ゲスト
(ka0000)
【春郷祭】マグノリアクッキー雨の開店
マスター:佐倉眸

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 易しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~6人
- サポート
- 0~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 無し
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2017/06/15 15:00
- 完成日
- 2017/06/24 03:00
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
●
お気に入りのハンドバッグ、新しいトランク、パパのお古の旅行鞄。
新しい家の鍵とママのクッキー、お店の書類とレシピの束、着替えとエプロン。
直してもらったお祖母ちゃんのペンダント。
大切な荷物を全部運んだら、今日から私はマグノリアクッキー、ジェオルジ支店の支店長。
●
支店長、支店長、何度も呼ばれて、肩を叩かれてやっとそれが私のことだと思い出す。
店のキッチンにいた時は、お嬢さんって呼ばれていたのに。
ヴァリオスにそこそこ大きな店を構えるマグノリアクッキーは私のパパのお店。
新しくジェオルジに支店を出すことになって、私は支店長として開店に必要な道具や書類とともにジェオルジに辿り着いた。
この時期のジェオルジは村長祭で忙しい。
特にこの所同盟の彼方此方で変な事件が起こっているから尚更だろう。
けれど折角、お祭りに合わせてお店を開けるのだから、開店のセールは華々しく。
「皆さん、今日も一日、頑張りましょう……美味しいクッキーと幸せをお客様に届けるために!」
広場に屋台を運ぶ。白い屋根に店のロゴがよく目立つ。
クロスを掛けたテーブルを置き、店の地図を描いたフライヤーを積んで、商品も幾つか並べる。
メッセージ入りのハートの大判クッキーは目立つように。
気軽に摘まめる大袋には、ノーマルとココアのチョコチップ、格子と渦巻きのアイスボックス、ジンジャーマンに、プレッツェル、それから、それから。
贈答用に化粧箱も用意したけれど、これはお店まで買いに来て貰った方が良いだろうから少しだけ。
最後に、春のお祭り特別3枚セット。ドライフルーツやジャムを宝石に見立てて、丸く絞った生地でブローチ風に。赤と黄色と緑の三色を可愛くラッピングして出来上がり。
「支店長! 雨が降ってきます」
「大変ね……濡れちゃうわ」
ぽたりと落ちてきた雨粒に空を見上げる。
屋台には屋根があるから、吹き込んでこなければ商品はすぐ心配する必要はないけれど、昇りは濡れてしまうだろうし、屋根が濡れたらその内雨漏りもしてくるだろう。
天気のせいもあるだろう、それまでに売り切れになりそうな程の賑わいはなく、広場の他の屋台も今日は店をたたみ始めているようだ。
「どうしましょうか?」
「そうね、すぐに片付くようにして、もうちょっとだけ粘ってみましょうか。本降りになる前には帰りましょう」
テーブルに並べる商品は2つずつ。
お祭りのセットだけ少し多めに残して、その他は箱に片付けて荷車へ。
さて、広場を見回して。まだ人通りはあるだろうか。
「いらっしゃいませ! 美味しいクッキーはいかがですか?」
店のロゴを入れた傘を差して、広場に向かって声を響かせる。
お気に入りのハンドバッグ、新しいトランク、パパのお古の旅行鞄。
新しい家の鍵とママのクッキー、お店の書類とレシピの束、着替えとエプロン。
直してもらったお祖母ちゃんのペンダント。
大切な荷物を全部運んだら、今日から私はマグノリアクッキー、ジェオルジ支店の支店長。
●
支店長、支店長、何度も呼ばれて、肩を叩かれてやっとそれが私のことだと思い出す。
店のキッチンにいた時は、お嬢さんって呼ばれていたのに。
ヴァリオスにそこそこ大きな店を構えるマグノリアクッキーは私のパパのお店。
新しくジェオルジに支店を出すことになって、私は支店長として開店に必要な道具や書類とともにジェオルジに辿り着いた。
この時期のジェオルジは村長祭で忙しい。
特にこの所同盟の彼方此方で変な事件が起こっているから尚更だろう。
けれど折角、お祭りに合わせてお店を開けるのだから、開店のセールは華々しく。
