ゲスト
(ka0000)
森の脅威は消えず
マスター:なちゅい

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~8人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2017/04/03 12:00
- 完成日
- 2017/04/07 18:56
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
●
リンダールの森。
とあるエルフの集落は今、森に現れる雑魔に不安が高まっている。
「大木雑魔が現れた、だと……?」
報告を聞いた年老いた集落の長が眉を顰める。
ここのところ、集落周辺で目撃、襲撃情報として上がっていたのはヤギの姿をした雑魔ばかりだった。
先日、ヤギ雑魔が北に向かったと言う話がこの集落にも伝わってきている。聖堂戦士団のメンバーがそちらの対処の為に向かってくれたこともあり、エルフ達は胸を撫で下ろしていたという状況だったのだが……。
植物雑魔の出現、目撃も以前からあってはいた。ここに来て、それらの活動が活発化してきている。
実際、集落周囲に出ていたエルフが被害に遭っているのだという。ヤギ雑魔がいなくなったと安心した矢先の出来事だ。
「一体、なぜここに来て、植物雑魔がまた……」
「長、こうは考えられませんか?」
若いエルフが推論を語る。
ヤギが突進して木々を切り倒し、その倒れた木々は雑魔に。
一見すれば、この2種は別のグループにも見えるが、実は同じ歪虚の仕業ではないのか。
「分からぬが、森に何かが潜んでおるのは、間違いあるまい」
以前、切り株にあいた穴から雑魔が沸いて出た、なんて話もある。こちらは聖導士達に浄化してもらったが、未だ原因が分からない。これらの雑魔を生み出す元凶はマテリアルの異常などではなく、歪虚が森に潜んでいるからだと、長も確信めいているのだが……。
現在、村の戦力はエルフのみ。3人は手練だが、それ以外はサポートには回ることは出来ても、雑魔と対するにはやや心もとないといった面々だ。
「またも、ハンターの力を借りねばならぬか……」
ただ、ハンターとて、各地の歪虚、雑魔との戦いに身を置く者も多く、いつも駆けつけてくれるとは限らない。今回も来てくれるとよいのだが。
エルフの長はハンターが来てくれることを祈りつつ、ハンターズソサエティへと足を運ぶのである。
王都イルダーナのハンターズソサエティにて。
その日も、金髪ウェーブヘアで糸目の女性、シェリーがカウンター内でにこやかに微笑んでいた。
「依頼ですかー。これなんていかがでしょー?」
彼女が紹介してくれたのは、リンダールの森にあるエルフの集落付近に現れた雑魔退治の依頼だ。
以前から、枯れ木に蔓草が纏って動き出した、通称植物雑魔の活動は確認されていたのだが、さらに別の雑魔が現れたと言う。
「他の雑魔が切り倒していた木々が雑魔になっている……なんて話になっているようですねー」
その原因は気になるが、未だ掴めていない。どうやら、森に現れる雑魔は個々に動いてはいても、それを仕掛けた歪虚は同一人物の疑いが高まったが……。
何はともあれ、今はエルフ達を助けてあげたい。集落に接近する雑魔を倒さねばならない。
「ご武運をお祈りしていますー。とはいえ、ご無理はなさらずにー」
転移門に向かうハンター達を、シェリーはにこやかな顔で、それでいて、少しだけ気に掛けながら手を振って見送るのだった。
リンダールの森。
とあるエルフの集落は今、森に現れる雑魔に不安が高まっている。
「大木雑魔が現れた、だと……?」
報告を聞いた年老いた集落の長が眉を顰める。
