• 陶曲

【陶曲】ポカラ駐屯地の大樹歪虚

マスター:深夜真世

シナリオ形態
ショート
難易度
難しい
オプション
  • relation
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
5~10人
サポート
0~0人
マテリアルリンク
報酬
多め
相談期間
5日
締切
2017/09/22 07:30
完成日
2017/10/06 01:59

このシナリオは5日間納期が延長されています。

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング

 ここは同盟領のどこか。「ポカラ」と呼ばれた村のあった地域。

「畜生ーーーっ!」
 ポカラに駐屯していた義勇隊の一人、キアンが叫び声をあげて可変魔道アーマー「ビルドムーバー」を操縦する。魔道トラック形態に変形したビルドムーバーは、ごごごと空中を近付きつつある大樹歪虚を背後にとにかく加速。
「……ここを歪虚に追われた村人に留守を託されたのに……」
 近くには義勇隊リーダーのモータルもいる。同じくビルドムーバー魔道トラック形態で退避している。

 空から迫りくる大樹歪虚は、攻撃はしてこない。
 ここに到達するまでハンターの駆るCAMなどの攻撃を受けていたが特に問題にもしていなかった。十六メートル立方強ある、横に枝を広く張ったカリフラワーやブロッコリーといったシルエットの横に枝を張った大樹で、散発的な攻撃はものともしない質量を前面に強引に進軍して来た。
 結果、総員退避。
 大樹歪虚に対抗するため呼び寄せたハンターたちも一緒だ。
 ハンターたちは先に、大樹歪虚が空に大カブトムシ歪虚を、地上に大幼虫歪虚を落としてきたのでこれと交戦していた。大幼虫歪虚は地表に潜り駐屯地を目指し、大カブトムシ歪虚は空から酸の雨を降らせながらこれを援護した。地表をはがさないと攻撃が通らないなどの事情から時間を食ったが、ワイバーンやグリフォンなどの航空戦力と命中炸裂するカノン砲などの運用、そして高速移動を駆使して幼虫歪虚の侵攻を阻止。カブトムシも空陸からの攻撃ですべて退治した。
 とはいえ、大樹歪虚との連戦には耐えられないと判断した。
 何より、駐屯する義勇隊の大半は一般人だ。最初にポカラ村が大型歪虚に壊滅的ダメージを受けた時も人命救助を優先した。今回もそれに習い、犠牲者はいなかった。
 退避する人々の背後で、大樹歪虚は廃墟と化した跡地に新たに建てた宿舎を押しつぶすように着地。根をうねうねと動かし大地を裂き、しっかりと根付くのだった。


 後日。
「……何やってやがんだ?」
 ポカラ駐屯地の大樹歪虚から十分距離の離れた丘に隠れ双眼鏡を覗いていたキアンが呟いた。
「どうした? 何か動きがあったか?」
 後ろからモータルがやって来てキアンの横にうつぶせになる。キアン、双眼鏡を手渡してきた。
 受け取り覗くと、大樹歪虚がしきりに全体の枝を揺らしていた。
「分からんが、根っこと大地も揺れてやがる。やっぱりこの村の地下に何かあるんじゃないか?」
「村人も知らなかった何か、か……。大ミミズ歪虚が新たに加わってるから地下で何かやってるのは間違いないな」
 モータルの言う通り、ここ数日で森から敵が合流していた。
 先の大幼虫歪虚のように地表を盛り上げつつ、体長二十メートルはあろうかという大ミミズ歪虚が森からやって来ていた。おかげで森と駐屯地の間は大地がみみず腫れのように大地が一直線に盛り上がっていた。
 さらに空中からは大ゼミ歪虚数匹も。

 ちなみに、最初にポカラ村が浮遊型大艦巨砲歪虚「パルサラス」と空中高速戦闘歪虚「ブラブロ」に滅ぼされたとき、人的被害はそっちのけで建物の破壊を優先していた。
 今回、それらより巨大な大樹歪虚は地下に根を伸ばし掘り起こしつつ作業している。
 並べてみると理にかなった侵攻であると分かる。
 もちろん何をやっているかは分からないが。

「このまま放置はしないんだろ?」
 キアンが聞いてくる。
「俺たちとしては当然。魔術師協会広報室の意思も同じと確認している」
 双眼鏡を覗いたまま答えるモータル。
「あれ、こっちには来ないんだよな?」
「一応。前回のパルサラスもそうだったし。……もっとも、護衛が動き回るからこれ以上は近付けないけどね」
「もしいま、こっちに来たらどうすんだ?」
 ビルドムーバーだけじゃどうにもならんだろ、とキアン。
「来たら逃げて報告」
「いつまでこうしてりゃいいんだ?」
「魔術師協会広報室がいいというまで」
 明らかにキアン、イライラしていた。
「敵は大ミミズ歪虚でこっちの南側も大地を掘り起こしてぽこぽこにしてるじゃないか!」
 理由は彼の言う通りで、逆に歪虚たちが着実に守りを固めていた。
 もう、こちらから攻めようとすればぼこりと隆起したミミズ腫れの大地を行かなくてはならない。魔道トラックなどでは非常に接近困難となっていた。
「加えてあの隆起、中を定期的にミミズが通って警戒している。たまに顔を出して石つぶてを吐き出してるね」
 攻撃のためのものでもある、とモータル。そのおかげで大セミ歪虚も遠くまで飛ばないようだ。
「おい! どんどん奪還の難易度が上がってるじゃないか!」
「あっ!」
 キアンがキレた時、変化があった。
「大樹歪虚が一瞬、浮いた……」
「何……あっ!」
 キアンは双眼鏡はないが、肉眼でもはっきりわかった。
 飛び立とうとしているのか、しきりに上下しているのだ。
「この動きはまさか……」
「なんか掘り出そうとしてる動きだよな?」
 二人の見解が一致した。
 つまり、掘り出すべき何かを掘り当てた、と言っていい。
「よし。大急ぎで魔術師協会に連絡だ」

