ゲスト
(ka0000)
【春郷祭】フローライト☆アクセ
マスター:深夜真世

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~7人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2017/06/12 22:00
- 完成日
- 2017/06/25 02:34
このシナリオは5日間納期が延長されています。
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
同盟領の蒸気工業都市「フマーレ」にて。
「大火被害の復興にはすでに資金供与しているはずよ」
郊外に立つグリス邸にて、アマリリス商会代表のアムがツンと言い放った。
フマーレはこの春先に歪虚の仕業で火をつけられ大火被害に遭っていた。石の建物などが多いため完全消失などには至らないが、一部が広範囲に焼かれたことには違いがない。多くの工場や店舗、そして住民が被害をこうむっていた。
「ええ、ええ、それはもちろん」
フマーレからの使いはアムの機嫌をうかがいながら慎重な口調で続ける。
「これは新たに、被害を免れた企業事業所さま全員に、改めてお願いにあがっている次第です」
いわく、表面的な復興が進むにつれて伴う費用が発生して、そこの資金繰りに苦労しているとのこと。つまり、現場からいったん撤去したがれきの最終的な処理やそれにかかわる人員への手当である。直してはいオシマイとはいかないあたり、リアルブルーもクリムゾンウエストも同じのようで。
「復興で利益を受けるところが協力するのが筋じゃないかしら?」
こちらは復興に関して仕事があるわけじゃなし、とアム。
「も、もちろんそういった事業者さまにはご理解いただいて大きく支えてもらっておりまして……」
直接儲けのないところに寄付を吹っかけているわけではない、と必死の説明。
「ですから今回は、利益を得る機会をご提供して、そこから一部を復興のために、と思いまして」
役人そう言って企画書を差し出した。
「……拝見します」
ちら、と目を押したアム、すぐに表情を改めた。
「ありがとうございます。では、現地にてお待ちしておりますので」
役人はほっとした様子で執務室から退室した。
部屋に残ったのはアムと、執事のバモスだけ。
「アム様。『春郷祭』とおっしゃいましたか?」
バモス、であれば農業振興地のジェオルジですね、と続けながら近寄る。
「ええ。……見て。そこでフマーレの物産展を開くらしいの」
「ジェオルジの村長祭は確かに広く集客のある祭りですが、他地域の物は扱わないしよその業者の割り込む隙は無いはずですが……」
失礼します、と企画書を受け取り目を落とすバモス。
「大火被害復興支援の名目で今回だけ特別に売り場を分けてもらったらしいわ。……もちろん、卸売りを仲介しない直接販売価格だから買い手にとって値ごろだし、出品者にとっても人員が必要なだけで安売りを強制されるわけではないわ」
「とはいえ、ウチにそんな商品はありましたか?」
バモス、心当たりがない。
「あるじゃない。……山師のノーザン・ウエストをそそのかして有り金持ち逃げさせてセル鉱山を狙っていた別組織に追われて最終的に私たちに倒された盗賊団の残党が売ってるモノ」
「ああ」
バモス。得心した。
セル鉱山は開発当初から、三盗賊に狙われていたが初代の開発者が事業破綻で自殺すると開発を進言した山師も現金を持って逃げた。三すくみだった盗賊の一つと結託して。もちろん、ほかの二盗賊が許すはずはなく。現地警備を任されていたアマリリス商会は覚醒者のモータルを筆頭に現地警備隊と雇ったハンターを従え追跡。当初結託していた二盗賊と最終的に物別れとなり、三盗賊をすべて討伐することになる。残党の降伏者はそのまま雇ったが、逃げた盗賊らは再び結託してここグリス邸を直接襲うがこれまた警備に雇ったハンターに撃退される。
そこでアム、味方になるよう、新たに採掘を始めた蛍石(フローライト)の屑石をある程度無償提供した。
盗賊の資金はセル鉱山に編入され奪われていた盗賊たちは、これを二級品アクセサリーとして露天で販売し、資金としていた。
もちろん盗賊らは食っていくために必死。
屑石を必死に飾って高く売ったため、ちょっとした流行になっていた。
もちろん、その後は定期的に盗賊たちに卸して販売を継続させた。盗賊たちも今では露天商をする街のチンピラとなっていた。
「なるほど。アクセサリーは利幅が大きいので売り上げの一部を供与しやすいですね」
「問題は、元盗賊のチンピラたちを販売員として派遣できないことね」
夢を売るんだから見た目は大切、とアム。
「となると、いつもの手ですが……そうなると儲けが出にくいですね」
「いいのよ。将来的に蛍石の一級品が取引できるようになれば安いものだわ。ビルドムーバーも参考品として展示すれば目を引くでしょうし」
私も行くわ、とアム。
