• 転臨

【転臨】雷光は屍を乗り越えて

マスター:鹿野やいと

シナリオ形態
イベント
難易度
難しい
オプション
  • relation
参加費
500
参加制限
-
参加人数
1~25人
サポート
0~0人
報酬
多め
相談期間
5日
締切
2017/08/24 19:00
完成日
2017/09/10 19:35

このシナリオは5日間納期が延長されています。

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング

 王国の誇る突撃部隊、赤の隊。敵の陣を壊乱させ、後方の道を切り開くのにこれほど適した部隊は無い。イスルダ島奪還の作戦においてもその猛威は遺憾なく発揮された。海上からの砲撃に続き小船によって港の跡地に接舷した赤の隊は、上陸するや瞬く間に歪虚の群れを一帯より駆逐した。人数を優先して馬を載せきれない不利な状況からの突撃は、彼らの活動を知らない王国軍の兵士達を驚かせた。
 彼らの活躍により港の土地は切り開かれ、浄化の儀式を行う部隊は無事上陸を果たす。ダンテ・バルカザール(kz0153)が前線より戻って来たのは、主力部隊の上陸が佳境となった頃合いであった。
「留守番御苦労!」
 帰国後に新調したばかりの真紅の鎧を土埃で目一杯汚した姿でダンテは帰還した。彼は天幕に入るや否や机の上のボトルを掴みあげ、中身の水をラッパ飲みにした。人心地ついたダンテはそこでようやく天幕に客人が居る事に気づいた。
 上座の席を占有しているのは貴族らしい男が2人。1人はダンテに負けず劣らずの大男で黒い鎧・兜で身を固めている。傍らには同じ色の巨大な戦槌と盾を立てかけており、それを振り回すに相応しい筋肉で全身が覆われていた。もう1人は中肉中背。鎧は立派だが使い込んだ様子はない。戦士としては平凡に見えるがこの戦場の音が鳴りやまぬ中で平然としている辺り、十分な場数を踏んでいることは明らかだった。
「……おい、ジェフリー。どこのどなた様だ?」
「そんな大きい声で内緒話をしないでください。それから人に向かって指差さないで」
 いつも通り失礼極まる態度のダンテにげんなりしつつ、ジェフリー・ブラックバーン(kz0092)は座った2人の顔色を窺った。いつもの騎士団の会議のような空気にはならず、傍目にも気を悪くしてるのが分る。
「この方はシャトール侯爵のブランジュ・コルベール閣下、王国東方領では並ぶ者無しと言われる武人です」
「東方領で一番とは大げさが過ぎるな」
 シャトール侯は虎のような丸い髭面を大きく歪めて豪快に笑う。言葉では謙遜しているが、ジェフリーのおべっかに随分と機嫌を良くしていた。
「貴様がダンテか。此度の戦は肩を並べて戦う事となった。よろしく頼むぞ」
「おう、よろしく頼むわ」
 二人は意味もなく(あるいは肉食獣の威嚇程度の意味合いで)渾身の力でもって握手を始めた。話が進まないのでジェフリーは次の人物の紹介に移った。
「そしてこの方はサント・エデサ侯爵のロジェ・ガディン閣下。用兵家としても有名ですが商人としても有名な方です。閣下の領地の臣民は飢えを知らぬとも言われています」
「よろしく。お会いできて光栄だ」
 狐のような鋭い視線のままサント・エデサ侯はダンテに手を差し出す。ここで筋力を測り合うような愚かな真似をする人物ではなかったが、ダンテとシャトール侯のやり取りにはやや鼻白んだ気配があった。
 二人はマーロウ大公の派閥より送られた貴族の軍団長だ。あえてジェフリーは説明しなかった。だが彼らの口振りは王女の手足たる騎士団副団長に対してのものではない。ダンテも普段のジェフリーらしからぬ饒舌ぶりからその程度は察していた。
 ダンテはサント・エデサ侯の顔と体つきをまじまじと眺める。これは何か悪い事を考えている時の仕草だとジェフリーとダンテの近習達は気づいていた。
「な、何かね?」
「ん? 丁度良いと思ってな。お近づきの印にこれやるわ。ここはあぶねえしな」
 ダンテが強引にサント・エデサ侯に握らせたのは、鈍く光る青い石の嵌った簡素な耳飾りであった。素朴な物だが王国の産物ではない。訝しがりながら、侯爵はまじまじとその耳飾りを眺める。
「なんですか、これは……。一体どこのガーー」
「ーーオイマト族族長バタルトゥの実弟イェルズより頂いた耳飾りですね。現地では戦勝祈願の為に作られると聞きました」
「…………」
 ジェフリーの明快な説明に、耳飾りを握りしめた侯爵の動きが固まる。彼にとって名も知らぬ副官の話が事実ならば、政治的に価値ある物品だ。適当な美談をでっちあげるのには有効だろう。彼はそういう判断をしてしまう人物だった。
 ちなみにかの人物から貰い物であることは事実だが、由来は適当なでっちあげである。
「そういう謂れであれば頂いておこう」
 してやったり顔でにんまり笑うダンテの顔を見ながら、ジェフリーは嗜めるように視線を険しくする。舌を出すなら心の中だけにしてほしいものである。
「ふん、軟弱な。エクラ以外の祈りなど要らぬ。信じるはこの腕だけよ」
 シャトール侯はやり取りの内情までは見えなかったようで、見た目通りの直情的な言葉に終始した。
「おまえさんはそういうと思ったぜ。あんたの剛腕、期待してるぜ」
「良かろう。儂も貴様の武勲話がホラでないことを期待しているぞ」
 肉食獣同士の威嚇が終わっていない。ジェフリーは漏れ出そうな溜息を必死に耐えていた。



