ゲスト
(ka0000)
バチャーレ村代表の災難
マスター:樹シロカ

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~7人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2017/10/23 22:00
- 完成日
- 2017/11/01 00:18
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
●バチャーレ村の災難
「ぶあーーーーーっくしょい!!」
派手なくしゃみの音に、馬が怯えたように身を震わせ、耳を動かした。
視線の先では、バチャーレ村の代表であるサイモン・小川(kz0211)が、赤い顔でベンチに座り込んでいる。
「主任……生きて帰ってきてね」
気の毒そうに声をかけるのは、マリナ・リヴェール。
ここバチャーレ村へ移民してきた、サルヴァトーレ・ロッソの元乗員のひとりだ。
「君も……気をつけたほうがいい……うがい、手洗い、換気だ……」
サイモンの声はかすれてよく聞き取れない。
「はいはい、全部主任がサボっていたことよね。私は大丈夫よ、いつも山歩きして鍛えてるから」
からからと笑うマリナは、確かにがっしりした体格の女性だ。もともとは地質学者で、今は近辺の山を調査してまわっている。
彼らより少し若い男が、これまた気の毒そうにサイモンの傍についている。移民のひとりだ。
「おそらくはこの地方の風土病でしょう。原因となるウィルスの特定まではできたのですが……」
「薬に頼れない分、しっかり寝て食べて、地道に回復するしかないわよね」
「うぐ……ぶあっくしょーーーーい!!!」
馬がいらいらと足踏みする。
「毛布はこれで足りるかな?」
「お水は飲み水と別に、用意して置いた方がいいわね」
近くの村から最近ここに越してきた若夫婦、アンジェロとリタが、馬車の後ろに荷物を積み込む。
「すみません……色々と、お手数をおかけして……」
「いいえ。でもサイモンさん、一応お医者様には診てもらってくださいね。領主様のところにいらっしゃいますから」
リタの言葉に、サイモンは神妙に頷くしかない。
このバチャーレ村は捨て置かれた村だった。
不吉な事件が起きた村という古い噂話は、ハンター達の協力もあって誤解が解け、今は近隣の村とも良好な関係を保っている。
ジェオルジの領主セスト・ジェオルジ(kz0034)の依頼で育てたヒスイトウモロコシは、温暖なこの地域の気候のもと、すくすくと育ち立派な実をつけた。
そしてトウモロコシから作ったウイスキーは、これからこの村の特産品になるのでは……と期待されている。
とはいえまだ熟成期間は充分ではないので、とりあえず熟成前の物を祭で宣伝がわりにふるまう予定だ。
その計画中に、村の代表であるサイモンが酷い風邪をひいたのだ。
正確にはサイモンだけではなく、移民団の中で体力のない者が次々に倒れている。
それも安静にしていれば治る風邪だというアンジェロやリタの言葉に、皆ひとまず安堵した。
が、サイモンは、近々村長会議も控えており、のんびり寝ているわけにもいかない。
そこでセストの勧めもあり、ウイスキーの運び込みを前倒しして、ついでに医者に診てもらい、薬も分けてもらえばいいということになったのだ。
しかしアンジェロが別の問題を指摘する。
「樽入りのお酒ですから、どうしても匂いが漏れます。大丈夫でしょうか……」
その懸念は、みごと的中したのだった。
●道中の災難
2台の馬車がのんびりと街道を走る。
1台にはいくつかの酒樽、もう1台の荷台には横になるサイモンと、看病のために付き添うリタが乗っていた。
街道はこんもりと茂った森を回り込むようにカーブしている。
そのカーブを越えたところで、馬を操っていたアンジェロが大声を上げた。
「やっぱりでてきた、オークだ!!」
……絶望が一行を支配したその時。
道の向こうから近付いてくる一団があった。アンジェロが今度は喜びの声を上げる。
「よかった、来てくれた!」
領主の依頼でこちらへ向かっていたハンター達の一団は、即座に行動に移った。
「ぶあーーーーーっくしょい!!」
派手なくしゃみの音に、馬が怯えたように身を震わせ、耳を動かした。
視線の先では、バチャーレ村の代表であるサイモン・小川(kz0211)が、赤い顔でベンチに座り込んでいる。
「主任……生きて帰ってきてね」
気の毒そうに声をかけるのは、マリナ・リヴェール。
ここバチャーレ村へ移民してきた、サルヴァトーレ・ロッソの元乗員のひとりだ。
「君も……気をつけたほうがいい……うがい、手洗い、換気だ……」
サイモンの声はかすれてよく聞き取れない。