ここのところ、集落周辺で目撃、襲撃情報として上がっていたのはヤギの姿をした雑魔ばかりだった。
先日、ヤギ雑魔が北に向かったと言う話がこの集落にも伝わってきている。聖堂戦士団のメンバーがそちらの対処の為に向かってくれたこともあり、エルフ達は胸を撫で下ろしていたという状況だったのだが……。
植物雑魔の出現、目撃も以前からあってはいた。ここに来て、それらの活動が活発化してきている。
実際、集落周囲に出ていたエルフが被害に遭っているのだという。ヤギ雑魔がいなくなったと安心した矢先の出来事だ。
「一体、なぜここに来て、植物雑魔がまた……」
「長、こうは考えられませんか?」
若いエルフが推論を語る。
ヤギが突進して木々を切り倒し、その倒れた木々は雑魔に。
一見すれば、この2種は別のグループにも見えるが、実は同じ歪虚の仕業ではないのか。
「分からぬが、森に何かが潜んでおるのは、間違いあるまい」
以前、切り株にあいた穴から雑魔が沸いて出た、なんて話もある。こちらは聖導士達に浄化してもらったが、未だ原因が分からない。これらの雑魔を生み出す元凶はマテリアルの異常などではなく、歪虚が森に潜んでいるからだと、長も確信めいているのだが……。
現在、村の戦力はエルフのみ。3人は手練だが、それ以外はサポートには回ることは出来ても、雑魔と対するにはやや心もとないといった面々だ。
「またも、ハンターの力を借りねばならぬか……」
ただ、ハンターとて、各地の歪虚、雑魔との戦いに身を置く者も多く、いつも駆けつけてくれるとは限らない。今回も来てくれるとよいのだが。
エルフの長はハンターが来てくれることを祈りつつ、ハンターズソサエティへと足を運ぶのである。
王都イルダーナのハンターズソサエティにて。
その日も、金髪ウェーブヘアで糸目の女性、シェリーがカウンター内でにこやかに微笑んでいた。
「依頼ですかー。これなんていかがでしょー?」
彼女が紹介してくれたのは、リンダールの森にあるエルフの集落付近に現れた雑魔退治の依頼だ。
以前から、枯れ木に蔓草が纏って動き出した、通称植物雑魔の活動は確認されていたのだが、さらに別の雑魔が現れたと言う。
「他の雑魔が切り倒していた木々が雑魔になっている……なんて話になっているようですねー」
その原因は気になるが、未だ掴めていない。どうやら、森に現れる雑魔は個々に動いてはいても、それを仕掛けた歪虚は同一人物の疑いが高まったが……。
何はともあれ、今はエルフ達を助けてあげたい。集落に接近する雑魔を倒さねばならない。
「ご武運をお祈りしていますー。とはいえ、ご無理はなさらずにー」
転移門に向かうハンター達を、シェリーはにこやかな顔で、それでいて、少しだけ気に掛けながら手を振って見送るのだった。
リプレイ本文
●
リンダールの森にあるエルフの集落。
集まる4人のハンター達は、エルフ達と挨拶を交わす。
「エルフの皆様、よろしくお願いします」
同じエルフではあるが、北の辺境で両親と育ったミオレスカ(ka3496)。エルフの集落育ちではない彼女はそれでも、同族を助けたいという気持ちが芽生えていたようだ。
「今度は植物と大木の雑魔か……キリが無いな!」
これまでも、ここのエルフ達からの依頼に参加している南護 炎(ka6651) が叫ぶ。彼はすでに顔見知りとなったエルフ達に、改めて近況について詳しく尋ねていた。
最近の集落は、この近辺にいたヤギ雑魔が北方面に移動したらしい話があっていた。集落に詰めてくれていた聖堂戦士団がその討伐の為、そちらへと向かってくれている。
それと入れ替わるように、しばらく活動が見られなかった植物雑魔が、大きな大木雑魔に引きつられて現れたのだと、エルフ達は言う。
なんでも、この近くを去ったヤギ雑魔の倒した木々が雑魔になったということだが……。