 一帯を制圧した王国軍は次なる脅威に備えていた。偵察部隊は散発的に歪虚と戦闘になっており、強力な歪虚も何体も確認しているが、それ以上に優先すべき敵が発見されたのだ。べリアル討伐の際にも表れた歪虚と化した王国騎士達の軍勢である。歪虚軍の主戦力は数からいえば低級の傲慢・憤怒等の歪虚であり、足並みが揃っているようには見えない。しかし指揮官として熟達した人物が率いればどうなるか。
 歪虚軍は林を挟んだ平地で集結中。指揮官は元騎士のベテラン揃い。ハンター含めて説明を終えた後、シャトール侯は好戦的な笑みを浮かべていた。
「騎士連中は見た顔ばかりではないか。初戦からついておる。腕が鳴るわい!」
 負けることを一切考えていない発言には揃った他の貴族の意見も分かれている。勇猛さに感じ入る者もいれば、サント・エデサ侯のように小馬鹿にしたような態度を取る者も多い。幸い騎士団赤の隊にはその手の無礼を働く者はおらず、説明を担ったジェフリーはひそかに胸を撫でおろした。
「それでは迎撃の布陣に関してですが……」
 ジェフリーは広げた地図の上に軍に見立てた駒を置いていく。どの隊にも戦功が期待できるように、騎士団と貴族の軍団を均等に。損な役回りは騎士団が引き受け、前衛は精強な兵を連れたシャトール侯やサント・エデサ侯を主力とする。指揮系統が最後まで維持されるかは不明だが、大公派の貴族の戦力はそれを差し引いても頼りになるだろう。
 敵の戦力は不明。しかしジェフリーは居並ぶ諸侯の顔を見回し、十分な勝機を感じていた。

