限り前向きに!
    シアーシャ(ka2507
    人間(紅)|16才|女性|闘狩人
  • 世界より大事なモノ
    フィルメリア・クリスティア(ka3380
    人間(蒼)|25才|女性|機導師
  • ドキドキ実験わんこ
    ノワ(ka3572
    人間(紅)|16才|女性|霊闘士
  • 星の音を奏でる者
    エステル・クレティエ(ka3783
    人間(紅)|17才|女性|魔術師
  • 部族なき部族
    エステル・ソル(ka3983
    人間(紅)|16才|女性|魔術師
  • 紅花瞬刃
    花厳 刹那(ka3984
    人間(蒼)|16才|女性|疾影士
  • 仁恭の志
    綿狸 律(ka5377
    人間(紅)|23才|男性|猟撃士
  • 律する心
    皆守 恭也(ka5378
    人間(紅)|27才|男性|舞刀士
  • 【ⅩⅢ】死を想え
    ゼクス・シュトゥルムフート(ka5529
    人間(蒼)|25才|男性|機導師
  • 《大切》な者を支える為に
    和沙・E・グリム(ka6481
    人間(蒼)|18才|女性|疾影士
  • 白狼は焔と戯る
    ソティス=アストライア(ka6538
    人間(蒼)|17才|女性|魔術師
  • チューダの弟子
    雪都(ka6604
    人間(蒼)|19才|男性|符術師
  • 夜空に奏でる銀星となりて
    レナード=クーク(ka6613
    エルフ|17才|男性|魔術師

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ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2017/03/02 05:02:11