ゲスト
(ka0000)
猫カフェ「ニャンドリーム」オープン!
マスター:なちゅい

- シナリオ形態
- イベント
- 難易度
- 易しい
- オプション
-
- 参加費
500
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 1~50人
- サポート
- 0~0人
- 報酬
- 寸志
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2017/09/02 22:00
- 完成日
- 2017/09/06 01:02
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
●
港町「ガンナ・エントラータ」。
この裏通りの倉庫で、とある店がオープンしようとしている。
その名は「ニャンドリーム」。猫カフェということで、猫と戯れつつ、コーヒーブレイクができるお店だ。
店内はモダンな喫茶店で、入り口には店にある猫のポートレートが客を出迎えてくれる。
店内に進めば、カウンターやテーブルが設置されており、普通の喫茶店としてコーヒーを注文可能だ。
港町という立地を活かし、コーヒーは様々な銘柄が用意されており、通も唸らせる品揃えのはずだ。
喫茶スペースに隣接した娯楽スペースでは、存分に猫と戯れることができる。
絨毯の上にソファが設置され、寝そべった猫をモチーフとしたクッションがあちこちに置かれてある。
また、猫グッズに関しては、コップやお皿に猫のシルエットがデザインされており、スタッフのエプロンにも同じガラが刺繍されている。お手製のコースターは街の女性が作った物で、数多く量産されていて配布もできるらしい。
猫の数は80匹ほど。やんちゃな猫もいるが、基本的に躾けは行き届いており、様々な品種の猫がいるので、お気に入りの1匹が必ずいるはずだ。猫じゃらしを使って一緒に遊んだり、猫に餌を与えたりもできる。
猫好きに、コーヒー好きに、そして、ふらりと訪れたあなたに素敵な一時をご提供できるように。
「ニャンドリーム」は数日後、オープン予定だ。
入り口には、スタッフからの提案で、「ニャンドリーム」という店名が決まり、その看板が掲げられている。
その店内では、有志のスタッフによって開店準備が進められている。
「やっと……か」
オーナーエンリコが感慨深げに呟く。
思えば、ここまで長かったが、ハンターから勧められた猫カフェがようやく形になろうとしている。
だが、決して万全な滑り出しとはいかぬ状況だ。
猫の躾けはなかなかに行き届いてきてはいる。外に出歩く猫はかなり減ったのは、躾け用の窮屈な檻を作ったことが大きい。ただ、やんちゃな猫達は、今なお手を焼かされる現状がある。お客様に迷惑を掛けなければよいが……。
スタッフは基本、非常勤の者達ばかり。10人ほど協力してくれている猫好き達はやる気十分だが、如何せんスタッフとしての教育はあまりできていない。来店してくれるハンターから、教育係を買って出る者が是非とも教育を頼みたいところだ。
備品に関しては、思いつく物はある程度揃えたが、テーブルや椅子を猫仕様に、あるいは店のマスコットキャラクターを作ろうというハンターの提案があったが、開店には間に合わない。店がうまく回転するようになれば、そちらに経費を使いたいところだ。
間に合わせであっても、オープンさせねばならぬのには理由がある。現状、倉庫の維持費や猫の餌などに経費がかかっており、大幅な赤字となっている状況だからだ。
元々、エンリコという男は流通などに携わる商人だ。本音と建前はしっかりと使い分け、利にならぬことはしないというドライな考えがある。
エンリコが猫を気に掛け、この倉庫を貸したのも、猫カフェが金になるというハンターの話があったからこそ。
いつか利益になるかもしれないという打算的な考えが、エンリコには少なからずある。その為、利益を上げられねば、猫達を野に放ってでもこの店を潰す可能性もエンリコは頭に置いている。
されど、彼自身、猫に情を抱いてきている部分はある。できるならば、このまま店を軌道に乗せたい。
「果たして、どうなるか……」
まずは、「ニャンドリーム」をオープンさせ、客の入りを様子見。
状況が許せば、改善点を洗っていけばいい。ハンターにもソサエティを通して声をかけているから、来店してくれた者が改善点を挙げてくれるかもしれない。
一息ついたエンリコもまた、スタッフと共に準備を再開するのだった。
港町「ガンナ・エントラータ」。
この裏通りの倉庫で、とある店がオープンしようとしている。
その名は「ニャンドリーム」。猫カフェということで、猫と戯れつつ、コーヒーブレイクができるお店だ。
店内はモダンな喫茶店で、入り口には店にある猫のポートレートが客を出迎えてくれる。
店内に進めば、カウンターやテーブルが設置されており、普通の喫茶店としてコーヒーを注文可能だ。