「はいはい、全部主任がサボっていたことよね。私は大丈夫よ、いつも山歩きして鍛えてるから」
からからと笑うマリナは、確かにがっしりした体格の女性だ。もともとは地質学者で、今は近辺の山を調査してまわっている。
彼らより少し若い男が、これまた気の毒そうにサイモンの傍についている。移民のひとりだ。
「おそらくはこの地方の風土病でしょう。原因となるウィルスの特定まではできたのですが……」
「薬に頼れない分、しっかり寝て食べて、地道に回復するしかないわよね」
「うぐ……ぶあっくしょーーーーい!!!」
馬がいらいらと足踏みする。
「毛布はこれで足りるかな?」
「お水は飲み水と別に、用意して置いた方がいいわね」
近くの村から最近ここに越してきた若夫婦、アンジェロとリタが、馬車の後ろに荷物を積み込む。
「すみません……色々と、お手数をおかけして……」
「いいえ。でもサイモンさん、一応お医者様には診てもらってくださいね。領主様のところにいらっしゃいますから」
リタの言葉に、サイモンは神妙に頷くしかない。
このバチャーレ村は捨て置かれた村だった。
不吉な事件が起きた村という古い噂話は、ハンター達の協力もあって誤解が解け、今は近隣の村とも良好な関係を保っている。
ジェオルジの領主セスト・ジェオルジ(kz0034)の依頼で育てたヒスイトウモロコシは、温暖なこの地域の気候のもと、すくすくと育ち立派な実をつけた。
そしてトウモロコシから作ったウイスキーは、これからこの村の特産品になるのでは……と期待されている。
とはいえまだ熟成期間は充分ではないので、とりあえず熟成前の物を祭で宣伝がわりにふるまう予定だ。
その計画中に、村の代表であるサイモンが酷い風邪をひいたのだ。
正確にはサイモンだけではなく、移民団の中で体力のない者が次々に倒れている。
それも安静にしていれば治る風邪だというアンジェロやリタの言葉に、皆ひとまず安堵した。
が、サイモンは、近々村長会議も控えており、のんびり寝ているわけにもいかない。
そこでセストの勧めもあり、ウイスキーの運び込みを前倒しして、ついでに医者に診てもらい、薬も分けてもらえばいいということになったのだ。
しかしアンジェロが別の問題を指摘する。
「樽入りのお酒ですから、どうしても匂いが漏れます。大丈夫でしょうか……」
その懸念は、みごと的中したのだった。
●道中の災難
2台の馬車がのんびりと街道を走る。
1台にはいくつかの酒樽、もう1台の荷台には横になるサイモンと、看病のために付き添うリタが乗っていた。
街道はこんもりと茂った森を回り込むようにカーブしている。
そのカーブを越えたところで、馬を操っていたアンジェロが大声を上げた。
「やっぱりでてきた、オークだ!!」
……絶望が一行を支配したその時。
道の向こうから近付いてくる一団があった。アンジェロが今度は喜びの声を上げる。
「よかった、来てくれた!」
領主の依頼でこちらへ向かっていたハンター達の一団は、即座に行動に移った。
リプレイ本文
●
乾いた土埃を巻き上げ、魔導トラックが街道をひた走る。
ハンドルを握る天王寺茜(ka4080)は、バックミラー越しに声をかけた。
「皆、大丈夫? もうちょっとだと思うから頑張ってね!」
杢(ka6890)の大きな黒い瞳が、小窓からのぞいていた。
「まんず問題ないだんずー」
どころか、ワクワクである。魔導トラックは初体験、荷台から見る光景は実に楽しいものだった。
「みんなお友達ですから! しっかりくっついてますから大丈夫ですよ!」
「くっついてるですおー!」
ノワ(ka3572)が身体を屈めて、杢とルーキフェル・ハーツ(ka1064)を庇うように押さえている。
「オッケー。道があんまりよくないから、おしゃべりで舌を噛まないように気をつけてね!」
トラックにはゴースロンを駆るウェスペル・ハーツ(ka1065)とトリプルJ(ka6653)、そして駿馬エクウスにまたがる道元 ガンジ(ka6005)が並走する。
ガンジは手首に巻いたバンダナを鼻先に持ち上げた。
「よし、これだけ酒臭けりゃこっちに気づくだろっ」
トラックの荷台では、杢もワインをあけて準備している。
「おらはお酒飲めないだんず。けんどこーゆー使い方も出来るだんずね」
芳醇なワインの香りが、広げた布から立ち上る。
ルーキフェルはそれを見て、大きく目を見開いた。
「ふぉ! 頭いいお!」
それから荷物を探り、保護者が持たせてくれた消毒用・気付け用のウィスキーを自分のマントに振りかける。
この街道には度々オークが現れる。
同盟陸軍もハンターも出動しているのだが、ジェオルジ中から歪虚を消すことができないのと同様、根絶は難しいという。
