• 陶曲

【陶曲】このこころ

マスター:月原みなみ

シナリオ形態
ショート
難易度
普通
オプション
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
4~6人
サポート
0~0人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
締切
2017/03/22 09:00
完成日
2017/04/04 01:41

このシナリオは5日間納期が延長されています。

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング

●暗底の渓谷
 天頂に差した太陽すらも渓谷の底を照らす事はない。
 それほどに深く底の知れぬ大地の傷跡の周辺は、まるで谷の闇が辺りの生を吸い尽くしたかのように無機質な世界が広がっていた。
 命と思しきものなど何一つ目にする事の出来ない、殺伐とした世界。
 しかし、現在。
 そこには大地の裂け目へと近付く男の姿があった。
 カッツオ・ヴォイ――かつて殺人脚本家と呼ばれた人物だ。
 規則正しい歩調と、首元にフリルを飾った黒のスーツ姿は、まるでこれから舞台に上がろうとする役者のように美麗。
 しかし黒のシルクハットを目深に被った顔は不気味な仮面に覆われており、彼が目指すのは舞台などではなく眼前に広がる渓谷の『底』。
 もしも見る者があれば声を上げる間もなかったであろう程に、彼は一瞬の躊躇いもなく谷へと身を投げた。
 仮面の下の表情は伺い知れない。
 声を上げる事もない。
 無音と闇が支配する渓谷の奥底に、僅かに砂塵を舞い上げただけで着地してみせると、光すら届かぬ完全なる無視界を迷うことなく歩き始める。
 そうしてしばらくの後に辿り着いた闇の虚空の、ただ一点を見つめて語りかける。
「ごきげんよう」
 無音の世界に響く美しい声。
 返す言葉はなく、それを彼自身も知りながら、尚。
「そろそろお目覚めになられてはいかがですかな? このままでは貴方一人が忘れられてしまいますよ」
 静寂。
 無。
 それでも彼は。
「おそらく貴方も楽しめると思うのですが、ね」
 尚も呟きかけるが、闇は一切の反応を示さない。 
 あえて滲ませた微かな感情にすら返されない手応えに、声の主は何年かぶりに付くため息とともに踵を返した。

 声の主が去り、再び谷の奥底に静寂と無が訪れる。
 
 ――……ドクン……――。

 地の奥底で何かが蠢き始めた。



 ●冒険都市リゼリオ
 その日、リゼリオのハンターオフィスは早朝から上へ下への大騒ぎ。
 消防士や海軍という組織からの依頼もあれば住民からの依頼もあり、そのどれもが工業都市フマーレと港湾都市ポルトワールからの緊急を要するものなのだ。 
「す、すみませ……っ、私のお願いも聞いて……っう」
「ちょ、大丈夫ですか!?」
 衣服のあちこちが黒く煤けている女性が、体を引き摺るようにして受付まで来たものの、辿り着いたことで気が抜けたのかそのまま崩れ落ちてしまった。
 対応しようとしていた受付嬢が慌てて介抱すると、手に一枚の紙片を握りしめている事に気付く。
 端が黒く焼け焦げているものの、工業都市フマーレで荷物を受け取った証明書の切れ端のようだった。
「……何か大事な荷物を紛失したのかしら」
 此処まで来るくらいだ、なくしたことで人生を左右してしまうほど大切なものなのかもしれない。
「……一体、二つの都市で何が起こってるの」
 いまだ平穏を保つリゼリオにいてなお感じずにはいられない異常事態。
 更なる災厄の前兆でないことを願うばかりだが――……。