港町という立地を活かし、コーヒーは様々な銘柄が用意されており、通も唸らせる品揃えのはずだ。
喫茶スペースに隣接した娯楽スペースでは、存分に猫と戯れることができる。
絨毯の上にソファが設置され、寝そべった猫をモチーフとしたクッションがあちこちに置かれてある。
また、猫グッズに関しては、コップやお皿に猫のシルエットがデザインされており、スタッフのエプロンにも同じガラが刺繍されている。お手製のコースターは街の女性が作った物で、数多く量産されていて配布もできるらしい。
猫の数は80匹ほど。やんちゃな猫もいるが、基本的に躾けは行き届いており、様々な品種の猫がいるので、お気に入りの1匹が必ずいるはずだ。猫じゃらしを使って一緒に遊んだり、猫に餌を与えたりもできる。
猫好きに、コーヒー好きに、そして、ふらりと訪れたあなたに素敵な一時をご提供できるように。
「ニャンドリーム」は数日後、オープン予定だ。
入り口には、スタッフからの提案で、「ニャンドリーム」という店名が決まり、その看板が掲げられている。
その店内では、有志のスタッフによって開店準備が進められている。
「やっと……か」
オーナーエンリコが感慨深げに呟く。
思えば、ここまで長かったが、ハンターから勧められた猫カフェがようやく形になろうとしている。
だが、決して万全な滑り出しとはいかぬ状況だ。
猫の躾けはなかなかに行き届いてきてはいる。外に出歩く猫はかなり減ったのは、躾け用の窮屈な檻を作ったことが大きい。ただ、やんちゃな猫達は、今なお手を焼かされる現状がある。お客様に迷惑を掛けなければよいが……。
スタッフは基本、非常勤の者達ばかり。10人ほど協力してくれている猫好き達はやる気十分だが、如何せんスタッフとしての教育はあまりできていない。来店してくれるハンターから、教育係を買って出る者が是非とも教育を頼みたいところだ。
備品に関しては、思いつく物はある程度揃えたが、テーブルや椅子を猫仕様に、あるいは店のマスコットキャラクターを作ろうというハンターの提案があったが、開店には間に合わない。店がうまく回転するようになれば、そちらに経費を使いたいところだ。
間に合わせであっても、オープンさせねばならぬのには理由がある。現状、倉庫の維持費や猫の餌などに経費がかかっており、大幅な赤字となっている状況だからだ。
元々、エンリコという男は流通などに携わる商人だ。本音と建前はしっかりと使い分け、利にならぬことはしないというドライな考えがある。
エンリコが猫を気に掛け、この倉庫を貸したのも、猫カフェが金になるというハンターの話があったからこそ。
いつか利益になるかもしれないという打算的な考えが、エンリコには少なからずある。その為、利益を上げられねば、猫達を野に放ってでもこの店を潰す可能性もエンリコは頭に置いている。
されど、彼自身、猫に情を抱いてきている部分はある。できるならば、このまま店を軌道に乗せたい。
「果たして、どうなるか……」
まずは、「ニャンドリーム」をオープンさせ、客の入りを様子見。
状況が許せば、改善点を洗っていけばいい。ハンターにもソサエティを通して声をかけているから、来店してくれた者が改善点を挙げてくれるかもしれない。
一息ついたエンリコもまた、スタッフと共に準備を再開するのだった。
リプレイ本文
●
グラズヘイム王国南部の港町「ガンナ・エントラータ」の裏通りにて。
「ついにオープンですね、おめでとうございます」
オーナーエンリコへと挨拶を交わすミオレスカ(ka3496)。
彼女は最初期から、この店の猫達と接してきた1人。人手不足な部分もあるということで、手伝いにやってきたのだ。
「わぁ、やっとお店が開店するんだね!」
夢路 まよい(ka1328)もまた、この店に詰めている猫達を捕まえるところから関わっている。だからこそ、感慨深さを覚えながらも、彼女はお祝いにと駆けつけてきていた。
「さて……、ついにオープンかぁ。なんだかちょいと感動するねぇ」
冷泉 雅緋(ka5949)は、ユウ(ka6891)、T-Sein(ka6936)と一緒の参加だ。
開店前の状況を眺めた雅緋は、東の壁際に置かれた観葉植物に込めた願いが叶ってくれればと願う。
「いよいよ猫カフェがオープンだね。来てくれたお客様が楽しんで猫さんと触れ合えるよう、頑張らないと」
一緒に店内を見ていたユウも接客を行おうと気合を入れているが、T-Seinは早くも猫とじゃれ始める。どうやら、彼女を覚えていた猫がいたらしく、T-Seinはこれでもかとその猫にじゃれまくっていた。
「雅緋さん、今日は頑張ろうね」
「そうねぇ」
3人は一緒になり、スタッフルームへと移動していく。
続いて訪れたのは、瀬織 怜皇(ka0684)だ。
「猫カフェ……猫、もふって良いんでしょうか?」
彼は星輝 Amhran(ka0724)、Uisca Amhran(ka0754)と一緒に来店していた。
「猫さんもふもふなのですっ」