オークは酒の匂いに惹かれて寄ってくるため、荷物の樽を一つ捨てて大急ぎで逃げる者もあるらしいが、アンジェロはその方法が却ってオーク達を呼び込んでいるのでは、と考えていた。
ルーキフェルは鼻をひくひくさせながら、マントの匂いを嗅ぐ。
「こんな感じでいいかお。あんまりたくさんかけると、オークがいっぱい来てしまうお」
「どうしてもたくさん来てしまったら、馬車から離れたところに投げてしまいましょう!」
ノワは自分のストールを広げていた。
「ええあんべえだんずー。ちーと臭いけどけっぱるだんずー」
「うーん、漂う臭いで酔っ払い運転になりそうね!」
茜は笑いながらアクセルを踏む。
「それにしても、オークも確かに面倒なんだけど。サイモンさんは大丈夫かな……」
リアルブルー基準でも、余り頑丈とは言い難い雰囲気の代表である。風邪で弱っていると聞けば心配だ。
●
街道はいつしか森をめぐるようなルートを取っていた。
前方をにらんでいた茜が声を上げる。
「あっ、あの馬車、サイモンさん達のかな? というか大変じゃない!」
騎乗の三名からは、その様子が一層よく見えた。
「オークなの! きけんがあぶないの!」
ウェスペルは前が見辛い兄に聞こえるように、声を張り上げて状況を知らせる。
一体のオークがアンジェロの馬車めがけて、森から飛び出してきたところだ。
もう一台は荒れ地側を走っているが、どちらの馬車も余りスピードは出せないようだ。
ガンジは馬を森との境目に近いところに寄せ、そこで降りた。
「オークがこっちに気づいてなけりゃ、出会い頭の奇襲ってことになるぜ。有利に進められるからな!」
言うが早いか、木陰にまぎれて駆けだす。
茜はトラックの窓から顔を出し、荒れ地側の馬車に近づきながら叫んだ。
「足止めします! そのまま進んでください!」
荒れ地側の馬車に乗っているのは、サイモンとリタのはずだ。酒樽のない馬車は、オークに狙われることはないだろう。
「すみません、助かります!!」
御者の男がすれ違いざまに叫ぶ。
心配そうに顔をのぞかせた荷台にいる娘に、トリプルJが何かをぽんと放り投げた。
「お守りだ。さっさと離れろよ、ただし500m圏内な」
「えっ?」
リタが受け取ったのはトランシーバーだった。
「何か困ったことがあったら連絡しろ。周波数はあわせてあるからな」
トリプルJはもうひとつのトランシーバーにそう語りかけると、軽く肩をすくめる。
襲撃の可能性は低いが、あちらに付き添ってやるハンターはいない。パニックを起こさないよう、多少のケアは必要だと考えたのだ。
『……すみません、アンジェロさんを……よろしく、お願いします……』
聞き取りにくい男の声がトランシーバーから流れた。トリプルJの意図を理解したサイモンが、リタに説明するために使ったものだろう。
「任せろ」
トリプルJは短く返答し、通信を切る。
その目は真っ直ぐに、敵を見据えていたのだった。
●
オーク達が我慢できないという様子で、森から飛び出してくる。
「いっちょまえに酒なんか狙ってんじゃねぇよ、この豚野郎!」
トリプルJは敵が言葉を理解するかはわからないが、煽る気配は伝わるように飛び出していく。
ガンジもほぼ同時に飛び出した。
「簡単にタダ呑みできると思うなよっ!」
ガンジの行動はシンプルだ。とにかく酒樽と馬車を守る。勿論、馬車を操る人もだ。
「おらどけよ!」
馬車に最も接近していたオークを、ノックバックで押しやる。そいつが下っ端なのかリーダーなのかはどうでもいい。
トリプルJはもう一体のオークに近づくと、ファントムハンドで引き摺り寄せる。
と同時に、仲間に向かって声をかけた。
「さっさとやるぞ、誤爆なんぞ気にせず打っちまえ!」
それは『自分が味方の攻撃を食らってもかまわない』という意味だった。
茜はハンドルを握り直し、アクセルを踏み込む。
「わかったわ! でも攻撃は程ほどにね!」
不利と思えば他の仲間を呼ぶかもしれない。敵の数が多くなれば、酒樽を積んだ馬車ごと壊されてしまう可能性もある。
最悪のケースを見越しての魔導トラックだったが、馬車が壊れては酒樽全てが無事という訳にはいかないだろう。
そのため、まずはオークを馬車から引き離す。
トラックが森に沿って走りだし、茜は窓から身を乗り出し、ジャッジメントでオークの足止めを狙う。
だが流石に運転しながらの初撃、不意打ちとはいえ走る車からの狙いは逸れた。
「さすがにそう上手くはいかないわね」
茜は歯噛みするが、その分だけ荷台の3人が張り切る。
杢は龍矢「シ・ヴァユ」にレイターコールドショットの冷気を纏わせ、オークを射抜く。
「当たってけれー」
矢は、ひときわ大きなオークの肩を掠めた。傷はさほど深くないが、杢の目的は冷気による行動阻害だ。
