強化コボルド殲滅戦

マスター:鳴海惣流

シナリオ形態
ショート
難易度
普通
オプション
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
4~6人
サポート
0~0人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
締切
2017/05/11 09:00
完成日
2017/05/16 22:40

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング

●最悪の置き土産

 グラズヘイム王国ラスリド領リーラン村。
 見るものといえば豊かな緑程度の小さな村で、眉間に縦皺を刻むのは現領主で実父でもあるゲオルグ伯爵より、代理統治を任されているレイルだ。
 リーラン村のずっと北だが、領内にてコボルドの集団が発見された。一報をもたらしてくれたハンターのおかげで、膨大な数に増殖していないのは不幸中の幸いだった。
 しかし問題が発生した。

「アクスウィルの部隊が一時後退したみたいじゃないか」

 村の真ん中に設置されたテント内で現場の地図とにらめっこするレイルに声をかけたのは、隣で腕組みをしている女鬼のアオユキだった。彼女は副官的な立場になる。

「その通りだ。大半のコボルドはそこらの――と言っていいかわからないが、大差のない雑魚で容易に撃退できたらしい。だが奥の平原に陣取る数体が問題だったそうだ」

 アクスウィルは領主の館がある領内の中心街であり、詰めている私兵も戦力に乏しいリーラン村と違ってそれなりに充実している。
 魔獣の多い土地柄でそちらの警戒に主力の大半を割かれてるとはいえ、単なるコボルドに後れを取るはずがない。撤退という事態を招いてしまった原因は、相対したコボルドが普通ではなかったからだ。

「この間、ハンターが倒してくれた歪虚のせいで、強いコボルドが領内にいるのはわかってたろ。なのにやられちまったのかい」
「想定を上回る強さだったらしい。で、話がこっちに回ってきた。例えるなら強化タイプのコボルドとの戦闘経験は多いだろうってことでな」
「おいおい。そうは言うけどさ、全部ハンターのおかげじゃないか。リーランの手勢だけじゃどうにもならないぞ、旦那」

 重々しくレイルは頷く。ハンターに力を借りっぱなしで申し訳ないが、今回もそうせざるを得ないという結論に彼も辿り着いていたからだ。

「とはいえ、今回はアクスウィルの軍も動く。向こうが周辺の雑魚コボルドを殲滅させる間に、こちらはハンターの力を借りて本命を叩く」
「領主の私兵の主力を押し返したコボルドかい。こっちの実力が上がっても、敵まで強くなるんじゃいたちごっこだね」

 アオユキがため息をつく。そうしたいのはレイルも同じだが、コボルドを放置しておいても良好な結果は生まれない。ましてや通常種よりも強いとなれば尚更だ。

「仕方がないさ。ミントに頼んでハンターへ依頼を出してもらおう」

●変種コボルド殲滅戦

 ハンターズソサエティで依頼を受けたハンターたちは、現場より少し離れた小高い丘に設営された幕舎にて依頼者のレイルと合流した。

「よく来てくれた。協力に感謝する。標的はここより北の地点にいるコボルドだ。注意してほしいのは、そのコボルドがそこらの雑魔よりもずっと強いという点だ。しかもそのうちの一体が、どうやらボス的な存在になっているらしい」

 他のコボルド同様に人間の言語を理解したりはできないが、圧倒的に実力に秀でているため自然に上下関係みたいなのが敵の中で形成されているみたいだった。

「そいつの周りにいるコボルドも結構な強さらしい。一体でも逃げられると厄介だ。確実に殲滅してほしい」

 ハンターたちが力強く頷くと、レイルは少しばかり安堵したようだった。

「我々はアクスウィルの軍とともに、雑魚のコボルドを一掃する。そちらに他の戦力を向かわせないようにするので手一杯なのが悔しく申し訳ないが、どうかよろしくお願いする」

 そう言うとレイルはハンターの一人一人に、丁寧に頭を下げた。

●決戦の平原

 障害物など何もない平原。そこで王様のように振舞う一体のコボルドがいた。身長は一般的なのと比べて倍ほどはあり、体格も筋骨隆々といった感じで立派だ。右手には人間から奪ったのか、ロングソードまで装備している。
 周囲のコボルドも邪悪そうな顔つきだ。まるで正々堂々の決戦を希望しているかのように、ハンターを視認しても動きを見せない。とりわけボスの態度は傲岸不遜で、まるで己に敵う者などないと確信しているようでもあった。
 吹く風が緊張を含んだように生温かくなり、平原に戦闘前独特の緊張感が満ち始めた。