Uiscaはたくさんの猫をもふろうとやってきている。星輝も牛乳にマタタビ、猫じゃらしといった物を買い込んでの来店。猫の躾を行いつつも楽しむ考えだ。
「さあ、オープン初日! がんばろうっ!」
「はい、頑張りましょう!」
央崎 遥華(ka5644)の呼びかけに、ファリーナ・リッジウェイ (kz0182)も気合十分。
準備が出来たところで、スタッフ達は外で待つ客を店内へと招き入れる。
猫カフェ「ニャンドリーム」のオープンだ。
●
「いらっしぃませぇ、猫カフェ『ニャンドリーム』へようこそですぅ」
猫のシルエットの刺繍が入ったエプロンをつけた星野 ハナ(ka5852)がにこやかに客を出迎える。
「喫茶スペースと娯楽スペース、どちらをご利用ですぅ?」
「ふぉぉぉお!? 私のぱらいそ発見なの、もう2度と帰らないの~!」
目を輝かせるディーナ・フェルミ(ka5843)はきょろきょろしながら、娯楽スペースにより近い飲食スペースへ移動する。
「お店に入ったら、全制覇。常識で礼儀なの」
ただ、彼女は飲食しながら猫と戯れたいらしく、飲食スペースに猫を招き入れようとしていて。
「も、申し訳ございません。……スペースの行き来はご遠慮願います」
ファリーナに注意を受けたディーナは、しぶしぶ猫を横目に飲んで食べ、すかさず飲食スペースに近い娯楽スペースで猫と戯れ始めていた。
そんな猫好きすぎる客を相手にするスタッフ達。
猫エプロンの上で猫耳カチューシャも頭に換装したまよいは、ニャンニャンとあざとく接客する。
「お帰りにゃさい、飼い主さま♪」
男性客にはかなり好評だったらしいが、その挨拶を店で統一して利用するのはオーナーに却下されていた。
「え? それだと何だか、別の趣旨のあやしいお店みたい?」
あくまで主役は本物の猫だとまよいも納得しつつも、接客に励む。
ハナもせっせせっせと接客に励む。
彼女がこの店のスタッフに志願した動機は3つある。まず、動物好きであること、飲食店アルバイトが天職だと思っていること、そして。
ちらっ、ちらっ。
その視線の先には、鳳城 錬介(ka6053)の姿。チェックしたイケメンを堪能することもその理由だ。
その錬介は開店準備を手伝った縁もあり、客として参加しようと思い立ったようだ。
(お客さんの目線からニャンドリームを体感することで、良かった所や改善した方がよい点などを見つけられたらいいですね)
非常勤のスタッフの対応など問題点の発見に努めつつ、錬介はオーナー、エンリコの姿を見つけて。
「開店おめでとうございます」
挨拶した彼は娯楽スペースで猫と戯れながら、どうやって店を改善させるべきかと考えていたようだ。
「猫さん達も、安心できる場所になると良いですよね」
優しく猫を抱き上げた錬介が考えていると。同じく、エルバッハ・リオン(ka2434)が客として来店してくる。
怪しまれないようにと変装していた彼女も、この店の立ち上げに尽力してきた1人だ。
(せっかくオープンしたのに、やんちゃな猫達のせいで初っ端から悪評が立っては困りますからね)
店の不手際を、スタッフとしてごまかすわけにもいかない。
あくまで真面目に、この店のことを考えるエルバッハ。すでに一度来店して顔見知りのスタッフとは話をした後らしい。
そして、エルバッハはすぐに数匹の猫に狙いを定めて。その猫はスタッフの間でもやんちゃで悪名高い猫達。彼女は暴れる猫達に本気の殺気を放つ。
「おとなしくしないと、一生、檻の中ですよ」
これも、記念すべき開店の日の為。やんちゃな猫もさすがに萎縮してしまっていたようである。
「東方文化圏で発祥した一大ムーブメントですからね! とても楽しみにしていたのですよ!」
「それは……ハンスさんの念願が叶って、良かったです」
そんな店の状況など知る由もない、ハンス・ラインフェルト(ka6750)は穂積 智里(ka6819)と一緒に店へと入ってきた。
「私はクリスマスのレブクーヘンが大好きですが、貴女の御婆様の作るアプフェルシュトゥルーデルなら食べてみたい気がします……?」
ハンスはケーキや焼き菓子について食い気味に語っていたが、動物好きのはずの智里がティーショーレのグラスを抱え、微妙に視線を店内に泳がせているのに気づく。
「おばあちゃんはお菓子作りが得意だから」
その智里は楽しそうなハンスに話を合わせてはいたものの、リアルブルー出身者として、飲食する場所で動物がいる状況に戸惑いを覚えていたようだ。
「シュヴァルツヴェルダー・キルシュトルテもケーゼトルテもモーンクーヘンも作ってくれました。多分ハンスさんも気に入ると思います」
リアルブルー、ドイツの焼き菓子の名前を挙げていく智里。それらはいずれも非常に美味しい一品だ。
一方で、ハンスはリアルブルーの日本では、食事時に動物を食卓に上げない家庭が多いと聞いたことを思い出す。
「でも、おばあちゃんの味に慣れると普通のチーズケーキは……ひゃっ!?」
