ゲスト
(ka0000)
捨てられた母子
マスター:江口梨奈

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 6~8人
- サポート
- 0~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2014/06/22 07:30
- 完成日
- 2014/06/29 08:28
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
どのくらい、気を失っていただろうか。
あの男に頭を殴られたせいで、くらくらする。顎もずきずきする、口の中が鉄臭い。
ここはどこだ……暗いのは、周りの木々が空を覆っているからか、もう真夜中だからか。
「……さーん、……おかー……さ……」
「!? カリン!」
血の気がひいた。泣きながらミサの体を揺すっているのは、彼女の6歳になる娘だ。どうして、この子まで……。
「おかーさん……生きてた……」
「カリン、あなたは大丈夫? 何があったの?」
大丈夫、じゃない。娘の顔に触れると、腫れているのが分かった。
「知らないおじさんが……倒れたおかーさんを、荷台にのせて……あたしものせられて、『しずかにしろ』って、叩かれて……あとはおぼえてない……」
「ごめんね、ごめんね、カリン……」
真っ暗なこの場所で、動かない母親の隣で、この子はどれほど不安だったろう。その傷を少しでも癒そうと、ミサは娘を力強く抱きしめた。
「ごめんね、カリン」
父親のせいで。
10年前に一緒になったミサの夫、ゼノは優しい男だった。が、当時行っていた商売が軌道に乗り金回りがよくなると、酒と女を覚え、酔ってはミサに手を上げるようになった。自分が女遊びをしているからか、妻の貞操も疑うようになり、カリンを身ごもった時に、それを自分の子だと信じなかった。
殴られ、疑われ、なぜいつまでもこの男と暮らせようか。
ミサは逃げた。夫のその後は知らない。
それからしばらくして、ゼノの商売の関係で顔見知りだったジャンとの仲が深まり、カリンもジャンを父親と信じ、平穏な生活が手に入った。
数日前のことだ、偶然、街中でゼノをみかけた。
最初、ゼノだと分からなかった。酒と美食に肥え太っていた面影は無く、見慣れた成金趣味の上着を着ていなければ気づかなかっただろう。
声をかける気にはならない。むしろ、ゼノに見つからないように、足早にそこを去った。
もしかしたら、あの時に向こうから気づかれたのかもしれない。
どうして、あのドアのノックに、不用意に扉を開けてしまったのか。
「おかーさん……おうちに帰りたいよう……」
「いまは暗くて動けないわ。朝になったら動きましょう。今日はおかあさんのお膝で寝なさい、ね」
荷台に乗せられて来たというなら、近くに大きな道があるはずだ。そこまで出られれば何とかなるかもしれない。凍死するような季節でなくてよかった、あとは野獣が出ないことを祈るほかない。
まずは夜明けを待とう、それしかない。
日が暮れて家に戻ったジャンは、荒らされた家と妻子の不在を知り、己の勘のままに酒場へ……数日前に金をせびりに来たかつての商売相手の姿を探した。何日も飲んだくれているという白髪の男は、今日も変わらず、いた。
「よぉ……」
10年前は羽振りが良く、常に隣に美女をはべらしていた男だが、商売に失敗し、あとはお決まりの転落譚らしい。顔見知りに片っ端から声をかけ、金を借りようとしており、数日前にもジャンのところを訪れていた。……ミサの話を、ついこの時にしてしまっていたことが悔やまれる。
「ゼノ、ちょっと聞きたいんだが……、ミサを見なかったか?」
努めて、平静を装った。しかしゼノはそれを知ってか知らずか、げらげら笑いだした。
「ああ、知ってるぞ。あのあばずれなら今頃、『死の森』で死体になってるだろうよ」
『死の森』とは、街から馬車で小一時間ほど離れた場所にある、今では誰も立ち入らなくなった山のことだ。かつては何件か家もあり人も住んでいたが、いつの頃からかマテリアルの均衡が崩れたのか、ヴォイドが頻繁に現れるようになり、誰も住まないどころか獣も減り、皆が怖れるようになった汚らわしい場所だ。
「ジャン、俺は知っているぞ。お前がずっとミサにちょっかいを出していたのをな! あんな女、ヴォイドに喰われてしまえばいいんだよ」
「くそったれ!!」
ジャンはゼノの胸ぐらを掴み、拳で思い切り殴りつけた。
「いいか、俺は神に誓って、道義にもとることはしていない!」
ミサのことをずっと想っていたのは事実だ、事実だがそれ以上のことは無い。それなのにこの男は、そんな些細なことで元の妻を疑えるのか。
この男には何を言っても無駄だ。死ぬまで殴りつけてやりたいが、今はそれどころではない。一刻も早く『自分の』妻と娘を助け出さなければ!
