• 初心

【初心】タマゴの森って何だろな

マスター:深夜真世

シナリオ形態
ショート
難易度
普通
オプション
  • relation
参加費
1,000
参加制限
LV1~LV20
参加人数
4~8人
サポート
0~0人
マテリアルリンク
報酬
多め
相談期間
5日
締切
2017/05/06 22:00
完成日
2017/05/18 01:53

このシナリオは5日間納期が延長されています。

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング

 ここは同盟領のどこかの村。
 とかなんとかいっちゃったりしたら味気ないので、同盟領は農業推進地「ジェオルジ」のどこかの村で。
「お?」
 村近くの森に入った猟師は、今まで感じたことのない気配に鳥肌が立っていた。
「何か……おるで」
 身を沈め灌木に隠れるようにして周りに注意を払う。たらり、と汗が顔を伝う。
 獲物、という感覚ではない。
 こちらが獲物となってしまうような、ヤバい気配。
 狩る者が狩られる側に回ってしまう「潮目」を感じる術は、もしかしたら狩る技術よりも重要かもしれない。なぜなら、獲物を狙うのとは違い人生において二度目はないからだ。
 が、それ以上のヤバい感覚はない。
「おかしい。こんなん初めてじゃあ」
 乾く唇を湿らせつつ呟く。
 とはいえ、その気配が移動しているような感じはない。
 狩られるのを恐れて隠れているだけなら、そういう気配がする。
 獲物を探しているなら、間違いなく動く。ただ、その様子はない。
 そこまで思考し、はっと気づく。
「……隠れて、狩るつもりか」
 こちらと同じ。
 であるなら、飛び道具を持っている可能性が高い。
 猟師、途端に目が細められ左右に眼球が動いた。
 ――先に見つけた方が、勝つ。
 この一帯に潜伏しているのはゴブリンなどの亜人か、もしくは盗賊と判断した。やらなければ、確実にやられる。
「!」
 やがて異変を察知した。
 そして、思わず声を出してしまうのだった!
「な、何だ、こりゃ?」
 はっと口を塞ぎ、とにかく逃げる猟師だった。

「それがよぅ。赤い丸いものが枝の間から見えたんでなんかの果実かと思うたんじゃが、妙に大きくてな? 人の顔くらいあるんじゃ。それが……」
 例の猟師、村に戻って慌てて村の顔役などに報告していた。
「ほう、それで?」
 村長に神父などがぐっと前のめりに続きを促す。
「よう見たら、タコの顔じゃったんじゃ」
「はぁ?」
 一斉にずっこけた。
 よりにもよって森にタコはなかろう、などとざわめく。
「そ、そういえば」
 いつの間にやら教会の前には結構な人だかりができていた。その中の一人が真剣な声を出した。
「俺が森に行ったとき……葉っぱや土の色をした人の顔くらいのでっかいタマゴが低木の枝に隠れてたのを見たことがある」
 急いどったから見間違いかもと思ったが……と声を絞る。
「あ、俺も人の顔くらいの金色をしたタマゴか何かを見たぞ!」
 金塊ならめっけもんじゃあと近寄ろうとしたところ崖から滑落。何とか無事で戻った時にはもうなかったとか。
「おおい、大変じゃあ!」
 そこへ、別の猟師が。
「いま森で、ジャック・オ・ランタンの顔をした宙に浮くタマゴに襲われかけたんじゃ! やつら、魔法の矢を放つで!」
「模様は?」
「イースターエッグのような縞模様。ジャック・オ・ランタンのように口の中に光がついておった」
「なんてこった」
 これだけ報告があるんだ、結構な数がいるぞと天を仰ぐ村長だった。
「とにかく、村に入り込まれてイースターのエッグハントに紛れてしまうと大変です。早く退治しないと」
 神父、そっちを心配した。

 そんなわけで、どこぞのハンターオフィス。
「えーーーーーーっ! 私、この間も行ったじゃない」
 南那初華(kz0135)が盛大にぶーたれてた。
「そこを何とか。……ほら、イースターのエッグハントができちゃうということで」
 初華に依頼の説明をした眼鏡っ娘係員、両手を前で合わせて拝んでいる。
「リアルエッグハント……それより私、疲れたよぅ」
「気持ちは分かるけど……」
 確かに、ここのところ花見でクレープ焼いたり偽装馬車で襲って来たサルを返り討ちにしたり火付けの犯人探しをしたりと忙しい。同情するなら有給休暇をくれ、という気持ちも分かる。
「今度、バカンスになるような依頼を優先的に回してあげますから」
「ホント?」
 がばっと身を起こす初華。
「去年は海にタコ雑魔退治に行ったかなぁ。今年は普通にバカンスがいいな♪」
「善処します」
 むふふん♪と唇に指を添える初華。係員、頭を下げつつ今回の依頼書に初華の名前を早速書くのだった。

