黒蜥蜴、立志する

マスター:馬車猪

シナリオ形態
ショート
難易度
やや難しい
オプション
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
4~8人
サポート
0~0人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
締切
2017/05/13 19:00
完成日
2017/05/20 13:40

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング

 ハンターには勝てない。
 その事実に気づいた瞬間、黒い竜は高らかに笑った。

 巣穴(リゼリオ)に攻め込めば滅ぼされる。
 否。
 それはハンターを甘く見過ぎだ。
 巣穴にブレスを叩き込む前に気づかれる。
 気づかれて打ち落とされ何も出来ずに滅ぼされる。
 災厄の十三魔と呼ばれた歪虚も、既にその程度の存在でしかない。

『クハッ』

 怒りもある。憎悪もある。滅びへの渇望も確かにある。
 だがそれら全てを上回る歓喜が腹の底から沸き起こる。

 戦えるのだ。

 己はちっぽけな黒蜥蜴。
 相手は歩みを止めず、進化し続ける牙(スキル・ユニット・装備)を持つ、巨大な龍の群れ。
 戦う相手としては最上だ。

『クフッ、ハッ、ハハッ!』

 負のマテリアルが全身を巡る。
 心身が炙られ炎上する。
 九尾の残滓も、百年単位の戦いで得た名声も、黒蜥蜴には無価値なもの全てが灼けて消えて。

 慢心のない1匹の歪虚だけが残った。


●サルヴァトーレ・ロッソ

『対象、飛行を開始しました』
「追えるか?」
『CAMの展開は間に合いません。奥の手は出せませんか』
「奴がリゼリオを襲うなら出せるがな」

 艦橋に立つ士官が、苦々しさを隠さず吐き捨てた。
 あれは強力だが膨大なマテリアルを消費する。
 よほどの理由がなければ戦場に出せない。

『対象、洋上へ抜けました。進路は王国です』
「2キロ追跡して反応がなければ放置しろ。グラズヘイムへは私が連絡を行う」
『了解』

 通信が切れる。
 歪虚を示す印が超大型ディスプレイの端へ消え、艦橋のあちこちで安堵の息が漏れた。

 今戦えば確実に勝てる。
 しかしその際に生じる被害と戦闘に必要な資源を考えると、こちらから攻めるという選択肢は選びづらい。

「奴に巣穴があるなら攻め込むのも……いや、歪虚王でもない相手に大駒は使えない」

 鬱陶しくはあるが全力を出すに足る相手でもない。
 人類にとってのガルドブルムは、その程度の相手でしかなかった。


●竜の巣穴

 鉄矢が竜翼をへし折った。
 黒竜は必死に体をよじって大地との激突に備え、予想以上の痛みに絶叫する。

 彼は生を諦めない。
 既に邪魔にしかならない片翼を引きちぎり、震える体にむち打ち小さな洞窟に潜り込む。
 息が荒い。
 背中以外も筋肉の酷使で焼け付くように痛い。
 だがこの場所からなら、敵が侵入してきても一方的にブレスで焼けるはずだった。

 ひょっこり。

 実に無造作な動きで全身鎧が洞窟に入り込む。
 黒竜が吼えた。
 存在する力が熱に変換され熱線となり打ち出されて、洞窟の表面をわずかに溶かしながら全身鎧に直進する。

「む」

 回避もできずに全身鎧が熱線に飲み込まれる。
 微かに漂う人脂の香りに、黒竜はようやく安堵と普段の高慢さを取り戻そうとした。

「熱い」

 鉄靴が地面を打つ音が近づいて来る。
 空気の揺らめきが収まっていき、焦げた全身鎧が異様なサイズの剣を振り上げるのが見えた。

 悲鳴が上がる。
 本来の限界を超えてブレスを連発する。
 喉も内蔵も焼けていく。恐怖が大きすぎ痛みを感じる余裕もない。

「災害の十三魔ガレドブレムだな。どうしてここにいるのか知らないがここがお前の最後……熱いな」

 分厚い鉄塊を紙製うちわの如くふるって防ぎ、緊張感のない足取りで距離を詰めて爪と牙と剣の間合いに入る。
 しゃくり上げるような歪虚の悲鳴。
 積み重ねた年月が黒竜の体を動かし、生涯最高の鋭さで鎧の左肩から胸に噛みついた。

「体調不良か?」

 牙が装甲を貫き肉に届いているのに、それは本心から不思議がっていた。
 剣の握り方を変えて大きく振りかぶる。
 強固な天井が砂か何かのように抉られ、飛び散る元岩盤が全身鎧と黒竜を汚した。