「皆さん、今日も一日、頑張りましょう……美味しいクッキーと幸せをお客様に届けるために!」
広場に屋台を運ぶ。白い屋根に店のロゴがよく目立つ。
クロスを掛けたテーブルを置き、店の地図を描いたフライヤーを積んで、商品も幾つか並べる。
メッセージ入りのハートの大判クッキーは目立つように。
気軽に摘まめる大袋には、ノーマルとココアのチョコチップ、格子と渦巻きのアイスボックス、ジンジャーマンに、プレッツェル、それから、それから。
贈答用に化粧箱も用意したけれど、これはお店まで買いに来て貰った方が良いだろうから少しだけ。
最後に、春のお祭り特別3枚セット。ドライフルーツやジャムを宝石に見立てて、丸く絞った生地でブローチ風に。赤と黄色と緑の三色を可愛くラッピングして出来上がり。
「支店長! 雨が降ってきます」
「大変ね……濡れちゃうわ」
ぽたりと落ちてきた雨粒に空を見上げる。
屋台には屋根があるから、吹き込んでこなければ商品はすぐ心配する必要はないけれど、昇りは濡れてしまうだろうし、屋根が濡れたらその内雨漏りもしてくるだろう。
天気のせいもあるだろう、それまでに売り切れになりそうな程の賑わいはなく、広場の他の屋台も今日は店をたたみ始めているようだ。
「どうしましょうか?」
「そうね、すぐに片付くようにして、もうちょっとだけ粘ってみましょうか。本降りになる前には帰りましょう」
テーブルに並べる商品は2つずつ。
お祭りのセットだけ少し多めに残して、その他は箱に片付けて荷車へ。
さて、広場を見回して。まだ人通りはあるだろうか。
「いらっしゃいませ! 美味しいクッキーはいかがですか?」
店のロゴを入れた傘を差して、広場に向かって声を響かせる。
リプレイ本文
●
降り始めた雨が頬を濡らす。
星野 ハナ(ka5852)は重たく曇る空を仰ぎ、広場に視線を移した。
ふと、見覚えのある面差しを見た。
「あれぇ、マギーさんじゃないですぅ?」
天気を覗いながら畳まれ始める屋台の間、簡素な作りの白い屋根にはヴァリオスでは見慣れたクッキーショップのロゴ。
雨粒を躱すように近付いて声を掛けると、商品を屋根の内に収まるように並べ直していた女性がぱちくりと瞬いた。
懐かしいと目を細めた。マグノリア。自分の名字が上手く言えないほど幼い頃はそう名乗っていたと。
星野がバイトかと尋ねると、少し考えるような間を置いて笑顔で頷いた。
何方ですか。そう言ってもう1人の店員が箱を置きながら振り返る。
女性はここまで送ってくれた方だと紹介する。山野の植物に詳しくて、仕事には真面目な楽しい方。
「ああ、その節は支店長がお世話に……」
支店長と呼んだその店員に、しい、と言葉を遮って、今日はバイトと片目を瞑る。折角だからと店の前へ。
「いらっしゃいませ、春郷祭のマグノリアクッキーへようこそ」
溌剌と。並べた商品へ星野を誘う。
声が聞こえた方へ目を向ける。降り出す前に見付かれば良い。
高瀬 未悠(ka3199)が広場を歩きながら、まだ店を出している屋台を眺めながら歩く。
噂を聞いていたクッキーショップが、広場に屋台を出しているらしいが、まだ間に合うだろうか。
屋台の掲げる幟や看板を辿って見付けた白い屋根。
あった、と小さく呟いて湿気った砂を蹴って小走りに向かう。
屋台の前、傍らでは先客の星野が店員らしい女性と話し込んでいる。
手前に並べられたセットのクッキーは、三色の鮮やかなドライフルーツが艶々として、細かな凹凸で描く模様がこんがりと芳しく焼かれている。
「あぁどれも美味しそう……」
赤も、黄も、緑も。どれから食べるか迷うくらいに。
「それに見た目も可愛らしくて最高だわ!」
赤い双眸が蕩けて、魅入られた様にクッキーを見ていると、もう1人の店員が包みましょうかと声を掛ける。
これを10個、と伝えて会計を済ませ、ロゴの入ったショッパーに収められたそれを抱きかかえ。
少し休むくらいの時間なら、雨も待ってくれそうだ。
エリオ・アスコリ(ka5928)は仕事を終え、まだ残っている屋台を巡る。
季節の野菜、瓶に詰めたピクルスやジャム。ジェオルジらしい商品も並ぶが、他の地域から祭に合わせて持ち込まれた様々な物が売られている。
あのクッキーもそうだろうと白い屋根を見上げ、すぐ側の見知った顔に瞠って、その手が抱えた荷物に肩を竦めた。
高瀬もエリオに気付いたらしく、幸せそうな笑顔を向けた。
「やぁ、未悠。随分と大荷物だね」
そう言って手を差し伸べれば、高瀬は素直に荷物を半分預け歩き出した。