「ふ~ん、雑魔が薙ぎ倒した木がまた雑魔になるなんて、そんなこともあるんだね」
同じく、話を聞いていた夢路 まよい(ka1328) だったが、普段、雑魔と戦っていて、そんなことが頻繁にあっただろうかと首を傾げる。
「この森では、既に何回か雑魔騒動が起こっていると聞くが……。やはり、どこかに大元になるような存在がいるのだろうか?」
人間でありながらも、かなりの長身であるNo.0(ka4640) は、エルフを見下ろす形で話を聞きつつ、唸りこむ。
これまでも、幾度かハンター達はエルフ達の依頼で雑魔討伐、そして、近辺の巡回を行い、現れた歪虚を討伐したこともあるという。
それなのに、現れ続ける雑魔。エルフはもちろんのこと、炎が辟易としているのも、初めてエルフ達の依頼を受けた3人にも伝わろうというものだ。
「とにかく、今は目の前の敵を始末するとしよう」
「絶対に、エルフの皆を傷つけさせやしない!!」
No.0、炎の意気込みに、同行する3人の男性エルフ達も頼もしさを覚えていたようだった。
集落を出発したハンターとエルフ達。
エルフの先導の下、ハンター達は雑魔の出現場所へと向かう。
場所は、集落から南側へと暫く歩いた場所だ。
「同行していただいて、とても心強いです」
「いや、我々こそ、貴公のようなハンターとして活動しているエルフに助力願えるのは、頼もしいことだ」
ミオレスカは微笑む。ただ、彼女は各地での依頼をこなしてきた歴戦のハンターだ。集落のエルフ達も実戦は積めど、ミオレスカには適わないと苦笑する。
「そういえば、戦闘になった場合の布陣だが……」
No.0はそのエルフ達に、この後、ハンター達が考えている戦術について語る。
「俺のサポートを頼みたい」
「心得た。木々のことまで考え、感謝する」
具体的な戦術内容は実戦時に行うとして、その発案はまよいが行い、No.0が主導となって行う形だ。
「着きました。この辺りのはずです」
「ん……」
立ち止まったエルフに示された場所を、No.0が見回す。
ハンター達にとっては、他の場所とさほど変わらないようにも見える。この近辺に住む土地勘のあるエルフ達だからこそ、わかるのだろう。
「この辺りか……!」
サバイバル技能を駆使し、敵が出そうな場所をあちらこちら見ていた炎が叫ぶ。
その声に釣られたどうかどうか、木陰からわらわらと現れる5体の植物雑魔達。枯れ木に蔓草が巻きつき人型となった雑魔は、炎やエルフがすでに交戦経験のある相手だ。
ズシン、ズシン……。
そして、ほとんどのメンバー達の倍以上の体躯を持つ大木雑魔が地面を響かせて現れる。木々にはありえぬ幹の曲げ方で、こちらの様子を窺っているように見えた。
「大体把握した」
この周辺の地形をざっと確認していたNo.0が仲間達へと告げ、魔導ドリルを取り出す。
メンバー達もまたそれに合わせて覚醒し、武器を取り出す。獲物を発見した植物雑魔達はすぐさま飛び掛り、手足の蔓触手を伸ばしてきたのだった。
●
襲い来る植物雑魔達。
まずは、ハンターを拘束しようと蔓草を伸ばしてくる。
「やらせねえぞ!!」
前衛に立ち、それらを受け止めようとするのは、片方のみ瞳を紅く変色させた炎だ。
炎は試作振動刀「オートMURAMASA」を握り、呼吸を整えながら電光石火の一撃を叩きこむ。戦いにおいて、彼に加減などない。スキルの出し惜しみをせず、全力で相手を叩き切る。
しかしながら、炎は元々体力が万全な状態ではない。いつまで持つかを考えれば、早急に対処したいところだ。
髪から七色の光が漏れ出すミオレスカは、魔導拳銃「エア・スティーラー」を握り、敵へと確実に当てられるタイミングを計る。
(守れるのであれば、森を守りたい)