リプレイ本文

 魔性の者達が行進する。禍々しい気配を放つ林を掻き分けながら、彼らは1方向だけを目指していた。整然とした列ではない。しかし彼らの色も形も違う全ての眼が、待ち構える王国軍とその後方の儀式を睨んでいる。軍となった歪虚は林から姿を現したところでぴたりと行進を止めた。そこは王国軍にとっての有効射程の一歩外だ。彼らの指揮官が戦に熟知した存在であることは容易に理解できた。
 ハンター達の本隊は王国軍の前衛よりやや後方の位置で息を潜めながら彼らの様子を窺っていた。人数の少ない彼らが効率的に戦う為には狙うべき的を絞る必要がある。しかし敵も然る者、指揮官の位置を隠す程度は当然する。指揮官を狙うと定めたメンバー達は開戦までの指揮官発見は諦めることとした。
「これは苦戦しそうだな」
 そう漏らしたのは榊 兵庫(ka0010)。敵の指揮官は見ればわかると聞いていたが、そもそも見える位置に居ないのでは話にならない。リュー・グランフェスト(ka2419)は彼らの陣形や命令伝達より指揮官の位置がわかるとみていたが、軍の全容が見えないうちは効果が無い。同じく指揮官を狙うヴァルナ=エリゴス(ka2651) 、セレスティア(ka2691)、テノール(ka5676)らと共に息を潜めて事態を見守る事とした。
 この時の敵はまだ全隊が林の外に出たわけではない。騎士らしい鎧を着こんだ歪虚も散見されるがそれは小隊長級まで。撃破すれば敵側の指揮に影響は出るだろうが、人の軍隊に比べればその影響は小さく収まるだろう。彼らに対するは赤の隊やシャトール侯率いる王国軍前衛の本隊。セルゲン(ka6612)、 グリムバルド・グリーンウッド(ka4409)、 ユウ(ka6891)、 カナタ・ハテナ(ka2130)らが指揮官護衛の役割として前線に出ているが、最も敵陣に近い彼らにしても敵の陣容が見えない状況は同様であった。
 張り詰めた対峙は長くは続かない。程なくして歪虚軍の先頭に立つ歪虚の騎士が両手剣を天高く掲げた。振り下ろされた刃を合図に、歪虚達が雄たけびを上げて一斉に王国軍へと襲い掛かる。
「迎え撃て!!」
「放て!!」
 各指揮官達の行動は同時。後方の弓兵達が接触前の敵の前衛に矢の雨を降らせる。これに対して敵側からも矢や光弾体液の類など種々雑多な遠距離攻撃が王国軍の前衛を襲った。双方怯まず、前衛達は正面から激突した。そこかしこから雄叫びに混じって肉を断ち骨を砕く音が聞こえてくる。
「後れを取るなぁぁぁぁぁ! 今こそ、王国軍の精強さを見せる時!」
 前線のどこにいても聞こえるような野太いがなり声はシャトール侯の物であった。彼の護衛として立ち回るセルゲンは戦闘中だというのに思わず耳を塞ぎそうになった。
「元気な貴族様だ。こりゃ殺しても死ぬ気がしねえな」
 戦う事に長じた大貴族というだけあって親衛隊と言える護衛の数もしっかり揃えてある。この戦闘で彼らの部隊が大損害を受ければ余計な火種になると考え馳せ参じた彼らだが、ハンター達が思うほどやわでもなさそうだった。ならば前線に意識を振り向けることができる。護衛についた者達が積極的に前に出た頃合いを見計らい、ユウも足並みを揃えて前衛にと進み出る。
「セルゲンさん、グリムバルドさん。準備は良いですか?」
「いつでもいいぜ!」
「存分にやってくれ」
「はいっ!」
 ユウは深呼吸から一点、血生臭い戦場からは縁遠い美しいソプラノを奏で始めた。何事かと訝しんだのは声の届く範囲の両軍双方。効果はすぐさま両軍に現れた。竜唱・破魔、そして竜唱・破邪。力を奪われた歪虚達を兵士達は渾身の力で押し返す。彼女の技はそう長く続けられる物ではないが、初戦を制するには有効だ。
「乱戦になると思ったがこいつは酷い。だが予想通りだったな」
 グリムバルドはユウの支援スキルで弱った敵に片っ端からデルタレイを打ち込んでいく。弱った者、それでもなお戦う者、撃ち漏らした者。狙う敵は数多居る。忙しく敵を探しては攻撃の手を緩めない。
 前線に配備されるだけあってどの敵もしぶとい。時間が長引くほどに騎士達は傷ついていく。前線に随伴するカナタは神経を張り詰めさせつつ兵士達の雄たけびを聞いていた。
「不安的中じゃ。シャトール侯の軍が押し切られそうじゃぞ。助けにいかんでも良いのかの?」
 前線で大暴れ中のダンテ・バルカザール(kz0153)は会話する余裕もない為、カナタはジェフリー・ブラックバーン(kz0092)に声を掛ける。カナタの回復スキルまで計算する手際の良い指揮ぶりのジェフリーだが、赤の隊による支援には難色を示した。
「まだもつだろう。列を崩すまでは不要だ」
「あまり早く助けては有り難がってくれんかの?」
「場合によっては気分を害するかもしれん」
