ゲスト
(ka0000)
【陶曲】ぜんらぜんらぜんら!
マスター:深夜真世

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~6人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2017/03/22 19:00
- 完成日
- 2017/04/06 23:47
このシナリオは5日間納期が延長されています。
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
ここは冒険都市「リゼリオ」の街角、どこぞの喫茶店。
「さて、リアルブルー風喫茶ということだが……」
「いらっしゃい」
イ寺鑑(kz0175)が入店したとき、店内には中年男性のマスターと何人かの客がいた。マスターと親しいとおぼしき中年男性客数人がカウンター席に座り、テーブル席には恋人たち。ヘッドフォンから音楽を聴く客も多い。
「リアルブルー風喫茶、ってのは何のこだわりだ?」
鑑、テーブル席に座りつつウエイトレスの女性に聞いてみた。
「私は知らないんですけど、ロックなんですって」
「なんで素直にロック喫茶じゃないかなあ」
確かにリアルブルーの古いロックミュージシャンのポスターが張り巡らされているが、と鑑。
「アイドルでも演歌でも何でもいいんだよ。ただ、ふるさとの音楽が忘れ去られないように、な」
聞こえたのだろう。カウンターからマスターの声。「音楽喫茶とかじゃカラオケ喫茶と間違われるしな」、「そうそう、別にここで演奏するわけでもないし」などとカウンターの常連客たち。
「なるほど」
納得してコーヒーを注文する鑑。店内を見るとポスターのほか、ギターやマイクスタンド、サックスにタンバリン、三味線に剣詩舞用の模造刀なども飾られていた。
とにかく雑多である。
メニューにもじっくりと目を落としてみる。
紅茶もある。ココアもある。
緑茶なんかはないが、紅茶やコーヒーの専門店で味にとことんこだわっているなどではなさそうだ。
ここなら、あるいは――。
「店長」
がた、と立ち上がる鑑。
「どうしました、お客さん」
「もしも良ければ、『白茶』を取り扱ってみないか?」
意を決して話してみた。
「ん? ぱいちゃ?」
マスター、首をひねる。
実は鑑。農業推進地「ジェオルジ」の片田舎、タスカービレという小村で東方風村作りを手伝っている。戦艦サルヴァトーレ・ロッソの戦線投入により一般人が下船したが、そのときの移民受け入れに挙手した村の一つである。人口流出が深刻だった村で、東方風推進のため日系や中華系のロッソ人を熱心に受け入れた。新芽を使う高級茶葉「白茶」は、人口流出の一因だった新種の茶葉開発の失敗を逆手に取り、芽の付きはいいが育たない特徴を生かしたもので、今では安定生産を続け街角屋台「Pクレープ」に卸すなどしている。
閑話休題。
「いや、ちょっとこれ以上ごちゃごちゃするのはなぁ」
断られた。
「そうそう。ここには出してないが奥にはコミックバンド用に『まるごとぜんら』とかため込んでるしなぁ」
「リアルブルー風とかイキがってるが今じゃすっかりこっちに染まっちまって」
「いや、『まるごとぜんら』でこっちに染まるとかこっちの人に失礼だろう」
がはは、と笑いの巻き起こるカウンター席。「出ましょう」とカップル客がそそくさと勘定を済ませ出て行ったとおり、まあ失礼なジョークではあった。
「そうですか」
肩を落とす鑑。
コーヒーを飲んで辞した。
後日。
「今回は手分けしてこの『白茶』と『白ワイン「レ・リリカ」』を取り扱ってくれる店をリゼリオで探してもらいたい」
鑑、ハンターオフィスに依頼を出してハンターを雇った様子。集まったハンターに白茶とレ・リリカについて簡単に説明する。
「大丈夫。モノはしっかりしている。証拠に、最近ハンターズソサエティにも仕入れてもらってショップの同盟コーナーに並べてもらっている」
実際には、【同盟】エリア特別アイテム中の「同盟銘酒セット」、「同盟のお茶会セット」にそれぞれ含まれている(※依頼募集中の時点で)。
集まったハンターたち、それぞれ頷いた。
その時だった!
「う、うわあ! まるごとぜんらが動いてるっ」
「暴れまるごとぜんらだぁぁ!」
近くのリアルブルー風喫茶からマスターや常連客などが慌てて出てきた。先日、鑑が訪れていた喫茶店だ。続いて、一糸まとわぬまるごとぜんらが続々出てきた。その数、七体。
「マスター? 知らない仲ではない。助けます」
鑑、すぐさま動いて一体の相手をする。まるごとぜんら、コミックバンドが使っていたせいかミュージシャンジャンプをするなど軽快である。
とにかく、まるごとぜんらを倒すのだ!