 こうしてハンターが再び呼ばれることとなる。


 後の話になるが、到着したハンターたちはちょうど目の当たりにすることになる。
 村の地下から、まるで墓地から蘇る死体のようにぼこりと白い巨大な腕が出てきて、ぐっと大地に手の平をついて起き上がるところをッ!
 それは腕だけの存在で、長さは約三十メートルあった。
 魔術師協会の者によると、以前に発見された歪虚「嫉妬王ラルヴァ」の腕と同じものだという。

リプレイ本文


「モータル、どうなった?!」
「舞さん! 今は小康状態だけど……」
 現場に到着した天竜寺 舞(ka0377)に現地で監視を続けていたモータルが返す。
 彼らの前には崩壊した旧ポカラ村があった。
「ビルドムーバーは生産中止で、守ってた場所はこれかよ……ひでぇな」
 レオーネ・インヴェトーレ(ka1441)が眉を顰めるのも無理はない。
 以前彼女がここに来た時はまだ森からの歪虚を撃退していた時だ。
 それが、跡地に建てた駐屯地宿舎は姿かたちもなく、中央にでーんと大樹歪虚が座していたのだから。
「今回であの大樹を撃破出来るといいですが…。前回は撤退することになりましたけども…」
「あれか? これはまたケッタイな絵じゃのー」
 サクラ・エルフリード(ka2598)が騎士らしい立ち姿で見る横で、ディヤー・A・バトロス(ka5743)が手をひさしにしてじっくりと鑑賞。
「わあっ、虫さんウジャウジャで地面はぼこぼこです!」
 ルンルン・リリカル・秋桜(ka5784)も手をひさしにして少しつま先立ち。
「なんだか絵本の挿絵っぽい。こっちに来る気はないのかな?」
「塹壕を巡らせた要塞という感じですかね」
 夢路 まよい(ka1328)が絵本はメルヘンな絵を連想した模様。その隣でドイツ系移民コロニー出身のハンス・ラインフェルト(ka6750)がぽそり。
「そういえばこの子に初めて名前をつけたのがブラブロを相手取ったとき……そう、この場所でしたね」
 リラ(ka5679)は横に立つ愛機、R7エクスシア「プリネラ」(ka5679unit002) の脚部に手を添えながら感傷に浸る。その時には村は壊滅していたが、そこからさらに姿が変わっている。
「嫉妬王ラルヴァの腕が掘り起こされた、と聞きました」
 フェリア(ka2870)がモータルの方を向いた。
「ええと……周りを掘り起こした土で隠れて見えませんけど、間違いなくその中にあります」
「フェリアよ。宜しくお願いするわ」
 初対面のモータルが顔を見る。それに微笑して、また大樹歪虚の方を向く。
 確かに村の周りに土を盛り土塁にしているので根元は見えない。
「どんなのだった?」
「白くて大きかったです。魔術師協会によると大きさは三十メートル程度。それ自体は動かないようですが、出てきた時は根っこが絡んで、まるで動いているように見えましたけど」
 聞いた舞に詳しく話すモータル。
「へっへーん、歪虚王の腕とか燃えて来たじゃーん。死にそうで」
 そう言ったのは、ゾファル・G・初火(ka4407)。
「まったくだ。死にそうにヤバいぜ」
 モータルの仲間でならず者のキアンが似たような表現をする。もちろん別に死にたいわけではない。
「ああっ!」
 ここでまよいのわくわくした声。足はやっぱりつま先立ち。
「動きましたね」
 冷たく言い放つハンス。片手が腰の大剣の柄に掛かる。
「浮く…みたいですね」
 サクラの呟き。引き結ばれる口元。
「あれが腕じゃの?」
 ディヤーが目を細めた。
 リラとフェリアも改めて見遣る。
 大樹歪虚がごごごと空に浮く姿を。
 大地から引き抜いた根っこの束の間にある、白く長いものを。長さ、約二十メートル。
「持ち逃げする気か?」
 レオーネの叫び。攻めて来る感じは全くない。
「持ち逃げなんてさせません!」
 ルンルン、背後のニンタンク『大輪牡丹』(刻令ゴーレム「Volcanius」)(ka5784unit002)を振り返る。
「ワイバーン、行きましょう…」
 大樹を睨み気合を入れたサクラ、ワイバーン(ka2598unit005)に跨る。
「この前は見逃してあげたけど、今度は逃がさないんだからね!」
「参ります」
 まよいがイケロス(グリフォン)(ka1328unit002) の背に飛び乗る。フェリアもグリフォン(ka2870unit002)に騎乗し空へ。
「整備で出遅れた借りは返して見せるぜ…あいつらのためにもな!」
 レオーネ、駐屯隊の使っていた可変魔道アーマー「ビルドムーバー」を振り向いてから渡り鳥の騎士(魔導アーマー「プラヴァー」)(ka1441unit002) に搭乗。
「あれを持っていかれる訳にはいかない。こないだのリベンジも込めて絶対阻止するからね!」
 舞は任せろとばかりにモータルへサムズアップしてから弁慶(魔導型デュミナス)(ka0377unit001)に乗り込んだ。
「久しぶりに一緒に出掛けられてうれしいですよ、シュネーハーゼ」
 味方が飛び立ち大地を行く中、ハンスはシュネーハーゼ(ユキウサギ)(ka6750unit001)を抱きゴースロン種の馬にまたがる。
「……さあ、血風漂う楽しい時間の始まりです」
 言うや否や、拍車を掛けて馬を走らせる。
 その向こうをルンルンが駆けニンタンク『大輪牡丹』が行く。さらに向こうにはディヤーのジャウハラ(R7エクスシア)(ka5743unit001) が、リラのプリネラの姿が。
 そしてハンスの手前にゾファルの伐折羅大将(魔導型ドミニオン)(ka4407unit003)の雄々しき姿が猛然と。
 モータルたちを残し全員、突撃する!