「かしこまりました」
「後は……アクセパーツ一式をチンピラから仕入れておいて。実際に販売するアクセサリーは雇ったハンターに作ってもらうのがいいでしょう」
その方が販売にも身が入るしね、とウインク。
そんなこんなで、グリーンフローライト(蛍石)を使った、露天販売用の二級アクセサリーを製作してジェオルジの春郷祭で販売してくれる人、求ム。
「大火被害の復興にはすでに資金供与しているはずよ」
郊外に立つグリス邸にて、アマリリス商会代表のアムがツンと言い放った。
フマーレはこの春先に歪虚の仕業で火をつけられ大火被害に遭っていた。石の建物などが多いため完全消失などには至らないが、一部が広範囲に焼かれたことには違いがない。多くの工場や店舗、そして住民が被害をこうむっていた。
「ええ、ええ、それはもちろん」
フマーレからの使いはアムの機嫌をうかがいながら慎重な口調で続ける。
「これは新たに、被害を免れた企業事業所さま全員に、改めてお願いにあがっている次第です」
いわく、表面的な復興が進むにつれて伴う費用が発生して、そこの資金繰りに苦労しているとのこと。つまり、現場からいったん撤去したがれきの最終的な処理やそれにかかわる人員への手当である。直してはいオシマイとはいかないあたり、リアルブルーもクリムゾンウエストも同じのようで。
「復興で利益を受けるところが協力するのが筋じゃないかしら?」
こちらは復興に関して仕事があるわけじゃなし、とアム。
「も、もちろんそういった事業者さまにはご理解いただいて大きく支えてもらっておりまして……」
直接儲けのないところに寄付を吹っかけているわけではない、と必死の説明。
「ですから今回は、利益を得る機会をご提供して、そこから一部を復興のために、と思いまして」
役人そう言って企画書を差し出した。
「……拝見します」
ちら、と目を押したアム、すぐに表情を改めた。
「ありがとうございます。では、現地にてお待ちしておりますので」
役人はほっとした様子で執務室から退室した。
部屋に残ったのはアムと、執事のバモスだけ。
「アム様。『春郷祭』とおっしゃいましたか?」
バモス、であれば農業振興地のジェオルジですね、と続けながら近寄る。
「ええ。……見て。そこでフマーレの物産展を開くらしいの」
「ジェオルジの村長祭は確かに広く集客のある祭りですが、他地域の物は扱わないしよその業者の割り込む隙は無いはずですが……」
失礼します、と企画書を受け取り目を落とすバモス。
「大火被害復興支援の名目で今回だけ特別に売り場を分けてもらったらしいわ。……もちろん、卸売りを仲介しない直接販売価格だから買い手にとって値ごろだし、出品者にとっても人員が必要なだけで安売りを強制されるわけではないわ」
「とはいえ、ウチにそんな商品はありましたか?」
バモス、心当たりがない。
「あるじゃない。……山師のノーザン・ウエストをそそのかして有り金持ち逃げさせてセル鉱山を狙っていた別組織に追われて最終的に私たちに倒された盗賊団の残党が売ってるモノ」
「ああ」
バモス。得心した。
セル鉱山は開発当初から、三盗賊に狙われていたが初代の開発者が事業破綻で自殺すると開発を進言した山師も現金を持って逃げた。三すくみだった盗賊の一つと結託して。もちろん、ほかの二盗賊が許すはずはなく。現地警備を任されていたアマリリス商会は覚醒者のモータルを筆頭に現地警備隊と雇ったハンターを従え追跡。当初結託していた二盗賊と最終的に物別れとなり、三盗賊をすべて討伐することになる。残党の降伏者はそのまま雇ったが、逃げた盗賊らは再び結託してここグリス邸を直接襲うがこれまた警備に雇ったハンターに撃退される。
そこでアム、味方になるよう、新たに採掘を始めた蛍石(フローライト)の屑石をある程度無償提供した。
盗賊の資金はセル鉱山に編入され奪われていた盗賊たちは、これを二級品アクセサリーとして露天で販売し、資金としていた。
もちろん盗賊らは食っていくために必死。
屑石を必死に飾って高く売ったため、ちょっとした流行になっていた。
もちろん、その後は定期的に盗賊たちに卸して販売を継続させた。盗賊たちも今では露天商をする街のチンピラとなっていた。
「なるほど。アクセサリーは利幅が大きいので売り上げの一部を供与しやすいですね」
「問題は、元盗賊のチンピラたちを販売員として派遣できないことね」
夢を売るんだから見た目は大切、とアム。
「となると、いつもの手ですが……そうなると儲けが出にくいですね」
「いいのよ。将来的に蛍石の一級品が取引できるようになれば安いものだわ。ビルドムーバーも参考品として展示すれば目を引くでしょうし」
私も行くわ、とアム。
「かしこまりました」
「後は……アクセパーツ一式をチンピラから仕入れておいて。実際に販売するアクセサリーは雇ったハンターに作ってもらうのがいいでしょう」
その方が販売にも身が入るしね、とウインク。