ミオレスカもエルフ。森への被害は可能な限り避けたいと考えている。エルフ達もまた敵の牽制は行うものの、木々に当たる事を懸念して本格的な攻撃は控えていたようだ。
「こちらよ」
強く輝く瞳で敵を見据えるまよいは炎の負担を減らすべく、No.0が予め見定めていた木々の間へと、雑魔達を誘い込むことにする。
そこは左右に木々が並び、横からは生い茂る草木の為に入りづらい通路のようになっている。相手は精々2体が横に並べればいいところだ。
それには主に、No.0が当たることとなる。青い瞳を薄暗く光らせた彼は手にする魔導ドリルを唸らせ、雑魔達を威嚇する。敵はその振動を察知したのか、そちらへと集まっていく。
近寄ってくる敵を木々の間に誘導しつつ、No.0はマテリアルをエネルギーに変換し、光となして植物雑魔の体を射抜いていった。
光に貫かれながらも、敵はわらわらと歩み寄ってくる。誘導をするNo.0は敵が伸ばしてきた蔓草に合わせて光の障壁を展開していく。それに弾かれた植物雑魔達は動きを止めてしまうが、敵はすでに木々の間で一直線に並んでいる。
この状況は、まよいの狙い通り。多くのマテリアルを練り上げた彼女は、眼前に雷撃を呼び出す。見えないオーラに噴き上げられるかのように、彼女の髪や服が靡き、舞い踊る。
「これなら、傷つけたくない森の木々を避けて攻撃できるよ」
自身たっぷりに主張するまよいは術を完成させ、雷撃を前方に飛ばす。威力を増し、長く伸びた雷は雑魔達を纏めて貫いた。
「今です、行きましょう」
そこで、ミオレスカがエルフ達と共にスキルを放つ。
猟撃士2人が弓を射て、手前の敵へと弾幕を張りつつ敵をその場へと足止めする。魔術師のエルフが放った氷の矢に続き、ミオレスカは構えた 魔導拳銃「エア・スティーラー」から高加速射撃を浴びせかけていく。
その一撃に堪えられなくなった手前の植物雑魔が蔓草と胴体である枯れ木とにバラけ、そのまま消えてしまう。
この状況に、大木雑魔はたじろぐ様子も見せたものの。そいつはその身から刃となした木の葉を舞い散らせ、攻撃を仕掛けてくるのだった。
参加人数の都合もあり、ハンター、エルフ達はやや苦しい立ち上がりだったのは否めない。エルフ達も力はあるとはいえハンター達には劣り、満足な戦力というのは厳しいものがある。
しかしながら、まよいの提案した戦略もあり、誘い込んだ敵をうまく叩くことが出来ていたのは大きい。これにより、少ない戦力で敵を策に嵌めることに成功していた。
そのまよいは、今も攻撃を受け続ける炎やNo.0の為にと、緑色に輝く風を取り巻く。回復手に乏しい今回のチーム。できるならば、少しでも被打を避けたいところだ。
No.0は倒れた敵の分だけ攻め入る形で、奥の敵に攻撃を行う。盾を高速で動かし、敵の枝による殴打を受け止めつつ、彼は再び魔導ドリルを媒介にして一条の光を発する。それに焼かれた手前の敵がついに力尽き、黒く爆ぜて消え失せた。
「行かせないって言ってんだろ!!」
炎は最初抑えた敵をずっと抑え続けていた。仲間のお陰で被打は少なく済んでいたものの、それでも彼が一番傷ついているのは間違いない。
それでも、炎は果敢に敵へと攻め入り、全力で刀を振り切る。その一撃で植物雑魔は手足代わりの蔓草をジタバタと動かしていたが、すぐにうな垂れて消えてゆく。
エルフ達もハンターには負けていられないと、仲間内ならではの連携攻撃を見せる。
魔術師のエルフが鋭い風を飛ばしたところに、2人の猟撃士がマテリアルを込めた矢を射る。冷気を纏った矢は続けざまに雑魔を射抜き、凍りつく間もなくかき消えてしまう。
「お見事です」
ミオレスカもまた、彼らに倣って強弓「アヨールタイ」に持ち替え、冷気の矢を撃ち出していく。そいつは植物雑魔最後の1体となったことで集中攻撃を受けることとなっていた。