「まあいい。ここで死ね」

 振り下ろす。
 黒い鱗が大きく凹む。
 炎が洞窟を炎熱地獄に変える。
 淡々と振り下ろして鱗の凹みが大きくする。

 竜は何も残せず、道連れにすら得られずこの世からの退場を強制された。

「ガラドなんとかを倒せたか。一度騎士団に戻って報告……独り言が多いな」

 一人旅をしすぎた。
 マテリアルを使って焦げた肉と皮膚を再生しながら、そろそろ20代も後半戦なメーガン(kz0098)がため息をついた。
 180度反転。
 馬とパルムと合流しようと洞窟を出た瞬間、視線を感じたことを認識する前に近くの茂みに飛び込み気配を消した。


●黒竜連山

『命じて下さい。生きたまま御前に持って来ます』

 暴虐の性をそのままに、完全服従した声が響く。
 それはメーガンを見ていない。
 地面に竜頭をすりつける形で平伏しているのに、1キロ以上離れたメーガンの位置を正確に認識していた。

『餌は勝手に食え』

 黒竜が鼻を鳴らした。
 先程メーガンが倒した竜とサイズは変わらない。
 しかし秘められた力は桁が違う。

『は。では縄張りの変更を優先いたします』

 20メートル近い、ガルドブルムより遙かに大きな竜が従順に頭を下げている。
 巨大な力、欠片も存在しない油断、不意を打たれても崩れない余裕。
 群れの長として理想的な資質であり、下克上の相手に是非持っていて欲しい要素だ。

『俺は近くの竜をまとめてくる。戻るまで好きにしていろ』

 直上へ飛び速度を緩めず隣の峰に向かう。
 その行く先には、この場にいる竜と同格の歪虚がいるはずだ。
 伏せたままの竜の顔に、歓喜というには獰猛すぎる笑みが浮かんでいた。


●迷子捜索依頼

「騎士が迷子になっています」

 オフィス職員が真顔で言った。

「グラズヘイム王国の騎士、メーガンさん(20代)です。迷子は初めてではないようですし、放置していても年内には支部がある街にたどり着くでしょうが……」

 現在、王国騎士団の人手が足りず召還命令が出ている。

「最後に目撃……いえ、人間では無くパルムさん達に目撃されたのはこの辺りです」

 3Dディスプレイに山地の鳥瞰図が現れる。
 軍事利用可能なレベルの精密さであり、奇妙な気配に似た何かが複数感じられる。

「気づかれましたね。ここは黒竜連山と通称されている無人の危険地帯。大型の竜種複数が住み着いています」

 騎士団と戦士団による討伐隊が何度も計画され、十分な戦力を揃えることができず今まで放置されている。
 空を飛びいつでも逃げ出せる竜を倒すには、生半可な戦力では足り無いのだ。

「既に死亡している場合は遺体を収容する必要はありません。あなた方も貴重な戦力です。確実な帰還を期待しています」

 山地の上空に、恐ろしく速い黒竜が一瞬だけ映って消えた。

リプレイ本文

 楽な狩のはずだった。
 空から炎を浴びせるだけで無傷で勝てるはずだったのだ。
 黒竜は思考を空転させ、眼前に迫る砲弾を呆然と眺めていた。


●連続対空戦闘

 熱を持ち始めた砲に新たな砲弾を装填する。
 発砲。
 北の空に飛ぶ黒竜に着弾。
 木々の枝が大きく揺れたが、緑の巨体は小揺るぎすらしていない。

「ふむ」

 HMD越しに動揺する竜を眺めながら、魔導型ドミニオン【ハリケーン・バウ】の乗り手が魔導短伝話とトランシーバーを弄っていた。
 報告と連絡は次々届いているが目当ての情報は無い。

「メーガン殿も発信機位持ち歩いてくれればよかろうものを」

 迷子常習犯扱いである。
 実際は重度の常習犯なのでメーガンに反論する資格は無い。
 そうしているうちに次の弾が打ち出される。

 CAMより少し小さな竜が、翼を必死に動かし潜り込むようにして砲弾を回避。
 鱗の上からでも分かる引き攣った顔で大きな息を吐いていた。

「期待値か」

 3発撃って1発外れ。
 目標の回避能力そのままの結果だ。
 敵の回避力が0なら、距離約200で10割方当てられるこということもである。

「賢明なら逃げるはずだがの」

 凹んだ肩と胸の筋肉を酷使し黒竜が猛加速。
 【ハリケーン・バウ】の中で最もマテリアルの濃いパーツ、即ちミグ・ロマイヤー(ka0665)を毒牙にかけるため口内に炎を貯め始めた。

「所詮は有象無象か」

 発砲。着弾。
 火花に半秒遅れて打ち損じたブレスが黒竜の頭を覆う。
 メグは目立たぬ程度に斜めに進む。
 木の高さは同じでも地面の起伏が増す。一度接近戦が始まれば逃げることが難しくなるはずだ。
 そんな目論みに気づかないまま、黒竜が最高速に達し【ハリケーン・バウ】との距離を一気に縮めた。