 ジェフリーの表情に変化はない。幾つかのパターンは既に想定を終え、感情を介在せず動けるように備えているのだろう。要らぬ苦労の絶えない男だとカナタは呆れたが、彼が居なければハンター達も力関係を知る情報に欠いていた。感謝の気持ちぐらいは見せておくべきかもしれない。
「ジェフリーどん、カナタも暴れ回ってきてかまわんかの?」
「存分に頼む」
 カナタは屈託のない笑みを見せると戦場へと飛び込んでいった。前衛で猫波を使い戦線を押し上げる。成長の成果を見せるには丁度良い頃合いだ。
 戦線はやや押されてはいるものの膠着と言える状態にもつれ込んだ。これを機とみてハンター達の本隊は行動を開始した。この側面攻撃こそがハンター達の主力と言える作戦だ。
「行くぜ野郎ども!!」
 ボルディア・コンフラムス(ka0796)の声に続いて、ハンター達は正面衝突した敵軍の側面を狙って移動を開始する。文字通り先を争うような前進であった。突出を避けて足並みを意識する者が多数だが、機能あるいは精神性ゆえに突出する者はいた。普段とは別人のように活動的なゾファル・G・初火(ka4407)はその急先鋒であった。
「よーしみんな俺様に続けじゃーん」
「列を乱すな。囲まれるぞ」
 同じく先頭に立つヴァイス(ka0364)は彼女を嗜める。
「そーいうヴァイスちゃんも急ぎすぎじゃん」
「俺は一番前である必要があるんだよ」
 ゾファルにはほとんど言い訳にしか聞こえないがヴァイスの顔は至って真面目だ。答えるように闘狩人であるはずのヴァイスは七支槍を敵に突きつける。七支槍は物理的にはそれほど強力でもない。彼が持ち込んだのは別の理由だ。
「皆、ぶちかますぞ! ラントニング・ボルト!!」
 戦士であるはずのヴァイスからあり得ない単語が飛び出した。槍の穂先から放たれた稲妻は歪虚の軍団を縦に切り裂いた。これに驚いたのは指揮官達だ。歪虚は火も吐けば稲妻も吐き出すが騎士達は違う。古い観念が残っているため、彼のような重戦士は魔術は扱わないという先入観がある。この一撃は指揮を一瞬遅らせた。
「敵は怯みました。今がチャンスです!」
  Serge・Dior(ka3569)は後方の仲間にも伝わるように大声で前方を示しながらも、勢いを殺さず敵の部隊に突入した。歪虚達が勢いに押されて蹴散らされていく。取り巻きと言える程度の小物では足止めにすらならない。
 しかしこの後列に控える騎士達は別格だ。歪虚は指揮を受けているとは言え、進め・止まれ・戻れ・襲えと単純な行動を遵守している程度に過ぎない。それも脅威ではあるが騎士達の統率はまるで違った。彼らはより強い相手に集団で連携して戦う訓練を受けている。隣り合う仲間同士で連携することで、個人の強さを何倍にも跳ね上げている。更には元覚醒者のような強力な戦士であれば一騎当千とも言える働きをした。赤の隊のベテランやハンターの強豪達が苦戦を強いられている。
「思ったよりも横の連携が強固ですね。それなら」
 ニャンゴ・ニャンゴ(ka1590)はソウルトーチで強引に敵の目を集める。小物の歪虚はその意図に抗する事も無くニャンゴににじり寄ってきた。引きつけながら後退し、ハルバードで1体ずつ対応するが流石に限度があった。処理しきれなくなりそうな頃合いで、ディーナ・フェルミ(ka5843)のセイクリッドフラッシュが小物を一まとめに吹き飛ばした。
「迂闊なの。1人でその技を使っても押しつぶされるだけなの」
「そうですね。少し反省します」
 ニャンゴは仲間が助けてくれると信じていた。ディーナの言葉は小言になってしまったが、彼女自身も注意はすれど備えていなかったわけではない。この時、ディーナのみならずニャンゴ目掛けて集まった敵を屠るために何人ものハンターが集まってくる。小宮・千秋(ka6272)もその中にいた。
「さー、ぽいぽいしちゃいますよー」
 小宮は騎士達に組み付くや格闘士のスキルで一人ずつ足を止めていく。至近距離での戦闘では周囲も手を出しにくいが、戦い慣れた彼らの足止めには不足していた。下級の騎士はそれでもいいが、小隊長クラス以上となればそう簡単には止まらない。
 ニャンゴを追いつめる騎士に南護 炎(ka6651)が横合いから切りかかった。騎士は南護のグレートソードを受け流し、刀身の接触点を支点に大剣の刃を滑らせた。意図を察した南護は咄嗟に間合いを捨てて後退する。
「指揮官……じゃないが、強いな。お前はここで倒す」
 騎士は増えた敵を前に大剣を構えなおす。単純な腕力の強さもあるが技術においても相当な腕前だ。人体の急所、あるいは腕や足の戦闘に関わる部位を的確に狙うその技術は巨大なだけの歪虚には無い技術だ。技量に優れているのは彼だけではない。差はあれど騎士達は何かしらの技術を高いレベルで習得している。
 ニャンゴと南護、ディーナは背中合わせに互いを守る陣形を取ると、再び敵陣の中へと突っ込んでいった。