そんなこんなで、グリーンフローライト(蛍石)を使った、露天販売用の二級アクセサリーを製作してジェオルジの春郷祭で販売してくれる人、求ム。
リプレイ本文
●
「売り場は本当に奥の端っこだな……」
鳳城 錬介(ka6053)がフマーレ復興コーナーを見回して呟いた。ほかの売り場は農機具や刃物など実用品を取り扱う業者のブースが並び、ここアマリリス商会のブースに至るまでが長い。しかも取り扱いがアクセサリーなので目立たないことこの上ない。
「ま、アレがあるからね~」
メルクーア(ka4005)がだんだん近付いてくる音に気付き、そちらを見るように言う。
――ブロロ、ブッブ―……。
「危ないよ、どいたどいた」
接近してくる魔導トラック一台。運転席から顔を出したレオーネ・インヴェトーレ(ka1441)が周りに注意しつつ運転している。
――ききっ。
「よ。フローライトの商品一式と十三夜のビルドムーバー一台、お待ちどうさまだ」
「これが妹の言ってた『ドラマー』かぁ」
運転席から飛び降りるレオーネ。天竜寺 舞(ka0377)はビルドムーバー一号機「ドラマー」のドラミングコングのマークを見上げている。
「……これも売り物?」
錬介はアマリリス商会代表アマリリスことアムに振り返って聞いた。
「今回は展示のみね。そりより早く準備しましょう」
レオーネから箱を受け取るアマリリス。箱の中には販売する蛍石のアクセサリーが詰まっていた。
「深い緑色……とっても素敵ですね」
ノワ(ka3572)、早速ペンダントを取り出し掲げてうっとり。
「そういえば頼んでいたオリジナルパーツ、どうなったかな?」
「あ、舞さんは根付紐だったな。自作用のパーツはこっちの箱だぜ」
舞の前にレオーネが新たな箱を下ろす。
「蛍石以外は?」
いろんな色の石がないと見栄えがしないんだけど、とメルクーア。
「水晶はウチの鉱山でも出るから問題ないけど、ほかの石は仕入れたわ。安物の石だけど利益率が違うから注意してね」
アム、さすが商人。ちゃっかりしている。
「へえ、形もいろいろありますね」
錬介もこちらに来てひょいと丸い蛍石を摘まんで陽の光に掲げて確認。だんだん気分が盛り上がってきたようだ。
「復興の手助けにもなるってんだし、頑張ってお手伝いさせてもらおうか」
「この石、ヒーリング効果も高く、精神を安定させ記憶力や理解力を高める効果もあるんですよ。そんな素敵な意味もある事を、多くの人に知ってもらえたらいいなあ」
よし、と頷く舞に、夢見るようにぽわわんと頬を染めるノワ。
「っていうか、それなによ」
まさかここで飲むの、とアムが突っ込むんだのは、メルクーアの取り出したワインボトル。
「雰囲気づくりでーす♪」
お酒好きのメルクーア、どう活用するのだろう?
「ま、いいわ。まずは既製品を主に売ってるからみんなは手作り分を仕上げて」
アム、そう言って皆に奮闘に期待する。
●
で、ブースの後ろにテーブルを並べ露天商が扱わないようなオリジナルのアクセサリー作りに。
「じゃ、変わったネックレスを作ろうかな」
錬介、革紐数本を手に取り器具に固定して手繰り始めた。マクラメ編みにするつもりだ。
「へー。手先、器用だね」
「革細工には慣れてるし、料理もするからかな?」
手元をのぞいてきた舞ににっこり答える錬介。石包み編みで大きめの蛍石をくるんでペンダントトップにし、革紐に結び付けて出来上がりだ。
一方、メルクーアが舞の様子に気付いた。
「そう言う舞さんも器用じゃない? 何作ってるのか分からないけど」
メルクーアの指摘通り、舞も細かく手を動かしている。
長くて頑丈そうな色付きの針金をペンチで丁寧に折って二重にして先端をヤスリ掛けして丸め、今度は細い針金を曲げて小さな花を作っていたり。
何になるんだろう、と興味を引かれるメルクーア。
「これ? 簪だね」
まだ製作途中だが、自分の髪をサイドアップに纏めて留めて見せる。まとまった髪は乱れることなくお団子のままだ。
「そんなアクセサリーもあるんですねー」
「飾りをつけたらシャラシャラしていい感じだよ?」
ノワも興味を引かれ感心。舞は飾る予定の針金の花や宝石を手に完成した感じを醸したり。
「ノワさん、それは?」
蓮介、ノワの手元に気付いた。
太めの針金を曲げているのでてっきり舞のように花を作っているのかと思ったら、小さなお椀のようなものを量産しているようだ。
「これですか?」
えへへ、とノワ。
針金のお椀は横に置いて、大きめの蛍石や水晶を針金で包む。
そして逆さにしたお椀に吊るしネックレスチェーンを通して絞ると……。
「完成です。こっちは緑色でこっちは透明。鉱石のどんぐりみたいですね♪」
どんぐりネックレスの完成。見詰めるノワの緑色の瞳の前でゆらゆらキラキラと輝きを放っている。
「それ、いいね。俺のアイデアとも被らなかったのも良かった」
ほっとする錬介。
「え?」
「ほら、こっちは鳥の巣だから」
錬介、ノワと同じく針金を密に編み込んでお椀を作っていたがこちらは逆さにせずそのままに、色とりどりのタマゴ型の宝石を入れて鳥の巣型のアクセサリーを作っていた。