 ●そして願いは託されて
 数時間後、女性はハンターオフィスの一室で目を覚ました。
 咄嗟には自身の状況を理解出来ずに呆けていたが、職員に「フマーレから此処まで来たの? 一人で?」と尋ねられてようやく思い出したのだろう。
「お願いします! あの人を……っ、弟が母に送ってくれた荷物を運んでくれた人を見つけてください!」
「えっ、ちょっ」
 職員に掴みかかるようにして大声を上げた彼女は、しかしまだ体力が戻っていないためにふらついて倒れそうになる。
「お願い……っ、あの人を助けてください……っ」
「分かったわ、分かったから落ち着いてちょうだい」
 息が上がる女性を椅子に座らせ、職員は大きく深呼吸。
「ほら、一緒に」
 すー……はー……すー……はー……、繰り返される深呼吸に、女性もやっと落ち着きを取り戻した。
 申し訳なさそうに視線を落とし「ご迷惑をお掛けしました、……私はマイヤ・ラランと申します」と名乗った。
 聞けば彼女の実家はリゼリオに近く、数年前に結婚しフマーレへ引っ越したのだという。
 そして去年の秋に可愛がってくれていた祖母が亡くなり、祖母の家を片付けていた弟から形見分けの品が届いたのだ、と。
「その荷物が、いま起きている騒ぎが原因で行方不明になってしまったのね……?」
「……突然、辺りから火の手が上がって……あっという間に燃え広がりました。荷物を受け取ろうとしていたのに逃げなきゃいけなくなって、運んでくれていた人が火の向こうに見えなくなってしまって……っ、そしたら瓦礫がものすごい勢いでそちら側に……っ」
「じゃあその人は……」
 マイヤは激しく左右に首を振った。
「判りません……っ、助けなきゃって思ったけど、体が動かなくなってしまって……! 逃げろって近所の人たちに引き摺られて……っ、助けてって叫んだけど、みんな逃げるのに必死で!」
 あの大火の中、仕方のない事だと彼女も頭では分かっているのだろう。
 それでも、――いや、だからこそ此処に駆け込んでくるしかなかった。
 職員はマイヤの手を両手で包み込むと、力強いまなざしで見つめる。
「判った。フマーレの大火に関しては他の依頼もあって難しいかもしれないけど、でも、きっと助けてくれるハンター達がいるわ。信じましょう」
「はい……っ」
 マイヤは自分の手を包んでくれた職員の手に涙を落とし、何度も何度も頷く。
 念のために夫君はどうしているのか確認してみると、延焼を防ぐため前線で消火活動にあたっているという。
 夫には頼れず、目の前で人が炎に巻かれ、この女性はどんな思いでここまで走ってきたのだろうか。

 こうして一枚の依頼が張り出された。
 フマーレにおける人命救助の依頼である――。

リプレイ本文

 ●

 ハンター達が急ぎ駆けつけたフマーレは、いまだ災禍の真っ只中にあった。
 眼前に広がる工業地帯は随所で火の手が上がり、灼熱の刃と黒煙がそこに暮らす人々を無差別に蹂躙する。
 逃げ惑う女の悲鳴、子供の泣き叫ぶ声。
 野太い男の声は誘導を試みているようだったが、状況が状況なだけに住人の避難は困難を極めているように見える。
「フマーレは、普段が平穏なだけに、あまりこういう事態に慣れていなくてね」と青い顔で語ったのは、住民の避難所で治療にあたっていた医師の一人。彼を護衛するように瓦礫と化した住宅街に移動しているのがデスドクロ・ザ・ブラックホール(ka0013)である。
 依頼という形で特定の人物の救助に来た五人のハンター達は、あらゆる事態を想定し、治療の専門家にも手を借りておこうと考えた。そこでデスドクロが隣の彼に同行を頼んだのだが、胸の内には吐息を一つ。
 フマーレの状況は事前に聞いていたとは言え、その惨状は想像以上だったからだ。
 医師は言う。
「以前から指摘はされていたんだ。駐屯している軍人が少ないし、何か起きれば手が付けられなくなるんじゃないかって……今回のことで誰もが後悔しているよ。危機感が全く足りていなかったんだ……地区ごとの警備隊が避難誘導にあたったとは言え、いまだ避難所に辿り着けない人も多い……」
 語尾にいくにつれ掠れていく声は震えていた。
 行き場のない怒りを抑え込もうとする背中を、デスドクロがトンと叩く。
 言葉のない行動をどう取ったのか、医師からそれ以上の発言はなかったが、今にも泣きそうだった様子は落ち着いて見えた。
(……しかし随分とまァ、キナ臭ぇな)
 この地に何かが現れたのか、それとも人の手による犯罪か。
 いずれにせよ、この自分が出張ってきたのだから心配無用。医師の確保の他にも、避難所から毛布や水といった救助に必要と思われるものは全て借りてきた。
「まァ、全部任せておきな」
「……」
 医師の表情がほんの僅かだが和らいだのは、避難所に来たデスドクロの手際の良さを見ていたがゆえの信頼に他ならなかった。