「さて、リアルブルー風喫茶ということだが……」
「いらっしゃい」
イ寺鑑(kz0175)が入店したとき、店内には中年男性のマスターと何人かの客がいた。マスターと親しいとおぼしき中年男性客数人がカウンター席に座り、テーブル席には恋人たち。ヘッドフォンから音楽を聴く客も多い。
「リアルブルー風喫茶、ってのは何のこだわりだ?」
鑑、テーブル席に座りつつウエイトレスの女性に聞いてみた。
「私は知らないんですけど、ロックなんですって」
「なんで素直にロック喫茶じゃないかなあ」
確かにリアルブルーの古いロックミュージシャンのポスターが張り巡らされているが、と鑑。
「アイドルでも演歌でも何でもいいんだよ。ただ、ふるさとの音楽が忘れ去られないように、な」
聞こえたのだろう。カウンターからマスターの声。「音楽喫茶とかじゃカラオケ喫茶と間違われるしな」、「そうそう、別にここで演奏するわけでもないし」などとカウンターの常連客たち。
「なるほど」
納得してコーヒーを注文する鑑。店内を見るとポスターのほか、ギターやマイクスタンド、サックスにタンバリン、三味線に剣詩舞用の模造刀なども飾られていた。
とにかく雑多である。
メニューにもじっくりと目を落としてみる。
紅茶もある。ココアもある。
緑茶なんかはないが、紅茶やコーヒーの専門店で味にとことんこだわっているなどではなさそうだ。
ここなら、あるいは――。
「店長」
がた、と立ち上がる鑑。
「どうしました、お客さん」
「もしも良ければ、『白茶』を取り扱ってみないか?」
意を決して話してみた。
「ん? ぱいちゃ?」
マスター、首をひねる。
実は鑑。農業推進地「ジェオルジ」の片田舎、タスカービレという小村で東方風村作りを手伝っている。戦艦サルヴァトーレ・ロッソの戦線投入により一般人が下船したが、そのときの移民受け入れに挙手した村の一つである。人口流出が深刻だった村で、東方風推進のため日系や中華系のロッソ人を熱心に受け入れた。新芽を使う高級茶葉「白茶」は、人口流出の一因だった新種の茶葉開発の失敗を逆手に取り、芽の付きはいいが育たない特徴を生かしたもので、今では安定生産を続け街角屋台「Pクレープ」に卸すなどしている。
閑話休題。
「いや、ちょっとこれ以上ごちゃごちゃするのはなぁ」
断られた。
「そうそう。ここには出してないが奥にはコミックバンド用に『まるごとぜんら』とかため込んでるしなぁ」
「リアルブルー風とかイキがってるが今じゃすっかりこっちに染まっちまって」
「いや、『まるごとぜんら』でこっちに染まるとかこっちの人に失礼だろう」
がはは、と笑いの巻き起こるカウンター席。「出ましょう」とカップル客がそそくさと勘定を済ませ出て行ったとおり、まあ失礼なジョークではあった。
「そうですか」
肩を落とす鑑。
コーヒーを飲んで辞した。
後日。
「今回は手分けしてこの『白茶』と『白ワイン「レ・リリカ」』を取り扱ってくれる店をリゼリオで探してもらいたい」
鑑、ハンターオフィスに依頼を出してハンターを雇った様子。集まったハンターに白茶とレ・リリカについて簡単に説明する。
「大丈夫。モノはしっかりしている。証拠に、最近ハンターズソサエティにも仕入れてもらってショップの同盟コーナーに並べてもらっている」
実際には、【同盟】エリア特別アイテム中の「同盟銘酒セット」、「同盟のお茶会セット」にそれぞれ含まれている(※依頼募集中の時点で)。
集まったハンターたち、それぞれ頷いた。
その時だった!
「う、うわあ! まるごとぜんらが動いてるっ」
「暴れまるごとぜんらだぁぁ!」
近くのリアルブルー風喫茶からマスターや常連客などが慌てて出てきた。先日、鑑が訪れていた喫茶店だ。続いて、一糸まとわぬまるごとぜんらが続々出てきた。その数、七体。
「マスター? 知らない仲ではない。助けます」
鑑、すぐさま動いて一体の相手をする。まるごとぜんら、コミックバンドが使っていたせいかミュージシャンジャンプをするなど軽快である。
とにかく、まるごとぜんらを倒すのだ!
リプレイ本文
●
「え? どこから来たのか聞かれたからとりあえず土管からって……」
これが、超級まりお(ka0824)の返事だった。
皆が待ち合わせ場所に行ったところ、先にいたまりおがおばあさんと話していた。で、別の場所におばあさんが行ったので何を話していたのかと聞いたところ、そう答えた。
「そのおばあさん、『私も土管で別の世界に』とか言ってたぞ!」
イ寺鑑(kz0175)、すれ違った時にぶつぶつ言ってた独り言を聞いていたようで。
「おばあさん、いろいろ大丈夫かなぁ?」
「そういえばあちらの空き地に土管があったな」
もしかして徘徊じゃないかなぁとか思うウーナ(ka1439)に、おばあさんの立ち去った方を見て頷く雪継・白亜(ka5403)。
「ほー。土管からお迎えが来るんか。便利になったもんじゃわい」
「……別にあの世にステージがつながってるわけじゃないんじゃないかなぁ?」
かかか、とすっとぼけたことを言う婆(ka6451)。狐中・小鳥(ka5484)はその横で汗たらり。
「……」
当のまりおは気まずそうに視線を逸らせている。ごまかしても駄目だよ、あんたの冗談が原因だよ。
「大丈夫ですよぅ。そのお婆さん、酔って休憩してますぅ」
そこに、足取り軽く星野 ハナ(ka5852)がやってきた。
よっこいしょと休憩して「土管は明日にしようかのぅ」とか言ってたようで。
「それにしてもどうして酔ったの?」
「街ゆく人に飲んでもらって商品アンケートしようと思いましたからぁ。ほら、街の人は水袋から注がれるのは抵抗感がありそうな気がしましてぇ」
ウーナが聞くとうふふとハナ。事前に用意していた白茶とワインを詰めたスキットルを見せる。
「……白茶を勧めなかったんだね」
「まあ、選べと言われりゃわしでも酒を所望するのぅ」
鋭い指摘をする小鳥の後ろで婆が豪快に笑う。
「えーと、まさかこんな騒ぎになるとは……」
なぜこんなことに、な感じなまりお。
「まあいい。これで全員そろった」
鑑、改めて仕切り直し、「今回は手分けしてこの『白茶』と『白ワイン「レ・リリカ」』を……」とか「大丈夫。モノはしっかりしている」とか説明。
「では始めよう。特産品の取り置き先の探索だったな」
そして白亜が振り返って言った時だった!
