ゲスト
(ka0000)
【陶曲】零れ落ちた歯車
マスター:奈華里

- シナリオ形態
- シリーズ(続編)
- 難易度
- 難しい
- オプション
-
- 参加費
1,300
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 3~6人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 多め
- 相談期間
- 6日
- 締切
- 2017/10/13 22:00
- 完成日
- 2017/10/27 01:06
このシナリオは5日間納期が延長されています。
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
「それでは継続という事でよろしいですね?」
依頼主としてはギア本人になる為、ハンターらの報告を聞いてギアが頷く。
話は少し前の事、彼の開発した戦闘用のブーツとヒールが発注主に届けられていなかった事に始まる。
そして、そのブーツがダウンタウンで見つかるのだが、その経緯は報告書の通り。
複雑な事情が絡んでいたようだが、判った事といえば納品前だったその物資は何者かに奪われ、運搬業者の二人は現在行方不明。襲われたと思しき場所には僅かなブレーキの痕跡が残っていた事から、何らかの事件に巻き込まれたと推測される。加えて、ブーツの所在だが事情がありそれを盗み売り捌いていた男の話では郊外にある滝の裏にあるとのこと。まだ残っているかどうかは怪しいが、そこを出入りしているのが『大きな鳥』らしく、何やらおかしな状況であることがうかがえる。
「ただの鳥…という事ではないですよね、きっと」
野生の鳥ならば木箱に入った軍事物資など奪う筈がない。
百歩譲って巣作りの為と仮定しても中身だけならまだしも、木箱自体を奪うのは不自然だし解体に時間もかかる。
「やっぱり歪虚で間違いないでしょうね。物騒になってきたなぁ」
報告書の作成に続いて、継続という事で新たな依頼作成に職員がペンを走らせる。
同盟と呼ばれる地域で起こる数々の事件――。
少し前に別の事件にも巻き込まれたギアであるからその言葉は十分身に染みている。
(まだ僕でよかったのかもしれない。小さな工房の方々だったら頼れる先もそうないだろうから)
一応、ギアが世話になっている工房は職人街でもそれなりに名の通っている大きな工房だ。だから工房長から組合に話を通して貰う事も可能で、援助もそこそこ受けられる。だがもし個人の工房であったなら、そう簡単にはいかないだろう。
「何か次の依頼書に書き足す点はありますか?」
手早く纏め上げた職員がギアに仕上がったばかりの依頼書を手渡し、確認を求める。
今回の内容は物資の奪還と奪ったと思しい鳥の討伐だ。
歪虚が絡んでいる可能性が濃厚である為、発見次第倒すよう指示がなされている。
「これで概ね構いません。ただ、鳥の情報を付け足しても構いませんか?」
そう言えばハンターの中にダウンタウン上空でも見かけたと言っていた事を思い出して、ギアが提案する。
「ええ、そういう情報なら勿論。ハンター達の助けになりますしね」
職員はそう言うとギアから僅かな証言を元に情報を書き足していく。
「しかし、キラキラした鳥ってますます変ですね…何なんだろう?」
職員が漠然と言葉にする。
「僕にもわかりません。僕自身が見た訳ではないので。でももしかしたらわかる人がいるかも」
鳥に詳しい人がいれば…とは言えそんな人が早々に現れる筈がない。
けれど、調べる事は出来る。ギアはオフィスを後にすると早速調べに書店へと足を運ぶ。
しかし、当然の事ながら…。
「巨大といってもせいぜい空を飛ぶのは鷹くらいですか…ダチョウなんて飛べないし、まさか幻獣の類いが悪さをしているとも思えない。少しだけでも手掛かりが掴めれば役立てるのに…」
ギアが残念そうに本を畳む。それに幾ら想像してみても、それは想像であり推測でしかないのだ。
曖昧な情報は逆にハンターを惑わす事にもなりかねない。
「あ…そうだ。忘れていたけど、あの人なら」
ふと思い立ち、ギアは再びオフィスの方へと歩き出す。
そして、辿りついた先には彼の納品物資を売り捌いていた男――ギアの戻りに驚き肩をすくめる。
「なっ、なんだよぉ……俺はもう、全部話したぜぇ…」
男が言う。
「すみません。もう一度、鳥について教えて下さいませんか? どんな些細な事でも構いません」
ずいっと面会の壁越しに詰め寄り、彼が問う。
「えっ、鳥っても怖かったから遠目でしか見てねぇが……ありゃあ、かなりデカくて見た事もない形をしていた。皮膚も生き物じゃないように滑らかで……って、そうだ! 役に立つか判んねぇが、滝奥の洞穴にこんなもんが落ちてたんだった」
今まで忘れたままポケットにしまっていたのだろう慌てて取り出し、見せたのは細いネジと何かの金属片だ。
「これは…もしかして、ブリキ?」
