ゲスト
(ka0000)
【界冥】大霊寺奪還戦【初心】
マスター:近藤豊

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや易しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- LV1~LV20
- 参加人数
- 3~6人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2017/09/13 22:00
- 完成日
- 2017/09/15 06:30
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
若峰の東、通称『東の三城』と呼ばれる三つの城。
その中の一つ墨子城に水野 武徳(kz0196)の姿があった。
若峰の復興が進めば、今度は若峰への侵攻を食い止める支城を強化する必要があったからだ。
「ふむ、これで大分マシになるじゃろう」
墨子城は山城である為、大規模な改修は難しい。
そこで城壁や石垣の改修を中心に進めながら、城の周囲に竪堀や横堀を長く作る事で敵の侵入を防ぐ方策を取った。これで城へ侵攻する敵を阻む事ができるだろう。
「東の三城がほぼ復旧となれば、次に打つべきは……」
「大変であります!」
武徳の元へ部下が駆け込んできた。
この調子で駆け込んで来た場合、大半はあまり良くない報告だ。
面倒そうな顔を浮かべる武徳。
「なんじゃ?」
「東の三城の先にある大霊寺に敵らしき怪しい影がございます」
大霊寺――正式には、西山大霊寺。
名称からは寺と考えられがちであるが、実際は城と称しても差し支えない拠点である。
かつて憤怒の軍勢が押し寄せた際、抵抗したのは三条家だけではない。
僧侶やそれに従う農民も抵抗を続けていた時期がある。
最終的には陥落する事になった訳だが、三条家も支援を続けてかなり長期間持ちこたえていた事が知られている。
「ほう。わしの一手を狙って先回りされたか? いや、それはあるまい。おそらく偶然じゃろうが、面倒には違いないのう」
武徳が抱いた予想は、的中したようだ。
武徳は大霊寺を奪還して海運に着手しようとしていたのだ。
北と西には鳥成川と雉川、東には猿嶽川。
それらの川が合流する地点であり、大霊寺も金町台地の縁に築かれている。
難攻不落な上、川を使えば海運都市として発展させる事もできる。
東西交流祭で構築したツテを最大限に生かせれば、詩天に莫大な利益が転がり込む事を狙っていたのだが……。
「して、敵は? 憤怒の軍勢か?」
「いえ、それが……見た事もない敵であります。黒い火の玉のような者や影のような者もおります」
「影? 未知の敵という訳か」
実はこの時点で武徳は知らなかったのだが、後の報告で敵はリアルブルーで確認されている『狂気』である事が判明する。
武徳はその際も『未知の敵ではなく情報があるなら何とかなるわい』と敵をそれ程問題視していない様子だった。
「数はそれ程大きくありません。ですが、大霊寺となれば攻略は厄介です」
部下の言葉は間違っていない。
かつて憤怒の軍勢が攻めて長期間持った事を考えれば、攻略は難しくなる。
川の水を引き込んだ掘や、山に築かれた空堀が今も健在しているなら武徳も進軍はままならない。
だが、武徳はそれらをあっさり否定する。
「ふん、あの城を守るには相応の人手が必要になる。敵の数が多くないのであれば手の打ちようもあるわい」
武徳は、周辺の地図を広げる。
「良いか。あれだけの大城じゃ。数が少ない今が奪還のチャンスじゃ。我らは金町台地に登り、城を南から攻める」
「ですが、そこは出城がある上に、深い掘がございます。進軍は難しいのでは……」
「分かっておる。南の軍は囮じゃ。本命は北の鳥成川から筏で南下したハンター達じゃ。彼らが鳥成川口から上陸して城内へ突入。城内の敵を駆逐しながら出城を後方から襲撃するのじゃ」
「確かに……鳥成川の砦にはまだ敵の姿は無かったようでございます」
規模が大きい城であればそれだけ守護する人員を増やす必要がある。
まだ敵影の少ない今であれば、容易に奪還できる可能性がある。
かつて駒種城奪還で使った方法だが、現時点なら十分通用するだろう。
「善は急げじゃ。ハンターを集め、大霊寺を奪還するのじゃ」
指示を飛ばす武徳。
だが、武徳の脳裏には、早くも大霊寺の海運都市計画が動き始めていた。
その中の一つ墨子城に水野 武徳(kz0196)の姿があった。
若峰の復興が進めば、今度は若峰への侵攻を食い止める支城を強化する必要があったからだ。
「ふむ、これで大分マシになるじゃろう」
墨子城は山城である為、大規模な改修は難しい。
