ゲスト
(ka0000)
【郷祭】販促イラスト制作協力依頼
マスター:笹村工事

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~6人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2014/10/28 09:00
- 完成日
- 2014/11/02 00:52
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
「儲けんといけんのんよ!」
ポルトワール郊外のとある集合住宅の一室。
そこへ訪れたカタリーナは握り拳にググッと力を入れ宣言した。
これに、テーブルを挟んで彼女と向かい合うようにして座っていたカプリナが返す。
「意気込んでるわね。好きよ、そういうの」
同性から見ても色艶の感じられるカプリナにあでやかな笑みを向けられ、カタリーナは軽く頬を染めながら言葉を続ける。
「カプリ姉ちゃん、相変わらず有害やわ」
「あら、ちゃんと相手は選んでるわよ。好きな子にしか優しくないもの」
「そういう言葉が簡単に出てくる所が有害なんよ。
だいたい、カプリ姉ちゃんにはシュウ兄ちゃんが居るやん」
「別に僕はキミが相手なら気にしないけどね。
はい、ミルクティ。砂糖は二杯で良かったよね?」
炊事場からお茶を持ってきた青年は自分の名前を出されたというのに、平然とした様子でカタリーナの前にカップを置くとカプリナの横に座る。
これにカタリーナは礼を返しつつ突っ込みを入れた。
「お茶ありがとぉ。って、そやのぉて。
シュウ兄ちゃんもカプリ姉ちゃんの恋人なんやから、そんなこと言うてちゃかしたらあかんやん」
「そこは余裕ってヤツだよ。カプリのこと、信じてるしボク」
「あら、そんな風に余裕出されちゃうと、拗ねたくなるわね」
「そういう所も見たいからだよ。だめ?」
「バカねぇ。言葉にしないといけないの?」
「……二人とも、ひょっとせんでもウチで遊んどるやろ」
「もちろん♪」
「そうだよ」
大人げない大人二人の返しにカタリーナは更に顔を赤くすると、落ち着かせるためにミルクティを飲み干してから返す。
「ウチも独り立ちしたんやから、もぉ二人のおもちゃになんかされへんもん。
ちゃんと今日は商人としてきたんやから、キチンと商談してぇな」
「はいはい、分かってるわよ。でも少しぐらい許してちょうだい。
キティもビビも、私は大好きなんだから」
にっこりと笑みを浮かべながら、この場には居ないカタリーナの妹の名も口にして告げるカプリナに、カタリーナはすぐには返せず頬を染める。
そんな二人にシュウは苦笑しながら、本題を口にした。
「キティの言葉も、もっともだし、そろそろ商談に入ろうか。
ジェオルジ村長祭に持って行く瓶詰め商品のラベル絵制作、だったね?」
「うん。ジェオルジ村長祭は、知っとるやろ?」
「ジェオルジの人達が収穫時期に集まって行うお祭りだよね。
そして今回はいつもと違いヴァリオス商工会が一枚噛んでる。
で、そこで瓶詰め商品を売り出したい。
けれど、それだけだとインパクトが薄いからラベル絵の依頼をしたいって事だね」
カプリ出版商会の書籍責任者であるシュウは確認のために返す。
彼が文章を、カプリナが絵を担当しているこの商会は、カタリーナが所属しているクルキャット商会を中枢とするクルキャット商連合に所属している。
その縁もあって、カタリーナは依頼に来ていた。
「それにしても独り立ちしたばかりなのに精力的だね。
ビビも、ジェオルジ村長祭に出す商品を確保するために、ガフさんと一緒にジェオルジの村に交渉に行ってるんだよね。
頑張ってるね。でも、無理は禁物だから、気を付けないとダメだよ」
心配するシュウの言葉に、カタリーナは強い意志を込めた眼差しを向け返す。
「無理はする気はないんよ。そんなことしたら、他の皆に迷惑かけるもん。
やけど、自分が出来る事はしたいんよ。
あんな、前にも話したけど今ウチの所、歪虚やらで被災した所の復興事業もしとるんよ。
今回売り出す瓶詰めも、そういう所で作ったもんなんよ。
他にも、ウチらアラゴじいちゃんに無理言って、被災した所に出来るだけ安う必要な物を卸せるようにしてもろうたんよ。
そういうの、最初は儲けでぇへんやん。やから、他の所で儲けんといけんのんよ」
「心配しなくても丈夫よ、アラゴの爺様がオッケー出したんだから」
カプリナは自分達が属するクルキャット商会のトップの名を出し続ける。
「あの爺様の抜け目の無さと図太さは大したものよ。心配しなくても大丈夫。
でも、頑張るのは好い事よ。
だから、ウチとしても応援したいから、こちらのお願いも聞いてくれる?」
「お願いって、なんなん?」
「ラベル製作だけじゃなくて、他にもウチが関われるよう、事業を広げて欲しいの。
これ、シュウのアイデアなんだけどね。
キティ達がこれから売り出す商品に、おまけでカードを付けさせて欲しいの」
「販促、て感じなんだけどね。リアルブルーだと良くあったんだよ」
リアルブルー転移者であるシュウは懐かしそうに目を細めると更に続ける。
「おまけが売り上げアップに繋がれば良いよね。
それと同時にウチとしては、おまけのカードに付けるイラストが広く知られれば、そこからウチも商売が広がる。
その辺りで協力して欲しいんだけど、良いかな?」
「うん、ええよ。面白そうやし、むしろ積極的に協力させて欲しいんよ」
この応えにシュウは笑みを浮かべながら返す。
「好かった、ありがとう。
それじゃ、そのためにもまずは瓶詰めラベルやおまけのカードのイラストを決めないとね」
「やったら、ハンターの人らモデルにしいへん?」
嬉しそうな表情でカタリーナは続ける。
「あんな、前にもハンターの人らモデルにしてイラストコンテストしたことあったんよ。
その時も、受けが良かったんよ。
それに、歪虚からの被災復興も目的の商品やからぴったりやと思うんよ。
ハンターの人らのお蔭で、歪虚倒して貰らっとるんやし。
いけん?」
これにカプリナは苦笑しながら返す。
「良いわよ。その方が、キティも嬉しいんでしょ。
それなら、まずはモデルとなるハンターが欲しいわね。
その上でウチの事業にアイデアを出してくれれば最高だし。
依頼料は、今回は折半って事で良い?」
「うん、それでええよ。やったら、早速依頼出しにいくんよ」
こうして、新たな依頼が一つハンターオフィスに出されました。内容は、
瓶詰め商品に貼るラベルイラストモデル
販促商品用カードのモデル
その他、それらの事業に関するアイデア出し
という物でした。この依頼を見たアナタ達は――?