金属片をまじまじと見つめてギアが言う。
「多分な。けど、ヘンだろう…洞穴の中にこんな加工品。何か別のもんも隠してんのかと思って探ってみたが、他には無かったんだよなぁ。この手の工芸品はたまに見るんだが…」
そう言うのに詳しいのか、男が残念そうに息を吐く。
それでも手掛かりになるかもしれないとギアはネジとその破片を受け取り、自室に持ち帰るのであった。
依頼主としてはギア本人になる為、ハンターらの報告を聞いてギアが頷く。
話は少し前の事、彼の開発した戦闘用のブーツとヒールが発注主に届けられていなかった事に始まる。
そして、そのブーツがダウンタウンで見つかるのだが、その経緯は報告書の通り。
複雑な事情が絡んでいたようだが、判った事といえば納品前だったその物資は何者かに奪われ、運搬業者の二人は現在行方不明。襲われたと思しき場所には僅かなブレーキの痕跡が残っていた事から、何らかの事件に巻き込まれたと推測される。加えて、ブーツの所在だが事情がありそれを盗み売り捌いていた男の話では郊外にある滝の裏にあるとのこと。まだ残っているかどうかは怪しいが、そこを出入りしているのが『大きな鳥』らしく、何やらおかしな状況であることがうかがえる。
「ただの鳥…という事ではないですよね、きっと」
野生の鳥ならば木箱に入った軍事物資など奪う筈がない。
百歩譲って巣作りの為と仮定しても中身だけならまだしも、木箱自体を奪うのは不自然だし解体に時間もかかる。
「やっぱり歪虚で間違いないでしょうね。物騒になってきたなぁ」
報告書の作成に続いて、継続という事で新たな依頼作成に職員がペンを走らせる。
同盟と呼ばれる地域で起こる数々の事件――。
少し前に別の事件にも巻き込まれたギアであるからその言葉は十分身に染みている。
(まだ僕でよかったのかもしれない。小さな工房の方々だったら頼れる先もそうないだろうから)
一応、ギアが世話になっている工房は職人街でもそれなりに名の通っている大きな工房だ。だから工房長から組合に話を通して貰う事も可能で、援助もそこそこ受けられる。だがもし個人の工房であったなら、そう簡単にはいかないだろう。
「何か次の依頼書に書き足す点はありますか?」
手早く纏め上げた職員がギアに仕上がったばかりの依頼書を手渡し、確認を求める。
今回の内容は物資の奪還と奪ったと思しい鳥の討伐だ。
歪虚が絡んでいる可能性が濃厚である為、発見次第倒すよう指示がなされている。
「これで概ね構いません。ただ、鳥の情報を付け足しても構いませんか?」
そう言えばハンターの中にダウンタウン上空でも見かけたと言っていた事を思い出して、ギアが提案する。
「ええ、そういう情報なら勿論。ハンター達の助けになりますしね」
職員はそう言うとギアから僅かな証言を元に情報を書き足していく。
「しかし、キラキラした鳥ってますます変ですね…何なんだろう?」
職員が漠然と言葉にする。
「僕にもわかりません。僕自身が見た訳ではないので。でももしかしたらわかる人がいるかも」
鳥に詳しい人がいれば…とは言えそんな人が早々に現れる筈がない。
けれど、調べる事は出来る。ギアはオフィスを後にすると早速調べに書店へと足を運ぶ。
しかし、当然の事ながら…。
「巨大といってもせいぜい空を飛ぶのは鷹くらいですか…ダチョウなんて飛べないし、まさか幻獣の類いが悪さをしているとも思えない。少しだけでも手掛かりが掴めれば役立てるのに…」
ギアが残念そうに本を畳む。それに幾ら想像してみても、それは想像であり推測でしかないのだ。
曖昧な情報は逆にハンターを惑わす事にもなりかねない。
「あ…そうだ。忘れていたけど、あの人なら」
ふと思い立ち、ギアは再びオフィスの方へと歩き出す。
そして、辿りついた先には彼の納品物資を売り捌いていた男――ギアの戻りに驚き肩をすくめる。
「なっ、なんだよぉ……俺はもう、全部話したぜぇ…」
男が言う。
「すみません。もう一度、鳥について教えて下さいませんか? どんな些細な事でも構いません」
ずいっと面会の壁越しに詰め寄り、彼が問う。
「えっ、鳥っても怖かったから遠目でしか見てねぇが……ありゃあ、かなりデカくて見た事もない形をしていた。皮膚も生き物じゃないように滑らかで……って、そうだ! 役に立つか判んねぇが、滝奥の洞穴にこんなもんが落ちてたんだった」
今まで忘れたままポケットにしまっていたのだろう慌てて取り出し、見せたのは細いネジと何かの金属片だ。
「これは…もしかして、ブリキ?」
金属片をまじまじと見つめてギアが言う。
「多分な。けど、ヘンだろう…洞穴の中にこんな加工品。何か別のもんも隠してんのかと思って探ってみたが、他には無かったんだよなぁ。この手の工芸品はたまに見るんだが…」
そう言うのに詳しいのか、男が残念そうに息を吐く。
それでも手掛かりになるかもしれないとギアはネジとその破片を受け取り、自室に持ち帰るのであった。
リプレイ本文
●遺体
同盟で起こっている不可解な事件、それに最前線で関わるハンターらの耳は早い。