 というわけで、目撃された森に入りジャック・オ・ランタンの中身が潜んでいる「イースターエッグ雑魔」を退治してくれる人、求ム。

リプレイ本文


「目玉がひたすらこっち見よってのぉ」
「いやいや、こっちは」
「いや、俺は」
 現地に着くと村人が次々とまくしたててきた。
「……ん。なるほど。複数いて、いろいろな模様がある卵型の雑魔みたいだね…」
 瀬崎 琴音(ka2560)はこくりと頷き村人を落ち着かせる。
「まったく、イースターエッグを気取りよってからに!」
「エッグハントですの? まぁ、どのような姿をしていようと雑魔。倒すだけですわ」
 ぐぬぬと怒りを溜め込む村人の言葉にグローリア(ka6430)が討伐宣言。村人たちも「おお、さすがじゃ!」と盛り上がるだけ盛り上がっている。琴音はその横で静かにたたずんでいるが。
 その後ろでごにょごにょやっているのもいる。
「いーすたーえっぐ?」
 鳳凰院 流宇(ka1922)だ。
 そこで姉の鳳凰院瑠美(ka4534)が人差し指を立てる。
「るぅ、イースターエッグっていうのはね、綺麗な模様が入ってる卵なの! んで……、あと…なんだっけ?」
 そこまで言っておいて瑠美までそろって首をかしげる始末。
「聞いたことがあります。春のお祭りに用意するカラフルな模様の卵ですね?」
 まともな説明は、カメリア(ka6669)。
「ふんふん、なるほどぉ」
「なるほど、です。まだまだ私も知らない事が多いです。為になります」
 瑠美が真剣に聞きつつメモを取り、流宇も納得。
「べ、別に知らなかったわけじゃないわよ? と、当然知っていたわ!」
 瑠美、メモは模様だけだからとか言い訳。
 とにかく場は落ち着いた。
 ……はずだった!
「でも、歪虚の卵を割っても中から指輪も人形も出てきませんよね……ちょっぴり残念です」
 ぼんやりと穂積 智里(ka6819)が呟いた。
「え? お人形が入っているのですか?!」
「割っていいんだ?!」
 流宇と瑠美が反応。
「え? え?」
 智里、わたわたっと慌てて……。
「そうですよね、初華さん?」
 南那初華(kz0135)に助けを求めた。
「ほへ?! ……え、えーと」
 ぎくっとしたまま固まった初華。横で琴音が「相変わらず苦労してるね」と同情してたり。
「ろ、ローカルルールがいろいろあるはずっ! 今回は見つけたらぶっ壊し!」
 ぐっ、と拳を固めてごまかす初華だった。
「そうですね。かわいくないタマゴは容赦なくカチ割ってしまいましょう。かわいい?タマゴは……優しくつぶしてしまいましょう」
 ニコニコしつつカメリアがいい具合にまとめた。
「楽しく過ごせそうですわね!」
 グローリア、この流れに自然に乗っかった。流宇も瑠美も「頑張りましょう!」と頷き合ってノリがいい。
「それじゃ二人で組を作って探したらどうかなって思います。初華さんは……」
「智里さんて、ぼんやりしてるようでしっかり者さんみたいね……」
 騒ぎの収集と合わせ、意外と手際のよい智里に汗たら~な初華だったり。
 そのままぺちゃくちゃと盛り上がりつつ森の方へ移動を始めた。
「じゃ……」
 最後に琴音、村人にぺことお辞儀をして皆を追うのだった。

 そのきゃいきゃいやってる後ろ姿を見送りつつ村人らは話し合う。
「……あの様子で大丈夫かのぅ?」
「とはいえ、年頃の娘らがああなったら最後。横から口を挟もうが無敵じゃし」
「成程。無敵なら心配いらんの」
「いや、それでええんか?」
 とにかく無事を祈る。