「ありがとう。……お仕事お疲れさま。クッキー買ってきたところなの、一緒に食べない?」
エリオを誘い、まだ乾いているベンチを探す。
擦れ違ったフィリテ・ノート(ka0810)に気付いた高瀬が笑顔で声を掛けた。
雨の中、巡るのも楽しそうだとフィリテも挨拶を返して歩いて行く。
クッキーかと呟く様に看板を見上げた雪都(ka6604)は湿気る髪を払ってマグノリアクッキーの屋台へ向かう。
まだ商品の残っているテーブルにほっとして、包装された箱入りの物を1つ購入し、ショッパーを受け取る。
「うん、これなら先生に喜んでもらえそうだ」
微かに辺りを包む甘い香り、箱の重みを感じ、思い浮かべる師の風貌。減量中では無い事を祈るようにゆっくりと瞬いた。屋台の前を離れようとして見付けた包み。薄い袋に入れられた三色のクッキーは、その鮮やかさに宝石のようだと思う瞬間に浮かぶ、ある友人の面差し。
「あ、すみません、こっちも1つ……」
頼んでしまってから悩むように首を傾がせた。
春郷祭に行きたい。
そう言っていた祖母の手を引くカフカ・ブラックウェル(ka0794)は、物心ついた時から変わらない祖母、ユリアの容姿に思いを巡らせる。
祖母がハンターになるとは。と、意外に思っていた頃を懐かしむ。
並ぶ屋台目を輝かせる祖母を見ると、村を出て自由に走り回る今が、祖母の第二の人生のスタートなのだろう。
何となく、しんみりと、自分よりも幼くさえ見える祖母に腕を引かれて、広場を歩きながら物思いに耽っていた。
「ねぇ、カフカちゃん! クッキー買って!」
足を止め1つの屋台を指した祖母に呼び止められる。
目を向けた先のテーブルにはクッキーの袋が並べられている。
屋台に向かって歩きながら、嬉しそうに笑む祖母を見る。
その表情に、分かったと頷きそうになって慌てて留まる。
「ってか、孫に買ってやるじゃなくて買ってほしいって言うの……?」
「あらやだ、幾らおばあちゃんだからって、どんな女性でもエスコートしなきゃ」
孫とのデートを満喫している祖母の言葉に、眇めた緑の瞳は微笑んだ。
「はいはい、分かったよ。どれが良いの?」
言いながら思い浮かべる家族。土産に良さそうなセットを10個。
店員が袋に詰めている間に見付けたハートのクッキー。桃色の砂糖で染めて、チョコレート色の文字が優しい筆致で愛を意味する言葉を綴る。
誕生日、今月だったなと呟いて手に取ったそれを店員に渡した。
袋は分けておきますね。そう言った店員から会計を終えて差し出されたのは土産を纏めた白い袋と、ハートを1枚だけ包んで収めた淡い色の袋。
多忙な人だけれど、プレゼントに添えて会いに行こう。
受け取ったショッパーを提げ、雪都は手許に取り出した特別セットを雨粒から庇う様に袋に戻す。
祭を楽しんでいる人々の声が聞こえると、その場に佇む気も退けて店の前を離れた。
少しずつ地面を染めていく雨を眺めて歩きながら、通りすがる屋台に花を見た。
以前、友人に贈ったスズランは研究の材料にされてしまった。
「……まさか、粉砕されるとは……」
蘇る記憶に思わず零れた言葉を切って溜息を一つ。
もう一度取り出すクッキーを見て、お菓子は好きだったはずだと言い聞かせるように頷いた。
今度こそ、ちゃんと言葉で。
幸せを願うミュゲの日の贈り物には、きっと言葉が足りなかっただろうから。
「……。……感謝の気持ち」
持て余し気味な感情に言葉を与えて呟いてみるが、しっくりこない。
葉に溜まった雨水がぱたりと地面を叩いた音に顔を上げると、屋台を眺めていた好奇心に輝く緑の瞳が雪都に気付いてにこりと笑った。
●
落ちてきたばかりの雨粒を払い、花を臨むベンチに荷物を置いて腰掛ける。
買ったばかりのクッキーを1袋取り出してリボンを解くと、エリオに差し出す。
「運んで貰ったお礼。先に選んでいいわよ」
隣に座り広げられた3色のクッキー眺めたエリオは、目を惹いた赤を避けて緑を摘まんだ。
さくりと軽い歯応えに甘い香り。
雫形のブローチを思わせる形は中央に、煮詰める蜜の染みたアンゼリカ。細かな模様を描くこんがりと焼けた生地に添って飾られた、甘酸っぱいルバーブのジャム。
味も、見た目も悪くない。
エリオは高瀬を見付けた屋台の方へと目を向ける。帰りに土産に買っていこう。
「はぁ……幸せだわ」
エリオがクッキーを選んですぐに、高瀬も1枚摘まんで齧る。
クッキーの甘さと香ばしさ、果物の甘酸っぱさが口一杯に広がった。