 この時は敵の航空戦力は未だ出現しておらず、対空部隊として配された者達はその長い射程をそのまま敵の前衛に向けていた。屋根の屋上や馬上から歩兵の頭上を飛び越えるように射撃を繰り返し、火力を集中させ的確に敵を崩す。敵の数が多い為一進一退を繰り返しつつあるが、着実に敵の勢いを殺していた。
 彼ら対空対応班の目下の懸念は自分達と同様の動きをする者、敵の狙撃屋と魔術師だ。事態を危惧するコーネリア・ミラ・スペンサー(ka4561)や ユノ(ka0806)は射撃を続けながらも戦場の気配を探っていた。
「この状況においても姿を現さないか」
 コーネリアはじわじわと顔を出そうとする苛立ちを静めながら攻撃を続ける。戦況を優位に進めつつあるが、敵の動きが静かすぎるのだ。
「ジャンク、まだ敵の飛行部隊は現れないのか?」
「さっぱりだぜ。戦線は膠着したままだしな」
 ジャンク(ka4072)は屋根の上から見たままを告げる。敵は歪虚化した元騎士なら飛行部隊を擁するはずであるが、気配すら見えない。同じく屋根の上から敵を探す南條 真水(ka2377)にしてもやはり敵の変化の兆候を見つけることはできなかった。
「このまま何事も無ければ良いのですけど」
 南條はオイリアンテで前線の敵を砲撃しながらも、敵の機動に目を配る。俯瞰位置を取った為に目立つ南條は敵の反撃を警戒したが、前線に近い歪虚の集団が光弾を放ってくる程度。数があっては脅威だが、彼女は狙いから外れる上に防御策も備えている。戦闘不能に至るほどの脅威ではなかった。
 状況は拍子抜けではあるが砲台としてはこの状況は都合がいい。一方的に攻撃できるならそれに越した事は無い。そう上手く行かないことも頭では理解していたが、変化の予兆をとらえきることは出来なかった。
(あれ、今何か光って……?)
 林のほうで金属が光を反射したような気配。南條の意識はそこで途切れる。林の中から放たれた矢が南條の右肩を抉っていた。南條は開けた場所に姿を現す危険を犯す代わりに防御策を講じてはいたが、それも敵を認知出来ればこそ有効なものだ。意識の隙間を狙うような不意打ちでは対処のしようがなかった。
 失血と衝撃、意識を失った南條は屋根の上から転げ落ちる。狙撃の威力に驚いた王国軍の後方部隊が一斉に防御を固め始め、前線を支援する射撃は一時滞った
「くそったれ、先手を取られた!」
 ジャンクは身を伏せて敵の位置を探る。第1射を視認したにも関わらず、林に遮られて正確な位置は見えない。敵の狙撃屋である猟撃士は狡猾で慎重だ。
「あ、やべえなこりゃ」
 ジャンクは林の木々が不自然にざわめくのを見た。観察に徹した彼だからこそ、ぎりぎりで敵の次の行動の予兆を捉えることができた。敵の後方の林を割って歪虚の飛行部隊が次々に空へ飛翔する。萎縮した弓兵ではこれは止められない。
「ジャック、敵の猟撃士を止めてくれ! 何なら牽制だけでも構わん!」
「どっちに言ってんだ!?」
「貴族様のほうに言ったがこの際どっちでもいい!」
 どっちでもと言われた ジャック・J・グリーヴ(ka1305)は舌打ちしながらも敵の猟撃士が居たと思しき近辺にオイリアンテを向ける。放たれた銃弾は途中で木々を抉りはしたが、敵を倒したような手ごたえはない。予測の正しさを裏付けるように第2射が位置を変えて放たれた。サント・エデサ侯の親衛隊である兵士が直撃を受けて落馬し、弓兵達は主を守る為に更に守りを固くしている。ヴィリー・シュトラウス(ka6706)は急ぎ林から侯爵の直線距離を塞いだ。
「ご安心を! 侯爵は私が壁となって守ります!」
 兵士達の動揺は収まらないが、意図を察した侯爵の動きは速かった。すぐさま敵飛行部隊への攻撃を命令し、後方に警戒を呼び掛けるための伝令を出す。ヴィリーと同じくサント・エデサ侯を守っていたジャック・エルギン(ka1522)はヴィリーの元に馬を寄せた。
「あの一撃は重いぞ。耐えられるか?」
「ダメならジャックさんにお任せします」
「責任重大だな」
 軽い調子で請け負って弓に矢を番えるジャック・エルギンだったが、これ以降の指揮官への攻撃は無いものと判断していた。敵は狙撃による脅迫で目的を達成している。隙を見せた時に狙える位置を確保しておけば、それだけで弓兵の動きを押さえることが出来る。実際には狙撃だけでは完全な停止には至らない以上、狙いは砲台となりうる火力の制圧に振り分けるのがベターだろう。ハンター達も同様の優先順位で攻撃している。
 次点で狙われたのはコーネリア。彼女は急ぎ家屋の影に姿を隠したが、視界が狭まり攻撃の手も緩む。状況は更に悪化する気配を見せていた。
「ユノ! コーネリアが狙われてる。助けにいけないか!?」
「無理言わないでよ。ここからじゃ届きもしないわ。反撃できるのはーー」
 ユノは近くの建物に身を隠す。ユノの近くにいた兵士が敵の猟撃士の矢で頭蓋を貫かれて絶命した。目立つ者、迂闊な者、そして運の悪い者から標的となる。
 狙撃の恐怖が王国軍の後列に行き渡った頃合いで、歪虚は次の行動に出た。敵の後列より放たれた火球により、味方の前衛が吹き飛んだ。
「魔術師か! そりゃあ居るよな!」
 ジャック・J・グリーブは前列に近い位置に立つ魔術師目掛けてすかさず銃撃をくわえる。オイリアンテならば魔術士の防具ごと吹き飛ばすこともできる。しかし猟撃士の狙撃手がそうであったように、魔術師もまた必要な備えをした上で前線に立っていた。魔術師が攻撃を放つのと同期して仲間の騎士達は魔術師に壁を作る。先頭の一人にジャックの放った銃弾が命中したが、銃弾によってできた傷は見る見るうちに塞がっていく。重装甲というだけではない。彼らの中に聖導士が含まれている。
「厄介なことになってきたな」
 ジャックは状況の悪化に歯止めが掛からない現状に歯噛みした。ハンター達の後衛は各個で戦いながらも火力の集中を達成してはいたが、敵からの反撃に対しては弱かった。ジャックは鎧の重装甲からある程度支援無しでも戦えるが、火力に注力した装備の者達はそうも行かない。これでは被害が増える一方だ。
「クリスティア、こっちからじゃ上手く叩けねえ。前線を押し返せるか?」
「わかりました。やってみます」
 トランシーバー越しに聞こえるクリスティア・オルトワール(ka0131)の声は周囲の雄叫びが雑音になり聞き取りにくい。伝わったかどうかも怪しい状態ではあったが、前線でクリスティアの放つ攻撃が別の指向性を持ち始めたことで杞憂と証明された。
 クリスティアは善戦していたと言える。しかし彼女は前衛の戦士達に近すぎた為に周囲の状況を把握するのが精々だ。目の前の状況には対応できるが大きな戦況には寄与しにくい。その点で後方からの情報による連携は有り難かった。
「ジャックさんの言っていたのはあの人達ですね」
 クリスティアは前線に集中してグラビティフォールを放つ。敵の陣形を抉るように放つことで敵の横の連携を断つ。
彼女の射程であってもギリギリ敵の魔術師には届かなかったが、狙っているという意志表示には意味があった。魔術師達がこちらの攻撃に合わせて後退する。致命的な一撃ではなくても、彼女の魔術による攻撃は成果を上げつつあった。
 ジャック達後方支援の部隊はこれによって時間を稼いだ。未だに狙撃屋の脅威は収まらないが、対処すべき敵の数は一時的に減っている。
「どうする? ジリ貧とは言わねえが、被害がバカにならねえぞ。不経済だ」
「構わん。こちらの編成では火力で押し切る方が早い。少々の損害には目を瞑れ」
 コーネリアの断定をそのまま飲む訳ではないが、現状分散している状況ではそれしかない。コーネリアは馬首を返して家屋の陰より躍り出ると、飛行部隊へと攻撃を開始した。脅迫に屈しては状況は悪化する。この行動は状況と戦力から考えれば正しい行動だが、結果として後列の被害を抑えることは出来なかった。