ハンスが言葉を掛けようとする前に、智里が何匹もの猫に圧しかけられ、つんのめってしまう。
それでも、優しく撫でた柔らかな毛皮の下に躍動する命がある感触を覚え、智里の表情は和らぐ。
「……猫餌頼みましょうか、ハンスさん」
「……ええ、そうしましょう」
そんな友人の雰囲気が不意に和らいだのに、ハンスは気づく。自分の趣味に理解を示してくれたことに、彼はこれ以上ない楽しみを覚えていた。
そのそばでは、愛用の枕を持ち込み、娯楽スペースの中でも日当たりのよい場所にあるソファを確保していたアーネット・プリム(ka7005)の姿がある。
「猫にまみれてモフモフと昼寝がしたい」と思い立ってこの店にやってきた彼女は、飲み物代わりに猫用の餌をテーブルにセットする。
そして、集まってきた猫にまみれながら惰眠を貪って。
「あ、あの~、お客様? お飲み物は……」
「起きたら頼む……。わしは寝る……」
非常勤スタッフの注文を聞き流し、アーネットは気持ち良さそうに眠り始めたのだった。
●
「可愛い猫との癒しの時間! ……なんてね?」
港町のメインストリートで呼び込みをしていた雅緋。
とにかく、店を知ってもらわねば始まらない。初日くらいは盛大にやってもと考えて行う彼女の呼び込みは、かなりの成果があったようだ。
新たな店を一目見ようと盛況の猫カフェ店内。
スタッフも休憩などで交替し、別メンバーが店内で応対を始める。
「猫さん達は、ここを住処と思ってくれているでしょうか」
店に入るミオレスカ。入れ替わり立ち替わり訪れる客に猫がストレスを覚えているかもしれないと気遣い、倉庫と店内の入れ替えを行う。
「しっかりと休んでくださいね」
予めミオレスカやスタッフが綺麗に掃除した隣の控え倉庫で、疲れた猫はのんびりとお昼寝を始めていた。
さて、店内で、新たに接客を始めるスタッフだが。
「えへへ♪ 猫耳に肉球グローブにエプロンでメイドさんするのっ♪ 給仕さんなの♪」
どこからどう見ても華奢な女の子にしか見えない、男の娘の白樺(ka4596)は可愛らしく応対を行う。
「ほらほら、スタッフの皆、笑顔☆なのっ♪」
その様子は客だけでなく、スタッフまでも癒していく。
さらに、店内の猫にも愛嬌を振りまく白樺。彼は猫みたいに振舞えば、より可愛くなるかもと考える。
「あとあと、ネコさんが居るから足元は気をつけてね? 踏んじゃうとネコさんも人もびっくりしちゃうの」
白樺はスタッフにそんな注意を行う。足元ばかりを見ていると上からネコさんが跳んでくる。落ち着いて楽しんで接客すれば、皆見えるのだと彼は諭していた。
「はい、オーダー用のネコさんメモなの☆ 楽しい気持ちでいってらっしゃいなのっ♪」
白樺に背中を押され、その女性スタッフも頬を赤らめつつ接客に向かっていく。
可愛らしい男の娘という強敵の登場。そちらに靡く客を目の当たりにしたまよいはしばし、唖然としてしまっていた。
「こういうお仕事は初めてだから、なんだか新鮮で楽し~♪」
とはいえ、まよいはまよいで、オーダー、配膳とお仕事を頑張り、接客の楽しさを覚えていたようだ。
その近くでは、南護 炎(ka6651)が娯楽スペースに集まる子供客に、「猫との正しい接し方」をレクチャーしていた。
「猫じゃらしはむやみやたらと振り回すのではなく、『物陰から少しずつチラ見せをする』ことで猫の喰いつきが良くなる」
モフロウ2匹を猫と戯れさせる横で、彼は猫じゃらしの使い方を実践する。
また、炎は用意した新聞紙を子供達に配り、それを広げたり、音を立てながら動かしたりすることで、猫が興味を抱いて近寄ってくるのだと教えていた。
ちなみに、新聞紙は自腹で用意しようとした炎だったが、オーナーが好意で古新聞を提供してくれたらしい。
子供達は刻々と炎の話に頷き、早速猫じゃらしを振り、新聞紙を使って猫と遊んでいた。
ディーナがそれに便乗していた猫じゃらしを振りまくる。彼女はさらに飲食スペースに戻り、猫をガン見しながら別のメニューに口をつけていたようだ。
怜皇はUiscaと一緒に、猫を1匹1匹抱き上げながら挨拶してみる。
「こんにちは」
「こんにちわなの~」
ただ、低い姿勢で屈み、猫と向かい合うUiscaの姿に、怜皇は笑ってしまって。
「イスカ、それじゃ、イスカも猫と変わりませんよ」
それでも、Uiscaは猫の警戒心を解いたようで、そっとその身体へと触っていた。
星輝はというと、買い込んだ牛乳とマタタビで餌付けからスタートし、自身の飼い猫と一緒にして猫達の反応を見ながら、名前を確認する。
おいたが過ぎそうな猫はすでに他のハンターが対処してくれていたので、星輝が動物愛を使って躾を行うことはほぼなかったようだ。
ただ、入れ替わり立ち替わり訪れる客に戸惑いを見せる猫もいた為、普段とは違う行動をとって備品を倒そうとしたり、客の食事に視線を向けたりする猫もいたが、星輝はそれがタブーだと教えてくれていた。
熱心に躾を行う星輝はスタッフとして認識され、エプロンを手渡されていた。