「う、うわあ! まるごとぜんらが動いてるっ」
「暴れまるごとぜんらだぁぁ!」
近くのリアルブルー風喫茶からマスターや常連客などが慌てて出てきた。続いて、一糸まとわぬまるごとぜんらが続々出てきた。
わざわざ大股開きジャンプとかエアギター弾いたりとかしているぞっ!
●
「ぜんらぜんら…ぜんぜんぜんら……」
あまりの衝撃的展開にウーナがエアギターに合わせて口ずさむ!
「……えーと。1裸(ひとら)、2裸(ふたら)……」
まりおは……あれ? ぜんらを見た瞬間視線を逸らせた? ……あ、いや。敵の数を確認。7裸(ななら)まで数える。っていうか、その助数字はなんなのよ!
「ぜんらに襲われたって言うと…何かこう…アレだよね、うん……と、とりあえずは目の前のを何とかするのが先かな?」
小鳥はリアル造形ではなくて良かったと心の底から思いつつ 太刀「蛍丸」を抜刀。
「もっとリアル造形ならやる気が萌え上がったのにぃ~」
おっと。ハナは正反対のようで。
「ほーっ、こんの寒い中服も着んで、元気じゃのう」
婆、何か勘違い。
「…なんなのだこれは…どうすれば……ああ、始末すればいいか」
白亜は表情薄くあきれ顔。一瞬だけ逡巡したが迷いなくカービン「プフェールトKT9」を抜きぶっ放した!
「きゃあぁぁーーー!」
轟く銃声に響く悲鳴。逃げ惑う人たち。
どふっ、と白亜の一撃を食らって仰け反ったたまるごとぜんらがむくりと体勢を立て直す。
その、吹っ飛んだ右肩の中身は空洞だった!
「きゃあああぁー!」
それを見た一般人がまたも悲鳴。崩れた体は見た目グロ。
「しょうがないなー」
これを見たまりおは心の中のBボタンをぽちっとな。ランダ……ビーダッシュで避難民に駆け寄る。
「ハンターだよー。目障りなコイツら排除するんでー、危ないからちょいと離れてー」
「いーや、目障りではございませんわ!」
逃げるだけではなく釘付けになるハナのような女性もいるようで。
「いーから離れて離れてー」
まりお、やれやれな感じでぐいっと女性を引っ張り強制避難。
「コレ、色々ヤバいよね? ……とにかく目の前に見えてるやつを片付けちゃおう!」
ウーナの掛け声で残りのメンバーはぜんらに突撃!
「流れ弾に誰も巻き込まないように……」
2丁拳銃のウーナ、昇竜のチャイナドレスがひらめく。貫通した弾が後ろの人に当たらないようわざわざ接近する。
「ええと……もしかしてぜんらを襲うともいうのかな?」
両手剣を引いて踊るようにステップして敵の前に出る小鳥。こちらは白いチャイナドレス。汗たら~しつつ。
――バンバン、ずぱっ!
「これが青竜紅刃流」
「全裸を切りつけてるといいのがなんか、こう、変な感じだね。感触も含めて」
共に足を狙った。沈めた上半身にひらめくドレスが交差する。ちら見せした太腿がスリットに再び収まるようにジャンプし開けた二人の間に2体のぜんらがどさりと崩れる。
なんとダンサブルな連携。ついでにチャイナドレスなもんだから避難する人もつい足を止めていたり。
「おお!」
「カッコいい!」
ぜんらの方もコミックバンド用だったからか、リズムがいい。やられているがキリキリまったり跳ねたりとノリがいい。
そしてもう一人、ノリのいい人。
「ははあ、裸に見える服なんかいの。それなら婆も納得じゃあ」
婆、さっきまで「最近の若いモンは不思議な身体をしとるのう。なんぞこう、肉のつき方が…」などと真に受けていた分遅れたが、崩れた体や避難民の反応を見てようやく理解した。
そして理解すると後は手加減がない!