「わんつか凍ってくれっど嬉しいだんず」
ウェスペルがアンジェロに声をかけた。
「おうまさんびっくりしないように、よろしくお願いしますなの!」
馬を眠らせることも考えたが、アンジェロを巻き込むと馬車が道を逸れて荒れ地に突っ込んだり、転倒したりする恐れもある。
だからなるべく馬の視界に入らない場所で戦わなければならなかった。
「道を開けますね。お馬さん、怖がらなくてもいいんですよ!」
ノワがノックバックで、馬車の前に出てきたオークを押し戻した。
「有難うございます、皆さんも気をつけてください!」
アンジェロは手綱をしっかりと握り、ハンター達の開いた道を進む。
ウェスペルはそれを確認してワンドをかざすと、ノワが押し込んだオークにアイスボルトの氷の矢を打ちこんだ。
オーク達は痛みと同時に、思い通りに動かない身体に気付く。
酒樽を乗せた馬車は遠ざかる。
オークリーダーは邪魔者達に、怒りに燃える目を向けた。なんといっても、そちらからは酒の匂いがぷんぷんしているのだ。
大きな樽や馬車のような、いかにもな荷物があったほうが気を引けただろうが、マントを纏ったルーキフェルなどは酒瓶のように見えたかもしれない……。
●
茜は馬車が充分な距離を開けたことを確認し、声を上げる。
「ちょっと方向変えるから、落ちないで!」
「はいっ!」
ノワが杢とルーキフェルを抱えて荷台に身を伏せた。と同時に、身体がふわりと浮きそうになる。
「わわわわ!!」
茜が魔導トラックを操り、街道の幅いっぱいを使って急転回したのだ。
道を塞ぐようにトラックを止めると、運転席を飛び出し、更にディヴァインウィルで見えない障壁を作り出す。
「さあ、これで馬車には近づけないわよ」
ディヴァインウィルを維持するために、茜は攻撃に加わることができない。後は仲間に託すのみだ。
「すみません、こっちに引きつけますね」
ノワが、お酒をしみ込ませたストールを茜の障壁に近い岩に広げた。
オークリーダーの正面に、ルーキフェルが躍り出た。
「ここは通さないんですお!!」
「ふおおおお! るーをお助けするですなの!!」
ウェスペルは、絶妙の間合いで再び氷の矢をぶつけた。
冷気を受けて敵が僅かに怯んだところを、ルーキフェルが小さな体に気迫を込め、白銀の刀身で斬りかかる。
だが流石はオークリーダー、多少の傷で倒れることはない。
歯を剥き出した恐ろしい形相で、力任せに手にした斧を振りまわし、ルーキフェルに追いすがる。
「負けないですお!!」
盾を手に、守りの構えで踏ん張り、一歩も譲るつもりはない。
「まげるでねーけっぱるだんずよー」
杢もなんとか加勢したいのだが、ガンジとトリプルJが二体を押さえている場所が森に近く、逃げられないように牽制するので手いっぱいだ。
当人たちが遠慮するなというので、誤射を気にせず撃ちまくれるのだが、オークは思ったよりもタフだった。
更に別のオークが一体、リーダーの加勢に向かおうとしていた。気付いたノワが機械槍「タービュレンス」を振り抜き、クラッシュブロウで脚をたたく。
倒れざま、オークが怒りを込めて振りまわした槍が、ノワの肩を掠めた。
ノワが一旦距離を置く。オークは片膝を地面についていたが、致命傷ではない。
「耐久が高いという話でしたが、本当ですね」
荒い息と共に、さすがのノワも半ばあきれたような声を上げた。
(もし倒しきれないなら、無理に時間をかけて他の敵を呼び寄せるより、離脱したほうがいいかもしれませんね……)
子犬のように人懐こい顔が、珍しく険しさを漂わせる。
自分達のことを考えるだけなら、粘ればいい。だが今回の目的は、敵のせん滅ではなく、荷物と人の安全確保なのだ。
トリプルJとガンジは、それぞれ一体を相手していた。
「おっと、こっちも気にならねぇか?」
ガンジはお酒の匂いが染みついたバンダナを巻いた手首を敵の鼻先にちらつかせる。
「気になるよなあ? だがな、 お前が食らうのはこっちだぜ!!」
金色のトンファーが風を切って唸る。筋力充填で威力を増した攻撃を頬に受けたオークは、激しい咆哮とともに手を伸ばした。
「げっ!」
オークの大きな手が、ガンジの首を締め上げる。
必死にもがくガンジは、相手の手が緩んだ一瞬の隙に逃れ、距離を取った。
「当たったらごめんなさいなの!!」
ウェスペルが牽制で放った氷の矢に、オークが気を取られたのだ。
「助かったぜ、ありがとな! ……今度は油断しねーからな!」
ガンジはにやりと笑うと、再びトンファーに力を込めた。
トリプルJの伸ばした幻影の腕が、不利を悟って後じさりするオークを捉える。
「てめぇ、逃げられると思ってんのか?」
そのまま巨体はずるずると引き寄せられ、もがいた。