ポルトワール郊外のとある集合住宅の一室。
そこへ訪れたカタリーナは握り拳にググッと力を入れ宣言した。
これに、テーブルを挟んで彼女と向かい合うようにして座っていたカプリナが返す。
「意気込んでるわね。好きよ、そういうの」
同性から見ても色艶の感じられるカプリナにあでやかな笑みを向けられ、カタリーナは軽く頬を染めながら言葉を続ける。
「カプリ姉ちゃん、相変わらず有害やわ」
「あら、ちゃんと相手は選んでるわよ。好きな子にしか優しくないもの」
「そういう言葉が簡単に出てくる所が有害なんよ。
だいたい、カプリ姉ちゃんにはシュウ兄ちゃんが居るやん」
「別に僕はキミが相手なら気にしないけどね。
はい、ミルクティ。砂糖は二杯で良かったよね?」
炊事場からお茶を持ってきた青年は自分の名前を出されたというのに、平然とした様子でカタリーナの前にカップを置くとカプリナの横に座る。
これにカタリーナは礼を返しつつ突っ込みを入れた。
「お茶ありがとぉ。って、そやのぉて。
シュウ兄ちゃんもカプリ姉ちゃんの恋人なんやから、そんなこと言うてちゃかしたらあかんやん」
「そこは余裕ってヤツだよ。カプリのこと、信じてるしボク」
「あら、そんな風に余裕出されちゃうと、拗ねたくなるわね」
「そういう所も見たいからだよ。だめ?」
「バカねぇ。言葉にしないといけないの?」
「……二人とも、ひょっとせんでもウチで遊んどるやろ」
「もちろん♪」
「そうだよ」
大人げない大人二人の返しにカタリーナは更に顔を赤くすると、落ち着かせるためにミルクティを飲み干してから返す。
「ウチも独り立ちしたんやから、もぉ二人のおもちゃになんかされへんもん。
ちゃんと今日は商人としてきたんやから、キチンと商談してぇな」
「はいはい、分かってるわよ。でも少しぐらい許してちょうだい。
キティもビビも、私は大好きなんだから」
にっこりと笑みを浮かべながら、この場には居ないカタリーナの妹の名も口にして告げるカプリナに、カタリーナはすぐには返せず頬を染める。
そんな二人にシュウは苦笑しながら、本題を口にした。
「キティの言葉も、もっともだし、そろそろ商談に入ろうか。
ジェオルジ村長祭に持って行く瓶詰め商品のラベル絵制作、だったね?」
「うん。ジェオルジ村長祭は、知っとるやろ?」
「ジェオルジの人達が収穫時期に集まって行うお祭りだよね。
そして今回はいつもと違いヴァリオス商工会が一枚噛んでる。
で、そこで瓶詰め商品を売り出したい。
けれど、それだけだとインパクトが薄いからラベル絵の依頼をしたいって事だね」
カプリ出版商会の書籍責任者であるシュウは確認のために返す。
彼が文章を、カプリナが絵を担当しているこの商会は、カタリーナが所属しているクルキャット商会を中枢とするクルキャット商連合に所属している。
その縁もあって、カタリーナは依頼に来ていた。
「それにしても独り立ちしたばかりなのに精力的だね。
ビビも、ジェオルジ村長祭に出す商品を確保するために、ガフさんと一緒にジェオルジの村に交渉に行ってるんだよね。
頑張ってるね。でも、無理は禁物だから、気を付けないとダメだよ」
心配するシュウの言葉に、カタリーナは強い意志を込めた眼差しを向け返す。
「無理はする気はないんよ。そんなことしたら、他の皆に迷惑かけるもん。
やけど、自分が出来る事はしたいんよ。
あんな、前にも話したけど今ウチの所、歪虚やらで被災した所の復興事業もしとるんよ。
今回売り出す瓶詰めも、そういう所で作ったもんなんよ。
他にも、ウチらアラゴじいちゃんに無理言って、被災した所に出来るだけ安う必要な物を卸せるようにしてもろうたんよ。
そういうの、最初は儲けでぇへんやん。やから、他の所で儲けんといけんのんよ」
「心配しなくても丈夫よ、アラゴの爺様がオッケー出したんだから」
カプリナは自分達が属するクルキャット商会のトップの名を出し続ける。
「あの爺様の抜け目の無さと図太さは大したものよ。心配しなくても大丈夫。
でも、頑張るのは好い事よ。
だから、ウチとしても応援したいから、こちらのお願いも聞いてくれる?」
「お願いって、なんなん?」
「ラベル製作だけじゃなくて、他にもウチが関われるよう、事業を広げて欲しいの。
これ、シュウのアイデアなんだけどね。