けれど、彼等とて全てを把握するのは無理だ。
「ちょっ…! 以前にそういうことがあったなら教えなさいよ!」
ギアから出た新たな情報に少しお怒りのカーミン・S・フィールズ(ka1559)。まずは細いネジとブリキ片の存在。ただ、この事については依頼書作成後にギアが出向いて仕入れてきたものだから後出しでも仕方がない。しかし、もう一つの方は事前に知らせる事が出来たもので…。
「すみません…関係あるかどうかは判らなかったですし、もう解決していたので」
それはギアが巻き込まれた事件だった。工房においてあった彼制作のクロスボウが歪虚化し、夜な夜な人を殺していたという世にも恐ろしい事件だったりする。そこで回収した靴に関しても歪虚化していないかと疑うカーミンであるが、流石にそれはないようだ。けれど、念には念を入れて彼女はギアに靴の仕組みを事細かに聴収する。
「そもそもギアさんだけというのも不思議ですね。やはり『嫉妬』絡み、でしょうか?」
同盟内部、場所はフマーレではないものの嫉妬を司る歪虚軍将の目撃情報も出ている為か、天央 観智(ka0896)は周りの妬みから発生した事件ではないかと考える。
「一応、先の事件に関しては同業者のそれではない事がハッキリしているんですが…」
出来ればそう言う方向は考えたくないし、疑いたくもない。ギアが静かに言う。
「まあ、いいわ。行動あるのみよ。まずは回収からってね」
「そうっすね。何はともあれ出来るところからっす」
謎は未だに多くあれど、立ち止まっていても埒が明かない。
この際、喋れるかどうかは別として一番の関係者である歪虚に当たってみる他ないだろう。
「じゃ、行くのね。その鳥ってのがどんなのか判らない以上二手に分かれて調査しましょう」
夢路 まよい(ka1328)が前回の依頼書に目を通したのち、一番怪しいとされる怪鳥に目標を絞る。
「だな。俺は洞窟内に行くぜ」
ボルディア・コンフラムス(ka0796)が大鎌を担いで言う。
「俺は気になる事があるから外を警戒だ。滝壺前での見張りも兼ねて」
終始思考を巡らせていたらしいクラン・クィールス(ka6605)が表情を変えぬまま告げる。
彼の気になる事とは消えた馬車と運搬者の二人にあった。
もう一度状況を整理すると、馬車での搬送中の襲撃と思われるこの事件。
だが、現場にはブレーキ痕はあったものの馬車と操縦者の姿はなかった。
そして、盗んだのが歪虚だとすると変な点は多い。まず始めになぜ歪虚が武器を奪ったか。まあ、武器というには些か弱いが、そんなもの歪虚には必要ない筈だ。しかも、奪ったものの滝壺の奥の洞穴に隠したとされているから不思議でならない。次に消えた馬車について。襲われ奪われたのなら荷台が残っている筈だがそれもなく、操縦者も行方知れず。これを踏まえてクランの推理はこうだ。
(最近の依頼を読む限り、人間が操られていた…というケースも多い。もし今回もそうだとしたら)
馬車がなくなった事、遺体がない事については納得がいく。
ただ、そうだとしたら物資を奪った理由が謎のままだ。売り捌いていたのが運搬者兄弟ならまだしもそうでないという事が気にかかる。そこでハンター一行は洞穴に向かう道すがらに軽く搬送ルートをもう一度捜索する事にした。
問題の場所に行くまでの道のりは見慣れた街並みからだんだんと人気が減っていき、暫くすると街道のみへと変化していく。ぽつぽつと点在する建物と共に木が多くなり、問題の滝のある場所へ着く頃には周囲には木が乱立するといった具合だ。
「ない、か」
馬車を構成する破片でも残っていたらと思ったが、どうにもそれは見当たらない。
「もしかしたら、物資同様誰かが見つけて取って…ってあれは」
スキルを活かして高所からの探索を行っていたカーミンが高低差のある場所に何かを見つけ言う。
「あちらの方でしょうか?」
それにつられて観智がそちらに視線を向ける。
「ちょっと行ってくるっす」
そこで素早さには自信のある無限 馨(ka0544)が駆け出し、その先にあったのは兄弟片方の亡骸…。
馬車自体は見当たらないが、身体を強く打付けた痕がある。
「これは酷いっすね」
その遺体を確認していると、後続のハンターもその場に辿りついて暫し黙祷。
こんな世界であるからいつ襲われるか判らないが、それでも彼の死は余りにも突然だった事だろう。
「…安らかに眠れ、なんて言わねえよ。テメェ等の仇は俺が絶対ェとってやる」
ボルディアがそう言って傍に屈み、深淵の声で思念を読み取る。
かなりの時間が経過している事からあまり有益な情報は読み取れないかもしれないが、それでも何かの訳には立つ筈だ。翳した手から流れ込んでくるのは襲撃直後の驚きと怯え。彼等も初めはただの鳥だと思ったようだが、滑空してきたそれが荷台の荷物を奪って行った事、そして傍にいた兄弟が一瞬のうちに攫われた事に驚愕し手綱引いたようだ。その後は馬車を下りひたすら逃げて、気付いた時には全身を走った激しい痛み。
