• 転臨
  • 戦闘

【転臨】雷光は屍を乗り越えて

マスター:鹿野やいと

このシナリオは5日間納期が延長されています。

シナリオ形態
イベント

関連ユニオン
アム・シェリタ―揺籃館―

難易度
難しい
オプション
  • relation
参加費
500
参加人数
現在25人 / 1~25人
報酬
多め
相談期間
5日
プレイング締切
2017/08/24 19:00
リプレイ完成予定
2017/09/07 19:00

オープニング

※このシナリオは難易度が高く設定されています。所持金の大幅な減少や装備アイテムの損失、場合によっては、再起不能、死亡判定が下される可能性があります。
再起不能、死亡判定の下されたキャラクターはログイン、及びコンテンツへのアクセスが制限されます。

 王国の誇る突撃部隊、赤の隊。敵の陣を壊乱させ、後方の道を切り開くのにこれほど適した部隊は無い。イスルダ島奪還の作戦においてもその猛威は遺憾なく発揮された。海上からの砲撃に続き小船によって港の跡地に接舷した赤の隊は、上陸するや瞬く間に歪虚の群れを一帯より駆逐した。人数を優先して馬を載せきれない不利な状況からの突撃は、彼らの活動を知らない王国軍の兵士達を驚かせた。
 彼らの活躍により港の土地は切り開かれ、浄化の儀式を行う部隊は無事上陸を果たす。ダンテ・バルカザール(kz0153)が前線より戻って来たのは、主力部隊の上陸が佳境となった頃合いであった。
「留守番御苦労!」
 帰国後に新調したばかりの真紅の鎧を土埃で目一杯汚した姿でダンテは帰還した。彼は天幕に入るや否や机の上のボトルを掴みあげ、中身の水をラッパ飲みにした。人心地ついたダンテはそこでようやく天幕に客人が居る事に気づいた。
 上座の席を占有しているのは貴族らしい男が2人。1人はダンテに負けず劣らずの大男で黒い鎧・兜で身を固めている。傍らには同じ色の巨大な戦槌と盾を立てかけており、それを振り回すに相応しい筋肉で全身が覆われていた。もう1人は中肉中背。鎧は立派だが使い込んだ様子はない。戦士としては平凡に見えるがこの戦場の音が鳴りやまぬ中で平然としている辺り、十分な場数を踏んでいることは明らかだった。
「……おい、ジェフリー。どこのどなた様だ?」
「そんな大きい声で内緒話をしないでください。それから人に向かって指差さないで」
 いつも通り失礼極まる態度のダンテにげんなりしつつ、ジェフリー・ブラックバーン(kz0092)は座った2人の顔色を窺った。いつもの騎士団の会議のような空気にはならず、傍目にも気を悪くしてるのが分る。
「この方はシャトール侯爵のブランジュ・コルベール閣下、王国東方領では並ぶ者無しと言われる武人です」
「東方領で一番とは大げさが過ぎるな」
 シャトール侯は虎のような丸い髭面を大きく歪めて豪快に笑う。言葉では謙遜しているが、ジェフリーのおべっかに随分と機嫌を良くしていた。
「貴様がダンテか。此度の戦は肩を並べて戦う事となった。よろしく頼むぞ」
「おう、よろしく頼むわ」
 二人は意味もなく(あるいは肉食獣の威嚇程度の意味合いで)渾身の力でもって握手を始めた。話が進まないのでジェフリーは次の人物の紹介に移った。
「そしてこの方はサント・エデサ侯爵のロジェ・ガディン閣下。用兵家としても有名ですが商人としても有名な方です。閣下の領地の臣民は飢えを知らぬとも言われています」
「よろしく。お会いできて光栄だ」
 狐のような鋭い視線のままサント・エデサ侯はダンテに手を差し出す。ここで筋力を測り合うような愚かな真似をする人物ではなかったが、ダンテとシャトール侯のやり取りにはやや鼻白んだ気配があった。
 二人はマーロウ大公の派閥より送られた貴族の軍団長だ。あえてジェフリーは説明しなかった。だが彼らの口振りは王女の手足たる騎士団副団長に対してのものではない。ダンテも普段のジェフリーらしからぬ饒舌ぶりからその程度は察していた。
 ダンテはサント・エデサ侯の顔と体つきをまじまじと眺める。これは何か悪い事を考えている時の仕草だとジェフリーとダンテの近習達は気づいていた。
「な、何かね?」
「ん? 丁度良いと思ってな。お近づきの印にこれやるわ。ここはあぶねえしな」
 ダンテが強引にサント・エデサ侯に握らせたのは、鈍く光る青い石の嵌った簡素な耳飾りであった。素朴な物だが王国の産物ではない。訝しがりながら、侯爵はまじまじとその耳飾りを眺める。
「なんですか、これは……。一体どこのガーー」
「ーーオイマト族族長バタルトゥの実弟イェルズより頂いた耳飾りですね。現地では戦勝祈願の為に作られると聞きました」
「…………」
 ジェフリーの明快な説明に、耳飾りを握りしめた侯爵の動きが固まる。彼にとって名も知らぬ副官の話が事実ならば、政治的に価値ある物品だ。適当な美談をでっちあげるのには有効だろう。彼はそういう判断をしてしまう人物だった。
 ちなみにかの人物から貰い物であることは事実だが、由来は適当なでっちあげである。
「そういう謂れであれば頂いておこう」
 してやったり顔でにんまり笑うダンテの顔を見ながら、ジェフリーは嗜めるように視線を険しくする。舌を出すなら心の中だけにしてほしいものである。
「ふん、軟弱な。エクラ以外の祈りなど要らぬ。信じるはこの腕だけよ」
 シャトール侯はやり取りの内情までは見えなかったようで、見た目通りの直情的な言葉に終始した。
「おまえさんはそういうと思ったぜ。あんたの剛腕、期待してるぜ」
「良かろう。儂も貴様の武勲話がホラでないことを期待しているぞ」
 肉食獣同士の威嚇が終わっていない。ジェフリーは漏れ出そうな溜息を必死に耐えていた。