 空を一直線に急ぐのは、まよいのグリフォン「イケロス」、サクラのワイバーンにフェリアのグリフォン。
 敵はこちらを警戒していたようで、ほぼ同時に大樹歪虚から大カブトムシ歪虚が飛び立ち向かってきた。
「前みたいに蹴散らしちゃうんだから!」
「まずは邪魔者の撃破です…」
 これにまよい、サクラが迷いなく突っ込んでいく。前回の対戦で勝手は分かる。
 が、下から何かを食らった!
「わわっ。イケロス、大丈夫?」
「……今回は対空砲付きですか」
 下には大ミミズ二匹が土のふくらみから顔を出しつぶてを吐き出していた。
 さらにここへカブトムシ歪虚の突撃!
「空からも来てます」
 後ろに付けていたフェリアが二人を割って前に出る。グリフォンにクイックノックで暴れさせ敵のルートを変えさせる。
「やりますね?」
 サクラは手綱を引き滞空。さらに突っ込んでくる新手のカブトムシ歪虚に正対する。
「盾はワイバーンに任せて私は攻撃を…。一本投げてもまだもう一本あるのです…」
 ワイバーンに獣機銃「シエージュR4」を撃たせ突っ込み速度が落ちたところに霊槍「グングニル」投擲。さらに絶火槍「クルヴェナル」を構えさらに後方の一匹に投げた!
 どちらも戻ってくる槍で、これぞ投擲ニ槍流。
 投げて受けてと忙しくなる。
 この隙に先に行ったまよいのイケロスはさらに多くの敵に行く手を阻まれていた。
 大樹から飛び立った大セミ歪虚である。
「今度はおっきなセミだー。……でも邪魔な雑魚は燃やしちゃう」
 錬金杖「ヴァイザースタッフ」を振るってファイアーボール。火球が飛んでいき弾けるが、空中だと広く展開しているのであまり巻き込めない。
「うわっ……これだからセミは嫌だよー」
 セミ歪虚、突撃してくるのではなく旋回して酸のおしっこを振りまいて来た。
 まよいとしては大樹歪虚に突っ込むだけである。

 この時、地上部隊。
「マズハめめず退治からじゃん!」
「聞こえるか? マテリアルレーダーでミミズは二体確認。地面の盛り上がりの通りだ。事前情報だと三体はいるらしいから注意してくれ」
 ゾファルの通信とレオーネの通信。共存しているのはレオーネの連結通信による。ミミズはどちらも約二十メートルの反応だ。
「じゃ、右に当たるよ!」
 舞のデュミナス「弁慶」がスナイパーライフルを構え遠目から牽制射撃。もこもこ盛り上がる地面目掛けバシバシ当てていく。ダメージが通らないのは百も承知だ。
 一方、レオーネ。
「分かれたんなら仕方ない……いくぜ、魔導エンジン出力最大!」
 叫んだ瞬間、白き機体「トゥルー・プラヴァー」の踵部ローラーが唸りをあげる……だけではない!
 足元で弾いた石つぶてや草の散る中、余剰オーラが光の翼のように広がり一気に加速。
 距離を詰め移動中の土の中にランスカノン「メテオール」をぶっ刺す!
 ――ごぼっ……どうっ!
「うわっ!」
 刺さって土から出て来た大ミミズから対空砲を食らう。威力は絶大で盾で防いでも吹っ飛ばされた。
 そしてゾファル。
「このおっ!」
 舞の牽制射撃の中、ついに大ミミズが顔を出した。空を狙っているぞ?
「おっ、出てきたじゃん!」
 ここへ、ゾファルのドミニオン「伐折羅大将」。スラスターで足から突っ込んできている!
「こいつは基本ドノーマルだが……」
 どしいっ、とレッグラリアートが鎌首に入る。衝撃で大将も横にふらつくが、それは織り込み済み。
「マテリアル格闘武器鬼積みの魔導ボクシングドミじゃん!」
 右に流れた機体をコントロールして、そこから右腕のビームクロー「ウーニャシーカ」でぶっ刺し。
 だけではない。同時に右肩部のショルダーアーマーにマウントしたクイックライフル「ウッドペッカー」からマテリアルビームの光条が伸びた!
 ――すたっ。
 近接乱打した大将、大地に着地。
 これが、魔導拳闘ドミニオン!
「ほいほい、どこ見てんだ。俺様ちゃんはこっちじゃん。さあさあさあ、ハリーハリー」
 さらにオラついてずんどこ挑発。
 が、敵は地中に逃げた。ごごごとしばらく地中を行ってから顔を出し、逃げられ振り上げた拳の落としどころを失っていた大将に対空砲水平発射。手痛いしっぺ返しを食らう。敵、自らの戦闘エリアをわきまえているようで。
 ところが。
「援護射撃だけだと思わないことっ!」
 舞の弁慶がスラスターでそこを狙っていた!
 大将の方を向いていた鎌首に魔導鋸槍「ドレーウング」をノーモーションでぶち込む。
 さすがにのたうつ大ミミズ。
「俺様ちゃんがそのままのんびりしてるワケないじゃん!」
 ゾファルも大将のスラスターで到着。またも魔導拳闘殺法を見せる。今度は同装備の左腕だ。ビームクローと連動したウッドペッカーももちろん光る!
「こんなに大きいと釣りの餌にもなりゃしない!」
 舞のほうも回転鋸を唸らせる。細切れにする勢いだ。