そこで城壁や石垣の改修を中心に進めながら、城の周囲に竪堀や横堀を長く作る事で敵の侵入を防ぐ方策を取った。これで城へ侵攻する敵を阻む事ができるだろう。
「東の三城がほぼ復旧となれば、次に打つべきは……」
「大変であります!」
武徳の元へ部下が駆け込んできた。
この調子で駆け込んで来た場合、大半はあまり良くない報告だ。
面倒そうな顔を浮かべる武徳。
「なんじゃ?」
「東の三城の先にある大霊寺に敵らしき怪しい影がございます」
大霊寺――正式には、西山大霊寺。
名称からは寺と考えられがちであるが、実際は城と称しても差し支えない拠点である。
かつて憤怒の軍勢が押し寄せた際、抵抗したのは三条家だけではない。
僧侶やそれに従う農民も抵抗を続けていた時期がある。
最終的には陥落する事になった訳だが、三条家も支援を続けてかなり長期間持ちこたえていた事が知られている。
「ほう。わしの一手を狙って先回りされたか? いや、それはあるまい。おそらく偶然じゃろうが、面倒には違いないのう」
武徳が抱いた予想は、的中したようだ。
武徳は大霊寺を奪還して海運に着手しようとしていたのだ。
北と西には鳥成川と雉川、東には猿嶽川。
それらの川が合流する地点であり、大霊寺も金町台地の縁に築かれている。
難攻不落な上、川を使えば海運都市として発展させる事もできる。
東西交流祭で構築したツテを最大限に生かせれば、詩天に莫大な利益が転がり込む事を狙っていたのだが……。
「して、敵は? 憤怒の軍勢か?」
「いえ、それが……見た事もない敵であります。黒い火の玉のような者や影のような者もおります」
「影? 未知の敵という訳か」
実はこの時点で武徳は知らなかったのだが、後の報告で敵はリアルブルーで確認されている『狂気』である事が判明する。
武徳はその際も『未知の敵ではなく情報があるなら何とかなるわい』と敵をそれ程問題視していない様子だった。
「数はそれ程大きくありません。ですが、大霊寺となれば攻略は厄介です」
部下の言葉は間違っていない。
かつて憤怒の軍勢が攻めて長期間持った事を考えれば、攻略は難しくなる。
川の水を引き込んだ掘や、山に築かれた空堀が今も健在しているなら武徳も進軍はままならない。
だが、武徳はそれらをあっさり否定する。
「ふん、あの城を守るには相応の人手が必要になる。敵の数が多くないのであれば手の打ちようもあるわい」
武徳は、周辺の地図を広げる。
「良いか。あれだけの大城じゃ。数が少ない今が奪還のチャンスじゃ。我らは金町台地に登り、城を南から攻める」
「ですが、そこは出城がある上に、深い掘がございます。進軍は難しいのでは……」
「分かっておる。南の軍は囮じゃ。本命は北の鳥成川から筏で南下したハンター達じゃ。彼らが鳥成川口から上陸して城内へ突入。城内の敵を駆逐しながら出城を後方から襲撃するのじゃ」
「確かに……鳥成川の砦にはまだ敵の姿は無かったようでございます」
規模が大きい城であればそれだけ守護する人員を増やす必要がある。
まだ敵影の少ない今であれば、容易に奪還できる可能性がある。
かつて駒種城奪還で使った方法だが、現時点なら十分通用するだろう。
「善は急げじゃ。ハンターを集め、大霊寺を奪還するのじゃ」
指示を飛ばす武徳。
だが、武徳の脳裏には、早くも大霊寺の海運都市計画が動き始めていた。
リプレイ本文
詩天――西山大霊寺。
かつては歪虚に攻め落とされた城とも称すべき寺院。
周囲の民を加護し、歪虚の攻撃を凌ぎ続けた拠点。
今は歪虚に攻め落とされて廃墟と化した大霊寺ではあるが、今再びこの城を攻める者達がいた。
他ならぬ、詩天の武将達である。
「臆するな! 進めっ!」
水野武徳(kz0196)の配下が大霊寺の南にある出城へ攻撃を仕掛ける。
既に情報で狂気の眷属が特殊な能力を持っている事は知っている。武徳は部下達へ単独で前進しないように指示している。
攻めるべきは――別働隊の作戦が成功してからだ。
「頼むぞ、ハンター達よ」
武徳の手にはトランシーバー。
詩天の者として触れるのも初めての機械を手に、武徳はただ待ち続けていた。
●
鳥成川の上流から流れる一艘の筏。
大木の束を水流が押し流し、大木の上に乗ったハンター達を大霊寺へと運んでいく。
「最初に1番の困難が……すみません。踏まれても構いませんので、筏の真ん中で俯せになっていてもよろしいでしょうか?」
フィロ(ka6966)は、そう言って筏の上で横になっていた。
ガードマン兼用のメイド型オートマトンではあるが、木切れを自重で踏み抜く事がある為に敢えて横になって筏の安定に気を配る。
他のハンター達が乗る筏を転覆させれば、武徳の作戦にも支障が出てしまう。