「おかーさん、おとーさんはだいじょうぶかなあ?」
「うーん、今頃、心配してるだろうね」
「おとーさん、かわいそう」
「大丈夫よ、ちゃんと、カリンが帰るのを待っててくれるからね」
朝になったら、一刻も早く動こう。
早く。
あの男に頭を殴られたせいで、くらくらする。顎もずきずきする、口の中が鉄臭い。
ここはどこだ……暗いのは、周りの木々が空を覆っているからか、もう真夜中だからか。
「……さーん、……おかー……さ……」
「!? カリン!」
血の気がひいた。泣きながらミサの体を揺すっているのは、彼女の6歳になる娘だ。どうして、この子まで……。
「おかーさん……生きてた……」
「カリン、あなたは大丈夫? 何があったの?」
大丈夫、じゃない。娘の顔に触れると、腫れているのが分かった。
「知らないおじさんが……倒れたおかーさんを、荷台にのせて……あたしものせられて、『しずかにしろ』って、叩かれて……あとはおぼえてない……」
「ごめんね、ごめんね、カリン……」
真っ暗なこの場所で、動かない母親の隣で、この子はどれほど不安だったろう。その傷を少しでも癒そうと、ミサは娘を力強く抱きしめた。
「ごめんね、カリン」
父親のせいで。
10年前に一緒になったミサの夫、ゼノは優しい男だった。が、当時行っていた商売が軌道に乗り金回りがよくなると、酒と女を覚え、酔ってはミサに手を上げるようになった。自分が女遊びをしているからか、妻の貞操も疑うようになり、カリンを身ごもった時に、それを自分の子だと信じなかった。
殴られ、疑われ、なぜいつまでもこの男と暮らせようか。
ミサは逃げた。夫のその後は知らない。
それからしばらくして、ゼノの商売の関係で顔見知りだったジャンとの仲が深まり、カリンもジャンを父親と信じ、平穏な生活が手に入った。
数日前のことだ、偶然、街中でゼノをみかけた。
最初、ゼノだと分からなかった。酒と美食に肥え太っていた面影は無く、見慣れた成金趣味の上着を着ていなければ気づかなかっただろう。
声をかける気にはならない。むしろ、ゼノに見つからないように、足早にそこを去った。
もしかしたら、あの時に向こうから気づかれたのかもしれない。
どうして、あのドアのノックに、不用意に扉を開けてしまったのか。
「おかーさん……おうちに帰りたいよう……」
「いまは暗くて動けないわ。朝になったら動きましょう。今日はおかあさんのお膝で寝なさい、ね」
荷台に乗せられて来たというなら、近くに大きな道があるはずだ。そこまで出られれば何とかなるかもしれない。凍死するような季節でなくてよかった、あとは野獣が出ないことを祈るほかない。
まずは夜明けを待とう、それしかない。
日が暮れて家に戻ったジャンは、荒らされた家と妻子の不在を知り、己の勘のままに酒場へ……数日前に金をせびりに来たかつての商売相手の姿を探した。何日も飲んだくれているという白髪の男は、今日も変わらず、いた。
「よぉ……」
10年前は羽振りが良く、常に隣に美女をはべらしていた男だが、商売に失敗し、あとはお決まりの転落譚らしい。顔見知りに片っ端から声をかけ、金を借りようとしており、数日前にもジャンのところを訪れていた。……ミサの話を、ついこの時にしてしまっていたことが悔やまれる。
「ゼノ、ちょっと聞きたいんだが……、ミサを見なかったか?」
努めて、平静を装った。しかしゼノはそれを知ってか知らずか、げらげら笑いだした。
「ああ、知ってるぞ。あのあばずれなら今頃、『死の森』で死体になってるだろうよ」
『死の森』とは、街から馬車で小一時間ほど離れた場所にある、今では誰も立ち入らなくなった山のことだ。かつては何件か家もあり人も住んでいたが、いつの頃からかマテリアルの均衡が崩れたのか、ヴォイドが頻繁に現れるようになり、誰も住まないどころか獣も減り、皆が怖れるようになった汚らわしい場所だ。
「ジャン、俺は知っているぞ。お前がずっとミサにちょっかいを出していたのをな! あんな女、ヴォイドに喰われてしまえばいいんだよ」
「くそったれ!!」
ジャンはゼノの胸ぐらを掴み、拳で思い切り殴りつけた。
「いいか、俺は神に誓って、道義にもとることはしていない!」
ミサのことをずっと想っていたのは事実だ、事実だがそれ以上のことは無い。それなのにこの男は、そんな些細なことで元の妻を疑えるのか。
この男には何を言っても無駄だ。死ぬまで殴りつけてやりたいが、今はそれどころではない。一刻も早く『自分の』妻と娘を助け出さなければ!