 この時、もう一方のミミズでは。
「地面ごと斬るつもりでしたがね」
 ハンス、ゴースロン馬に乗ってここまで来ていた。
 手には大剣「獄門刀」。すでに刃は十分赤熱している。横にはレオーネを砲撃した大ミミズの鎌首。
「空間まるごと狙います」
 ずぱっ、と横薙ぎに次元斬。えぐられエビぞりにのたうつ大ミミズ。
 が、そのままハンスは走り去る。
「あくまで行きがけの駄賃ですよ」
 そしてレオーネ。
「『渡り鳥』がこれくらいで墜ちるかぁ!」
 吹っ飛ばされていたが姿勢制御し踵でがががと地面を削りつつ何とか止まる。直後、ぼふんと再び余剰オーラが光の翼が現れ車輪が唸る!
 ぎゃる、と軸線を外す。敵の追撃を避けるためだが、実はハンスの攻撃で敵はそれどころではない。
 レオーネの一連の流れはさらに続く。
「プラヴァーの戦い、見せてやるぜ!」
 ショルダーのクイックライフル「ウッドペッカー」のマテリアルビームが火を噴く。さらに手にしたランスカノン「メテオール」を斉射。
 一撃離脱してから見事な手数を見せる。

 時は遡り、突撃直後。
「こんな時の為に大輪牡丹ちゃんの大砲と足回りを強化してきたんだから……いわば対歪虚王用秘密兵器スーパーニンタンク『大輪牡丹X』ちゃんです!」
 ルンルン、ゴーレムの大輪牡丹と一緒に前進している。
 そして浮いた大樹歪虚の根に白い腕を視認。
 同時にびしっと右手で指差し構えた左腕に装着はしていないが腕時計に話し掛けるようなしぐさで命令だ!
「撃ち砕け大輪牡丹ちゃん! あの腕目掛けて連続砲撃です」
 どーん、と単発式長射程カノン砲「スフィーダ99」が雄たけびを上げる。
 放物線を描き着弾した白い腕らしきものの表面がぼろっ、と崩れる。その下も白い。
 が、耐久性はかなりありそうで。
「もっと近くからどんどん撃っちゃいます」
 逃げるのだから追う。ルンルン、さらに前進。
 この時。
「え? カブトムシが突破した?」
 ルンルンのちょっと前にいるリラが友人のフェリアから報告を受けていた。
 リラの動きとリンクするように見上げるプリネラ。機械の瞳が光る。
「先にカブトムシを何とかしましょう!」
 グリフォンに乗ったフェリアが戻ってきつつ友を呼ぶ。
 フェリアの前にはカブトムシ歪虚数匹。
「うん。分かった」
 リラ、先に急がずここで迎え撃つ。後ろには仲間がいるのだから。
「うむー……ルンルン殿のゴーレムを放置はできまい」
 近くにはディヤーのエクスシア「ジャウハラ」もいた。
「まよい殿はどうじゃ?」
「セミが出てきた―」
 タクティカルヘッドセットで最前線のまよいに通信すると無邪気な……こほん、無事健在と分かる明るい声。どうやら別の敵に当たるようだ。
「ふむぅ、蝉取りか。であればこちらはばらまくのみじゃ!」
 ジャウハラ、腰溜めに構えたガトリングガン「エヴェクサブトスT7」を空に向かってぶっ放す。ちなみにジャウハラの機体にはゴールドやジュエル的な装飾が多々飾られているが、こちらもやはりちりばめられている。
「ディヤーさんがそちらなら私は!」
 リラのエクスシア「プリネラ」はマテリアルライフルで対空射撃。薄紅色のプリネラとゴージャスなジャウハラの並ぶ姿はエクスシアの優美な造形も相まってなかなかラグジュアリーである。
 この時、カブトムシを追うフェリア。
「頼りにしています」
 グリフォンにつかまり身を低くし、背を撫でて身を委ねる。
 期待にこたえ友軍の射線がくる中チェイスを続け、カブトムシが横に逸れたところを最短距離で追い付く!
「ここです!」
 獣爪「フローズ」で狙わせた。
 グリフォンの爪でえぐられたカブトムシ、ぐらっと高度を下げる。
「今よ、リラ!」
「フェリアさん……接近戦は得意です!」
 空から呼ぶフェリアに呼応し、リラのプリネラが青龍翔咬波で一気に間合いを詰めナックル「ブレイクフィスト」の拳で砕く!
 どしっ、とプリネラが着地しカブトムシが墜落した時。
「今ニンジャの神を呼ぶ……」
 背後でルンルンの声がする。そう言えば彼女も大輪牡丹も静かだったが。
「出でよニンキャノン、ニンダム……ヴォルカノスを守っちゃうV作戦発動なのです」
 これぞ大量の符消費時代。
 巻き上がる符の数々が消え、ぼふんぼふんと紙で出来た式神を召喚。時間差で姿を現したが、キャノンはないしダムは意味不明だしでどちらがどちらが分からないが、とにかくルンルンの指示に従い自立行動して共に戦うぞ!
「おお、ワシはこのための時間を稼いだのじゃな?」
「迫るカブトも『見て、牡丹ちゃんがあんな戦い方を!』なのです!」
 振り返るディヤー。
 ルンルンの指差す通り、大輪牡丹はジャンプして空中戦……はせずにとにかく撃ちまくり。ただ、御霊符で召喚した二体の式も敵に狙われているのでダメージコントロールはできているようで。