「はぁ、えらい難儀されてますなぁ。
それにしても……城攻めなんて、うち初めてやわぁ。どんな戦いになるのか、なんや楽しみになってきたわぁ」
フィロの苦労を案じながら、花瑠璃(ka6989)は大霊寺の攻略に胸を躍らせていた。
ハンターとして初めての参加した依頼だ。
この戦いが今後のハンター人生の始まり。戦いの前に胸が躍るというのもやや不謹慎な気もするが、これからの待っているであろう出来事に期待するのは無理からぬ事だ。
そして、その傍らにいるマリア(ka6586)はやや心配そうな面持ちだ。
「水野様は大丈夫でしょうか」
手に握られているのはトランシーバー。
実は武徳にトランシーバーを手渡したのはマリアだった。このトランシーバーを通じて南の出城を責める武徳と連携する手筈となっていた。しかし、トランシーバーが通じる範囲は500メートル。
武徳との距離が範囲内に入るまでは通信を取る事ができない。
通信機器があるからこそ、遠い地にいる者を案じるのは自然な事だろう。
「大丈夫ですよ! いざとなれば花火を上げますから。それに、あの人はそう簡単にやられないと思いますよ」
十文字槍「人間無骨」を手にファリン(ka6844)はマリアを励ました。
武徳が狂気の軍に倒されないという理由に強い根拠は無い。
だが、ファリンの直感はそう告げたのだ。
――あの武将は、強い。辺境の戦士にはあまりいないタイプではあるが、力で簡単に倒せる相手には思えなかった。
勘違いかもしれない。
だが、そうだとしても――万一の事があれば、自分が槍を片手に奮戦すれば良いだけだ。
初めて見る東方の城を前に、ファリンはそう考えていた。
「城攻め……いや、寺攻めか。内部工作がカギ、だろうな」
近づいてくる城を前にシグ(ka6949)は、自分にプレッシャーをかける。
内部工作がカギ。つまり、ハンター達が如何に素早く城内への侵入を果たすかが重要なのだ。
そして、そのカギを握る一人が疾影士であるシグ自身である。
シグの働き次第で、武徳の軍の命運は変わる。
(……やってみせる、僕だってハンターなんだ……っ!)
プレッシャーを自身に強くかける事で、己を奮い立たせる。
呼吸と共に小さく震える肩を、気合いで押さえ込む。
「……ついたわ。
私達がどれぐらい早く到着するかで、被害が決まりそうね。急ぎましょう」
筏が着岸し、ハンター達の川下りは終わる。
アティア・ディレン(ka6918)の言葉を受けて、ハンター達は目前の城を見上げた。
あちこちが壊れてはいるが、台地にそびえる巨大な壁。
ハンター達は、今からこの壁へ挑む事になる。
●
情報通り、鳥成川の砦はもぬけの空。
敵影らしい存在は見受けられなかった。
どうやら、事前の情報通り城すべてを護るだけの狂気は存在していないようだ。
それでも警戒を怠る事なく、ハンター達は敵に遭遇するギリギリまで城へ接近する。
「ご主人様はご無事でしょうか……いえ、ご主人様の知略を疑ってはいませんが、ご主人様側の負担が大きい気が致します……」
フィロは、ご主人様――つまり、武徳の身を案じていた。
未だハンター達がトランシーバーの範囲に到達していない為、連絡を取り合う事ができない。
一般人が狂気と戦う事はかなり難儀である事はフィロも知っている。
であれば、武徳も相応の苦戦を強いられているはずだ。
「私もそう思います。ですから、なるべく早く城の南へ向かいましょう。彼らの犠牲が少しでも少なくなるように」
フィロの言葉を受けてマリアは思い返していた。
鳥成川へ向かう前、大霊寺へ向かって行く武徳と部下達。
別働達として別れてしまうマリアは、彼らに祈りを捧げる。おそらくハンター達が到達する前に相応の『犠牲』は出てしまうだろう。
それでも、彼らは戦いを止めない。
マリア達が城内から武徳を引き入れると信じているからだ。
だからこそ、マリア達は取りうる最善な行動でその期待に応えなければならない。
「さて……ここが門ね。
ここまで敵と遭遇する事がなかったという事は、ここから先に敵がいるのは間違いないわね」
アティアの前に現れたのは、大霊寺の門。
鳥成川から運び込んだ物資を城内へ運び込む為の通用門なのだが、それでもハンター達の身長よりも二倍以上の高さがある。
「よしっ! いっちょやってやるか!」
「はい、ロープ。ほなら先導、任せたえ」
花瑠璃はジグにロープを手渡した。
まず、ジグが先行で城内へ潜入。
そこで城門前の敵を排除しながら、ロープを使って花瑠璃を先に引き入れる。城門前の敵を駆逐した後に城門を開いて残る仲間を引き入れる手筈になっている。
「危なくなったら、無理をしてはいけませんよ。城門さえ開けば、私が一気に敵を蹴散らします」
一人先行するジグへ声をかけるファリン。