「ふぇっふぇっ、儂の拳骨は痛いぞお?」
婆、婆殴るで、殴る!
「ん、この位置なら纏めていけるかな? 全部切りつけちゃうんだよー!」
ウーナとの連携の後、次の敵に狙いを定めた小鳥が見えた。
「そこかえ? そんじゃも一つ痛いぞお?」
ぼぉん、ともう一体を婆ぶっ飛ばすで婆、ぶっ飛ばす!
「終演は近いんだよ!」
小鳥、婆に並べてもらった敵を縦横無尽でぶった斬り。
一方のウーナ。
続けて背後に回ったぜんらを撃っている。
「ぜんらに遅れとったら師範の恥だもんね!」
ダブルファイヤできっちりと敵を仕留める。
ちなみにこの時、白亜。
「おかしい、予定ではお茶や菓子を楽しみつつ、卸先を見つける予定だったのだが…どうしてこうなった…」
解せぬ、な感じで遠い視線。
いや、はっと我に返った。
「ネェちゃんもっと足上げてや~」
小鳥とウーナに見惚れ、逃げない人たちに気付いたのだ。
「いいから避難するがいい」
助平心を出していた者には容赦なく銃口を……いやいや、怖い顔をして退散させたり。
あれ。ハナは?
時は動き出しの時までさかのぼる。
「べ、別にグロっぽくやられてるぜんらにみとれてたわけじゃないですよぅ~」
一瞬、動きを止めていたのはどうやら世にも珍しい光景をしっかり目に焼き付けておこうとしていたわけではな……そういうわけだったようで。
「即座にぶっ殺ですぅ」
陰陽符「伊吹」を掲げ、いま、五色光符陣!
「しかも連弾ですよぅ」
続けて五色光符陣、五色光符陣!
光がまばゆく明滅する。
つまり、ウーナと小鳥のチャイナドレスコンビのダンサブルな接近戦が、エアギターするなどコミカルなぜんらの動きが、遠くを見やり茫然とする白亜の幸薄そうな表情が、拳を叩き込んで振り返った婆のどや顔ドアップが……。
すべて、乱舞する光の中で繰り広げられていたのだ。
まさに戦うダンスホール状態。
逃げる人が足を止めても仕方のない面があったかもではあった。
それでもとにかく、通りに出たぜんらは全滅。
「なんだかなぁ」
一体を屠り店長を助けた鑑、予想外の戦闘に愕然としていたり。
いや、店長が何か言っている。
「ぜんら……何体あった?」
「え?」
見返す鑑。そして皆を見る。
が、誰も何も言わない。
否、この人がいた!
「……7裸(ななら)だよ」
まりおだ。帽子のつばに手をやり真顔だ。
鑑、店長を見る。
「全部で9体いたはずだ」
「…あと2体いる?!」
店長の言葉に周りを見るウーナ。
「ならば騒ぎになっているはずだ……あの格好だからな」
最初から引いた位置にいた白亜、音を頼りにする。が、どこからも悲鳴はない。
「変な所に隠れてないといいんだけどね……いや、隠すところを隠すのは問題ないんだけど……あれ?」
きょろ、と小鳥が路地裏を気にする。というか、自分で何言ってるのか分からなくなりつつありめがぐるぐるな感じに。
「仕方ないのぅ。えっちらおっちら探そうかいのう」
婆が広場の土管……ではなくどこにいったか探しに行こうとした時だった。
「占いは得意ですぅ。ホロスコープスプレッドですよぅ」
ハナ、ミスティックタロットを展開。
「ねえ、どこ行ったか見なかった?」
まりおは周囲に聞き込み。
「身を隠すほどの知恵があるようには見えないけど…」
ウーナは直感視でとにかく探す。
「こっちの方にぜんら来なかったかな? あ、えっと、全裸の人じゃなくてまるごとぜんらだよっ」
小鳥も聞き込み。勘違いされてわたわた手を振って否定している。
「そういえばこのぜんら、何処から出てきたんだろ?」
「……喧噪がない、ということは」
ウーナの言葉に考え込んでいた白亜、はっと顔を上げた!