 至近距離空中、地上中間距離、地上遠距離の三か所で戦闘が繰り広げられたが、やがて乱戦の様相を呈してきた。
「大樹を逃がすわけにはいきませんからね」
 リラ、カブトムシの掃討はそこそこに前へと急ぐ。
「はい」
「じゃの!」
 フェリアとディヤーも続く。

「おかしい。ミミズは三匹はいるって話だ!」
 レオーネはマテリアルレーダーの結果から周りを目視確認。どうしても三匹目のミミズが発見できない。
「かんけーねぇじゃん。とにかくあのでかいのを何とかするだけじゃん!」
 ゾファルのドミニオン「伐折羅大将」はちょっと腰を沈めたかと思うとスラスタージャンプ。一気に大樹まで接近するつもりだ。
「そうそう。歪虚王の腕は持ち逃げさせないよ!」
 舞のデュミナス「弁慶」はスナイパーライフルで大樹の根っこを狙う。
 が、あまり効果がないと分かるとすぐにこちらもスラスタージャンプ。
 とにかく、追う!

「遠距離からちまちまと削られると流石に厄介です……。あちらを先に叩いたほうがいいでしょうかね…」
 セミ歪虚との交戦空域に入ったサクラは、降り注ぐおしっこの酸を嫌ったか超低空飛行に切り替えた。
 いや!
 すぐにぐん、と上昇する。
 狙うは、旋回して酸をまき散らしているセミ歪虚の無防備な底部。
「標本の釘は上からですが……串刺しです」
 すれ違いざま、どすっと絶火槍「クルヴェナル」を深々と突き刺して屠る。
「次……」
 そのまままた低空に。
 これを繰り返すつもりらしい。
「サクラにお任せできるなら……」
 まよいは蝉から視線を外した。イケロスを先に急がせる。
 狙うは、浮いて森の方に移動を始めた大樹歪虚だ。
「イケロスはホバリングお願いね」
 黒みがかった翼を持つグリフォンの鬣を優しく撫でてから錬金杖を目の前でひと回し。
「集中!」
 一呼吸置くと、無邪気な表情が穏やかで落ち着きある様相に変わった。
「光にも逃れえぬ漆黒の奈落よ、事象の地平の彼方へと我が敵を葬り去らん……」
 まよいの詠唱は風に響くことはなかったが、友軍には通信機器から伝わった。
 本気の響きにサクラが振り返る。
 全体の司令塔を果たしていたレオーネももちろん、索敵を中断して空を見た。
 皆の期待が集まる中、まよいが溜めていた言葉の最後を口から発した。
「全てを無に帰せ、ブラックホールカノン!」
 刹那、禍々しい紫色の球体を放つ!
 それは逃避飛行に入っていた大樹歪虚に一直線。
 着弾すると強力な重力波がほとばしった!
 同時にぐらぁ、と失速。高度も落ちた。
「地上部隊、誰か……」
 はっと気付いてレオーネが呼び掛ける。
「ええ」
 通信機から入ったのは、ハンスの声っ!
「こちらは馬とシュネーハーゼだけですからね。酸の雨は堪えましたが、抵抗もなく捉えていますよ」
 どかかっ、と馬を走らせながら大樹歪虚の下についていた。
「大丈夫なのか?」
「ええ……届くはずです」
 心配するレオーネにそれだけ通信して……魔導スマートフォンを切った。移動も馬に任せる。
 自由になった両手で 大剣「獄門刀」 を大上段に構え、振り下ろす。
「こう、しますので!」
 次元斬!
 そして、届いた。根っこに入る。
 ハンス、次からの攻撃を有利にすべく加速。一気に大樹を追い抜く構えだ。
 ところが、それまで攻撃を一切してなかった大樹からハンスに向かって大量の蔦の槍が雨のように降って来た!
「おおっ?!」
 しかも大樹、いったん着地。
 この根っこの一部に引っかかり馬ごと吹っ飛ばされるハンス。大ダメージを負った!
「回復手段くらい……む?」
 ヒーリングポーションを出したハンスだったが、ここで判断が鈍る。
 先に、馬の回復を優先したのだッ!
 もちろん判断ミスではない。東方かぶれであるなら馬のステータスは十分承知している。
 ――ばばばっ、どかっ!
 そこにセミ歪虚の突撃。
 武器を飛ばされたハンス。立ち上がれない。そこに二匹目の蝉が体当たりに突っ込んでくる。
「くそっ!」
 絶体絶命!
 が、その視界は煙で遮られた。
「シュハーネーゼ!」
 ユキウサギが獣盾を構えつつ前に出て、必死に煙水晶を掛けたのだ。