仲間の身を案じながら、必ずジグが成功すると信じている。
そして、ジグが成功させるからこそ、ファリンは手にした槍でそれに応えなければならない。
ファリンは、そう自分に言い聞かせていた。
「じゃあ、行くぜ」
シグは壁歩きで城壁を登り始めた。
ハンターの身長よりも高い壁とはいえ、壁歩きの前では役に立たない。制限時間一分もあれば、城壁の上へ到達する事は容易い。
壁を登り終え、シグは城壁の上で身を屈める。城門前の敵を確認するためだ。
(浮遊型が3……人型が2。一度に相手するには厄介か)
相手が一体であればシグが奇襲を仕掛けたところであるが、複数となれば無理は禁物。ここは花瑠璃と合流する事が得策だろう。
「あら、もう出番ですの? 壁登りなんて久しぶりやわ」
「急げ。見つかれば厄介だ」
シグは花瑠璃を焦られる。
というのも理由がある。ロープを何処かに結び付けられれば良いのだが、生憎城壁にはそれらしい場所はない。結果的にジグがロープを握って支える他無い。
この状態で万一敵に発見されれば、シグは城壁の上で孤軍奮闘を強いられる。相手には浮遊型もいるのだから、発見されれば集中砲火を受ける事になる。
「急かすなんて、いけずやわぁ」
「冗談言ってる暇はないんだ。……悪いな」
花瑠璃が壁を登る度、シグの手に負荷がかかる。
だが、声を上げることはできない。
「ふぅ、ようやっと登れたわ。
あらぁ、これまぎょうさんいはりますなぁ」
「敵を掃討してから門を開くべきだが、時間がかかりすぎるな。一人が戦う間にみんなを城内へ引き入れよう」
ジグが門に着目する。
門は錠前がなく、閂があるのみ。つまり、閂となっている木材を抜くだけで良い。ピッキングの技術が不要ならば、敵と二人で交戦して消耗するより仲間を引き入れて一気に倒した方が早い。
シグと花瑠璃は、小さく頷く。
そして、一呼吸を置いた後――二人は城壁から飛び降りた。
「!」
突然現れて二人に、驚く狂気の眷属。
一瞬だけ生まれたて隙を、花瑠璃は逃さない。
「消えておくれやす」
陰陽符「降魔結界」で胡蝶符が放たれる。蝶を模した光弾が浮遊型の目玉は突き刺さる。
地面へと転がる目玉。
しかし、花瑠璃は目玉にも目を暮れず、次のターゲットへ目掛けて胡蝶符を発動させていた。
一方、シグの方は敵の目が花瑠璃へ向いている隙に、素早く門の前へと進んで閂を外す。
「よしっ! これで門が開くはずだ」
開かれる城門。
この瞬間を待っていたファリンは、いち早く城へと飛び込んだ。
「推して参ります!」
人間無骨を携えて走るファリン。
人型狂気がこちらに銃を向ける前に、人間無骨の切っ先銃口を弾く。
そして、流れるように切っ先を人型狂気の喉元へ突き刺した。
普通の人間ならこれで即死なのだろうが、相手は狂気。
人型にはなっているが、所詮は集合体。
ファリンは容赦無く突きを数回繰り出して人型狂気へ畳みかける。
「青龍の加護を」
アティアは仲間にレジストをかける。
狂気の影響はハンターでも受ける事がある。事前に狂気を相手にする以上、対策は必要である。アティアは仲間が狂気の影響下にならないよう手を打ってくれた。
続けてアティアはホーリーライトで花瑠璃を援護する。
「あら、援護なんてうれしいわぁ」
「ここで足止めを喰らうわけにはいかないの」
光の弾は浮遊型に命中。
浮遊型は吹き飛ばされ、少し遠くで地面に転がっている。
「ご主人様がお待ちです。障害は排除させていただきます」
残る人型狂気はフィロが対峙していた。
ナックル「セルモクラスィア」で至近距離まで肉薄。
相手が銃を手にした人型狂気である為、至近距離まで近づけば銃の攻撃は当たりにくくなる。
「ここです」
一瞬の隙を突いて、フィロは銃口を握って右側へ強く引いた。
バランスを崩して流される人型狂気。
すれ違い様に叩き込まれるボディブロー。
体を貫くまでには至らなかったが、強烈な一撃は人型狂気を完全に沈黙させた。
「周囲の敵、完全沈黙しました。これより大霊寺南への移動を開始します」
「そうね。あまり時間はかけられないものね。こうしている間にも……」
フィロの言葉を受けてアティアが付け加える。
こうしている間にも武徳の武将達は、狂気を相手に苦戦している。
少しでも急がなければ――。
●
「水野様っ! 水野様、聞こえますか?」
「……お、声が聞こえてきた。これに話せば良いのか? おい、聞こえるぞ」
マリアの手にしていたトランシーバーから声が帰ってきた。
ハンター達は城内を南へ直進する形で進軍。その間、時折襲ってくる狂気の軍を蹴散らしながら進んでいる。
「はい、聞こえます。そちらは無事ですか?」
「うむ。臆する兵士が多いが、大きな痛手にはなっておらん。そちらはどうじゃ?」