リプレイ本文

●戦場

 視界を遮るものが何もない平原。力と力の勝負なら負けないとばかりにコボルドが太い腕を振り回す。一般人なら恐れ戦くだろうが、幾多の修羅場を潜り抜けてきたハンターにとっては虚仮威しも同然だった。

「危惧した通りの、あの歪虚の置き土産ね。親玉は姉に任せてしまったけれど、最後の仕上げはちゃんとやらせてもらうわ」

 倒された歪虚と以前に対峙した時から、いずれはこうなるのではと見越していたコントラルト(ka4753)である。赤髪との対比が鮮やかな雪白の肌を日の光に煌かせ、最奥の巨体に視線を注ぐ。
 むんと効果音が聞こえてきそうな可愛らしい仕草で拳を握り、気合を入れるのはファリス(ka2853)だ。

「……悪しき亜人は早めに退治しないと皆に迷惑を掛けるだけなの。だから、ファリスも頑張って皆と一緒に退治するの」

 美しい銀色の髪が、動きに合わせてさらりと流れた。

「たかがコボルド、されどコボルド。言わば蠱毒。壺中にあらばいずれ強力な個体が現れるのは必然じゃろう」

 ドワーフらしく小柄ながらも組んだ腕に大きな胸を乗せ、さもありなんとばかりにレーヴェ・W・マルバス(ka0276)は言った。クールな彼女はこの状況にもまったく動じていなかった。

「並みの魔物よりも明らかに強いコボルド、ね……」

 ラース・フュラー(ka6332)の呟きに、狭霧 雷(ka5296)が応じる。

「ここまでくると、もはやコボルドとは呼べませんね」
「なんというか……やれば意外と何とかなるものなのね。私も鍛えれば、並みの歪虚なら一人で倒せるくらいになるのかしら? そこまで鍛える必要がない世界になるのが一番だけど」

 陽光を浴びてより輝きを増す金色の髪を揺らし、臨戦態勢を整えたアメリア・フォーサイス(ka4111)が銃を構える。

「さぁさぁさぁ。今回は突然変異……人為的? 変化を加えられたコボルドですか」

 どのコボルドも通常種より凶暴そうだが、とりわけボスのように後方に陣取っている一体は威圧感が他のとは段違いだった。

「私兵の方々が負けるほどとなると私達も油断は禁物ですね。気を引き締めていかないと」

 猟撃士のアメリアはしなやかな体躯を戦場に躍らせる。援護を主に担当するつもりのアメリアは味方の攻撃に巻き込まれないよう、射線確保に注意しつつも細かな移動を心掛ける。

●戦闘開始

 アメリアとは逆方向に動き出した猟撃士のレーヴェ。弓での支援を果たすために長い銀髪を風に舞わせ、戦場を疾走しながら左方にいる敵を狙う。

「それでは援護射撃といくかのう。ボスを引っ張り出すために苦戦を演じるべきじゃろうか」

 誰にともなく呟いたあと、レーヴェは首を振って思い直す。

「取り巻きも強そうじゃ。そのへんの心配はいらないじゃろう。予想より弱かったりはしないだろうしのう」

 少々の嫌味を感じさせる笑みを見せたレーヴェが弓を引き絞る。弓幹と弦が描いた綺麗な円形は、まるで日中に満月が生まれたみたいだった。
 敵の視界から消えた瞬間を狙って放たれた矢は見事な直線を描き、微風を突き抜けてコボルドの足を貫いた。レーヴェの威嚇射撃により身動きを封じられた敵は忌々しげに大きな目玉を動かすばかりだった。


 ピンと張りつめた戦闘時独特の緊張感のせいか、妙に生暖かく感じる戦場に可憐さを伴ったファリスの声が響く。可愛らしい風貌ではあってもファリスは優秀な魔術師である。単独行動は取らず、仲間が仕掛ける瞬間を待って敵全体に攻撃を仕掛ける。