後方からトリプルJの耳元を光の矢が掠め、オークの右目を射抜く。
「ははっ、杢、結構容赦ねえな。よし、これで仕上げとするぜ」
呻き声をあげてのたうつオークに、ワイルドラッシュの連撃が襲いかかった。
さしものオークも、これには耐えきれない。
こうして接近戦を仕掛けるメンバーと、後方支援のメンバーが互いにうまく連携し、体力自慢のオークも次々と倒れて行った。
今回襲いかかってきたオークの一団の殲滅に成功したのだ。
●
それぞれが動ける程度に傷を癒しただけで、ハンター達は馬車二台と合流した。のんびりしていて、またオークが出てきては面倒だからだ。
ノワはサイモンの馬車を覗き込む。
「こんにちは、サイモンさん! とても具合が悪いと聞きました。大丈夫ですか」
サイモンは起き上がるのも辛そうだった。
「すみません……またご迷惑を……」
「ふむ、かなり具合が悪そうですね。では私が治療を! ……と言いたいところですが、専門のお医者様がいらっしゃるので早く診てもらいましょう」
茜は馬車も荷物も無事なことを確認し、その報告のついでに声をかけた。
「領主様のところに着いたら、蜂蜜を湯に溶かしたのを作りますね。喉に良いですよ」
「おそれいります……」
ルーキフェルとウェスペルは、並んで顔をのぞかせた。
「サイモンが大変だお……」
「おだいじになの。特製おやさいジュースで、元気になーれなの」
ウェスペルはそっと野菜ジュースを置いた。ルーキフェルが「うわあ」という顔をしているのは気のせいだろうか。
杢はふたりの横からひょいと顔を出す。
「サイモンさんばこのお酒さ有名にするまでは死んだら駄目だんずよね? せばけっぱるだんずよ」
死んでない、死んでない。
サイモンが弱々しく手を振る。
「『かんぷうまさつ』すっど体ば強くなるっで聞いたんず。わったどおすすめだんず」
乾布摩擦について、熱く語る杢。
ガンジがその頭をくしゃりと撫でて、また顔をのぞかせた。
「だいじょぶかサイモン! 往診してもらったらよかったんじゃねーのか? ま、敵がウィルスなら、感染を広げないように俺たちも手洗いやうがいを徹底したほうが良いな」
「手洗いとうがいは大事だんず」
大人だし指導者なんだから手洗いうがいくらいしないと、と杢はサイモンを若干斜めに見る。なかなかに厳しい六歳児である。
リタがトリプルJにトランシーバーを返しながら礼を述べた。
「本当にありがとうございました。皆さんのお怪我が大したことがなければいいのですが……」
「気にすんな。それよりもこれからはどうする? 必要なら追加依頼も引き受けるぜ?」
にやりと笑いながら、アンジェロを見遣る。
「暫くは『怖い目にあう』と分かったので、大人しくなるでしょう。またいずれ、お手数をかけることはあるかもしれませんが……」
そこにガンジが加わった。
「なあ、バチャーレって美味いものを作ったり面白いトコらしーな」
アンジェロとリタは嬉しそうに頷く。
「そっか! んじゃ俺の報酬は飯でよろしく!」
「あら。じゃあ領主様の館に着いたら、御馳走しますね。鳥肉入りの『まめし』もあるんですよ!」
尚、この報酬は、ある意味で普通より高くつくことになる。
「それにしても……領主様が驚かれるかもしれませんね」
アンジェロが困ったような苦笑いを浮かべる。
到着した一同の大宴会の後のような匂いには、いつも冷静なセストも目を丸くするに違いなかった。
<了>
乾いた土埃を巻き上げ、魔導トラックが街道をひた走る。
ハンドルを握る天王寺茜(ka4080)は、バックミラー越しに声をかけた。
「皆、大丈夫? もうちょっとだと思うから頑張ってね!」
杢(ka6890)の大きな黒い瞳が、小窓からのぞいていた。
「まんず問題ないだんずー」
どころか、ワクワクである。魔導トラックは初体験、荷台から見る光景は実に楽しいものだった。
「みんなお友達ですから! しっかりくっついてますから大丈夫ですよ!」
「くっついてるですおー!」
ノワ(ka3572)が身体を屈めて、杢とルーキフェル・ハーツ(ka1064)を庇うように押さえている。
「オッケー。道があんまりよくないから、おしゃべりで舌を噛まないように気をつけてね!」
トラックにはゴースロンを駆るウェスペル・ハーツ(ka1065)とトリプルJ(ka6653)、そして駿馬エクウスにまたがる道元 ガンジ(ka6005)が並走する。
ガンジは手首に巻いたバンダナを鼻先に持ち上げた。
「よし、これだけ酒臭けりゃこっちに気づくだろっ」
トラックの荷台では、杢もワインをあけて準備している。
「おらはお酒飲めないだんず。けんどこーゆー使い方も出来るだんずね」
芳醇なワインの香りが、広げた布から立ち上る。
ルーキフェルはそれを見て、大きく目を見開いた。