キティ達がこれから売り出す商品に、おまけでカードを付けさせて欲しいの」
「販促、て感じなんだけどね。リアルブルーだと良くあったんだよ」
リアルブルー転移者であるシュウは懐かしそうに目を細めると更に続ける。
「おまけが売り上げアップに繋がれば良いよね。
それと同時にウチとしては、おまけのカードに付けるイラストが広く知られれば、そこからウチも商売が広がる。
その辺りで協力して欲しいんだけど、良いかな?」
「うん、ええよ。面白そうやし、むしろ積極的に協力させて欲しいんよ」
この応えにシュウは笑みを浮かべながら返す。
「好かった、ありがとう。
それじゃ、そのためにもまずは瓶詰めラベルやおまけのカードのイラストを決めないとね」
「やったら、ハンターの人らモデルにしいへん?」
嬉しそうな表情でカタリーナは続ける。
「あんな、前にもハンターの人らモデルにしてイラストコンテストしたことあったんよ。
その時も、受けが良かったんよ。
それに、歪虚からの被災復興も目的の商品やからぴったりやと思うんよ。
ハンターの人らのお蔭で、歪虚倒して貰らっとるんやし。
いけん?」
これにカプリナは苦笑しながら返す。
「良いわよ。その方が、キティも嬉しいんでしょ。
それなら、まずはモデルとなるハンターが欲しいわね。
その上でウチの事業にアイデアを出してくれれば最高だし。
依頼料は、今回は折半って事で良い?」
「うん、それでええよ。やったら、早速依頼出しにいくんよ」
こうして、新たな依頼が一つハンターオフィスに出されました。内容は、
瓶詰め商品に貼るラベルイラストモデル
販促商品用カードのモデル
その他、それらの事業に関するアイデア出し
という物でした。この依頼を見たアナタ達は――?
リプレイ本文
販促用イラストモデルとアイデア出し依頼。
それを引き受けたハンター達は、まずは企画会議を行っていた。
●企画会議
「ぐむむぅ、難しいモンだねぇ……」
企画会議が始まって一時間。超級まりお(ka0824)は悩ましげに言った。
場所は執事やメイド姿の店員が働いている飲食店である。
ここは依頼人が属するクルキャット商連合が進めているファミレス風店舗の一つで、彼らが注文してくれた飲み物や軽食を前にしてアイデアを出し合う。
「商品はトマトソースと魚介類の瓶詰めなんだよねー。
やっぱりこの手の商品の購入層は家庭を預かる主婦が中心になるのだと思う。
考え方の一つとして、ターゲットを主婦層に絞るのもアリじゃないかな?」
まりおが意見を出せば、レイオス・アクアウォーカー(ka1990)も続ける。
「瓶詰めの中身を使ったレシピをイラストの裏に書いてみたらどうだ?
前に引き受けた依頼で、トマトソースの瓶を使ったレシピは作ってるからな」
「レシピは良いかも。実用性とかを重視しそうな主婦層には、販促物がカードであること自体が弱い気がしてたから」
それに依頼人達が返す。
「もっともな意見だね。この辺りは僕達の都合もあって無理を言っちゃってるから」
「商品の購買層が主婦になっちゃいそうなのが問題なのよね」
文章とイラスト担当のシュウとカプリナの言葉に、販売担当のカタリーナが続ける。
「やったら他の商品にも付けるんよ。
前にハンターの人らに協力して貰ってトマトソースを使ったグミを作ったんよ。
それやったら購買層を子供とかに出来ると思うんよ。
主婦の人らと子供の皆が、それぞれ楽しめたり役に立ったりするカードにしようと思うんよ」
「子供が対象か。それならゲーム的な要素を入れたカードも良いかもな」
鳴神 真吾(ka2626)が意見を出せば、時音 ざくろ(ka1250)も続ける。
「ざくろも賛成だよ。ただのコレクションも楽しいけど、みんなで遊べるともっと楽しいもん。
集めたら集めた仲間と一緒に、ハンター冒険遊びとか出来る様にしたらどうかな?
人物の絵の裏側の物語が相手に出す依頼になってて、それをクリアできるかで点数溜めて勝負する感じで。
それにしてもカードかぁ。日本にいた頃、色んなカードがあったけど好きだったなぁ」
懐かしい故郷の思い出にざくろはやわらかな笑みを浮かべた。
同じくリアルブルーからの転移者である鳴神も、提案を続ける。
「シンプルにカードの種類を剣、弓、魔法の3種に分けて3竦みを取り入れてみるのは?