「キララ、程々にですよ?」
そんな彼女の様子に怜皇は目を細めていると。恋人のUiscaは仲良しになった猫の背中を触ったり、お腹をもふったりしつつ、魔導スマホで写真をいっぱい撮っていく。
次第に猫まみれになるUiscaに、怜皇が近づいて。
「なんとなくイスカに似てますよねぇ。この辺りとか」
「はわわ~」
猫と一緒に怜皇から頭を触られるUiscaは真っ赤になりつつ、しばらくもふられていたのである。
娯楽スペースにばかり気を取られがちだが、喫茶スペースも負けてはいない。
遥華はバリスタとして、接客のお手伝いをしていた。
店の入り口に立て看板を用意してもらった彼女は、『本日のお勧めメニュー』をさらさらっとチョークで描く。可愛らしい猫のイラストもそれには添えて。
リアルブルーではイギリス出身ということもあり、遥華がお勧めしたのは紅茶だ。コーヒーばかりを用意していたオーナーエンリコだったが、遥華の勧める茶葉をいくつか用意する。その味に、エンリコも唸っていたようだ。
遥華はコーヒーも飲むそうで、練習していたネコさんラテアートを披露する。
「楽しく仕事しなきゃ、楽しい店にはならないしね♪」
スタッフ同士の声がけ、そして、お客様目線での接客。彼女は心行くまで接客を楽しんでいた。
「ラテでは猫アートもやってますぅ。ご覧になりますぅ?」
ハナはマグカップにラテアートを施す。それは、カッコいいシャムネコから、ブサカワ猫の顔面など、出来る限りお客様の要望に応えて作り上げていた。
「制服可愛いから頑張っちゃいますぅ」
さらに、軽食として出されるオムライスやサンドイッチにまで、彼女は絵を描く。
そうした交替要員がいれば、遥華もブレイクタイム。僅かな時間だったが、遥華も猫達と戯れて癒されていたようだ。
たくさんの客を招き入れた雅緋も、店内に戻ってきていた。お土産にコースターをもらえるとあって、彼女は気分よさげにしている。
そのそばでは、ユウが接客をしていた。
おもてなしの心と親切丁寧を念頭におき、お客様へと猫達との触れ合いを楽しんでもらえるようにと努める。
ユウはさらにやんちゃな猫も気がけていたが、そこは客に扮したエルバッハのおかげもあって、事なきを得ていたようだ。
そんな中、ユウはT-Seinの姿を見つけて。
「いらっしゃい、ザイン。今日は楽しんでね」
T-Seinは一応スタッフとして参加していたようだったが、彼女はただただ、猫とじゃれて満足気だったようである。
「少し、照れくさいけどね? いい店になりますように」
雅緋はそんな同行者の姿を見ながら、この店の行く先を案じていた。
あっという間に日も暮れ、「ニャンドリーム」の開店初日は閉店を迎えて。
「皆さん、お疲れ様でした」
ファリーナがスタッフ達を労い、栄養ドリンクを手渡していく。
「今日は助かった。本当に感謝だ」
オーナー、エンリコも強力してくれたハンターを労っていた。皆、やりきったと満足気である。
「決め手は可愛い制服と猫でしょうかぁ……。今日はいろんな意味で至福でしたぁ、はふぅ」
猫に飲食アルバイトに、イケメン物色。ハナはこれ以上なく満足気な表情を浮かべ、ほぼ丸一日働いたにも拘らず肌をつやつやとさせていた。
「今日は人数が多くて、手が回りましたけれど……」
ミオレスカは考える。猫の爪とぎのお手入れに、店内、控え倉庫の清掃、これが普段の人員で仕事としてできるかどうか。
これからの課題が山積みなのは間違いない。……それでも。
「今後、安定して、営業を続けられると良いですね」
にっこりと微笑むミオレスカが店内へと視線を向けると、まだ1人だけ客が残っていて。
「至福なの~……、一生こうして生活したいの~~!」
スタッフに閉店だからと促されつつも、猫にまみれるディーナが机にしがみつき、離れようとしないのを見て、ミオレスカは慌ててその救援に向かうのだった。
グラズヘイム王国南部の港町「ガンナ・エントラータ」の裏通りにて。
「ついにオープンですね、おめでとうございます」
オーナーエンリコへと挨拶を交わすミオレスカ(ka3496)。
彼女は最初期から、この店の猫達と接してきた1人。人手不足な部分もあるということで、手伝いにやってきたのだ。
「わぁ、やっとお店が開店するんだね!」
夢路 まよい(ka1328)もまた、この店に詰めている猫達を捕まえるところから関わっている。だからこそ、感慨深さを覚えながらも、彼女はお祝いにと駆けつけてきていた。
「さて……、ついにオープンかぁ。なんだかちょいと感動するねぇ」
冷泉 雅緋(ka5949)は、ユウ(ka6891)、T-Sein(ka6936)と一緒の参加だ。
開店前の状況を眺めた雅緋は、東の壁際に置かれた観葉植物に込めた願いが叶ってくれればと願う。
「いよいよ猫カフェがオープンだね。来てくれたお客様が楽しんで猫さんと触れ合えるよう、頑張らないと」