「おかーさん、おとーさんはだいじょうぶかなあ?」
「うーん、今頃、心配してるだろうね」
「おとーさん、かわいそう」
「大丈夫よ、ちゃんと、カリンが帰るのを待っててくれるからね」
朝になったら、一刻も早く動こう。
早く。
リプレイ本文
●酒場
仲間達が、酒場にいるというゼノから詳しい話を引き出すべく動いた……その間にサー・ルクニール(ka2017)は、この街の官憲となる場所を訪れていた。『死の森』についての情報を手に入れたかったのと同時に、2人の人間を窮地に陥れたゼノという男を野放しに出来なかったからだ。ルクニールの話を聞き、役人の1人が顔を紅潮させた。すでにゼノには、他の街から何件もの詐欺と傷害で手配書が回ってきてるらしい。今すぐ手首に縄をかけてやると色めき立つ役人を、何とかなだめるルクニール。
「もう少し待って頂けぬか。我輩の仲間達が、彼奴から大事な話を聞き出さねばならぬのだよ」
決して上等とは言えない薄暗い酒場には、これまた決して上等とは言えない連中がただ静かに飲んでいた。カーミン・S・フィールズ(ka1559)が扉を開けると、埃や垢の混じったような匂いが、むわっと流れた。ゼノは、すぐ見つかった。ここへ入り浸っていると言うより、行くところが無くていつまでも居座っているのだという。
「あんたがゼノさんね?」
声をかけると、濁った黄色い眼がじろりと動いたが、またグラスの方へ戻った。構わず、カーミンは隣へ腰掛ける。
「知ってる? ジャンがね、ミサさんとカリンさんを捜すのに躍起になってるのよ。私たち情報屋にも、声がかかったわ」
酔っぱらいは面倒くさそうに「ふん」とだけ言った。
「でもすごいなあ、殺人なんて。私にはできないなぁ。直接手を下さなくても、ね」
ゼノの動きが止まる。
「気が付いてる? 人の命を奪えば、それ相応の罰があるのよ。その罰があんたの怒りの対価。……ねえ、それって、本当に見合うものなの?」
この街のルールなら、人を殺せばどんな罰が待っているのだろう。縛り首か、斬首か、銃殺か……。けれどおそらくどこの国でも、無事に済まされるはずはない。
「あんたの持ってる、ミサさんとカリンさんの情報を買うわ。母子が無事なら、あんたの罪が軽くなるよう、口添えが出来る。それが情報料よ」
そこまで言った途端、ゼノの拳が飛んできた。不意のことで、カーミンはもろにそれを喰らい、椅子から転げ落ちた。
「小娘が生意気に俺を脅すつもりか! やれるもんならやってみろ」
「おい、止めろよ。酒がまずくなるだろう」
止めに入ったのは、別の席で飲んでいたナハト(ka0383)だった。カーミンに、出ていくよう目配せをする。
「店のママが機嫌を悪くするぜ。おごってやるから、高い酒でも頼んで飲み直せよ」
ナハトがそう言うと、女店主も聞こえよがしな咳払いをした。ゼノは舌打ちをし、元の席に座ると、ナハトも並んで座った。
「聞こえたぜ。ミサとかカリンとかって、女か?」
「ああ、どうしようもない尻軽女と、その子供さ」
新しいグラスが目の前に来たことに気をよくしたゼロは、尻軽女の罪状を蕩々と並べ立てた。誰にでも色目を使い媚びを売り、男をたらしこんで、しまいには誰の種か分からない子供をこさえやがった、と。
「ハッ、どこの女も同じだな」
と、ナハトは調子よく話を合わせた。しかしジャンが言うには、女に見境が無かったのはゼノの方で、それを正当化するために女房を男好きに仕立て上げたということだ。それが事実なら、ゼノという男の身勝手さに胸糞が悪くなるが、しかしそれを微塵も表に出さず、続ける。
「俺もさんざんな目に遭わされた女がいるんだよ。いっそゼノさんの言う、憎いあばずれの死体の横に、アイツも並べたいぐらいだ」
「並べりゃいいさ。あそこなら、まず人は立ち入らねェ、誰か来たとしても同類だ」
「あそこって?」
「『死の森』さ」
舌の周りがよくなったようで、ゼノは自慢げに教えてくれる。金持ちぶった赤煉瓦の屋敷があるから、そこの庭を突っ切れと。突き当たりの塀の向こうは崖になっていて、そこから落とせば簡単だと。
「いい話をありがとうよ。ママ、もう一杯注いでやってくれ」
薄笑いを浮かべて同じ話を繰り返す酔っぱらいを尻目に、ナハトは店を出て行った。
●死の森
「ジャンさん。ミサさんとカリンさんは、私たちが無事に連れて帰りますわ。ですから、ジャンさんはお二人を出迎える準備をしていて下さいましね」
エルウィング・ヴァリエ(ka0814)に穏やかな笑顔でそう言われ、ジャンは幾分ホッとした。妻と子の危機を知って、今まで為す術なくいたものに、ようやく光明が見えたのだ。