「乱戦になる前に、ひとまとめにどーんとやってしまうの」

 寄り添うような優しい光が少女の全身を包み、天使に生まれ変わったかのごとき幻影の白い翼が六枚ほど生まれる。銀髪を揺らめかせるファリスの赤い瞳が捉えるのは異質なコボルド達。

「……爆炎よ。弾け、敵を焼き焦がせ! メガフレアボム!」

 少女の咆哮に導かれ、瞳の力を宿したような赤く燃える火球が放たれる。コボルドの視線が集まった直後、それは轟音を巻き散らして破裂し、四方八方へ衝撃の雨を浴びせた。
 上がるのは火の手ではなくコボルドの悲鳴。なれど回避しにくくなった一撃をボス格と右方のコボルドは地面を転がるように回避。残る二体は頭と足に大きな怪我を負って苦悶する。

「全部には当てられなかったの。悔しいけど、次はお願いするの」

 ファリスからバトンを受け取ったのは、馬上から敵を見下ろす麗しの機導師。任せてと言いたげにコントラルトは小さく頷いた。

「それにしても、まあ、歪虚の遊びで繁殖させられて、こうやって討伐対象にされてしまったのはちょっとだけ同情するけれど、ね」

 マテリアルを集中させ、一体一体の位置を確認する。

「この位置からなら四匹まとめて狙えるわね。全力で行かせてもらうわよ」

 ゴースロンに跨ったままで右腕を伸ばす。火属性のファイアスローワーはコントラルトの持つ魔法威力を上昇させる。扇状に広がった破壊の力は瞬時に戦場を駆け抜け、中央にいたコボルドを除く三体の頭、足、胴に命中した。
 左右のコボルドが音を立てて倒れる中、想定以上の威力だったのか、双眸を見開いたボスが数歩下がる。それでも膝をついたりはせず、戦意も失っていないみたいだった。
 半ば予想できていて、舌を巻くほどでないにしろ、コントラルトの声には微かな感心が含まれていた。

「このレベルの強さのが量産されてたら厄介だったわね。ここできっちり摘ませてもらうわ」

 殲滅にはまだ至らなくとも、すでに敵の数は半減。コントラルトは敵の突撃に備えてゴースロンに移動を命じた。


 味方の相次ぐ範囲攻撃を好機と捉え、前進するのは霊闘士の雷だ。常に絶やさない微笑みもあり、華奢な印象を見る者に与えるが、能力者の称号を持つ彼は軍に所属した経験も持つハンターだ。
 コントラルトの一撃を受けて憤っているボスを取り逃がさないように、雷は幻影の腕を魔法で作り上げる。
 背に生まれたのは淡い翼を模したようなオーラ。白き竜人と化した雷の頭部にも、肌に勝るとも劣らない白さのオーラの角が存在感たっぷりに生える。蒼く染まった瞳がボスを捉え、ファントムハンドで掴みかかる。
 けれど狙い通りとはいかず、その一撃は巨大なコボルドにサイドステップでかわされてしまう。

「ファリスさんの魔法を回避したことといい、なかなかに素早いようですね」

 少しばかり悔しげな感想をこぼす雷と入れ替わるようにラースが前に出る。
 サファイアのごとく澄んだ青に瞳が変色する。抜け落ちたように喜怒哀楽が彼女の顔から消えたのは普段より冷静さを得た影響でもあった。
 覚醒したラースが真っ先に選択したのはソウルトーチ。燃やしたマテリアルで炎に似たオーラを纏い、敵の目を引こうとしたのである。

「敵の攻撃は私がお引き受けします。大丈夫。少しは自信がありますから」

 コボルドは目でハンターの姿を確認できるので最大限の効果とはならずも、好戦的な性格であるのが幸いした。目論んだ通りに生き残りの二体は、ラースをとりあえずの標的に決めたみたいだった。
 中央にいた最後の取り巻きコボルドがラースに迫る。
 事前に堅守で敵の攻撃に備えていたラースは聖盾を構え、コボルドは鋭く尖った爪を振り下ろす。


「そうはさせません」

 刹那に戦場へ木霊したのは銃声。戸惑いを晴らせぬままに弾かれた爪ごと、コボルドの右腕が跳ね上がる。全体を見渡して敵の動きに注意を払っていたアメリアの妨害射撃だった。