一緒に店内を見ていたユウも接客を行おうと気合を入れているが、T-Seinは早くも猫とじゃれ始める。どうやら、彼女を覚えていた猫がいたらしく、T-Seinはこれでもかとその猫にじゃれまくっていた。
「雅緋さん、今日は頑張ろうね」
「そうねぇ」
3人は一緒になり、スタッフルームへと移動していく。
続いて訪れたのは、瀬織 怜皇(ka0684)だ。
「猫カフェ……猫、もふって良いんでしょうか?」
彼は星輝 Amhran(ka0724)、Uisca Amhran(ka0754)と一緒に来店していた。
「猫さんもふもふなのですっ」
Uiscaはたくさんの猫をもふろうとやってきている。星輝も牛乳にマタタビ、猫じゃらしといった物を買い込んでの来店。猫の躾を行いつつも楽しむ考えだ。
「さあ、オープン初日! がんばろうっ!」
「はい、頑張りましょう!」
央崎 遥華(ka5644)の呼びかけに、ファリーナ・リッジウェイ (kz0182)も気合十分。
準備が出来たところで、スタッフ達は外で待つ客を店内へと招き入れる。
猫カフェ「ニャンドリーム」のオープンだ。
●
「いらっしぃませぇ、猫カフェ『ニャンドリーム』へようこそですぅ」
猫のシルエットの刺繍が入ったエプロンをつけた星野 ハナ(ka5852)がにこやかに客を出迎える。
「喫茶スペースと娯楽スペース、どちらをご利用ですぅ?」
「ふぉぉぉお!? 私のぱらいそ発見なの、もう2度と帰らないの~!」
目を輝かせるディーナ・フェルミ(ka5843)はきょろきょろしながら、娯楽スペースにより近い飲食スペースへ移動する。
「お店に入ったら、全制覇。常識で礼儀なの」
ただ、彼女は飲食しながら猫と戯れたいらしく、飲食スペースに猫を招き入れようとしていて。
「も、申し訳ございません。……スペースの行き来はご遠慮願います」
ファリーナに注意を受けたディーナは、しぶしぶ猫を横目に飲んで食べ、すかさず飲食スペースに近い娯楽スペースで猫と戯れ始めていた。
そんな猫好きすぎる客を相手にするスタッフ達。
猫エプロンの上で猫耳カチューシャも頭に換装したまよいは、ニャンニャンとあざとく接客する。
「お帰りにゃさい、飼い主さま♪」
男性客にはかなり好評だったらしいが、その挨拶を店で統一して利用するのはオーナーに却下されていた。
「え? それだと何だか、別の趣旨のあやしいお店みたい?」
あくまで主役は本物の猫だとまよいも納得しつつも、接客に励む。
ハナもせっせせっせと接客に励む。
彼女がこの店のスタッフに志願した動機は3つある。まず、動物好きであること、飲食店アルバイトが天職だと思っていること、そして。
ちらっ、ちらっ。
その視線の先には、鳳城 錬介(ka6053)の姿。チェックしたイケメンを堪能することもその理由だ。
その錬介は開店準備を手伝った縁もあり、客として参加しようと思い立ったようだ。
(お客さんの目線からニャンドリームを体感することで、良かった所や改善した方がよい点などを見つけられたらいいですね)
非常勤のスタッフの対応など問題点の発見に努めつつ、錬介はオーナー、エンリコの姿を見つけて。
「開店おめでとうございます」
挨拶した彼は娯楽スペースで猫と戯れながら、どうやって店を改善させるべきかと考えていたようだ。
「猫さん達も、安心できる場所になると良いですよね」
優しく猫を抱き上げた錬介が考えていると。同じく、エルバッハ・リオン(ka2434)が客として来店してくる。
怪しまれないようにと変装していた彼女も、この店の立ち上げに尽力してきた1人だ。
(せっかくオープンしたのに、やんちゃな猫達のせいで初っ端から悪評が立っては困りますからね)
店の不手際を、スタッフとしてごまかすわけにもいかない。
あくまで真面目に、この店のことを考えるエルバッハ。すでに一度来店して顔見知りのスタッフとは話をした後らしい。
そして、エルバッハはすぐに数匹の猫に狙いを定めて。その猫はスタッフの間でもやんちゃで悪名高い猫達。彼女は暴れる猫達に本気の殺気を放つ。
「おとなしくしないと、一生、檻の中ですよ」
これも、記念すべき開店の日の為。やんちゃな猫もさすがに萎縮してしまっていたようである。
「東方文化圏で発祥した一大ムーブメントですからね! とても楽しみにしていたのですよ!」
「それは……ハンスさんの念願が叶って、良かったです」
そんな店の状況など知る由もない、ハンス・ラインフェルト(ka6750)は穂積 智里(ka6819)と一緒に店へと入ってきた。
「私はクリスマスのレブクーヘンが大好きですが、貴女の御婆様の作るアプフェルシュトゥルーデルなら食べてみたい気がします……?」
ハンスはケーキや焼き菓子について食い気味に語っていたが、動物好きのはずの智里がティーショーレのグラスを抱え、微妙に視線を店内に泳がせているのに気づく。
「おばあちゃんはお菓子作りが得意だから」
その智里は楽しそうなハンスに話を合わせてはいたものの、リアルブルー出身者として、飲食する場所で動物がいる状況に戸惑いを覚えていたようだ。