蕩ける笑顔でクッキーを味わい、誰かと一緒に食べると更に美味しいと嬉しそうな声で言う。
残った1枚を譲り、高瀬はエリオに向き直って居住まいを正した。
相談に乗って欲しいことがある。そう言った高瀬の赤い双眸がじっとエリオを見詰めた。
「急にこんな事を言い出してびっくりさせてしまうかもしれないけれど……私、好きな人がいるの」
「あの人でしょ?」
驚いた様子の無い声に、高瀬が瞠って身を強張らせる。
「ジンボーニアツイ副師団長サマでしょ?」
平坦な音で淡々と。言い当てられると高瀬の頬が見る間に赤く染まっていった。
その通りだと頷くまでに暫し。恥じらって顔を覆いながら項垂れる。
落ち付く頃を見計らって、相談は、と促すエリオの声にもう一度背筋を伸ばす。
「……頼りたいとか、甘えたい。そう、思ってもらうにはどんな女性になったらいいかしら?」
「一般的には、年上で落ち着きのある大人な女性。だと、思うけど」
さらりと応えてから、エリオは首を横に振った。
「でも、あの人の場合、一般的な価値観は適用されない気がする」
エリオの知る彼は、誰かを精神的な支えにする発想を持たない。その上で考えるのなら。
どんな人間が大人になっても、欲求の根底にあるらしい母親へのそれ。簡単な例えならば手料理だろうか。母親の記憶や憧憬を刺激すれば、あの人、目許の涼しげな副師団長様も。
「……少しは可愛い所、見せるんじゃないかな?」
頼ったり、甘えたり。エリオが首を傾がせると、高瀬は一言ずつ真摯に復唱しながら頷いた。
「とても参考になったわ、ありがとう」
まだ少し赤い頬を、雨に冷やされる微風に冷ます。エリオも、と静かに微笑んで。
「恋愛経験はゼロだけど女心なら教えられるから、必要な時は頼ってね」
相談のお礼。そう言って新しい包みを一つその手に乗せた。
友人を送ってきたところだと星野は話す。丁度同じ道を、同じ店に縁のあった少女を。
残念ながら仕事中の彼女と、件の店への土産に。
「支店まで行こうと思ってたんですけどぉ、ここで買えるなんてラッキーですぅ」
購入し、早速開封した包みの目移りする色。楽しそうな黄色を摘まみ、さくりと齧る。
「これはッ!? サクサクしたクッキーにもっちり梅とマンゴーが酸味と甘味と三種の歯ごたえで渾然一体天にも昇る心地ですぅ! これは追加でお土産に買わねばですぅ、特別セット追加で3つ下さいぃ!」
熟した梅の香気を味わう様に目を閉じて、唇に付いたクッキーの屑も気にせずもう一口。日を浴びたマンゴーの風味と、染み込んだシロップに柔らかく解された果肉の食感。
追加を頼まれた女性がショッパーを広げる横に、星野の声に惹かれてきた数人が雨を気にしながら列を作り始めた。
その列が落ち付いた頃、広場を散策していたフィリテが白い屋根の屋台を訪れた。
何の列だったのだろうと眺めると、土産に良さそうな箱を置いている。
いらっしゃいませ、と列を捌き終えた店員が声を掛けた。
「ん……お土産に幾つか貰おうかしら。そうね……これと、これを」
テーブルに1つずつ置かれていた箱と紙袋。
順に指して、それぞれ3つ、2つと伝えると店員は慌てて荷車を振り返った。
「少々お待ち下さい」
フィリテにそう言い置いてもう1人の店員、バイトのマギーこと、支店長を見る。
「詰め合わせは下の箱。先に包装を済ませましょう……大丈夫。マグノリアクッキーはいつでも美味しいクッキーと幸せを届けるのよ」
ロゴを飾る白い箱は手際よく包まれていく。
「あの、……ん」
簡単で構わないと言いかけて躊躇う。雨を避けながら丁寧に包まれる箱。
しっかりしたお店みたいと頬を綻ばせた。
ショッパーに揃えた化粧箱が収められ、荷車の木箱から追加の詰め合わせが一袋取り出された。
さあ、笑顔で。促された店員がにこやかに。
「お待たせ致しました」
フィリテへ商品を差し出した。
「ありがと! また、寄らせて貰うわ!」
受け取ったクッキーを見詰め、恋人と一緒に食べようと歩き出す。
クッキー、好きだったかな。そう呟いて。
カフカの購入したクッキーはカフカに持たせ、ユリアは楽しそうに広場を眺めている。
指に引っ掛けたショッパーを揺らしてその隣を歩きながらあどけない祖母の横顔を眺めた。
2人でこんな風に村の外を歩く事など、ハンターになる前は無かったことだ。
カフカの視線に気付いたのだろう見詰め返して、どうしたのかと尋ねてくる。
その瞳は街並みや広場の催しへの興味を抱いて輝いている。
「……ばーさんの……」