 秒間数発の発砲音が10続く。
 銃弾が斜め上に飛び全弾黒竜の脇腹にめり込み、赤い血がだらりと零れた。

「中身は大馬鹿かよ。っと他の竜も気づいたぞ」

 今更気づいたのかと内心呆れつつ、リカルド=フェアバーン(ka0356)は総勢6体の竜を改めて見た。

「CAMに乗って正解だったな」

 竜は飛んだり地を駆けたりと好き勝手動いている。
 痩せた森とはいえ視線を遮る物は多い。
 徒歩で移動していれば数体見つけるのが遅れていたかもしれない。

「西の竜がハンター以外にブレスを吐いている。目当ての騎士はこれじゃねぇか?」

 空の黒竜に弾を浴びせながらスピーカー越しにつぶやくと、2頭のリーリーと1頭の馬がとんでもない勢いで西へ駆けだした。

「まあ確り時間稼ぎと盾役は務めさせてもらうが」

 助かるのかねぇと悪意無くつぶやいた直後、黒竜は【ハリケーン・バウ】に到達をするのを諦め急降下。
 黒い魔導型デュミナス【Jack・The・Ripper】を上から踏みつぶそうと両手両足のかぎ爪を突き出した。

 リカルドの口角がつり上がる。
 意識が加速する。
 漆黒の機体を焦れったくなるほど遅く、しかし必要十分なだけ下がらせてかぎ爪を躱す。
 湿った土が爆発的に弾け黒竜の視界をふさぐ。
 被弾時に開いた穴にも土が入り込み、そこ目がけて【Jack・The・Ripper】が魔導鈎を引っかけ、引っ張った。

 竜の戸惑うような表情。
 重心が上がり、絶妙な力加減でたたらを踏まされ、その隙に黒い機体に脇腹至近に回り込まれる。
 機械の手の甲がそっと押し当てられて、そこから生じたプラズマに肉と脂肪を焼かれて異臭を放つ。

 痛い。
 けれど体が動く。
 この程度の威力かと歪虚の瞳に侮りが浮かんだ瞬間、傷口に斬機刀が鍔元までめり込み、そのまま90度回された。

「趣味的な攻撃だったかね」

 蹴りを入れて刃を引き抜く。
 黒竜は飛んで逃げようとして、自分が谷底の地形にいて特定方向にしか行けないのに気づく。

「射程が読める程度の頭はあるか」

 中途半端な距離であるため、【ハリケーン・バウ】はカノン砲を使えない。
 だから、重装甲のハッチをぱかりと開いて10連ミサイルを一度に放つ。
 顔面、右翼、腹、腹、左足にそれぞれ2発の合計10発。
 竜としての形を失った歪虚が、悲鳴も出せずに地面に打ち付けられた。

 消えゆく竜の視界に、空から地上に走る炎が見える。
 竜は同属を妬みながら無意味に死んだ。


「CAM様々といったところか」

 魔導型デュミナスが持つと手斧にも見えるバルディッシュが、黄色い炎を正面から切り裂く。
 それで威力が無くなる程甘くは無い。
 しかし弱ったブレスでは、【Falke】の装甲表面を溶かすことしか出来ない。

「さすがに生身で竜種に挑んで、勝ちを収められると思うほど思い上がっていないからな」

 アサルトライフルに素早く持ち替え命中率優先で発砲。
 歪虚は羽ばたいて躱し、その表紙に20ミリ弾の弾痕から赤黒い血が噴き出した。
 黒竜が上昇する。
 距離をとり一方的に攻撃するつもりだ。

 【Falke】が30mmアサルトライフルをハードポイントへ。
 肩部の200mm4連カノン砲を起動し上空へ連続砲撃。竜の片足が弾けて濁った血と肉のジュースが明後日の方向へ飛び散る。

「……騎士殿が無事だと良いのだが」

 アバルト・ジンツァー(ka0895)が難しい顔をする。
 飛行能力と遠距離攻撃能力の組み合わせは極めて強力だ。
 対抗手段がない場合、CAMに勝てるハンターでも戦死しかねない。

「ともかく目の前に立ち塞がる竜の間引きをしつつ、捜索に当たることとしよう」

 頭上の黒竜は逃げ腰になっている。
 見逃しても後顧の憂いにならない可能性もあるが、CAMや強力な覚醒者がいない土地では重大な脅威になる。
 この場で逃がすという選択肢は無かった。