迷いは幾度も雷撃を仕掛けていたが、その最後の敵へとスタッフを振るい、迸る雷を撃ち放つ。狙い外さず撃ち抜かれた最後の植物雑魔は爆ぜ飛んでしまった。
植物雑魔を倒し、残るは大木雑魔のみ。
そいつは木々の間に入ることなく後方からハンター達へと触手と変えた根で縛り付けていたのだが、
攻め入るNo.0がドリルを突き入れ、かき回すように動かして幹を粉砕しようとする。
これには堪らないと判断したのか、ハンター達に背を向けたそいつは南に向けて逃げ出していく。
「逃がすものかよ!」
「深追いは禁物だ、ここは……」
炎は追おうとするものの、元々負っていた怪我も合わさり、かなりのダメージを受けていた。それを見たNo.0が炎を制する。
大木こそ取り逃がしたが、エルフの集落に近づく雑魔を撃退することは出来た。ハンター達は一旦武器を収め、一息つくのだった。
●
互いの傷を気遣うメンバー達。
この周辺の木々の状態も合わせて確認するが、被害もそれほど大きくはない。
「木々のことまで考えてくれるとは……、感謝に堪えん」
エルフ達は、ハンター達へと握手を交わす。非常に好意を抱いてくれていたようだ。
「今回はこれで、何とかなりそうですが」
ミオレスカは仲間達へと思うことを話す。
生き物ならばともかく、植物だと発生源がありそうだ。なんとかして、その根本から原因を断ち切りたいと彼女は考えている。
炎はサバイバル技能も活かし、黒幕がこの近辺にいないかと周囲を警戒する。残念ながら、それらしき者の姿はない。元々近くにいなかったのか、それとも……。
「この森はもうちょっと詳しく、調べて見たほうがいいかもね」
まよいが気にかけているのは、植物雑魔が現れたという、大樹の切り株。以前、聖堂戦士団メンバーが浄化を施したとの話だが、植物雑魔が再度出現しているとなれば、怪しい場所だ。
メンバー達は状況を探りに、そのまま切り株跡へと向かってみることにした……のだが。
「まさか、雑魔が……!」
エルフ達は口を開け、驚く。浄化したはずの切り株付近には、もはや切り株すらなくなり、大きな穴が抉られるように開いていた。
植物雑魔の姿もそうだが、大木雑魔も通り抜けできるレベルの穴。地下は相当広い空洞となっているに違いない。
「やっぱり、直感どおりだったね」
まよいが小さく呟く。エルフや聖堂戦士団達も、一度はこの地は調べたはず。それなのに、これだけの穴が知らぬうちに広がっていたとは……。
とはいえ、この場を探索するには、状況が心もとない。
「ちっ、体調が万全なら……!」
とりわけ、炎の傷が深い。ハンターとエルフ達は一度態勢を整え、この地を改めて探索することに決め、集落へと引き返すことにしたのだった。
リンダールの森にあるエルフの集落。
集まる4人のハンター達は、エルフ達と挨拶を交わす。
「エルフの皆様、よろしくお願いします」
同じエルフではあるが、北の辺境で両親と育ったミオレスカ(ka3496)。エルフの集落育ちではない彼女はそれでも、同族を助けたいという気持ちが芽生えていたようだ。
「今度は植物と大木の雑魔か……キリが無いな!」
これまでも、ここのエルフ達からの依頼に参加している南護 炎(ka6651) が叫ぶ。彼はすでに顔見知りとなったエルフ達に、改めて近況について詳しく尋ねていた。
最近の集落は、この近辺にいたヤギ雑魔が北方面に移動したらしい話があっていた。集落に詰めてくれていた聖堂戦士団がその討伐の為、そちらへと向かってくれている。
それと入れ替わるように、しばらく活動が見られなかった植物雑魔が、大きな大木雑魔に引きつられて現れたのだと、エルフ達は言う。
なんでも、この近くを去ったヤギ雑魔の倒した木々が雑魔になったということだが……。