じゃんけんみたいな感じで。あいこならレア度が高いカードの勝ちにしてみるのはどうだろう」
これにシュウは返す。
「良いね。最初から複雑なルールだとお客さんがついて来れないだろうし。
ざくろさんと鳴神さん二人のアイデアを両方取り入れて作るよ。
依頼カードと対戦カード、それぞれを分けて考えて行こう。
依頼カードは日常系と戦闘系2種類あると良いかな。
それだと色々なカードの種類出せるしね。イラストの種類も増やせそうだ。
それにレア度だけで極端に勝負の差が出ないようコスト制やカード毎の特殊能力もつける。
ここまで作るならゲーム世界観の設定とか要るな。舞台となる場所のアイデアも――」
「それなら協力できます」
シュウの言葉に、ハーレキン(ka3214)は言う。
「僕、ハンターに成ったのは最近だからハンターとしての体験談は少ないです。
でも道化師として行商の人の話とか色々聞いて知ってます。
暑く照りつける草原や凍てつく大地の話。見渡す限りの水面を覆う魚の群れる湖の話とか。
それに色んな物語も知ってます。
空を焼く悪竜を松脂の火とトゲの鎧を使って倒したお話とか。
そういうのはダメですか?」
「とんでもない。むしろ面白いしありがたいよ」
シュウは賛同し続ける。
「さっきも言ったけど依頼カードは日常系と戦闘系2種類を考えてるんだ。
カードイラストのモデルはハンターだけど、ハンターの仕事は戦うだけじゃないと思うからね」
「うん、そうなんよ」
カタリーナが引き継ぐように続ける。
「ウチ、今までハンターの皆に依頼頼んできたんよ。
それで思ったんよ。戦って貰うだけやのうて、皆の普段の生活を助けてくれるんもハンターなんやって。
やから色んな話を教えて貰えると助かるんよ」
「なるほど。戦闘系の体験でなくても大丈夫なのですね」
カタリーナの言葉にエルバッハ・リオン(ka2434)は相槌を入れるように返すと続けて呟く。
「そうえいば、あまり戦闘系の体験は多くないですね。
かと言って日常系もカードイラストのアイデアとしては物足らなそうですし」
そこまで呟き、考えをまとめると、今度は提案の為に言った。
「リアルブルーの文化を取り入れた装備を持っているのですけれど、それを絡めて作ったフィクションでも構いませんか?
戦隊物というんでしょうか? そういった物と魔法少女というジャンルの物を考えているのですが」
これにシュウは返す。
「良いね。特撮と魔法少女の括りでカードシリーズを作れるよ」
「特撮か。だったら俺もやらせてくれ。
イラストモデルは今日じゃないみたいだけど、その時にヒーロー衣装を着てくる。
当日はスーツアクターとして恥ずかしくない動きを見せるさ」
鳴神の言葉にシュウは返す。
「スーツアクターしてたの? うわっ、嬉しい。こっちの世界で会えるとは思わなかったよ。
良いね。特撮物も魔法少女も色々思いつきそうだ。
魔法少女はアイドル的な物と併せて考えるかな。見た目もかわいくなりそうだし」
「なら、ざくろがそれを着てくるよ」
「ホンマ? ひょっとして前に依頼引き受けてくれた時の?
あんとき綺麗やったんよ。みんなも盛り上がってくれたし、良いと思うわ。
それ以外にも、かっこええのんも似合う思うから、モデル当日は必要なもんあったら言ってな」
カタリーナの言葉にざくろは少し恥ずかしそうに返す。
「ありがとう。だったら当日はアルケミックギアブレイドと盾を構えた機導師姿も用意するね。
それとこの世界に来て知り合った仲間達と、ざくろは冒険団を作ったんだ。
みんなも出てくるようなカードも作って貰えると嬉しいな」
「良いわね女の子だけの冒険団。ざくろちゃんがアイドルなら他の女の子達もアイドルとして描いちゃいたいわね」
カプリナの言葉にざくろは返す。
「ざくろは男の子だよ! みんなじゃないもん。
……あれ、確かに団員みんな女の子」
ざくろは自分以外の団員の皆を思い出し呟いた。
それに和やかな空気が漂う中レイオスは言う。
「カードの方はこれでほぼ決まりだな。
なら後はラベルイラストだけど魚介類の方は灯台なんてどうだ?
前に狂気の歪虚騒動があった時、灯台に関わる依頼を受けた事があってさ。
それと鎧やグレートソードなんてのも良いかもな。狂気に負けないって意味合いも込められそうだし。
瓶詰めは復興活動にも関わってるみたいだし良いんじゃないか?」
「ええね。やったら後はトマトソースのヤツやね」
カタリーナの言葉にレイオスは以前受けた依頼の事を思い出しながら返した。
「あれ、パルムのお蔭でよく売れたよな」
連れて来ていた2体のパルムを指して言う。
パルム達はテーブル上の軽食をお互いフォークで食べさせ合っていた。
それを見たカタリーナは言う。
「やったら、この子らモデルにしたらええと思うんよ。
かわいいし売り上げも好うなると思うんよ」
「いいぜ、だったらモデル当日も連れて行くな。
良いだろ? ソルトもシュガーも」
この呼び掛けにパルム達はお互いを見合った後、楽しそうにぴょんびょん跳ねた。
こうしてアイデアはまとまりモデル当日がやって来た。
●モデルをやろう
「覚醒! 機導特査ガイアァァドッ!」
決め台詞と共にポージング。イラストモデル当日、鳴神は普段の依頼スタイルであるヒーロー衣装を着てモデルとなり、良い構図を選んで貰う為に一通りアクションを行っていた。
場所はクルキャット商連合所有の空き地である。そこに依頼人とハンター達だけでなく、カプリナが協力で呼んだ描き手達や、その知り合いなど集まり賑やかになっていた。
「ただ上辺を真似て嘲笑うお前達にだけは負けるわけにはいかない!」