 ●
「さて、この辺りが依頼人の自宅付近のはずだが……おい、誰かいるか? 聞こえていたら返事をしてほしい!」
 足元に賢そうなダックスフンドを座らせたアルルベル・ベルベット(ka2730)が大きな声で見えぬ要救助者に呼び掛ける隣では、叢雲 伊織(ka5091)も難しい表情で辺りを注視している。
「どこもかしこも瓦礫の山……この中からたった一人を探すなんて難しいね、……普通なら」
 静かな呟きと共に発動される【直観視】。
 原因不明と言われる大火によって炙られ、もはや人の暮らしなど皆無の景観から見つけ出したいのは人の気配。この光景に存在する違和感。
 更にルンルン・リリカル・秋桜(ka5784)も【生命感知】を発動する。
「ルンルン忍法ニンジャセンサー! ……命の息吹をぴぴっと感知です」
 二人からの結果を待ちながら。
「……原因不明の爆発を伴う火災と聞いたが、蒸気機関の異常か、あるいは、それを画策した者がいるのか……」
「画策した奴がいるんだとしたら、俺は絶対にそいつを許さねぇ」
アルルベルの言葉に険しい顔つきで応じたのだ歩夢(ka5975)だ。
「どうだ? いたか?」
 信頼と期待を込めた視線に、先に答えたのはルンルン。
「あ、発見!」
「どこだ」
「右前方20メートル、あの火の気が絶えている一角です!」
「わかった!」
 ルンルンの言葉に真っ先に動いたのは歩夢は【式符】を取り出しながら示された地点に駆け寄り、瓦礫の隙間からそれを差し込んだ。
「おい! 聞こえるか!? 助けに来たぞ!」
 大きな声を瓦礫の下に掛けてから、地面に膝をついて目を閉じ【式符】の周囲に意識を集中する。同様にルンルンも【式符】を投じ捜索を開始した。生存者の位置はほぼ掴めていても、微かにしか光りの届かぬ瓦礫の下は視界が悪い。
 一方でアルルベルと伊織は瓦礫の上部を確認し、来た道を振り返る。しかし来るであろうもう一人の仲間の姿は見つけられず、かと言って個人の判断で瓦礫を取り除くことも出来ない。誤った部分を外せば、最悪の場合、全てが崩れ落ちて下に居るだろう要救助者の命を危険に晒すからだ。
 だから伊織は「助けに来たよ!」と声を上げ続けた。
「聞こえていたら返事を!」
 アルルベルも続く。
 だが彼女は瓦礫の下に限らず、周囲一帯に向けて声を張った。そんな事はあって欲しくないと思うが、逃げ遅れた者が一人だけとは限らないと考えたからだ。
 生きているのなら。
 もしも聞こえているのなら、自分たちの声が要救助者の希望となるように――。
「見つけた!」
 歩夢が勢いよく立ち上がり、更に【式符】の周囲を知りたいという気持ちが上半身を前傾させる。
「うつ伏せで……意識は無さそうだ。頭……血、かも」
 頭から首、背中、腕。
 まだ生きていることは確認済みだが、顔の前を浮遊する紙に対してピクリとも反応しないのは気に掛かる。
 更にルンルンも救助者を確認、歩夢と手分けするように足の方を調べ始めた。
「足が瓦礫の下敷きです、……かなり圧迫しているかも、です。これ、煉瓦……?」
「煉瓦ならここに崩れた塀があるが」
 アルルベルがすかさず応じると、伊織が。
「アルルベルさん、その塀の下の方を叩いてもらえますか?」
「ああ、こうか」
 伊織に促され、塀の下部分をノックするように叩く。
 と、同時。
「そこ」
 ルンルンも反応する。
「その塀を避けたら足の裏が見えるかも!」
「!」
 アルルベルはすぐに辺りを確認する。伊織と、【式符】との繋がりを絶った歩夢もそちらに合流した。
 崩れた煉瓦塀は、内側――要救助者がいる側にあったのだろう家屋が崩壊し、倒れて来た材木によって上から叩き割られたのだと想像出来た。
 塀の上には家屋の柱だったと思われる木材が今も存在を主張しており、砕けた煉瓦は四方八方に散在。壁材や窓ガラスだろう破片も無残な姿で山積みになっているが、その柱は煤けてはいなかった。
 つまり、燃えてはいない。
「運が良かったのかもしれないな」
 アルルベルは、距離にして一棟向こう側の瓦礫がほぼ全焼しているのを見て低い呟きを漏らす。
 恐らく要救助者は火の気のない方向に逃げ続け、元々脆くなっていた家屋が周囲の爆発等に煽られて崩れた下敷きになってしまったのだろう。
 しかし結果としてそれが破壊消火になり、燃えずに済んだ――。
「どうする、急いで瓦礫を除けたいが……っ」
「足が下敷きになっているというのが気になります。デスドクロさんが言っていたように、圧迫を取り除いた事で急激に血液が流れ始めたりするとかえって危険だと聞いた覚えがありますし」
 歩夢と伊織が言い合う、その時。
「グーハハハ! やはり俺様のやることは間違いねぇな!」
 豪快に笑うデスドクロが、医師を伴い颯爽と合流を果たしたのだった。