 さて、目撃情報のあった森で。
「カメリアさんと瀬崎さんで組むなら、私はグローリアさんとですね」
「よろしいですわよ。……さあ、見つけて差し上げますわ!」
 というわけで、智里とグローリアがレッツゴー!
「ねえ、るぅ? るぅは金色のタマゴと赤いタコの頭のタマゴ、どっちがいい?」
「……お姉様、こちらが選べるのではないと思います」
 瑠美は村人から聞いてメモしたタマゴの目撃リストを見ながら聞き、流宇は当惑しながら言い聞かせていたり。
「べ、別に探す模様を聞いてたんじゃないわよ? 後でどっちがいいかって……」
「……賑やかだね」
 琴音、少し困った様子。
「まあ、目撃情報があるのはまだ奥の方ですから」
 村から地図を借りたカメリアがとりなす。
「だ、大丈夫かしらね~」
 そんな三組を後方から見つつ心配する初華。この布陣でローラー作戦だ。

 しばらくのち。
「そんなに苦労しないとはいえ、草木が邪魔で索敵が困難だね……そして相手は隠れて動かないわけだから草木が揺れるわけでもない」
 かさっ、と木の枝を払い顔を出した琴音がそう分析する。
「琴音さん、生命感知を試してみますので待ってください。歪虚がいれば他の動物はいないはず」
 カメリア、陰陽符「降魔結界」をぴらっと二枚取り出し念じると表の呪文が赤く輝き消えた。不可視の結界だ。
 で、結果は。
「特に異常はないみたいですね」
 首を振るカメリア。
「……厳しいな……」
 琴音、これはちょっとやり方を変える必要があるね、と考え込む。

 こちらでも。
「1匹見つけたら30匹と言いますけど、今回はもう8体見つかっているんですよね……さすがに2倍以下であってほしいです」
 智里が片膝を付いて草の葉をかき分け呟いている。
「あら、発見から数日たってますから数は減っているはずですわ」
 傍に立って木の枝などを探していたグローリアが言い切った。
 っていうか、どっちもその論の根拠は何なんだか。
「え? タマゴは歪虚だから誰かが食べるわけじゃ……」
「タマゴをたくさん買い込むようなお屋敷にはたいてい駄目メイドがいてドジ踏んで割ってしまうものですわ」
「ええと……同情します」
 智里、それは違うんじゃと思いつつもそうは言わず。もしかして今の話はグローリアの経験からなのかな、と感じて慰めておく。
 って、どっちもそんなわけないでしょ。

 そして、こっち。
 ばっさばっさ……。
「お姉様、何事も油断は禁物、ですよ?」
 拾った枝をぶんぶん振り回し小枝を払うといった大雑把な探索をする瑠美を見かね、こっそりと流宇が一言声を掛けた。
「んー、やっぱりこう、ば~っと行って、ば~っとやっつける方が爽快だよ! 探すの飽きたっ!」
 瑠美、駄々をこねた。
 一応フォローしておくと、瑠美だって探索の最初はとっても静かに真面目に探していたのだ。
「最初は頑張ってたのに……」
「だって出てこないんだもん!」
 出てこない向こうが悪い、とばかりに胸を張る瑠美。
 この様子に、思わずくすりと微笑する流宇。
(お兄様と3人で遊んでいた頃を思い出します)
「な、何よ?」
「そういえば、お姉様は鬼ごっこは得意でしたがかくれんぼは苦手でしたね。でも、もう少し頑張りましょう」
 不安になって聞いて来た流宇にそう返す。
「う~…そうだけどさぁ…」
 瑠美、ぶちぶち。どっちが姉なのやら。