「逆恨みで死の森に放置とか酷いよね、DVだよ」
対照的に、感情を剥き出しにぷんぷん怒っているのは時音 ざくろ(ka1250)。
「ディーブイって?」
「家族が暴力に晒されることだよ。でも安心して、家族という宝を護るのも、冒険家の務めだから! ……それで、死の森って、どんなところなの?」
ジャン本人も、直接立ち入ったことはないとのことで、噂以上のことは知らないという。
「人がいた形跡は、少なからずあるはず……」
そう、石橋 パメラ(ka1296)は推測する。
「それを見るにも、夜ってのは厄介だな」
一刻も早く。それは依頼主にとっても自分たちハンターにとっても同じ気持ちだ。負傷した状態で、夜の闇の中に捨てられているということに、人は耐えられるだろうか? 来栖 龍馬(ka1890)は、自身が宇宙空間という過酷な環境にいたことがあるが、それは厳しい訓練を必要とした。何の訓練もなされていない女性と幼い子供のためには、時間が惜しい。
「灯りはありったけ、用意した」
と、神凪 宗(ka0499)はたいまつを抱え、ジャンの手配した馬車に乗り込んだ。
ルクニールが貰ってきた地図はありがたかった。ただ、これもまだ人が住んでいた頃のものだそうで、実際は家屋の大半は朽ちているし、脇道は草が生い茂って道を成していなかった。
生き物の気配はなく、どんより濁った沼の底のような空気が立ちこめている。夜だからという以上の闇がのしかかり、『死の森』と呼ばれる理由がよく分かる。
「隠す必要もない魔の森。ゼノ自身、迷ったりヴォイドに襲われたら困るはずですわ。きっとそう遠くはない場所で、案外あっけなく見つかるかもしれませんね」
パメラはハンディLEDライトで周囲を照らし、赤煉瓦の建物を探す。
「『金持ちぶった屋敷』、ですってね」
奇妙な言い方だと、エルウィングは笑うでもなく困惑するでもない、不思議な表情をした。
「自分も、少し前にはお金をまき散らす側だったってのに、ね」
ゼノに殴られた跡をさするカーミン。ミサもこんな風に殴られていたのだろうか。そう考えながら、捜索を続ける。
「これ、そうじゃない?」
ざくろが壊れた塀に気が付いた。門の前を見ると、ここで引き返している轍の跡があった。ゼノ以外の誰かのものかもしれないが、確かめる価値はある。
「まとまって動きましょうぞ。何かが居るやも知れぬ」
たいまつを左手に持ち、ルクニールが先を照らしながら進む。石畳が屋敷を囲むように並べられている。住人は小高い位置にある庭で景色を眺めながら茶でも飲んでいたのか、テーブルセットが置かれていたが、もちろん錆と泥まみれだった。
「庭を突っ切って落とす、か」
悪知恵が働くな、と宗は感心した。なるほど、整備された庭なら人を抱えても歩きやすい。その向こうが崖というなら、落とされた者は這い登るしか帰る手段がない、ということだ。
「おーーーい、ミサさーーん。カリンちゃーーーん!」
パメラがありったけの声を出してみる。風もない淀んだ森の中で、声は大きく響く。それに合わせて、皆もそれぞれに母子の名前を呼んだ。
「シッ!」
人差し指を口に当てる。またさっきまでの静寂が戻ってきた。いや、微かな、音がある。
「……よ、……こよ、……ここよーーー」
聞こえた! 間違いない、確かに、女性の声で返事があった。塀の縁に駆け寄り、灯りを下に照らして、居場所を捜す。ぶんぶんと手を振る人影を捉えた。宗は迷うことなく『ランアウト』の素早さで塀を乗り越え、人影の元へ飛び降りた。かなりの高さだった。
「俺はハンターの神凪だ。ミサとカリンで間違いはないか?」
女は頷き、子供は眠そうな目を擦り曖昧な返事をした。
「元旦那のゼノがあんたら親子を、この死の森へ運んだ事を知ったジャンから依頼があった。直ぐに他の仲間も来るから、急ぎ町へ戻ろう」
ミサの目つきが険しくなった。カリンはまだ、うつらうつらしている。
(よけいなことを言ったか……)
あわてて口を塞ぐ宗。その気まずさを消す丁度良いタイミングで、崖の上から布袋が投げ落とされた。
「おい、宗。その中のものを飲ませてやれ」
頭上の龍馬が身を乗り出す。中は、パンやジュースといった、カリンたちの空腹を紛らすものだった。
「ゆっくり食べながら、そこで待っていて下さいませーー。ここへ登れる道を捜しますわーー」
そう言いかけたときだ。ミサたちの頭上の木が揺れた。
「!!!」
道を捜している余裕はない、カーミンもまた飛び降り、駆け寄った。木の上から落ちる塊。悲鳴を上げる2人に覆い被さる。