 一帯を制圧した王国軍は次なる脅威に備えていた。偵察部隊は散発的に歪虚と戦闘になっており、強力な歪虚も何体も確認しているが、それ以上に優先すべき敵が発見されたのだ。べリアル討伐の際にも表れた歪虚と化した王国騎士達の軍勢である。歪虚軍の主戦力は数からいえば低級の傲慢・憤怒等の歪虚であり、足並みが揃っているようには見えない。しかし指揮官として熟達した人物が率いればどうなるか。
 歪虚軍は林を挟んだ平地で集結中。指揮官は元騎士のベテラン揃い。ハンター含めて説明を終えた後、シャトール侯は好戦的な笑みを浮かべていた。
「騎士連中は見た顔ばかりではないか。初戦からついておる。腕が鳴るわい!」
 負けることを一切考えていない発言には揃った他の貴族の意見も分かれている。勇猛さに感じ入る者もいれば、サント・エデサ侯のように小馬鹿にしたような態度を取る者も多い。幸い騎士団赤の隊にはその手の無礼を働く者はおらず、説明を担ったジェフリーはひそかに胸を撫でおろした。
「それでは迎撃の布陣に関してですが……」
 ジェフリーは広げた地図の上に軍に見立てた駒を置いていく。どの隊にも戦功が期待できるように、騎士団と貴族の軍団を均等に。損な役回りは騎士団が引き受け、前衛は精強な兵を連れたシャトール侯やサント・エデサ侯を主力とする。指揮系統が最後まで維持されるかは不明だが、大公派の貴族の戦力はそれを差し引いても頼りになるだろう。
 敵の戦力は不明。しかしジェフリーは居並ぶ諸侯の顔を見回し、十分な勝機を感じていた。

解説

●依頼内容
 イスルダ島奪還作戦における前衛。
 浄化の儀式終了までの拠点防衛。

●友軍
・騎士団赤の隊
装備:並 練度:高 人数:並
指揮官:ダンテ、ジェフリー、他。
騎馬隊が主力です。砲戦ゴーレムは上陸が終わっていないので今回は不参加です。

・大公派貴族の私兵軍
装備:良 練度:並 人数:多
指揮官:シャトール侯、サント・エデサ侯。
シャトール侯は騎馬隊と共に突撃の予定。
サント・エデサ侯は弓騎兵隊を主力として支援射撃を行います。

以上の2軍団が主力になります。
他の王国派、大公派貴族の私兵軍も存在しますが個別の勢力としては大きくありません

●敵情報
・元騎士の歪虚軍団
装備:良 練度:高 人数:少
騎士達と同じ装備で全員騎馬に乗っています。空を飛ぶ歪虚の数は不明
指揮官あるいはエース級として闘狩人、猟撃士、疾影士、
聖導士、魔術師相当の騎士が含まれます

・それ以外の歪虚
装備:爪や牙、外骨格など 練度:ばらばら 人数:多

●戦場
林と市街地の境目
戦場全域で歪虚の放つ瘴気が残っており、全ての行動にはペナルティが発生します
林の植物は半ば歪虚化しており、市街地よりも瘴気が濃くなっています
港に続く市街地は障害物が少なく、守るには向きません
(鬼は種族特性上ペナルティは軽減、あるいは無効化されます)