「きっとあそこですぅ」
その時、ハナが占い結果から最初に出て来た店を指差した。
ばっ、と走る白亜。
窓から見ると、店内に2体のぜんらがぽげ~とカウンター席に足を乗せてリサイタル中……のようなエアカラオケ。床には女性店員が横たわっていた。
この時、カラオケしていたぜんらが白亜に気付いて目元で横ピース。エアウインクした。
「さて……人の憩いも兼ねた時間に、派手に泥をかけてくれた礼をせねばな」
白亜の表情、無表情。問答無用でぱんぱんと足を狙った後に強弾をぶち込み黙らせていった。
「……死裸(しら)に口なし」
まりおもビーダッシュで突入し容赦なく試作光斬刀「MURASAMEブレイド」の錆びにする。
どちらも容赦ない。
●
これで一件落着。
「なかなか、きびしいのぅ……味の方はええんじゃが」
婆が山菜パスタを食べながら、通行人に試飲してもらい価格を告げた手ごたえを放した。
「味がいいって、酒の?」
「うんにゃ、パスタじゃ」
鑑の期待に、すっとぼける婆。
戦闘後、お昼になったので皆でランチをしているのだ。
「ワインの味はいいみたいですよぅ」
ハナもスキットルから通行人に汲んで飲んでもらった様子。彼女はミートパスタを食べている。
「厳しいのは、価格じゃの」
「安売りしたいわけじゃないしねー」
婆に続いて、小鳥のため息。パスタくるくる。タスカービレには深くかかわっている。利益を生まない取引ができないことは熟知している。
「助けた店長さん、力になりたいのはやまやまだけどしばらく店はできないだろうって」
ウーナ、もぐもぐやりつつフォークを持った手で指を立てつつそんな話。
「困ったねー」
まりおはキノコパスタをもぐもぐ。
そこへ、白亜が席に戻ってきた。
「この店もだめだな。仕入れ価格がよほど良くないか、よほど高品質化でないと厳しいぞ」
やがて午後三時に。
今度は一行、喫茶店に入っている。
「そういえばぁ、まりおさんって、ぜんら見て気まずそうな顔してましたぁ」
ハナ、ケーキフォークを入れつつまりおを見る。
「そういえばそうじゃのぅ。なんぞあったんか?」
婆、クッキーを紅茶に漬けて柔らかくしつつ聞く。
「……」
「……あったな」
カップを持ちつつ視線を逸らせたまりお。白亜、紅茶をずずずとやりつつぽそり。
「ええっと、ここでは白茶だね」
「ん……ここで白茶とかワインを置いたりは…」
ウーナと小鳥は白茶の売り込み。
そして午後四時半。
酒販店にお邪魔している。
「白茶は手応えいいんだけどねー」
「ただ、やっぱり紅茶にこだわったりする店は遠慮するみたいだね~」
ウーナと小鳥が腕を組んでため息。先ほどの喫茶店、おしかったらしい。
「いろんな産地のワインが集まっている」
「価格もまばらじゃの」
白亜は酒販店に並ぶ酒を見て感心している。婆も感心。
「埋もれちゃいますねぇ」
ハナもここは諦める。
「実はね、アレが問題起こすと流石に少しは感じるモノがあるんだよねー。誰にも言えないけどさー」
まりおは鑑にひそひそ話。どうやらまるごとぜんらの普及などに一枚噛んでたりするようで。もちろん、それ以上は言わない。
やがて、午後六時。
「モノはいいんだよー」
白茶も白ワイン「レ・リリカ」も、と小鳥。
ちなみに、ムール貝をワインでやりつつディナー中。また一行は店を変えていた。
「試飲してもらう分にはそうですねぇ」
ハナも続けて活動していたが、お手上げな感じでワインをぐびり。
「とはいえ、高級路線ではないしな」
白亜は上品にナプキンで口元を拭きつつ。
「後は、店に置いてもいかにお客さんに選んでもらえるか、だって」
ウーナもちょいちょいとフォークで貝殻から身を外しつつ、店に試供品を配った結果を話す。
「別のやり方で活動した方がええかもしれんのぅ」
婆の経験がそう言うとる、と婆。ワインをぐびり。
「そういえば、喫茶店で気絶していた女性店員が最後にまた目を覚ましてね」
すぐにぜんらを見てまた悲鳴を上げて気絶。あれはトラウマものだよねー、とかマリオ。楽しそうにムール貝をパクリとやってたり。
でもって、午後九時。
飲み屋ではしご酒中。
「じゃが、なしてぜんらが……」
婆、酒のつまみのナッツの殻を割りつつ独り言。
「謎ですねぇ~」
ハナはかぷかぷグラスを開けている。
「……黒幕みたいの、絶対いるよね」
ウーナはテーブルにくったりとなって指先でナッツをころころして遊んでいる。
「それだな」
白亜、足を組んで座りグラスを揺らし酒の波打つ様子を楽しみつつ言い切る。
「ウーナさん、冴えてるよ。まだ黒幕がいるからってことで……」
小鳥、ピンと来た。
「用心棒として店に張り付くってことかぁ」
ぷはー、とまりお。
で、皆が一斉に鑑を見る。
「そういえば店長、ギターもなくなってるって言ってたな」
鑑、グラスを傾けたのちに言う。
一同から「早く言ってよ」的な視線が一斉に向けられたが。
そんなこんなで、五軒を飲み食いしたりしつつ今後の方針が決まるのだった。
「え? どこから来たのか聞かれたからとりあえず土管からって……」
これが、超級まりお(ka0824)の返事だった。
皆が待ち合わせ場所に行ったところ、先にいたまりおがおばあさんと話していた。で、別の場所におばあさんが行ったので何を話していたのかと聞いたところ、そう答えた。
「そのおばあさん、『私も土管で別の世界に』とか言ってたぞ!」