「失せろ!」
龍馬のリボルバーが頭上に掲げられ、脅しの一発を放った。あの塊がただの獣であれば、これに怯んで逃げるだろう……が、塊は、音のした方を見、そこに煌々と灯りがともされているのを知るや、一直線に向かってきた。崖も塀もものともせず、重力などないかのように、軽々と駆け上る。
「我、空と霜の騎士ルクニール。ここは押し通らせて貰う!!」
「いいぜ、やりな!」
ロッドを構え待ちかまえるルクニールと、その後ろに立つナハト。ロッドから放たれた光に浮かび上がった塊の姿は、頭に角を生やした、人か猿のような形のヴォイドであった。
「うわあああん」
不気味な化け物を見て、カリンが泣き出した。エルウィングはカリンの視界からそれを消そうと、背中に現れた揚羽蝶の翅で覆い隠す。
「2人には傷ひとつ付けさせません。――我が精霊(とも)よ。力を貸して……!」
柔らかな、暖かな光に包まれたハンター。カリンは鼻水を垂らしながらもそれに魅入った。ハンター達は、すばしこく動き回るヴォイドに、確実に攻撃をぶつけていく。
ヴォイドは崖の角度など気にせず、あちこちに飛び回った。けれど、カーミンはそれを追いかけ、ショートソードで斬りつける。反撃されそうになるのをかわし、そうして徐々に、ざくろの方へ近付けていった。
「おまえの相手は、ざくろだっ!」
ざくろの手に、光の剣が現れた。
「大切な想いを護る為に、輝け光の剣!」
『機導剣』が輝き、ついにヴォイドの体が真っ二つになった。騒がしかった死の森は、また元のように、何の気配もない森に戻った。
「ありがとう、おねえちゃん」
「ざっ、ざくろ、男だもん!」
「これはひどいですね」
ルクニールは、改めてミサを見て眉をひそめた。瞼の上は腫れ上がり、口から血を垂らし、何より足が折れていた。気を失った状態で崖に落とされたのだ、無事であるはずはない。カリンは、子供の体の柔らかさ故か、母親ほどの怪我はない。『ヒール』で癒してやると、馬車を待たせてある所まで自力で歩けるまでに回復した。
「お父さんが心配しているわ。さあ、早く帰って安心して貰いましょう」
パメラがカリンに毛布を掛けてやる。がたごと揺れる馬車の中で、あっという間にカリンはすうすう寝息を立て始めた。
「ナハトさんも、こちらに座ればよろしいですのに」
「怖がるだろう、その子が」
ナハトも欠伸をひとつして、頬杖をついたまま目を閉じた。
●ジャン
ミサとカリンが無事に戻ってきて、ジャンは2人の前でみっともなくも、おいおい泣き出した。
「さあ、カリンちゃんをベッドで寝かせてあげてくださいな」
これから先は、子供には聞かせたくない話なのだ。
2人をこんな目に遭わせたゼノをどうするか。
引き渡す先があり、この街の法で裁く準備はある。
「殴りたい気持ちも解るが、同レベルまで堕ちて手を汚す必要はないだろ。あいつの行き着く先なんて目に見えてるしな」
それがおおむね、皆の一致した意見だ。
「それでいいの?」
カーミンが聞いた。
「大人たちは因果応報よ。でもカリンには関係ないじゃない? あんた達の勝手があの子を危険に晒したこと、わかってる?」
すると、それまで穏やかだったジャンの顔が一転し、カーミンの胸ぐらを掴んだ。
「俺たちが何をした!? 道義も倫理も踏みにじったのはあいつ一人だ!!」
「そうやってすぐ手を上げようとするのはゼノそのものね」
ジャンの体が強張り、ミサの方を振り返る。かつて元の夫から暴力を浴びせ続けられた女の目に、彼はどう映るだろうか? ……ジャンは弱弱しく、手をほどいた。
「大人の、正しい姿を見せてあげて。それが願いよ」
「あなた。この人の言う通りよ」
ミサが夫の無礼を侘びる。
「みなさん、私たちのことで、最後までご心配、ありがとうございます」
「ミサさんは、どうしたいのですか?」
一番被害を受けたのは、ミサだ。周りがどうこう言うより、まずミサ本人の意見をきかなければ。
「……ごめんなさい、……今は、関わりたくないんです……」
ゼノとの過去を整理すべきかもしれない。けれどその過程で、カリンが本当の父親が誰か知ってしまうかもしれない、それだけは避けたい。
せめて、カリンがもう少し大きくなってから。
「本当に、ありがとうございました」
ミサはもう一度、頭を下げた。
仲間達が、酒場にいるというゼノから詳しい話を引き出すべく動いた……その間にサー・ルクニール(ka2017)は、この街の官憲となる場所を訪れていた。『死の森』についての情報を手に入れたかったのと同時に、2人の人間を窮地に陥れたゼノという男を野放しに出来なかったからだ。ルクニールの話を聞き、役人の1人が顔を紅潮させた。すでにゼノには、他の街から何件もの詐欺と傷害で手配書が回ってきてるらしい。今すぐ手首に縄をかけてやると色めき立つ役人を、何とかなだめるルクニール。