『やはり只の人間ではゲームにもなりませんか。けどまあ、私の計画の一部になれた事を光栄に思い死んで下さいねぇ』
そこでクククッと笑う声がしたが、顔までは捕らえきれず事切れた様だ。
「私の計画、か。やはり裏に何かいるようだな」
話を聞き、クランが僅かに眉を寄せて思考を巡らす。
「馬と荷車もこの辺にあるのかしら?」
そこで周囲を見回してまよいが言う。
「どうだろ? さっきも言ったけど、ダウンタウンが近いからね…いいもので主不在となれば自分のものにしている可能性もあるわ」
断定は出来ないが、おそらくは…。馬に関しては食用としてしまう事も可能だろう。
「まあ念の為、歪虚化していないかだけは確かめておきたいものですね」
またやる事が増えてしまったが、これもハンターの務めか。
今はこの亡骸を土に埋め、滝を目指すのであった。
●怪鳥
滝の裏の洞穴は足場が狭く進み辛い。
しかし、入らなければ始まらないからハンターは縦一列になり中を進む。ちなみに中を進むのはボルディアと観智、馨の三名だ。足元に気を付けながら奥深く、物資のある場所を目指す。幸い、外には歪虚の気配はなく、今のところそれらしい何かも見当たらない。
(たっく、全く意味がワカンねぇな)
何度も考えてみたが、敵の意図が見えてこず釈然としない。
ぼやいてみても意味がないと言葉にこそしなかったが、この状況は余り宜しくない。先に入った馨から連絡もなく、これではどうにもしようがない。
「まあ、焦らずに行こうじゃないか」
魔導スマートフォンを片手に、所々撮影もしつつ観智が言う。
が洞穴の岩肌を撮ってみても、そこにはごつごつした岩肌だけで手掛かりはなさそうだ。
そんな折、やっと馨からの報告。
『かなり奥になるっすが、問題の物資見つけたっすよ。敵の数は三匹…思ったより少ないっす』
箱を守るでもなく、その近くを動くそれは目撃証言のそれに類似する。
(あれってまさか…)
自然界には存在しないだろう姿の生き物。
時折光の加減で光って見えるその羽は思いの他のっぺりとしている。
(広さはそこそこ…この数だと簡単にやれそうっすが)
気付かれないよう注意しながら距離をじわじわ詰めつつ、あたりの様子を窺う。
天井までの高さは大凡二m半と言った所か。これでは飛び跳ねる事は難しい。ただ、逆に言えばあちらの動きも制限できるという事だ。が、一つ気になるのは、視界の端に捕らえた穴。天井部にあるその穴が外に繋がっているとしたら厄介な事になる。
(どうするっすかね…)
塞ぐものなど持っていないし、かと言ってあそこに行こうとすれば鳥に気付かれてしまう。そこで彼は外のメンバーに連絡を入れて、二人の到着を待ち、揃ったところで軽く動きの打ち合わせ。
「はぁ…やるしないですね」
狭い場所での戦闘には気を使うと観智が小さく息を吐く。
だが、ノルマは一人たった一匹だ。それはさして難しい数ではない。
「うらぁ、じゃあ派手に行くぜェ!」
ボルディアが先制一発。不意打ちに火檻を発動し、手前にいた一匹を自分の傍へと引き寄せる。
「逃がしませんよ」
そう言ってグラビティフォールを発動するのは観智だ。紫の光の重力波が鳥を捉え圧壊を狙う。
が、鳥もそう簡単には捕まらない。狭いながらにも羽ばたいてはある空間を存分に使い回避を試みる。
「へへ、逃がしはしないっすよ」
がそんな鳥達と同等に張り合う者がいた。それは馨だ。ドッジダッシュで敵の攻撃をかわしつつ、スキを見ては瞬脚・改からの壁走りで近付き刀で翼を傷つけに入る。
ギィガガッ
耳に刺さる音は鳥の羽が金属製である事を意味していた。だが彼の刀も普通ではなく、特殊モーターを搭載した超音波震動する刃であるからブリキの羽を容赦なく傷付け、飛行不能に追い込む。そうなれば地上を得意とする二人の出番だ。
「うらぁあ、どうしたどうしたっ」
ボルディアの砕火の苛烈な連撃が鳥を襲う。観智の重力波も制限された鳥に当てるのはいとも容易い。重力波により捻じ曲げれていく身体に甲高い悲鳴が漏れる。
『キィ、ギィーーーーッ』
がこの悲鳴が厄介であった。鼓膜をダイレクトに刺激して、ハンター達の動きを封じにかかる。
間近で聞く羽目になったボルディアなどは思わず膝をついたくらいだ。
(ック、悪足掻きしやがってッ)
反響し響くその声に、彼らは耳を押さえ暫し凌ぎそれが止むのを待つのだった。
一方その頃、外を探索している面子は連絡を受け取るも侵入せず、待機していた。
というのも聞いた話では鳥は三匹ではないらしい。男に確認した際に聞いたのは少なくとも五羽以上はいたとして報告を受けていたから、後続出現の可能性がある。何としても一網打尽にしたいし、黒幕の存在も頭に入れて辺りの警戒も怠らない。
(もしゲームのつもりなら黒幕は最後に…なんてね。これで馬車歪虚が現れたら笑うしかないけど)
冗談交じりにそんな推理を展開しながら、四方の木の影に注意する。