「ふぉ! 頭いいお!」
それから荷物を探り、保護者が持たせてくれた消毒用・気付け用のウィスキーを自分のマントに振りかける。
この街道には度々オークが現れる。
同盟陸軍もハンターも出動しているのだが、ジェオルジ中から歪虚を消すことができないのと同様、根絶は難しいという。
オークは酒の匂いに惹かれて寄ってくるため、荷物の樽を一つ捨てて大急ぎで逃げる者もあるらしいが、アンジェロはその方法が却ってオーク達を呼び込んでいるのでは、と考えていた。
ルーキフェルは鼻をひくひくさせながら、マントの匂いを嗅ぐ。
「こんな感じでいいかお。あんまりたくさんかけると、オークがいっぱい来てしまうお」
「どうしてもたくさん来てしまったら、馬車から離れたところに投げてしまいましょう!」
ノワは自分のストールを広げていた。
「ええあんべえだんずー。ちーと臭いけどけっぱるだんずー」
「うーん、漂う臭いで酔っ払い運転になりそうね!」
茜は笑いながらアクセルを踏む。
「それにしても、オークも確かに面倒なんだけど。サイモンさんは大丈夫かな……」
リアルブルー基準でも、余り頑丈とは言い難い雰囲気の代表である。風邪で弱っていると聞けば心配だ。
●
街道はいつしか森をめぐるようなルートを取っていた。
前方をにらんでいた茜が声を上げる。
「あっ、あの馬車、サイモンさん達のかな? というか大変じゃない!」
騎乗の三名からは、その様子が一層よく見えた。
「オークなの! きけんがあぶないの!」
ウェスペルは前が見辛い兄に聞こえるように、声を張り上げて状況を知らせる。
一体のオークがアンジェロの馬車めがけて、森から飛び出してきたところだ。
もう一台は荒れ地側を走っているが、どちらの馬車も余りスピードは出せないようだ。
ガンジは馬を森との境目に近いところに寄せ、そこで降りた。
「オークがこっちに気づいてなけりゃ、出会い頭の奇襲ってことになるぜ。有利に進められるからな!」
言うが早いか、木陰にまぎれて駆けだす。
茜はトラックの窓から顔を出し、荒れ地側の馬車に近づきながら叫んだ。
「足止めします! そのまま進んでください!」
荒れ地側の馬車に乗っているのは、サイモンとリタのはずだ。酒樽のない馬車は、オークに狙われることはないだろう。
「すみません、助かります!!」
御者の男がすれ違いざまに叫ぶ。
心配そうに顔をのぞかせた荷台にいる娘に、トリプルJが何かをぽんと放り投げた。
「お守りだ。さっさと離れろよ、ただし500m圏内な」
「えっ?」
リタが受け取ったのはトランシーバーだった。
「何か困ったことがあったら連絡しろ。周波数はあわせてあるからな」
トリプルJはもうひとつのトランシーバーにそう語りかけると、軽く肩をすくめる。
襲撃の可能性は低いが、あちらに付き添ってやるハンターはいない。パニックを起こさないよう、多少のケアは必要だと考えたのだ。
『……すみません、アンジェロさんを……よろしく、お願いします……』
聞き取りにくい男の声がトランシーバーから流れた。トリプルJの意図を理解したサイモンが、リタに説明するために使ったものだろう。
「任せろ」
トリプルJは短く返答し、通信を切る。
その目は真っ直ぐに、敵を見据えていたのだった。
●
オーク達が我慢できないという様子で、森から飛び出してくる。
「いっちょまえに酒なんか狙ってんじゃねぇよ、この豚野郎!」
トリプルJは敵が言葉を理解するかはわからないが、煽る気配は伝わるように飛び出していく。
ガンジもほぼ同時に飛び出した。
「簡単にタダ呑みできると思うなよっ!」
ガンジの行動はシンプルだ。とにかく酒樽と馬車を守る。勿論、馬車を操る人もだ。
「おらどけよ!」
馬車に最も接近していたオークを、ノックバックで押しやる。そいつが下っ端なのかリーダーなのかはどうでもいい。
トリプルJはもう一体のオークに近づくと、ファントムハンドで引き摺り寄せる。
と同時に、仲間に向かって声をかけた。
「さっさとやるぞ、誤爆なんぞ気にせず打っちまえ!」
それは『自分が味方の攻撃を食らってもかまわない』という意味だった。
茜はハンドルを握り直し、アクセルを踏み込む。
「わかったわ! でも攻撃は程ほどにね!」
不利と思えば他の仲間を呼ぶかもしれない。敵の数が多くなれば、酒樽を積んだ馬車ごと壊されてしまう可能性もある。
最悪のケースを見越しての魔導トラックだったが、馬車が壊れては酒樽全てが無事という訳にはいかないだろう。
そのため、まずはオークを馬車から引き離す。
トラックが森に沿って走りだし、茜は窓から身を乗り出し、ジャッジメントでオークの足止めを狙う。
だが流石に運転しながらの初撃、不意打ちとはいえ走る車からの狙いは逸れた。