「そういうのも素敵です♪」
「後は針金で葉っぱを作って、果実型のペンダントも作っておこう」
ノワと錬介、盛り上がりつつ作業を進める。
こちら、舞。
「器用と言えば……」
くるっ、と別の方を見る。
「よし。万力と刻印もキットに入ってるな。あとは……あったあった。このプレートを、と……」
そこにはハンマーと刻印用金具を持ったレオーネが。カン、カンと打ち込んでビルドムーバーと同じマークを彫り込んでいく。
「ああいうのも技術だよね」
「彫金が得意な人が集まったみたいねー。あたしも負けないわよー」
感心する舞の横で、メルクーアが円柱のような金属パーツを取り出していた。
そしておもむろに万力で固定すると小さな金属の曲面に刻印を打ち始めた。
どれどれ、とノワと錬介も寄って来た。
「こんなもんかな?」
ふう、とメルクーア。完成した文字は「WINE」。円柱型のパーツ、実はワインボトル型だったようで。
「わあっ。ワインボトルですね」
「完全に趣味だけどね~。後は宝石をコルク代わりに栓をして、出来上がり」
手を合わせて盛り上がるノワに、ワインボトル型金属パーツの上に蛍石を接着剤でくっつけたメルクーアがにこぱ顔。彫り込んだ場所はちょうどラベルのデザインがしてあった。ラベル隅にも小さな宝石を接着剤でつけてデコレーション。
「本当はシャルドネとかの文字も刻印したかったけど、キーホルダータイプで小さいからこだわり切れなかったのよねー」
その代り、こっちのシルバーがシャルドネの白ワインでコルクが緑色の蛍石でしょ、こっちのブロンズは赤ワインでコルクは透明の水晶、とかこだわりを話す。ワインボトルの横に付いた穴に短く小さなチェーンを通して、出来上がり。
というわけで、ある程度製作完了。
店売りを手伝おうとしたが、ここでアムの苦戦を知ることとなる。
●
「お客さんがここまで足を運んでくれないのよ」
閑古鳥が鳴いている状況にアムが肩をすくめる。
「もしかしたら並びが悪いのかしらねー」
「あー、それは十分考えられるね」
メルクーアが手前にずらっと並ぶブースを見てこぼすと、舞も同調。
理由は簡単で、手前の農作業用品などのブースが目立つのだ。物が大きいから小さいアクセが奥にあっては目立たない。
さらに、ここまで来たお客さんたち。
「今日はよしておこうかしら?」
こういうのが好きそうな婦人客すら、反応が鈍い。あるいは、既製品は見飽きてるような客層かもしれない。
とにかく、せっかく来た客も滞在時間が短くちょっと見ては通り過ぎるので閑古鳥が鳴いてる感が半端ない。その影響で少し興味を引かれた客も足を止めるのをためらうという悪循環となっている。
これが続けば売り上げはほぼ期待できない。
ピンチである。
「よし、目立てばいいんだな? メルクーア、後頼むぜ?」
「任せといて!」
行ってくるぜ、とレオーネがブース後方に走る。メルクーアはそれと分かりすうっと息を吸い込んだ。
「みんなちゅ~もーく! ビルドムーバーの変形デモンストレーションが始まるわよ~」
もちろん、祭りの賑わいの中なので声はあまり響かない。
が、その背後でそそり立とうとしているものは説得力があった!
「ビルドムーバーワン、ドラマー。ビルド・オン!」
操縦席に収まったレオーネ。がこんと操作して魔導トラック形態からの変形を試みる。
――どしっ。ぐぐぐ……。
たちまちレオーネの視線がゆっくりと高くなる。
「な、なんだあれは?」
「おい、すげぇな!」
ブース付近にいた人はその姿を見上げ指差す。レオーネからはその様子が徐々に下に、遠くなっていく。
「変形に時間掛かりすぎなのが弱点だったが、こういう時はありがたいな」
もったいぶるような変形で注目度抜群の手ごたえを感じつつ、魔導アーマー形態に変形完了した。
後は、ちゃんと動けることを証明するために一歩踏み出し拳を突き出したりスーパーロボット風の決めポーズをしてみたり、遠くの人に手を振るなど。
「いまここで販売している蛍石はこのビルドムーバーが配備されているセル鉱山で採掘されたもので―す!」
現地の花見にも参加し事情を知っているメルクーア、しっかりとビルドムーバーを広告塔に販売に勤しむ。
「ほおー。すまんかぁちゃん、ちょっと付き合ってくれ」
家族連れのお父さん、ビルドムーバーに引かれてやってきた。
「うわあ、すごーい。お母さん、こっちこっち!」
ロボに目を輝かせた男の子が母親を引きずって来る。
「まあいいか」
「それじゃ私はこっち見てるわね」
つき合わされた母親はもちろん、アクセの方を見てればいいので機嫌を損ねることなくむしろ願ったりだったり。
「良心的な価格なのは産地直送だから。気軽に身に着けることができますよ」
ここぞとばかりにアムが説明。
「うーん……でも、こういうのはもう持ってるし」
「東方ではこういうのもあるよ!」
そういう客にはすかさず舞が。中央に蛍石、真珠、水晶をそれぞれはめ込んだ花のチャームが連なる簪を見せた。