「城の大きさから敵は少ないのですが、倒せば倒す程、敵が集まってきます」
マリアはこうしている間にも、傷付いたファリンをヒーリングスフィアで癒していた。 城の全体から考えれば狂気の数は少ないのだろう。だが、六人のハンターが派手に暴れれば暴れる程、敵は何処からか集まってくるのだ。
「それで良い。南の出城から侵入する為には、多少そちらで敵の目を惹き付けて貰う必要がある」
「もう大丈夫。あとは自己治癒で何とかするから。
……それより、水野様。簡単に言って下さいますね」
マリアへ簡単に感謝を述べたファリン。
人間無骨を手にしてクラッシュブロウ。
大きく振り抜かれた槍は、円を描いて眼前の人型狂気を吹き飛ばす。
「少しでも前に進みましょう。ここで足を止めては囲まれるだけです」
アティアはホーリーライトで後衛から目玉を狙い撃つ。
このまま足止めをされては数で敵に圧倒される。少しでも進んで武徳との合流をするべきだと考えているのだ。
「承知しました。進軍を切り拓きます」
フィロは力を溜めて前面へ意識を集中。
集まる敵の群れに向けて青龍翔咬波を放った。
直線上の敵に向けて放たれるマテリアル。複数の敵を巻き込んで攻撃をヒットさせる。 さらに、その後を花瑠璃が続く。
「人気者は辛おすなぁ。せやけど……あんまり近づくと火傷しますえ?」
フィロを後方から支援するように火炎符を放つ。
集まる人型狂気を燃やしながら、確実に進軍路を形成していく。
集まる敵は確かに厄介だが、初の依頼で花瑠璃は自然と高揚しているようだ。
「ま、負けられねぇ! 僕だって、ハンターなんだから!」
シグも仲間に呼応されて前へと出る。
浮遊型を狙って投具「コウモリ」で攻撃。一撃で仕留められなかったとしても問題ない。
重要なのは、味方の進軍路を護る事。
切り拓く仲間達を後方から支援し続けなければ――。
●
「全軍、進めっ!」
南の出城を攻略した武徳の軍は、一気に大霊寺へと雪崩れ込んだ。
ハンター達が奮戦してくれたおかげで、狂気達もかなりの痛手を負っている。
狂気の影響を受けるかもしれないが、後は彼らだけでも駆逐できるだろう。
「ご苦労じゃったな」
一仕事を終えたハンターの前に、武徳は労った。
ハンター達がいなければこうして大霊寺へ来る事もできなかった。
「はい。でも、まだこれからです」
「ほう」
武徳の声を聞くよりも早く、マリアは立ち上がる。
依頼の内容は、あくまでも『大霊寺の奪還』。これから武徳の軍と共に残党を掃討しなければならない。
「北から進軍で多くの敵と交戦した。すべて撃破できた訳じゃないが、結構倒せたはずだ」
シグも肩で息をしている。
試作光斬刀「MURASAMEブレイド」を振るって駆逐に貢献はしているが、すべての狂気を倒せてはいない。
「ご主人様。ご命令通り到着致しました。このまま軍の怪我人を応急手当致します」
「何やら面白いハンターもおるようじゃな。頼むぞ」
フィロは武徳へ小さく会釈。
怪我人が多数治療を受けている南の出城へと向かっていった。
「怪我人は後方だけじゃないわ。敵を掃討する者達を助けます」
「せやな。ほな、うちもいかせていただきます」
アティアと花瑠璃は城内で掃討する軍の者達の元へと向かう。
敵の掃討と同時に軍の兵士まで気遣う点が、武徳にとって好印象のようだ。
「水野様、私達もいきましょ。最後まで気を抜いてはいけません」
「はい。怪我をされたら、治療して差し上げます」
ファリンとマリアが武徳との共闘を申し出た。
まだ経験の浅いハンターと聞いていたが、心意気は負けない。
その姿勢に、武徳はますますハンターが気に入っていた。
「良かろう。わしの知略を見せてしんぜよう」
かつては歪虚に攻め落とされた城とも称すべき寺院。
周囲の民を加護し、歪虚の攻撃を凌ぎ続けた拠点。
今は歪虚に攻め落とされて廃墟と化した大霊寺ではあるが、今再びこの城を攻める者達がいた。
他ならぬ、詩天の武将達である。
「臆するな! 進めっ!」
水野武徳(kz0196)の配下が大霊寺の南にある出城へ攻撃を仕掛ける。
既に情報で狂気の眷属が特殊な能力を持っている事は知っている。武徳は部下達へ単独で前進しないように指示している。
攻めるべきは――別働隊の作戦が成功してからだ。
「頼むぞ、ハンター達よ」
武徳の手にはトランシーバー。
詩天の者として触れるのも初めての機械を手に、武徳はただ待ち続けていた。
●
鳥成川の上流から流れる一艘の筏。
大木の束を水流が押し流し、大木の上に乗ったハンター達を大霊寺へと運んでいく。
「最初に1番の困難が……すみません。踏まれても構いませんので、筏の真ん中で俯せになっていてもよろしいでしょうか?」