「ふ~ん、雑魔が薙ぎ倒した木がまた雑魔になるなんて、そんなこともあるんだね」
同じく、話を聞いていた夢路 まよい(ka1328) だったが、普段、雑魔と戦っていて、そんなことが頻繁にあっただろうかと首を傾げる。
「この森では、既に何回か雑魔騒動が起こっていると聞くが……。やはり、どこかに大元になるような存在がいるのだろうか?」
人間でありながらも、かなりの長身であるNo.0(ka4640) は、エルフを見下ろす形で話を聞きつつ、唸りこむ。
これまでも、幾度かハンター達はエルフ達の依頼で雑魔討伐、そして、近辺の巡回を行い、現れた歪虚を討伐したこともあるという。
それなのに、現れ続ける雑魔。エルフはもちろんのこと、炎が辟易としているのも、初めてエルフ達の依頼を受けた3人にも伝わろうというものだ。
「とにかく、今は目の前の敵を始末するとしよう」
「絶対に、エルフの皆を傷つけさせやしない!!」
No.0、炎の意気込みに、同行する3人の男性エルフ達も頼もしさを覚えていたようだった。
集落を出発したハンターとエルフ達。
エルフの先導の下、ハンター達は雑魔の出現場所へと向かう。
場所は、集落から南側へと暫く歩いた場所だ。
「同行していただいて、とても心強いです」
「いや、我々こそ、貴公のようなハンターとして活動しているエルフに助力願えるのは、頼もしいことだ」
ミオレスカは微笑む。ただ、彼女は各地での依頼をこなしてきた歴戦のハンターだ。集落のエルフ達も実戦は積めど、ミオレスカには適わないと苦笑する。
「そういえば、戦闘になった場合の布陣だが……」
No.0はそのエルフ達に、この後、ハンター達が考えている戦術について語る。
「俺のサポートを頼みたい」
「心得た。木々のことまで考え、感謝する」
具体的な戦術内容は実戦時に行うとして、その発案はまよいが行い、No.0が主導となって行う形だ。
「着きました。この辺りのはずです」
「ん……」
立ち止まったエルフに示された場所を、No.0が見回す。
ハンター達にとっては、他の場所とさほど変わらないようにも見える。この近辺に住む土地勘のあるエルフ達だからこそ、わかるのだろう。
「この辺りか……!」
サバイバル技能を駆使し、敵が出そうな場所をあちらこちら見ていた炎が叫ぶ。
その声に釣られたどうかどうか、木陰からわらわらと現れる5体の植物雑魔達。枯れ木に蔓草が巻きつき人型となった雑魔は、炎やエルフがすでに交戦経験のある相手だ。
ズシン、ズシン……。
そして、ほとんどのメンバー達の倍以上の体躯を持つ大木雑魔が地面を響かせて現れる。木々にはありえぬ幹の曲げ方で、こちらの様子を窺っているように見えた。
「大体把握した」
この周辺の地形をざっと確認していたNo.0が仲間達へと告げ、魔導ドリルを取り出す。
メンバー達もまたそれに合わせて覚醒し、武器を取り出す。獲物を発見した植物雑魔達はすぐさま飛び掛り、手足の蔓触手を伸ばしてきたのだった。
●
襲い来る植物雑魔達。
まずは、ハンターを拘束しようと蔓草を伸ばしてくる。
「やらせねえぞ!!」
前衛に立ち、それらを受け止めようとするのは、片方のみ瞳を紅く変色させた炎だ。
炎は試作振動刀「オートMURAMASA」を握り、呼吸を整えながら電光石火の一撃を叩きこむ。戦いにおいて、彼に加減などない。スキルの出し惜しみをせず、全力で相手を叩き切る。
しかしながら、炎は元々体力が万全な状態ではない。いつまで持つかを考えれば、早急に対処したいところだ。
髪から七色の光が漏れ出すミオレスカは、魔導拳銃「エア・スティーラー」を握り、敵へと確実に当てられるタイミングを計る。
(守れるのであれば、森を守りたい)