「私の見ている前で、仲間に危害を加えられると思わないでくださいね」

 髪の毛同様に黄金の輝きに満ちた両の瞳が、頼もしげに細められる。ようやく事態に気づいたコボルドがアメリアへ敵意を向けるが、ゆえに寿命を縮める結果となった。
 視線を外せば死角が出来る。敵の攻撃に備えていたラースは、アメリアの支援で作られた数呼吸ほどの時間を活用して懐へ飛び込んだ。

「隙だらけです。当ててくださいと言っているようなものです」

 気配を察知したコボルドが顔を下げる。視線がぶつかる。雄叫びを上げて爪を横薙ぎにしようと動く。しかしその時にはもうラースは心の刃によって威圧感を増大させ、次の攻撃へと繋げていた。
 突き出されたルーンソードがコボルドの頭部を貫く。剣を引き抜きつつ蹴りを放って倒れさせ、とどめを刺そうとするも這うように横へ逃げられる。とはいえ敵はすでに瀕死。勝敗は決したも同然だった。

「まだ生きていますか。生命力だけはあるようですね」

 取り巻きがほぼ敗れ去ったのを受け、ボスは忌々しげに奥歯を慣らすと前進ではなくハンターから距離を取ろうとする。

「全て殲滅してくれとのオーダーです。逃がすわけにはいきません」

 後退しようとするボスの動きを見逃さず、アメリアは逃走経路へことごとく威嚇射撃による弾丸の雨を降らせる。
 迂闊に動けなくなった巨体のコボルドは、ならばと足元にあった石を拾い上げる。
 鼻でひと笑いしたアメリアが石を撃ち砕く。怒り狂ったボスの投石はレーヴェにも及ぶも、この展開を予期していたドワーフの猟撃士は難なく回避する。

「おとなしく撃たれてるばかりではないと思っておったからのう」

 フフンと笑って見せたあと、レーヴェは反撃のための矢を番える。

「移動が封じられてるうちに、その足を奪わせてもらうのじゃ」

 冷気を帯びた矢が離れたボスへとび、狙い通りに太腿を貫いて凍傷を負わせた。

「どんな状況でも生き残ることが強さでもある。逃走を許すわけにはいかぬのじゃ」
「私も続きます。逃げられると思わないでくださいね」

 先ほどは回避されてしまったが、今度はきっちりと雷はファントムハンドで改めて移動を封じると同時にボスの巨体を数メートルほど自らの方へと引き寄せた。

「次は足を潰しておくべきですね。もっともレーヴェさんの狙いも同じみたいですし、その前に勝敗が決する可能性もありますが」


「強いのも狙えるけど、あの敵だけは絶対に逃がせないの。だから、ファリスは雑魚……というにはちょっと強いけど、そっちを倒すのっ」

 ラースから逃れたコボルドが腕を使ってなんとか立ち上がった瞬間、仕留める機会を窺っていたファリスが燃え盛る炎の矢を敵の胴に命中させた。発生した衝撃がすでに瀕死だった相手の命を奪う。

「これで残りは大きいのだけなの。コントラルトさんにお任せなの」
「ええ。仲間のおかげでずいぶんと当てやすくなったわ。可哀想だけれど逃がさないわよ」

 依頼内容は殲滅。戦場から離脱されればその時点で失敗となる。それだけならまだしも、近隣住民に被害が出たら悔やんでも悔やみきれない。持ちうる最大の火力を発揮し、馬上のコントラルトは光の三角形を描く。頂点から伸びた光は、ただ一体残ったボス格のコボルドの急所を寸分違わずに貫く。
 コントラルトがデルタレイで巨体のコボルドを撃ち倒した瞬間だった。

●戦闘終了

「取り巻きもボスも残らず倒せたみたいで何よりね。逃げて繁殖されるのが一番厄介だから」

 表情に僅かな安堵を宿すコントラルトに、ボスの死を肉眼で確かめたレーヴェが歩み寄る。

「さすがじゃのう。逃げるなり、やけくそで攻撃するなり、敵が防御を捨てるのを見越して準備を整えていたのじゃが、必要なかったみたいじゃのう」
「いいえ。攻撃後のフォローのあるなしでは、仕掛ける際のプレッシャーが違うもの。今回だって援護に助けられたわ」