「さすがにそう上手くはいかないわね」
茜は歯噛みするが、その分だけ荷台の3人が張り切る。
杢は龍矢「シ・ヴァユ」にレイターコールドショットの冷気を纏わせ、オークを射抜く。
「当たってけれー」
矢は、ひときわ大きなオークの肩を掠めた。傷はさほど深くないが、杢の目的は冷気による行動阻害だ。
「わんつか凍ってくれっど嬉しいだんず」
ウェスペルがアンジェロに声をかけた。
「おうまさんびっくりしないように、よろしくお願いしますなの!」
馬を眠らせることも考えたが、アンジェロを巻き込むと馬車が道を逸れて荒れ地に突っ込んだり、転倒したりする恐れもある。
だからなるべく馬の視界に入らない場所で戦わなければならなかった。
「道を開けますね。お馬さん、怖がらなくてもいいんですよ!」
ノワがノックバックで、馬車の前に出てきたオークを押し戻した。
「有難うございます、皆さんも気をつけてください!」
アンジェロは手綱をしっかりと握り、ハンター達の開いた道を進む。
ウェスペルはそれを確認してワンドをかざすと、ノワが押し込んだオークにアイスボルトの氷の矢を打ちこんだ。
オーク達は痛みと同時に、思い通りに動かない身体に気付く。
酒樽を乗せた馬車は遠ざかる。
オークリーダーは邪魔者達に、怒りに燃える目を向けた。なんといっても、そちらからは酒の匂いがぷんぷんしているのだ。
大きな樽や馬車のような、いかにもな荷物があったほうが気を引けただろうが、マントを纏ったルーキフェルなどは酒瓶のように見えたかもしれない……。
●
茜は馬車が充分な距離を開けたことを確認し、声を上げる。
「ちょっと方向変えるから、落ちないで!」
「はいっ!」
ノワが杢とルーキフェルを抱えて荷台に身を伏せた。と同時に、身体がふわりと浮きそうになる。
「わわわわ!!」
茜が魔導トラックを操り、街道の幅いっぱいを使って急転回したのだ。
道を塞ぐようにトラックを止めると、運転席を飛び出し、更にディヴァインウィルで見えない障壁を作り出す。
「さあ、これで馬車には近づけないわよ」
ディヴァインウィルを維持するために、茜は攻撃に加わることができない。後は仲間に託すのみだ。
「すみません、こっちに引きつけますね」
ノワが、お酒をしみ込ませたストールを茜の障壁に近い岩に広げた。
オークリーダーの正面に、ルーキフェルが躍り出た。
「ここは通さないんですお!!」
「ふおおおお! るーをお助けするですなの!!」
ウェスペルは、絶妙の間合いで再び氷の矢をぶつけた。
冷気を受けて敵が僅かに怯んだところを、ルーキフェルが小さな体に気迫を込め、白銀の刀身で斬りかかる。
だが流石はオークリーダー、多少の傷で倒れることはない。
歯を剥き出した恐ろしい形相で、力任せに手にした斧を振りまわし、ルーキフェルに追いすがる。
「負けないですお!!」
盾を手に、守りの構えで踏ん張り、一歩も譲るつもりはない。
「まげるでねーけっぱるだんずよー」
杢もなんとか加勢したいのだが、ガンジとトリプルJが二体を押さえている場所が森に近く、逃げられないように牽制するので手いっぱいだ。
当人たちが遠慮するなというので、誤射を気にせず撃ちまくれるのだが、オークは思ったよりもタフだった。
更に別のオークが一体、リーダーの加勢に向かおうとしていた。気付いたノワが機械槍「タービュレンス」を振り抜き、クラッシュブロウで脚をたたく。
倒れざま、オークが怒りを込めて振りまわした槍が、ノワの肩を掠めた。
ノワが一旦距離を置く。オークは片膝を地面についていたが、致命傷ではない。
「耐久が高いという話でしたが、本当ですね」
荒い息と共に、さすがのノワも半ばあきれたような声を上げた。
(もし倒しきれないなら、無理に時間をかけて他の敵を呼び寄せるより、離脱したほうがいいかもしれませんね……)
子犬のように人懐こい顔が、珍しく険しさを漂わせる。
自分達のことを考えるだけなら、粘ればいい。だが今回の目的は、敵のせん滅ではなく、荷物と人の安全確保なのだ。
トリプルJとガンジは、それぞれ一体を相手していた。
「おっと、こっちも気にならねぇか?」
ガンジはお酒の匂いが染みついたバンダナを巻いた手首を敵の鼻先にちらつかせる。
「気になるよなあ? だがな、 お前が食らうのはこっちだぜ!!」
金色のトンファーが風を切って唸る。筋力充填で威力を増した攻撃を頬に受けたオークは、激しい咆哮とともに手を伸ばした。
「げっ!」
オークの大きな手が、ガンジの首を締め上げる。
必死にもがくガンジは、相手の手が緩んだ一瞬の隙に逃れ、距離を取った。
「当たったらごめんなさいなの!!」
ウェスペルが牽制で放った氷の矢に、オークが気を取られたのだ。
