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　お気に入りのハンドバッグ、新しいトランク、パパのお古の旅行鞄。
　新しい家の鍵とママのクッキー、お店の書類とレシピの束、着替えとエプロン。
　直してもらったお祖母ちゃんのペンダント。
　大切な荷物を全部運んだら、今日から私はマグノリアクッキー、ジェオルジ支店の支店長。

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　支店長、支店長、何度も呼ばれて、肩を叩かれてやっとそれが私のことだと思い出す。
　店のキッチンにいた時は、お嬢さんって呼ばれていたのに。
　ヴァリオスにそこそこ大きな店を構えるマグノリアクッキーは私のパパのお店。
　新しくジェオルジに支店を出すことになって、私は支店長として開店に必要な道具や書類とともにジェオルジに辿り着いた。
　この時期のジェオルジは村長祭で忙しい。
　特にこの所同盟の彼方此方で変な事件が起こっているから尚更だろう。
　けれど折角、お祭りに合わせてお店を開けるのだから、開店のセールは華々しく。

「皆さん、今日も一日、頑張りましょう……美味しいクッキーと幸せをお客様に届けるために！」

　広場に屋台を運ぶ。白い屋根に店のロゴがよく目立つ。
　クロスを掛けたテーブルを置き、店の地図を描いたフライヤーを積んで、商品も幾つか並べる。
　メッセージ入りのハートの大判クッキーは目立つように。
　気軽に摘まめる大袋には、ノーマルとココアのチョコチップ、格子と渦巻きのアイスボックス、ジンジャーマンに、プレッツェル、それから、それから。
　贈答用に化粧箱も用意したけれど、これはお店まで買いに来て貰った方が良いだろうから少しだけ。
　最後に、春のお祭り特別３枚セット。ドライフルーツやジャムを宝石に見立てて、丸く絞った生地でブローチ風に。赤と黄色と緑の三色を可愛くラッピングして出来上がり。

「支店長！　雨が降ってきます」
「大変ね……濡れちゃうわ」
　ぽたりと落ちてきた雨粒に空を見上げる。
　屋台には屋根があるから、吹き込んでこなければ商品はすぐ心配する必要はないけれど、昇りは濡れてしまうだろうし、屋根が濡れたらその内雨漏りもしてくるだろう。
　天気のせいもあるだろう、それまでに売り切れになりそうな程の賑わいはなく、広場の他の屋台も今日は店をたたみ始めているようだ。
「どうしましょうか？」
「そうね、すぐに片付くようにして、もうちょっとだけ粘ってみましょうか。本降りになる前には帰りましょう」
　テーブルに並べる商品は２つずつ。
　お祭りのセットだけ少し多めに残して、その他は箱に片付けて荷車へ。
　さて、広場を見回して。まだ人通りはあるだろうか。

「いらっしゃいませ！　美味しいクッキーはいかがですか？」

　店のロゴを入れた傘を差して、広場に向かって声を響かせる。

目的　雨の日のお祭りを楽しむ

●広場
　閉店待機中の様々な屋台が並んでいる
　中央には水を止めた噴水とベンチ、所々が濡れているが、今はまだ座れないほどでは無い
　あちこちに花が飾られており、ベンチからも眺めることが出来る

●マグノリアクッキーの屋台
　他の屋台同様に閉店待機中で販売している商品は僅か
　若い店員と支店長が接客に当たっている
　降り出してきたら片付けて撤収する
●商品
　ハートのクッキー
　　ピンクにアイシングしてメッセージを書いた大きなハート形のクッキー
　　残り「ＬＯＶＥ」が１枚と、「ＦＯＲ　ＹＯＵ」が１枚
　　（２００Ｇ）
　詰め合わせ
　　様々な種類の一口サイズのクッキーが沢山入っている
　　白い紙袋に店のロゴが描かれている
　　中身は不可視だが、尋ねれば店員が答える
　　残り２袋
　　（１５００Ｇ）
　化粧箱
　　丁寧に包まれたプレーンクッキーが１０枚ほど詰められている
　　残り２箱
　　（１０００Ｇ）
　特別セット
　　宝石をイメージしたドライフルーツとジャムを使ったカラフルなクッキーの３色セット
　　（チェリーの赤、マンゴーの黄、アンゼリカの緑）
　　春郷祭限定と描いたリボンを付けた包装がされている
　　沢山残っている
　　（２５０Ｇ）

※
アイテム化は致しませんのでご注意下さい

●ＮＰＣ
店員、支店長
　接客を行う
　店長のみ、「路地裏工房コンフォートとペンダント」の参加ＰＣのことを覚えている

※
撤収作業を手伝うことも可能ですが、
成否には影響致しません、
※
参加者同士での贈り合い、或いはサポート参加者へのプレゼントすることも可能です。
サポート参加では購入は出来ません。受け取りのみとなりますのでご注意下さい。

よろしくお願いします。

大荷物の中身はクッキーショップの書類とエプロンでした。

雨の中を散歩したり、残ってる屋台を冷やかしたり。
のんびり過ごして頂ければ。