 ルンルンが【式符】を繰り返し瓦礫の状態を正確に周知し、全員で要救助者に危険の無い手順での救出方法を考える。
 そうして始まった救出作戦には、幸いとは言えない理由ではあったものの、数人のフマーレの住人達が手伝ってくれることになった。というのも「逃げ遅れていた人々」で、これから避難所へ向かおうとしていたからだ。
 ルンルンの指示を受けながら、十数人が一丸となってまずは上半身を覆っている瓦礫を取り除いていく。
 地方からの荷物を届けてくれる配達人の彼は、言うなれば近隣住民皆の顔馴染みだ。絶対に助けよう、そんな思いが無言の内にも共有されていく。
「もうすぐだ、もうすぐ助かる!」
「しっかりしてください!」
 アルルベルと伊織が必死に声を掛け続けた。
「せぇーーのっ!」
「次はこっちだ、一気に行くぞ!」
 お互いに協力し合いながら作業は進み――。
「……あ、頭が見えたぞ!」
「おお!」
「大丈夫か!?」
 歩夢が間近で声を張り上げるも、反応は皆無。
 更に瓦礫を取り除き、腰から上が確認出来たところで伊織が毛布を手に取る。
 丁寧にその体を毛布で包む間は、アルルベルと共に歩夢も絶えず声を掛けた。
「おい、しっかりしろよ! 助かったんだ、判るか? あんたが荷物を待って来てくるのを待ってる皆が……っ、皆が助けに来てくれたんだぞ!」
 呼吸はしている、と思う。
 だが、あまりにも血の気の失せた表情は死人のようで、否が応にも悪い想像を掻き立てた。
「水を!」
 医師に言われ、アルルベルが近くで拾って用意しておいた皿に水を注ぎ、救助者の口元に運んだ。しかし唇を濡らすだけでほとんどが顎を伝って零れ落ちる。
「貸して」
 アルルベルから皿を受け取ったのは救助を手伝ってくれているフマーレの女性だ。彼女は水を自分の口に含むと口移しで救助者に飲ませた。
「……っぅ……」
 わずかに。
 ほんの微かに動く喉元。
「そのまま続けて!」
 医師の指示を受け、保温と、水分補給が続けられる中、いよいよ瓦礫の下敷きになっている腰から下の救助が本格化した。
「あとは周りの煉瓦を取り除いて……ああ、時間切れです」
【式符】の効果時間が終わり、こちら側に視界が戻ったルンルンは目を開けてふぅと大きく息を吐く。
「大丈夫か」
「はい! まだまだいけますよ♪」
 アルルベルの気遣いに笑顔で応じ、ルンルンは【式符】を繰り返す。彼女の指示を受けてデスドクロと歩夢が住民達と協力して瓦礫を除ける。
 そうして最後に持ち上げるのは、救助者を辛うじて瓦礫の下敷きにせずに済んだ家屋の柱と思しき巨大な木材だ。
 時間との勝負でもあったため、すべての瓦礫を撤去することは不可能。救出作業は柱を持ち上げることで救助者の体を引き抜く形で行うと決めていた。
「うおおおおおおおっ」
 デスドクロが腹から気合に満ちた声を上げる。
「せぇぇぇぇのぉぉぉぉっ!!」
 歩夢も応えるように声を張り上げ、
「よおおおおおっし引っ張れ!!」
「こちらもせーの、でいきましょう! せーーーのっ!」
 伊織の号令に合わせて全員で要救助者の体を引っ張り出す。
【式符】を終えたルンルンも加わり、要救助者の体をなるべく動かさないよう細心の注意を払いながらの救出作戦、最終段階。
「出たぞ!」
 その人は、確かに生きて空の下に帰ってきた。