「もう少し待って頂けぬか。我輩の仲間達が、彼奴から大事な話を聞き出さねばならぬのだよ」
決して上等とは言えない薄暗い酒場には、これまた決して上等とは言えない連中がただ静かに飲んでいた。カーミン・S・フィールズ(ka1559)が扉を開けると、埃や垢の混じったような匂いが、むわっと流れた。ゼノは、すぐ見つかった。ここへ入り浸っていると言うより、行くところが無くていつまでも居座っているのだという。
「あんたがゼノさんね?」
声をかけると、濁った黄色い眼がじろりと動いたが、またグラスの方へ戻った。構わず、カーミンは隣へ腰掛ける。
「知ってる? ジャンがね、ミサさんとカリンさんを捜すのに躍起になってるのよ。私たち情報屋にも、声がかかったわ」
酔っぱらいは面倒くさそうに「ふん」とだけ言った。
「でもすごいなあ、殺人なんて。私にはできないなぁ。直接手を下さなくても、ね」
ゼノの動きが止まる。
「気が付いてる? 人の命を奪えば、それ相応の罰があるのよ。その罰があんたの怒りの対価。……ねえ、それって、本当に見合うものなの?」
この街のルールなら、人を殺せばどんな罰が待っているのだろう。縛り首か、斬首か、銃殺か……。けれどおそらくどこの国でも、無事に済まされるはずはない。
「あんたの持ってる、ミサさんとカリンさんの情報を買うわ。母子が無事なら、あんたの罪が軽くなるよう、口添えが出来る。それが情報料よ」
そこまで言った途端、ゼノの拳が飛んできた。不意のことで、カーミンはもろにそれを喰らい、椅子から転げ落ちた。
「小娘が生意気に俺を脅すつもりか! やれるもんならやってみろ」
「おい、止めろよ。酒がまずくなるだろう」
止めに入ったのは、別の席で飲んでいたナハト(ka0383)だった。カーミンに、出ていくよう目配せをする。
「店のママが機嫌を悪くするぜ。おごってやるから、高い酒でも頼んで飲み直せよ」
ナハトがそう言うと、女店主も聞こえよがしな咳払いをした。ゼノは舌打ちをし、元の席に座ると、ナハトも並んで座った。
「聞こえたぜ。ミサとかカリンとかって、女か?」
「ああ、どうしようもない尻軽女と、その子供さ」
新しいグラスが目の前に来たことに気をよくしたゼロは、尻軽女の罪状を蕩々と並べ立てた。誰にでも色目を使い媚びを売り、男をたらしこんで、しまいには誰の種か分からない子供をこさえやがった、と。
「ハッ、どこの女も同じだな」
と、ナハトは調子よく話を合わせた。しかしジャンが言うには、女に見境が無かったのはゼノの方で、それを正当化するために女房を男好きに仕立て上げたということだ。それが事実なら、ゼノという男の身勝手さに胸糞が悪くなるが、しかしそれを微塵も表に出さず、続ける。
「俺もさんざんな目に遭わされた女がいるんだよ。いっそゼノさんの言う、憎いあばずれの死体の横に、アイツも並べたいぐらいだ」
「並べりゃいいさ。あそこなら、まず人は立ち入らねェ、誰か来たとしても同類だ」
「あそこって?」
「『死の森』さ」
舌の周りがよくなったようで、ゼノは自慢げに教えてくれる。金持ちぶった赤煉瓦の屋敷があるから、そこの庭を突っ切れと。突き当たりの塀の向こうは崖になっていて、そこから落とせば簡単だと。
「いい話をありがとうよ。ママ、もう一杯注いでやってくれ」
薄笑いを浮かべて同じ話を繰り返す酔っぱらいを尻目に、ナハトは店を出て行った。
●死の森
「ジャンさん。ミサさんとカリンさんは、私たちが無事に連れて帰りますわ。ですから、ジャンさんはお二人を出迎える準備をしていて下さいましね」
エルウィング・ヴァリエ(ka0814)に穏やかな笑顔でそう言われ、ジャンは幾分ホッとした。妻と子の危機を知って、今まで為す術なくいたものに、ようやく光明が見えたのだ。
「逆恨みで死の森に放置とか酷いよね、DVだよ」
対照的に、感情を剥き出しにぷんぷん怒っているのは時音 ざくろ(ka1250)。
「ディーブイって?」
「家族が暴力に晒されることだよ。でも安心して、家族という宝を護るのも、冒険家の務めだから! ……それで、死の森って、どんなところなの?」
ジャン本人も、直接立ち入ったことはないとのことで、噂以上のことは知らないという。
「人がいた形跡は、少なからずあるはず……」
そう、石橋 パメラ(ka1296)は推測する。