一族を背負い、家の、街の為に生きる彼女に、何が出来る。
尋ねようとした言葉が風に遮られた。
近くに植えられた木の葉から飛ばされる雨粒が、ユリアの髪に注ぐのを咄嗟に手を翳して庇う。
「大丈夫か、ばーさん」
ユリアは嬉しそうに微笑んでカフカを見上げた。彼はユリアの自慢の孫息子だ。
カフカがほっとしたように手を下ろす。
ふと視線を向けたベンチに見知った2人を見付け、軽い声を掛けて手を振った。
2人に気付いた高瀬とエリオが談笑を切り上げて向かってくる。
久しぶりと高瀬がユリアに笑顔で声を掛けた。温泉以来、と尋ね合ってはしゃいでいる。
友人達の楽しそうな声を聞きながらエリオはそっとその場を離れ、見付けた屋台へ向かった。
土産用にと高瀬に貰った物と同じ包みを2つ。それから。
3人の側に戻ると話し終えたらしい2人は高瀬と別れていく。
もう暫し広場を歩くそうだ。
そろそろ帰ろうかと、改めてエリオに礼を告げた高瀬を引き留めるように呼んで、クッキーを1つ差し出した。
「未悠は今のままでも充分魅力的だよ。 だから自信持って」
あなたへ。
そう綴る優しい筆致。
高瀬の手が伸ばされると、口角を上げ片目を瞑る。
恋する女の子は可愛いし、自信のある女性は頼もしい。
●
こんにちは、雪都さんもお祭りに来ていたんですね。
鉱石の掘り出し物が無いかと思って来ていたのですが、今日は残念ながら、でした。
雪都と会うまでに見てきた店の話し、それらしい屋台がこの天気で閉まるところだったと残念がって肩を竦める。
相槌を打ちながら祭を楽しんでいるらしい友人の話を聞く。
「雪都さんは、何か買いましたか?」
なつっこく見上げる緑の瞳。返事に詰まりながら化粧箱を、先生への土産だと言って示す。
「…………あと、これ」
押し付ける様に握らせたクッキーの包み。
きょとんと首を傾げたノワから、所在なく目を逸らす。
「いつも世話になってるから。だから、……喜んでほしいと思って」
特別な友人。強引に結論づけて。感謝の言葉だと言い聞かせる。
宝石みたいなクッキーですね。そう微笑んだノワを見ると、自然と肩の力が抜ける。
そうだなと頷いて屋台の方へと視線を向けるが、そろそろ店じまいの様子だった。
「やっぱり可愛くて美味しい限定モノは正義ですぅ。これからもジェオルジに来た時は買いに寄りますねぇ」
本降りの迫る気配に慌ただしく屋台が片付けられていく。畳まれたテーブルや屋根を荷車へ商品を片付けると店員は星野へ宣伝の礼を告げて辞儀を1つ。
祖母を気遣うように、濡れる前にとカフカは屋根の有る場所を探す。
ノワと並んで歩く帰途、雪都は見上げる空に、先生への差し入れは上がってからにしようと呟いた。
降り始めた雨が頬を濡らす。
星野 ハナ(ka5852)は重たく曇る空を仰ぎ、広場に視線を移した。
ふと、見覚えのある面差しを見た。
「あれぇ、マギーさんじゃないですぅ?」
天気を覗いながら畳まれ始める屋台の間、簡素な作りの白い屋根にはヴァリオスでは見慣れたクッキーショップのロゴ。
雨粒を躱すように近付いて声を掛けると、商品を屋根の内に収まるように並べ直していた女性がぱちくりと瞬いた。
懐かしいと目を細めた。マグノリア。自分の名字が上手く言えないほど幼い頃はそう名乗っていたと。
星野がバイトかと尋ねると、少し考えるような間を置いて笑顔で頷いた。
何方ですか。そう言ってもう1人の店員が箱を置きながら振り返る。
女性はここまで送ってくれた方だと紹介する。山野の植物に詳しくて、仕事には真面目な楽しい方。
「ああ、その節は支店長がお世話に……」
支店長と呼んだその店員に、しい、と言葉を遮って、今日はバイトと片目を瞑る。折角だからと店の前へ。
「いらっしゃいませ、春郷祭のマグノリアクッキーへようこそ」
溌剌と。並べた商品へ星野を誘う。
声が聞こえた方へ目を向ける。降り出す前に見付かれば良い。
高瀬 未悠(ka3199)が広場を歩きながら、まだ店を出している屋台を眺めながら歩く。
噂を聞いていたクッキーショップが、広場に屋台を出しているらしいが、まだ間に合うだろうか。
屋台の掲げる幟や看板を辿って見付けた白い屋根。
あった、と小さく呟いて湿気った砂を蹴って小走りに向かう。
屋台の前、傍らでは先客の星野が店員らしい女性と話し込んでいる。
手前に並べられたセットのクッキーは、三色の鮮やかなドライフルーツが艶々として、細かな凹凸で描く模様がこんがりと芳しく焼かれている。