カードのゲーム設定に絡む台詞を口にしながら鳴神は再ポージング。それに親と来ていた男の子達が快哉を上げる。
男の子達が興味を示したのは鳴神だけでなく武装したレイオスもだった。普段ハンターを見る事はあっても武装したハンターを見る事は稀な子供達は興味津々である。
そんな子供達をモデルの合間にレイオスは相手をしてやる。
「ん? グレートソード持ってみたいのか? 気を付けてな、重いから。
今までやっつけた歪虚? 色々居たけど、どれも気は抜けない相手だったな。
おう、これからも負けないさ。ありがとな応援してくれて」
こうして男の子達に鳴神やレイオスが囲まれている中、他のハンター達は女性陣に囲まれていた。
「褒めてくれて、ありがとう♪
リクエスト、折角だからやっちゃうよ」
紅のゴシックドレスにアクセントに緑の飾りを付けたアイドル姿のざくろは、女性陣、特に子供達にせがまれ歌を披露する。
綺麗な顔立ちと細身の体つきで、服装も相まってどこから見ても可愛らしい女の子といった感じのざくろではあったが、そこは男の子。
恥ずかしさもあったが、それよりも皆を喜ばせたくて一生懸命に歌を届ける。
それは女の子達の目を輝かせた。
そんな風に喜ばせているのはリオンもだった。
「人に化けた歪虚と戦う魔法少女、という感じなんですが、どうですか?」
リオンは用意されていた衣装の内、七枚目を身に着け披露する。
彼女自身衣装は用意していたが魔法少女シリーズの為という事で、色々な衣装を着て欲しいと頼まれたのだ。
「こんな感じで、どうですか?」
くるり、と回って見せる。ふわりとスカートが舞い、かわいらしさを見せた。
男性陣ではなく女性陣が選んだ衣装という事で、きわどいながらも可愛らしい衣装になっている。
「かわいいわぁ。ええんよ」
「ええ、本当に。筆がノルわ」
カタリーナはかわいらしさに喜び、カプリナは可愛いモデルを描ける喜びに笑みを浮かべる。
そして他の女性陣もリオンの魔法少女姿に歓声を上げていた。
歓声を上げられているのはハーレキンもである。
「いざ悪竜を打ち倒さん。飲まれし腹で決着を」
モデルになりながらカードキャラの設定に関わる台詞を口にする。道化師として仕込まれた彼は演技も堂にいった物で見る者を魅了した。
今の彼の姿は疾影士という事で用意された素早さを感じさせる軽装である。
けれどそれと同時に戦闘の為に洗練された精悍さも感じさせる衣装だった。
可愛らしい服装や、きわどい衣装も着てみせた彼は、その度に女性陣に嬌声を上げられていたが、いま着ている服には歓声が上がる。
かわいらしさだけではなく男の子としての格好よさも示していた。
それは道化師として鍛錬を重ねた動きや姿勢の良さの賜物でもあった。
こうして皆のモデル姿で喝采が上がる中、異彩を放ったのは、まりおである。
「紙袋にリボルビングソーのホラーな感じはどおかな?」
その言葉通りな彼女の姿に一部の子供は本気でビビる。
しかしカード設定役のシュウは気に入ったのか近づき言う。
「悪役もカードに欲しいんで、この姿はSレアカードにしたいですね」
これにまりおは返す。
「レアカード……そういうの、カードの裏に数枚集めると完成するイラストを載せて収集欲を刺激するってのはどうかな?」
少し考え込んだ後シュウは返した。
「そういうのも欲しいですね。
ゲームとかレシピを載せるカードだと難しいので、Sレア全部集めたらお店で特別イラストと引き替え、とかにしたいですね」
「だったら、男一人に女一人、後ざくろちゃんのバランスがかなり良さそーかも?」
「ざくろさん、もはや独自の性別枠ですか。
それなら、真紅のアイドル戦姫、というSレアカード枠で出してみますか。
他の皆さんも個別のSレアカード枠で考えます」
そうして意見出しも行われる中、ひときわ黄色い声が上がった。
レイオスが連れて来ていた2体のパルム達のかわいらしさが原因である。
トマトソースの瓶詰め用ラベルイラストのモデルとして協力した2体は、用意されたテーブルの上でお遊戯を見せる幼児のように踊っていた。
木製のフォークとスプーンを手に持って、かわいらしいエプロン姿で踊りを見せる。
カタリーナが用意していたエプロンやフォークとスプーンが気に入ったのか、ぴょんびょん飛び跳ねていた2体は、ちまちまとした動きで踊りを披露するとフォークとスプーンをカチリと交わし最後にポージング。
その途端、歓声と共に拍手が上がった。
こうしてイラストのモデルは進む。
間間で、ざくろがアイドル姿から凛々しい機導師姿を披露し女性陣を喜ばせれば、リオンは戦隊物といった格好で子供達と一部の大人たちを沸かす。
その一方で鳴神とレイオスが戦闘シーンカードの為に殺陣を行い歓声を上げさせれば、まりおとハーレキンはホラーカード枠の為に、ぎゅんぎゅんリボルビングソーを回転させたりピエロ姿を披露していた。
それがアイデアの元となり次々にイラストのラフ画や設定が作られていく。
それは予定されていた物よりも多く依頼は大成功を収めたと言えた。
そうしてイラストモデルは終わり最後に打ち上げが催された。
●お疲れ様でした
「良し、ブイヤベース出来上がりだ。皆食べてくれ」
リアルブルーの料理を広めたいと思っているレイオスの作った料理は皆に笑顔を浮かべさせた。
「うん、美味しいね」
ざくろが嬉しそうに声を上げれば、まりおやハーレキンも同様だった。
「なんかワンアップしそう」
「おかわり良いですか?」
そんな中、販促カードの今後の展開やカードの設定にリオンや鳴神は最後の詰めに意見を言う。