 やがて琴音が異変を察知する。
「……そういえば、鳥の声が……聞こえてこない?」
「試してみましょう」
 カメリアが再び生命感知。
 結果、周囲に生命反応がぐっと減っていることが分かった。
「……そうか。襲うために隠れているのだから……」
 そんなに苦労しないはず、という最初の思いに立ち返る琴音。
 擬態か、それとも足音の響きやすい地面か。
 きょろ、と探し回って発見。
「いた……」
 遠くの枝に、大きな赤い果実のようなものを見つけた。
 よく見ると、タコのような顔が描かれている。相手も一瞬ぎくっと揺れた。間違いない。
 琴音、じり……と柄に「洞爺湖」と彫られた木刀に手を掛け腰ダメに接近すると相手の方がしびれを切らした。
 がさっ!
 すっ飛んで襲ってくるタマゴ。
 同時にそれまでの擦り足をやめて大きく踏み込む琴音。着物の裾から白い足が伸び大地を踏みしめる。木刀が帯電して唸る!
 バキン!
 見事一撃で粉砕する。
 しかしッ。
「……エレクトリックショックを使って正解だったね」
 琴音、タマゴの中から本体である小さな光体が姿を現したのを目の端でとらえている。スキルで痺れているぞ。
「成敗……」
 琴音、すぐさま黒漆太刀「血桜」を抜きこちらも斬った。後に初華から「漆黒に深紅の文字の刀? 珍しいねっ」と評された一太刀。
 しかし、この移動で他のタマゴが動き出していた。
 琴音の背後からマジックアロー。これは食らってしまう。そして別方向からも突っ込んできている!
「琴音さん!」
 離れたカメリアからの叫び。
 同時に閃光が琴音を包む。
「五色光符陣です!」
 突っ込んでいたタマゴ、まばゆい光にくらっとしている。タマゴの模様は「ハズレ」。
「……ふざけてるね」
 琴音、踏み込んで叩き血桜一閃。
「そこですね。もう撃たせません」
 カメリアはもう一体からアローを食らっていたが、それで潜伏場所が分かった。げじげじ眉毛タマゴだ。五色光符陣のまばゆい光が連発。ようやく沈黙する。
 が、この派手な攻撃でもう一つタマゴがカメリアに接近戦を挑むべく突っ込んでいた。
「させないよ」
 戻った琴音が体を張る。
「琴音さん!」
「……ありがとう」
 一瞬、桜が舞った空間に「血桜」の鋭い斬影。一瞬、琴音の長い前髪がなびき隠れがちの瞳が覗いた。
 返す刀で本体も斬った。背後のカメリアもほっと構えを解く。

 こちら、流宇。
「わあ……」
 何か発見したようで両手を前に組み瞳を輝かせていた。
「お姉様、可愛らしいシマリスです」
「ん~……どれどれ?」
 瑠美、傍に寄って流宇の視線の先を探すと……。
 枝の上に確かにシマリスがいた。背中を向けて尻尾を丸めている。
「って、なんかおかしくない?」
「そう言われれば微動だにしませんね」
「っていうか、るぅ! 背中に凶悪な目と口の穴があるじゃない!」
「そ、そう言われればお姉様の言う通り……」
 ぎくっ、と微動するタマゴ。が、それ以上動かない。
 しばらく両者にらめっこをするが……。
「あーーーっ、もう飽きた! るぅ、援護任せるからね! とっか~んっ!」
 瑠美、どっかーん。騎兵用剣「ツァグダー」を抜刀し駆け出したっ。
 同時に、別の場所からマジックアロー!
「お姉様、援護致します」
 捜索中も常にバックラーを前面に掲げていた流宇、プロテクションをかけた瑠美が後方から食らったことでその射線へと体を入れた。
 そして瑠美はシマリスタマゴの突撃をひらりとかわす。ドレスのなびきが収まるまでに身をひねり振り返りつつ……。
「何よ、こっち側もリスの背中ぁ?」
 不満たらたらにスラッシュエッジ。そして中心にあった小さな光体から矢が飛んで来て食らう。
「しつこいっての! ……へへ~ん。やったね、るぅ!」
 怒り混じりに渾身の一撃。光体も両断して機嫌が直る。
 が、すぐにまた慌てることに。
「……お姉様、どこから狙われてるのか分かりません……」
「るぅ?!」
 流宇、2方向からマジックアローを食らっていた。方向は分かるが視認できない。
 が、瑠美の解決法は明快。
「いたっ!」
 撃って来るのはむしろ歓迎とばかりに場所を見定めて接近。草葉の影に森林迷彩のタマゴがいた。
「紛らわしい!」
 ばっさり。
 そして振り返る。
「お姉様、発見しました。『ワレモノ』のマークです」
 流宇、弓で反撃に出ていた。鳥の鳴き声のような音を残し矢が立て続けに飛んでいく。
「どれどれ……それっ!」
「本体はあんなに小さな存在なのですね…綺麗ではありますが…」
 瑠美が止めを刺す前の光体に、少しはかなきものの美しさを見る流宇だった。