 敵の後方支援を押さえきれなかったことで、一転して突撃した部隊も早急な戦果を要求された。前衛が深く攻め込まない限りは厄介な支援火力は止まらない。あるいは敵を林の中に押し返すかだ。人数の少ないハンター達には面の圧力をかける術は少なく、当初の予定通り指揮官を狙っていくしか方法はなかった。
 指揮官はリューの読み通り、敵の指示が広がる中央に居た。アナログな部隊運用の彼らは技術革新と無縁のままの行動を遵守している。この一団を発見したのは敵陣に切り込む前衛のボルディア達だった。ボルディアは雄叫びを上げながら斧で騎士達を強引に叩き潰していく。騎士達は怯まず盾を前にボルディアを逆に押しつぶそうと迫る。力と力の強引な戦いだが、連携を取る騎士達相手には分が悪い
「長くは持たねえ。さっさと行け! ヴァイス!!」
 騎士の頭蓋を兜ごと砕きながらボルディアが吼える。意を受けたヴァイスが彼女のすぐ傍にライトニングボルトを放つと、歪虚達が倒れ伏して即席の道が出来た。出来た僅かな隙間が埋まらぬうちに、指揮官対応の5人は馬を走らせた。
「覚悟してもらうぞ!」
 エクウスを駆って前に出るテノール。リューとセレスティアも1拍遅れてテノールに続く。指揮官の周囲を護衛らしき騎士達が囲んでいるが、指揮官に手が届きさえすれば仲間が支えてくれるだろう。
「蹴散らす」
 テノールは手を胸の前で組み合わせ、青竜翔咬波の発射体勢に入る。騎士団も彼の進軍を既に気づいている。対応は意外な方向から飛んできた。
「テノール、かわせ!!」
 後方に居て視界の広かった榊が声を張り上げる。視界の上部より鋭利な刃物のような殺気。テノールは認識から攻撃をかわそうと試みるが、馬上での急制動は難しい。木々の枝の上に立っていた軽装の騎士が体当たりをするかのような軌道でテノールを襲う。斬撃は受けきった者の、その体当たりはかわせない。馬上より転げ落ちるテノール。テノールはすぐさま体勢を立て直し、膝立ちの状態から準備終えていた青竜翔咬波をそのまま解き放った。放たれた青白いマテリアルは渦となって軽装の騎士を襲うが、軽装の騎士は残像を残して体を翻す。
「……素早い。疾影士ですか」
 アクセルオーバーと類似したスキルを使ったのだろう。この動きは仲間内で何度も見てきている。この敵に単体で戦うのは不利だ。スキル特性上一方的に刈り取られる可能性もある。騎士はそれでもテノールが足止めを選択した事を確認し、再び刃を振り上げ襲い掛かった。
「そうはさせませんよ」
 走り寄る騎士の横腹を狙ってヴァルナが渾身の一撃で槍を突き入れる。横合いからの攻撃は想定外だったらしく、騎士は転がりながらこの攻撃を回避。危なげない動きだったが膝をついてしまう。騎士が剣を握って立ち上がったところを、今度は榊が十文字槍で頭上より仕掛けた。騎士は剣で真っ向から榊の槍を受け止めた。
「かわせない速度のはずだったんだがな」
 ヴァルナの槍を警戒して騎士は後方へと間合いを取る。その合間にテノールは距離を取って、再び錬気の構えを取っていた。
「助かった」
「何の。お主なら1人でなんとかしたであろう?」
「なんとかなるにしても、あいつの連撃をそのまま受けたくはありませんね」
 3人は横並びとなって歪虚達と対峙する。一方の歪虚も取り巻きらしい部下達を左右に並べている。テノールは再び拳に気を集めた。1:1ならまだ使っていない手がある。速攻で終わらせる目はまだ残っていた。
「援護を頼みます」
「了解です」
「任されよ!」
 疾影士には飽和攻撃が有効。3人共その手の手段を一つは持っている。あとはタイミングだ。同時に攻めなければ逃げられてしまい、禍根を残すことになる。3人は慎重に足並みを揃えながらも、騎士の1団に向かって踏み込んでいった。
 リューとセレスティアはテノール達の奮戦もあって妨害を避けて指揮官へと向かった。リューぐらいの実力であれば土地の放つ瘴気の影響を受けても騎士には後れを取らない。そのリューであっても、指揮官との対峙は冷たい気配を感じた。
「こいつ……強いな」
 変形した鎧からは筋肉と思しき塊がはち切れんばかりに溢れ、禍々しい瘴気を放つ剣はリューの身の丈を越えている。
「けど、泣き言は言ってられねえよな!! 援護頼むぜ!」
「わかったよ」
 背中越しにセレスティアの位置を確認し、リューは馬を走らせた。間には既に敵は居ない。一直線に駆け寄って東方製の剛刀を振り上げた。ソウルエッジにより魔力を集中、紋章剣の技術でもってマテリアルを収束。
「食らいやがれ!!」
 リューは渾身の力で竜貫を放った。指揮官は迫りくる衝撃波を大剣で受ける。弾かれた余波が空間を伝わってくる。ダメージは与えたが敵の指揮官は怯まない。これに返礼とばかりに指揮官が薙ぎ払うように大剣を振ると、深い黒のオーラが衝撃波となってリューを襲った。咄嗟に剛刀を盾にして受け止めるが、それでもなお威力を殺し切れない。
「リュー、今助けるから!」
 セレスティアの紋章剣「鳳凰」で形成された光の翼がリューを包む。その防御があっても全てのダメージを消し去ることは出来なかった。攻撃を受け止め切った後のリューはその場で刀を取り落としそうになる。直後のセレスティアのフルリカバリーによる回復でなんとか持ち直したが、何度も食らって良い技ではない。
「大丈夫?」
「ああ、なんとかな」
 噛みこみすぎて口から流れた血を拭う。敵は強大で2人だけでは手が届かない。けれども後に続く仲間が居れば可能性はある。こうして指揮官を戦闘に注力させることにも意味はある。リューは刀を握りなおし、再び敵指揮官と対峙した。