●評価基準
・敵の突破阻止(必要条件)
・損害の軽減(十分条件)

●ハンターの役割
ダンテの指示「自由に暴れてこい」
ジェフリーの補足「足並みを揃えるか、個人であることを生かし戦うかはお任せします」

●他
他の依頼の進捗次第によってはダメージを受けた状態から開始になります
時系列的に後のシナリオなので他ショート依頼と同時参加は可能ですが、
ショートの判定結果によるダメージを受けた状態で開始されます

マスターより

王国の念願であったイスルダ島攻撃の始まりです。
王国軍の足並みが微妙に揃ってないのが懸念事項ですがそれはそれ。
連携する、利用する、無視する、等々。自由に戦ってください
PC諸氏の武運を祈ります

関連NPC

  • 生死不明
    ダンテ・バルカザール(kz0153
    人間(クリムゾンウェスト)|42才|男性|闘狩人(エンフォーサー)
  • 赤の隊・小隊長
    ジェフリー・ブラックバーン(kz0092
    人間(クリムゾンウェスト)|23才|男性|霊闘士(ベルセルク)
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2017/09/10 19:35

参加者一覧

  • 亜竜殺し
    榊 兵庫(ka0010
    人間(蒼)|26才|男性|闘狩人
  • 古塔の守り手
    クリスティア・オルトワール(ka0131
    人間(紅)|22才|女性|魔術師

  • ヴァイス・エリダヌス(ka0364
    人間(紅)|31才|男性|闘狩人
  • ボルディアせんせー
    ボルディア・コンフラムス(ka0796
    人間(紅)|23才|女性|霊闘士
  • 無邪気にして聡明?
    ユノ(ka0806
    エルフ|10才|男性|魔術師
  • ノブレス・オブリージュ
    ジャック・J・グリーヴ(ka1305
    人間(紅)|24才|男性|闘狩人
  • 未来を示す羅針儀
    ジャック・エルギン(ka1522
    人間(紅)|20才|男性|闘狩人
  • Monotone Jem
    ニャンゴ・ニャンゴ(ka1590
    人間(紅)|20才|女性|闘狩人
  • 猫の守り神
    カナタ・ハテナ(ka2130
    人間(蒼)|12才|女性|聖導士
  • ヒースの黒猫
    南條 真水(ka2377
    人間(蒼)|22才|女性|機導師
  • 巡るスズラン
    リュー・グランフェスト(ka2419
    人間(紅)|18才|男性|闘狩人
  • 誓槍の騎士
    ヴァルナ=エリゴス(ka2651
    人間(紅)|18才|女性|闘狩人
  • 淡光の戦乙女
    セレスティア(ka2691
    人間(紅)|19才|女性|聖導士
  • 盾の騎士
    Serge・Dior(ka3569
    人間(紅)|26才|男性|闘狩人
  • 明敏の矛
    ジャンク(ka4072
    人間(紅)|53才|男性|猟撃士
  • ゾファル怠極拳
    ゾファル・G・初火(ka4407
    人間(蒼)|16才|女性|闘狩人
  • 友と、龍と、翔る
    グリムバルド・グリーンウッド(ka4409
    人間(蒼)|24才|男性|機導師
  • 非情なる狙撃手
    コーネリア・ミラ・スペンサー(ka4561
    人間(蒼)|25才|女性|猟撃士
  • ―絶対零度―
    テノール(ka5676
    人間(紅)|26才|男性|格闘士
  • 灯光に託す鎮魂歌
    ディーナ・フェルミ(ka5843
    人間(紅)|18才|女性|聖導士
  • 一肌脱ぐわんこ
    小宮・千秋(ka6272
    ドワーフ|6才|男性|格闘士
  • 半折れ角
    セルゲン(ka6612
    鬼|24才|男性|霊闘士
  • 覚悟の漢
    南護 炎(ka6651
    人間(蒼)|18才|男性|舞刀士
  • BravePaladin
    ヴィリー・シュトラウス(ka6706
    人間(紅)|17才|男性|聖導士
  • 無垢なる守護者
    ユウ(ka6891
    ドラグーン|21才|女性|疾影士
依頼相談掲示板
アイコン 相談卓
ボルディア・コンフラムス(ka0796
人間(クリムゾンウェスト)|23才|女性|霊闘士(ベルセルク)
最終発言
2017/08/24 18:23:07
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2017/08/22 02:07:05
アイコン 質問卓
カナタ・ハテナ(ka2130
人間(リアルブルー)|12才|女性|聖導士(クルセイダー)
最終発言
2017/08/21 19:00:32