 高度が下がった竜に4連200mmを当てる。
 竜は被弾しつつ最寄りの安全地帯である【Falke】の至近へ、ただしバルディッシュの間合いの外へ逃げ込む。

「竜が皆おぬし程度の存在なら良いのだがな」

 慌てず騒がずアサルトライフルで発砲。
 竜翼の付け根に着弾して片翼の動きがおかしくなった。

「ロマイヤー殿、止めを頼む」

 弾倉を交換しながら座標を指定する。
 竜は生涯最高の機敏さで地を駆け、丘ともいえない凸部分を乗り越え【Falke】の銃撃が届かない場所に滑り込んだ。

『行ったぞ』

 遠方からの発砲音と指定座標での爆音。
 竜の絶叫があがって不自然に途切れ、負の気配が竜1匹分薄くなる。

「竜型歪虚1体の撃破を確認した。これより捜索を再開する」

 3体の巨人が、悠然と西へ向かっていった。


●迷子騎士

 鼻提灯が割れてパルムが飛び起きた。
 鞍からずり落ちて空中で一回転。器用に着地しポーズを決める。

「うわぁ」

 リチェルカ・ディーオ(ka1760)の目が点になる。
 逞しいを通り越してモンスターっぽい馬がのんびり草を食み。
 パルムが賞賛を求めて何度もチラ見して、城攻兵器然風の大弓が鞍の上で自己主張している。

 芸人ご一行にしか見えない。
 萎えそうになる心身を気合いで維持し、リチェルカがパルムにメーガンの行方を問うた。

「なるほど洞窟に」

 詳しく聞いてみると、予想と少し異なる答えが返ってきた。
 西で暴れている黒竜の近くではなく、込み入った地形で全身鎧マラソンをしている可能性大。
 パルムはだいたいそういう内容を大げさな身振り手振りで語っていた。

「メーガンさん、随分と危険な場所で迷子になっているんですね……。というか、どうしてこんな場所に一人で向かったのでしょう?」

 ヴァルナ=エリゴス(ka2651)が慣れた手つきで馬の装具を調整する。
 位置がずれいた装備が本来あるべき場所におさまり、モンスター馬が瞬きしてゆっくり顔を上げた。

 主を交換しないか。
 寝言は死んでから言え。

 残念馬とリーリー【ガスト】の間で交わされる無言会話を放置して、ヴァルナは集められたもとに双眼鏡で丘を見る。
 全身鎧の隙間に草が挟まった20代後半女が高速匍匐前進している。
 素晴らしい体力だけれども、それだけの体力があるならもっと有効な場面で使って欲しい。

「易々と倒れる方ではないと思いますが、早めに回収しませんと、ね」

 女騎士が草に紛れて見えなくなる。
 ヴァルナはメーガンの馬に一瞥を投げ、自身が先導して西へ向かう。
 ハンター達の後を、巨体馬とパルムのコンビが元気よくついていった。


「貴様、ガラドブルムではないな!」

 意外な弱さに気づいて立ち上がる女騎士に、指差されて屈辱に震えるドラゴン。
 なお、正確な綴りはガルドブルムである。

「ただのドラゴンならここでいんどーを」

 背中に手を伸ばして空しく何度も往復する。
 そういえば、洞窟での閉所戦闘に邪魔だから置いてきたのだった。

 ドラゴンが高温を発して黒鱗が赤く染まる。
 散らばる落ち葉が自然に燃え上がる。
 口元の鱗がひび割れ、口内が炭に変わり、青に近い炎がメーガン目がけて吐き出された。

 大型剣で防ごうとして、ついうっかり振る方向を間違える。
 諦めず背後に飛んで少しでも被害を減らそうとするが、最低でも再起不能になると思われた。

「人間のニオイを探すのな! ……我輩もがんばるっ」
 わう。

 一見緊張感のかけらもない声と、囁きよりもずっと小さな鳴き声が連続して聞こえ。

「うなな。森の向こうなのな?」

 凶悪な気配が黒竜の近くにいきなり現れ、巨大な重量を伴い爆発した。

「なにごと?」
「迷子の回収にきたの」

 すたっ。

 大きく跳んだリーリーがメーガンの目の前に見事に着地。
 その鞍の上から、仕方がないなぁという目つきでディーナ・フェルミ(ka5843)が見下ろしてきた。

「メーガンさんは王国騎士団から召喚状が出ているの。迷子属性を発揮して竜狩りに行くのは1回騎士団に顔出ししてからにしてほしいの」

 ドラゴンの悲鳴と空間が揺れる音がBGMに、子供に言い聞かせる顔でメッと叱るディーナ。
 絶対的な苦手意識がメーガンの心に刻まれた瞬間であった。


「見るからに弱っちいのな」
「他の竜より一回り大きいよ。馬鹿でかい竜よりは小さいけど」

 黒の夢(ka0187)とリチェルカがアンニュイな顔で話し合っている。
 両者とも悪意も無いし煽る気もない。
 だからこそ竜は激高し怒りの炎で己を燃やす。

 燃えさかる竜の絶叫。
 青い光の束が緑を貫通してリチェルカ達に迫る。
 そう見えたのは竜種でけであり、緑に達した時点でリーリー【サルターレ】もイェジド【スカー】もその場から飛び退いていた。