 にこやかな微笑みを顔全体に湛えた雷も、鎧の音をどこか楽しげに慣らしながらやってきた。

「持ちつ持たれつですね。犠牲なく依頼を果たせたことを今は喜びましょう」

 ルーンソードを鞘に戻し、周囲に残敵がいないのを確認したラースも会話に加わる。

「そうですね。個々の力も大切ですけれど、連携を意識するのもまた大事ですからね」
「倒したコボルドは通常種よりもずっと強かったですが、最後まで統率は取れていませんでした。あれではせっかくの力も宝の持ち腐れですね」

 味方の援護に徹し、勝利へ導いたアメリアも仲間の見解に同調する。一方で少しだけ表情を曇らせた。

「……戦い方を学ばれたら、余計に大きな問題になってしまいそうですが」

 数秒間ほど言葉が途切れた場に、新たにファリスが声を響かせる。

「今回のコボルドは無視できない強さだったの。これがゴブリンとかだと、もっと強敵になるかもしれないの」
「その通りじゃな。成長……とは少し違うが、同じ個体であっても強くなっていく可能性はあるということだのう」

 腕を組んだレーヴェは、横目で大の字に倒れたままの巨大なコボルドを見る。ファリスの言った通り、単純な力と生命力であればもはやコボルドとは呼べないほどの強さであった。

「そのつもりは毛頭ないけれど、雑魚と思って甘く見ていると足元をすくわれかねないということね」

 コントラルトの言葉に誰もが頷き、気を引き締める。

「これから先、そういう敵が現れないとも限らないの。だから、ファリスももっもっと修練を積んで強くなるの!」

 ファリスが拳を突き上げる。受けた依頼は完璧にこなせたが、いつかどこかで予期せぬ展開に見舞われるかもしれない。数多くの修羅場を潜り抜けてきたハンター達だからこそ、まだ見ぬ危機に対して警戒心を強めるのだった。


 ハンター達が無事に巨体のコボルドを倒したという一報を受けて、通常種の討伐に当たるリーラン兵たちも士気を上昇させていた。軍を率いるアオユキの号令に雄叫びで応え、強い剣幕に怯んだコボルドへ突撃する。

「押しまくるのはいいが、無理はすんな! 油断してると命を持ってかれるぞ!」

 巨大な斧を振り回し、先頭に立って戦うアオユキ。と、そこへ茂みに隠れていたらしい一体が急に飛び出してきた。

「――チッ!」

 隙を作ってしまったアオユキは腕を一本失う覚悟で頭部を守る。だが次の瞬間に訪れたのは、腕を引き裂かれる痛みではなかった。苦悶の表情を浮かべてひっくり返ったコボルド。慌てて後方を振り返ると、そこには依頼後にもかかわらず援軍に来てくれたアメリアがいた。

「まだ結構な敵がいますね。私が援護します。このまま終わらせましょう」

 信じられないものを見たといった顔の女鬼にウインクし、アメリアは微笑混じりに告げた。

「ありがたい!」

 突っ込むアオユキを、彼女の後ろからアメリアが銃で支援する。
 残っていたのは通常のコボルドのみではあったが、アメリアの援護によって、リーラン側の犠牲は想定よりもずっと少なかったという。

依頼結果

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MVP一覧

  • Ms.“Deadend”
    アメリア・フォーサイスka4111
  • 最強守護者の妹
    コントラルトka4753

重体一覧

参加者一覧

  • 豪傑!ちみドワーフ姐さん
    レーヴェ・W・マルバス(ka0276
    ドワーフ|13才|女性|猟撃士
  • 新航路開発寄与者
    ファリス(ka2853
    人間(紅)|13才|女性|魔術師
  • Ms.“Deadend”
    アメリア・フォーサイス(ka4111
    人間(蒼)|22才|女性|猟撃士
  • 最強守護者の妹
    コントラルト(ka4753
    人間(紅)|21才|女性|機導師
  • 能力者
    狭霧 雷(ka5296
    人間(蒼)|27才|男性|霊闘士
  • 内助の功
    ラース・フュラー(ka6332
    エルフ|23才|女性|闘狩人

サポート一覧

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン 相談卓
ラース・フュラー(ka6332
エルフ|23才|女性|闘狩人(エンフォーサー)
最終発言
2017/05/10 09:42:06
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2017/05/07 12:01:30