「シュヴァルツヴェルダー・キルシュトルテもケーゼトルテもモーンクーヘンも作ってくれました。多分ハンスさんも気に入ると思います」
リアルブルー、ドイツの焼き菓子の名前を挙げていく智里。それらはいずれも非常に美味しい一品だ。
一方で、ハンスはリアルブルーの日本では、食事時に動物を食卓に上げない家庭が多いと聞いたことを思い出す。
「でも、おばあちゃんの味に慣れると普通のチーズケーキは……ひゃっ!?」
ハンスが言葉を掛けようとする前に、智里が何匹もの猫に圧しかけられ、つんのめってしまう。
それでも、優しく撫でた柔らかな毛皮の下に躍動する命がある感触を覚え、智里の表情は和らぐ。
「……猫餌頼みましょうか、ハンスさん」
「……ええ、そうしましょう」
そんな友人の雰囲気が不意に和らいだのに、ハンスは気づく。自分の趣味に理解を示してくれたことに、彼はこれ以上ない楽しみを覚えていた。
そのそばでは、愛用の枕を持ち込み、娯楽スペースの中でも日当たりのよい場所にあるソファを確保していたアーネット・プリム(ka7005)の姿がある。
「猫にまみれてモフモフと昼寝がしたい」と思い立ってこの店にやってきた彼女は、飲み物代わりに猫用の餌をテーブルにセットする。
そして、集まってきた猫にまみれながら惰眠を貪って。
「あ、あの~、お客様? お飲み物は……」
「起きたら頼む……。わしは寝る……」
非常勤スタッフの注文を聞き流し、アーネットは気持ち良さそうに眠り始めたのだった。
●
「可愛い猫との癒しの時間! ……なんてね?」
港町のメインストリートで呼び込みをしていた雅緋。
とにかく、店を知ってもらわねば始まらない。初日くらいは盛大にやってもと考えて行う彼女の呼び込みは、かなりの成果があったようだ。
新たな店を一目見ようと盛況の猫カフェ店内。
スタッフも休憩などで交替し、別メンバーが店内で応対を始める。
「猫さん達は、ここを住処と思ってくれているでしょうか」
店に入るミオレスカ。入れ替わり立ち替わり訪れる客に猫がストレスを覚えているかもしれないと気遣い、倉庫と店内の入れ替えを行う。
「しっかりと休んでくださいね」
予めミオレスカやスタッフが綺麗に掃除した隣の控え倉庫で、疲れた猫はのんびりとお昼寝を始めていた。
さて、店内で、新たに接客を始めるスタッフだが。
「えへへ♪ 猫耳に肉球グローブにエプロンでメイドさんするのっ♪ 給仕さんなの♪」
どこからどう見ても華奢な女の子にしか見えない、男の娘の白樺(ka4596)は可愛らしく応対を行う。
「ほらほら、スタッフの皆、笑顔☆なのっ♪」
その様子は客だけでなく、スタッフまでも癒していく。
さらに、店内の猫にも愛嬌を振りまく白樺。彼は猫みたいに振舞えば、より可愛くなるかもと考える。
「あとあと、ネコさんが居るから足元は気をつけてね? 踏んじゃうとネコさんも人もびっくりしちゃうの」
白樺はスタッフにそんな注意を行う。足元ばかりを見ていると上からネコさんが跳んでくる。落ち着いて楽しんで接客すれば、皆見えるのだと彼は諭していた。
「はい、オーダー用のネコさんメモなの☆ 楽しい気持ちでいってらっしゃいなのっ♪」
白樺に背中を押され、その女性スタッフも頬を赤らめつつ接客に向かっていく。
可愛らしい男の娘という強敵の登場。そちらに靡く客を目の当たりにしたまよいはしばし、唖然としてしまっていた。
「こういうお仕事は初めてだから、なんだか新鮮で楽し~♪」
とはいえ、まよいはまよいで、オーダー、配膳とお仕事を頑張り、接客の楽しさを覚えていたようだ。
その近くでは、南護 炎(ka6651)が娯楽スペースに集まる子供客に、「猫との正しい接し方」をレクチャーしていた。
「猫じゃらしはむやみやたらと振り回すのではなく、『物陰から少しずつチラ見せをする』ことで猫の喰いつきが良くなる」
モフロウ2匹を猫と戯れさせる横で、彼は猫じゃらしの使い方を実践する。
また、炎は用意した新聞紙を子供達に配り、それを広げたり、音を立てながら動かしたりすることで、猫が興味を抱いて近寄ってくるのだと教えていた。
ちなみに、新聞紙は自腹で用意しようとした炎だったが、オーナーが好意で古新聞を提供してくれたらしい。
子供達は刻々と炎の話に頷き、早速猫じゃらしを振り、新聞紙を使って猫と遊んでいた。
ディーナがそれに便乗していた猫じゃらしを振りまくる。彼女はさらに飲食スペースに戻り、猫をガン見しながら別のメニューに口をつけていたようだ。
怜皇はUiscaと一緒に、猫を1匹1匹抱き上げながら挨拶してみる。
「こんにちは」
「こんにちわなの~」
ただ、低い姿勢で屈み、猫と向かい合うUiscaの姿に、怜皇は笑ってしまって。
「イスカ、それじゃ、イスカも猫と変わりませんよ」
それでも、Uiscaは猫の警戒心を解いたようで、そっとその身体へと触っていた。