「頼りにしてるよ、サルターレ」

 うんしょ。
 かけ声の割に軽々と、人間用とユニット用の中間的な大きさの銃を両手で構える。
 殺気に気づいた黒竜が空に上がろうとするが、重力波の影響から抜けられずに本来の半分も動けない。
 先ほど感じた殺気を頼りにブレスを吐く。
 だがサルターレが駆け出す方がずっと早く、木々の間を縫うように走ってブレスの間合いから外れていた。

「なんとなく場違い感」

 武技も心構えも十分鍛えてはいるけれど、今回の同僚の中で最もハンターとしてのキャリアが浅いのは事実だ。
 とはいえ体は滑らかに動く。
 サルターレと自身の体を完全に把握し、銃口が黒竜を捉えた瞬間引き金を引く。

 反動は凄まじい。リチェルカの体を揺らしてサルターレの足取りを乱しかける。
 それ以上に銃弾の威力は壮絶だ。
 竜との距離を一瞬で0にし、鱗を砕き、肉を裂き、骨を削って反対側の鱗から抜ける。

 黒竜の目が殺意で濁る。
 絶対に勝てなそうな黒の夢とは距離をとり、最も気配が弱いくせに最も被害を受けたリチェルカを追い、それに気づいてしまった。

「黒竜がそろそろ勝ちそうです。場所は変わらず北に8km」

 リリティア・オルベール(ka3054)が魔導短伝話を片手に北を眺めている。
 黒竜には視線を向けすらしない。

「もう1匹の黒竜? あ、はい、あれも黒い竜種ですよね。疲労したメーガンさんだと厳しいと思います」

 怒るべきなのに感情が動かない。
 彼女の腰にある、ただ大きいだけで何の変哲も無いはずの刀が、絶対に勝てないという現実を突きつけてくるのだ。
 翼が震え、無意識に後ずさり、マテリアルという食料豊富な土地を捨て南に逃げだそうとした。

 黒竜が目を剥く。
 逃げる先、無人のはずの森で、リーリーが人間の雌を乗せ歩いている。
 まだ距離はある。
 歪虚は力を振り絞って喉奥に炎を貯め、剣では絶対に届かない位置から大量の炎を吹き付けた。

 ぴょん。

 リーリーが軽い足取りで前ダッシュ回避。
 紅白も美しい刀身を引き抜いて、ヴァルナは何もない場所を剣で切り裂いた。
 衝撃が空を飛ぶ。
 一瞬も遅れず黒竜の下腹に痛みが走る。
 赤い鱗が砕けて舞い、風に冷やされ黒い飛沫となり宙に消えた。

 竜が吼えた。
 己を攻め立てる人間が気に入らず、弱い攻撃しかできない目の前の女がなにより憎い。
 それがただの逃げであり現実逃避であることに気づけぬまま、竜は急降下してヴァルナの柔肉に牙を突き立てようとする。

「狙っていないときに限って一騎打ち。ままなりませんね」

 紅白の刃の存在感が増した。
 ヴァルナが生命力を燃やしマテリアルへ変換。良質な剣を壮絶な威力を持つ武器に押し上げる。

「雑な攻撃だこと」

 すり抜けざまに脇腹を斬る。
 竜牙が空振り牙同士が打ち合う音が空しく響く。
 リーリーがすり足。
 ヴァルナの追撃が竜尻尾の先を斬り飛ばす。
 残骸が回転し、汚れた血を木々に振りかけしぼんでいった。

 竜が己の立場を思い出す。
 熱を失い赤から黒に変わった体を引きずり、翼を地面に叩き付けるようにして必死に逃げる。
 後頭部の傷口に衝撃波が届いて脳が破壊されるまで、竜はひたすら恐怖していた。


●黒竜

 3機のCAMと全長約20メートルの竜がにらみ合っていた。
 巨竜は非常に慎重だ。
 CAMの長射程に気づくと鱗で耐えて距離をとり、空を飛んで一定の距離を保つ。
 このままでは日没になり、竜を討つ機会を失う可能性大だった。