「あぁどれも美味しそう……」
赤も、黄も、緑も。どれから食べるか迷うくらいに。
「それに見た目も可愛らしくて最高だわ!」
赤い双眸が蕩けて、魅入られた様にクッキーを見ていると、もう1人の店員が包みましょうかと声を掛ける。
これを10個、と伝えて会計を済ませ、ロゴの入ったショッパーに収められたそれを抱きかかえ。
少し休むくらいの時間なら、雨も待ってくれそうだ。
エリオ・アスコリ(ka5928)は仕事を終え、まだ残っている屋台を巡る。
季節の野菜、瓶に詰めたピクルスやジャム。ジェオルジらしい商品も並ぶが、他の地域から祭に合わせて持ち込まれた様々な物が売られている。
あのクッキーもそうだろうと白い屋根を見上げ、すぐ側の見知った顔に瞠って、その手が抱えた荷物に肩を竦めた。
高瀬もエリオに気付いたらしく、幸せそうな笑顔を向けた。
「やぁ、未悠。随分と大荷物だね」
そう言って手を差し伸べれば、高瀬は素直に荷物を半分預け歩き出した。
「ありがとう。……お仕事お疲れさま。クッキー買ってきたところなの、一緒に食べない?」
エリオを誘い、まだ乾いているベンチを探す。
擦れ違ったフィリテ・ノート(ka0810)に気付いた高瀬が笑顔で声を掛けた。
雨の中、巡るのも楽しそうだとフィリテも挨拶を返して歩いて行く。
クッキーかと呟く様に看板を見上げた雪都(ka6604)は湿気る髪を払ってマグノリアクッキーの屋台へ向かう。
まだ商品の残っているテーブルにほっとして、包装された箱入りの物を1つ購入し、ショッパーを受け取る。
「うん、これなら先生に喜んでもらえそうだ」
微かに辺りを包む甘い香り、箱の重みを感じ、思い浮かべる師の風貌。減量中では無い事を祈るようにゆっくりと瞬いた。屋台の前を離れようとして見付けた包み。薄い袋に入れられた三色のクッキーは、その鮮やかさに宝石のようだと思う瞬間に浮かぶ、ある友人の面差し。
「あ、すみません、こっちも1つ……」
頼んでしまってから悩むように首を傾がせた。
春郷祭に行きたい。
そう言っていた祖母の手を引くカフカ・ブラックウェル(ka0794)は、物心ついた時から変わらない祖母、ユリアの容姿に思いを巡らせる。
祖母がハンターになるとは。と、意外に思っていた頃を懐かしむ。
並ぶ屋台目を輝かせる祖母を見ると、村を出て自由に走り回る今が、祖母の第二の人生のスタートなのだろう。
何となく、しんみりと、自分よりも幼くさえ見える祖母に腕を引かれて、広場を歩きながら物思いに耽っていた。
「ねぇ、カフカちゃん! クッキー買って!」
足を止め1つの屋台を指した祖母に呼び止められる。
目を向けた先のテーブルにはクッキーの袋が並べられている。
屋台に向かって歩きながら、嬉しそうに笑む祖母を見る。
その表情に、分かったと頷きそうになって慌てて留まる。
「ってか、孫に買ってやるじゃなくて買ってほしいって言うの……?」
「あらやだ、幾らおばあちゃんだからって、どんな女性でもエスコートしなきゃ」
孫とのデートを満喫している祖母の言葉に、眇めた緑の瞳は微笑んだ。
「はいはい、分かったよ。どれが良いの?」
言いながら思い浮かべる家族。土産に良さそうなセットを10個。
店員が袋に詰めている間に見付けたハートのクッキー。桃色の砂糖で染めて、チョコレート色の文字が優しい筆致で愛を意味する言葉を綴る。
誕生日、今月だったなと呟いて手に取ったそれを店員に渡した。
袋は分けておきますね。そう言った店員から会計を終えて差し出されたのは土産を纏めた白い袋と、ハートを1枚だけ包んで収めた淡い色の袋。
多忙な人だけれど、プレゼントに添えて会いに行こう。
受け取ったショッパーを提げ、雪都は手許に取り出した特別セットを雨粒から庇う様に袋に戻す。
祭を楽しんでいる人々の声が聞こえると、その場に佇む気も退けて店の前を離れた。
少しずつ地面を染めていく雨を眺めて歩きながら、通りすがる屋台に花を見た。
以前、友人に贈ったスズランは研究の材料にされてしまった。
「……まさか、粉砕されるとは……」
蘇る記憶に思わず零れた言葉を切って溜息を一つ。
もう一度取り出すクッキーを見て、お菓子は好きだったはずだと言い聞かせるように頷いた。
今度こそ、ちゃんと言葉で。
幸せを願うミュゲの日の贈り物には、きっと言葉が足りなかっただろうから。
「……。……感謝の気持ち」
持て余し気味な感情に言葉を与えて呟いてみるが、しっくりこない。