「ハンスさん!」
 皆の通信機に心配の声が入り乱れる。
「これ以上はやらせません…」
 セミの方は追撃してきたサクラが片付けた。
 一方で大樹歪虚は再び離陸しようとしている。
「えいっ! 燃えちゃえ」
 上空からまよいのファイアーボールが枝を爆散させる。
「幼虫型歪虚とかほかの敵が支援に来る前に叩くよ!」
 舞もスナイパーライフルでとにかく大樹に当てまくる。
「ファイアーボールなら私も」
 人呼んで「不浄を灼く火祭の主」、フェリアも最後尾からグリフォンとともに戻ってきた。ワンド「ゴールデン・バウ」を振りかざし、いま、業火の火球を打ち放つ。
「キャノンとダムの犠牲は無駄にはしません。まだ帰るところがあるって、こんな幸せなことはないんだから!」
 ルンルン、大輪牡丹に砲撃指令しながら戦線を上げて来た。どすんどすんと枝葉に着実に当てている。
 そんな中、スラスタージャンプで突撃する姿が!
「こんな面白い物逃すわけないじゃんかよぉ、わかれ」
 ゾファルの伐折羅大将だ。
 幹に取り付き根を足場に張り付いた。自重で少しでも浮遊阻害になれば、というところだ。
 もちろん大樹、それでも浮く!
「くそっ。効いてるんだか効いてないんだか分りゃしない」
 レオーネはでこぼこした地面を華麗に跳躍して接近しつつ遠距離射撃していたが、業を煮やし焦っている。
「やはり浮かぶ大樹はともかく腕を何とかするべきでしょうか?」
 ここにリラが上がって来た。
「ええ、そう思います。リラ!」
 フェリアも一向に効果の上がらない大樹攻撃に疑問を投げかける。
「今度はあまり利かないみたい……根性あるかも」
 まよいの二発目の重力弾は初回ほどの効果は上がらず。
 そうこうするうち、取り付いていたゾファル機は大変なことに。
「おわっ!」
 たっぷりと堅果弾を放ち枝から伸びた蔦が絡んで引きはがされていた。
 幸い、高度はさほどなくスラスターのエネルギーを無駄遣いして大地に着地。
 大樹、再び高度を取ろうとする。
 下の根っこに白い腕らしき二十メートルほどの長いものが包まれている。
 そこに新たな通信が。
「破壊すると決めたが、奪還を試みぬとは言っておらん!」
 ディヤーが上がってきている。
「もしかして根本部分を集中攻撃して切り離しちゃいます?!」
 乗り気のルンルンの声。
「それをあっさりと渡すわけにはいかないのですよ…」
 セミを低空戦の末に片付けたサクラも反転して向かってきている。
「援護は任せといて!」
 舞、改めてライフルを構える。
「それじゃしばらく控えるね」
 範囲爆破をしていたまよいは、撃ち方、止メ。
「もしもの時に備えますね」
 フェリアも範囲爆破、小休止。何かあった時の腕の即時破壊に集中し待機。
「根っこの切断射撃ですね。やってみます」
 リラも位置につく。
「一か八か……やってやるぜ!」
 レオーネ、並走からぐいんと方向転換して急接近。
「もう一発残ってんだ。やってやろうじゃん!」
 ゾファルは力を溜め込むように機体をしゃがませた。手には三つ目のビームクローを装備する。
 そしてディヤーもアクティブスラスターで一度着地。水平移動から垂直ジャンプに姿勢変更。しゃがんで力を溜め込む。
「賭け事は一度きり、深追いは火傷するとはいえど……」
 再びスラスター・オン。
 大樹に向かって高くジャンプ。
「一度きりのチャンス、火傷するほど燃え上がらねば嘘じゃろう!」
 これを合図に皆が動く!