「やーい弱虫ー」

 悪口が巨竜の耳に届く。
 棒読み口調なのに非常によく響く声だ。

「こわいのかー、やーい」

 竜の目が赤みを増す。
 リチェルカを乗せたリーリーが尻を振ると、さすがに堪忍袋の緒が切れて、CAMではなくリチェルカ主従目がけて突っ込んできた。

「危ないなーもー」

 メガホンを仕舞い置き土産の銃弾1発。
 冷気で動きが鈍った巨竜を振り返りすらせず、リチェリカ主従はCAM3体の隙間を抜け仕事を完了した。

「目的は果たした以上、これ以上の長居は不要だろう。これ以上の戦闘を行って、敵を本気にさせるのはさすがに下策ではあるが」

 これまで温存していたスラスターを吹かし、極太のブレスを躱しながらアバルトがつぶやく。

「多数に追われると逃げ切れぬ。この場で仕留めるのも解の1つか」

 CAMと竜では速度差がありすぎる。最低でも撃退しておかないと帰りが怖い。

 巨体故守りも厚い。30mmではろくに効かず、200mm弾で有効打を浴びせるが彼我の距離は否応なく縮まる。
 太さが3メートルもある長い尻尾が、覚醒者以外には視認不可能な速度で振り下ろされた。

 緑の機体がよろめく。
 装甲が歪んで小さな火花が生じる。

「ミグの住処を要修理にしおって」

 【ハリケーン・バウ】による両手装備巨大ペンチアタック。
 刃の顎で見事翼を捉え、機体の全力で思い切り閉じた。

 異音。

 僅かに隠れ住んでいた動物が逃げ、竜の背後に忍び寄っていたリーリーが嫌な顔をする。
 巨大な龍が目をぎょっとさせ、傷の入った翼を引っ込め後ろへ跳んだ。

「頑丈な」

 ミグの気配から発言内容を感じ、それはお前だろという視線を巨竜が向けてくる。
 全身鎧が1枚板に変わるだけの威力があったはずなのに、【ハリケーン・バウ】には数センチの凹みがついただけだ。
 しかも目で見えるほどの速度で修復されている。

「リブートシステムか。悪くはない」

 高位クルセイダーの治癒術と比べるとささやかな回復量だ。
 ただ、独力で回復可能なのは素晴らしい。回復と同時に状態異常に抵抗できるのは、厳しい戦場で生き延びるための命綱になるだろう。

「どんだけ弾を使わせる気だ。正直店も回らんのに、弾代1割請求されたらやってけねえぞ」

 髑髏面のCAMが、緑に覆われた戦場を優雅に舞う。
 射撃戦重視の機体なので力自慢の巨大歪虚の白兵戦は鬼門だ。
 とにかく数を撃って足止めし、緑の機体が遮蔽物の影に移動するための時間を稼ぐ。

「ひょっとして私、ダメージディーラー?」

 一撃離脱中のリチェルカが、加熱した大型銃の熱を感じぽつりと言う。

『ミグはタンクか』
『自分は何でも屋だな。ヒーラーが欲しいところだ」
『余裕だなお前等』

 CAM乗り3人の笑い声が重なった。
 鱗が削られ装甲が凹み、リーリーが必死に走って時々避ける。

 日が傾き、鱗と装甲が橙色に染まろうとしていた。


●蜥蜴か竜か

『それでも災厄の十三魔か』
『人間に狩られる雑魚13匹か』

 怒りもない淡々とした言葉だからこそ、地に伏す竜のプライドが完全に潰された。

『鼻先に肉を吊すか』

 ガルドブルムがハンターに向き直る。
 悪意のない殺意が燃え上がり、生き残りの動物が次々死に巨大な龍が冷や汗を流す。
 先程までの、竜の上下を決めるための戦いが、ただの遊戯でしかなかったことを極自然に証明してみせた。

 ガルドブルムが飛翔する。
 リアルブルーの航空機と比べるとあまりにも遅い、兵器としてはちっぽけな体が南へ向かう。

「殺気?」
「帰りますメーガンさん」

 ディーナがメーガンの馬の手綱を取っている。
 モンスター馬は素直に従い、ただしディーナのリーリーと視線で火花を散らして遊んでいた。

「そんなダーリン!」

 何故か黒の夢が動揺している。
 北から黒竜1匹が飛んでくるのが拙いのだろうか。

「私が目当てですか」

 リリティアが刀を抜く。
 ただの鋼のはずの刃が、空気ではなく空間を傷つけた気配があった。
 ガルドブルムは何も言わない。
 ハンターと自然と歪虚全てに意識を向け、己の行く道を素早く選ぶ。
 十三魔が来る。
 リリティア個人を殺すため飛んでくる。
 相手がどう動こうと、刃の届かない距離から一方的にブレスと竜爪で襲うつもりだ。
 初撃は光の束。
 リリティアは馬と一緒に軽く跳び、初撃だけでなく2撃目と3撃目も軽々躱してみせる。
 これでは日没までに勝負がつかない。
 夕日を浴びる両者は目と目で同意に至って同時にお互いへ近づく。
 黒い翼の向きが変わる。
 リリティアの前から横、後方斜め方法まで一切速度を落とさず移動した上で180度方向転換。
 振り向く途中の彼女に、城壁を貫く熱線を繰り出した。