「それを見るにも、夜ってのは厄介だな」
一刻も早く。それは依頼主にとっても自分たちハンターにとっても同じ気持ちだ。負傷した状態で、夜の闇の中に捨てられているということに、人は耐えられるだろうか? 来栖 龍馬(ka1890)は、自身が宇宙空間という過酷な環境にいたことがあるが、それは厳しい訓練を必要とした。何の訓練もなされていない女性と幼い子供のためには、時間が惜しい。
「灯りはありったけ、用意した」
と、神凪 宗(ka0499)はたいまつを抱え、ジャンの手配した馬車に乗り込んだ。
ルクニールが貰ってきた地図はありがたかった。ただ、これもまだ人が住んでいた頃のものだそうで、実際は家屋の大半は朽ちているし、脇道は草が生い茂って道を成していなかった。
生き物の気配はなく、どんより濁った沼の底のような空気が立ちこめている。夜だからという以上の闇がのしかかり、『死の森』と呼ばれる理由がよく分かる。
「隠す必要もない魔の森。ゼノ自身、迷ったりヴォイドに襲われたら困るはずですわ。きっとそう遠くはない場所で、案外あっけなく見つかるかもしれませんね」
パメラはハンディLEDライトで周囲を照らし、赤煉瓦の建物を探す。
「『金持ちぶった屋敷』、ですってね」
奇妙な言い方だと、エルウィングは笑うでもなく困惑するでもない、不思議な表情をした。
「自分も、少し前にはお金をまき散らす側だったってのに、ね」
ゼノに殴られた跡をさするカーミン。ミサもこんな風に殴られていたのだろうか。そう考えながら、捜索を続ける。
「これ、そうじゃない?」
ざくろが壊れた塀に気が付いた。門の前を見ると、ここで引き返している轍の跡があった。ゼノ以外の誰かのものかもしれないが、確かめる価値はある。
「まとまって動きましょうぞ。何かが居るやも知れぬ」
たいまつを左手に持ち、ルクニールが先を照らしながら進む。石畳が屋敷を囲むように並べられている。住人は小高い位置にある庭で景色を眺めながら茶でも飲んでいたのか、テーブルセットが置かれていたが、もちろん錆と泥まみれだった。
「庭を突っ切って落とす、か」
悪知恵が働くな、と宗は感心した。なるほど、整備された庭なら人を抱えても歩きやすい。その向こうが崖というなら、落とされた者は這い登るしか帰る手段がない、ということだ。
「おーーーい、ミサさーーん。カリンちゃーーーん!」
パメラがありったけの声を出してみる。風もない淀んだ森の中で、声は大きく響く。それに合わせて、皆もそれぞれに母子の名前を呼んだ。
「シッ!」
人差し指を口に当てる。またさっきまでの静寂が戻ってきた。いや、微かな、音がある。
「……よ、……こよ、……ここよーーー」
聞こえた! 間違いない、確かに、女性の声で返事があった。塀の縁に駆け寄り、灯りを下に照らして、居場所を捜す。ぶんぶんと手を振る人影を捉えた。宗は迷うことなく『ランアウト』の素早さで塀を乗り越え、人影の元へ飛び降りた。かなりの高さだった。
「俺はハンターの神凪だ。ミサとカリンで間違いはないか?」
女は頷き、子供は眠そうな目を擦り曖昧な返事をした。
「元旦那のゼノがあんたら親子を、この死の森へ運んだ事を知ったジャンから依頼があった。直ぐに他の仲間も来るから、急ぎ町へ戻ろう」
ミサの目つきが険しくなった。カリンはまだ、うつらうつらしている。
(よけいなことを言ったか……)
あわてて口を塞ぐ宗。その気まずさを消す丁度良いタイミングで、崖の上から布袋が投げ落とされた。
「おい、宗。その中のものを飲ませてやれ」
頭上の龍馬が身を乗り出す。中は、パンやジュースといった、カリンたちの空腹を紛らすものだった。
「ゆっくり食べながら、そこで待っていて下さいませーー。ここへ登れる道を捜しますわーー」
そう言いかけたときだ。ミサたちの頭上の木が揺れた。
「!!!」
道を捜している余裕はない、カーミンもまた飛び降り、駆け寄った。木の上から落ちる塊。悲鳴を上げる2人に覆い被さる。
「失せろ!」
龍馬のリボルバーが頭上に掲げられ、脅しの一発を放った。あの塊がただの獣であれば、これに怯んで逃げるだろう……が、塊は、音のした方を見、そこに煌々と灯りがともされているのを知るや、一直線に向かってきた。崖も塀もものともせず、重力などないかのように、軽々と駆け上る。
「我、空と霜の騎士ルクニール。ここは押し通らせて貰う!!」
「いいぜ、やりな!」
ロッドを構え待ちかまえるルクニールと、その後ろに立つナハト。ロッドから放たれた光に浮かび上がった塊の姿は、頭に角を生やした、人か猿のような形のヴォイドであった。