フィロ(ka6966)は、そう言って筏の上で横になっていた。
ガードマン兼用のメイド型オートマトンではあるが、木切れを自重で踏み抜く事がある為に敢えて横になって筏の安定に気を配る。
他のハンター達が乗る筏を転覆させれば、武徳の作戦にも支障が出てしまう。
「はぁ、えらい難儀されてますなぁ。
それにしても……城攻めなんて、うち初めてやわぁ。どんな戦いになるのか、なんや楽しみになってきたわぁ」
フィロの苦労を案じながら、花瑠璃(ka6989)は大霊寺の攻略に胸を躍らせていた。
ハンターとして初めての参加した依頼だ。
この戦いが今後のハンター人生の始まり。戦いの前に胸が躍るというのもやや不謹慎な気もするが、これからの待っているであろう出来事に期待するのは無理からぬ事だ。
そして、その傍らにいるマリア(ka6586)はやや心配そうな面持ちだ。
「水野様は大丈夫でしょうか」
手に握られているのはトランシーバー。
実は武徳にトランシーバーを手渡したのはマリアだった。このトランシーバーを通じて南の出城を責める武徳と連携する手筈となっていた。しかし、トランシーバーが通じる範囲は500メートル。
武徳との距離が範囲内に入るまでは通信を取る事ができない。
通信機器があるからこそ、遠い地にいる者を案じるのは自然な事だろう。
「大丈夫ですよ! いざとなれば花火を上げますから。それに、あの人はそう簡単にやられないと思いますよ」
十文字槍「人間無骨」を手にファリン(ka6844)はマリアを励ました。
武徳が狂気の軍に倒されないという理由に強い根拠は無い。
だが、ファリンの直感はそう告げたのだ。
――あの武将は、強い。辺境の戦士にはあまりいないタイプではあるが、力で簡単に倒せる相手には思えなかった。
勘違いかもしれない。
だが、そうだとしても――万一の事があれば、自分が槍を片手に奮戦すれば良いだけだ。
初めて見る東方の城を前に、ファリンはそう考えていた。
「城攻め……いや、寺攻めか。内部工作がカギ、だろうな」
近づいてくる城を前にシグ(ka6949)は、自分にプレッシャーをかける。
内部工作がカギ。つまり、ハンター達が如何に素早く城内への侵入を果たすかが重要なのだ。
そして、そのカギを握る一人が疾影士であるシグ自身である。
シグの働き次第で、武徳の軍の命運は変わる。
(……やってみせる、僕だってハンターなんだ……っ!)
プレッシャーを自身に強くかける事で、己を奮い立たせる。
呼吸と共に小さく震える肩を、気合いで押さえ込む。
「……ついたわ。
私達がどれぐらい早く到着するかで、被害が決まりそうね。急ぎましょう」
筏が着岸し、ハンター達の川下りは終わる。
アティア・ディレン(ka6918)の言葉を受けて、ハンター達は目前の城を見上げた。
あちこちが壊れてはいるが、台地にそびえる巨大な壁。
ハンター達は、今からこの壁へ挑む事になる。
●
情報通り、鳥成川の砦はもぬけの空。
敵影らしい存在は見受けられなかった。
どうやら、事前の情報通り城すべてを護るだけの狂気は存在していないようだ。
それでも警戒を怠る事なく、ハンター達は敵に遭遇するギリギリまで城へ接近する。
「ご主人様はご無事でしょうか……いえ、ご主人様の知略を疑ってはいませんが、ご主人様側の負担が大きい気が致します……」
フィロは、ご主人様――つまり、武徳の身を案じていた。
未だハンター達がトランシーバーの範囲に到達していない為、連絡を取り合う事ができない。
一般人が狂気と戦う事はかなり難儀である事はフィロも知っている。
であれば、武徳も相応の苦戦を強いられているはずだ。
「私もそう思います。ですから、なるべく早く城の南へ向かいましょう。彼らの犠牲が少しでも少なくなるように」
フィロの言葉を受けてマリアは思い返していた。
鳥成川へ向かう前、大霊寺へ向かって行く武徳と部下達。
別働達として別れてしまうマリアは、彼らに祈りを捧げる。おそらくハンター達が到達する前に相応の『犠牲』は出てしまうだろう。
それでも、彼らは戦いを止めない。
マリア達が城内から武徳を引き入れると信じているからだ。
だからこそ、マリア達は取りうる最善な行動でその期待に応えなければならない。
「さて……ここが門ね。
ここまで敵と遭遇する事がなかったという事は、ここから先に敵がいるのは間違いないわね」
アティアの前に現れたのは、大霊寺の門。
鳥成川から運び込んだ物資を城内へ運び込む為の通用門なのだが、それでもハンター達の身長よりも二倍以上の高さがある。
「よしっ! いっちょやってやるか!」
「はい、ロープ。ほなら先導、任せたえ」
花瑠璃はジグにロープを手渡した。
まず、ジグが先行で城内へ潜入。