イ寺鑑(kz0175)、すれ違った時にぶつぶつ言ってた独り言を聞いていたようで。
「おばあさん、いろいろ大丈夫かなぁ?」
「そういえばあちらの空き地に土管があったな」
もしかして徘徊じゃないかなぁとか思うウーナ(ka1439)に、おばあさんの立ち去った方を見て頷く雪継・白亜(ka5403)。
「ほー。土管からお迎えが来るんか。便利になったもんじゃわい」
「……別にあの世にステージがつながってるわけじゃないんじゃないかなぁ?」
かかか、とすっとぼけたことを言う婆(ka6451)。狐中・小鳥(ka5484)はその横で汗たらり。
「……」
当のまりおは気まずそうに視線を逸らせている。ごまかしても駄目だよ、あんたの冗談が原因だよ。
「大丈夫ですよぅ。そのお婆さん、酔って休憩してますぅ」
そこに、足取り軽く星野 ハナ(ka5852)がやってきた。
よっこいしょと休憩して「土管は明日にしようかのぅ」とか言ってたようで。
「それにしてもどうして酔ったの?」
「街ゆく人に飲んでもらって商品アンケートしようと思いましたからぁ。ほら、街の人は水袋から注がれるのは抵抗感がありそうな気がしましてぇ」
ウーナが聞くとうふふとハナ。事前に用意していた白茶とワインを詰めたスキットルを見せる。
「……白茶を勧めなかったんだね」
「まあ、選べと言われりゃわしでも酒を所望するのぅ」
鋭い指摘をする小鳥の後ろで婆が豪快に笑う。
「えーと、まさかこんな騒ぎになるとは……」
なぜこんなことに、な感じなまりお。
「まあいい。これで全員そろった」
鑑、改めて仕切り直し、「今回は手分けしてこの『白茶』と『白ワイン「レ・リリカ」』を……」とか「大丈夫。モノはしっかりしている」とか説明。
「では始めよう。特産品の取り置き先の探索だったな」
そして白亜が振り返って言った時だった!
「う、うわあ! まるごとぜんらが動いてるっ」
「暴れまるごとぜんらだぁぁ!」
近くのリアルブルー風喫茶からマスターや常連客などが慌てて出てきた。続いて、一糸まとわぬまるごとぜんらが続々出てきた。
わざわざ大股開きジャンプとかエアギター弾いたりとかしているぞっ!
●
「ぜんらぜんら…ぜんぜんぜんら……」
あまりの衝撃的展開にウーナがエアギターに合わせて口ずさむ!
「……えーと。1裸(ひとら)、2裸(ふたら)……」
まりおは……あれ? ぜんらを見た瞬間視線を逸らせた? ……あ、いや。敵の数を確認。7裸(ななら)まで数える。っていうか、その助数字はなんなのよ!
「ぜんらに襲われたって言うと…何かこう…アレだよね、うん……と、とりあえずは目の前のを何とかするのが先かな?」
小鳥はリアル造形ではなくて良かったと心の底から思いつつ 太刀「蛍丸」を抜刀。
「もっとリアル造形ならやる気が萌え上がったのにぃ~」
おっと。ハナは正反対のようで。
「ほーっ、こんの寒い中服も着んで、元気じゃのう」
婆、何か勘違い。
「…なんなのだこれは…どうすれば……ああ、始末すればいいか」
白亜は表情薄くあきれ顔。一瞬だけ逡巡したが迷いなくカービン「プフェールトKT9」を抜きぶっ放した!
「きゃあぁぁーーー!」
轟く銃声に響く悲鳴。逃げ惑う人たち。
どふっ、と白亜の一撃を食らって仰け反ったたまるごとぜんらがむくりと体勢を立て直す。
その、吹っ飛んだ右肩の中身は空洞だった!
「きゃあああぁー!」
それを見た一般人がまたも悲鳴。崩れた体は見た目グロ。
「しょうがないなー」
これを見たまりおは心の中のBボタンをぽちっとな。ランダ……ビーダッシュで避難民に駆け寄る。
「ハンターだよー。目障りなコイツら排除するんでー、危ないからちょいと離れてー」
「いーや、目障りではございませんわ!」
逃げるだけではなく釘付けになるハナのような女性もいるようで。
「いーから離れて離れてー」
まりお、やれやれな感じでぐいっと女性を引っ張り強制避難。
「コレ、色々ヤバいよね? ……とにかく目の前に見えてるやつを片付けちゃおう!」
ウーナの掛け声で残りのメンバーはぜんらに突撃!
「流れ弾に誰も巻き込まないように……」
2丁拳銃のウーナ、昇竜のチャイナドレスがひらめく。貫通した弾が後ろの人に当たらないようわざわざ接近する。
「ええと……もしかしてぜんらを襲うともいうのかな?」
両手剣を引いて踊るようにステップして敵の前に出る小鳥。こちらは白いチャイナドレス。汗たら~しつつ。
――バンバン、ずぱっ!
「これが青竜紅刃流」
「全裸を切りつけてるといいのがなんか、こう、変な感じだね。感触も含めて」
共に足を狙った。沈めた上半身にひらめくドレスが交差する。ちら見せした太腿がスリットに再び収まるようにジャンプし開けた二人の間に2体のぜんらがどさりと崩れる。
なんとダンサブルな連携。ついでにチャイナドレスなもんだから避難する人もつい足を止めていたり。
「おお!」
「カッコいい!」
ぜんらの方もコミックバンド用だったからか、リズムがいい。やられているがキリキリまったり跳ねたりとノリがいい。
そしてもう一人、ノリのいい人。
「ははあ、裸に見える服なんかいの。それなら婆も納得じゃあ」
婆、さっきまで「最近の若いモンは不思議な身体をしとるのう。なんぞこう、肉のつき方が…」などと真に受けていた分遅れたが、崩れた体や避難民の反応を見てようやく理解した。
そして理解すると後は手加減がない!