 とすん。

 鱗と鱗の微かな隙間に手裏剣が刺さり、そこから伸びる無色の紐がリリティア本人を引っ張り上げる。
 彼女は器用に体を捻って竜と正対。
 恐るべき刃をガルドブルムの心臓目がけてするりと伸ばした。

 黒竜は一度目を躱して続く二撃目を躱せないことを悟る。
 強靱な爪で受けてから反撃に移ろうとして、爪ごと指一本を縦割られて破顔した。
 鋭利な切断面がリリティアに迫る。
 倍速で動く彼女より数割は速く、回避はろくに出来ない、はずだった。

 リリティアの体感時間が倍になる。
 粘着く空気の中、嫌になるほど正確な、つまり読み易い動きの爪を体捌きで躱して今度は脇を狙う。

「お久しぶりです。ずっと逢いたかったんですよ?」

 竜は目で笑う。
 翼を捻り、己を地面に叩き付けることで恐るべき刃を辛うじて回避。
 わざと横転し泥まみれにって無理矢理距離をとった。

 直後の爆発。
 効果範囲だった場所に綺麗な半球状クレーターができあがる。

「ねぇねぇダーリンの巣は此処に無いの? 我輩遊びに行ってみたいのなーお家デートというやつである!」

 黒の夢の笑顔は同性同レベルの美貌の持ち主でも見ほれるほど美しく、そして恐ろしかった。

『とうの昔に』

 翼を破壊レベル威力の大重力。
 目や口に泥が入る。無様かつそれしかない動きで直撃だけは避ける。

『全て食らってすっからかんよォ!』

 収束を甘くした炎が戦場を横切る。
 黒の夢も巻き込む熱線も【スカー】の足には追いつけない。

「どれだけ墜ちてもこの愛は燃えるばかり、どんな汝でも愛してるわ」

 愛の囁きで球形の破壊がうまれる。
 リリティアと距離をとるため進路が限定されている。破壊から逃れきれず腹の表面が熱に負けてひび割れる。
 突如ガルドブルムが吼えて急上昇。
 熱のない純粋な衝撃で右脚の形が歪んでいた。

「手持ちの最強の銃が私の面の皮も貫けないの、これじゃ竜にかすり傷すらつけられないの。エクラさまは多分、信徒に殴りあえとおっしゃってるの……」

 長柄のメイスを軽々と一振り。
 頭部は大重量で長さがあるため極めて扱いにくいはずなのに、トップスピードから瞬時に速度を0にし隙のない構えをとる。
 無垢であると同時に地に足ついた目で、ディーナが黒竜をじっと見つめた。

 心身に熱がありすぎる。
 負の存在に似合わない熱量と、仮に歪虚でなかったとしても畜生扱いが当然の闘争好き。

「ドラゴン? 竜? 龍?」

 龍ではない。
 多分歪虚ではある。
 しかしひょっとすると、食える?

『ッ』

 ガルドブルムが急速反転。
 リリティアの襲撃を逆の手で防ぎ、黒の夢の炎に焼かれながらディーナから距離を取る。否、野生の勘に従い危険から逃げた。

「一対一で勝てない相手は弱くないの、奢る気もないの。でも私達の前にわざわざやって来た以上、見逃すのもなしなの」

 リーリーが跳ぶ。
 強敵2人を相手にしているためガルドブルムは距離をとりきれていない。

「歪虚でないなら心をこめて狩って食べてあげるのっ」

 無垢に近い幼さを感じさせるのは黒の夢と同じだけれども、ディーナの芯にあるのは容赦のない現実的判断だ。

「私結構細工物を作るの、料理もするの」

 球形衝撃波が黒竜を襲う。
 範囲攻撃のため極めて避けにくい。
 黒の夢達も容赦なく打ち込んでくるのでますます難度が上がっている。

「龍の爪や皮でアクセサリー作ったり肉でステーキ作れたら素敵だなって思ったの……」

 だから。

 ディーナの瞳がきらりと輝く。
 竜の喉がごくりと鳴る。
 恐れを飲み込みブレスの反撃。
 ディーナはマテリアル障壁を盾として扱い受け流す。

「命と肉を置いてけなのっ」

 鱗が逆側に凹み、肉と骨が悲鳴を上げて内臓に血があふれた。


「ところでダーリンいつ我輩をお迎えに来てくれるの?