ミオレスカもエルフ。森への被害は可能な限り避けたいと考えている。エルフ達もまた敵の牽制は行うものの、木々に当たる事を懸念して本格的な攻撃は控えていたようだ。
「こちらよ」
強く輝く瞳で敵を見据えるまよいは炎の負担を減らすべく、No.0が予め見定めていた木々の間へと、雑魔達を誘い込むことにする。
そこは左右に木々が並び、横からは生い茂る草木の為に入りづらい通路のようになっている。相手は精々2体が横に並べればいいところだ。
それには主に、No.0が当たることとなる。青い瞳を薄暗く光らせた彼は手にする魔導ドリルを唸らせ、雑魔達を威嚇する。敵はその振動を察知したのか、そちらへと集まっていく。
近寄ってくる敵を木々の間に誘導しつつ、No.0はマテリアルをエネルギーに変換し、光となして植物雑魔の体を射抜いていった。
光に貫かれながらも、敵はわらわらと歩み寄ってくる。誘導をするNo.0は敵が伸ばしてきた蔓草に合わせて光の障壁を展開していく。それに弾かれた植物雑魔達は動きを止めてしまうが、敵はすでに木々の間で一直線に並んでいる。
この状況は、まよいの狙い通り。多くのマテリアルを練り上げた彼女は、眼前に雷撃を呼び出す。見えないオーラに噴き上げられるかのように、彼女の髪や服が靡き、舞い踊る。
「これなら、傷つけたくない森の木々を避けて攻撃できるよ」
自身たっぷりに主張するまよいは術を完成させ、雷撃を前方に飛ばす。威力を増し、長く伸びた雷は雑魔達を纏めて貫いた。
「今です、行きましょう」
そこで、ミオレスカがエルフ達と共にスキルを放つ。
猟撃士2人が弓を射て、手前の敵へと弾幕を張りつつ敵をその場へと足止めする。魔術師のエルフが放った氷の矢に続き、ミオレスカは構えた 魔導拳銃「エア・スティーラー」から高加速射撃を浴びせかけていく。
その一撃に堪えられなくなった手前の植物雑魔が蔓草と胴体である枯れ木とにバラけ、そのまま消えてしまう。
この状況に、大木雑魔はたじろぐ様子も見せたものの。そいつはその身から刃となした木の葉を舞い散らせ、攻撃を仕掛けてくるのだった。
参加人数の都合もあり、ハンター、エルフ達はやや苦しい立ち上がりだったのは否めない。エルフ達も力はあるとはいえハンター達には劣り、満足な戦力というのは厳しいものがある。
しかしながら、まよいの提案した戦略もあり、誘い込んだ敵をうまく叩くことが出来ていたのは大きい。これにより、少ない戦力で敵を策に嵌めることに成功していた。
そのまよいは、今も攻撃を受け続ける炎やNo.0の為にと、緑色に輝く風を取り巻く。回復手に乏しい今回のチーム。できるならば、少しでも被打を避けたいところだ。
No.0は倒れた敵の分だけ攻め入る形で、奥の敵に攻撃を行う。盾を高速で動かし、敵の枝による殴打を受け止めつつ、彼は再び魔導ドリルを媒介にして一条の光を発する。それに焼かれた手前の敵がついに力尽き、黒く爆ぜて消え失せた。
「行かせないって言ってんだろ!!」
炎は最初抑えた敵をずっと抑え続けていた。仲間のお陰で被打は少なく済んでいたものの、それでも彼が一番傷ついているのは間違いない。
それでも、炎は果敢に敵へと攻め入り、全力で刀を振り切る。その一撃で植物雑魔は手足代わりの蔓草をジタバタと動かしていたが、すぐにうな垂れて消えてゆく。
エルフ達もハンターには負けていられないと、仲間内ならではの連携攻撃を見せる。
魔術師のエルフが鋭い風を飛ばしたところに、2人の猟撃士がマテリアルを込めた矢を射る。冷気を纏った矢は続けざまに雑魔を射抜き、凍りつく間もなくかき消えてしまう。
「お見事です」
ミオレスカもまた、彼らに倣って強弓「アヨールタイ」に持ち替え、冷気の矢を撃ち出していく。そいつは植物雑魔最後の1体となったことで集中攻撃を受けることとなっていた。