「豪華で綺麗だけど……どこに付けるの?」
「これはこう付けるんだよ」
舞、自分の髪に簪をつける。露わになったうなじに、しゃらりとなる簪。
「まあ。印象が変わるし涼やかな音が出るわね。いただくわ」
「毎度あり~」
珍しさの勝利である。
「フローライト?」
アクセのメジャーから外れる名前に首を傾げる人もいる。
「この石は「世界で最もカラフルな鉱物」とも呼ばれていて、心を落ち着ける効果があるんですよ」
そういう客にはノワがにっこりと説明。相手が女性なので難しい話はせず、「この深い色合いのように、心の底から美しくなれます」など訴えどんぐりネックレスを勧める。もちろん気に入ってもらったようで、お買い上げ。
その横では錬介が鳥の巣型のアクセを勧めているが……。
「真珠と水晶はどんな効果があるんです?」
「ええと……」
錬介、特に蛍石も説明してなかったが横にいるノワの説明が客の耳に入った様子だ。
「あ! 真珠には心を護る力や長寿や健康の効果があります。水晶は最大の浄化力、それから調和の力、です」
ノワ、ナイスフォロー。
「そういえば、派手めな赤や黄色なんかがないからほっとするかも」
「大切にすれば、あなたの心の中で何かが孵るかもしれないですね」
納得する客に、何となく感じたことを口にする蓮介。
その時だった。
「ほ、ほんとですか? 私、ダンサーになりたいと思ってるんですが、いま伸び悩んでて」
「そうなんですか? 笑顔が明るいからそんな風にはまったく……」
ぽろりとこぼした女性客の言葉に素直な印象を話してやる。
「ええ、それは褒められるんですけど……」
「それじゃ、これがいいきっかけになるといいですね」
客はこの言葉にとても感謝して鳥の巣型アクセを購入していった。
一方、集まった男性。
「へえ、ワインボトル型かぁ」
メルクーアのワインボトル型アクセが注目を浴びていた。
「白と赤。凝ってるなぁ。いい造形だなぁ……」
飲兵衛の男性客だけに、モチーフのセンスと造形のこだわり、そして完成度の高さに激しく心惹かれている様子。
が、購入に至らない。
理由は簡単で、普段アクセを身に着けるタイプではないから。
そこに舞がやってきた。
「そうそう、根付もあるよ。腰に付けておいて、こうやってナイフなんかもくくることができるね」
「そ、それだ!」
「コルク抜きに付けておいてもいいな」
たちまち実用的な根付とワインボトル型アクセも売れ始める。
「よし、魔導トラックに変形完了、と」
デモンストレーションを終えたレオーネの元には男性客が群がった。
「鉱山で使ってるって本当か?」
「これなら戦闘もできるんじゃないか?」
「ち、ちょっと待てって」
質問攻めに遭う。
「かっこいいなぁ……」
「あ。こいつのプレート、売ってるぜ?」
『BUILD MOVER/01‐DRAMER』の刻印とドラミングコングマークの刻印がクールなプレートがトップになったネックレスを売り出す。ほかに『02‐Thor』と『03‐Kiwi』もある。それぞれ水晶、真珠、蛍石がきらっと添えられている。
「お、これなら男らしいな」
若い男性陣もターゲットにすることに成功した。
●
ただ、これで新たな問題が。
「ちょっと。オリジナルの方の商品が足りなくなったじゃない」
生産が追い付かないことに焦るアム。
「だったらお客さんにも作ってもらえばいいんじゃない?」
「手作りコーナーを作りましょうか♪」
メルクーアとノワが提案。
早速これを実行。
「ネームプレートの手作りはいかが~?」
身に着け呼び込むレオーネ。
珍しがった客が寄って来た。
「今日はどちらから?」
錬介、会話を楽しみながら指導。
「蛍石は精神を集中させ、直感力を高めるなどのパワーをもつと言われてるの。迷ったときに未来への指標を示してくれるくれるはずよん」
メルクーア、石の説明を織り交ぜつつ。
「水晶の力は調和、統合、強化ほかに病気を治すと信じられてるわね~。真珠は健康、富、長寿、清潔、素直、を表すと言われてるわね」
もうボトル型パーツは売り切れたので他の人の手伝いも。
「自分で選んだ石には特別な「縁」があると言われているんですよ。とっても素敵ですよね♪」
ノワもうきうきしながら客と一緒に製作。
この時、舞。
「さーて。次はあたしが変形デモンストレーションを……」
ビルドムーバーを動かすつもりだ。
「舞さん、後で俺も!」
気になっていた錬介、慌てて次の予約を入れておく。
「私はアマリリスのアクセを、と」
アムも楽しそうに作り出す。花に水晶と真珠、葉の位置に蛍石を添えて。
とにかく、手作りを導入したことで立ち寄る人の滞在時間が増加。
結果、人が寄り付きやすくなり大いに売り上げることに成功した。
「売り場は本当に奥の端っこだな……」
鳳城 錬介(ka6053)がフマーレ復興コーナーを見回して呟いた。ほかの売り場は農機具や刃物など実用品を取り扱う業者のブースが並び、ここアマリリス商会のブースに至るまでが長い。しかも取り扱いがアクセサリーなので目立たないことこの上ない。