「助かったぜ、ありがとな! ……今度は油断しねーからな!」
ガンジはにやりと笑うと、再びトンファーに力を込めた。
トリプルJの伸ばした幻影の腕が、不利を悟って後じさりするオークを捉える。
「てめぇ、逃げられると思ってんのか?」
そのまま巨体はずるずると引き寄せられ、もがいた。
後方からトリプルJの耳元を光の矢が掠め、オークの右目を射抜く。
「ははっ、杢、結構容赦ねえな。よし、これで仕上げとするぜ」
呻き声をあげてのたうつオークに、ワイルドラッシュの連撃が襲いかかった。
さしものオークも、これには耐えきれない。
こうして接近戦を仕掛けるメンバーと、後方支援のメンバーが互いにうまく連携し、体力自慢のオークも次々と倒れて行った。
今回襲いかかってきたオークの一団の殲滅に成功したのだ。
●
それぞれが動ける程度に傷を癒しただけで、ハンター達は馬車二台と合流した。のんびりしていて、またオークが出てきては面倒だからだ。
ノワはサイモンの馬車を覗き込む。
「こんにちは、サイモンさん! とても具合が悪いと聞きました。大丈夫ですか」
サイモンは起き上がるのも辛そうだった。
「すみません……またご迷惑を……」
「ふむ、かなり具合が悪そうですね。では私が治療を! ……と言いたいところですが、専門のお医者様がいらっしゃるので早く診てもらいましょう」
茜は馬車も荷物も無事なことを確認し、その報告のついでに声をかけた。
「領主様のところに着いたら、蜂蜜を湯に溶かしたのを作りますね。喉に良いですよ」
「おそれいります……」
ルーキフェルとウェスペルは、並んで顔をのぞかせた。
「サイモンが大変だお……」
「おだいじになの。特製おやさいジュースで、元気になーれなの」
ウェスペルはそっと野菜ジュースを置いた。ルーキフェルが「うわあ」という顔をしているのは気のせいだろうか。
杢はふたりの横からひょいと顔を出す。
「サイモンさんばこのお酒さ有名にするまでは死んだら駄目だんずよね? せばけっぱるだんずよ」
死んでない、死んでない。
サイモンが弱々しく手を振る。
「『かんぷうまさつ』すっど体ば強くなるっで聞いたんず。わったどおすすめだんず」
乾布摩擦について、熱く語る杢。
ガンジがその頭をくしゃりと撫でて、また顔をのぞかせた。
「だいじょぶかサイモン! 往診してもらったらよかったんじゃねーのか? ま、敵がウィルスなら、感染を広げないように俺たちも手洗いやうがいを徹底したほうが良いな」
「手洗いとうがいは大事だんず」
大人だし指導者なんだから手洗いうがいくらいしないと、と杢はサイモンを若干斜めに見る。なかなかに厳しい六歳児である。
リタがトリプルJにトランシーバーを返しながら礼を述べた。
「本当にありがとうございました。皆さんのお怪我が大したことがなければいいのですが……」
「気にすんな。それよりもこれからはどうする? 必要なら追加依頼も引き受けるぜ?」
にやりと笑いながら、アンジェロを見遣る。
「暫くは『怖い目にあう』と分かったので、大人しくなるでしょう。またいずれ、お手数をかけることはあるかもしれませんが……」
そこにガンジが加わった。
「なあ、バチャーレって美味いものを作ったり面白いトコらしーな」
アンジェロとリタは嬉しそうに頷く。
「そっか! んじゃ俺の報酬は飯でよろしく!」
「あら。じゃあ領主様の館に着いたら、御馳走しますね。鳥肉入りの『まめし』もあるんですよ!」
尚、この報酬は、ある意味で普通より高くつくことになる。
「それにしても……領主様が驚かれるかもしれませんね」
アンジェロが困ったような苦笑いを浮かべる。
到着した一同の大宴会の後のような匂いには、いつも冷静なセストも目を丸くするに違いなかった。
<了>
依頼結果
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相談するとこです。 天王寺茜(ka4080) 人間(リアルブルー)|18才|女性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2017/10/23 12:37:21 |
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質問卓です。 天王寺茜(ka4080) 人間(リアルブルー)|18才|女性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2017/10/23 10:51:58 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/10/19 22:42:23 |