そこで城門前の敵を排除しながら、ロープを使って花瑠璃を先に引き入れる。城門前の敵を駆逐した後に城門を開いて残る仲間を引き入れる手筈になっている。
「危なくなったら、無理をしてはいけませんよ。城門さえ開けば、私が一気に敵を蹴散らします」
一人先行するジグへ声をかけるファリン。
仲間の身を案じながら、必ずジグが成功すると信じている。
そして、ジグが成功させるからこそ、ファリンは手にした槍でそれに応えなければならない。
ファリンは、そう自分に言い聞かせていた。
「じゃあ、行くぜ」
シグは壁歩きで城壁を登り始めた。
ハンターの身長よりも高い壁とはいえ、壁歩きの前では役に立たない。制限時間一分もあれば、城壁の上へ到達する事は容易い。
壁を登り終え、シグは城壁の上で身を屈める。城門前の敵を確認するためだ。
(浮遊型が3……人型が2。一度に相手するには厄介か)
相手が一体であればシグが奇襲を仕掛けたところであるが、複数となれば無理は禁物。ここは花瑠璃と合流する事が得策だろう。
「あら、もう出番ですの? 壁登りなんて久しぶりやわ」
「急げ。見つかれば厄介だ」
シグは花瑠璃を焦られる。
というのも理由がある。ロープを何処かに結び付けられれば良いのだが、生憎城壁にはそれらしい場所はない。結果的にジグがロープを握って支える他無い。
この状態で万一敵に発見されれば、シグは城壁の上で孤軍奮闘を強いられる。相手には浮遊型もいるのだから、発見されれば集中砲火を受ける事になる。
「急かすなんて、いけずやわぁ」
「冗談言ってる暇はないんだ。……悪いな」
花瑠璃が壁を登る度、シグの手に負荷がかかる。
だが、声を上げることはできない。
「ふぅ、ようやっと登れたわ。
あらぁ、これまぎょうさんいはりますなぁ」
「敵を掃討してから門を開くべきだが、時間がかかりすぎるな。一人が戦う間にみんなを城内へ引き入れよう」
ジグが門に着目する。
門は錠前がなく、閂があるのみ。つまり、閂となっている木材を抜くだけで良い。ピッキングの技術が不要ならば、敵と二人で交戦して消耗するより仲間を引き入れて一気に倒した方が早い。
シグと花瑠璃は、小さく頷く。
そして、一呼吸を置いた後――二人は城壁から飛び降りた。
「!」
突然現れて二人に、驚く狂気の眷属。
一瞬だけ生まれたて隙を、花瑠璃は逃さない。
「消えておくれやす」
陰陽符「降魔結界」で胡蝶符が放たれる。蝶を模した光弾が浮遊型の目玉は突き刺さる。
地面へと転がる目玉。
しかし、花瑠璃は目玉にも目を暮れず、次のターゲットへ目掛けて胡蝶符を発動させていた。
一方、シグの方は敵の目が花瑠璃へ向いている隙に、素早く門の前へと進んで閂を外す。
「よしっ! これで門が開くはずだ」
開かれる城門。
この瞬間を待っていたファリンは、いち早く城へと飛び込んだ。
「推して参ります!」
人間無骨を携えて走るファリン。
人型狂気がこちらに銃を向ける前に、人間無骨の切っ先銃口を弾く。
そして、流れるように切っ先を人型狂気の喉元へ突き刺した。
普通の人間ならこれで即死なのだろうが、相手は狂気。
人型にはなっているが、所詮は集合体。
ファリンは容赦無く突きを数回繰り出して人型狂気へ畳みかける。
「青龍の加護を」
アティアは仲間にレジストをかける。
狂気の影響はハンターでも受ける事がある。事前に狂気を相手にする以上、対策は必要である。アティアは仲間が狂気の影響下にならないよう手を打ってくれた。
続けてアティアはホーリーライトで花瑠璃を援護する。
「あら、援護なんてうれしいわぁ」
「ここで足止めを喰らうわけにはいかないの」
光の弾は浮遊型に命中。
浮遊型は吹き飛ばされ、少し遠くで地面に転がっている。
「ご主人様がお待ちです。障害は排除させていただきます」
残る人型狂気はフィロが対峙していた。
ナックル「セルモクラスィア」で至近距離まで肉薄。
相手が銃を手にした人型狂気である為、至近距離まで近づけば銃の攻撃は当たりにくくなる。
「ここです」
一瞬の隙を突いて、フィロは銃口を握って右側へ強く引いた。
バランスを崩して流される人型狂気。
すれ違い様に叩き込まれるボディブロー。
体を貫くまでには至らなかったが、強烈な一撃は人型狂気を完全に沈黙させた。
「周囲の敵、完全沈黙しました。これより大霊寺南への移動を開始します」
「そうね。あまり時間はかけられないものね。こうしている間にも……」
フィロの言葉を受けてアティアが付け加える。
こうしている間にも武徳の武将達は、狂気を相手に苦戦している。
少しでも急がなければ――。
●
「水野様っ! 水野様、聞こえますか?」
「……お、声が聞こえてきた。これに話せば良いのか? おい、聞こえるぞ」