「ま、アレがあるからね~」
メルクーア(ka4005)がだんだん近付いてくる音に気付き、そちらを見るように言う。
――ブロロ、ブッブ―……。
「危ないよ、どいたどいた」
接近してくる魔導トラック一台。運転席から顔を出したレオーネ・インヴェトーレ(ka1441)が周りに注意しつつ運転している。
――ききっ。
「よ。フローライトの商品一式と十三夜のビルドムーバー一台、お待ちどうさまだ」
「これが妹の言ってた『ドラマー』かぁ」
運転席から飛び降りるレオーネ。天竜寺 舞(ka0377)はビルドムーバー一号機「ドラマー」のドラミングコングのマークを見上げている。
「……これも売り物?」
錬介はアマリリス商会代表アマリリスことアムに振り返って聞いた。
「今回は展示のみね。そりより早く準備しましょう」
レオーネから箱を受け取るアマリリス。箱の中には販売する蛍石のアクセサリーが詰まっていた。
「深い緑色……とっても素敵ですね」
ノワ(ka3572)、早速ペンダントを取り出し掲げてうっとり。
「そういえば頼んでいたオリジナルパーツ、どうなったかな?」
「あ、舞さんは根付紐だったな。自作用のパーツはこっちの箱だぜ」
舞の前にレオーネが新たな箱を下ろす。
「蛍石以外は?」
いろんな色の石がないと見栄えがしないんだけど、とメルクーア。
「水晶はウチの鉱山でも出るから問題ないけど、ほかの石は仕入れたわ。安物の石だけど利益率が違うから注意してね」
アム、さすが商人。ちゃっかりしている。
「へえ、形もいろいろありますね」
錬介もこちらに来てひょいと丸い蛍石を摘まんで陽の光に掲げて確認。だんだん気分が盛り上がってきたようだ。
「復興の手助けにもなるってんだし、頑張ってお手伝いさせてもらおうか」
「この石、ヒーリング効果も高く、精神を安定させ記憶力や理解力を高める効果もあるんですよ。そんな素敵な意味もある事を、多くの人に知ってもらえたらいいなあ」
よし、と頷く舞に、夢見るようにぽわわんと頬を染めるノワ。
「っていうか、それなによ」
まさかここで飲むの、とアムが突っ込むんだのは、メルクーアの取り出したワインボトル。
「雰囲気づくりでーす♪」
お酒好きのメルクーア、どう活用するのだろう?
「ま、いいわ。まずは既製品を主に売ってるからみんなは手作り分を仕上げて」
アム、そう言って皆に奮闘に期待する。
●
で、ブースの後ろにテーブルを並べ露天商が扱わないようなオリジナルのアクセサリー作りに。
「じゃ、変わったネックレスを作ろうかな」
錬介、革紐数本を手に取り器具に固定して手繰り始めた。マクラメ編みにするつもりだ。
「へー。手先、器用だね」
「革細工には慣れてるし、料理もするからかな?」
手元をのぞいてきた舞ににっこり答える錬介。石包み編みで大きめの蛍石をくるんでペンダントトップにし、革紐に結び付けて出来上がりだ。
一方、メルクーアが舞の様子に気付いた。
「そう言う舞さんも器用じゃない? 何作ってるのか分からないけど」
メルクーアの指摘通り、舞も細かく手を動かしている。
長くて頑丈そうな色付きの針金をペンチで丁寧に折って二重にして先端をヤスリ掛けして丸め、今度は細い針金を曲げて小さな花を作っていたり。
何になるんだろう、と興味を引かれるメルクーア。
「これ? 簪だね」
まだ製作途中だが、自分の髪をサイドアップに纏めて留めて見せる。まとまった髪は乱れることなくお団子のままだ。
「そんなアクセサリーもあるんですねー」
「飾りをつけたらシャラシャラしていい感じだよ?」
ノワも興味を引かれ感心。舞は飾る予定の針金の花や宝石を手に完成した感じを醸したり。
「ノワさん、それは?」
蓮介、ノワの手元に気付いた。
太めの針金を曲げているのでてっきり舞のように花を作っているのかと思ったら、小さなお椀のようなものを量産しているようだ。
「これですか?」
えへへ、とノワ。
針金のお椀は横に置いて、大きめの蛍石や水晶を針金で包む。
そして逆さにしたお椀に吊るしネックレスチェーンを通して絞ると……。
「完成です。こっちは緑色でこっちは透明。鉱石のどんぐりみたいですね♪」
どんぐりネックレスの完成。見詰めるノワの緑色の瞳の前でゆらゆらキラキラと輝きを放っている。
「それ、いいね。俺のアイデアとも被らなかったのも良かった」
ほっとする錬介。
「え?」
「ほら、こっちは鳥の巣だから」
錬介、ノワと同じく針金を密に編み込んでお椀を作っていたがこちらは逆さにせずそのままに、色とりどりのタマゴ型の宝石を入れて鳥の巣型のアクセサリーを作っていた。
「そういうのも素敵です♪」
「後は針金で葉っぱを作って、果実型のペンダントも作っておこう」
ノワと錬介、盛り上がりつつ作業を進める。
こちら、舞。
「器用と言えば……」
くるっ、と別の方を見る。