「うわあああん」
不気味な化け物を見て、カリンが泣き出した。エルウィングはカリンの視界からそれを消そうと、背中に現れた揚羽蝶の翅で覆い隠す。
「2人には傷ひとつ付けさせません。――我が精霊(とも)よ。力を貸して……!」
柔らかな、暖かな光に包まれたハンター。カリンは鼻水を垂らしながらもそれに魅入った。ハンター達は、すばしこく動き回るヴォイドに、確実に攻撃をぶつけていく。
ヴォイドは崖の角度など気にせず、あちこちに飛び回った。けれど、カーミンはそれを追いかけ、ショートソードで斬りつける。反撃されそうになるのをかわし、そうして徐々に、ざくろの方へ近付けていった。
「おまえの相手は、ざくろだっ!」
ざくろの手に、光の剣が現れた。
「大切な想いを護る為に、輝け光の剣!」
『機導剣』が輝き、ついにヴォイドの体が真っ二つになった。騒がしかった死の森は、また元のように、何の気配もない森に戻った。
「ありがとう、おねえちゃん」
「ざっ、ざくろ、男だもん!」
「これはひどいですね」
ルクニールは、改めてミサを見て眉をひそめた。瞼の上は腫れ上がり、口から血を垂らし、何より足が折れていた。気を失った状態で崖に落とされたのだ、無事であるはずはない。カリンは、子供の体の柔らかさ故か、母親ほどの怪我はない。『ヒール』で癒してやると、馬車を待たせてある所まで自力で歩けるまでに回復した。
「お父さんが心配しているわ。さあ、早く帰って安心して貰いましょう」
パメラがカリンに毛布を掛けてやる。がたごと揺れる馬車の中で、あっという間にカリンはすうすう寝息を立て始めた。
「ナハトさんも、こちらに座ればよろしいですのに」
「怖がるだろう、その子が」
ナハトも欠伸をひとつして、頬杖をついたまま目を閉じた。
●ジャン
ミサとカリンが無事に戻ってきて、ジャンは2人の前でみっともなくも、おいおい泣き出した。
「さあ、カリンちゃんをベッドで寝かせてあげてくださいな」
これから先は、子供には聞かせたくない話なのだ。
2人をこんな目に遭わせたゼノをどうするか。
引き渡す先があり、この街の法で裁く準備はある。
「殴りたい気持ちも解るが、同レベルまで堕ちて手を汚す必要はないだろ。あいつの行き着く先なんて目に見えてるしな」
それがおおむね、皆の一致した意見だ。
「それでいいの?」
カーミンが聞いた。
「大人たちは因果応報よ。でもカリンには関係ないじゃない? あんた達の勝手があの子を危険に晒したこと、わかってる?」
すると、それまで穏やかだったジャンの顔が一転し、カーミンの胸ぐらを掴んだ。
「俺たちが何をした!? 道義も倫理も踏みにじったのはあいつ一人だ!!」
「そうやってすぐ手を上げようとするのはゼノそのものね」
ジャンの体が強張り、ミサの方を振り返る。かつて元の夫から暴力を浴びせ続けられた女の目に、彼はどう映るだろうか? ……ジャンは弱弱しく、手をほどいた。
「大人の、正しい姿を見せてあげて。それが願いよ」
「あなた。この人の言う通りよ」
ミサが夫の無礼を侘びる。
「みなさん、私たちのことで、最後までご心配、ありがとうございます」
「ミサさんは、どうしたいのですか?」
一番被害を受けたのは、ミサだ。周りがどうこう言うより、まずミサ本人の意見をきかなければ。
「……ごめんなさい、……今は、関わりたくないんです……」
ゼノとの過去を整理すべきかもしれない。けれどその過程で、カリンが本当の父親が誰か知ってしまうかもしれない、それだけは避けたい。
せめて、カリンがもう少し大きくなってから。
「本当に、ありがとうございました」
ミサはもう一度、頭を下げた。
依頼結果
依頼成功度 | 成功 |
---|
面白かった! | 5人 |
---|
ポイントがありませんので、拍手できません
現在のあなたのポイント:-753 ※拍手1回につき1ポイントを消費します。
あなたの拍手がマスターの活力につながります。
このリプレイが面白かったと感じた人は拍手してみましょう!
MVP一覧
重体一覧
参加者一覧
サポート一覧
マテリアルリンク参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2014/06/18 04:53:47 |
|
![]() |
相談卓 神凪 宗(ka0499) 人間(リアルブルー)|22才|男性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2014/06/22 03:00:05 |