マリアの手にしていたトランシーバーから声が帰ってきた。
ハンター達は城内を南へ直進する形で進軍。その間、時折襲ってくる狂気の軍を蹴散らしながら進んでいる。
「はい、聞こえます。そちらは無事ですか?」
「うむ。臆する兵士が多いが、大きな痛手にはなっておらん。そちらはどうじゃ?」
「城の大きさから敵は少ないのですが、倒せば倒す程、敵が集まってきます」
マリアはこうしている間にも、傷付いたファリンをヒーリングスフィアで癒していた。 城の全体から考えれば狂気の数は少ないのだろう。だが、六人のハンターが派手に暴れれば暴れる程、敵は何処からか集まってくるのだ。
「それで良い。南の出城から侵入する為には、多少そちらで敵の目を惹き付けて貰う必要がある」
「もう大丈夫。あとは自己治癒で何とかするから。
……それより、水野様。簡単に言って下さいますね」
マリアへ簡単に感謝を述べたファリン。
人間無骨を手にしてクラッシュブロウ。
大きく振り抜かれた槍は、円を描いて眼前の人型狂気を吹き飛ばす。
「少しでも前に進みましょう。ここで足を止めては囲まれるだけです」
アティアはホーリーライトで後衛から目玉を狙い撃つ。
このまま足止めをされては数で敵に圧倒される。少しでも進んで武徳との合流をするべきだと考えているのだ。
「承知しました。進軍を切り拓きます」
フィロは力を溜めて前面へ意識を集中。
集まる敵の群れに向けて青龍翔咬波を放った。
直線上の敵に向けて放たれるマテリアル。複数の敵を巻き込んで攻撃をヒットさせる。 さらに、その後を花瑠璃が続く。
「人気者は辛おすなぁ。せやけど……あんまり近づくと火傷しますえ?」
フィロを後方から支援するように火炎符を放つ。
集まる人型狂気を燃やしながら、確実に進軍路を形成していく。
集まる敵は確かに厄介だが、初の依頼で花瑠璃は自然と高揚しているようだ。
「ま、負けられねぇ! 僕だって、ハンターなんだから!」
シグも仲間に呼応されて前へと出る。
浮遊型を狙って投具「コウモリ」で攻撃。一撃で仕留められなかったとしても問題ない。
重要なのは、味方の進軍路を護る事。
切り拓く仲間達を後方から支援し続けなければ――。
●
「全軍、進めっ!」
南の出城を攻略した武徳の軍は、一気に大霊寺へと雪崩れ込んだ。
ハンター達が奮戦してくれたおかげで、狂気達もかなりの痛手を負っている。
狂気の影響を受けるかもしれないが、後は彼らだけでも駆逐できるだろう。
「ご苦労じゃったな」
一仕事を終えたハンターの前に、武徳は労った。
ハンター達がいなければこうして大霊寺へ来る事もできなかった。
「はい。でも、まだこれからです」
「ほう」
武徳の声を聞くよりも早く、マリアは立ち上がる。
依頼の内容は、あくまでも『大霊寺の奪還』。これから武徳の軍と共に残党を掃討しなければならない。
「北から進軍で多くの敵と交戦した。すべて撃破できた訳じゃないが、結構倒せたはずだ」
シグも肩で息をしている。
試作光斬刀「MURASAMEブレイド」を振るって駆逐に貢献はしているが、すべての狂気を倒せてはいない。
「ご主人様。ご命令通り到着致しました。このまま軍の怪我人を応急手当致します」
「何やら面白いハンターもおるようじゃな。頼むぞ」
フィロは武徳へ小さく会釈。
怪我人が多数治療を受けている南の出城へと向かっていった。
「怪我人は後方だけじゃないわ。敵を掃討する者達を助けます」
「せやな。ほな、うちもいかせていただきます」
アティアと花瑠璃は城内で掃討する軍の者達の元へと向かう。
敵の掃討と同時に軍の兵士まで気遣う点が、武徳にとって好印象のようだ。
「水野様、私達もいきましょ。最後まで気を抜いてはいけません」
「はい。怪我をされたら、治療して差し上げます」
ファリンとマリアが武徳との共闘を申し出た。
まだ経験の浅いハンターと聞いていたが、心意気は負けない。
その姿勢に、武徳はますますハンターが気に入っていた。
「良かろう。わしの知略を見せてしんぜよう」
依頼結果
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マテリアルリンク参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/09/11 20:07:04 |
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奪還作戦相談卓 シグ(ka6949) オートマトン|15才|男性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2017/09/13 15:04:13 |