「今回の結果を見て好評のようでしたら、イラストを定期的に変えながら商品を販売して徐々に規模を拡大していくのもありかもしれませんね」
「殺陣で見せた動き役に立てて欲しい。偽物に負けない本物のヒーローをカードにしてやってくれ」
これにカタリーナやシュウは応える。
「少しずつでも規模は広げよう思うんよ。カードゲームにも広げていけそうやから大会とかも考えとるんよ」
「それに書籍や、お芝居のような物の展開も出来ればしようと思ってます。ヒーローの輝きを皆に伝えたいですしね」
返ってきた応えは今だけではなくこれから先、それも見越した応えだった。
こうして依頼は終わりを告げた。
今回のハンター達の協力の結果はこの先広がっていくのだろう、そう思わせるような終わりだった。
それを引き受けたハンター達は、まずは企画会議を行っていた。
●企画会議
「ぐむむぅ、難しいモンだねぇ……」
企画会議が始まって一時間。超級まりお(ka0824)は悩ましげに言った。
場所は執事やメイド姿の店員が働いている飲食店である。
ここは依頼人が属するクルキャット商連合が進めているファミレス風店舗の一つで、彼らが注文してくれた飲み物や軽食を前にしてアイデアを出し合う。
「商品はトマトソースと魚介類の瓶詰めなんだよねー。
やっぱりこの手の商品の購入層は家庭を預かる主婦が中心になるのだと思う。
考え方の一つとして、ターゲットを主婦層に絞るのもアリじゃないかな?」
まりおが意見を出せば、レイオス・アクアウォーカー(ka1990)も続ける。
「瓶詰めの中身を使ったレシピをイラストの裏に書いてみたらどうだ?
前に引き受けた依頼で、トマトソースの瓶を使ったレシピは作ってるからな」
「レシピは良いかも。実用性とかを重視しそうな主婦層には、販促物がカードであること自体が弱い気がしてたから」
それに依頼人達が返す。
「もっともな意見だね。この辺りは僕達の都合もあって無理を言っちゃってるから」
「商品の購買層が主婦になっちゃいそうなのが問題なのよね」
文章とイラスト担当のシュウとカプリナの言葉に、販売担当のカタリーナが続ける。
「やったら他の商品にも付けるんよ。
前にハンターの人らに協力して貰ってトマトソースを使ったグミを作ったんよ。
それやったら購買層を子供とかに出来ると思うんよ。
主婦の人らと子供の皆が、それぞれ楽しめたり役に立ったりするカードにしようと思うんよ」
「子供が対象か。それならゲーム的な要素を入れたカードも良いかもな」
鳴神 真吾(ka2626)が意見を出せば、時音 ざくろ(ka1250)も続ける。
「ざくろも賛成だよ。ただのコレクションも楽しいけど、みんなで遊べるともっと楽しいもん。
集めたら集めた仲間と一緒に、ハンター冒険遊びとか出来る様にしたらどうかな?
人物の絵の裏側の物語が相手に出す依頼になってて、それをクリアできるかで点数溜めて勝負する感じで。
それにしてもカードかぁ。日本にいた頃、色んなカードがあったけど好きだったなぁ」
懐かしい故郷の思い出にざくろはやわらかな笑みを浮かべた。
同じくリアルブルーからの転移者である鳴神も、提案を続ける。
「シンプルにカードの種類を剣、弓、魔法の3種に分けて3竦みを取り入れてみるのは?
じゃんけんみたいな感じで。あいこならレア度が高いカードの勝ちにしてみるのはどうだろう」
これにシュウは返す。
「良いね。最初から複雑なルールだとお客さんがついて来れないだろうし。
ざくろさんと鳴神さん二人のアイデアを両方取り入れて作るよ。
依頼カードと対戦カード、それぞれを分けて考えて行こう。
依頼カードは日常系と戦闘系2種類あると良いかな。
それだと色々なカードの種類出せるしね。イラストの種類も増やせそうだ。
それにレア度だけで極端に勝負の差が出ないようコスト制やカード毎の特殊能力もつける。
ここまで作るならゲーム世界観の設定とか要るな。舞台となる場所のアイデアも――」
「それなら協力できます」
シュウの言葉に、ハーレキン(ka3214)は言う。
「僕、ハンターに成ったのは最近だからハンターとしての体験談は少ないです。
でも道化師として行商の人の話とか色々聞いて知ってます。
暑く照りつける草原や凍てつく大地の話。見渡す限りの水面を覆う魚の群れる湖の話とか。
それに色んな物語も知ってます。
空を焼く悪竜を松脂の火とトゲの鎧を使って倒したお話とか。
そういうのはダメですか?」
「とんでもない。むしろ面白いしありがたいよ」
シュウは賛同し続ける。
「さっきも言ったけど依頼カードは日常系と戦闘系2種類を考えてるんだ。
カードイラストのモデルはハンターだけど、ハンターの仕事は戦うだけじゃないと思うからね」
「うん、そうなんよ」
カタリーナが引き継ぐように続ける。
「ウチ、今までハンターの皆に依頼頼んできたんよ。
それで思ったんよ。戦って貰うだけやのうて、皆の普段の生活を助けてくれるんもハンターなんやって。
やから色んな話を教えて貰えると助かるんよ」
「なるほど。戦闘系の体験でなくても大丈夫なのですね」
カタリーナの言葉にエルバッハ・リオン(ka2434)は相槌を入れるように返すと続けて呟く。
「そうえいば、あまり戦闘系の体験は多くないですね。
かと言って日常系もカードイラストのアイデアとしては物足らなそうですし」
そこまで呟き、考えをまとめると、今度は提案の為に言った。
「リアルブルーの文化を取り入れた装備を持っているのですけれど、それを絡めて作ったフィクションでも構いませんか?