 素早い対処もあって対空攻撃は再開された。しかし十分な火力や機動力を維持したとは言えず、1個小隊規模らしき歪虚の群れを取り逃がす結果となった。空を飛ぶ歪虚の突破は許したが、防衛線で地上の敵はおおよそを受け止めることが出来た。個体全てを封じ込めたわけではないが、集団として活動できるほどの数や質ではない。後方の戦域で控える防衛部隊で十分に抑えられる数だ。
 飛行ユニットが全て戦場より撤退あるいは突破したことで戦場は再び地上へと集約された。指揮官を狙って突入した部隊も決着間際となっていた。
「そろそろ終わりにしようぜ」
 リューは指揮官を前に刀を構えなおす。傍らには駆けつけたテノール、榊、ヴァルナの姿があった。誰もが傷つき疲弊していたが戦力を合わせれば目の前の強敵を討ち取る事も可能だ。
 先頭に立ち続けたリューに視線を合わせた指揮官は深呼吸し、行動でもって彼らに答えた。
「撤収する!」「撤収!」「撤収!」
「んなぁっ!?」
 指揮官の言葉を周りの騎士達が周囲へと伝播させていく。今までの戦闘が何事もなかったかのように、彼らは整然と林の中へと素早く引き上げていく。同時に前線より退却してきた敵の一部が指揮官とリュー達の間に立ちふさがった。殿を撃破するのは容易い事だったが、その僅かな時間に指揮官は馬を駆って戦場を離脱していた。
「あっさりしたものだな」
 榊は呆れたような感心したような、どちらとも言えない声音で敵を見送った。追撃しようにも瘴気の濃い林の中では逆襲される可能性が高い。疲弊した王国軍にはその余力すら無い部隊も多い。ハンター達は殿に残った歪虚を片付けると、それ以上の追撃はしなかった。