星輝はというと、買い込んだ牛乳とマタタビで餌付けからスタートし、自身の飼い猫と一緒にして猫達の反応を見ながら、名前を確認する。
おいたが過ぎそうな猫はすでに他のハンターが対処してくれていたので、星輝が動物愛を使って躾を行うことはほぼなかったようだ。
ただ、入れ替わり立ち替わり訪れる客に戸惑いを見せる猫もいた為、普段とは違う行動をとって備品を倒そうとしたり、客の食事に視線を向けたりする猫もいたが、星輝はそれがタブーだと教えてくれていた。
熱心に躾を行う星輝はスタッフとして認識され、エプロンを手渡されていた。
「キララ、程々にですよ?」
そんな彼女の様子に怜皇は目を細めていると。恋人のUiscaは仲良しになった猫の背中を触ったり、お腹をもふったりしつつ、魔導スマホで写真をいっぱい撮っていく。
次第に猫まみれになるUiscaに、怜皇が近づいて。
「なんとなくイスカに似てますよねぇ。この辺りとか」
「はわわ~」
猫と一緒に怜皇から頭を触られるUiscaは真っ赤になりつつ、しばらくもふられていたのである。
娯楽スペースにばかり気を取られがちだが、喫茶スペースも負けてはいない。
遥華はバリスタとして、接客のお手伝いをしていた。
店の入り口に立て看板を用意してもらった彼女は、『本日のお勧めメニュー』をさらさらっとチョークで描く。可愛らしい猫のイラストもそれには添えて。
リアルブルーではイギリス出身ということもあり、遥華がお勧めしたのは紅茶だ。コーヒーばかりを用意していたオーナーエンリコだったが、遥華の勧める茶葉をいくつか用意する。その味に、エンリコも唸っていたようだ。
遥華はコーヒーも飲むそうで、練習していたネコさんラテアートを披露する。
「楽しく仕事しなきゃ、楽しい店にはならないしね♪」
スタッフ同士の声がけ、そして、お客様目線での接客。彼女は心行くまで接客を楽しんでいた。
「ラテでは猫アートもやってますぅ。ご覧になりますぅ?」
ハナはマグカップにラテアートを施す。それは、カッコいいシャムネコから、ブサカワ猫の顔面など、出来る限りお客様の要望に応えて作り上げていた。
「制服可愛いから頑張っちゃいますぅ」
さらに、軽食として出されるオムライスやサンドイッチにまで、彼女は絵を描く。
そうした交替要員がいれば、遥華もブレイクタイム。僅かな時間だったが、遥華も猫達と戯れて癒されていたようだ。
たくさんの客を招き入れた雅緋も、店内に戻ってきていた。お土産にコースターをもらえるとあって、彼女は気分よさげにしている。
そのそばでは、ユウが接客をしていた。
おもてなしの心と親切丁寧を念頭におき、お客様へと猫達との触れ合いを楽しんでもらえるようにと努める。
ユウはさらにやんちゃな猫も気がけていたが、そこは客に扮したエルバッハのおかげもあって、事なきを得ていたようだ。
そんな中、ユウはT-Seinの姿を見つけて。
「いらっしゃい、ザイン。今日は楽しんでね」
T-Seinは一応スタッフとして参加していたようだったが、彼女はただただ、猫とじゃれて満足気だったようである。
「少し、照れくさいけどね? いい店になりますように」
雅緋はそんな同行者の姿を見ながら、この店の行く先を案じていた。
あっという間に日も暮れ、「ニャンドリーム」の開店初日は閉店を迎えて。
「皆さん、お疲れ様でした」
ファリーナがスタッフ達を労い、栄養ドリンクを手渡していく。
「今日は助かった。本当に感謝だ」
オーナー、エンリコも強力してくれたハンターを労っていた。皆、やりきったと満足気である。
「決め手は可愛い制服と猫でしょうかぁ……。今日はいろんな意味で至福でしたぁ、はふぅ」
猫に飲食アルバイトに、イケメン物色。ハナはこれ以上なく満足気な表情を浮かべ、ほぼ丸一日働いたにも拘らず肌をつやつやとさせていた。
「今日は人数が多くて、手が回りましたけれど……」
ミオレスカは考える。猫の爪とぎのお手入れに、店内、控え倉庫の清掃、これが普段の人員で仕事としてできるかどうか。
これからの課題が山積みなのは間違いない。……それでも。
「今後、安定して、営業を続けられると良いですね」
にっこりと微笑むミオレスカが店内へと視線を向けると、まだ1人だけ客が残っていて。
「至福なの~……、一生こうして生活したいの~~!」
スタッフに閉店だからと促されつつも、猫にまみれるディーナが机にしがみつき、離れようとしないのを見て、ミオレスカは慌ててその救援に向かうのだった。
依頼結果
参加者一覧
サポート一覧
マテリアルリンク参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/09/02 19:00:34 |
|
![]() |
雑談兼誘い合わせ 冷泉 雅緋(ka5949) 人間(リアルブルー)|28才|女性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2017/09/02 18:16:45 |