ボルディアの証言では怪鳥はそこそこの大きさがあり、人をも持ち上げてしまう力を持つという。それも一瞬であるようだから油断はできない。それを聞いているからクランもまよいも、今は言葉一つ発しない。そんな静かの場所に声が響いたのはこのすぐ後の事だ。寒くなってきた風をもつんざくような高い声。滝の方から聞こえて来たそれに外のハンター達がハッとする。それと同時に突風が吹き下りてきて、見上げた先には問題の鳥達の姿。
「ちょっ、あれって恐竜じゃない! 何であんなのが、ここに!?」
まさかの姿にまよいから声が上がる。
「なんであれ、倒すまでだ」
上空を行くそれ目掛けて、クランが龍矢を和弓にセットし目標を追う。
だが、スマートな身体で空を海中の魚のようにすいすい飛びゆくそれになかなか狙いが定まらない。
「滝に向かってるみたいだし、これは好都合かもね」
まよいが駆ける。
「多分さっきの声が引き金ね。念の為、私はちょっと寄り道してみるわ」
カーミンはそこで突然その場離脱し、シンニンギアで滝側面を登り始める。
「全く歪虚が仲間思いだなんて初耳よ。けど行かせないから」
滝壺手前で足を止めて、まよいが術の発動に専念する。杖に力を収束させ、空をゆく鳥に放つのはウィンドスラッシュだ。風の刃が行く手を阻む形となり、一匹はこちらへと踵を返す。その隙をクランは見逃さない。狙いをつけて、油断した鳥を仕留めに入る。
(龍鉱石の力、甘く見るなよ)
弦自体には矢はないが呪紋を指でなぞる事で光の矢が出現し、その矢が鳥の胸を貫く。
それはなかなかの威力を発揮して、鳥は墜落を余儀なくされる。が、そのままでやられるつもりもないらしく、落ちるならいっそと滑空体勢を強めて、速度を増しクランに襲い掛かってくる。
「出来るだけ、ここで数を減らしておくわよ」
「了解だ」
その執念に応えるようにクランも応戦の構えを取り、鳥の殲滅に当たる。
だが流石に全てとは行かなくて…滝の流れを物ともせず突っ込んでいった鳥は二羽。
中が心配であるが、まずは目の前の敵を行動不能に追い込むのが先決であった。
●正体
奇声がおさまったその後にふらりと立ち上がる観智だが、攻撃を受けて鳥達も必死だ。
だが、敵は牙を持ってはいないようであり、注意すべきは声と足か。腕は翼と一体化しているようで関節は多くないから直接的な攻撃は無理そうだ。がそれでもこちらへと向かってくる素振りを見せている。
(だったら回避するまでです)
観智がその動きを察してウィンドガストを発生させる。
しかし、手前に気を取られていて背後の鳥には気付かない。
「ッ、ぐっ!?」
『観智!』
突如飛び来た新手に観智が捕まれる。そして、その勢いのまま飛び洞穴の壁にぶつけ放すと急旋回。金属の頭に思考回路があるとは思えないが、それでも頭脳的な戦い方も知っていると見える。
「狭い所でちょこまかとっ」
ボルディアが再び火檻を発動しようと力を貯める。
がその発動を待たずにカーミンの登場。洞穴の天井にあった穴から降りてきたらしい。
「お待たせ―ってね」
着地と同時に菖蒲を発動し、視界に入った鳥の一匹に複数の矢を放つ。それの直撃に鳥は呆気なく動きを止め、地面へ叩き付けられる。
「さあ、残りもやっちゃうわよ」
ハンターの数も増えて、多少動き辛さはあったものの手練れ揃い。鳥はまもなく文字通り瓦礫と化す。
木箱の他に残ったのは怪鳥の残骸――どうやら男が拾ったブリキ片は怪鳥のものだったらしい。
「今度はこんなものが歪虚と化してたっすね」
見慣れない姿だった怪鳥を思い浮かべて、馨が呆れ顔で言う。
その後外の二人とも合流し、判ったのは鳥の名前だ。
「あの形…間違いなくプテラノドンよ」
蒼出身のまよいがそう断言する。
「ぷて…何だって?」
「プテラノドン…リアルブルーに昔いたとされる恐竜の一つなの。こっちの世界にそれを知ってる人ってなかなかいないと思うから、もしこれがこっちで作られたのなら探すのは難しくないんじゃないかしら?」
まよいが鳥の残骸と物資の一部を運びながら、そんな話を始める。
「という事はギアさんの他にも狙われた人がいたと?」
「そんなの知らないわよ。だけど、物がある以上作った人もいる筈だし、調べてみる必要はあるわよね?」
「…ああ」
そうして洞穴内の探索を終えると、ハンターらは歪虚化していない事を確認し軍への納品。
事情に関してはギアが先にうまく説明してくれている筈だ。
しかし、まだ黒幕の意図も事件の全貌もはっきりせず。
だが、それを調べるにはまだまだ時間がかかりそうだった。
同盟で起こっている不可解な事件、それに最前線で関わるハンターらの耳は早い。
けれど、彼等とて全てを把握するのは無理だ。
「ちょっ…! 以前にそういうことがあったなら教えなさいよ!」
ギアから出た新たな情報に少しお怒りのカーミン・S・フィールズ(ka1559)。まずは細いネジとブリキ片の存在。ただ、この事については依頼書作成後にギアが出向いて仕入れてきたものだから後出しでも仕方がない。しかし、もう一つの方は事前に知らせる事が出来たもので…。