 そして、グローリア。
「あら、派手に光りましたわね……きゃっ!」
 カメリアの最初の五色光符陣に気付き振り向いた隙を狙われた。
 ひゅん、とマジックアローが背中に命中。
 振り返るがどこにいるのか分からない。
「ええと、この辺りでした」
 コンビを組む智里、魔導機式抜刀剣「白雪」を鞘ごと持って機導砲発射。一条の光が草むらを穿つが、敵を狙ったのではなくこのあたりからマジックアローが飛んで来たという指示。指差すより確実だ。
「大体で大丈夫ですわ。後は強力な盾を兼ねるわたくしの武具、帝国の叡智の結晶ディスターブを構えて突撃ですわ。さあ、撃って来るがよろしくてよ!」
「えーと……」
 グローリア、一直線。智里は攻性強化で支援するか防性強化で支援するか迷ったが……。
「性格的にこっちでしょうか?」
 目の前をだだだっと横切るグローリアに攻性強化。
「いましたわ!」
 接近中にアローを食らったことで草葉の影でじーっとしている白と赤の縞模様の卵を発見。え、ダメージ?帝国の叡智の以下略が活躍しましたとも。
「突構えから震撃ですわ全力ですわっ!」
 とにかく改めて鋭く突撃。アローを本格的に食らうが拳を固めて構わず草ごと叩きつぶす。
 ごしゃっ!
 伸びる伸身。跳ね上げた足にひらめく戦鬼の黒衣。
 手ごたえ十分!
「見ましたか! 格闘士たるわたくし自慢の近接格闘……帝国の叡智パリィグローブ!」
 グローリア、ご満悦!
 が、中心の光体が残っていた。そこからアローが飛んでくる。
 瞬間、ぴくりと眉が動き機嫌が傾く。
 同時に魔導拳銃「エニアグラム」を抜き発射、発射!
「……最強に見えるそれよりも、銃の方が高威力なのは秘密ですわ。わたくしの使う武器はあくまでこの手足、そこはこだわりですもの!」
 ぐ、と拳を固め背を向ける。一体、討伐。
 ちなみに智里は別の一体からアローを食らっていた。
「弓の的のような模様ですね。……撃ち返します」
 やはり鞘ごと持って機導砲。今度は視認しているだけにきっちりと命中。
 が、さらに横から金色のタマゴが突撃してきて体当たり。ごちんと激しく当たる。
「いたっ……」
「帝国の叡智は……」
 グローリア、仲間に当たったタマゴをがっちりキャッチ!
「掴んで投げることもできますのーーっ!」
 ぶうん、と全力投球。先に機導砲が命中し光体だけになりながらもアローを撃つ敵に投げつけ光体は消滅。そこにエニアグラムと機導砲の射撃が集中。
 これで計3体を倒した。



 そして、夕暮れ。
「もうそれらしいのはいません」
 カメリア、広範囲索敵して結論付ける。
「一安心ですね」
「ねー、どんな模様があった?」
 にっこりする流宇の横で、メモを取りつつ瑠美が聞く。
「さっき倒した18歳禁止マークのタマゴが最後でした」
「ほへ? 中身は?」
 うーん、と切り出す智里の話題に初華が食い付いた。
「中は一緒のはずだよ」
 琴音、横で冷静にぽそり。
「それよりあなた」
 グローリアは初華に向き直る。
「菓子職人なのでしょう? リゼリオに戻ったらひとつ、いただけないかしら」
「う? 屋台手伝ってくれたら……」
 初華、たじっ。
「分かりました。すぐに戻りましょう!」
 とにかく身体を動かした後は甘いものですわ、とずんずん戻るグローリア。
「わたしも甘い物欲しいから普通に食べ歩きしようよぅ」
 それもいいですねとか楽しそうですとかぺちゃくちゃと村に帰還していく。

「やはり無敵じゃったか」
 きゃいきゃい戻った様子を見て村人たちは戦慄したというのはおまけの話。

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MVP一覧

  • 漆黒深紅の刃
    瀬崎 琴音ka2560
  • 桜の舞い
    カメリアka6669

重体一覧

参加者一覧

  • 綺麗好き
    鳳凰院 流宇(ka1922
    人間(蒼)|17才|女性|聖導士
  • 漆黒深紅の刃
    瀬崎 琴音(ka2560
    人間(蒼)|13才|女性|機導師
  • おしゃべり大好き☆
    鳳凰院瑠美(ka4534
    人間(蒼)|17才|女性|疾影士
  • 突撃お嬢様!
    グローリア(ka6430
    人間(紅)|11才|女性|格闘士
  • 桜の舞い
    カメリア(ka6669
    人間(紅)|14才|女性|符術師
  • 私は彼が好きらしい
    穂積 智里(ka6819
    人間(蒼)|18才|女性|機導師

サポート一覧

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2017/05/06 14:23:55
アイコン 依頼相談
カメリア(ka6669
人間(クリムゾンウェスト)|14才|女性|符術師(カードマスター)
最終発言
2017/05/06 21:00:42