「よし。万力と刻印もキットに入ってるな。あとは……あったあった。このプレートを、と……」
そこにはハンマーと刻印用金具を持ったレオーネが。カン、カンと打ち込んでビルドムーバーと同じマークを彫り込んでいく。
「ああいうのも技術だよね」
「彫金が得意な人が集まったみたいねー。あたしも負けないわよー」
感心する舞の横で、メルクーアが円柱のような金属パーツを取り出していた。
そしておもむろに万力で固定すると小さな金属の曲面に刻印を打ち始めた。
どれどれ、とノワと錬介も寄って来た。
「こんなもんかな?」
ふう、とメルクーア。完成した文字は「WINE」。円柱型のパーツ、実はワインボトル型だったようで。
「わあっ。ワインボトルですね」
「完全に趣味だけどね~。後は宝石をコルク代わりに栓をして、出来上がり」
手を合わせて盛り上がるノワに、ワインボトル型金属パーツの上に蛍石を接着剤でくっつけたメルクーアがにこぱ顔。彫り込んだ場所はちょうどラベルのデザインがしてあった。ラベル隅にも小さな宝石を接着剤でつけてデコレーション。
「本当はシャルドネとかの文字も刻印したかったけど、キーホルダータイプで小さいからこだわり切れなかったのよねー」
その代り、こっちのシルバーがシャルドネの白ワインでコルクが緑色の蛍石でしょ、こっちのブロンズは赤ワインでコルクは透明の水晶、とかこだわりを話す。ワインボトルの横に付いた穴に短く小さなチェーンを通して、出来上がり。
というわけで、ある程度製作完了。
店売りを手伝おうとしたが、ここでアムの苦戦を知ることとなる。
●
「お客さんがここまで足を運んでくれないのよ」
閑古鳥が鳴いている状況にアムが肩をすくめる。
「もしかしたら並びが悪いのかしらねー」
「あー、それは十分考えられるね」
メルクーアが手前にずらっと並ぶブースを見てこぼすと、舞も同調。
理由は簡単で、手前の農作業用品などのブースが目立つのだ。物が大きいから小さいアクセが奥にあっては目立たない。
さらに、ここまで来たお客さんたち。
「今日はよしておこうかしら?」
こういうのが好きそうな婦人客すら、反応が鈍い。あるいは、既製品は見飽きてるような客層かもしれない。
とにかく、せっかく来た客も滞在時間が短くちょっと見ては通り過ぎるので閑古鳥が鳴いてる感が半端ない。その影響で少し興味を引かれた客も足を止めるのをためらうという悪循環となっている。
これが続けば売り上げはほぼ期待できない。
ピンチである。
「よし、目立てばいいんだな? メルクーア、後頼むぜ?」
「任せといて!」
行ってくるぜ、とレオーネがブース後方に走る。メルクーアはそれと分かりすうっと息を吸い込んだ。
「みんなちゅ~もーく! ビルドムーバーの変形デモンストレーションが始まるわよ~」
もちろん、祭りの賑わいの中なので声はあまり響かない。
が、その背後でそそり立とうとしているものは説得力があった!
「ビルドムーバーワン、ドラマー。ビルド・オン!」
操縦席に収まったレオーネ。がこんと操作して魔導トラック形態からの変形を試みる。
――どしっ。ぐぐぐ……。
たちまちレオーネの視線がゆっくりと高くなる。
「な、なんだあれは?」
「おい、すげぇな!」
ブース付近にいた人はその姿を見上げ指差す。レオーネからはその様子が徐々に下に、遠くなっていく。
「変形に時間掛かりすぎなのが弱点だったが、こういう時はありがたいな」
もったいぶるような変形で注目度抜群の手ごたえを感じつつ、魔導アーマー形態に変形完了した。
後は、ちゃんと動けることを証明するために一歩踏み出し拳を突き出したりスーパーロボット風の決めポーズをしてみたり、遠くの人に手を振るなど。
「いまここで販売している蛍石はこのビルドムーバーが配備されているセル鉱山で採掘されたもので―す!」
現地の花見にも参加し事情を知っているメルクーア、しっかりとビルドムーバーを広告塔に販売に勤しむ。
「ほおー。すまんかぁちゃん、ちょっと付き合ってくれ」
家族連れのお父さん、ビルドムーバーに引かれてやってきた。
「うわあ、すごーい。お母さん、こっちこっち!」
ロボに目を輝かせた男の子が母親を引きずって来る。
「まあいいか」
「それじゃ私はこっち見てるわね」
つき合わされた母親はもちろん、アクセの方を見てればいいので機嫌を損ねることなくむしろ願ったりだったり。
「良心的な価格なのは産地直送だから。気軽に身に着けることができますよ」
ここぞとばかりにアムが説明。
「うーん……でも、こういうのはもう持ってるし」
「東方ではこういうのもあるよ!」
そういう客にはすかさず舞が。中央に蛍石、真珠、水晶をそれぞれはめ込んだ花のチャームが連なる簪を見せた。
「豪華で綺麗だけど……どこに付けるの?」
「これはこう付けるんだよ」
舞、自分の髪に簪をつける。露わになったうなじに、しゃらりとなる簪。
「まあ。印象が変わるし涼やかな音が出るわね。いただくわ」
「毎度あり~」
珍しさの勝利である。
「フローライト?」