葉に溜まった雨水がぱたりと地面を叩いた音に顔を上げると、屋台を眺めていた好奇心に輝く緑の瞳が雪都に気付いてにこりと笑った。
●
落ちてきたばかりの雨粒を払い、花を臨むベンチに荷物を置いて腰掛ける。
買ったばかりのクッキーを1袋取り出してリボンを解くと、エリオに差し出す。
「運んで貰ったお礼。先に選んでいいわよ」
隣に座り広げられた3色のクッキー眺めたエリオは、目を惹いた赤を避けて緑を摘まんだ。
さくりと軽い歯応えに甘い香り。
雫形のブローチを思わせる形は中央に、煮詰める蜜の染みたアンゼリカ。細かな模様を描くこんがりと焼けた生地に添って飾られた、甘酸っぱいルバーブのジャム。
味も、見た目も悪くない。
エリオは高瀬を見付けた屋台の方へと目を向ける。帰りに土産に買っていこう。
「はぁ……幸せだわ」
エリオがクッキーを選んですぐに、高瀬も1枚摘まんで齧る。
クッキーの甘さと香ばしさ、果物の甘酸っぱさが口一杯に広がった。
蕩ける笑顔でクッキーを味わい、誰かと一緒に食べると更に美味しいと嬉しそうな声で言う。
残った1枚を譲り、高瀬はエリオに向き直って居住まいを正した。
相談に乗って欲しいことがある。そう言った高瀬の赤い双眸がじっとエリオを見詰めた。
「急にこんな事を言い出してびっくりさせてしまうかもしれないけれど……私、好きな人がいるの」
「あの人でしょ?」
驚いた様子の無い声に、高瀬が瞠って身を強張らせる。
「ジンボーニアツイ副師団長サマでしょ?」
平坦な音で淡々と。言い当てられると高瀬の頬が見る間に赤く染まっていった。
その通りだと頷くまでに暫し。恥じらって顔を覆いながら項垂れる。
落ち付く頃を見計らって、相談は、と促すエリオの声にもう一度背筋を伸ばす。
「……頼りたいとか、甘えたい。そう、思ってもらうにはどんな女性になったらいいかしら?」
「一般的には、年上で落ち着きのある大人な女性。だと、思うけど」
さらりと応えてから、エリオは首を横に振った。
「でも、あの人の場合、一般的な価値観は適用されない気がする」
エリオの知る彼は、誰かを精神的な支えにする発想を持たない。その上で考えるのなら。
どんな人間が大人になっても、欲求の根底にあるらしい母親へのそれ。簡単な例えならば手料理だろうか。母親の記憶や憧憬を刺激すれば、あの人、目許の涼しげな副師団長様も。
「……少しは可愛い所、見せるんじゃないかな?」
頼ったり、甘えたり。エリオが首を傾がせると、高瀬は一言ずつ真摯に復唱しながら頷いた。
「とても参考になったわ、ありがとう」
まだ少し赤い頬を、雨に冷やされる微風に冷ます。エリオも、と静かに微笑んで。
「恋愛経験はゼロだけど女心なら教えられるから、必要な時は頼ってね」
相談のお礼。そう言って新しい包みを一つその手に乗せた。
友人を送ってきたところだと星野は話す。丁度同じ道を、同じ店に縁のあった少女を。
残念ながら仕事中の彼女と、件の店への土産に。
「支店まで行こうと思ってたんですけどぉ、ここで買えるなんてラッキーですぅ」
購入し、早速開封した包みの目移りする色。楽しそうな黄色を摘まみ、さくりと齧る。
「これはッ!? サクサクしたクッキーにもっちり梅とマンゴーが酸味と甘味と三種の歯ごたえで渾然一体天にも昇る心地ですぅ! これは追加でお土産に買わねばですぅ、特別セット追加で3つ下さいぃ!」
熟した梅の香気を味わう様に目を閉じて、唇に付いたクッキーの屑も気にせずもう一口。日を浴びたマンゴーの風味と、染み込んだシロップに柔らかく解された果肉の食感。
追加を頼まれた女性がショッパーを広げる横に、星野の声に惹かれてきた数人が雨を気にしながら列を作り始めた。
その列が落ち付いた頃、広場を散策していたフィリテが白い屋根の屋台を訪れた。
何の列だったのだろうと眺めると、土産に良さそうな箱を置いている。
いらっしゃいませ、と列を捌き終えた店員が声を掛けた。
「ん……お土産に幾つか貰おうかしら。そうね……これと、これを」
テーブルに1つずつ置かれていた箱と紙袋。
順に指して、それぞれ3つ、2つと伝えると店員は慌てて荷車を振り返った。
「少々お待ち下さい」
フィリテにそう言い置いてもう1人の店員、バイトのマギーこと、支店長を見る。
「詰め合わせは下の箱。先に包装を済ませましょう……大丈夫。マグノリアクッキーはいつでも美味しいクッキーと幸せを届けるのよ」
ロゴを飾る白い箱は手際よく包まれていく。
「あの、……ん」