戦隊物というんでしょうか? そういった物と魔法少女というジャンルの物を考えているのですが」
これにシュウは返す。
「良いね。特撮と魔法少女の括りでカードシリーズを作れるよ」
「特撮か。だったら俺もやらせてくれ。
イラストモデルは今日じゃないみたいだけど、その時にヒーロー衣装を着てくる。
当日はスーツアクターとして恥ずかしくない動きを見せるさ」
鳴神の言葉にシュウは返す。
「スーツアクターしてたの? うわっ、嬉しい。こっちの世界で会えるとは思わなかったよ。
良いね。特撮物も魔法少女も色々思いつきそうだ。
魔法少女はアイドル的な物と併せて考えるかな。見た目もかわいくなりそうだし」
「なら、ざくろがそれを着てくるよ」
「ホンマ? ひょっとして前に依頼引き受けてくれた時の?
あんとき綺麗やったんよ。みんなも盛り上がってくれたし、良いと思うわ。
それ以外にも、かっこええのんも似合う思うから、モデル当日は必要なもんあったら言ってな」
カタリーナの言葉にざくろは少し恥ずかしそうに返す。
「ありがとう。だったら当日はアルケミックギアブレイドと盾を構えた機導師姿も用意するね。
それとこの世界に来て知り合った仲間達と、ざくろは冒険団を作ったんだ。
みんなも出てくるようなカードも作って貰えると嬉しいな」
「良いわね女の子だけの冒険団。ざくろちゃんがアイドルなら他の女の子達もアイドルとして描いちゃいたいわね」
カプリナの言葉にざくろは返す。
「ざくろは男の子だよ! みんなじゃないもん。
……あれ、確かに団員みんな女の子」
ざくろは自分以外の団員の皆を思い出し呟いた。
それに和やかな空気が漂う中レイオスは言う。
「カードの方はこれでほぼ決まりだな。
なら後はラベルイラストだけど魚介類の方は灯台なんてどうだ?
前に狂気の歪虚騒動があった時、灯台に関わる依頼を受けた事があってさ。
それと鎧やグレートソードなんてのも良いかもな。狂気に負けないって意味合いも込められそうだし。
瓶詰めは復興活動にも関わってるみたいだし良いんじゃないか?」
「ええね。やったら後はトマトソースのヤツやね」
カタリーナの言葉にレイオスは以前受けた依頼の事を思い出しながら返した。
「あれ、パルムのお蔭でよく売れたよな」
連れて来ていた2体のパルムを指して言う。
パルム達はテーブル上の軽食をお互いフォークで食べさせ合っていた。
それを見たカタリーナは言う。
「やったら、この子らモデルにしたらええと思うんよ。
かわいいし売り上げも好うなると思うんよ」
「いいぜ、だったらモデル当日も連れて行くな。
良いだろ? ソルトもシュガーも」
この呼び掛けにパルム達はお互いを見合った後、楽しそうにぴょんびょん跳ねた。
こうしてアイデアはまとまりモデル当日がやって来た。
●モデルをやろう
「覚醒! 機導特査ガイアァァドッ!」
決め台詞と共にポージング。イラストモデル当日、鳴神は普段の依頼スタイルであるヒーロー衣装を着てモデルとなり、良い構図を選んで貰う為に一通りアクションを行っていた。
場所はクルキャット商連合所有の空き地である。そこに依頼人とハンター達だけでなく、カプリナが協力で呼んだ描き手達や、その知り合いなど集まり賑やかになっていた。
「ただ上辺を真似て嘲笑うお前達にだけは負けるわけにはいかない!」
カードのゲーム設定に絡む台詞を口にしながら鳴神は再ポージング。それに親と来ていた男の子達が快哉を上げる。
男の子達が興味を示したのは鳴神だけでなく武装したレイオスもだった。普段ハンターを見る事はあっても武装したハンターを見る事は稀な子供達は興味津々である。
そんな子供達をモデルの合間にレイオスは相手をしてやる。
「ん? グレートソード持ってみたいのか? 気を付けてな、重いから。
今までやっつけた歪虚? 色々居たけど、どれも気は抜けない相手だったな。
おう、これからも負けないさ。ありがとな応援してくれて」
こうして男の子達に鳴神やレイオスが囲まれている中、他のハンター達は女性陣に囲まれていた。
「褒めてくれて、ありがとう♪
リクエスト、折角だからやっちゃうよ」
紅のゴシックドレスにアクセントに緑の飾りを付けたアイドル姿のざくろは、女性陣、特に子供達にせがまれ歌を披露する。
綺麗な顔立ちと細身の体つきで、服装も相まってどこから見ても可愛らしい女の子といった感じのざくろではあったが、そこは男の子。
恥ずかしさもあったが、それよりも皆を喜ばせたくて一生懸命に歌を届ける。
それは女の子達の目を輝かせた。
そんな風に喜ばせているのはリオンもだった。
「人に化けた歪虚と戦う魔法少女、という感じなんですが、どうですか?」
リオンは用意されていた衣装の内、七枚目を身に着け披露する。
彼女自身衣装は用意していたが魔法少女シリーズの為という事で、色々な衣装を着て欲しいと頼まれたのだ。
「こんな感じで、どうですか?」
くるり、と回って見せる。ふわりとスカートが舞い、かわいらしさを見せた。
男性陣ではなく女性陣が選んだ衣装という事で、きわどいながらも可愛らしい衣装になっている。
「かわいいわぁ。ええんよ」
「ええ、本当に。筆がノルわ」
カタリーナはかわいらしさに喜び、カプリナは可愛いモデルを描ける喜びに笑みを浮かべる。
そして他の女性陣もリオンの魔法少女姿に歓声を上げていた。
歓声を上げられているのはハーレキンもである。