迷いは幾度も雷撃を仕掛けていたが、その最後の敵へとスタッフを振るい、迸る雷を撃ち放つ。狙い外さず撃ち抜かれた最後の植物雑魔は爆ぜ飛んでしまった。
植物雑魔を倒し、残るは大木雑魔のみ。
そいつは木々の間に入ることなく後方からハンター達へと触手と変えた根で縛り付けていたのだが、
攻め入るNo.0がドリルを突き入れ、かき回すように動かして幹を粉砕しようとする。
これには堪らないと判断したのか、ハンター達に背を向けたそいつは南に向けて逃げ出していく。
「逃がすものかよ!」
「深追いは禁物だ、ここは……」
炎は追おうとするものの、元々負っていた怪我も合わさり、かなりのダメージを受けていた。それを見たNo.0が炎を制する。
大木こそ取り逃がしたが、エルフの集落に近づく雑魔を撃退することは出来た。ハンター達は一旦武器を収め、一息つくのだった。
●
互いの傷を気遣うメンバー達。
この周辺の木々の状態も合わせて確認するが、被害もそれほど大きくはない。
「木々のことまで考えてくれるとは……、感謝に堪えん」
エルフ達は、ハンター達へと握手を交わす。非常に好意を抱いてくれていたようだ。
「今回はこれで、何とかなりそうですが」
ミオレスカは仲間達へと思うことを話す。
生き物ならばともかく、植物だと発生源がありそうだ。なんとかして、その根本から原因を断ち切りたいと彼女は考えている。
炎はサバイバル技能も活かし、黒幕がこの近辺にいないかと周囲を警戒する。残念ながら、それらしき者の姿はない。元々近くにいなかったのか、それとも……。
「この森はもうちょっと詳しく、調べて見たほうがいいかもね」
まよいが気にかけているのは、植物雑魔が現れたという、大樹の切り株。以前、聖堂戦士団メンバーが浄化を施したとの話だが、植物雑魔が再度出現しているとなれば、怪しい場所だ。
メンバー達は状況を探りに、そのまま切り株跡へと向かってみることにした……のだが。
「まさか、雑魔が……!」
エルフ達は口を開け、驚く。浄化したはずの切り株付近には、もはや切り株すらなくなり、大きな穴が抉られるように開いていた。
植物雑魔の姿もそうだが、大木雑魔も通り抜けできるレベルの穴。地下は相当広い空洞となっているに違いない。
「やっぱり、直感どおりだったね」
まよいが小さく呟く。エルフや聖堂戦士団達も、一度はこの地は調べたはず。それなのに、これだけの穴が知らぬうちに広がっていたとは……。
とはいえ、この場を探索するには、状況が心もとない。
「ちっ、体調が万全なら……!」
とりわけ、炎の傷が深い。ハンターとエルフ達は一度態勢を整え、この地を改めて探索することに決め、集落へと引き返すことにしたのだった。
依頼結果
依頼成功度 | 成功 |
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MVP一覧
- 夢路に誘う青き魔女
夢路 まよい(ka1328)
重体一覧
参加者一覧
サポート一覧
マテリアルリンク参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
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作戦相談場 No.0(ka4640) 人間(リアルブルー)|20才|男性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2017/04/02 23:32:48 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/04/02 20:58:55 |