簡単で構わないと言いかけて躊躇う。雨を避けながら丁寧に包まれる箱。
しっかりしたお店みたいと頬を綻ばせた。
ショッパーに揃えた化粧箱が収められ、荷車の木箱から追加の詰め合わせが一袋取り出された。
さあ、笑顔で。促された店員がにこやかに。
「お待たせ致しました」
フィリテへ商品を差し出した。
「ありがと! また、寄らせて貰うわ!」
受け取ったクッキーを見詰め、恋人と一緒に食べようと歩き出す。
クッキー、好きだったかな。そう呟いて。
カフカの購入したクッキーはカフカに持たせ、ユリアは楽しそうに広場を眺めている。
指に引っ掛けたショッパーを揺らしてその隣を歩きながらあどけない祖母の横顔を眺めた。
2人でこんな風に村の外を歩く事など、ハンターになる前は無かったことだ。
カフカの視線に気付いたのだろう見詰め返して、どうしたのかと尋ねてくる。
その瞳は街並みや広場の催しへの興味を抱いて輝いている。
「……ばーさんの……」
一族を背負い、家の、街の為に生きる彼女に、何が出来る。
尋ねようとした言葉が風に遮られた。
近くに植えられた木の葉から飛ばされる雨粒が、ユリアの髪に注ぐのを咄嗟に手を翳して庇う。
「大丈夫か、ばーさん」
ユリアは嬉しそうに微笑んでカフカを見上げた。彼はユリアの自慢の孫息子だ。
カフカがほっとしたように手を下ろす。
ふと視線を向けたベンチに見知った2人を見付け、軽い声を掛けて手を振った。
2人に気付いた高瀬とエリオが談笑を切り上げて向かってくる。
久しぶりと高瀬がユリアに笑顔で声を掛けた。温泉以来、と尋ね合ってはしゃいでいる。
友人達の楽しそうな声を聞きながらエリオはそっとその場を離れ、見付けた屋台へ向かった。
土産用にと高瀬に貰った物と同じ包みを2つ。それから。
3人の側に戻ると話し終えたらしい2人は高瀬と別れていく。
もう暫し広場を歩くそうだ。
そろそろ帰ろうかと、改めてエリオに礼を告げた高瀬を引き留めるように呼んで、クッキーを1つ差し出した。
「未悠は今のままでも充分魅力的だよ。 だから自信持って」
あなたへ。
そう綴る優しい筆致。
高瀬の手が伸ばされると、口角を上げ片目を瞑る。
恋する女の子は可愛いし、自信のある女性は頼もしい。
●
こんにちは、雪都さんもお祭りに来ていたんですね。
鉱石の掘り出し物が無いかと思って来ていたのですが、今日は残念ながら、でした。
雪都と会うまでに見てきた店の話し、それらしい屋台がこの天気で閉まるところだったと残念がって肩を竦める。
相槌を打ちながら祭を楽しんでいるらしい友人の話を聞く。
「雪都さんは、何か買いましたか?」
なつっこく見上げる緑の瞳。返事に詰まりながら化粧箱を、先生への土産だと言って示す。
「…………あと、これ」
押し付ける様に握らせたクッキーの包み。
きょとんと首を傾げたノワから、所在なく目を逸らす。
「いつも世話になってるから。だから、……喜んでほしいと思って」
特別な友人。強引に結論づけて。感謝の言葉だと言い聞かせる。
宝石みたいなクッキーですね。そう微笑んだノワを見ると、自然と肩の力が抜ける。
そうだなと頷いて屋台の方へと視線を向けるが、そろそろ店じまいの様子だった。
「やっぱり可愛くて美味しい限定モノは正義ですぅ。これからもジェオルジに来た時は買いに寄りますねぇ」
本降りの迫る気配に慌ただしく屋台が片付けられていく。畳まれたテーブルや屋根を荷車へ商品を片付けると店員は星野へ宣伝の礼を告げて辞儀を1つ。
祖母を気遣うように、濡れる前にとカフカは屋根の有る場所を探す。
ノワと並んで歩く帰途、雪都は見上げる空に、先生への差し入れは上がってからにしようと呟いた。
依頼結果
依頼成功度 | 成功 |
---|
面白かった! | 7人 |
---|
ポイントがありませんので、拍手できません
現在のあなたのポイント:-753 ※拍手1回につき1ポイントを消費します。
あなたの拍手がマスターの活力につながります。
このリプレイが面白かったと感じた人は拍手してみましょう!
MVP一覧
重体一覧
参加者一覧
マテリアルリンク参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/06/15 02:07:41 |
|
![]() |
手心くわえて雨雨降れ降れ♪ 星野 ハナ(ka5852) 人間(リアルブルー)|24才|女性|符術師(カードマスター) |
最終発言 2017/06/15 14:55:22 |