「ふぇっふぇっ、儂の拳骨は痛いぞお?」
婆、婆殴るで、殴る!
「ん、この位置なら纏めていけるかな? 全部切りつけちゃうんだよー!」
ウーナとの連携の後、次の敵に狙いを定めた小鳥が見えた。
「そこかえ? そんじゃも一つ痛いぞお?」
ぼぉん、ともう一体を婆ぶっ飛ばすで婆、ぶっ飛ばす!
「終演は近いんだよ!」
小鳥、婆に並べてもらった敵を縦横無尽でぶった斬り。
一方のウーナ。
続けて背後に回ったぜんらを撃っている。
「ぜんらに遅れとったら師範の恥だもんね!」
ダブルファイヤできっちりと敵を仕留める。
ちなみにこの時、白亜。
「おかしい、予定ではお茶や菓子を楽しみつつ、卸先を見つける予定だったのだが…どうしてこうなった…」
解せぬ、な感じで遠い視線。
いや、はっと我に返った。
「ネェちゃんもっと足上げてや~」
小鳥とウーナに見惚れ、逃げない人たちに気付いたのだ。
「いいから避難するがいい」
助平心を出していた者には容赦なく銃口を……いやいや、怖い顔をして退散させたり。
あれ。ハナは?
時は動き出しの時までさかのぼる。
「べ、別にグロっぽくやられてるぜんらにみとれてたわけじゃないですよぅ~」
一瞬、動きを止めていたのはどうやら世にも珍しい光景をしっかり目に焼き付けておこうとしていたわけではな……そういうわけだったようで。
「即座にぶっ殺ですぅ」
陰陽符「伊吹」を掲げ、いま、五色光符陣!
「しかも連弾ですよぅ」
続けて五色光符陣、五色光符陣!
光がまばゆく明滅する。
つまり、ウーナと小鳥のチャイナドレスコンビのダンサブルな接近戦が、エアギターするなどコミカルなぜんらの動きが、遠くを見やり茫然とする白亜の幸薄そうな表情が、拳を叩き込んで振り返った婆のどや顔ドアップが……。
すべて、乱舞する光の中で繰り広げられていたのだ。
まさに戦うダンスホール状態。
逃げる人が足を止めても仕方のない面があったかもではあった。
それでもとにかく、通りに出たぜんらは全滅。
「なんだかなぁ」
一体を屠り店長を助けた鑑、予想外の戦闘に愕然としていたり。
いや、店長が何か言っている。
「ぜんら……何体あった?」
「え?」
見返す鑑。そして皆を見る。
が、誰も何も言わない。
否、この人がいた!
「……7裸(ななら)だよ」
まりおだ。帽子のつばに手をやり真顔だ。
鑑、店長を見る。
「全部で9体いたはずだ」
「…あと2体いる?!」
店長の言葉に周りを見るウーナ。
「ならば騒ぎになっているはずだ……あの格好だからな」
最初から引いた位置にいた白亜、音を頼りにする。が、どこからも悲鳴はない。
「変な所に隠れてないといいんだけどね……いや、隠すところを隠すのは問題ないんだけど……あれ?」
きょろ、と小鳥が路地裏を気にする。というか、自分で何言ってるのか分からなくなりつつありめがぐるぐるな感じに。
「仕方ないのぅ。えっちらおっちら探そうかいのう」
婆が広場の土管……ではなくどこにいったか探しに行こうとした時だった。
「占いは得意ですぅ。ホロスコープスプレッドですよぅ」
ハナ、ミスティックタロットを展開。
「ねえ、どこ行ったか見なかった?」
まりおは周囲に聞き込み。
「身を隠すほどの知恵があるようには見えないけど…」
ウーナは直感視でとにかく探す。
「こっちの方にぜんら来なかったかな? あ、えっと、全裸の人じゃなくてまるごとぜんらだよっ」
小鳥も聞き込み。勘違いされてわたわた手を振って否定している。
「そういえばこのぜんら、何処から出てきたんだろ?」
「……喧噪がない、ということは」
ウーナの言葉に考え込んでいた白亜、はっと顔を上げた!