アクセのメジャーから外れる名前に首を傾げる人もいる。
「この石は「世界で最もカラフルな鉱物」とも呼ばれていて、心を落ち着ける効果があるんですよ」
そういう客にはノワがにっこりと説明。相手が女性なので難しい話はせず、「この深い色合いのように、心の底から美しくなれます」など訴えどんぐりネックレスを勧める。もちろん気に入ってもらったようで、お買い上げ。
その横では錬介が鳥の巣型のアクセを勧めているが……。
「真珠と水晶はどんな効果があるんです?」
「ええと……」
錬介、特に蛍石も説明してなかったが横にいるノワの説明が客の耳に入った様子だ。
「あ! 真珠には心を護る力や長寿や健康の効果があります。水晶は最大の浄化力、それから調和の力、です」
ノワ、ナイスフォロー。
「そういえば、派手めな赤や黄色なんかがないからほっとするかも」
「大切にすれば、あなたの心の中で何かが孵るかもしれないですね」
納得する客に、何となく感じたことを口にする蓮介。
その時だった。
「ほ、ほんとですか? 私、ダンサーになりたいと思ってるんですが、いま伸び悩んでて」
「そうなんですか? 笑顔が明るいからそんな風にはまったく……」
ぽろりとこぼした女性客の言葉に素直な印象を話してやる。
「ええ、それは褒められるんですけど……」
「それじゃ、これがいいきっかけになるといいですね」
客はこの言葉にとても感謝して鳥の巣型アクセを購入していった。
一方、集まった男性。
「へえ、ワインボトル型かぁ」
メルクーアのワインボトル型アクセが注目を浴びていた。
「白と赤。凝ってるなぁ。いい造形だなぁ……」
飲兵衛の男性客だけに、モチーフのセンスと造形のこだわり、そして完成度の高さに激しく心惹かれている様子。
が、購入に至らない。
理由は簡単で、普段アクセを身に着けるタイプではないから。
そこに舞がやってきた。
「そうそう、根付もあるよ。腰に付けておいて、こうやってナイフなんかもくくることができるね」
「そ、それだ!」
「コルク抜きに付けておいてもいいな」
たちまち実用的な根付とワインボトル型アクセも売れ始める。
「よし、魔導トラックに変形完了、と」
デモンストレーションを終えたレオーネの元には男性客が群がった。
「鉱山で使ってるって本当か?」
「これなら戦闘もできるんじゃないか?」
「ち、ちょっと待てって」
質問攻めに遭う。
「かっこいいなぁ……」
「あ。こいつのプレート、売ってるぜ?」
『BUILD MOVER/01‐DRAMER』の刻印とドラミングコングマークの刻印がクールなプレートがトップになったネックレスを売り出す。ほかに『02‐Thor』と『03‐Kiwi』もある。それぞれ水晶、真珠、蛍石がきらっと添えられている。
「お、これなら男らしいな」
若い男性陣もターゲットにすることに成功した。
●
ただ、これで新たな問題が。
「ちょっと。オリジナルの方の商品が足りなくなったじゃない」
生産が追い付かないことに焦るアム。
「だったらお客さんにも作ってもらえばいいんじゃない?」
「手作りコーナーを作りましょうか♪」
メルクーアとノワが提案。
早速これを実行。
「ネームプレートの手作りはいかが~?」
身に着け呼び込むレオーネ。
珍しがった客が寄って来た。
「今日はどちらから?」
錬介、会話を楽しみながら指導。
「蛍石は精神を集中させ、直感力を高めるなどのパワーをもつと言われてるの。迷ったときに未来への指標を示してくれるくれるはずよん」
メルクーア、石の説明を織り交ぜつつ。
「水晶の力は調和、統合、強化ほかに病気を治すと信じられてるわね~。真珠は健康、富、長寿、清潔、素直、を表すと言われてるわね」
もうボトル型パーツは売り切れたので他の人の手伝いも。
「自分で選んだ石には特別な「縁」があると言われているんですよ。とっても素敵ですよね♪」
ノワもうきうきしながら客と一緒に製作。
この時、舞。
「さーて。次はあたしが変形デモンストレーションを……」
ビルドムーバーを動かすつもりだ。
「舞さん、後で俺も!」
気になっていた錬介、慌てて次の予約を入れておく。
「私はアマリリスのアクセを、と」
アムも楽しそうに作り出す。花に水晶と真珠、葉の位置に蛍石を添えて。
とにかく、手作りを導入したことで立ち寄る人の滞在時間が増加。
結果、人が寄り付きやすくなり大いに売り上げることに成功した。
依頼結果
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/06/12 19:18:09 |
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相談卓だよ 天竜寺 舞(ka0377) 人間(リアルブルー)|18才|女性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2017/06/12 19:25:50 |