「すみません…関係あるかどうかは判らなかったですし、もう解決していたので」
それはギアが巻き込まれた事件だった。工房においてあった彼制作のクロスボウが歪虚化し、夜な夜な人を殺していたという世にも恐ろしい事件だったりする。そこで回収した靴に関しても歪虚化していないかと疑うカーミンであるが、流石にそれはないようだ。けれど、念には念を入れて彼女はギアに靴の仕組みを事細かに聴収する。
「そもそもギアさんだけというのも不思議ですね。やはり『嫉妬』絡み、でしょうか?」
同盟内部、場所はフマーレではないものの嫉妬を司る歪虚軍将の目撃情報も出ている為か、天央 観智(ka0896)は周りの妬みから発生した事件ではないかと考える。
「一応、先の事件に関しては同業者のそれではない事がハッキリしているんですが…」
出来ればそう言う方向は考えたくないし、疑いたくもない。ギアが静かに言う。
「まあ、いいわ。行動あるのみよ。まずは回収からってね」
「そうっすね。何はともあれ出来るところからっす」
謎は未だに多くあれど、立ち止まっていても埒が明かない。
この際、喋れるかどうかは別として一番の関係者である歪虚に当たってみる他ないだろう。
「じゃ、行くのね。その鳥ってのがどんなのか判らない以上二手に分かれて調査しましょう」
夢路 まよい(ka1328)が前回の依頼書に目を通したのち、一番怪しいとされる怪鳥に目標を絞る。
「だな。俺は洞窟内に行くぜ」
ボルディア・コンフラムス(ka0796)が大鎌を担いで言う。
「俺は気になる事があるから外を警戒だ。滝壺前での見張りも兼ねて」
終始思考を巡らせていたらしいクラン・クィールス(ka6605)が表情を変えぬまま告げる。
彼の気になる事とは消えた馬車と運搬者の二人にあった。
もう一度状況を整理すると、馬車での搬送中の襲撃と思われるこの事件。
だが、現場にはブレーキ痕はあったものの馬車と操縦者の姿はなかった。
そして、盗んだのが歪虚だとすると変な点は多い。まず始めになぜ歪虚が武器を奪ったか。まあ、武器というには些か弱いが、そんなもの歪虚には必要ない筈だ。しかも、奪ったものの滝壺の奥の洞穴に隠したとされているから不思議でならない。次に消えた馬車について。襲われ奪われたのなら荷台が残っている筈だがそれもなく、操縦者も行方知れず。これを踏まえてクランの推理はこうだ。
(最近の依頼を読む限り、人間が操られていた…というケースも多い。もし今回もそうだとしたら)
馬車がなくなった事、遺体がない事については納得がいく。
ただ、そうだとしたら物資を奪った理由が謎のままだ。売り捌いていたのが運搬者兄弟ならまだしもそうでないという事が気にかかる。そこでハンター一行は洞穴に向かう道すがらに軽く搬送ルートをもう一度捜索する事にした。
問題の場所に行くまでの道のりは見慣れた街並みからだんだんと人気が減っていき、暫くすると街道のみへと変化していく。ぽつぽつと点在する建物と共に木が多くなり、問題の滝のある場所へ着く頃には周囲には木が乱立するといった具合だ。
「ない、か」
馬車を構成する破片でも残っていたらと思ったが、どうにもそれは見当たらない。
「もしかしたら、物資同様誰かが見つけて取って…ってあれは」
スキルを活かして高所からの探索を行っていたカーミンが高低差のある場所に何かを見つけ言う。
「あちらの方でしょうか?」
それにつられて観智がそちらに視線を向ける。
「ちょっと行ってくるっす」
そこで素早さには自信のある無限 馨(ka0544)が駆け出し、その先にあったのは兄弟片方の亡骸…。
馬車自体は見当たらないが、身体を強く打付けた痕がある。
「これは酷いっすね」
その遺体を確認していると、後続のハンターもその場に辿りついて暫し黙祷。
こんな世界であるからいつ襲われるか判らないが、それでも彼の死は余りにも突然だった事だろう。
「…安らかに眠れ、なんて言わねえよ。テメェ等の仇は俺が絶対ェとってやる」
ボルディアがそう言って傍に屈み、深淵の声で思念を読み取る。
かなりの時間が経過している事からあまり有益な情報は読み取れないかもしれないが、それでも何かの訳には立つ筈だ。翳した手から流れ込んでくるのは襲撃直後の驚きと怯え。彼等も初めはただの鳥だと思ったようだが、滑空してきたそれが荷台の荷物を奪って行った事、そして傍にいた兄弟が一瞬のうちに攫われた事に驚愕し手綱引いたようだ。その後は馬車を下りひたすら逃げて、気付いた時には全身を走った激しい痛み。
『やはり只の人間ではゲームにもなりませんか。けどまあ、私の計画の一部になれた事を光栄に思い死んで下さいねぇ』
そこでクククッと笑う声がしたが、顔までは捕らえきれず事切れた様だ。
「私の計画、か。やはり裏に何かいるようだな」
話を聞き、クランが僅かに眉を寄せて思考を巡らす。
「馬と荷車もこの辺にあるのかしら?」
そこで周囲を見回してまよいが言う。