 お迎えが攫いにとしか聞こえない。

「今、我輩が強くなる理由は汝よダーリン。目指すは黒竜の花嫁なのである、ンー良い響き……♪」

 無垢と艶の両立した仕草から、巨大な火球が2重になって飛び出した。
 CAM並に大きなガルドブルムにとっては、1つでもリリティアの刀並に脅威だ。

 その瞬間、竜に成りはてる前のことを思い出す。
 かつては弱く、食う側では無く捕食される側だった。
 そして今目の前にいるのは、紛れもなく捕食者達だ。

「失礼なことを、考えてるのっ」

 何もかもがはっきりと見える。
 世界に相殺される形ですり減る己も、内に蠢く怯懦も強欲も何もかも。

『強い雌だ。だがよ。難易度高すぎねェか?』

 竜に勝たなければ竜を得られず、ただ勝つだけでは黒竜は滅び、得るためには不可能同然の危険を冒すしかない。
 悪意無く不思議そうにガルドブルムが問うと、黒の夢は無垢な童女の如く微笑んだんだ。

「――我輩がもし戦場で死ぬ事があるとすれば、その時は汝も一緒よダーリン」

 分かった上で押し通す。
 黒竜を上回るかもしれない強欲であった。

『ハッ』

 楽しい。
 血と魂が1つとなって燃え上がり、視界が益々クリアに変わる。
 そして彼は、初めてその領域に足を踏み入れた。

 負のマテリアルと残像をまき散らす。
 多重の爆発全てに対処に、回避あるいは致命的な打撃を避け突破。
 矢も届かぬ高空に達して地上に振り返る。

「ダーリンずるい!」
「アクセルオーバー? この短時間で」
『粗悪な模倣よ』

 黒竜の全身が痙攣し、口から大量の血があふれて鱗を赤黒く染めた。

「ねえガルドブルム。人類相手より、歪虚神と戦う方が面白いんじゃないですか?」

 リリティアが刃を納める。
 これ以上戦っても決着がつく前で日が落ちハンターが撤退して終了だ。
 相手も理解しているのでブレスは吐かずに器用に宙で止まる。

『強くてもつまらん……アァ、そういう事か』

 黒竜が舌なめずりする。

『本気でアレを滅ぼすつもりかッ』

 哄笑が大気を震わせる。

『よかろう邪魔は……イヤイヤ、アレとオレどちらが貴様等を滅ぼせるかの競争か。オレに不利な戦いだなァオイ!』

 馬鹿にする気配は皆無。
 純粋な歓喜だけがある。
 やがて笑い声が収まり、真摯な瞳がハンター達を映す。

『またな』

 満身創痍の配下を率い、ガルドブルムは薄闇の中に消えていった。

依頼結果

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MVP一覧

  • 雪の感謝
    リチェルカ・ディーオka1760
  • The Fragarach
    リリティア・オルベールka3054

重体一覧

参加者一覧

  • 黒竜との冥契
    黒の夢(ka0187
    エルフ|26才|女性|魔術師
  • ユニットアイコン
    スカー
    スカー(ka0187unit001
    ユニット|幻獣
  • ……オマエはダレだ?
    リカルド=フェアバーン(ka0356
    人間(蒼)|32才|男性|闘狩人
  • ユニットアイコン
    ジャック・ザ・リッパー
    Jack・The・Ripper(ka0356unit001
    ユニット|CAM
  • 伝説の砲撃機乗り
    ミグ・ロマイヤー(ka0665
    ドワーフ|13才|女性|機導師
  • ユニットアイコン
    ハリケーンバウユーエスエフシー
    ハリケーン・バウ・USFC(ka0665unit002
    ユニット|CAM
  • 孤高の射撃手
    アバルト・ジンツァー(ka0895
    人間(蒼)|28才|男性|猟撃士
  • ユニットアイコン
    フォルケ
    Falke(ka0895unit003
    ユニット|CAM
  • 雪の感謝
    リチェルカ・ディーオ(ka1760
    人間(紅)|17才|女性|猟撃士
  • ユニットアイコン
    サルターレ
    サルターレ(ka1760unit003
    ユニット|幻獣
  • 誓槍の騎士
    ヴァルナ=エリゴス(ka2651
    人間(紅)|18才|女性|闘狩人
  • ユニットアイコン
    ガスト
    ガスト(ka2651unit001
    ユニット|幻獣
  • The Fragarach
    リリティア・オルベール(ka3054
    人間(蒼)|19才|女性|疾影士
  • 灯光に託す鎮魂歌
    ディーナ・フェルミ(ka5843
    人間(紅)|18才|女性|聖導士
  • ユニットアイコン
    リーリー
    リーリー(ka5843unit001
    ユニット|幻獣

サポート一覧

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン 【相談卓】迷子の騎士探し
黒の夢(ka0187
エルフ|26才|女性|魔術師(マギステル)
最終発言
2017/05/12 21:34:39
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2017/05/10 21:31:52