 勝利というには紙一重、両者疲弊しての幕引きである。それでも王国軍は攻め込む側。初戦の戦果としては悪くない結果となった。現状認識の差か、はたまたそれすらも政治と捉えている為か。大公派貴族の戦意はここに至ってなお旺盛であり、一部のハンター達の杞憂であった彼らの損害は許容範囲に収まったと見做されたようであった。

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MVP一覧

  • 巡るスズラン
    リュー・グランフェストka2419
  • 明敏の矛
    ジャンクka4072

重体一覧

  • Monotone Jem
    ニャンゴ・ニャンゴka1590
  • ヒースの黒猫
    南條 真水ka2377
  • 非情なる狙撃手
    コーネリア・ミラ・スペンサーka4561

参加者一覧

  • 亜竜殺し
    榊 兵庫(ka0010
    人間(蒼)|26才|男性|闘狩人
  • 古塔の守り手
    クリスティア・オルトワール(ka0131
    人間(紅)|22才|女性|魔術師

  • ヴァイス・エリダヌス(ka0364
    人間(紅)|31才|男性|闘狩人
  • ボルディアせんせー
    ボルディア・コンフラムス(ka0796
    人間(紅)|23才|女性|霊闘士
  • 無邪気にして聡明?
    ユノ(ka0806
    エルフ|10才|男性|魔術師
  • ノブレス・オブリージュ
    ジャック・J・グリーヴ(ka1305
    人間(紅)|24才|男性|闘狩人
  • 未来を示す羅針儀
    ジャック・エルギン(ka1522
    人間(紅)|20才|男性|闘狩人
  • Monotone Jem
    ニャンゴ・ニャンゴ(ka1590
    人間(紅)|20才|女性|闘狩人
  • 猫の守り神
    カナタ・ハテナ(ka2130
    人間(蒼)|12才|女性|聖導士
  • ヒースの黒猫
    南條 真水(ka2377
    人間(蒼)|22才|女性|機導師
  • 巡るスズラン
    リュー・グランフェスト(ka2419
    人間(紅)|18才|男性|闘狩人
  • 誓槍の騎士
    ヴァルナ=エリゴス(ka2651
    人間(紅)|18才|女性|闘狩人
  • 淡光の戦乙女
    セレスティア(ka2691
    人間(紅)|19才|女性|聖導士
  • 盾の騎士
    Serge・Dior(ka3569
    人間(紅)|26才|男性|闘狩人
  • 明敏の矛
    ジャンク(ka4072
    人間(紅)|53才|男性|猟撃士
  • ゾファル怠極拳
    ゾファル・G・初火(ka4407
    人間(蒼)|16才|女性|闘狩人
  • 友と、龍と、翔る
    グリムバルド・グリーンウッド(ka4409
    人間(蒼)|24才|男性|機導師
  • 非情なる狙撃手
    コーネリア・ミラ・スペンサー(ka4561
    人間(蒼)|25才|女性|猟撃士
  • ―絶対零度―
    テノール(ka5676
    人間(紅)|26才|男性|格闘士
  • 灯光に託す鎮魂歌
    ディーナ・フェルミ(ka5843
    人間(紅)|18才|女性|聖導士
  • 一肌脱ぐわんこ
    小宮・千秋(ka6272
    ドワーフ|6才|男性|格闘士
  • 半折れ角
    セルゲン(ka6612
    鬼|24才|男性|霊闘士
  • 覚悟の漢
    南護 炎(ka6651
    人間(蒼)|18才|男性|舞刀士
  • BravePaladin
    ヴィリー・シュトラウス(ka6706
    人間(紅)|17才|男性|聖導士
  • 無垢なる守護者
    ユウ(ka6891
    ドラグーン|21才|女性|疾影士

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ボルディア・コンフラムス(ka0796
人間(クリムゾンウェスト)|23才|女性|霊闘士(ベルセルク)
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2017/08/24 18:23:07
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ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
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2017/08/22 02:07:05
アイコン 質問卓
カナタ・ハテナ(ka2130
人間(リアルブルー)|12才|女性|聖導士(クルセイダー)
最終発言
2017/08/21 19:00:32