「どうだろ? さっきも言ったけど、ダウンタウンが近いからね…いいもので主不在となれば自分のものにしている可能性もあるわ」
断定は出来ないが、おそらくは…。馬に関しては食用としてしまう事も可能だろう。
「まあ念の為、歪虚化していないかだけは確かめておきたいものですね」
またやる事が増えてしまったが、これもハンターの務めか。
今はこの亡骸を土に埋め、滝を目指すのであった。
●怪鳥
滝の裏の洞穴は足場が狭く進み辛い。
しかし、入らなければ始まらないからハンターは縦一列になり中を進む。ちなみに中を進むのはボルディアと観智、馨の三名だ。足元に気を付けながら奥深く、物資のある場所を目指す。幸い、外には歪虚の気配はなく、今のところそれらしい何かも見当たらない。
(たっく、全く意味がワカンねぇな)
何度も考えてみたが、敵の意図が見えてこず釈然としない。
ぼやいてみても意味がないと言葉にこそしなかったが、この状況は余り宜しくない。先に入った馨から連絡もなく、これではどうにもしようがない。
「まあ、焦らずに行こうじゃないか」
魔導スマートフォンを片手に、所々撮影もしつつ観智が言う。
が洞穴の岩肌を撮ってみても、そこにはごつごつした岩肌だけで手掛かりはなさそうだ。
そんな折、やっと馨からの報告。
『かなり奥になるっすが、問題の物資見つけたっすよ。敵の数は三匹…思ったより少ないっす』
箱を守るでもなく、その近くを動くそれは目撃証言のそれに類似する。
(あれってまさか…)
自然界には存在しないだろう姿の生き物。
時折光の加減で光って見えるその羽は思いの他のっぺりとしている。
(広さはそこそこ…この数だと簡単にやれそうっすが)
気付かれないよう注意しながら距離をじわじわ詰めつつ、あたりの様子を窺う。
天井までの高さは大凡二m半と言った所か。これでは飛び跳ねる事は難しい。ただ、逆に言えばあちらの動きも制限できるという事だ。が、一つ気になるのは、視界の端に捕らえた穴。天井部にあるその穴が外に繋がっているとしたら厄介な事になる。
(どうするっすかね…)
塞ぐものなど持っていないし、かと言ってあそこに行こうとすれば鳥に気付かれてしまう。そこで彼は外のメンバーに連絡を入れて、二人の到着を待ち、揃ったところで軽く動きの打ち合わせ。
「はぁ…やるしないですね」
狭い場所での戦闘には気を使うと観智が小さく息を吐く。
だが、ノルマは一人たった一匹だ。それはさして難しい数ではない。
「うらぁ、じゃあ派手に行くぜェ!」
ボルディアが先制一発。不意打ちに火檻を発動し、手前にいた一匹を自分の傍へと引き寄せる。
「逃がしませんよ」
そう言ってグラビティフォールを発動するのは観智だ。紫の光の重力波が鳥を捉え圧壊を狙う。
が、鳥もそう簡単には捕まらない。狭いながらにも羽ばたいてはある空間を存分に使い回避を試みる。
「へへ、逃がしはしないっすよ」
がそんな鳥達と同等に張り合う者がいた。それは馨だ。ドッジダッシュで敵の攻撃をかわしつつ、スキを見ては瞬脚・改からの壁走りで近付き刀で翼を傷つけに入る。
ギィガガッ
耳に刺さる音は鳥の羽が金属製である事を意味していた。だが彼の刀も普通ではなく、特殊モーターを搭載した超音波震動する刃であるからブリキの羽を容赦なく傷付け、飛行不能に追い込む。そうなれば地上を得意とする二人の出番だ。
「うらぁあ、どうしたどうしたっ」
ボルディアの砕火の苛烈な連撃が鳥を襲う。観智の重力波も制限された鳥に当てるのはいとも容易い。重力波により捻じ曲げれていく身体に甲高い悲鳴が漏れる。
『キィ、ギィーーーーッ』
がこの悲鳴が厄介であった。鼓膜をダイレクトに刺激して、ハンター達の動きを封じにかかる。
間近で聞く羽目になったボルディアなどは思わず膝をついたくらいだ。
(ック、悪足掻きしやがってッ)
反響し響くその声に、彼らは耳を押さえ暫し凌ぎそれが止むのを待つのだった。
一方その頃、外を探索している面子は連絡を受け取るも侵入せず、待機していた。
というのも聞いた話では鳥は三匹ではないらしい。男に確認した際に聞いたのは少なくとも五羽以上はいたとして報告を受けていたから、後続出現の可能性がある。何としても一網打尽にしたいし、黒幕の存在も頭に入れて辺りの警戒も怠らない。
(もしゲームのつもりなら黒幕は最後に…なんてね。これで馬車歪虚が現れたら笑うしかないけど)
冗談交じりにそんな推理を展開しながら、四方の木の影に注意する。
ボルディアの証言では怪鳥はそこそこの大きさがあり、人をも持ち上げてしまう力を持つという。それも一瞬であるようだから油断はできない。それを聞いているからクランもまよいも、今は言葉一つ発しない。そんな静かの場所に声が響いたのはこのすぐ後の事だ。寒くなってきた風をもつんざくような高い声。滝の方から聞こえて来たそれに外のハンター達がハッとする。それと同時に突風が吹き下りてきて、見上げた先には問題の鳥達の姿。