 その後、使える材料で作られた担架に乗せられて病院まで運ばれる配達屋の男性を、伊織とアルルベルが追う事になった。
 数時間前から新たな爆発や火災は起きなくなったとは聞いたが、予断は許されない。せめて無事に病院に辿り着くまではハンターが護衛すべきという判断に至ったからである。
「――あとは、しばらくは火の手が上がらない事を願うばかりだな」
 アルルベルの言葉に頷き返す仲間達。
「なぁに、邪魔する輩は俺様が叩き潰してやるさ、心配いらぬわ!」
「頼もしい」
 デスドクロの断言に、アルルベルがくすりと微笑む。
「では、あとは任せた」
「そっちこそ頼んだぞ!」
 歩夢の、背中を押す手から伝わる熱意にも頷き返し、先に病院へ向かった彼らを追いかけようとした、が。
「……?」
「アルルベルさん?」
「すまない、うちの犬が……」
 連れてきたダックスフンドの姿なく、周囲を探していると、瓦礫の合間に頭を突っ込んでいる愛犬の姿があった。
 何かを引っ張り出そうというのか、必死に前足で踏ん張りながら顔を引き――ビリッ! と紙が破れる音。
「いったい何を……」
 驚いたアルルベルが近付くと、愛犬の口には包装紙と思われる紙片が咥えられており、瓦礫の奥には一目で荷物と判る包みがあった。
 それを何とか取り出したアルルベルに、歩夢が「ハハッ!」と笑った。
「驚いたな! それってもしかしなくてもあの人が配達していた荷物だろ!」
「グーハハハハ! 俺様に掛かれば全て難なく見つかるであろうが、これは頼もしい戦力だ!」
 デスドクロが嘯き、ルンルンも「すごいのです♪」と喜ぶ傍で、伊織が「もしよければ……」とアルルベルに声を掛けた。
「しばらくわんこさんを歩夢さん達に預けたらいいかも、です。配達屋さんが持っていた荷物を探すなら、わんこさんの嗅覚はとても頼りになりそうだから」
 残りの荷物がどれだけあったのか、どの辺りで失くしたのか、本人に確認出来れば良かったのだがそうは出来ないのが実情だ。
 目を覚まし、喋れるようになるまで待つというのも難しい。
 歩夢とルンルンの【式符】、デスドクロの腕力と自信でどこまで探せるかは未知だったが、犬の嗅覚が加わればあるいは――……。
「そう言ってもらえるなら……。病院からいい知らせを持って帰れるよう私も努めなければ、な」
 こくりと頷き合い、ハンター達はそれぞれの「やる事」を為すために行動する。

 個の心が一つになって生まれる新たな笑顔。
 それを楽しみに、ハンター達は今日も自分が出来る事に全力だ――。

依頼結果

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重体一覧

参加者一覧

  • 完璧魔黒暗黒皇帝
    デスドクロ・ザ・ブラックホール(ka0013
    人間(蒼)|34才|男性|機導師
  • 猛毒の魔銀
    ギルベルト(ka0764
    エルフ|22才|男性|疾影士
  • 真摯なるベルベット
    アルルベル・ベルベット(ka2730
    人間(紅)|15才|女性|機導師
  • 双星の兆矢
    叢雲 伊織(ka5091
    人間(紅)|14才|男性|猟撃士
  • 忍軍創設者
    ルンルン・リリカル・秋桜(ka5784
    人間(蒼)|17才|女性|符術師
  • 真実を照らし出す光
    歩夢(ka5975
    人間(紅)|20才|男性|符術師

サポート一覧

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン 相談卓
デスドクロ・ザ・ブラックホール(ka0013
人間(リアルブルー)|34才|男性|機導師(アルケミスト)
最終発言
2017/03/20 11:25:20
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2017/03/18 10:13:22