「きっとあそこですぅ」
その時、ハナが占い結果から最初に出て来た店を指差した。
ばっ、と走る白亜。
窓から見ると、店内に2体のぜんらがぽげ~とカウンター席に足を乗せてリサイタル中……のようなエアカラオケ。床には女性店員が横たわっていた。
この時、カラオケしていたぜんらが白亜に気付いて目元で横ピース。エアウインクした。
「さて……人の憩いも兼ねた時間に、派手に泥をかけてくれた礼をせねばな」
白亜の表情、無表情。問答無用でぱんぱんと足を狙った後に強弾をぶち込み黙らせていった。
「……死裸(しら)に口なし」
まりおもビーダッシュで突入し容赦なく試作光斬刀「MURASAMEブレイド」の錆びにする。
どちらも容赦ない。
●
これで一件落着。
「なかなか、きびしいのぅ……味の方はええんじゃが」
婆が山菜パスタを食べながら、通行人に試飲してもらい価格を告げた手ごたえを放した。
「味がいいって、酒の?」
「うんにゃ、パスタじゃ」
鑑の期待に、すっとぼける婆。
戦闘後、お昼になったので皆でランチをしているのだ。
「ワインの味はいいみたいですよぅ」
ハナもスキットルから通行人に汲んで飲んでもらった様子。彼女はミートパスタを食べている。
「厳しいのは、価格じゃの」
「安売りしたいわけじゃないしねー」
婆に続いて、小鳥のため息。パスタくるくる。タスカービレには深くかかわっている。利益を生まない取引ができないことは熟知している。
「助けた店長さん、力になりたいのはやまやまだけどしばらく店はできないだろうって」
ウーナ、もぐもぐやりつつフォークを持った手で指を立てつつそんな話。
「困ったねー」
まりおはキノコパスタをもぐもぐ。
そこへ、白亜が席に戻ってきた。
「この店もだめだな。仕入れ価格がよほど良くないか、よほど高品質化でないと厳しいぞ」
やがて午後三時に。
今度は一行、喫茶店に入っている。
「そういえばぁ、まりおさんって、ぜんら見て気まずそうな顔してましたぁ」
ハナ、ケーキフォークを入れつつまりおを見る。
「そういえばそうじゃのぅ。なんぞあったんか?」
婆、クッキーを紅茶に漬けて柔らかくしつつ聞く。
「……」
「……あったな」
カップを持ちつつ視線を逸らせたまりお。白亜、紅茶をずずずとやりつつぽそり。
「ええっと、ここでは白茶だね」
「ん……ここで白茶とかワインを置いたりは…」
ウーナと小鳥は白茶の売り込み。
そして午後四時半。
酒販店にお邪魔している。
「白茶は手応えいいんだけどねー」
「ただ、やっぱり紅茶にこだわったりする店は遠慮するみたいだね~」
ウーナと小鳥が腕を組んでため息。先ほどの喫茶店、おしかったらしい。
「いろんな産地のワインが集まっている」
「価格もまばらじゃの」
白亜は酒販店に並ぶ酒を見て感心している。婆も感心。
「埋もれちゃいますねぇ」
ハナもここは諦める。
「実はね、アレが問題起こすと流石に少しは感じるモノがあるんだよねー。誰にも言えないけどさー」
まりおは鑑にひそひそ話。どうやらまるごとぜんらの普及などに一枚噛んでたりするようで。もちろん、それ以上は言わない。
やがて、午後六時。
「モノはいいんだよー」
白茶も白ワイン「レ・リリカ」も、と小鳥。
ちなみに、ムール貝をワインでやりつつディナー中。また一行は店を変えていた。
「試飲してもらう分にはそうですねぇ」
ハナも続けて活動していたが、お手上げな感じでワインをぐびり。
「とはいえ、高級路線ではないしな」
白亜は上品にナプキンで口元を拭きつつ。
「後は、店に置いてもいかにお客さんに選んでもらえるか、だって」
ウーナもちょいちょいとフォークで貝殻から身を外しつつ、店に試供品を配った結果を話す。
「別のやり方で活動した方がええかもしれんのぅ」
婆の経験がそう言うとる、と婆。ワインをぐびり。
「そういえば、喫茶店で気絶していた女性店員が最後にまた目を覚ましてね」
すぐにぜんらを見てまた悲鳴を上げて気絶。あれはトラウマものだよねー、とかマリオ。楽しそうにムール貝をパクリとやってたり。
でもって、午後九時。
飲み屋ではしご酒中。
「じゃが、なしてぜんらが……」
婆、酒のつまみのナッツの殻を割りつつ独り言。
「謎ですねぇ~」
ハナはかぷかぷグラスを開けている。
「……黒幕みたいの、絶対いるよね」
ウーナはテーブルにくったりとなって指先でナッツをころころして遊んでいる。
「それだな」
白亜、足を組んで座りグラスを揺らし酒の波打つ様子を楽しみつつ言い切る。
「ウーナさん、冴えてるよ。まだ黒幕がいるからってことで……」
小鳥、ピンと来た。
「用心棒として店に張り付くってことかぁ」
ぷはー、とまりお。
で、皆が一斉に鑑を見る。
「そういえば店長、ギターもなくなってるって言ってたな」
鑑、グラスを傾けたのちに言う。
一同から「早く言ってよ」的な視線が一斉に向けられたが。
そんなこんなで、五軒を飲み食いしたりしつつ今後の方針が決まるのだった。
依頼結果
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- 青竜紅刃流師範
ウーナ(ka1439)
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/03/20 18:08:42 |
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探すよ倒すよ「まるごとぜんら」 星野 ハナ(ka5852) 人間(リアルブルー)|24才|女性|符術師(カードマスター) |
最終発言 2017/03/21 21:58:57 |