「ちょっ、あれって恐竜じゃない! 何であんなのが、ここに!?」
まさかの姿にまよいから声が上がる。
「なんであれ、倒すまでだ」
上空を行くそれ目掛けて、クランが龍矢を和弓にセットし目標を追う。
だが、スマートな身体で空を海中の魚のようにすいすい飛びゆくそれになかなか狙いが定まらない。
「滝に向かってるみたいだし、これは好都合かもね」
まよいが駆ける。
「多分さっきの声が引き金ね。念の為、私はちょっと寄り道してみるわ」
カーミンはそこで突然その場離脱し、シンニンギアで滝側面を登り始める。
「全く歪虚が仲間思いだなんて初耳よ。けど行かせないから」
滝壺手前で足を止めて、まよいが術の発動に専念する。杖に力を収束させ、空をゆく鳥に放つのはウィンドスラッシュだ。風の刃が行く手を阻む形となり、一匹はこちらへと踵を返す。その隙をクランは見逃さない。狙いをつけて、油断した鳥を仕留めに入る。
(龍鉱石の力、甘く見るなよ)
弦自体には矢はないが呪紋を指でなぞる事で光の矢が出現し、その矢が鳥の胸を貫く。
それはなかなかの威力を発揮して、鳥は墜落を余儀なくされる。が、そのままでやられるつもりもないらしく、落ちるならいっそと滑空体勢を強めて、速度を増しクランに襲い掛かってくる。
「出来るだけ、ここで数を減らしておくわよ」
「了解だ」
その執念に応えるようにクランも応戦の構えを取り、鳥の殲滅に当たる。
だが流石に全てとは行かなくて…滝の流れを物ともせず突っ込んでいった鳥は二羽。
中が心配であるが、まずは目の前の敵を行動不能に追い込むのが先決であった。
●正体
奇声がおさまったその後にふらりと立ち上がる観智だが、攻撃を受けて鳥達も必死だ。
だが、敵は牙を持ってはいないようであり、注意すべきは声と足か。腕は翼と一体化しているようで関節は多くないから直接的な攻撃は無理そうだ。がそれでもこちらへと向かってくる素振りを見せている。
(だったら回避するまでです)
観智がその動きを察してウィンドガストを発生させる。
しかし、手前に気を取られていて背後の鳥には気付かない。
「ッ、ぐっ!?」
『観智!』
突如飛び来た新手に観智が捕まれる。そして、その勢いのまま飛び洞穴の壁にぶつけ放すと急旋回。金属の頭に思考回路があるとは思えないが、それでも頭脳的な戦い方も知っていると見える。
「狭い所でちょこまかとっ」
ボルディアが再び火檻を発動しようと力を貯める。
がその発動を待たずにカーミンの登場。洞穴の天井にあった穴から降りてきたらしい。
「お待たせ―ってね」
着地と同時に菖蒲を発動し、視界に入った鳥の一匹に複数の矢を放つ。それの直撃に鳥は呆気なく動きを止め、地面へ叩き付けられる。
「さあ、残りもやっちゃうわよ」
ハンターの数も増えて、多少動き辛さはあったものの手練れ揃い。鳥はまもなく文字通り瓦礫と化す。
木箱の他に残ったのは怪鳥の残骸――どうやら男が拾ったブリキ片は怪鳥のものだったらしい。
「今度はこんなものが歪虚と化してたっすね」
見慣れない姿だった怪鳥を思い浮かべて、馨が呆れ顔で言う。
その後外の二人とも合流し、判ったのは鳥の名前だ。
「あの形…間違いなくプテラノドンよ」
蒼出身のまよいがそう断言する。
「ぷて…何だって?」
「プテラノドン…リアルブルーに昔いたとされる恐竜の一つなの。こっちの世界にそれを知ってる人ってなかなかいないと思うから、もしこれがこっちで作られたのなら探すのは難しくないんじゃないかしら?」
まよいが鳥の残骸と物資の一部を運びながら、そんな話を始める。
「という事はギアさんの他にも狙われた人がいたと?」
「そんなの知らないわよ。だけど、物がある以上作った人もいる筈だし、調べてみる必要はあるわよね?」
「…ああ」
そうして洞穴内の探索を終えると、ハンターらは歪虚化していない事を確認し軍への納品。
事情に関してはギアが先にうまく説明してくれている筈だ。
しかし、まだ黒幕の意図も事件の全貌もはっきりせず。
だが、それを調べるにはまだまだ時間がかかりそうだった。
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相談卓 クラン・クィールス(ka6605) 人間(クリムゾンウェスト)|20才|男性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2017/10/13 20:58:30 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/10/09 09:17:48 |
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ギアの自室へ押しかける!← カーミン・S・フィールズ(ka1559) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2017/10/12 12:03:24 |