「持ち去られたら大変な事になるもの、正義のニンジャが絶対許さないんだからっ!」
 ルンルン、後方に残した大輪牡丹に砲撃指令!
「力を高めて……いって!!」
 マジックエンハンサーからのマテリアルライフルは、リラのプリネラ。
「落としてくれてもいいんじゃないの?!」
 舞も根っこを狙撃。
 三方からの十字砲火のほぼ直後!
「ジャンプにスラスター全部乗せだ、届けぇぇぇ-!」
 遠方から光の翼を煌かせ、レオーネ機が腕に迫る。
「ビームクローでむしりとるじゃん!」
 ゾファル機の右腕が唸りビームクローがほとばしる。
「一人に起こせぬ奇蹟でも、皆と共になら……」
 ディヤーのジャウハラも迫った。試作錬機剣「NOWBLADE」の出力は最大。一瞬だけ光刃が巨大化し長大な剣となる。
 それを溜めに溜めて……。
「起こせよう!」
 振り抜いた!
 ビームクローも大きな根にぐっさり。
 レオーネのランスカノンの穂先も重要な根を貫いた。
 ほかにもルンルンの砲撃が、リラの一撃が、そして舞の射撃がきっちりと腕を取り囲む根に命中していた。
 それでも、落ちない!
 ぶらん、と腕が最後の根に引っかかっている。突撃組は降下中。狙撃組が狙うには根が細くて難易度が高い。
 そして新たな根が腕を取り落とすまいと伸びようとしている。
 ここまでか?

 いや、まただッ!
「揺らしましょう!」
「そうだね」
 空戦部隊のフェリアとまよい、味方の攻撃に様子をしていたが再びワンドや杖を手にした手を掲げる。急いで撃ったファイアボール、これが右から左からと幹に炸裂。衝撃で左右にぐらぐら揺れる大樹。空中なので衝撃軽減に有効な揺れもいまこの時には命取りになる。
 そして根の下には!
 ――ぐおん……。
 サクラだッ!
「木には火、ということで、ファイアブレスを食らいなさい…」
 サクラが潜り込んでいた。
 ほかの根が支える直前、ワイバーンが開けた口にうねる炎を纏う。そして一直線に伸びる火炎ブレス。細い根を狙った。
 ――ぶちん……ぽろっ。
「落ちた!」
 全員の叫び。
 これで腕の破壊ではなく、確保の目が出てきた。
 が、直後。
「え?」
 全員が、目を疑った!



 ――どさ!
 大地に落ちた白い腕はぴくりともがいた。
 それまでは肘の部分でややくの字に曲がっていたようだが、ぐにゃりと腕とは違う曲がり方をしたではないか。
 それだけではない!
 白い陶器のような表皮がばらばらとくずれ、下から腕とは違う質感の何かが現れたのだ。
「なにこのブヨブヨ?」
「めめずじゃんかよ!」
 舞とゾファルの突っ込み。
「なんじゃとおっ!?」
 着地し振り向くディヤーも目が点。
「危ない。撃ってきます!」
 フェリアの警戒の声。正体を現したミミズはもう腕の振りはやめて鎌首を上げ対空砲を撃っている。
「ひどい騙しもあったものです……」
 土礫を食らったサクラではあるが、それより騙された心理的ダメージの方が大きい。すっかりへにょと眉も緩んでお疲れモードに。
「ここでルンルン忍法どこでも畳返し!」
 砲撃は自律型の大輪牡丹に任せていたルンルン、単独でここまで上がって来ていた。アースウォールで行動阻害に出るがミミズはその上に首を下ろして一人ギロチン状態。ウォールは崩れるがダメージも通った。
「さらにトラップカード発動……ルンルン忍法五星花!みんな纏めて光になれ」
 地縛設置の時間を稼いでから発動。五色光符も撃ち込み陣ぞなえの攻撃を見せる。
「ほかに腕みたいなものを持ってませんか?」
 リラ、大樹の下に接近しながら根元に注目。いまのが囮ならほかに持っているかもしれない。
「これだけ撃ってなんで墜ちないの? それより、も一回足止めした方がいい?」
 大樹に攻撃を続けていたまよい、皆に聞く。
「リラが探してる。もう一回頼む。それにしても……」
 レオーネ、まよいに返答。そして混乱しつつももう一度マテルアルレーダーを使ってみた。
 確信があったわけではない。癖でもあろう。
 ただ、これが図に当たる。
「ああっ! 森の方にミミズらしき反応!」
 ばっ、と振り返る。
 すると、視線のはるか先で地面がもこもこと波打っていた。
 最初から森まで一直線に掘られていたミミズのルートである。
「いや待て。……ミミズは腕に擬態していたので三匹じゃ……」
「とにかく大輪牡丹ちゃん、撃って!」
 レオーネの思案にルンルンの指示。大輪牡丹も支援射撃の合間に主人の元まで最終ラインを押し上げて来ていた。森の傍まで到達した目標にも砲撃が届く。
 ――どうっ……ぼふっ!
 見事着弾。
 もこもこ波打っていた土が吹っ飛ぶと、その中には長さ三十メートルはあろうかという白い腕と、それを運ぶ巨大幼虫型歪虚数匹がいた。
「やられた!」
「最初から騙されておったのか、おのれっ!」
 レオーネとディヤー、遠距離射撃。ただ、直線的射撃は最後尾の悠中型歪虚に当たるのみ。
 ルンルンの大輪牡丹であれば放物線射撃ができるが……。
「あっ! 大樹が飛ぶ方向変えたよっ!」
 まよいの声が響く。
 何と大樹、高度を下げてバックして来たではないか。
 いや、さらに高度下がる。もはや飛んでいるという感じではない。
 高度、下がる。さらに加速。止まる気はなさそうだ。
「体当たり……?」
 サクラ、ワイバーンのブレスを見舞うが止めようもなく。
 下には大輪牡丹がいる!
「止めてやろうじゃん!」
「……ハンスさん、その先にいるしね」
 燃えるゾファルが回り込んで来る。舞、回復しきってないハンスの位置を見て盾となるべくゾファルに続いた。
「間に合って!」
「リラ!」
 再び飛び大樹に向かうリラ。フェリア、それを見て慌ててファイアーボール。もちろん、地上からも砲撃が集中する。
 ――ばき……どがががが……。
 大樹、大ぶりな枝を落とし幹を割りつつ大地に墜ちた。下にいたハンターたちの被害も尋常ではなかったが、懸命の攻撃でボロボロにしていたため被害は甚大ではなかった。