「いざ悪竜を打ち倒さん。飲まれし腹で決着を」
モデルになりながらカードキャラの設定に関わる台詞を口にする。道化師として仕込まれた彼は演技も堂にいった物で見る者を魅了した。
今の彼の姿は疾影士という事で用意された素早さを感じさせる軽装である。
けれどそれと同時に戦闘の為に洗練された精悍さも感じさせる衣装だった。
可愛らしい服装や、きわどい衣装も着てみせた彼は、その度に女性陣に嬌声を上げられていたが、いま着ている服には歓声が上がる。
かわいらしさだけではなく男の子としての格好よさも示していた。
それは道化師として鍛錬を重ねた動きや姿勢の良さの賜物でもあった。
こうして皆のモデル姿で喝采が上がる中、異彩を放ったのは、まりおである。
「紙袋にリボルビングソーのホラーな感じはどおかな?」
その言葉通りな彼女の姿に一部の子供は本気でビビる。
しかしカード設定役のシュウは気に入ったのか近づき言う。
「悪役もカードに欲しいんで、この姿はSレアカードにしたいですね」
これにまりおは返す。
「レアカード……そういうの、カードの裏に数枚集めると完成するイラストを載せて収集欲を刺激するってのはどうかな?」
少し考え込んだ後シュウは返した。
「そういうのも欲しいですね。
ゲームとかレシピを載せるカードだと難しいので、Sレア全部集めたらお店で特別イラストと引き替え、とかにしたいですね」
「だったら、男一人に女一人、後ざくろちゃんのバランスがかなり良さそーかも?」
「ざくろさん、もはや独自の性別枠ですか。
それなら、真紅のアイドル戦姫、というSレアカード枠で出してみますか。
他の皆さんも個別のSレアカード枠で考えます」
そうして意見出しも行われる中、ひときわ黄色い声が上がった。
レイオスが連れて来ていた2体のパルム達のかわいらしさが原因である。
トマトソースの瓶詰め用ラベルイラストのモデルとして協力した2体は、用意されたテーブルの上でお遊戯を見せる幼児のように踊っていた。
木製のフォークとスプーンを手に持って、かわいらしいエプロン姿で踊りを見せる。
カタリーナが用意していたエプロンやフォークとスプーンが気に入ったのか、ぴょんびょん飛び跳ねていた2体は、ちまちまとした動きで踊りを披露するとフォークとスプーンをカチリと交わし最後にポージング。
その途端、歓声と共に拍手が上がった。
こうしてイラストのモデルは進む。
間間で、ざくろがアイドル姿から凛々しい機導師姿を披露し女性陣を喜ばせれば、リオンは戦隊物といった格好で子供達と一部の大人たちを沸かす。
その一方で鳴神とレイオスが戦闘シーンカードの為に殺陣を行い歓声を上げさせれば、まりおとハーレキンはホラーカード枠の為に、ぎゅんぎゅんリボルビングソーを回転させたりピエロ姿を披露していた。
それがアイデアの元となり次々にイラストのラフ画や設定が作られていく。
それは予定されていた物よりも多く依頼は大成功を収めたと言えた。
そうしてイラストモデルは終わり最後に打ち上げが催された。
●お疲れ様でした
「良し、ブイヤベース出来上がりだ。皆食べてくれ」
リアルブルーの料理を広めたいと思っているレイオスの作った料理は皆に笑顔を浮かべさせた。
「うん、美味しいね」
ざくろが嬉しそうに声を上げれば、まりおやハーレキンも同様だった。
「なんかワンアップしそう」
「おかわり良いですか?」
そんな中、販促カードの今後の展開やカードの設定にリオンや鳴神は最後の詰めに意見を言う。
「今回の結果を見て好評のようでしたら、イラストを定期的に変えながら商品を販売して徐々に規模を拡大していくのもありかもしれませんね」
「殺陣で見せた動き役に立てて欲しい。偽物に負けない本物のヒーローをカードにしてやってくれ」
これにカタリーナやシュウは応える。
「少しずつでも規模は広げよう思うんよ。カードゲームにも広げていけそうやから大会とかも考えとるんよ」
「それに書籍や、お芝居のような物の展開も出来ればしようと思ってます。ヒーローの輝きを皆に伝えたいですしね」
返ってきた応えは今だけではなくこれから先、それも見越した応えだった。
こうして依頼は終わりを告げた。
今回のハンター達の協力の結果はこの先広がっていくのだろう、そう思わせるような終わりだった。
依頼結果
参加者一覧
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マテリアルリンク参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談卓 レイオス・アクアウォーカー(ka1990) 人間(リアルブルー)|20才|男性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2014/10/26 18:12:15 |
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質問卓なんよ カタリーナ(kz0071) エルフ|15才|女性|霊闘士(ベルセルク) |
最終発言 2014/10/26 02:39:57 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2014/10/23 22:34:07 |