「戦いに勝って戦に負けた……か」
 斜陽の落ちる崩壊した駐屯地を遠く見ながら、モータルがビルドムーバー外部席に座りつつぼやいていた。
「よっ……と」
 そこに舞が上がって来た。手にしていた炭酸飲料の缶を渡す。
「やられましたね」
「仕方ないよ。敵はあれだけ準備してたんだから」
「義勇隊を結成して、負けてばかり……か。情けない」
「負けたのは魔術師協会、かな。……モータルたちはこれからここの復興が戦いじゃない?」
 ぶし、と開けて飲む舞。
「でも、舞さんたちにも申し訳ないです」
「いいのよ。……この泡みたいに、何度でもやる気は湧いて出るんだから」
 振り向く舞。
「うむー、最後はイケたと思ったのじゃがのー」
「直線の侵攻ルートがそのまま一直線に撤退するルートになってたとはな」
「まるで引田天功の大脱出ですっ!」
 ディヤーとレオーネとルンルンがうーん、な感じ。
 まよいはイケロスの身に背を預け、一緒に昼寝。
 リラとフェリアとサクラは横になって休んでいるハンスを心配そうにしている。ハンスは笑顔で無事の様子。
 ここで、モータルたちにゾファルがやって来た。
「次に会ったら覚えとけじゃん!」
 ぱしん、と左掌に右拳を打ち付ける。
 腕の本体との再戦が待たれる。

依頼結果

依頼成功度普通
面白かった! 7
ポイントがありませんので、拍手できません

現在のあなたのポイント:-753 ※拍手1回につき1ポイントを消費します。
あなたの拍手がマスターの活力につながります。
このリプレイが面白かったと感じた人は拍手してみましょう!

MVP一覧

  • 行政営業官
    天竜寺 舞ka0377
  • 魔導アーマー共同開発者
    レオーネ・インヴェトーレka1441

重体一覧

参加者一覧

  • 行政営業官
    天竜寺 舞(ka0377
    人間(蒼)|18才|女性|疾影士
  • ユニットアイコン
    ベンケイ
    弁慶(ka0377unit001
    ユニット|CAM
  • 夢路に誘う青き魔女
    夢路 まよい(ka1328
    人間(蒼)|15才|女性|魔術師
  • ユニットアイコン
    イケロス
    イケロス(ka1328unit002
    ユニット|幻獣
  • 魔導アーマー共同開発者
    レオーネ・インヴェトーレ(ka1441
    人間(紅)|15才|男性|機導師
  • ユニットアイコン
    トゥルー・プラヴァー
    渡り鳥の騎士(ka1441unit002
    ユニット|魔導アーマー
  • 星を傾く者
    サクラ・エルフリード(ka2598
    人間(紅)|15才|女性|聖導士
  • ユニットアイコン
    ワイバーン
    ワイバーン(ka2598unit005
    ユニット|幻獣
  • 【Ⅲ】命と愛の重みを知る
    フェリア(ka2870
    人間(紅)|21才|女性|魔術師
  • ユニットアイコン
    エアリアル
    エアリアル(ka2870unit002
    ユニット|幻獣
  • ゾファル怠極拳
    ゾファル・G・初火(ka4407
    人間(蒼)|16才|女性|闘狩人
  • ユニットアイコン
    バサラタイショウ
    伐折羅大将(ka4407unit003
    ユニット|CAM
  • 想いの奏で手
    リラ(ka5679
    人間(紅)|16才|女性|格闘士
  • ユニットアイコン
    プリネラ
    プリネラ(ka5679unit002
    ユニット|CAM
  • 鉄壁の機兵操者
    ディヤー・A・バトロス(ka5743
    人間(紅)|11才|男性|魔術師
  • ユニットアイコン
    ジャウハラ
    ジャウハラ(ka5743unit001
    ユニット|CAM
  • 忍軍創設者
    ルンルン・リリカル・秋桜(ka5784
    人間(蒼)|17才|女性|符術師
  • ユニットアイコン
    ニンタンクタイリンボタン
    ニンタンク『大輪牡丹』(ka5784unit002
    ユニット|ゴーレム
  • 変わらぬ変わり者
    ハンス・ラインフェルト(ka6750
    人間(蒼)|21才|男性|舞刀士
  • ユニットアイコン
    シュネーハーゼ
    シュネーハーゼ(ka6750unit001
    ユニット|幻獣

サポート一覧

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン 相談卓
夢路 まよい(ka1328
人間(リアルブルー)|15才|女性|魔術師(マギステル)
最終発言
2017/09/22 00:47:50
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2017/09/19 09:58:24